JPH1077396A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法

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JPH1077396A
JPH1077396A JP847697A JP847697A JPH1077396A JP H1077396 A JPH1077396 A JP H1077396A JP 847697 A JP847697 A JP 847697A JP 847697 A JP847697 A JP 847697A JP H1077396 A JPH1077396 A JP H1077396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工時の腐食性が少なく、難燃性に優れ
たポリエステル組成物。 【解決手段】 下記成分(A)〜(H)を含有してなる
難燃性ポリエステル樹脂組成物。 (A)ポリエステル樹脂 95〜30重量部 (B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又は ポリフェニレンスルフィド樹脂 5.0〜70重量部 成分(A)と成分(B)合計100重量部に対して、 (C)相溶化剤 0.05〜10重量部 (D)リン酸エステル化合物又はホスホニトリル 化合物 2.0〜45重量部 (E)強化充填剤 0〜150重量部 (F)滴下防止剤 0.001〜15重量部 (G)シアヌル酸メラミン 0〜45重量部 (H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂 0〜15重量部 但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分
(G)は0.5〜45重量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物に関するものである。詳しくは高い難燃性
を維持しながら優れた機械的性質、流動性、耐加水分解
性、寸法安定性を有する難燃性ポリエステル樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車部品、電気部品、電子部品
等の射出成形部品に熱可塑性ポリエステル樹脂が幅広く
使用されているが、上記用途において機械的性質・成形
性のみならず、高度な難燃性を有する材料が要求される
ようになっている。従来ポリエステル樹脂用の難燃剤と
しては、臭素または塩素系の有機難燃剤が広く用いられ
ているが、燃焼時に毒性かつ腐食性の臭化水素または塩
化水素ガスや黒煙を多量に発生するという欠点を有して
いる。
【0003】非臭素系または非塩素系難燃剤としては、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの含水無
機化合物が知られているが、これらの含水無機化合物は
臭素系または塩素系難燃剤に比較して難燃効果が低いた
め、高い難燃性を有する製品を製造するためには、樹脂
に対し多量に添加する必要があり、そのために機械的性
質や成形性を著しく悪化させるという欠点を有してい
た。
【0004】またトリアジン環を有する窒素化合物を使
用する方法(特公昭58−5939号公報、特公昭60
−33850号公報)も知られているが、難燃効果が低
いのみならず成形品の機械的性質を著しく低下させた
り、金型汚染や樹脂表面にブリードアウトするなどの問
題を有していた。さらに、非臭素系または非塩素系難燃
剤としては種々のリン化合物も知られている。
【0005】赤リンは難燃効果が大きいため比較的少量
添加で高い難燃性の発現が可能ではあるものの、製品が
赤色に着色すること、高温高湿下ではポリエステル樹脂
の機械的性質を極端に低下させることなど実用面でも不
十分であった。またリン酸エステル系難燃剤を用いる方
法(特公昭51−19858号公報、特公昭51−39
271号公報等)も種々知られているが、臭素系または
塩素系難燃剤に比較して難燃効果が不十分なため高レベ
ルの難燃性の発現には樹脂に対し多量に添加する必要が
あり、これによる樹脂の結晶性の大幅な低下が機械的性
質や成形性を著しく悪化させたり、リン酸エステル系難
燃剤がポリエステル樹脂の耐加水分解性を極端に低下さ
せるという欠点を有していた。また高い難燃性を発現す
るために多量に添加されたリン酸エステル系難燃剤が成
形時に激しくプレートアウトするだけでなく製品表面に
もブリードアウトし、外観不良や接点不良の原因ともな
っていた。
【0006】特開昭60−47056号公報には、こう
したリン酸エステル難燃剤の低い難燃効果を補うべく、
熱可塑性線状ポリエステル樹脂、有機リン酸エステルに
加えてポリフェニレンエーテル樹脂、臭素系または塩素
系難燃剤からなる難燃性ポリエステル組成物が開示され
ているが、臭素系または塩素系難燃剤による燃焼時の刺
激性ガス、多量の黒煙の発生等の問題を抱えていた。ま
た特開平5−339493号公報には、飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、赤リンからなる
難燃性ポリエステル組成物が開示されているが、赤リン
は熱安定性に劣り、また製品が赤色に着色することなど
依然として実用面でも不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において本
発明は前記した従来技術の欠点を解消すべくなされたも
のである。本発明は、臭素原子や塩素原子を含有しない
難燃剤を使用することで、成形加工時の腐食性ガスの発
生を抑制し、燃焼時の刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の
発生を飛躍的に抑制し、さらに高い難燃性を維持しなが
ら、機械的性質、流動性、耐加水分解性、成形性、寸法
安定性に優れた難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題につ
いて鋭意検討を重ねた結果、特定構造を持つ特定成分か
らなるポリエステル樹脂組成物が優れた難燃性、機械的
性質、流動性、耐加水分解性、寸法安定性を有すること
を見出し、本発明に到った。すなわち本発明の要旨は、
下記成分(A)〜(H)を含有してなる難燃性ポリエス
テル樹脂組成物である。 (A)ポリエステル樹脂 95〜30重量部 (B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又は ポリフェニレンスルフィド樹脂 5.0〜70重量部 成分(A)と成分(B)合計100重量部に対して、 (C)相溶化剤 0.05〜10重量部 (D)リン酸エステル化合物又はホスホニトリル 化合物 2.0〜45重量部 (E)強化充填剤 0〜150重量部 (F)滴下防止剤 0.001〜15重量部 (G)シアヌル酸メラミン 0〜45重量部 (H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂 0〜15重量部 但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分
(G)は0.5〜45重量部とする。
【0009】また、もう一つの本発明の要旨は、下記成
分(A)〜(H)からなる組成物の製造法において成分
(A)ポリエステル樹脂、成分(B)ポリフェニレンエ
ーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂及
び(C)相溶化剤とを溶融混合せしめた後、残りの成分
を溶融混合することを特徴とする難燃性ポリエステル樹
脂組成物の製造方法である。 (A)ポリエステル樹脂 95〜30重量部 (B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又は ポリフェニレンスルフィド樹脂 5.0〜70重量部 成分(A)と成分(B)合計100重量部に対して、 (C)相溶化剤 0.05〜10重量部 (D)リン酸エステル化合物又はホスホニトリル 化合物 2.0〜45重量部 (E)強化充填剤 0〜150重量部 (F)滴下防止剤 0.001〜15重量部 (G)シアヌル酸メラミン 0〜45重量部 (H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂 0〜15重量部 但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分
(G)は0.5〜45重量部とする。
【0010】本願発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成
物及びその製造法は、上記従来技術の欠点を解決するも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性ポリエステル系樹
