JP2007112875A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非ハロゲン系であり、かつ、高度な初期での難燃性を有し、長期熱老化試験後も燃焼性を維持できる難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、下記一般式(1)
【化8】

(式中、nは2〜20の整数である)で表される有機リン系難燃剤および無機化合物を特定割合で含有させることにより、高度な初期での難燃性を有し、長期熱老化試験後も難燃性を維持できる難燃性ポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、臭素、塩素系難燃剤およびアンチモン化合物を含有せず、初期の難燃性、長期熱老化後の難燃性維持に優れた、難燃性ポリエステル樹脂に関する。
ポリアルキレンテレフタレートなどに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、その優れた特性から、電気および電子部品、自動車部品などに広く使用されている。近年、特に家電、電気およびOA関連部品では、火災に対する安全性を確保するため、高度な難燃性が要求される例が多く、このため、種々の難燃剤の配合が検討されている。
熱可塑性ポリエステル樹脂に難燃性を付与する場合、一般的に、難燃剤としてハロゲン系難燃剤を使用し、必要に応じて三酸化アンチモン等の難燃助剤を併用することにより、高度な難燃効果と優れた機械的強度、耐熱性等を有する樹脂組成物が得られていた。しかしながら、今般、海外向け製品を中心として、ハロゲン系難燃剤に対する規制が発令されつつあり、難燃剤の非ハロゲン化が検討されている。
これに対して、本願発明で用いられるリン系難燃剤と同じ構造を有するリン系難燃剤および熱可塑性ポリエステル樹脂からなる樹脂組成物に関する技術(特許文献1)は既に開示されており、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いて、3.2mm厚の圧縮成形品において、UL94基準にてV−1ないしV−0の難燃性が実現できることが開示されている。
しかしながら、近年、特に家電、電気およびOA関連部品では、火災に対する安全性を確保するため、高度な難燃性が要求される一方で、製品は軽薄短小化している。すなわち、1/16インチなど、非常に薄い成形品でもUL94基準にてV−0を要求され、かつ、耐熱を要する構造材として有用な機械物性および耐熱性も同時に要求されている。また、製品に対する長期信頼性という観点より、例えば、長期耐熱促進試験としての160℃×500hrでの熱老化試験後においても、1/16インチでの燃焼性がV−0を維持することも要求されている。これらの要求に対して、該特許で開示されている技術では達成することができず、現状では要求を満足するもの材料は得られていない。
特公昭53−128195号公報
本発明の目的は、上記のような現状を鑑み、1/16インチなどの非常に薄い成形品においてもUL94基準にてV−0であり、かつ、160℃×500hrでの熱老化試験後においても1/16インチでUL94基準で燃焼性がV−0を維持でき、また、構造材として有用な機械物性と耐熱性をも有するポリエステル系樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性ポリエステル樹脂に対し、特定構造を有する有機リン系難燃剤および無機化合物を特定割合で含有させることにより、優れた難燃性を有し、また、機械物性や耐熱性にも優れる難燃性ポリエステル樹脂組成物を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、下記一般式(1)
(式中、nは2〜20の整数である)で表される有機リン系難燃剤10〜80重量部および無機化合物10〜100重量部を含有する難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、1/16インチ厚みでの難燃性がUL94基準にてV−0である、難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
好ましい実施形態については、160℃で500時間熱処理した後も、1/16インチ厚みにおいて、UL94基準にてV−0であることを特徴とする、難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
より好ましい実施形態については、熱可塑性ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、前記記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
より好ましい実施形態については、熱可塑性ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、前記記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
