JP2015127376A - 白色難燃性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 フィルム製造時における環境負荷を高度に低減することができ、コストの低減効果も非常に高く、高度な難燃性を有する白色系の難燃性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 リン元素を0.20重量%以上含有する難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物を含有するポリエステルフィルムであり、当該フィルム中に、リン元素を0.20重量%以上、白色顔料を1.2%以上含有することを特徴とする白色難燃性ポリエステルフィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、白色難燃性ポリエステルフィルムに関するものであり、より詳しくは、本発明は、製造時における環境負荷の軽減とコストの低減が可能な、難燃性を有する白色ポリエステルフィルムに関するものである。
二軸延伸ポリエステルフィルムは、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、ガスバリヤー性、耐薬品性などに優れ、包装材料、電気絶縁材料、金属蒸着材料、製版材料、磁気記録材料、表示材料、転写材料、窓貼り材料など多くの用途で使用されている。
近年のパーソナルコンピューターや携帯電話の小型化ならびに高効率化による発熱増大に伴い、それらの装置のバッテリーに用いられるラベル用ポリエステルフィルムには、小型化の観点からラベルへの薄膜化要求、そして発熱由来の火災予防の観点からラベルへの難燃化要求、が強まっている。一般的に、難燃性の指標として、米国アンダーライターズラボラトリーズ(UNDERWRITERS LABORATORIES)社の規格UL94の認定が使用される場合が多い。
ポリエステルフィルムの難燃化技術として、例えば特許文献1〜4等に開示されているように、種々のリン含有化合物、ハロゲン含有化合物、金属化合物等を添加混合または共重合溶融押出成形する方法が提案されている。
しかしながら、十分な難燃性をフィルムに付与するためには、多量の難燃性化合物を添加する必要があるため、熱安定性および機械的強度が低下する。特に有機ハロゲン化合物と三酸化アンチモンを併用した場合、良好な難燃性が得られる反面、上述の欠点が顕著であり、かつ、これらの化合物を併存下、溶融混練するとゲル化合物が発生する。
ポリエステルフィルムは、口金から溶融押出しされ急冷固化された非晶質ポリエステルシートを延伸して得られるものが一般的である。そして、ポリエステルフィルムの製造時において、ポリエステルシートの端部は、押出しの際、ネックイン現象により厚くなり、クリップの噛み代として使用される。製品化するときに、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離される。また、耳部を取り除かれたマスターロールも、製品サイズにスリット時に、余剰のスリット耳が切断分離される。
特許文献5は、ある特定のリン構造を有する難燃性ポリエステルフィルムに関する発明である。当該ポリエステルフィルムは難燃性を有することが認められる。しかし、上述の耳部フィルムや余剰のスリット耳を活用していないため、環境負荷とコストの観点から好ましくない。
特公昭51−19858号公報 特公昭55−41610号公報 特公昭62−61235号公報 特開昭62−132955号公報 特開2012−184399号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、フィルム製造時における環境負荷を高度に低減することができ、コストの低減効果も非常に高く、高度な難燃性を有する白色系の難燃性ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成を採用すれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、リン元素を0.20重量%以上含有する難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物を含有するポリエステルフィルムであり、当該フィルム中に、リン元素を0.20重量%以上、白色顔料を1.2%以上含有することを特徴とする白色難燃性ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、製造時おける環境負荷の軽減とコストの低減が可能な難燃性を有する白色ポリエステルフィルムを提供することが可能である。本発明の工業的価値は高い。
燃焼試験装置
本発明のポリエステルフィルムに用いる樹脂としては、特に限定されるものではなく、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得られるポリエステルを主とするものであり、繰り返し構造単位の60%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件であれば、他の第三成分を含有していてもよい。
例えば、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂と相溶性のある樹脂の混合が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸成分の例としては、テレフタル酸およびテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えばイソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。特に、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルを用いることが好ましい。
