JP3613918B2 - 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリエステル樹脂組成物に関するものである。詳しくは高い難燃性を維持しながら優れた機械的性質、流動性、耐加水分解性、寸法安定性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、自動車部品、電気部品、電子部品等の射出成形部品に熱可塑性ポリエステル樹脂が幅広く使用されているが、上記用途において機械的性質・成形性のみならず、高度な難燃性を有する材料が要求されるようになっている。従来ポリエステル樹脂用の難燃剤としては、臭素または塩素系の有機難燃剤が広く用いられているが、燃焼時に毒性かつ腐食性の臭化水素または塩化水素ガスや黒煙を多量に発生するという欠点を有している。
【0003】
非臭素系または非塩素系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの含水無機化合物が知られているが、これらの含水無機化合物は臭素系または塩素系難燃剤に比較して難燃効果が低いため、高い難燃性を有する製品を製造するためには、樹脂に対し多量に添加する必要があり、そのために機械的性質や成形性を著しく悪化させるという欠点を有していた。
【0004】
またトリアジン環を有する窒素化合物を使用する方法(特公昭58−5939号公報、特公昭60−33850号公報)も知られているが、難燃効果が低いのみならず成形品の機械的性質を著しく低下させたり、金型汚染や樹脂表面にブリードアウトするなどの問題を有していた。さらに、非臭素系または非塩素系難燃剤としては種々のリン化合物も知られている。
【0005】
赤リンは難燃効果が大きいため比較的少量添加で高い難燃性の発現が可能ではあるものの、製品が赤色に着色すること、高温高湿下ではポリエステル樹脂の機械的性質を極端に低下させることなど実用面でも不十分であった。またリン酸エステル系難燃剤を用いる方法(特公昭51−19858号公報、特公昭51−39271号公報等)も種々知られているが、臭素系または塩素系難燃剤に比較して難燃効果が不十分なため高レベルの難燃性の発現には樹脂に対し多量に添加する必要があり、これによる樹脂の結晶性の大幅な低下が機械的性質や成形性を著しく悪化させたり、リン酸エステル系難燃剤がポリエステル樹脂の耐加水分解性を極端に低下させるという欠点を有していた。また高い難燃性を発現するために多量に添加されたリン酸エステル系難燃剤が成形時に激しくプレートアウトするだけでなく製品表面にもブリードアウトし、外観不良や接点不良の原因ともなっていた。
【0006】
特開昭60−47056号公報には、こうしたリン酸エステル難燃剤の低い難燃効果を補うべく、熱可塑性線状ポリエステル樹脂、有機リン酸エステルに加えてポリフェニレンエーテル樹脂、臭素系または塩素系難燃剤からなる難燃性ポリエステル組成物が開示されているが、臭素系または塩素系難燃剤による燃焼時の刺激性ガス、多量の黒煙の発生等の問題を抱えていた。
また特開平5−339493号公報には、飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、赤リンからなる難燃性ポリエステル組成物が開示されているが、赤リンは熱安定性に劣り、また製品が赤色に着色することなど依然として実用面でも不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状において本発明は前記した従来技術の欠点を解消すべくなされたものである。本発明は、臭素原子や塩素原子を含有しない難燃剤を使用することで、成形加工時の腐食性ガスの発生を抑制し、燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生を飛躍的に抑制し、さらに高い難燃性を維持しながら、機械的性質、流動性、耐加水分解性、成形性、寸法安定性に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題について鋭意検討を重ねた結果、特定構造を持つ特定成分からなるポリエステル樹脂組成物が優れた難燃性、機械的性質、流動性、耐加水分解性、寸法安定性を有することを見出し、本発明に到った。
すなわち本発明の要旨は、下記成分(A)〜(H)を含有してなる難燃性ポリエステル樹脂組成物である。
但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分(G)は0.5〜45重量部とする。
【0009】
また、もう一つの本発明の要旨は、下記成分(A)〜(H)からなる組成物の製造法において成分(A)ポリエステル樹脂、成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポ
リフェニレンスルフィド樹脂及び(C)相溶化剤とを溶融混合せしめた後、残りの成分を溶融混合することを特徴とする難燃性ポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分(G)は0.5〜45重量部とする。
【0010】
本願発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物及びその製造法は、上記従来技術の欠点を解決するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物を製造するために使用される成分(A)ポリエステル樹脂とは、少なくとも1種の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種のグリコール成分またはオキシカルボン酸の重縮合により得られる少なくとも固有粘度0.50以上の熱可塑性ポリエステルを意味し、2官能性カルボン酸成分の具体例としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、P,P−ジフェニルジカルボン酸、P,P−ジフェニルエーテルカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、スベリン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げることができ、中でも芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましく、特にはテレフタル酸またはテレフタル酸ジエステルが好ましい。
【0012】
グリコール成分の具体例としては一般式、HO(CH2 )q OH(qは2〜20の整数)で表されるα,ω−アルキレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、またはこれらのエステル形成性誘導体等を挙げることができ、中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のα,ω−アルキレングリコールが好ましく、特には、1,4−ブタンジオールが好ましい。