本発明の第二は、前記いずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物から全部あるいは一部が形成される樹脂成形体に関する。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、1/16インチなどの非常に薄い成形品においてUL94基準でV−0であり、160℃×500hrでの長期熱老化試験後においても、1/16インチでUL94基準での燃焼性をV−0に維持できる。また、薄くても機械強度や剛性にも優れる。従って、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、家電、電気、OA部品等の成形材料として好適に使用でき、工業的に有用である。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル樹脂とは、酸成分としてテレフタル酸などの2価の酸またはエステル形成能を持つそれらの誘導体を用い、グリコール成分として炭素数2〜10のグリコール、その他の2価のアルコールまたはエステル形成能を有するそれらの誘導体などを用いて得られる飽和ポリエステル樹脂をいう。これらの中でも、加工性、機械的特性、電気的性質、耐熱性などのバランスに優れるという点で、ポリアルキレンテレフタレート樹脂が好ましい。ポリアルキレンテレフタレート樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂があげられ、この中でも、耐熱性および耐薬品性が優れるという点で、特に、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂は、必要に応じ、熱可塑性ポリエステル樹脂を100重量部とした場合、好ましくは、20重量部以下、特に好ましくは10重量部以下の割合で、他の成分を共重合することができる。共重合の成分としては、公知の酸成分、アルコール成分および/またはフェノール成分、あるいは、エステル形成能を持つこれらの誘導体が使用できる。
共重合可能な酸成分としては、例えば、2価以上の炭素数8〜22の芳香族カルボン酸、2価以上の炭素数4〜12の脂肪族カルボン酸、さらには、2価以上の炭素数8〜15の脂環式カルボン酸、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。共重合可能な酸成分の具体例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボジフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4−4’−ジフェニルカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を併用して用いられる。これらのなかでも、得られた樹脂の物性、取り扱い性および反応の容易さに優れるという理由から、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸が好ましい。
共重合可能なアルコールおよび/またはフェノール成分としては、例えば、2価以上の炭素数2〜15の脂肪族アルコール、2価以上の炭素数6〜20の脂環式アルコール、炭素数6〜40の2価以上の芳香族アルコールまたは、フェノール、及びエステル形成能を有するこれらの誘導体が挙げられる。 共重合可能なアルコールおよび/またはフェノール成分の具体例としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール、などの化合物、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体、ε−カプロラクトン等の環状エステルが挙げられる。これらの中でも、得られた樹脂の物性、取り扱い性、反応の容易さに優れるという理由から、エチレングリコールおよびブタンジオールが好ましい。
さらに、ポリアルキレングリコール単位を一部共重合させてもよい。ポリオキシアルキレングリコールの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、および、これらのランダムまたはブロック共重合体、ビスフェノール化合物のアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびこれらのランダムまたはブロック共重合体等)付加物等の変性ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。これらの中では、共重合時の熱安定性が良好で、かつ、本発明の樹脂組成物から得られる成形品の耐熱性があまり低下しにくい等の理由から、分子量500〜2000のビスフェノールAのポリエチレングリコール付加物が好ましい。
これら熱可塑性ポリエステル樹脂は、単独で使用してもよく、または、2種以上併用してもよい。
本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂の製造方法は、公知の重合方法、例えば、溶融重縮合、固相重縮合、溶液重合等によって得ることができる。また、重合時に樹脂の色調を改良するために、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸トリメチル、リン酸メチルジエチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル等の化合物を、1種または2種以上添加してもよい。
さらに、得られた熱可塑性ポリエステル樹脂の結晶化度を高めるために、重合時に通常よく知られた有機または無機の各種結晶核剤を、単独で添加してもよく、または、2種以上併用してもよい。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度(フェノール/テトラクロロエタンが重量比で1/1の混合溶液中、25℃で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、0.6〜1.0dl/gがより好ましい。前記固有粘度が0.4dl/g未満では、機械的強度や耐衝撃性が低下する傾向があり、1.2dl/gを超えると成形時の流動性が低下する傾向がある。