グリコール成分の例としては、エチレングリコール以外に、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の一種または二種以上を用いることができる。特に、エチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明でいうポリエステルフィルムとは、全ての層が口金から共溶融押出される共押出法により押し出されたものを延伸後、必要に応じて熱固定したものを指す。本発明においてポリエステルフィルムは、その目的を満たす限り、単層でも2層でも3層以上の多層であってもよい。
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物や白色難燃性ポリエステルフィルム中のリン元素含有量(重量%)は後述するICPで求められる。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物や白色難燃性ポリエステルフィルムのリン元素含有量の範囲は、0.20重量%以上であり、0.50重量%以上が好ましく、0.80重量%以上がさらに好ましく、1.0重量%以上が特に好ましい。当該リン元素含有量が0.20重量%未満では、例えばポリエステルフィルムに加工後の難燃性が不安定となる。
難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物中のリン元素量の上限は特に設けないが、4.00重量%が好ましく、3.00重量%がさらに好ましく、2.00重量%がさらに好ましく、1.50重量%が特に好ましい。リン元素量が4.00重量%より高い場合、ポリエステル成分以外の軟化点の低い化合物が相対的に大きな比率を占める。その結果、例えば、ポリエステルフィルムの製膜を行う際に、フィーダーから難燃性ポリエステル系樹脂組成物を押出機スクリュー上に滴下すると、滴下部周辺のシリンダーが高温であるため、ポリエステル系樹脂組成物ペレットの表面から融解が始まり、滴下部周辺でポリエステル系樹脂組成物ペレット同士の凝着が起こり、ブリッジングが発生するため、ポリエステルフィルムの安定な製膜が困難になる傾向がある。
白色難燃性ポリエステルフィルム中のリン元素量の上限も特に設けないが、4.00重量%が好ましく、3.00重量%がさらに好ましく、2.00重量%がさらに好ましく、1.50重量%が特に好ましい。リン元素量が4.00重量%より高い場合、テンターでの破断が多発し製膜不安定となる。たとえ膜になったとしても難燃性に関して良好であるが、機械的強度や耐ブリード性の低下が激しく好ましくない。
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物や白色難燃性ポリエステルフィルムに用いるリン系難燃剤としては、下記化学式(1)で示されるリン含有化合物を使用することが好ましい。
Figure 2015127376
上記化学式(1)で表される有機リン化合物は、分子中にリン原子を含有し、nの繰り返し単位の下限値は4であり、好ましくは8、さらに好ましくは12である。繰り返し単位が4未満であると、フィルム製膜時の有機リン化合物の揮発およびポリエステル樹脂の結晶化の阻害により、機械的強度の低下に繋がるおそれがある。さらには有機リン化合物のブリードアウトにより、べたつき成分がポリエステルペレット表面に生じ、凝着性の観点から好ましくない場合がある。一方、nの繰り返し単位の上限値は特に規定はないが、過度に分子量を高めることにより、当該化合物(1)の樹脂内での分散性が阻害されると考えられる。なお、化合物(1)の合成法(製造例)に関しては、後述する。
本発明の白色難燃性ポリエステルフィルムの極限粘度は、0.45dl/g以上が好ましく、0.48dl/g以上がより好ましく、0.52dl/g以上がさらに好ましく、0.55dl/g以上が特に好ましく、0.60dl/g以上が最も好ましい。白色難燃性ポリエステルフィルムの極限粘度が0.45dl/g未満であると、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物を用いたポリエステルフィルムの製膜時に破断が起りやすい傾向がある。
本発明の白色難燃性ポリエステルフィルム中に白色顔料を1.20重量%以上が好ましく、1.60重量%以上がより好ましく、2.00重量%以上がさらに好ましく、2.40重量%以上が最も好ましい。白色顔料の含有量が1.20重量%未満の場合は、フィルムの着色性・隠蔽性が十分でなく、外観不良となってしまう。一方、白色顔料含有量の上限は特に設けないが、15.00重量%が好ましく、10.00重量%がさらに好ましく、8.00重量%が特に好ましく、6.00重量%が最も好ましい。白色顔料含有量が15.00%を超えると、着色性・隠蔽性が飽和しコストの面で好ましくない。
本発明で使用する白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム等を用いることができる。これらの中から選ばれた少なくとも1種以上を用いる。二酸化チタンを使用する場合は、ルチル型とアナターゼ型どちらを用いてもよい。また、白色顔料は多孔質や中空多孔質等の形態であってもよく、さらには、樹脂に対する分散性を良くするために表面処理が施されたものを用いてもよい。