脂組成物を製造するために使用される成分(A)ポリエ
ステル樹脂とは、少なくとも1種の2官能性カルボン酸
成分と少なくとも1種のグリコール成分またはオキシカ
ルボン酸の重縮合により得られる少なくとも固有粘度
0.50以上の熱可塑性ポリエステルを意味し、2官能
性カルボン酸成分の具体例としてはテレフタル酸、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−
ナフタレンジカルボン酸、P,P−ジフェニルジカルボ
ン酸、P,P−ジフェニルエーテルカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、またはこ
れらのエステル形成性誘導体などが挙げることができ、
中でも芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形
成性誘導体が好ましく、特にはテレフタル酸またはテレ
フタル酸ジエステルが好ましい。
【0012】グリコール成分の具体例としては一般式、
HO(CH2 q OH(qは2〜20の整数)で表され
るα,ω−アルキレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリ
コール、またはこれらのエステル形成性誘導体等を挙げ
ることができ、中でもエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール等のα,ω−アルキレングリコールが好ま
しく、特には、1,4−ブタンジオールが好ましい。ま
たオキシカルボン酸の具体例としては、オキシ安息香
酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、または
これらのエステル形成性誘導体などを挙げることができ
る。またこのようなポリエステルを形成する全酸成分ま
たは全ジオール成分の70mol%以上が単一成分であ
れば任意の共重合体であっても良い。さらにこのような
ポリエステル60重量%以上とポリカーボネート、AB
S樹脂等の他の熱可塑性重合物40重量%以下との混合
物であっても本発明に適用することができる。
【0013】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
を製造するために使用される成分(B)ポリフェニレン
エーテル樹脂(以下PPEと略記する)及び/又はポリ
フェニリンスルフィド樹脂(以下PPSと略記する)の
PPEとは下記一般式(3)(式中、R12は水素原子、
または第一級もしくは第二級アルキル基、アリール基、
アミノアルキル基、炭化水素オキシ基を表し、R13は第
一級あるいは第二級のアルキル基、アリール基、アルキ
ルアミノ基を表わす、rは10以上の整数を表す。)で
示される構造を有する単独重合体または共重合体であ
る。R12およびR 13の第一級アルキル基としては、メチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−アミル、
イソアミル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、2,3
−ジメチルブチル、2,3−もしくは4−メチルペンチ
ルまたはヘプチルである。第二級アルキル基の好適な例
としては、イソプロピル、sec−ブチルまたは1−エ
チルプロピルである。好適なPPEの単独重合体として
は、例えば2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル単位からなるものである。好適な共重合体として
は、上記単位と2,3,6−トリメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル単位との組み合わせからなるランダム共
重合体である。
【0014】
【化4】
【0015】本発明で使用する成分(B)のPPEは、
クロロホルム中で測定した30℃における固有粘度が、
0.2〜0.8dl/gであるのが好ましく、より好ま
しくは固有粘度が0.25〜0.7dl/gのものであ
り、特には0.3〜0.6dl/gのものが好適に使用
される。固有粘度が0.2dl/g未満では組成物の耐
衝撃性が不充分となり、0.8dl/gを超えるとゲル
成分が多く、成形品外観が悪化する。
【0016】また、成分(B)はPPSを用いることが
でき、特にPPEと併用することが好ましい。本発明に
適用されるPPSとは下記一般式(4)(sは10以上
の整数を表す。)で示される構造を有する単独重合体ま
たは共重合体である。下記繰り返し単位を70モル%以
上、好ましくは90モル%以上、最も好ましくはほぼ1
00モル%含む重合体である。また共重合成分として
は、30モル%未満であれば、メタ結合、エーテル結
合、スルフォン結合、ビフェニル結合、アミノ基置換フ
ェニルスルフィド結合、カルボキシル基置換フェニルス
ルフィド結合、アルキル基置換フェニルスルフィド結
合、ニトロ基置換フェニルスルフィド結合、フェニル基
置換フェニルスルフィド結合、アルコキシ基置換フェニ
ルスルフィド結合、3官能フェニルスルフィド結合など
を含有していても良いが、好ましくは10モル%未満が
良く、特に5モル%未満が好ましい。
【0017】
【化5】
【0018】PPEとPPSを併用する場合のPPEと
PPSの重量比は、99対1〜5対95であり、好まし
くは、90対10〜20対80、最も好ましくは70対
30〜30対70である。PPE重量比が5未満である
と組成物の機械的物性が低下する。成分(B)PPE及
び/又はPPSの添加量は、重量比で成分(A)ポリエ
ステル樹脂対成分(B)の比率が、95対5〜30対7
0であり、好ましくは90対10〜40対60、特には
80対20〜60対40が好ましい。成分(B)の比率
が5未満であると組成物の難燃性や耐加水分解性が不十
分になり、70より多いと組成物の流動性や成形性が著
しく低下する。
【0019】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
を製造するために用いられる成分(C)相溶化剤とは、
ポリエステル樹脂中におけるPPE及び/又はPPSの
分散性を向上させる化合物であり、ポリカーボネート樹
脂やカルボキシル基、カルボン酸エステル基、酸アミド
基、イミド基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニ
ル基、アミノ基、水酸基を一つ以上有する化合物や亜リ
ン酸エステル化合物等が使用できる。具体例としては、
エポキシ基付加PPE樹脂、ヒドロキシアルキル化PP
E樹脂、末端オキサゾリン化PPE樹脂、ポリスチレン
によりカルボキシル基末端の変性されたポリエステル、
ポリエチレンによりOH基末端の変性されたポリエステ
ル、亜リン酸エステル等が挙げられる。中でも組成物の
耐加水分解性、結晶性、機械的物性、難燃性の観点か
ら、亜リン酸エステルが好ましく更には亜リン酸トリエ
ステルが好ましく、特には下記の一般式(5),(6)
で表される亜リン酸トリエステルが好適に用いられる。
【0020】
【化6】
【0021】(式中のR14〜R16は各々炭素数1〜20
のアルキル基又は炭素数6〜30の置換又は非置換アリ
ール基を示す。R14〜R16はO原子、N原子、S原子を
含んでいても良い。) 一般式(5)の具体例としては、トリオクチルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファ
イト、トリステアリルホスファイト、トリイソオクチル
ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(2,4−ジノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(オ
クチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチ
ルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、
オクチルジフェニルホスファイト、ジラウリルフェニル
ホスファイト、ジイソデシルフェニルホスファイト、ビ
ス(ノニルフェニル)フェニルホスファイト、ジイソオ
クチルフェニルホスファイトなどが挙げられる。
【0022】
【化7】
【0023】(式中、u=1または2、R17およびR18
の各々炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30
の置換又は非置換アリール基を示す。R17は酸素原子、
窒素原子、硫黄原子を含んでいても良い。) R17の例としては、メチル、エチル、プロピル、オクチ
ル、イソオクチル、イソデシル、デシル、ステアリル、
ラウリル、フェニル、2,3−若しくは4−メチルフェ
ニル、2,4−若しくは2,6−ジメチルフェニル、
2,3,6−トリメチルフェニル、2−、3−若しくは