本発明で使用される有機リン系難燃剤とは、下記一般式(1)
(式中、nは2〜20の整数である)で表されるものであり、分子中にリン原子を含み、nの繰り返し単位の下限値はn=2であり、好ましくは、n=3、特に好ましくはn=5である。nの繰り返し単位の上限値の規定は特にないが、過度に分子量を高めると分散性等に悪影響を及ぼす傾向にある。そのため、nの繰り返し単位の上限値は、n=20であり、好ましくは、n=15、特に好ましくはn=13である。n=2未満であると、ポリエステル樹脂の結晶化が阻害されたり、機械的強度が低下する傾向がある。
本発明に用いられる有機リン系難燃剤の製造方法は、特に限定されず、一般的な重縮合反応によって得られるものであり、例えば、以下の方法で得られる。
すなわち、下記一般式(2)
で表される9,10−ジヒドロー9−オキサー10−フォスファフェナントレンー10−オキシドに対し、必要量のイタコン酸およびイタコン酸に対し約2倍モル以上のエチレングリコールを混合し、窒素ガス雰囲気下、120〜200℃の間で加熱し、攪拌することにより、9,10−ジヒドロー9−オキサー10−フォスファフェナントレンー10−オキシド、イタコン酸およびエチレングリコールの反応物を得る。得られた反応物に、三酸化アンチモンおよび酢酸亜鉛を加え、1Torr以下の真空減圧下にて、さらに設定温度を245℃として維持し、エチレングリコールを留出しながら重縮合反応させる。約5時間後エチレングリコールの留出量が極端に減少した時点で、反応終了とみなした。得られた有機リン系難燃剤は、分子量4000〜12000の固体であり、リン含有量が8.3%である。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物における有機リン系難燃剤含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、下限値としては10重量部が好ましく、20重量部がより好ましく、30重量部がさらに好ましい。有機リン系難燃剤含有量の下限値が10重量部以下では、難燃性が低下する傾向がある。有機リン系難燃剤含有量の上限値としては80重量部が好ましく、70重量部がより好ましい。有機リン系難燃剤含有量の上限値が80重量部を超えると、機械的強度が低下し、成形性も悪化する傾向がある。
本発明では、長期の難燃性を付与するために、また、機械強度や耐熱性を高めるために、無機化合物を加えることを特徴とする。
本発明で用いられる無機化合物は特に限定されないが、例えば、膨潤性雲母、非膨潤性雲母、スメクタイト、タルク、カオリン等のケイ酸塩、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、チタン酸カリウム等のチタン酸塩、タングステン酸ナトリウム等のタングステン酸塩、ウラン酸ナトリウム等のウラン酸塩、バナジン酸カリウム等のバナジン酸塩、モリブデン酸マグネシウム等のモリブデン酸塩、ニオブ酸カリウム等のニオブ酸塩、黒鉛層状化合物、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、酸化ケイ素や酸化チタン、アルミナ等の酸化物、炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩化合物、硫酸カルシウムや硫酸バリウム等の硫酸塩化合物の他、硫化亜鉛、リン酸カルシウムがあげられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明で用いられる無機化合物の好ましい構造は、リン系難燃剤のブリードアウトを抑えて長期難燃性を向上させる観点から、無機化合物のアスペクト比が大きく、また、樹脂中に均一に微分散するものである。上記の観点から、膨潤性雲母、非膨潤性雲母、タルク、カオリン、スメクタイトなどの層状ケイ酸塩が好ましく用いられる。
上記無機化合物は、樹脂中に均一に微分散させるために、表面処理することができる。表面処理の方法としては特に限定されないが、シラン系化合物、チタン系化合物、アルミナ系化合物、ポリエーテル系化合物、アミン系化合物などが用いられ得る。入手の容易さ、取り扱い性、ポリエステル樹脂への熱劣化の影響の観点から、シラン系化合物、ポリエーテル系化合物が好ましい。
上記シラン系化合物としては、通常一般に用いられる任意のものが使用され、下記一般式(2):
SiX4−n (2)
で表されるものである。一般式(2)中のnは0〜3の整数であり、Yは、置換基を有していても良い炭素数1〜25の炭化水素基である。
Yにおいて炭素数1〜25の炭化水素基が置換基を有する場合の置換基の例としては、例えば、エステル結合で結合している基、エーテル結合で結合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニル結合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン基、水酸基などが挙げられる。炭素数1〜25の炭化水素基は、これらのうちの1種で置換されていても良く、2種以上で置換されていても良い。
一般式(2)中のXは、加水分解性基または水酸基であり、該加水分解性基の例としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン基などが挙げられる。