またオキシカルボン酸の具体例としては、オキシ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。またこのようなポリエステルを形成する全酸成分または全ジオール成分の70mol%以上が単一成分であれば任意の共重合体であっても良い。さらにこのようなポリエステル60重量%以上とポリカーボネート、ABS樹脂等の他の熱可塑性重合物40重量%以下との混合物であっても本発明に適用することができる。
【0013】
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物を製造するために使用される成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂(以下PPEと略記する)及び/又はポリフェニリンスルフィド樹脂(以下PPSと略記する)のPPEとは下記一般式(3)(式中、R12は水素原子、または第一級もしくは第二級アルキル基、アリール基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基を表し、R13は第一級あるいは第二級のアルキル基、アリール基、アルキルアミノ基を表わす、rは10以上の整数を表す。)で示される構造を有する単独重合体または共重合体である。R12およびR13の第一級アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミル、イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2,3−もしくは4−メチルペンチルまたはヘプチルである。第二級アルキル基の好適な例としては、イソプロピル、sec−ブチルまたは1−エチルプロピルである。好適なPPEの単独重合体としては、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位からなるものである。好適な共重合体としては、上記単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位との組み合わせからなるランダム共重合体である。
【0014】
【化4】
【0015】
本発明で使用する成分(B)のPPEは、クロロホルム中で測定した30℃における固有粘度が、0.2〜0.8dl/gであるのが好ましく、より好ましくは固有粘度が0.25〜0.7dl/gのものであり、特には0.3〜0.6dl/gのものが好適に使用される。固有粘度が0.2dl/g未満では組成物の耐衝撃性が不充分となり、0.8dl/gを超えるとゲル成分が多く、成形品外観が悪化する。
【0016】
また、成分(B)はPPSを用いることができ、特にPPEと併用することが好ましい。本発明に適用されるPPSとは下記一般式(4)(sは10以上の整数を表す。)で示される構造を有する単独重合体または共重合体である。下記繰り返し単位を70モル%以上、好ましくは90モル%以上、最も好ましくはほぼ100モル%含む重合体である。また共重合成分としては、30モル%未満であれば、メタ結合、エーテル結合、スルフォン結合、ビフェニル結合、アミノ基置換フェニルスルフィド結合、カルボキシル基置換フェニルスルフィド結合、アルキル基置換フェニルスルフィド結合、ニトロ基置換フェニルスルフィド結合、フェニル基置換フェニルスルフィド結合、アルコキシ基置換フェニルスルフィド結合、3官能フェニルスルフィド結合などを含有していても良いが、好ましくは10モル%未満が良く、特に5モル%未満が好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】
PPEとPPSを併用する場合のPPEとPPSの重量比は、99対1〜5対95であり、好ましくは、90対10〜20対80、最も好ましくは70対30〜30対70である。
PPE重量比が5未満であると組成物の機械的物性が低下する。
成分(B)PPE及び/又はPPSの添加量は、重量比で成分(A)ポリエステル樹脂対成分(B)の比率が、95対5〜30対70であり、好ましくは90対10〜40対60、特には80対20〜60対40が好ましい。成分(B)の比率が5未満であると組成物の難燃性や耐加水分解性が不十分になり、70より多いと組成物の流動性や成形性が著しく低下する。
【0019】
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物を製造するために用いられる成分(C)相溶化剤とは、ポリエステル樹脂中におけるPPE及び/又はPPSの分散性を向上させる化合物であり、ポリカーボネート樹脂やカルボキシル基、カルボン酸エステル基、酸アミド基、イミド基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基、アミノ基、水酸基を一つ以上有する化合物や亜リン酸エステル化合物等が使用できる。具体例としては、エポキシ基付加PPE樹脂、ヒドロキシアルキル化PPE樹脂、末端オキサゾリン化PPE樹脂、ポリスチレンによりカルボキシル基末端の変性されたポリエステル、ポリエチレンによりOH基末端の変性されたポリエステル、亜リン酸エステル等が挙げられる。中でも組成物の耐加水分解性、結晶性、機械的物性、難燃性の観点から、亜リン酸エステルが好ましく更には亜リン酸トリエステルが好ましく、特には下記の一般式(5),(6)で表される亜リン酸トリエステルが好適に用いられる。
【0020】
【化6】
【0021】
(式中のR14〜R16は各々炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30の置換又は非置換アリール基を示す。R14〜R16はO原子、N原子、S原子を含んでいても良い。)
一般式(5)の具体例としては、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジラウリルフェニルホスファイト、ジイソデシルフェニルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)フェニルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイトなどが挙げられる。
【0022】
【化7】
【0023】
(式中、u=1または2、R17およびR18の各々炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30の置換又は非置換アリール基を示す。R17は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでいても良い。)