4−エチルフェニル、2−,4−若しくは2−,6−ジ
エチルフェニル、2,3,6−トリエチルフェニル、2
−,3−若しくは4−tert−ブチルフェニル、2,
4−若しくは2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、
2,6−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル、
2,6−ジ−tert−ブチル−6−エチルフェニル、
オクチルフェニル、イソオクチルフェニル、2−,3−
若しくは4−ノニルフェニル、2,4−ジノニルフェニ
ル、ビフェニル、ナフチル等が挙げられ、中でも置換又
は非置換アリール基類が好ましい。またR18としては、
一般式(6)で、u=1のとき、1,2−フェニレン
基、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチ
レン、ヘキサメチレン等のポリメチレン基が挙げられ
る。
【0024】具体例としては、(フェニル)(1,3−
プロパンジオール)ホスファイト、(4−メチルフェニ
ル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、
(2,6−ジメチルフェニル)(1,3−プロパンジオ
ール)ホスファイト、(4−tert−ブチルフェニ
ル)(1,3−プロパンジオール)ホスファイト、
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,3−
プロパンジオール)ホスファイト、(2,6−ジ−te
rt−ブチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)
ホスファイト、(2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェニル)(1,3−プロパンジオール)ホスフ
ァイト、(フェニル)(1,2−エタンジオール)ホス
ファイト、(4−メチルフェニル)(1,2−エタンジ
オール)ホスファイト、(2,6−ジメチルフェニル)
(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(4−te
rt−ブチルフェニル)(1,2−エタンジオール)ホ
スファイト、(2,6−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)
(1,2−エタンジオール)ホスファイト、(2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)(1,4
−ブタンジオール)ホスファイト等が挙げられる。ま
た、u=2のとき、R18は一般式(7)に示すペンタエ
リスリチル構造のテトライル基等が挙げられる。
【0025】
【化8】
【0026】(式中のv、w、x、yはそれぞれ0〜6
の整数を表す。) 具体例としては、ジイソデシルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(3−メチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジメチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,6−ジメチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,3,6−トリメ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス(3−tert−ブチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(4−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビ
ス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(ビフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ジナフチルペンタエリスリト
ールジホスファイト等が挙げられる。
【0027】これらの亜リン酸トリエステルの中では式
(6)のuは1又は2が好ましく、さらには式(6)の
u=2で一般式(7)に示すペンタエリスリチル構造の
テトライル基等を有するものがより好ましい。その中で
も、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト等がより好ま
しく、特にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が好適に使
用される。
【0028】なお、本発明の組成物は、これら亜リン酸
トリエステルの分解(加水分解や熱分解等)により生じ
た化合物を含んでいても良い。成分(C)相溶化剤の添
加量は、成分(A)+(B)の合計100重量部に対し
て0.05重量部〜10重量部であり、好ましくは0.
1〜8.0重量部、特には0.3〜5.0重量部が好ま
しい。成分(C)相溶化剤の量が0.05重量部より少
ないと物性特に機械的強度や難燃性が低下し、10重量
部より多いと難燃性、製品の表面外観が低下する。
【0029】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
を製造するために使用される成分(D)リン酸エステル
化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ
オクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフ
ェニルホスフェート等が挙げられるが、中でも下記一般
式(1)で表される化合物が好ましい。下記一般式
(1)中R1 〜R8 はH原子または炭素数1〜6のアル
キル基を示し、耐加水分解性を向上させるためには炭素
数6以下のアルキル基が好ましく、中でも炭素数2以下
のアルキル基が、特にはメチル基が好ましい。mは0ま
たは1以上4以下の整数であり、好ましくは1〜3、中
でも1が好ましい。R9 は下記から選ばれる構造を示
し、中でも
【0030】
【化9】
【0031】また成分(D)としては下記一般式(2)
で表される基を有するホスホニトリル化合物も好適に用
いられる。R10、R11は炭素数1〜20のアリール基、
アルキル基、シクロアルキル基であり、具体例として
は、メチル、エチル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、フェニル、ベンジル、ナフチル等が挙げられる。
n、pは1〜12の整数であり、一般に3〜10が、特
に3または4が好ましい。また該ホスホニトリル化合物
は線状重合体であっても環状重合体であっても構わない
が、中でも環状重合体が好適に用いられる。下記一般式
(2)においてXはO、S、N−Hを表すが、中でも
O、N−Hがより好ましく、特にはOが好ましい。
【0032】
【化10】
【0033】(XはO、S、N−H原子を表し、R10
11は炭素数1〜20のアリール基、アルキル基、シク
ロアルキル基であり、−X−R10、−X−R11は同一で
も異なっても良い。n、pは1以上12以下の整数であ
る。) 成分(D)の添加量は、成分(A)+(B)の合計10
0重量部に対して2.0〜45重量部であり、好ましく
は3.0〜40重量部、特には5.0〜30重量部が好
ましい。(D)の添加量が2.0重量部より少ないと組
成物の難燃性が不十分になり、45重量部より多いと機
械的物性、耐加水分解性、成形性が著しく低下する。
【0034】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を
製造するために使用される成分(E)強化充填剤として
は、有機化合物であっても無機化合物であっても良く、
ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ミルドフ
ァイバー、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、
炭素繊維、アラミド繊維、アルミナ、酸化珪素、酸化マ
グネシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸
化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマ
イト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン
酸ジルコニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、チタン酸カリ
ウムウィスカー等が挙げられる。また成分(E)強化充
填剤がポリエステル樹脂組成物に混合した後の平均アス
ペクト比は3.0以上が好ましく、より好ましくは5.