一般式(2)中、nまたは4−nが2以上の場合、n個のYまたは4−n個のXはそれぞれ同種でも異種でも良い。
上記一般式(2)において、Yが炭素数1〜25の炭化水素基である場合のシラン系化合物の具体例としては、例えば、デシルトリメトキシシランのように直鎖長鎖アルキル基を有するもの、メチルトリメトキシシランのように低級アルキル基を有するもの、2−ヘキセニルトリメトキシシランのように不飽和炭化水素基を有するもの、2−エチルヘキシルトリメトキシシランのように側鎖を有するアルキル基を有するもの、フェニルトリエトキシシランのようにフェニル基を有するもの、3−β−ナフチルプロピルトリメトキシシランのようにナフチル基を有するもの、およびp−ビニルベンジルトリメトキシシランのようにアラルキル基を有するものが挙げられる。Yが炭素数1〜25の炭化水素基の中でも特にビニル基を有する基である場合の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、およびビニルトリアセトキシシランが挙げられる。Yがエステル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエーテル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−ポリオキシエチレンプロピルトリメトキシシラン、および2−エトキシエチルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエポキシ基で置換されている基である場合の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがアミノ基で置換されている基である場合の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、およびγ−アニリノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yが末端にカルボニル基を有する基で置換されている基である場合の例としては、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがメルカプト基で置換されている基である場合の例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがハロゲン原子で置換されている基である場合の例としては、γ−クロロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがスルホニル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−フェニルスルホニルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがスルフィニル基で結合している基で置換されている基を有する基である場合の例としては、γ−フェニルスルフィニルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがニトロ基で置換されている基である場合の例としては、γ−ニトロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトロソ基で置換されている基である場合の例としては、γ−ニトロソプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトリル基で置換されている基である場合の例としては、γ−シアノエチルトリエトキシシランおよびγ−シアノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがカルボキシル基で置換されている基である場合の例としては、γ−(4−カルボキシフェニル)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。前記以外に、Yが水酸基を有する基であるシラン系化合物もまた使用し得る。その様な例としては、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3−プロピルトリエトキシシランが挙げられる。水酸基はまたシラノール基(SiOH)の形であり得る。
本発明においては、上記シラン系化合物の置換体、または誘導体もまた使用し得る。これらのシラン系化合物は、単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明におけるシラン系化合物の使用量は、ポリエステル樹脂成形体での無機化合物の分散性が十分に高まるように調製し得る。必要であるならば、異種の官能基を有する複数種のシラン系化合物を併用し得る。従って、シラン系化合物の使用量は一概に数値で限定されるものではないが、無機化合物100重量部に対するシラン系化合物の使用量の下限値は、0.1重量部であり、好ましくは0.2重量部であり、より好ましくは0.3重量部であり、更に好ましくは0.4重量部であり、特に好ましくは0.5重量部である。無機化合物100重量部に対するシラン系化合物の使用量の上限値は、200重量部であり、好ましくは180重量部であり、より好ましくは160重量部であり、更に好ましくは140重量部であり、特に好ましくは120重量部である。シラン系化合物使用量の下限値が0.1重量部未満であると、無機化合物の微分散化効果が充分で無くなる場合がある。また、シラン系化合物量の200重量部以上では微分散化効果が変わらないので、200重量部より多く使用する必要はない。
