JPH05247325A - 耐熱食器用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

耐熱食器用ポリエステル樹脂組成物

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JPH05247325A
JPH05247325A JP4101292A JP4101292A JPH05247325A JP H05247325 A JPH05247325 A JP H05247325A JP 4101292 A JP4101292 A JP 4101292A JP 4101292 A JP4101292 A JP 4101292A JP H05247325 A JPH05247325 A JP H05247325A
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JP
Japan
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heat
polyester resin
resin composition
inorganic filler
resistant tableware
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Application number
JP4101292A
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English (en)
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Kiyomi Okita
清己 興田
Hidetoshi Otawa
大多和英俊
Jiro Kumaki
治郎 熊木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート
系ポリエステル樹脂に無機充填剤5〜60重量%、タル
ク0〜5重量%、特定の有機ホスファイトまたはホスホ
ナイト化合物0.05〜2重量%を含有することを特徴
とする射出成形によって成形される耐熱食器用ポリエス
テル樹脂組成物。 【効果】電子レンジまたはオーブンに繰返し使用した際
に変形や変色、物性劣化が少なくかつ食品による着色が
少なくさらに、射出成形によって良好に成形できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性が良好でかつ食
品に対する高温での着色性が改良された射出成形によっ
て成形される耐熱食器用ポリエステル樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート系ポリエステル(PCT)は、機械的性能や耐薬
品性能に優れることに加え、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)やポリエチレンテレフタレート(PET)
など従来のポリエステルに比べて熱崩形温度が高いこと
から、最近、耐熱性の要求される電子レンジ・オーブン
加熱用食品容器などの用途に展開が期待されている。さ
らに、これらの用途に対して樹脂材料を使用する場合に
はポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する
自主規制基準に合致する安全性の確保が必要であり、さ
らにオーブン加熱などの用途においては、使用時に23
0℃の温度まで達する場合やケチャップ、カレー、油な
どで繰返し使用する場合等で、衝撃強さや寸法安定性を
損うことなくさらには変色しない成形品が求められてい
る。
【0003】このような多様な要求に対して、本発明と
は実施形態がことなるものの、樹脂を一旦シート成形し
その後、真空成形などにより薄肉成形品を成形したトレ
イ型の食器に関する発明が開示されている。たとえば、
米国特許第4463121号公報ではPET、ポリオレ
フィンおよび安定剤からなる薄肉成形品を成形すること
が示されている。さらには公表特許公報平2ー5000
33では結晶性ポリエステルおよび酸化防止剤からなる
薄肉の熱成形、熱硬化物品が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PETに関す
る技術は高分子量あるいは高結晶化によってある程度は
成形品の耐熱性は向上するものの、オーブン用途に用い
た場合や電子レンジ用途でも過酷な使用条件では、、変
色や変形が表われるため好ましくない。一方、テレフタ
ル酸および1、4ーシクロヘキサンジメタノールからな
る反復単位を含む高分子量ポリエステルに特定の酸化防
止剤を含む化合物は電子レンジのみならずオーブン用途
に対して変形のない材料が得られるものの電子レンジま
たはオーブンで繰返し使用した場合、変色や強度低下を
生じるため好ましくない。また、これらの材料は薄肉成
形品は良好に得られるものの射出成形により成形した場
合充分な機械的強度や耐熱性を持たず、さらには高温で
の食品による着色性が劣ることが分かった。したがっ
て、本発明の課題は電子レンジまたはオーブンに繰返し
使用した際に変形や、変色、物性劣化が少なくかつ食品
による着色が少なく、さらに射出成形によって良好に成
形されうる耐熱食器用ポリエステル樹脂組成物を開発す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は (a)ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートも
しくはそのテレフタル酸成分の一部がイソフタル酸で置
き換えられたポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート系ポリエステル (b)無機充填剤を全組成に対して5〜60重量%、 (c)タルクを全組成に対して0〜5重量%、および (d)少なくとも1つのP−O結合が炭素数6から30
の芳香族基と結合している有機ホスファイトまたはホス
ホナイト化合物を全組成に対して0.05〜2重量%か
らなることを特徴とする射出成形により成形される耐熱
食器用ポリエステル樹脂組成物に関するものであり、さ
らには、無機充填剤が直径9μm以下の繊維状充填剤で
あるか、または粒子径100μm以下の粒子状充填剤で
あるかまたは粒子径100μm以下の平板状充填剤であ
ることを特徴とする耐熱食器用ポリエステル樹脂組成物
に関するものである。さらに本処方に分子量500以上
のヒンダードフェノール系化合物を全組成に対して0.