R17の例としては、メチル、エチル、プロピル、オクチル、イソオクチル、イソデシル、デシル、ステアリル、ラウリル、フェニル、2,3−若しくは4−メチルフェニル、2,4−若しくは2,6−ジメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニル、2−、3−若しくは4−エチルフェニル、2−,4−若しくは2−,6−ジエチルフェニル、2,3,6−トリエチルフェニル、2−,3−若しくは4−tert−ブチルフェニル、2,4−若しくは2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチル−6−エチルフェニル、オクチルフェニル、イソオクチルフェニル、2−,3−若しくは4−ノニルフェニル、2,4−ジノニルフェニル、ビフェニル、ナフチル等が挙げられ、中でも置換又は非置換アリール基類が好ましい。またR18としては、一般式(6)で、u=1のとき、1,2−フェニレン基、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン等のポリメチレン基が挙げられる。
【0024】
具体例としては、(フェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(4−メチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジメチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(4−tert−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、(フェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(4−メチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジメチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(4−tert−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,4−ブタンジオール)ホスファイト等が挙げられる。
また、u=2のとき、R18は一般式(7)に示すペンタエリスリチル構造のテトライル基等が挙げられる。
【0025】
【化8】
【0026】
(式中のv、w、x、yはそれぞれ0〜6の整数を表す。)
具体例としては、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(3−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,3,6−トリメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(3−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ビフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジナフチルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0027】
これらの亜リン酸トリエステルの中では式(6)のuは1又は2が好ましく、さらには式(6)のu=2で一般式(7)に示すペンタエリスリチル構造のテトライル基等を有するものがより好ましい。その中でも、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等がより好ましく、特にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が好適に使用される。
【0028】
なお、本発明の組成物は、これら亜リン酸トリエステルの分解(加水分解や熱分解等)により生じた化合物を含んでいても良い。
成分(C)相溶化剤の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して0.05重量部〜10重量部であり、好ましくは0.1〜8.0重量部、特には0.3〜5.0重量部が好ましい。成分(C)相溶化剤の量が0.05重量部より少ないと物性特に機械的強度や難燃性が低下し、10重量部より多いと難燃性、製品の表面外観が低下する。
【0029】
本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物を製造するために使用される成分(D)リン酸エステル化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等が挙げられるが、中でも下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。下記一般式(1)中R1 〜R8 はH原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、耐加水分解性を向上させるためには炭素数6以下のアルキル基が好ましく、中でも炭素数2以下のアルキル基が、特にはメチル基が好ましい。mは0または1以上4以下の整数であり、好ましくは1〜3、中でも1が好ましい。R9 は下記から選ばれる構造を示し、中でも
【0030】
【化9】
【0031】
また成分(D)としては下記一般式(2)で表される基を有するホスホニトリル化合物も好適に用いられる。R10、R11は炭素数1〜20のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基であり、具体例としては、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル等が挙げられる。n、pは1〜12の整数であり、一般に3〜10が、特に3または4が好ましい。また該ホスホニトリル化合物は線状重合体であっても環状重合体であっても構わないが、中でも環状重合体が好適に用いられる。下記一般式(2)においてXはO、S、N−Hを表すが、中でもO、N−Hがより好ましく、特にはOが好ましい。
【0032】
【化10】
【0033】
(XはO、S、N−H原子を表し、R10、R11は炭素数1〜20のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基であり、−X−R10、−X−R11は同一でも異なっても良い。n、pは1以上12以下の整数である。)
成分(D)の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して2.0〜45重量部であり、好ましくは3.0〜40重量部、特には5.0〜30重量部が好ましい。(D)の添加量が2.0重量部より少ないと組成物の難燃性が不十分になり、45重量部より多いと機械的物性、耐加水分解性、成形性が著しく低下する。
【0034】