本発明におけるポリエーテル化合物とは、主鎖がポリオキシエチレンやポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等のようなポリオキシアルキレンである化合物であることが好ましく、オキシアルキレンの繰り返し単位数が2から100程度のものであることが好ましい。
前記ポリエーテル化合物は、側鎖および/または主鎖中に、ポリエステル樹脂または無機化合物に悪影響を与えない限りにおいて、任意の置換基を有していても良い。該置換基の例としては、例えば、炭化水素基、エステル結合で結合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニル結合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、アルコキシシリル基やシラノール基などのSi−O−結合を形成し得る含Si原子官能基、ハロゲン基、水酸基などが挙げられる。これらのうちの1種で置換されていても良く、2種以上で置換されていても良い。
上記炭化水素基とは、直鎖または分岐鎖(すなわち側鎖を有する)の、飽和または不飽和の、一価または多価である、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本発明において、「アルキル基」という場合は、特に規定が無い限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含する。同様に、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、およびシクロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、およびシクロアルキレン基等を包含する。
前記ポリエーテル化合物中の置換基の組成比は特に制限されるものではないが、本発明に用いられるポリエーテル化合物は、水、水に対し任意の割合で相溶する極性溶媒、または水を含有する極性溶媒に可溶であることが望ましい。具体的には、例えば、ポリエーテル化合物の室温における水100gに対する溶解度は、1g以上であることが好ましく、より好ましくは2g以上であり、さらに好ましくは5g以上であり、特に好ましくは10g以上であり、最も好ましくは20g以上である。上記極性溶媒の具体例とは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物、その他の溶媒としてピリジン、ジメチルスルホキシドやN−メチルピロリドン等が挙げられる。また、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸ジエステルも上記極性溶媒として使用できる。これらの極性溶媒は、単独で用いても良く、2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明で用いられるポリエーテル化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルアリルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ビス(ポリエチレングリコール)ブチルアミン、ビス(ポリエチレングリコール)オクチルアミン、ポリエチレングリコールビスフェノールAエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールビスフェノールAエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールユレイドプロピルエーテル、ポリエチレングリコールメルカプトプロピルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルスルホニルプロピルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルスルフィニルプロピルエーテル、ポリエチレングリコールニトロプロピルエーテル、ポリエチレングリコールニトロソプロピルエーテル、ポリエチレングリコールシアノエチルエーテル、ポリエチレングリコールシアノエチルエーテルなどが挙げられる。これらのポリエーテル化合物は、単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明で用いられるポリエーテル化合物としては、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基などの環状炭化水素基を有するものが好ましく、なかでも下記一般式(3):
(式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。)
で表される単位を有するものが好ましい。
さらには、下記一般式(4):
(式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基、または炭素数6〜20のアルキリデン基であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、いずれも水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。R、R10はいずれも炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。R11、R12はいずれも水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても異なっていても良い。mおよびnはオキシアルキレン単位の繰り返し単位数を示し、1≦m≦25、1≦n≦25、2≦m+n≦50である。)で表されるものが、無機化合物の分散性および熱安定性の点から好ましい。