通常ポリエステルフィルムは、口金から溶融押出しされ急冷固化された非晶質ポリエステルシートを延伸して得られる。そして、ポリエステルフィルムの製造時において、ポリエステルシートの端部は、押出しの際、ネックイン現象により厚くなり、クリップの噛み代として使用される。製品化するときに、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離される。また、耳部を取り除かれたマスターロールも、製品サイズにスリット時に、余剰のスリット耳が切断分離される。
難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物の実施態様としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)バージンレジンだけで得られた難燃ポリエステルフィルムの耳部をフレーク化しチップ化したポリエステル
(2)上記の(1)を固相重合し、高IV化したポリエステル
(3)上記の(1)に難燃剤を追添加して、溶融混合したポリエステル
(4)リサイクルPETボトルを粉砕化、溶融チップ化し、固相重合したPETと難燃剤を溶融混合したポリエステル
(5)難燃剤を含有しないポリエステルフィルムの耳部をフレーク化後チップ化し、さらに固相重合したポリエステルと、難燃剤とを溶融混合したポリエステル
より具体的には、リン元素含有量が0.20重量%以上の難燃性ポリエステルフィルムより切断分離された耳部フィルムを粉砕化したフレーク化物、スリット耳を粉砕化したフレーク化物、フレーク化物が押出機で溶融押出されたペレット化物などを含む。また、極限粘度(dl/g)を向上させるために、リン元素含有量が0.20重量%以上の難燃性ポリエステルフィルムより切断分離された耳部フィルムを粉砕化したフレーク化物やスリット耳を粉砕化したフレーク化物を押出機で溶融押出されたペレット化物が、固相重合により高分子量化された難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物であることが好ましい。
なお、当該難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物には、軟化点の低い難燃剤が含まれていることから、固相重合時のポリエステルペレット同士の凝着を防ぐべく、200℃未満の条件でポリエステルペレットを十分結晶化させた後、210℃以上の設定温度で固相重合をさせることで、高分子量化した難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物を得る方法が好ましい。結晶化の温度は、190℃未満がより好ましく、180℃未満がさらに好ましい。
難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物は、上述の方法で得られたフレーク化物と、化学式(1)で表されるリン化合物とを、溶融混合してペレット化させた樹脂組成物も含む。
また、難燃性ポリエステル系樹脂組成物は、市販のポリエチレンテレフタレートボトルの粉砕化物を溶融混合して得られたポリエステルチップ化し、当該ポリエステルチップを固相重合により高分子量化されたポリエステル樹脂と、化学式(1)で表されるリン化合物とを溶融混合してペレット化させた樹脂組成物も含む。
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物は、難燃剤を含有しないポリエチレンテレフタレートフィルムの粉砕化物を溶融混合して得られたポリエステルチップ化し、当該ポリエステルチップを固相重合により高分子量化されたポリエステル樹脂と、化学式(1)で表されるリン化合物とを溶融混合してペレット化させた樹脂組成物も含む。
なお、本発明における難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物や白色難燃性ポリエステルフィルムには、その特性に影響しない範囲で、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防曇剤、架橋剤、可塑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、顔料が含有させてもよい。
本発明の白色難燃性ポリエステルフィルムは、使用するポリエステル原料として難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物の含有量が、5.0重量%以上が好ましく、10.0重量%以上がより好ましく、15.0重量%以上がさらに好ましく、20.0重量%以上が特に好ましく、25.0重量%以上が最も好ましい。難燃性ポリエステル系樹脂の含有量が5.0重量%未満だと、環境負荷とコストの観点から好ましくない場合がある。
本発明の白色難燃性ポリエステルフィルムは、難燃性を低下させない限り、インク易接着、帯電防止、接着剤易接着、オリゴマー封止、離型、アンチブロッキングといった機能層を設けても良い。機能層は、ポリエステルフィルム製膜時のインラインコートやオフラインコートによって設けられるが、コスト面の観点からインラインコートで行うことがより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法を以下に示す。
(1)極限粘度(dl/g)
ポリエステルサンプル0.5gを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(2)リン元素含有量(重量%)
ICP:Varian Tech.社製ICP−AESを用いて、硝酸による酸分解法により、ポリエステルサンプル中のリン元
素含有量(重量%)を求めた。
(3)白色顔料含有量(重量%)
以下の式によって求めた。
白色顔料濃度(重量%)=50×I÷100