01から5重量%添加してなることを特徴とする耐熱食
器用ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0006】本発明におけるポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート系ポリエステルの製造方法は特に限
定されるものではないが、例えば有機チタン化合物など
の触媒の存在下もしくは非存在下において、テレフタル
酸またはその低級アルキルエステル、および/またはイ
ソフフタル酸またはその低級エステルと1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを重縮合して得る方法が挙げられ
る。重合条件としては例えば米国特許第2,901,4
66号公報に記載された条件などが適用され得る。
【0007】ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート系ポリエステルの酸成分は主としてテレフタル酸も
しくはその一部がイソフタル酸で置き換えたものであ
る。イソフタル酸の含量は0から15モル%、0から1
0モル%がさらに好ましい。
【0008】また、これ以外にジカルボン酸またはジオ
ール成分を20モル%以下、好ましくは10モル%以下
の範囲で共重合しても差し支えない。このような化合物
としては、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナ
フタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4´
−ビフェニルジカルボン酸、2,2´−ビフェニルジカ
ルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)
−エタン、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカン
ジカルボン酸、ダイマー酸および1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸などの他のジカルボン酸またはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタ
ンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−シク
ロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメ
タノールおよび2,2−ビス(2´−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンなどを例示することができる。
【0009】本発明で使用するポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート系ポリエステルの1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール残基の一部であるシクロヘキサン
環は、シス構造とトランス構造の比率であるシス/トラ
ンス比(モル比)が60/40〜10/90の範囲にあ
ることが好ましく、より好ましくは50/50〜15/
85、より好ましくは40/60〜25/75である。
シス/トランス比が60/40以上の場合、ポリエステ
ルの融点が低くなるため耐熱性の必要な用途に対して適
用することが困難であり、一方10/90未満の場合、
ポリエステルの融点が高くなりすぎるため分解温度と成
形温度の差が小さくなり、成形時の滞留安定性が不良と
なる。
【0010】本発明で使用するポリシクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート系ポリエステルはo−クロルフェ
ノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が好まし
くは0.5〜2.0dl/g、より好ましくは0.7〜
1.3dl/gのものが望ましい。
【0011】ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート系ポリエステルの固有粘度が0.4dl/g未満の
場合、機械的性質が低く、一方、2.0dL/gを越え
た場合には成形性が不良となる傾向がありいずれも好ま
しくない。
【0012】また、ポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート系ポリエステルの末端カルボキシル基量は、
100当量/106 g−ポリマ以下、望ましくは30当
量/106 gーポリマ以下、さらに望ましくは15当量
/106 gーポリマ以下であることが望ましい。
【0013】ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート系ポリエステルの末端カルボキシル基量は、例えば
Anal. Chem.,26. 1614−1616(1954)に
記載されているH. A. Pohlの方法を用いて測定すること
ができる。
【0014】本発明組成物に対して用いる強化充填剤と
しては炭素繊維、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフ
レーク、ロックウール、チタン酸ウィスカー、ワラステ
ナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカー、石膏繊維、セ
ピオライト、マイカ、クレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられ、中
でもガラス繊維、ガラスビーズ、ワラステナイト、チタ