本発明におけるポリエーテル化合物の使用量は、前記無機化合物とポリエステル樹脂との親和性、ポリエステル樹脂組成物中での無機化合物の分散性が充分に高まるように調製し得る。必要であるならば、異種の官能基を有する複数種のポリエーテル化合物を併用し得る。従って、ポリエーテル化合物の使用量は一概に数値で限定されるものではないが、無機化合物100重量部に対するポリエーテル化合物の使用量の下限値は、0.1重量部であり、好ましくは0.2重量部であり、より好ましくは0.3重量部であり、更に好ましくは0.4重量部であり、特に好ましくは0.5重量部である。無機化合物100重量部に対するポリエーテル化合物の使用量の上限値は、200重量部であり、好ましくは180重量部であり、より好ましくは160重量部であり、更に好ましくは140重量部であり、特に好ましくは120重量部である。前記ポリエーテル化合物の使用量の下限値が0.1重量部未満であると、無機化合物の微分散化効果が充分で無くなる傾向がある。また、ポリエーテル化合物量使用量の上限値が200重量部以上では微分散化効果が変わらないので、200重量部より多く使用する必要はない。
本発明で用いられる無機化合物の使用量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、下限値としては、5重量部が好ましく、10重量部がより好ましく、15重量部がさらに好ましい。無機化合物含有量の下限値が5重量部未満では、難燃性の長期耐熱性や剛性の改善効果が十分でない場合がある。無機化合物含有量の上限値としては、120重量部が好ましく、100重量部がより好ましく、80部が更に好ましい。無機化合物含有量の上限値が120重量部を超えると、流動性が下がり薄肉成形性が損なわれる場合がある。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、非常に薄い成形品において高度な難燃性を実現できる。
先行技術(特許文献1)に記載されているとおり、ポリエステル樹脂への難燃性は有機リン系難燃剤で付与することができるが、それは3.2mm厚などの、厚肉成形品に限られる。しかしながら、軽薄短小化した製品に用いられる成形品には、更に薄い厚みでの難燃性が求められる。その為には、ポリエステル樹脂に有機リン系難燃剤を組合せるだけでは要求を満たすことはできず、無機化合物を併用することによって、初めて達成される。更に無機化合物を併用することによって得られるもう一つの特徴は、無機化合物によって有機リン系難燃剤が安定的に樹脂中に存在できるために、160℃以上の高温に長時間曝露されても難燃性が低下しないことである。これは、有機リン系難燃剤のみをポリエステル樹脂に配合しただけでは到底達成できないことであり、無機化合物を併用することで初めて発揮された特徴であり、この特徴は同業者でも予期できない驚くべき特徴である。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、1/16インチ厚でのUL94基準において、V−0であることが好ましく、1/32インチ厚でのUL94基準において、V−0であることがより好ましい。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物から形成される成形体は、下記で示す用途においては、長期間熱に晒される環境下で使用された場合でも、成形品の燃焼性の維持や表面外観の維持が特に重用視されるため、長期熱老化試験後の難燃性が維持されていることが好ましい。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物においては、1/16インチ厚みにおけるUL94基準での難燃性が、160℃にて500時間の熱老化試験後においてV−0が維持されることが好ましく、180℃にて500時間の熱老化試験後における維持がより好ましく、200℃にて500時間の熱老化試験後における維持がさらに好ましい。1/16インチ厚みにおけるUL94基準での難燃性が、160℃にて500時間未満でV−0が維持できない場合は、樹脂成形体の用途において、長期信頼性に支障を起たす場合がある。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、ガラス繊維、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂、有機リン系難燃剤および無機化合物を、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練する方法をあげることができる。混練機の例としては、一軸押出機、二軸押出機などが挙げられ、特に、混練効率の高い二軸押出機が好ましい。
本発明で得られる難燃性ポリエステル樹脂組成物は、非常に薄い成形品においても、高度な難燃性を有し、長期熱老化試験後の燃焼性も維持されることから、特に、形状が複雑な家電、OA機器等の電気・電子部品、ハウジング等に好適に使用される。
次に、具体例をあげて本発明の組成物を具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
以下に、実施例および比較例において使用した樹脂および原料類を示す。
ポリエステル樹脂A1:ポリエチレンテレフタレート樹脂(製品名:カネボウ合繊製のEFG−70)