0以上、最も好ましくは10以上である。
【0035】これら、成分(E)強化充填剤は1種また
は2種以上が併用され、通常、シラン系またはチタン系
のカップリング剤等で予備処理したものを用いるのが好
ましい。またカップリング剤とポリエステル樹脂組成物
の接着性を向上させるために、無水マレイン酸等の酸無
水物を添加しても良く、同時に有機過酸化物を添加し更
に接着性を促進しても良い。これら成分(E)強化充填
剤の添加量は、成分(A)+(B)合計100重量部に
対して、0〜150重量部が好ましく、さらには10〜
140重量部が、特には20〜130重量部が好まし
い。添加量が150重量部より多いと流動性が著しく低
下する。
【0036】本発明のポリエステル樹脂組成物を製造す
るために使用される成分(F)滴下防止剤とは、燃焼時
の樹脂の滴下を防止する性質を有した化合物を指し、具
体的な例としては、シリコンオイル、シリカ、アスベス
ト、フッ素含有ポリマーやタルク、マイカなどの層状珪
酸塩等が挙げられる。中でも組成物の難燃性の観点から
好ましい滴下防止剤として、フッ素含有ポリマー、シリ
コンオイル、層状珪酸塩等が好適に用いられる。フッ素
含有ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/
エチレン共重合体、フッ化ビニリデン、ポリクロロトリ
フルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィンが好まし
く、中でもポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重
合体がより好ましく、特にはポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体が好適に用いられる。
【0037】また、本発明に使用するフッ素含有ポリマ
ーは、350℃における溶融粘度が、1.0×103
1.0×1016(poise)のものが好ましく、中で
も1.0×104 〜1.0×1015(poise)、特
には1.0×1011〜1.0×1013(poise)の
ものが好適に用いられる。溶融粘度が1.0×10
3(poise)未満であると燃焼時の滴下防止能が低
下する傾向にあり、1.0×1016(poise)より
大きくなると組成物の流動性が著しく低下する傾向にあ
る。またシリコンオイルとは下記一般式(8)で表され
るジメチルポリシロキサン骨格を有する化合物であり、
末端または側鎖の一部あるいは全部がアミノ変性、エポ
キシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタ
クリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ポリエ
ーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級
脂肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性
を受け官能基化されていても良い。
【0038】
【化11】
【0039】(tは3以上の整数を表す。) 本発明に使用するシリコンオイルの粘度は25℃におい
て、1000〜30000(cSt)が好ましく、中で
も2000〜25000(cSt)、特には3000〜
20000(cSt)が好ましい。1000(cSt)
未満であると燃焼中の滴下防止作用が十分でなく難燃性
が低下する傾向にあり、30000(cSt)より大き
いと、増粘効果により組成物の流動性が著しく低下する
傾向にある。
【0040】本発明のポリエステル樹脂組成物には、成
分(F)滴下防止剤として層状珪酸塩を使用すること
が、溶融時の流動性の観点からより好ましい。層状珪酸
塩としては、層状珪酸塩、変性層状珪酸塩(層間に4級
有機オニウムカチオンを挿入した層状珪酸塩)、反応性
官能基を付与した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が挙
げられるが、層状珪酸塩のポリエステル樹脂組成物への
分散性および滴下防止能の観点から、変性層状珪酸塩、
反応性官能基を付加した層状珪酸塩または変性層状珪酸
塩が好ましく、特にはエポキシ基、アミノ基、オキサゾ
リン基、カルボキシル基、酸無水物等の反応性官能基を
付加した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が好適に用い
られる。官能基付与方法としては特に制限はないが、官
能化試薬(シランカップリング剤)で処理する方法が簡
単で好ましい。
【0041】具体例としては、3−グリシジルオキシプ
ロピルジメチルクロロシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルジメチルクロロシラン、3−グ
リシジルオキシプロピルトリクロロシラン等のエポキシ
基を有するクロロシラン類、トリクロロシリル酢酸、3
−トリクロロシリルプロピオン酸、5−カルボキシヘキ
シルジメチルクロロシラン等のカルボキシル基を有する
クロロシラン類、3−メルカプトプロピルジメトリクロ
ロシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、
4−メルカプトフェニルジメチルクロロシラン等のメル
カプト基を有するクロロシラン類、3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
等のアミノ基を有するアルコキシシラン類、3−グリシ
ジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリ
シジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類等が挙げ
られるが、中でも3−グリシジルオキシプロピルジメチ
ルクロロシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルジメチルクロロシラン、3−グリシジルオキ
シプロピルトリクロロシラン等のエポキシ基を有するク
ロロシラン類、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有
するアルコキシシラン類、3−グリシジルオキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基
を有するアルコキシシラン類が好ましく、さらには3−
グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルク
ロロシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリクロロ
シラン等のエポキシ基を有するクロロシラン類、3−グ
リシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−
グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類が
より好ましく、特には3−グリシジルオキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有
するアルコキシシラン類が好適に用いられる。これら官
能化試剤の層状珪酸塩への接触方法は特に制限はない