(上記式中、Iはフィルム中に配合された後述するポリエステル原料(3)の重量比(%)を表す)
(4)透過光濃度(隠蔽度)
マクベス濃度計TD−904型を使用し、Gフィルター下の透過光濃度を測定し、隠蔽度を求めた。この値が大きいほど隠蔽力が高いことを示す。
(5)製膜性
連続生産を想定し、未延伸シートの製造から未延伸シートを縦延伸、及び横延伸して、ロールとして巻き上げるまでの、製品の破断する頻度から、下記3ランクの基準で判定評価した。
○:1回のフィルム破断の頻度が10分以上
△:5分以上10分未満に、フィルム破断が1回生じる
×:5分未満に1回以上フィルム破断が生じる
(6)難燃性
4−1 試験片作成
フィルム試験片として、200mm×50mmに裁断し、試料の一端(下部)から125mmの所で、試料の幅を横切って標線を入れる。試料の縦軸を直径12.7mmのマンドレルの縦軸に硬く巻きつけて、125mmの線が外側に露出する、長さ200mmの巻かれた円筒になるようにする。試料の外にはみ出た縁は、125mmの標線(筒の上部)の上方75mmの間で、粘着テープにより固定する。そしてマンドレルを引き抜く。
4−2 状態調節
上記で得られた試験片を、23℃及び50%の相対湿度で、48時間前処理をする。
4−3 燃焼試験手順
4−3−1 試験片固定
試料の縦軸を垂直にして、上端の長さ6mmの位置で、強いスプリング付きのクランプで固定し、筒の上端が閉じて試験中に煙突効果を生じないようにする。試料の下端は、最大厚が6mmの厚さにした、1枚の水平な0.05gの脱脂100%のコットン(50mm×50mm)より、300mm上にあるようにする。図1参照。
4−3−2 バーナーの調整
バーナーから高さ20mmの青炎が出るように調整する。その炎を出すためにはガスの供給とバーナーの空気入口を調整して、20mmの先端が黄色い青い炎が出るようにする。そして黄色い先端が丁度消えるまで空気の供給を増やす。再度炎の高さを測定して、必要に応じて再調節をする。なお、バーナーへのメタンガス供給は、ASTMD5207に準じた方法で流量を調整する。
4−3−3 一回目の接炎
炎は、試料の巻かれていない方の下端の中心点を中心にあて、バーナーの先端は試料の下端のその点から10mm下にあるようにして、その距離で3秒続ける。ただし、試料の長さまたは位置のあらゆる変化に応じてバーナーを移動させる。接炎中に溶融または発煙物質が滴下する場合は、バーナーの角度を45度までの範囲で傾けて、バーナーの管の中にその物質が落下するのを防ぐのにちょうど十分なだけ試料の下から移動させる。しかし、その間もバーナーの先端の中心と試料の残存部分間は10mm±1mmの間隔を保たなければならない。試料に3秒間接炎すると、直ちにバーナーを試料から毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間tを秒で計り始める。そしてそのtを記録する。
4−4−4 二回目の接炎
試料の残炎が消滅した時点で(バーナーを試料から150mm離れたところまで完全に取り去っていない状態であっても)、直ちにバーナーを試料の下に持ってきて、試料の残りの部分から10mm±1mm離れた箇所にバーナーを保持しておく。ただし、必要に応じてバーナーを動かして、妨害物のない状態で落下物の自然挙動が確認できるようにする。この試料に3秒の接炎を行った後、直ちに毎秒約300mmの速度で少なくとも150mm遠ざけて、同時に計時装置により残炎時間tを秒で計り始める。
4−5 難燃性評価基準
試験片5本に対し、上述の4−3節記載の手順で試験を行う。5本中最も基準の低くなった評価を、サンプルの評価値とした。
良:試料の残炎時間tまたはtが10秒未満であり、かつ試料が125mm標線まで残炎せず、かつ発煙物質または滴下物によりコットンが着火しない
不可:試料の残炎時間tまたはtが10秒以上であり、もしくは資料が125mm標線まで残炎し、もしくは発煙物質または滴下物によりコットンが着火する。
本発明をさらに明確にするために、以下の実施例および比較例で用いたリン含有化合物(化学式(1))、ならびにポリエステル原料の製造方法は以下のとおりである。なお、例中の%は特にことわらない限り重量%を表すものとする。
≪難燃剤A1:リン含有化合物(化学式(1))≫
攪拌機、温度計、ガス吹き込み口、および蒸留口を備えた内容積3Lのガラス製フラスコに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド(下記化学式(2))7.8molとエチレングリコール25.97molを加え、成分を溶解させるため、内容物の温度が100℃になるまでフラスコを加熱した。次いで、攪拌しながらイタコン酸7.96molを添加し、蒸留口から減圧器を介して、フラスコを30Torrの真空状態で加熱し、内容物を沸騰させた。この時点で、蒸留口の留出速度を調製することで、生成した水を除去した。さらに、内容物の沸騰状態を維持したまま、フラスコ内の温度を上昇させ、それに対応させて、減圧度も低下させていった。その内訳として、内容物の温度が185℃になるまでに4時間を要し、この時点での減圧度は430Torrであった。さらに、加熱を続け、最終的に内容物の温度が200℃になるまで加熱していった。この点を確認後、反応機に窒素ガスを吹き込んでフラスコを常圧に戻した。反応混合物は下記化学式(3)のエチレングリコール溶液である。また、減圧下、エチレングリコールを除去することにより、固形状の下記化学式(3)の化合物を精製できる。
Figure 2015127376
Figure 2015127376