ン酸カリウィスカー、酸化チタンが好ましく用いられ
る。これらの充填剤の中で好ましい充填剤は繊維状無機
充填剤にあっては直径が9μm未満のものである。直径
が9μm以上のものは射出成形した成形品を繰返しオー
ブン処理して用いた場合に強度の低下が大きく、またケ
チャップ等の食品の着色テストを行った場合に着色しや
すくなるため好ましくない。特に好ましくは6μm以下
の直径を持つものである。同様な挙動は粒径100μm
より大きい粒径充填剤や粒径100μmより大きい平板
状充填剤を添加した場合にも認められた。従って、粒径
が100μm未満の粒径充填剤あるいは平板状充填剤が
好ましい、さらに好ましくは粒径が50μm以下、最も
好ましくは30μm以下である。
【0015】これらの充填剤は未処理で添加しても差し
つかえないが、シラン系のカップリング剤等の表面処理
剤で処理する方が一般に物性が向上するために好まし
い。好ましい表面処理剤としてはアミノシラン、エポキ
シシランが挙げられる。
【0016】本発明に用いる無機充填剤の添加量は全組
成に対して2〜60重量%であり、好ましくは10〜3
5重量%である。
【0017】本発明において無機充填剤は必須である。
無機充填剤を添加することによって剛性が上昇し高温で
の使用において変形を防止するという一般的な補強剤の
効果が有るばかりではなく、電子レンジあるいはオーブ
ンで繰返し使用した際に熱劣化による物性の低下を大幅
に抑えることができることが分かった。また、充填剤を
添加しない場合には射出成形によって良好な成形品を得
ることができないため、本発明にとって充填剤の添加は
必須である。
【0018】本発明において、結晶化促進剤を添加する
ことは組成物を射出成形する際に成形サイクルを向上で
きるため好ましい。特に好ましい結晶化促進剤は食品衛
生性、結晶化速度向上効果からタルクである。他にクレ
ーなどの無機粒子も結晶化速度の改良効果があるため好
ましく用いられる。タルクの添加量は5重量%以下、2
重量%が好ましく、特に1重量%以下が好ましい。
【0019】本発明に用いられる有機ホスファイト、ま
たはホスホナイトは少なくとも1つのPーO結合が芳香
族基に結合しているものである。このような化合物は化
学式(1)、(2)で表わされる。
【0020】
【化1】 ここで、R1 、R2 、R3 のうちの少なくとも1つは炭
素数6から30の芳香族基であり、その他のR1
2 、R3 は水素、もしくは炭素数1から30の脂肪族
基である。
【0021】
【化2】 ここで、R4 、R5 、R6 のうちの少なくとも1つは炭
素数6から30の芳香族基であり、その他のR4
5 、R6 は水素、もしくは炭素数1から30の脂肪族
基である。
【0022】このような化合物の具体例としては次のも
のを挙げることができる。
【0023】トリス(2、4ージーtーブチルフェニ
ル)ホスファイト、テトラキス(2、4ージーtーブチ
ルフェニル)4、4’ービフェニレンホスフォナイト、
ビス(2、4ージーtーブチルフェニル)ペンタエリス
リトールージーホスファイト、ビス(2、6ージーtー
ブチルー4ーメチルフェニル)ペンタエリスリトールー
ジーホスファイト、2、2ーメチレンビス(4、6ージ
ーtーブチルフェニル)オクチルホスファイト、4、
4’ーブチリデンービス(3ーメチルー6ーtーブチル
フェニルージートリデシル)ホスファイト、1、1、3
ートリス(2ーメチルー4ージトリデシルホスファイト
ー5ーtーブチルーフェニル)ブタン、トリス(ミック
スドモノおよびジーノニルフェニル)ホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、4、4’ーイソ
プロピリデンビス(フェニルージアルキルホスファイ
ト)などが挙げられ、トリス(2、4ージーtーブチル
フェニル)ホスファイト、2、2ーメチレンビス(4、
6ージーtーブチルフェニル)オクチルホスファイト、
ビス(2、6ージーtーブチルー4ーメチルフェニル)
ペンタエリスリトールージーホスファイト、テトラキス
(2、4ージーtーブチルフェニル)ー4、4’ービフ
ェニレンホスホナイトなどが好ましく使用できる。最も
好ましい化合物は、ビス(2、6ージーtーブチルー4
ーメチルフェニル)ペンタエリスリトールージーホスフ
ァイト、2、2ーメチレンビス(4、6ージーtーブチ
ルフェニル)オクチルホスファイトである。
【0024】本発明において、これらの特定の有機ホス
ファイト、またはホスホナイト化合物は1種または2種
以上併用して使用する事が可能であり、ポリエステル樹
脂組成物全量に対してその含有量は0.05から2重量
%、好ましくは0.1から1重量%、さらに好ましくは
0.1から0.5である。0.05重量%以下では加熱
時の着色防止、オーブンで繰返し使用した場合の物性保
持の改良に効果が充分ではなく、2重量%以上では機械
物性が低下するとともに、ブリードにより食品中に混入
することがあるため衛生上好ましくない。
【0025】本発明に対して分子量500以上のヒンダ
ードフェノール化合物を加えることにより、さらに飛躍
的に繰返し使用時の物性低下、着色を抑えることができ
るので好ましく用いることができる。このような、ヒン
ダードフェノール化合物とは下記一般式(3)であらわ
される構造単位を含有するものであり、分子量500〜
5000のものが好ましく、分子量600〜2000の
ものが特に好ましい。
【0026】
【化3】 式中、R1 はメチル、エチル、プロピル、tーブチルな
どの炭素数1〜10のアルキル基である。
【0027】具体的には次のようなものが挙げられる。
4、4’ーブチリデンービス(3ーメチルー6ーtーブ
チルフェノール)、2、6ージーtーブチルクレゾー
ル、4、4’ーチオービス(3ーメチルー6ーtーブチ