が、通常無溶媒または極性溶媒中での混合により行なう
ことが好ましい。
【0042】本発明に用いられる層状珪酸塩の具体例と
しては、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘク
トライト、サポナイト、バイデライト、スブチンサイト
等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライ
ト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲
母、Li型四珪素フッ素雲母等が膨潤性合成雲母、バー
ミキュライト、フッ素バーミキュライト、ハロイサイト
等が挙げられ、天然のものであっても合成されたもので
あっても良い。中でも、モンモリナイト、ヘクトライト
等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライ
ト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲
母等の膨潤性合成雲母が好ましく、特にモンモリロナイ
ト、Na型フッ素テオライト等が好ましい。なお、該層
状珪酸塩は各々単独で用いても良く併用しても良い。
【0043】本発明に用いられる変性層状珪酸塩の層間
に挿入される4級オニウムカチオンに特に制限はない
が、好適に使用される具体例としては、トリメチルオク
チルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、ト
リメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシ
ルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウ
ム、トリメチルオクタデシルアンモニウム等のトリメチ
ルアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニ
ウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデ
シルアンモニウム、ジメチルジテトラアンモニウム、ジ
メチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタ
デシルアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウ
ムなどが挙げられる。
【0044】本発明のポリエステル樹脂組成物における
成分(F)滴下防止剤の添加量は、成分(A)+(B)
の合計100重量部に対して0.001〜15重量部で
ある。成分(F)が0.001重量部未満であると滴下
防止効果が不十分であり、15重量部より多いと流動
性、機械的性質が著しく低下する。ここで、成分(F)
滴下防止剤として、上記フッ素含有ポリマー又はシリコ
ンオイルを使用する場合の添加量は、成分(A)+
(B)の合計100重量部に対して一般に0.001〜
10重量部であり、好ましくは0.005〜8重量部、
特には0.01〜5.0重量部が好ましい。また、成分
(F)滴下防止剤として、上記層状珪酸塩等を使用する
場合の添加量は、成分(A)+(B)の合計100重量
部に対して一般に0.1〜15重量部であり、好ましく
は0.3〜12重量部、特には0.5〜10重量部が好
ましい。
【0045】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いら
れる成分(G)シアヌル酸メラミンとはシアヌル酸とメ
ラミンのほぼ等モル反応物であって、例えばシアヌル酸
の水溶液とメラミンの水溶液とを混合し、90〜100
℃の温度で攪拌下反応させ、生成した沈澱を濾過するこ
とにより得ることができる。該シアヌル酸メラミンの粒
径は0.01〜1000ミクロン、好ましくは0.01
〜500ミクロンである。シアヌル酸メラミンのアミノ
基または水酸基の内のいくつかが、他の置換基で置換さ
れていても良い。シアヌル酸メラミンの添加量は、成分
(A)+(B)の合計100重量部に対して0〜45重
量部であり、好ましくは3.0〜40重量部、特には
5.0〜30重量部が好ましい。特に、成分(B)が3
5重量部未満の場合には、シアヌル酸メラミンの添加量
は0.5〜45重量部であり、0.5重量部より少ない
と難燃性が不十分となり、45重量部より多いと靱性や
延性を低下させたり、ブリードアウトやプレートアウト
を引き起こしたりする。成分(D)と成分(G)シアヌ
ル酸メラミンの比率は、特に限定されるものではない
が、通常1.0対9.0〜9.0対1.0、中でも1.
5対8.5〜8.5対1.5、特には2.0対8.0〜
8.0対2.0が好ましい。一方、成分(B)が、35
重量部以上の場合、高い難燃性を発現するために、シア
ヌル酸メラミンの添加は特に必要ない。
【0046】本発明のポリエステル樹脂組成物に用いら
れる成分(H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹
脂としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルア
クリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トのグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル、グリシジ
ルイタコネート等のエポキシ基を含有する共重合性不飽
和モノマーからなる重合体をポリスチレンとブロック共
重合又はグラフト共重合した構造を有する高分子化合
物、エポキシ基を付加した櫛型ポリスチレン、エポキシ
基を付加したポリスチレン等を挙げることができる。
【0047】具体的な構造は特に限定されるものではな
いが、例としては、主鎖にエポキシ基を含有する共重合
性不飽和モノマーからなる重合体であって側鎖がポリス
チレンである櫛型構造の高分子化合物、エポキシ基を含
有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体とポリス
チレンをブロック共重合した直鎖状構造の高分子化合
物、主鎖がポリスチレンであって側鎖がエポキシ基を含
有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体である櫛
型構造の高分子化合物、主鎖にエポキシ基を含有するポ
リスチレンであって側鎖がポリスチレンである櫛型構造
の高分子化合物、少量のエポキシ基を付加したポリスチ
レン等を挙げることができるが、中でも、主鎖にエポキ
シ基を含有する共重合性不飽和モノマーからなる重合体
であって側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化
合物、主鎖にエポキシ基を含有するポリスチレンであっ
て側鎖がポリスチレンである櫛型構造の高分子化合物、
少量のエポキシ基を付加した変性ポリスチレンが好まし
く、特に、主鎖にエポキシ基を含有する共重合性不飽和
モノマーからなる重合体であって側鎖がポリスチレンで
ある櫛型構造の高分子化合物が好ましい。これらのエポ
キシ基を含有するポリスチレン系樹脂は複数種のブレン
ドであっても良い。
【0048】成分(H)エポキシ基を含有するポリスチ
レン系樹脂のポリスチレンの重量平均分子量は一般に3
000〜500000であり、好ましくは5000〜3