続いて、このフラスコ内に、三酸化アンチモン(Sb)0.33gおよび酢酸亜鉛二水和物[(AcO)Zn・2HO]0.29gを含んだエチレングリコール130gを添加し、フラスコ内を200℃に保持し、減圧度を徐々に高めていき、1Torr以下の真空状態とした。さらに、内容物の温度を220℃まで上昇させ、エチレングリコールの留出が極端に減少した点を反応終点とした。この点を確認後、内容物を窒素ガスで加圧しながら、SUS製容器内で固化させることで、端黄色の透明なガラス状固体である、化学式(1)で表される難燃剤A1を得た。
上記操作を繰り返すことにより、後述する実施例および比較例で添加する、化学式(1)で表される難燃剤A1の必要量を確保した。
化学式(1)で表される難燃剤A1に関して、生成物のGPC分析から重量平均分子量(Mw)は6,800であった。なお、当該分析において、下記化学式(4)で示される化合物の酸無水物または化合物(4)とエチレングリコールとの環状エステルであると推定される、低分子量領域におけるピークも観測された。従って、化学式(1)で表される難燃剤A1のnの平均値は18.1に相当していたと言える。また、ICP測定により、リン元素含有量(重量%)は8.01であることがわかった。
Figure 2015127376
≪難燃剤A2:リン含有化合物(化学式(3))≫
難燃剤A1製造途中に得られる、化学式(3)で表されるリン含有化合物、すなわち、化学式(1)のn=1の化合物を、難燃剤A2とする。
≪ポリエステル原料Aの製造≫
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム4水塩の0.02部を反応器にとり、反応開始温度を150℃ とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度(dl/g)を0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してポリエステル原料Aを製造した。
≪ポリエステル原料(1)の製造≫
ポリエステル原料Aを出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ペレット状態のポリエステル(1)を得た。得られたポリエステルの極限粘度(dl/g)は0.85であった。
≪ポリエステル原料(2)の製造≫
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを得られるポリエステル樹脂1t当たりのチタン原子としての含有量が5g/樹脂tとなる量で加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2 .5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、粒子のポリエステルに対する含有量が3.0重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル原料(2)を得た。極限粘度(dl/g)は0.64であった。
≪ポリエステル原料(3)の製造≫
ポリエステル原料(1)50重量部と平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタン粒子50重量部とを混合し、ベント付き二軸押出機にて溶融押出し、ポリエステル原料(3)を得た。極限粘度は0.50(dl/g)であった。
≪ポリエステル原料(4)の製造≫
前記手法により製造した難燃剤A1を35重量%、およびポリエステル原料(1)65重量%を、シリンダー部を290℃に設定したベント付二軸混錬機により混練、押出して難燃性樹脂組成物のペレットを得た。得られたポリエステル原料(4)の極限粘度(dl/g)は0.45であった。
≪ポリエステル原料(5)の製造≫
再生可能なポリエチレンテレフタレートボトルを洗浄、乾燥したのち破砕、再溶融過程を経てリペレットしたポリエステルを、真空下220℃にて固相重合による高分子量化を行い、ペレット状のポリエステル(6)を得た。得られたポリエステルの極限粘度(dl/g)は1.10であった。
実施例1:
上記ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を50.0:2.5:5.0:42.5の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化した。
得られた粉砕化物を乾燥後単軸押出機に供給し、280℃環境下で溶融押出後、ペレット化したポリエステルを、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(1)とした。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(1)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)、ポリエステル原料(5)および難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(1)を、2.0:4.0:34.0:40.0:20.0の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;290℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化し、回収ポリエステル用に貯蔵した。
実施例2:
上記ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を71.1:2.5:5.0:21.4の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ150μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。