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を製造するために使用される成分(E)強化充填剤としては、有機化合物であっても無機化合物であっても良く、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ミルドファイバー、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸ジルコニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。また成分(E)強化充填剤がポリエステル樹脂組成物に混合した後の平均アスペクト比は3.0以上が好ましく、より好ましくは5.0以上、最も好ましくは10以上である。
【0035】
これら、成分(E)強化充填剤は1種または2種以上が併用され、通常、シラン系またはチタン系のカップリング剤等で予備処理したものを用いるのが好ましい。またカップリング剤とポリエステル樹脂組成物の接着性を向上させるために、無水マレイン酸等の酸無水物を添加しても良く、同時に有機過酸化物を添加し更に接着性を促進しても良い。これら成分(E)強化充填剤の添加量は、成分(A)+(B)合計100重量部に対して、0〜150重量部が好ましく、さらには10〜140重量部が、特には20〜130重量部が好ましい。添加量が150重量部より多いと流動性が著しく低下する。
【0036】
本発明のポリエステル樹脂組成物を製造するために使用される成分(F)滴下防止剤とは、燃焼時の樹脂の滴下を防止する性質を有した化合物を指し、具体的な例としては、シリコンオイル、シリカ、アスベスト、フッ素含有ポリマーやタルク、マイカなどの層状珪酸塩等が挙げられる。中でも組成物の難燃性の観点から好ましい滴下防止剤として、フッ素含有ポリマー、シリコンオイル、層状珪酸塩等が好適に用いられる。
フッ素含有ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィンが好ましく、中でもポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体がより好ましく、特にはポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体が好適に用いられる。
【0037】
また、本発明に使用するフッ素含有ポリマーは、350℃における溶融粘度が、1.0×103 〜1.0×1016(poise)のものが好ましく、中でも1.0×104 〜1.0×1015(poise)、特には1.0×1011〜1.0×1013(poise)のものが好適に用いられる。溶融粘度が1.0×103 (poise)未満であると燃焼時の滴下防止能が低下する傾向にあり、1.0×1016(poise)より大きくなると組成物の流動性が著しく低下する傾向にある。
またシリコンオイルとは下記一般式(8)で表されるジメチルポリシロキサン骨格を有する化合物であり、末端または側鎖の一部あるいは全部がアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性を受け官能基化されていても良い。
【0038】
【化11】
【0039】
(tは3以上の整数を表す。)
本発明に使用するシリコンオイルの粘度は25℃において、1000〜30000(cSt)が好ましく、中でも2000〜25000(cSt)、特には3000〜20000(cSt)が好ましい。1000(cSt)未満であると燃焼中の滴下防止作用が十分でなく難燃性が低下する傾向にあり、30000(cSt)より大きいと、増粘効果により組成物の流動性が著しく低下する傾向にある。
【0040】
本発明のポリエステル樹脂組成物には、成分(F)滴下防止剤として層状珪酸塩を使用することが、溶融時の流動性の観点からより好ましい。層状珪酸塩としては、層状珪酸塩、変性層状珪酸塩(層間に4級有機オニウムカチオンを挿入した層状珪酸塩)、反応性官能基を付与した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が挙げられるが、層状珪酸塩のポリエステル樹脂組成物への分散性および滴下防止能の観点から、変性層状珪酸塩、反応性官能基を付加した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が好ましく、特にはエポキシ基、アミノ基、オキサゾリン基、カルボキシル基、酸無水物等の反応性官能基を付加した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が好適に用いられる。官能基付与方法としては特に制限はないが、官能化試薬(シランカップリング剤)で処理する方法が簡単で好ましい。
【0041】
具体例としては、3−グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルクロロシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリクロロシラン等のエポキシ基を有するクロロシラン類、トリクロロシリル酢酸、3−トリクロロシリルプロピオン酸、5−カルボキシヘキシルジメチルクロロシラン等のカルボキシル基を有するクロロシラン類、3−メルカプトプロピルジメトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、4−メルカプトフェニルジメチルクロロシラン等のメルカプト基を有するクロロシラン類、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するアルコキシシラン類、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類等が挙げられるが、中でも3−グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルクロロシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリクロロシラン等のエポキシ基を有するクロロシラン類、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するアルコキシシラン類、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類が好ましく、さらには3−グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルクロロシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリクロロシラン等のエポキシ基を有するクロロシラン類、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類がより好ましく、特には3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類が好適に用いられる。これら官能化試剤の層状珪酸塩への接触方法は特に制限はないが、通常無溶媒または極性溶媒中での混合により行なうことが好ましい。
【0042】
