JP2015127376A - 白色難燃性ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リン元素を0.20重量%以上含有する難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物を含有するポリエステルフィルムであり、当該フィルム中に、リン元素を0.20重量%以上、白色顔料を1.2%以上含有することを特徴とする白色難燃性ポリエステルフィルム。
【選択図】 図1
Description
例えば、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂と相溶性のある樹脂の混合が挙げられる。
(1)バージンレジンだけで得られた難燃ポリエステルフィルムの耳部をフレーク化しチップ化したポリエステル
(2)上記の(1)を固相重合し、高IV化したポリエステル
(3)上記の(1)に難燃剤を追添加して、溶融混合したポリエステル
(4)リサイクルPETボトルを粉砕化、溶融チップ化し、固相重合したPETと難燃剤を溶融混合したポリエステル
(5)難燃剤を含有しないポリエステルフィルムの耳部をフレーク化後チップ化し、さらに固相重合したポリエステルと、難燃剤とを溶融混合したポリエステル
ポリエステルサンプル0.5gを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
ICP:Varian Tech.社製ICP−AESを用いて、硝酸による酸分解法により、ポリエステルサンプル中のリン元
素含有量(重量%)を求めた。
以下の式によって求めた。
白色顔料濃度(重量%)=50×I÷100
(上記式中、Iはフィルム中に配合された後述するポリエステル原料(3)の重量比(%)を表す)
マクベス濃度計TD−904型を使用し、Gフィルター下の透過光濃度を測定し、隠蔽度を求めた。この値が大きいほど隠蔽力が高いことを示す。
連続生産を想定し、未延伸シートの製造から未延伸シートを縦延伸、及び横延伸して、ロールとして巻き上げるまでの、製品の破断する頻度から、下記3ランクの基準で判定評価した。
○:1回のフィルム破断の頻度が10分以上
△:5分以上10分未満に、フィルム破断が1回生じる
×:5分未満に1回以上フィルム破断が生じる
4−1 試験片作成
フィルム試験片として、200mm×50mmに裁断し、試料の一端(下部)から125mmの所で、試料の幅を横切って標線を入れる。試料の縦軸を直径12.7mmのマンドレルの縦軸に硬く巻きつけて、125mmの線が外側に露出する、長さ200mmの巻かれた円筒になるようにする。試料の外にはみ出た縁は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で、粘着テープにより固定する。そしてマンドレルを引き抜く。
上記で得られた試験片を、23℃及び50%の相対湿度で、48時間前処理をする。
4−3−1 試験片固定
試料の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置で、強いスプリング付きのクランプで固定し、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにする。試料の下端は、最大厚が6mmの厚さにした、1枚の水平な0.05gの脱脂100%のコットン(50mm×50mm)より、300mm上にあるようにする。図1参照。
バーナーから高さ20mmの青炎が出るように調整する。その炎を出すためにはガスの供給とバーナーの空気入口を調整して、20mmの先端が黄色い青い炎が出るようにする。そして黄色い先端が丁度消えるまで空気の供給を増やす。再度炎の高さを測定して、必要に応じて再調節をする。なお、バーナーへのメタンガス供給は、ASTMD5207に準じた方法で流量を調整する。
炎は、試料の巻かれていない方の下端の中心点を中心にあて、バーナーの先端は試料の下端のその点から10mm下にあるようにして、その距離で3秒続ける。ただし、試料の長さまたは位置のあらゆる変化に応じてバーナーを移動させる。接炎中に溶融または発煙物質が滴下する場合は、バーナーの角度を45度までの範囲で傾けて、バーナーの管の中にその物質が落下するのを防ぐのにちょうど十分なだけ試料の下から移動させる。しかし、その間もバーナーの先端の中心と試料の残存部分間は10mm±1mmの間隔を保たなければならない。試料に3秒間接炎すると、直ちにバーナーを試料から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間t1を秒で計り始める。そしてそのt1を記録する。
試料の残炎が消滅した時点で(バーナーを試料から150mm離れたところまで完全に取り去っていない状態であっても)、直ちにバーナーを試料の下に持ってきて、試料の残りの部分から10mm±1mm離れた箇所にバーナーを保持しておく。ただし、必要に応じてバーナーを動かして、妨害物のない状態で落下物の自然挙動が確認できるようにする。この試料に3秒の接炎を行った後、直ちに毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間t2を秒で計り始める。
試験片5本に対し、上述の4−3節記載の手順で試験を行う。5本中最も基準の低くなった評価を、サンプルの評価値とした。
良:試料の残炎時間t1またはt2が10秒未満であり、かつ試料が125mm標線まで残炎せず、かつ発煙物質または滴下物によりコットンが着火しない
不可:試料の残炎時間t1またはt2が10秒以上であり、もしくは資料が125mm標線まで残炎し、もしくは発煙物質または滴下物によりコットンが着火する。
攪拌機、温度計、ガス吹き込み口、および蒸留口を備えた内容積3Lのガラス製フラスコに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド(下記化学式(2))7.8molとエチレングリコール25.97molを加え、成分を溶解させるため、内容物の温度が100℃になるまでフラスコを加熱した。次いで、攪拌しながらイタコン酸7.96molを添加し、蒸留口から減圧器を介して、フラスコを30Torrの真空状態で加熱し、内容物を沸騰させた。この時点で、蒸留口の留出速度を調製することで、生成した水を除去した。さらに、内容物の沸騰状態を維持したまま、フラスコ内の温度を上昇させ、それに対応させて、減圧度も低下させていった。その内訳として、内容物の温度が185℃になるまでに4時間を要し、この時点での減圧度は430Torrであった。さらに、加熱を続け、最終的に内容物の温度が200℃になるまで加熱していった。この点を確認後、反応機に窒素ガスを吹き込んでフラスコを常圧に戻した。反応混合物は下記化学式(3)のエチレングリコール溶液である。また、減圧下、エチレングリコールを除去することにより、固形状の下記化学式(3)の化合物を精製できる。