ルーフェノール)、トリス(βー(3、5ージーtーブ
チルー4ーヒドロキシーフェニル)プロピオニルーオキ
シエチル)イソシアヌレート、2、4ージーtーブチル
ーフェニルー3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシ
ベンゾエート、1、1、3ートリス(2ーメチルー4ー
ヒドロキシー5ーtーブチルーフェニル)ブタン、2、
2’ーメチレンービス(4ーメチルー6ーブチルーフェ
ノール)、1、3、5ートリス(3’、5’ージーtー
ブチルー4ーヒドロキシベンゾイル)イソシアネート、
テトラキス(メチレンー3(3、5ージーtーブチルー
4ーヒドロキシーフェニル)プロピオネート)メタン、
2、2ーチオー(ジメチルービスー3(3、5ージーt
ーブチルー4ーヒドロキシーフェニル)プロピオネー
ト)、nーオクタデシルー3ー(4’ーヒドロキシー
3’、5’ージーtーブチルフェノール)プロピオネー
ト、N、N’ーヘキサメチレンービス(3、5ージーt
ーブチルー4ーヒドロキシーヒドロシンアミド)、ビス
(3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシベンゾイル
ホスホリックアシッド)モノメチルエステルのニッケル
塩、1、3、5ートリーメチルー4ーヒドロキシーベン
ジル)ベンゼンおよび下記構造式(4)で表されるの化
合物
【化4】 などが挙げられ、テトラキス(メチレンー3(3、5ー
ジーtーブチルー4ーヒドロキシーフェニル)プロピオ
ネート)メタン、1、3、5ートリーメチルー2、4、
6ートリス(3、5ージーtーブチルー4ーヒドロキシ
ーベンジル)ベンゼンなどが好ましく使用できる。本発
明において、これら特定のヒンダードフェノール化合物
を1種または2種以上使用することが可能であり、全組
成に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜
1重量%を添加できる。添加量が0.01重量%未満で
は成形時の滞留安定性改良効果が充分でなく、5重量%
を越えると、成形品に粉ふき現象(チョーキング)を生
じるため好ましくない。
【0028】また、本発明の組成物に対して硫黄系の安
定剤を添加することによりさらに飛躍的に繰返し使用時
の物性低下、着色を抑えるので好ましく用いられる。こ
のような化合物の例としては、3、3’ーチオジプロピ
オン酸ジアルキル、例えば3、3’ーチオジプロピオン
酸ジラウリル、3、3’ーチオジプロピオン酸ジステア
リルやペンタエリスリトールテトラキス(βーラウリル
チオプロピオネート)などが挙げられる。
【0029】本発明組成物に対してエポキシ化合物、オ
キサゾリン化合物、カルボジイミド化合物およびアジリ
ジン化合物などのポリエステルの耐加水分解性をさらに
向上せしめるような化合物を併用せしめてもよい。
【0030】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、通常の添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線
吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、染料および顔料を含
む着色剤、核化剤などの少なくとも1種をさらに含有す
ることができる。
【0031】また少量の他の熱可塑性樹脂(例えばポリ
エチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポ
リアセタール、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリ
フェニレンオキサイドなど)、熱硬化性樹脂(例えばフ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ樹脂など)および軟質熱可塑性樹
脂(例えばエチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ルエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマーな
ど)などを含有することもできる。
【0032】本発明組成物の製造方法は特に限定される
ものではないが好ましくは、ポリシクロヘキサンジメチ
レンテレフタレート系ポリエステルの融点以上において
ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート系ポリエ
ステル、無機充填剤、りん系化合物、および必要に応じ
てヒンダードフェノールやその他の添加剤を押出機を用
いて溶融混練する方法が挙げられる。
【0033】得られた組成物は、通常公知の射出成形で
成形できる。
【0034】本発明の組成物から得られた成形品は優れ
た機械的性質や繰返し高温で使用する際の耐性に優れて
いるため、電子レンジ・オーブンで使用する耐熱食器と
しての用途に使用することができる。
【0035】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳述する。
なお実施例中の部数は全て重量基準である。
【0036】実施例1から6、比較例1から6 シクロヘキサンジメタノール残基のシス/トランス比が
35/65であり、イソフタル酸が3モル%共重合され
たポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート系ポリ
エステル(PCT/I)(固有粘度:0.91、末端カ
ルボキシル基量:10当量/106 gーポリマー)に対
して無機充填剤(Aー1)〜(Aー4)、りん系化合物
(Bー1)〜(Bー4)、およびヒンダードフェノール