切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化した。
得られた粉砕化物を乾燥後単軸押出機に供給し、280℃環境下で溶融押出後、ペレット化したポリエステルを、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(2)とした。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(2)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)および難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(2)を、57.0:2.0:4.0:17.0:20.0の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ150μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化し、回収ポリエステル用に貯蔵した。
実施例3:
前記手法により製造した難燃剤A1を35重量%と、ポリエステル原料(5)を65重量%とを、シリンダー部を280℃に設定したベント付二軸混錬機により混練、押出して難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(3)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(3)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(5)、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(3)を、2.5:5.0:49.5:43.0の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化し、回収ポリエステル用に貯蔵した。
実施例4:
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を57.5:2.5:5.0:35.0の比率で混合したポリエステル原料を使用した以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmで幅1200mmのポリエステルフィルムと難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(4)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(4)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(4)を、45.4:2.0:4.0:28.6:20.0の比率で混合したポリエステル原料を用いた以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmのフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
実施例5:
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)およびポリエステル原料(5)を2.5:3.0:42.5:52.0の比率で混合したポリエステル原料を使用した以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmで幅1200mmのポリエステルフィルムと難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(5)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(5)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)、ポリエステル原料(5)、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(5)を、2.0:2.4:34.0:41.6:20.0の比率で混合したポリエステル原料を用いた以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmのフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
比較例1:
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル(4)を87.5:2.5:5.0:5.0の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化した。
得られた粉砕化物を乾燥後単軸押出機に供給し、280℃環境下で溶融押出後、ペレット化したポリエステルを、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(6)とする。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(6)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)および難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(6)を、70.0:2.0:4.0:4.0:20.0の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を表1に示したが、難燃性が発現しなかった。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳を粉砕機にて粉砕化し、回収ポリエステル用に貯蔵した。