00000であり、特に好ましくは20000〜200
000である。重量平均分子量が3000未満或いは5
00000より大きいと耐衝撃性及び流動性が低下する
傾向がある。この成分(H)エポキシ基を含有するポリ
スチレン系樹脂の添加量は、成分(A)+(B)の合計
100重量部に対して0〜15重量部であり、好ましく
は12重量部以下、特には10重量部以下が好ましい。
添加量が15重量部より多いと難燃性が著しく低下する
場合があるため好ましくない。
【0049】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物製
造における各成分の混合方法としては、例えばブレンダ
ーやミキサーなどを使用してドライブレンドする方法、
押出機を使用して溶融混合する方法などが挙げられる
が、通常スクリュー押出機を使用して溶融混合してスト
ランドの押し出し、ペレット化する方法が適している。
この場合、各成分を一括して溶融混合するよりも、成分
(A)ポリエステル樹脂と成分(B)PPE及び/又は
PPSと成分(C)相溶化剤の3成分を先に溶融混合し
た後に、残りの成分を混合する製造方法が、曲げ特性
(弾性率及び強度)の観点から好ましい。特には、成分
(A)〜(C)の溶融混合の際、(B)成分が可溶な溶
媒を添加することが好ましい。溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、トリクロロベンゼン、クロロホルム、a
−クロロナフタレン等が挙げられるが、腐食性ガス発生
の抑制、脱溶媒の容易性の観点から、キシレン、トルエ
ンが好ましく、特にはキシレンが好適に用いられる。難
燃性ポリエステル樹脂組成物は、他の慣用の成分、例え
ば光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
接着促進剤、結晶化促進剤、滑剤、着色剤、発砲剤、可
塑剤、増粘剤、防滴剤、離型剤、衝撃性改良剤、発煙抑
制剤などを含み得て、射出成形、押出成形、圧縮成形な
どの種々の成形法で成形するのが良い。また、本発明の
難燃性ポリエステル樹脂組成物の流動性を改良するた
め、難燃性、機械的物性をそこなわない範囲でポリスチ
レン系樹脂を加えることができる。
【0050】本発明による難燃性ポリエステル樹脂組成
物は難燃性、機械的物性、耐加水分解性等に優れ、腐食
性ガス発生による金型腐食がなく、さらに低比重、流動
性に優れることから薄肉あるいは複雑な形状の成形品用
途に好適に使用することができる。従って、本発明組成
物は電気機器、電子機器あるいはそれ等の部品を製造す
る材料として好適である。
【0051】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳しく説
明する。なお、実施例中「部」は「重量部」を示す。 1)難燃性 アンダーライターズラボラトリーズ(Underwri
ter’s Laboratories Inc.)U
L94規格垂直燃焼試験、または限界酸素指数(LO
I:ASTM D−2863、JIS K7201)の
測定を行うことにより評価した。 2)ポリマーの凝固点(Tc) デュボン社製DSC(TA−2000)を用いて、窒素
雰囲気下、サンプル約10mgを16℃/分で260℃
まで昇温、その状態で5分間保持した後、降温速度16
℃/分で30℃まで降温して測定した。 3)曲げ物性 ASTM D−790に準拠し曲げ試験を行い、曲げ弾
性率(kgf/cm2)、曲げ強度(kgf/cm2
を測定した。 4)耐衝撃性 ASTM D−256による1/8インチ厚のノッチ付
きIZOD衝撃試験(IZODと略記:単位kg・cm
/cm)を行った。 5)耐加水分解性 120℃の水蒸気に24時間暴露した後、上記引張試験
を行い下式に基づき引張強度の保持率を測定し評価し
た。 強度保持率(%)=(水蒸気暴露後の引張強度)/(水
蒸気暴露前の引張強度)×100 6)プレートアウト 目視観察により金型表面を調べた。 7)離型性 シリンダー温度270℃、金型温度80℃、冷却時間1
0秒で100mm×100mmの格子状試験片を射出成
形する際、型中央部の圧力センサー付きエジェクターピ
ンにより成形品が金型から離型する時に加わる圧力を測
定した。 8)流動性 島津フローテスターCFT500(ノズル:1mm径×
10mm)を使用し、260℃において溶融粘度を測定
した。
【0052】実施例1〜27及び比較例1〜15では下
記の各成分を使用した。 (a)ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリ
ングプラスチック(株)製、商品名ノバルドウール、固
有粘度0.85、以下PBTと略記する。) (b)PPE(三菱エンジニアリングプラスチック
(株)製、商品名ユピエース、固有粘度0.45) (c)ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)
(アデカ(株)製、商品名MARK PEP36) (d)シアヌル酸メラミン(三菱化学(株)製) (e)ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、エポキシシ
ラン処理品、3mmチョップドストランド) (f)ミルドファイバー(日本電気硝子(株)製、エポ
キシシラン処理品) (g)ME100(コープケミカル(株)、膨潤性合成
雲母) (h)有機変性ME100(変性例;ジメチルジステリ
アリルアンモニウム) (i)エポキシシラン処理ME100(ME100にエ
ポキシ基付与処理したもの。) (j)エポキシシラン処理有機変性ME100(有機M
E100にエポキシ基付与処理したもの。) (k)ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラス
チック(株)製、商品名ノバレックス、固有粘度0.3
6、以下PCと略記する。) (I)液晶ポリエステル(三菱エンジニアリングプラス
チック(株)製、商品名ノバキュレートE321、以下
LCPと略記する。) (m)ポリエチレンテレフタレート(三菱化学(株)
製、商品名ノバペックス、固有粘度0.65、以下PE
Tと略記する。) (n)ポリスチレン(三菱化学(株)製、商品名ダイヤ
レックス、メルトフローインデックス<200℃、荷重
5kg>5.5g/10分、以下PStと略記する。) (o)ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン工業
(株)製、四フッ化エチレン樹脂、ポリフロンF20
1) (p)シリコーンオイル(信越シリコーン(株)製、高
粘度品KF−102;7500cSt) (q)モディパーA4100(日本油脂(株)製、エチ
レン−グリシジルメタクリレート共重合体にポリスチレ
ンをグラフトした櫛型構造。EGMA−g−PStと略
記。EGMA/PSt=70/30重量%比である。) (r)レゼダGP500(東亜合成化学(株)製、エポ
キシ変性ポリスチレンにポリスチレンをグラフトした櫛
型構造。(Epo−PSt)−g−PStと略記。) (s)エポキシ変性ポリスチレン(メルトフローレート
5.5g/10分のポリスチレン100重量部に対し
て、メタクリル酸グリシジル3.0重量部及び2,5−
ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3の0.015重量部をブレンドし、30mmの