化合物(Cー1)を表1に記載量、Vブレンダーにてブ
レンドした後、290℃に設定した2軸押出機を使用し
て溶融混合し、ペレタイズを行った。得られたペレット
を10オンスのスクリューインラインタイプの射出成形
機を用いて、シリンダー設定温度290℃、金型温度1
60℃の条件で成形を行い、1/8”の引張り試験片、
2mm厚×40mmΦの円板を得た。得られた引張り試
験片を用いてASTM D638に従い引張り試験およ
びオーブン中で片側固定の熱崩形テスト(250℃×3
0分)を行った。さらに250℃×30分加熱処理し、
処理前後の落球衝撃強度を測定するとともに比色計を用
いて加熱着色を評価した。さらに、円板上にケチャップ
1gをのせ、オーブン中200℃×30分の条件で加熱
処理し食品による着色性を評価した。
【0037】結果を表1に示す。
【0038】
【表1】 [無機充填剤] (A−1):粒径53〜63μm ガラスビーズ、アミ
ノシラン処理 (A−2):粒径120〜150μm ガラスビーズ、
アミノシラン処理 (A−3):直径4μm、長さ/直径比20のワラステ
ナイト (A−4):直径10μmのガラス繊維(長さ3mmの
チョップドストランドタイプ) (A−5):50%平均粒径3μm、長さ/直径比3の
ワラステナイト (A−6):直径6μmのガラス繊維(長さ3mmのチ
ョップドストランドタイプ) [りん系化合物] (Bー1):ビス(2、4ージーtーブチルフェニル)
ペンタエリスリトールージーホスファイト (Bー2):2、2ーメチレンービス(4、6ージーt
ーブチルフェニル)オクチルホスファイト (Bー3):ビス(オクタデカニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト (Bー4):ビス(2、6ージーtーブチルー4ーメチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールージーホスファイト [ヒンダードフェノール化合物] (Cー1):テトラキス(メチレンー3ー(3、5ージ
ーtーブチルー4ーヒドロキシーフェニル)プロピオネ
ート)メタン 表1の結果から、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート系ポリエステル、無機充填剤、りん系化合物、
ヒンダードフェノール化合物からなる組成物は熱崩形
性、耐衝撃性、食品による着色防止性が優れるのみなら
ず、高温で熱処理した場合にも着色や強度低下が少ない
成形品が得られることが分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリエステル組成物から得られ
る成形品は電子レンジやオーブンで繰返し使用した場合
に変形や変色、物性劣化が少なくかつ射出成形によって
良好に成形されるため、射出成形によって成形される耐
熱食器用の樹脂として有用である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリシクロヘキサンジメチレンテレ
    フタレートもしくはそのテレフタル酸成分の一部がイソ
    フタル酸で置き換えられたポリシクロヘキサンジメチレ
    ンテレフタレート系ポリエステル、(b)無機充填剤を
    全組成に対して5〜60重量%、(c)タルクを全組成
    に対して0〜5重量%、および(d)少なくとも1つの
    P−O結合が炭素数6から30の芳香族基と結合してい
    る有機ホスファイトまたはホスホナイト化合物を全組成
    に対して0.05〜2重量%からなることを特徴とする
    射出成形により成形される耐熱食器用ポリエステル樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】無機充填剤が直径9μm以下の繊維状充填
    剤である請求項1記載の耐熱食器用ポリエステル樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】無機充填剤が粒径100μm以下の粒子状
    充填剤であることを特徴とする特許請求項1記載の耐熱
    食器用ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】無機充填剤が粒子径100μm以下の平板
    状充填剤であることを特徴とする請求項1記載の耐熱食
    器用ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】無機充填剤がワラステナイトであることを
    特徴とする請求項1記載の耐熱食器用ポリエステル樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】無機充填剤がガラスビーズであることを特
    徴とする請求項1記載の耐熱食器用ポリエステル樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】分子量500以上のヒンダードフェノール
    系化合物を全組成に対して0.01から5重量%添加し
    てなることを特徴とする請求項1記載の耐熱食器用ポリ
    エステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】有機ホスファイト化合物がビス(2、6ー
    ジーtーブチルー4ーメチルフェニル)ペンタエリスリ
    トールージーホスファイト、または、2、2ーメチレン
    ビス(4、6ージーtーブチルフェニル)オクチルホス
    ファイトであることを特徴とする請求項1記載のポリエ
    ステル樹脂組成物。
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