本発明に用いられる層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スブチンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等が膨潤性合成雲母、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられ、天然のものであっても合成されたものであっても良い。
中でも、モンモリナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母が好ましく、特にモンモリロナイト、Na型フッ素テオライト等が好ましい。なお、該層状珪酸塩は各々単独で用いても良く併用しても良い。
【0043】
本発明に用いられる変性層状珪酸塩の層間に挿入される4級オニウムカチオンに特に制限はないが、好適に使用される具体例としては、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウムなどが挙げられる。
【0044】
本発明のポリエステル樹脂組成物における成分(F)滴下防止剤の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して0.001〜15重量部である。成分(F)が0.001重量部未満であると滴下防止効果が不十分であり、15重量部より多いと流動性、機械的性質が著しく低下する。
ここで、成分(F)滴下防止剤として、上記フッ素含有ポリマー又はシリコンオイルを使用する場合の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して一般に0.001〜10重量部であり、好ましくは0.005〜8重量部、特には0.01〜5.0重量部が好ましい。また、成分(F)滴下防止剤として、上記層状珪酸塩等を使用する場合の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して一般に0.1〜15重量部であり、好ましくは0.3〜12重量部、特には0.5〜10重量部が好ましい。
【0045】
本発明のポリエステル樹脂組成物に用いられる成分(G)シアヌル酸メラミンとはシアヌル酸とメラミンのほぼ等モル反応物であって、例えばシアヌル酸の水溶液とメラミンの水溶液とを混合し、90〜100℃の温度で攪拌下反応させ、生成した沈澱を濾過することにより得ることができる。該シアヌル酸メラミンの粒径は0.01〜1000ミクロン、好ましくは0.01〜500ミクロンである。シアヌル酸メラミンのアミノ基または水酸基の内のいくつかが、他の置換基で置換されていても良い。シアヌル酸メラミンの添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して0〜45重量部であり、好ましくは3.0〜40重量部、特には5.0〜30重量部が好ましい。特に、成分(B)が35重量部未満の場合には、シアヌル酸メラミンの添加量は0.5〜45重量部であり、0.5重量部より少ないと難燃性が不十分となり、45重量部より多いと靱性や延性を低下させたり、ブリードアウトやプレートアウトを引き起こしたりする。
成分(D)と成分(G)シアヌル酸メラミンの比率は、特に限定されるものではないが、通常1.0対9.0〜9.0対1.0、中でも1.5対8.5〜8.5対1.5、特には2.0対8.0〜8.0対2.0が好ましい。
一方、成分(B)が、35重量部以上の場合、高い難燃性を発現するために、シアヌル酸メラミンの添加は特に必要ない。
【0046】
本発明のポリエステル樹脂組成物に用いられる成分(H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジルイタコネート等のエポキシ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体をポリスチレンとブロック共重合又はグラフト共重合した構造を有する高分子化合物、エポキシ基を付加した櫛型ポリスチレン、エポキシ基を付加したポリスチレン等を挙げることができる。
【0047】
具体的な構造は特に限定されるものではないが、例としては、主鎖にエポキシ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体であって側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化合物、エポキシ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体とポリスチレンをブロック共重合した直鎖状構造の高分子化合物、主鎖がポリスチレンであって側鎖がエポキシ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体である櫛型構造の高分子化合物、主鎖にエポキシ基を含有するポリスチレンであって側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化合物、少量のエポキシ基を付加したポリスチレン等を挙げることができるが、中でも、主鎖にエポキシ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体であって側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化合物、主鎖にエポキシ基を含有するポリスチレンであって側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化合物、少量のエポキシ基を付加した変性ポリスチレンが好ましく、特に、主鎖にエポキシ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体であって側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化合物が好ましい。これらのエポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂は複数種のブレンドであっても良い。
【0048】
成分(H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂のポリスチレンの重量平均分子量は一般に3000〜500000であり、好ましくは5000〜300000であり、特に好ましくは20000〜200000である。重量平均分子量が3000未満或いは500000より大きいと耐衝撃性及び流動性が低下する傾向がある。この成分(H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対して0〜15重量部であり、好ましくは12重量部以下、特には10重量部以下が好ましい。添加量が15重量部より多いと難燃性が著しく低下する場合があるため好ましくない。
【0049】