比較例2:
前記手法により製造した難燃剤A2を35重量%と、ポリエステル(5)を65重量%とを、フィーダーより搬送し、シリンダー部を280℃に設定したベント付二軸混錬機にて混練、押出して難燃性ポリエステル系樹脂組成物のペレットを得た。当該ポリエステルペレットを得る際、嫌悪臭がひどく、また煙が発生するという不具合が発生した。難燃剤A2の分子量が低いことによる、揮発成分が多かったことが原因と考えられる。該ポリエステルを、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(7)とする。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(7)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(5)、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(7)を、2.5:5.0:50.5:43.0の比率で混合したポリエステル原料を用い、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ50μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示すが、製膜時は、嫌悪臭がひどく、煙が発生するという不具合があった。また、フィルム製膜時に破断が頻発し、歩留りは低かった。
比較例3:
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)およびポリエステル原料(5)を2.5:2.0:42.5:53.0の比率で混合したポリエステル原料を使用した以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmで幅1200mmのポリエステルフィルムと難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(8)を得た。難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(8)の特性を表1に示す。
ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)、ポリエステル原料(4)、ポリエステル原料(5)、難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物(8)を、2.0:1.6:34.0:42.4:20.0の比率で混合したポリエステル原料を用いた以外は実施例1と同様に行い、厚み50μmのフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示したが、隠蔽性が低く実使用上問題となるレベルであった。
比較例4:
ポリエステル原料(1)、ポリエステル原料(2)、ポリエステル原料(3)およびポリエステル原料(4)を71.1:2.5:5.0:21.4の比率で混合したポリエステル原料を、口径90mmのベント付き二軸押出機により、吐出量;450kg/hr、シリンダー温度;280℃で溶融押出し、口金から流出した非晶質のポリエステルシートを、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、テンターに導き、クリップで掴まれた縦延伸シートを横方向に120℃で3.8倍延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩し、厚さ150μm、幅2000mmのポリエステルフィルムのマスターロールを得た。本マスターロールを得る際、口金からのネックイン現象により分厚くなり、クリップの噛み代として使用された、ポリエステルフィルムの端部は、耳部フィルムとして切断分離を行った。このマスターロールの両端から400mmの位置よりスリットを行い、製品幅1200mm幅のポリエステルフィルムを得た。当該ポリエステルフィルムの特性を表1に示す。
本スリット時に、生成された余剰分についてはスリット耳として切断分離を行った。切断分離された耳部フィルム及びスリット耳は、廃棄処分した。当該ポリエステルには、一切の難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物が含まれず、余剰分も廃棄しているため、環境負荷とコストの面から好ましくない。
Figure 2015127376
本発明の樹脂組成物は、例えば、難燃性が求められる各種用途において、好適に利用することができる。
1 クランプ
2 テープ
3 125mm標線
4 バーナー
5 コットン

Claims (3)

  1. リン元素を0.20重量%以上含有する難燃性ポリエステル系樹脂の回収組成物を含有するポリエステルフィルムであり、当該フィルム中に、リン元素を0.20重量%以上、白色顔料を1.2%以上含有することを特徴とする白色難燃性ポリエステルフィルム。
  2. 下記式(1)で表されるリン含有化合物を含有する請求項1に記載の白色難燃性ポリエステルフィルム。
    Figure 2015127376
  3. 極限粘度が0.45dl/g以上である請求項1または2に記載の白色難燃性ポリエステルフィルム。
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