難燃剤A1製造途中に得られる、化学式(3)で表されるリン含有化合物、すなわち、化学式(1)のn=1の化合物を、難燃剤A2とする。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム4水塩の0.02部を反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度(dl/g)を0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してポリエステル原料Aを製造した。
ポリエステル原料Aを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ペレット状態のポリエステル(1)を得た。得られたポリエステルの極限粘度(dl/g)は0.85であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が3.0重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル原料(2)を得た。極限粘度(dl/g)は0.64であった。
ポリエステル原料(1)50重量部と平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン粒子50重量部とを混合し、ベント付き二軸押出機にて溶融押出し、ポリエステル原料(3)を得た。極限粘度は0.50(dl/g)であった。
前記手法により製造した難燃剤A1を35重量%、およびポリエステル原料(1)65重量%を、シリンダー部を290℃に設定したベント付二軸混錬機により混練、押出して難燃性樹脂組成物のペレットを得た。得られたポリエステル原料(4)の極限粘度(dl/g)は0.45であった。
再生可能なポリエチレンテレフタレートボトルを洗浄、乾燥したのち破砕、再溶融過程を経てリペレットしたポリエステルを、真空下220℃にて固相重合による高分子量化を行い、ペレット状のポリエステル(6)を得た。得られたポリエステルの極限粘度(dl/g)は1.10であった。
上記ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を50.0:2.5:5.0:42.5の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化した。
上記ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を71.1:2.5:5.0:21.4の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ150μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。
切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化した。
前記手法により製造した難燃剤A1を35重量%と、ポリエステル原料(5)を65重量%とを、シリンダー部を280℃に設定したベント付二軸混錬機により混練、押出して難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(3)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(3)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を57.5:2.5:5.0:35.0の比率で混合したポリエステル原料を使用した以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmで幅1200mmのポリエステルフィルムと難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(4)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(4)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)およびポリエステル原料(5)を2.5:3.0:42.5:52.0の比率で混合したポリエステル原料を使用した以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmで幅1200mmのポリエステルフィルムと難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(5)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(5)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル(4)を87.5:2.5:5.0:5.0の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化した。
前記手法により製造した難燃剤A2を35重量%と、ポリエステル(5)を65重量%とを、フィーダーより搬送し、シリンダー部を280℃に設定したベント付二軸混錬機にて混練、押出して難燃性ポリエステル系樹脂組成物のペレットを得た。当該ポリエステルペレットを得る際、嫌悪臭がひどく、また煙が発生するという不具合が発生した。難燃剤A2の分子量が低いことによる、揮発成分が多かったことが原因と考えられる。該ポリエステルを、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(7)とする。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(7)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)およびポリエステル原料(5)を2.5:2.0:42.5:53.0の比率で混合したポリエステル原料を使用した以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmで幅1200mmのポリエステルフィルムと難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(8)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(8)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を71.1:2.5:5.0:21.4の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ150μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
2 テープ
3 125mm標線
4 バーナー
5 コットン
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