本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物製造における各成分の混合方法としては、例えばブレンダーやミキサーなどを使用してドライブレンドする方法、押出機を使用して溶融混合する方法などが挙げられるが、通常スクリュー押出機を使用して溶融混合してストランドの押し出し、ペレット化する方法が適している。この場合、各成分を一括して溶融混合するよりも、成分(A)ポリエステル樹脂と成分(B)PPE及び/又はPPSと成分(C)相溶化剤の3成分を先に溶融混合した後に、残りの成分を混合する製造方法が、曲げ特性(弾性率及び強度)の観点から好ましい。特には、成分(A)〜(C)の溶融混合の際、(B)成分が可溶な溶媒を添加することが好ましい。溶媒としては、キシレン、トルエン、トリクロロベンゼン、クロロホルム、a−クロロナフタレン等が挙げられるが、腐食性ガス発生の抑制、脱溶媒の容易性の観点から、キシレン、トルエンが好ましく、特にはキシレンが好適に用いられる。難燃性ポリエステル樹脂組成物は、他の慣用の成分、例えば光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、接着促進剤、結晶化促進剤、滑剤、着色剤、発砲剤、可塑剤、増粘剤、防滴剤、離型剤、衝撃性改良剤、発煙抑制剤などを含み得て、射出成形、押出成形、圧縮成形などの種々の成形法で成形するのが良い。また、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物の流動性を改良するため、難燃性、機械的物性をそこなわない範囲でポリスチレン系樹脂を加えることができる。
【0050】
本発明による難燃性ポリエステル樹脂組成物は難燃性、機械的物性、耐加水分解性等に優れ、腐食性ガス発生による金型腐食がなく、さらに低比重、流動性に優れることから薄肉あるいは複雑な形状の成形品用途に好適に使用することができる。従って、本発明組成物は電気機器、電子機器あるいはそれ等の部品を製造する材料として好適である。
【0051】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
なお、実施例中「部」は「重量部」を示す。
1)難燃性
アンダーライターズラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)UL94規格垂直燃焼試験、または限界酸素指数(LOI:ASTM D−2863、JIS K7201)の測定を行うことにより評価した。
2)ポリマーの凝固点(Tc)
デュボン社製DSC(TA−2000)を用いて、窒素雰囲気下、サンプル約10mgを16℃/分で260℃まで昇温、その状態で5分間保持した後、降温速度16℃/分で30℃まで降温して測定した。
3)曲げ物性
ASTM D−790に準拠し曲げ試験を行い、曲げ弾性率(kgf/cm2 )、曲げ強度(kgf/cm2 )を測定した。
4)耐衝撃性
ASTM D−256による1/8インチ厚のノッチ付きIZOD衝撃試験(IZODと略記:単位kg・cm/cm)を行った。
5)耐加水分解性
120℃の水蒸気に24時間暴露した後、上記引張試験を行い下式に基づき引張強度の保持率を測定し評価した。
強度保持率(%)=(水蒸気暴露後の引張強度)/(水蒸気暴露前の引張強度)×100
6)プレートアウト
目視観察により金型表面を調べた。
7)離型性
シリンダー温度270℃、金型温度80℃、冷却時間10秒で100mm×100mmの格子状試験片を射出成形する際、型中央部の圧力センサー付きエジェクターピンにより成形品が金型から離型する時に加わる圧力を測定した。
8)流動性
島津フローテスターCFT500(ノズル:1mm径×10mm)を使用し、260℃において溶融粘度を測定した。
【0052】
実施例1〜27及び比較例1〜15では下記の各成分を使用した。
(a)ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名ノバルドウール、固有粘度0.85、以下PBTと略記する。)
(b)PPE(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名ユピエース、固有粘度0.45)
(c)ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)(アデカ(株)製、商品名MARK PEP36)
(d)シアヌル酸メラミン(三菱化学(株)製)
(e)ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、エポキシシラン処理品、3mmチョップドストランド)
(f)ミルドファイバー(日本電気硝子(株)製、エポキシシラン処理品)
(g)ME100(コープケミカル(株)、膨潤性合成雲母)
(h)有機変性ME100(変性例;ジメチルジステリアリルアンモニウム)
(i)エポキシシラン処理ME100(ME100にエポキシ基付与処理したもの。)
(j)エポキシシラン処理有機変性ME100(有機ME100にエポキシ基付与処理したもの。)
(k)ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名ノバレックス、固有粘度0.36、以下PCと略記する。)
(I)液晶ポリエステル(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名ノバキュレートE321、以下LCPと略記する。)
(m)ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)製、商品名ノバペックス、固有粘度0.65、以下PETと略記する。)
(n)ポリスチレン(三菱化学(株)製、商品名ダイヤレックス、メルトフローインデックス<200℃、荷重5kg>5.5g/10分、以下PStと略記する。)
(o)ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業(株)製、四フッ化エチレン樹脂、ポリフロンF201)
(p)シリコーンオイル(信越シリコーン(株)製、高粘度品KF−102;7500cSt)
(q)モディパーA4100(日本油脂(株)製、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体にポリスチレンをグラフトした櫛型構造。EGMA−g−PStと略記。EGMA/PSt=70/30重量%比である。)
(r)レゼダGP500(東亜合成化学(株)製、エポキシ変性ポリスチレンにポリスチレンをグラフトした櫛型構造。(Epo−PSt)−g−PStと略記。)
(s)エポキシ変性ポリスチレン(メルトフローレート5.5g/10分のポリスチレン100重量部に対して、メタクリル酸グリシジル3.0重量部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3の0.015重量部をブレンドし、30mmの二軸押出機を使用して210℃にて混練した後ペレット化した。未反応のメタクリル酸グリシジルをアセトン抽出した後、紫外線吸収スペクトル測定からメタクリル酸グリシジルの定量を行ったところ、1.7重量%反応していることが分かった。)