二軸押出機を使用して210℃にて混練した後ペレット
化した。未反応のメタクリル酸グリシジルをアセトン抽
出した後、紫外線吸収スペクトル測定からメタクリル酸
グリシジルの定量を行ったところ、1.7重量%反応し
ていることが分かった。)
【0053】〔実施例1〕PBT80部、PPE20
部、MARKPEP36の1.0部をブレンドし、これ
を30mmのベントタイプ二軸押出機(日本製鋼所
(株)製、二軸押出機ラボTEX30)を使用してバレ
ル温度270℃において溶融混練してストランドに押し
出した後、ストランドカッターによりペレット化した。
得られたペレットを乾燥後、該ペレット100重量部に
対して、下記構造式(10)のリン酸エステル化合物1
5部、シアヌル酸メラミン15部、ガラスチョップドス
ランド60部、エポキシシラン処理ME100の2.0
部をドライブレンドしたものを溶融混練してストランド
に押し出した後、ストランドカッターによりペレット化
した。射出成形機(日本製鋼所(株)製、J28SA
型)と、UL94燃焼試験片用及びLOI(限界酸素濃
度指数)用の金型を使用し、シリンダー温度270℃、
金型温度80℃にて各試験片の成形を行い評価した。
【0054】
【化12】
【0055】〔実施例2〕PBT90部、PPE10部
とした以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例3〕PBT60部、PPE40部とした以外は
実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例4〕PBT50部、PPE50部とした以外は
実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例5〕構造式(10)のリン酸エステル化合物3
0部とし、シアヌル酸メラミンを使用しなかった以外
は、実施例4と同様な実験を行なった。
【0056】〔実施例6〕PBT40部、PPE60部
とした以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例7〕ガラスチョップドストランド65部、PS
t10部を使用した以外は、実施例6と同様な実験を行
なった。 〔実施例8〕ガラスチョップドストランドを使用しない
以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例9〕ガラスチョップドストランドを20部とし
た以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例10〕ガラスチョップドストランドを100部
とした以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0057】〔実施例11〕ミルドファイバー60部と
した以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例12〕有機変性ME100を2.0部とした以
外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例13〕エポキシシラン処理有機変性ME100
を2.0部とした以外は実施例1と同様な実験を行っ
た。 〔実施例14〕実施例1で使用したリン酸エステル化合
物7.5部、シアヌル酸メラミン22.5部とした以外
は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例15〕実施例1で使用したリン酸エステル化合
物22.5部、シアヌル酸メラミン7.5部とした以外
は実施例3と同様な実験を行った。
【0058】〔実施例16〕実施例1で使用したリン酸
エステル化合物10部、シアヌル酸メラミン10部とし
た以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例17〕ポリテトラフルオロエチレン0.05部
とした以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例18〕シリコンオイル1.0部とした以外は実
施例1と同様な実験を行った。 〔実施例19〕下記構造式(11)のリン酸エステル化
合物15部とした以外は実施例1と同様な実験を行っ
た。
【0059】
【化13】
【0060】〔実施例20〕下記構造式(12)のリン
酸エステル化合物15部とした以外は実施例1と同様な
実験を行った。
【0061】
【化14】
【0062】〔実施例21〕下記構造式(13)のホス
ホニトリル化合物30部とし、シアヌル酸メラミンを使
用しなかった以外は実施例1と同様な実験を行った。
【0063】
【化15】
【0064】〔実施例22〕下記構造式(14)のリン
酸エステル化合物15部とした以外は実施例1と同様な
実験を行った。
【0065】
【化16】
【0066】〔実施例23〕ポリエチレンテレフタレー
ト80部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。 〔実施例24〕PPE15部、PPS5.0部とした以
外は実施例1と同様な実験を行った。〔実施例25〕 PPE5.0部、PPS15部とした以外は実施例1と
同様な実験を行った。〔実施例26〕第一混練時に溶剤
キシレン3.0部を添加した以外は実施例1と同様な実
験を行った。 〔実施例27〕相溶化剤MARKPEP36に変えてエ
ポキシ基付加PPE(下記構造式(15))5.0部を
添加し、PPEを15部とした以外は実施例1と同様な
実験を行った。
【0067】
【化17】
【0068】〔実施例28〕PBT80部、PPE20
部、MARKPEP36の1.0部をブレンドし、これ
を30mmのベントタイプ二軸押出機(日本製鋼所
(株)製、二軸押出機ラボTEX30)を使用してバレ
ル温度270℃において溶融混練してストランドに押し
出した後、ストランドカッターによりペレット化した。
得られたペレットを乾燥後、該ペレット100重量部に
対して、下記構造式(10)のリン酸エステル化合物1
5部、シアヌル酸メラミン15部、ガラスチョップドス
ランド60部、エポキシシラン処理ME100の2.0
部、モディパーA4100の4.0部をドライブレンド
したものを溶融混練してストランドに押し出した後、ス
トランドカッターによりペレット化した。射出成形機
(日本製鋼所(株)製、J28SA型)と、UL94燃
焼試験片用、LOI用及びASTM試験片用の金型を使
用し、シリンダー温度270℃、金型温度80℃にて各
試験片の成形を行い評価した。 〔実施例29〕モディパーA4100の4.0部に変え
てレゼダGP500の4.0部を使用した以外は実施例
28と同様な実験を行った。 〔実施例30〕モディパーA4100の4.0部に変え
てエポキシ変性ポリスチレン(s)4.0部を使用した
以外は実施例28と同様な実験を行った。
【0069】〔比較例1〕PBT100部とした以外は
実施例1と同様な実験を行った。難燃性、耐加水分解性
が大幅に低下した。 〔比較例2〕PBT80部、PPE20部とし、MAR
KPEP36を使用しなかった以外は実施例1と同様な
実験を行った。難燃性、機械的物性、耐加水分解性が大
幅に低下した。 〔比較例3〕PBT60部、PPE40部とし、MAR
KPEP36を使用しなかった以外は実施例1と同様な
実験を行った。難燃性、機械的物性、耐加水分解性が大