ポリエステル樹脂A2:ポリブチレンテレフタレート樹脂(製品名:KOLON社製のKP−210)
有機リン系難燃剤B1:製造例1で作製したもの
無機化合物C1:非膨潤性雲母(山口雲母社製、A41S)
無機化合物C2:タルク(日本タルク、ミクロエースK−1)
無機化合物C3:製造例2で作製したもの
(製造例1)
蒸留管、精留管、窒素導入管および攪拌機を有する縦型重合機に、下記一般式(2)
で表される9,10−ジヒドロー9−オキサー10−フォスファフェナントレンー10−オキシド100重量部に対し、イタコン酸62重量部およびエチレングリコール100重量部を投入し、窒素ガス雰囲気下、120〜200℃まで徐々に昇温加熱し、約10時間攪拌することによって、9,10−ジヒドロー9−オキサー10−フォスファフェナントレンー10−オキシド、イタコン酸およびエチレングリコールを反応させることによって、リン系化合物を得た。得られたリン系化合物に対し、三酸化アンチモン0.1重量部および酢酸亜鉛0.1重量部を加え、1Torr以下の真空減圧下にて、さらに温度を220〜245℃として維持し、エチレングリコールを留出しながら重縮合反応させる。約5時間後、エチレングリコールの留出量が極端に減少したことで、反応終了とみなした。得られた有機リン系難燃剤の分子量7000の固体であり、リン含有量は8.3%であった。
(製造例2)
湿式混合機を用い、純水100重量部に対し、膨潤性合成雲母(コープケミカル社製、ソマシフME100)10部を混合した。次いで、ポリエーテル化合物(東邦化学社製、ビスオール)1.6部を添加して、更に15〜30分間混合を続けることによって処理した。その後、乾燥して粉体化した。
本実施例での評価方法は、以下のとおりである。
<難燃性>
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、射出成形機(型締め圧:35トン)を用い、シリンダー設定温度250℃〜280℃および金型温度120℃の条件にて射出成形を行い、127mm×12.7mm×厚み1/16インチの試験片を得た。UL94基準V−0試験に準拠し、得られた厚さ1/16インチのバー形状試験片を用いて、初期および160℃×500hrの熱老化試験後の燃焼性を評価した。
<荷重たわみ温度>
得られたペレットを140℃で3時間乾燥後、射出成形機(型締め圧75トン)を用い、シリンダー設定温度270℃および金型温度120℃の条件にて127mm×12.7mm×厚み1/4インチの試験片を作製した。得られた測定用試験片をASTM D−790に従い、室温の曲げ弾性率を測定した。弾性率は値が高いほど好ましい。なお、材料の成形性が悪い場合は、1/4インチ厚の試験片は固化し難いために、金型から取り出し時に変形してしまう。この現象は、成形性の良し悪しの判断となりえる。
(実施例1〜8)
表1に示した原料と配合組成(単位:重量部)に従い、予めドライブレンドした。ベント式44mmφ同方向2軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX44)を用い、前記混合物をホッパー孔から供給し、シリンダー設定温度250〜280℃にて溶融混練を行い、ペレットを得た。
実施例1〜8における評価結果を、表1に示す。
(比較例1〜3)
表1に示した配合組成(単位:重量部)に従い、実施例と同様に、ペレット化および射出成形を行い、試験片を得、同様の評価方法にて実験を行った。
比較例1〜3における評価結果を、表1に示す。
実施例および比較例の比較から、本発明における熱可塑性ポリエステル樹脂に対する有機リン系難燃剤および窒素化合物(C)の配合比率の規定により、1/16インチ厚みにおいて、初期燃焼性および160℃×500時間の熱老化試験後の燃焼性に優れることが判る。また、無機化合物を用いることによって、成型加工性にも優れ、得られた成形体の曲げ弾性率は向上した。
本発明で得られる難燃性ポリエステル樹脂組成物は、非常に薄い成形品においても、高度な難燃性を有し、長期熱老化試験後の燃焼性も維持されることから、特に、形状が複雑な家電、OA機器等の電気・電子部品、ハウジング等に好適に使用される。

Claims (5)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、下記一般式(1)
    (式中、nは2〜20の整数である)で表される有機リン系難燃剤10〜80重量部および無機化合物10〜100重量部を含有する難燃性ポリエステル樹脂組成物であって、1/16インチ厚みでの難燃性がUL94基準にてV−0である難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 160℃で500時間熱処理した後の、1/16インチ厚みでの難燃性がUL94基準にてV−0であることを特徴とする、請求項1に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 熱可塑性ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、請求項1または2記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  4. ポリアルキレンテレフタレート樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物から、全部あるいは一部が形成される樹脂成形体。
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