【0053】
〔実施例1〕
PBT80部、PPE20部、MARKPEP36の1.0部をブレンドし、これを30mmのベントタイプ二軸押出機(日本製鋼所(株)製、二軸押出機ラボTEX30)を使用してバレル温度270℃において溶融混練してストランドに押し出した後、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットを乾燥後、該ペレット100重量部に対して、下記構造式(10)のリン酸エステル化合物15部、シアヌル酸メラミン15部、ガラスチョップドスランド60部、エポキシシラン処理ME100の2.0部をドライブレンドしたものを溶融混練してストランドに押し出した後、ストランドカッターによりペレット化した。射出成形機(日本製鋼所(株)製、J28SA型)と、UL94燃焼試験片用及びLOI(限界酸素濃度指数)用の金型を使用し、シリンダー温度270℃、金型温度80℃にて各試験片の成形を行い評価した。
【0054】
【化12】
【0055】
〔実施例2〕
PBT90部、PPE10部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例3〕
PBT60部、PPE40部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例4〕
PBT50部、PPE50部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例5〕
構造式(10)のリン酸エステル化合物30部とし、シアヌル酸メラミンを使用しなかった以外は、実施例4と同様な実験を行なった。
【0056】
〔実施例6〕
PBT40部、PPE60部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例7〕
ガラスチョップドストランド65部、PSt10部を使用した以外は、実施例6と同様な実験を行なった。
〔実施例8〕
ガラスチョップドストランドを使用しない以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例9〕
ガラスチョップドストランドを20部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例10〕
ガラスチョップドストランドを100部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0057】
〔実施例11〕
ミルドファイバー60部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例12〕
有機変性ME100を2.0部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例13〕
エポキシシラン処理有機変性ME100を2.0部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例14〕
実施例1で使用したリン酸エステル化合物7.5部、シアヌル酸メラミン22.5部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例15〕
実施例1で使用したリン酸エステル化合物22.5部、シアヌル酸メラミン7.5部とした以外は実施例3と同様な実験を行った。
【0058】
〔実施例16〕
実施例1で使用したリン酸エステル化合物10部、シアヌル酸メラミン10部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例17〕
ポリテトラフルオロエチレン0.05部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例18〕
シリコンオイル1.0部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例19〕
下記構造式(11)のリン酸エステル化合物15部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0059】
【化13】
【0060】
〔実施例20〕
下記構造式(12)のリン酸エステル化合物15部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0061】
【化14】
【0064】
〔実施例22〕
下記構造式(14)のリン酸エステル化合物15部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0065】
【化16】
【0066】
〔実施例23〕
ポリエチレンテレフタレート80部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例24〕
PPE15部、PPS5.0部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例25〕
PPE5.0部、PPS15部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例26〕
第一混練時に溶剤キシレン3.0部を添加した以外は実施例1と同様な実験を行った。
〔実施例27〕
相溶化剤MARKPEP36に変えてエポキシ基付加PPE(下記構造式(15))5.0部を添加し、PPEを15部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0067】
【化17】
【0068】
〔実施例28〕
PBT80部、PPE20部、MARKPEP36の1.0部をブレンドし、これを30mmのベントタイプ二軸押出機(日本製鋼所(株)製、二軸押出機ラボTEX30)を使用してバレル温度270℃において溶融混練してストランドに押し出した後、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットを乾燥後、該ペレット100重量部に対して、下記構造式(10)のリン酸エステル化合物15部、シアヌル酸メラミン15部、ガラスチョップドスランド60部、エポキシシラン処理ME100の2.0部、モディパーA4100の4.0部をドライブレンドしたものを溶融混練してストランドに押し出した後、ストランドカッターによりペレット化した。射出成形機(日本製鋼所(株)製、J28SA型)と、UL94燃焼試験片用、LOI用及びASTM試験片用の金型を使用し、シリンダー温度270℃、金型温度80℃にて各試験片の成形を行い評価した。
〔実施例29〕
モディパーA4100の4.0部に変えてレゼダGP500の4.0部を使用した以外は実施例28と同様な実験を行った。
〔実施例30〕
モディパーA4100の4.0部に変えてエポキシ変性ポリスチレン(s)4.0部を使用した以外は実施例28と同様な実験を行った。
【0069】
〔比較例1〕
PBT100部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性、耐加水分解性が大幅に低下した。
〔比較例2〕
PBT80部、PPE20部とし、MARKPEP36を使用しなかった以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性、機械的物性、耐加水分解性が大幅に低下した。
〔比較例3〕
PBT60部、PPE40部とし、MARKPEP36を使用しなかった以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性、機械的物性、耐加水分解性が大幅に低下した。
〔比較例4〕
PBT98部、PPE2.0部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性、耐加水分解性が大幅に低下した。
〔比較例5〕
PBT10部、PPE90部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。溶融粘度が大幅に増大した。
【0070】
〔比較例6〕
リン酸エステル化合物30部とし、シアヌル酸メラミンを使用しなかった以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性、機械的物性が低下した。
〔比較例7〕
リン酸エステル化合物を使用せず、シアヌル酸メラミン30部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性が大幅に低下した。
〔比較例8〕
リン酸エステル化合物60部、シアヌル酸メラミン60部、ガラスチョップドストランド90部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。耐加水分解性が大幅に低下し、離型時の抵抗が大きく増加した他に、プレートアウトがあった。
〔比較例9〕
リン酸エステル化合物1.0部、シアヌル酸メラミン1.0部、ガラスチョップドストランド50部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性が大幅に低下した。
〔比較例10〕
ガラスチョップドストランド180部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。溶融粘度と離型時の抵抗が大きく増加した。
【0071】
〔比較例11〕
エポキシシラン処理ME100を使用しなかった以外は実施例1と同様な実験を行った。燃焼中に樹脂の滴下があり、難燃性が低下した。
〔比較例12〕
エポキシシラン処理ME100を20部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。溶融粘度と離型時の抵抗が大きく増加し、機械的物性が低下した。
〔比較例13〕
MARKPEP36を20部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。離型時の抵抗が大きく増加し、機械的物性が低下した他。プレートアウトがあった。
〔比較例14〕
LCP50部、PBT50部、MARKPEP36の1.0部を使用した以外は実施例1と同様な実験を行った。離型時の抵抗が大きく増加し、耐加水分解性、難燃性が大幅に低下した。
【0072】
〔比較例15〕
ポリカーボネート50部、PBT50部、MARKPEP36の1.0部を使用した以外は実施例1と同様な実験を行った。離型時の抵抗が大きく増加し、耐加水分解性、難燃性が大幅に低下した。
〔比較例16〕
モディパーA4100を25部とした以外は実施例28と同様な実験を行った。
〔比較例17〕
エポキシ変性ポリスチレン(s)を25部とした以外は実施例28と同様な実験を行った。
実施例1〜30、比較例1〜17の配合割合及び評価結果を表1〜表15に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【表13】
【0086】
【表14】
【0087】
【表15】
【0088】
【発明の効果】
本発明のポリエステル樹脂系組成物は、難燃性に優れ、さらに難燃剤に臭素化合物、塩素化合物を含まないため、成形加工時の腐食性ガスの発生が飛躍的に抑制される。また機械的性質、耐加水分解性、流動性、寸法安定性に優れ、成形時や長期使用時に昇華物や分解生成物を生じないため、電気・電子部品用樹脂として好適である。
Claims (13)
- 成分(C)相溶化剤が亜リン酸トリエステルである請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 成分(F)滴下防止剤として、層状珪酸塩を0.1〜15重量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 成分(F)滴下防止剤が、反応性官能基を有する層状珪酸塩である請求項5記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 成分(F)滴下防止剤として、フッ素含有ポリマーを0.001〜10重量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 成分(F)滴下防止剤として、シリコンオイルを0.001〜10重量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂が、重量比でポリフェニレンエーテル樹脂とポリフェニレンスルフィド樹脂を5〜99重量%対95〜1重量%の比で含む混合成分である請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- 成分(A)ポリエステル樹脂が、ポリアルキレンテレフタレートである請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
- (A)ポリエステル樹脂、(B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂及び(C)相溶化剤の溶融混合を、(B)成分が可溶な有機溶媒の存在下に行う請求項11記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
- 成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂が、重量比でポリフェニレンエーテル樹脂とポリフェニレンスルフィド樹脂を5〜99重量%対95〜1重量%の比で含む混合成分である請求項11又は12記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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