幅に低下した。 〔比較例4〕PBT98部、PPE2.0部とした以外
は実施例1と同様な実験を行った。難燃性、耐加水分解
性が大幅に低下した。 〔比較例5〕PBT10部、PPE90部とした以外は
実施例1と同様な実験を行った。溶融粘度が大幅に増大
した。
【0070】〔比較例6〕リン酸エステル化合物30部
とし、シアヌル酸メラミンを使用しなかった以外は実施
例1と同様な実験を行った。難燃性、機械的物性が低下
した。 〔比較例7〕リン酸エステル化合物を使用せず、シアヌ
ル酸メラミン30部とした以外は実施例1と同様な実験
を行った。難燃性が大幅に低下した。 〔比較例8〕リン酸エステル化合物60部、シアヌル酸
メラミン60部、ガラスチョップドストランド90部と
した以外は実施例1と同様な実験を行った。耐加水分解
性が大幅に低下し、離型時の抵抗が大きく増加した他
に、プレートアウトがあった。 〔比較例9〕リン酸エステル化合物1.0部、シアヌル
酸メラミン1.0部、ガラスチョップドストランド50
部とした以外は実施例1と同様な実験を行った。難燃性
が大幅に低下した。 〔比較例10〕ガラスチョップドストランド180部と
した以外は実施例1と同様な実験を行った。溶融粘度と
離型時の抵抗が大きく増加した。
【0071】〔比較例11〕エポキシシラン処理ME1
00を使用しなかった以外は実施例1と同様な実験を行
った。燃焼中に樹脂の滴下があり、難燃性が低下した。 〔比較例12〕エポキシシラン処理ME100を20部
とした以外は実施例1と同様な実験を行った。溶融粘度
と離型時の抵抗が大きく増加し、機械的物性が低下し
た。 〔比較例13〕MARKPEP36を20部とした以外
は実施例1と同様な実験を行った。離型時の抵抗が大き
く増加し、機械的物性が低下した他。プレートアウトが
あった。 〔比較例14〕LCP50部、PBT50部、MARK
PEP36の1.0部を使用した以外は実施例1と同様
な実験を行った。離型時の抵抗が大きく増加し、耐加水
分解性、難燃性が大幅に低下した。
【0072】〔比較例15〕ポリカーボネート50部、
PBT50部、MARKPEP36の1.0部を使用し
た以外は実施例1と同様な実験を行った。離型時の抵抗
が大きく増加し、耐加水分解性、難燃性が大幅に低下し
た。 〔比較例16〕モディパーA4100を25部とした以
外は実施例28と同様な実験を行った。 〔比較例17〕エポキシ変性ポリスチレン(s)を25
部とした以外は実施例28と同様な実験を行った。実施
例1〜30、比較例1〜17の配合割合及び評価結果を
表1〜表15に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【表13】
【0086】
【表14】
【0087】
【表15】
【0088】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂系組成物は、
難燃性に優れ、さらに難燃剤に臭素化合物、塩素化合物
を含まないため、成形加工時の腐食性ガスの発生が飛躍
的に抑制される。また機械的性質、耐加水分解性、流動
性、寸法安定性に優れ、成形時や長期使用時に昇華物や
分解生成物を生じないため、電気・電子部品用樹脂とし
て好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQP C08L 71/12 LQP 81/02 LRG 81/02 LRG

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)〜(H)を含有してなる
    難燃性ポリエステル樹脂組成物。 (A)ポリエステル樹脂 95〜30重量部 (B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又は ポリフェニレンスルフィド樹脂 5.0〜70重量部 成分(A)と成分(B)合計100重量部に対して、 (C)相溶化剤 0.05〜10重量部 (D)リン酸エステル化合物又はホスホニトリル 化合物 2.0〜45重量部 (E)強化充填剤 0〜150重量部 (F)滴下防止剤 0.001〜15重量部 (G)シアヌル酸メラミン 0〜45重量部 (H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂 0〜15重量部 但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分
    (G)は0.5〜45重量部とする。
  2. 【請求項2】 成分(C)相溶化剤が亜リン酸トリエス
    テルである請求項1記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 成分(D)リン酸エステル化合物又はホ
    スホニトリル化合物が、一般式(1)で表されるリン酸
    エステル化合物である請求項1又は2記載の難燃性ポリ
    エステル樹脂組成物。 【化1】 (R1 〜R8 は、H原子または炭素数1〜6のアルキル
    基であり、mは0または1以上4以下の整数である。R
    9 は以下から選ばれる構造を示す。) 【化2】
  4. 【請求項4】 成分(D)リン酸エステル化合物又はホ
    スホニトリル化合物が、一般式(2)で表される基を有
    するホスホニトリル化合物である請求項1記載の難燃性
    ポリエステル樹脂組成物。 【化3】 (XはO、S、N−H原子を表し、R10、R11は炭素数
    1〜20のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基
    であり、−X−R10、−X−R11は同一でも異なっても
    良い。n、pは1以上12以下の整数である。)
  5. 【請求項5】 成分(F)滴下防止剤として、層状珪酸
    塩を0.1〜15重量部含有する請求項1〜4のいずれ
    かに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(F)滴下防止剤が、反応性官能基
    を有する層状珪酸塩である請求項5記載の難燃性ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分(F)滴下防止剤として、フッ素含
    有ポリマーを0.001〜10重量部含有する請求項1
    〜4のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 成分(F)滴下防止剤として、シリコン
    オイルを0.001〜10重量部含有する請求項1〜4
    のいずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 成分(B)ポリフェニレンエーテル樹脂
    及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂が、重量比で
    ポリフェニレンエーテル樹脂とポリフェニレンスルフィ
    ド樹脂を5〜99重量%対95〜1重量%の比で含む混
    合成分である請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性ポ
    リエステル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 成分(A)ポリエステル樹脂が、ポリ
    アルキレンテレフタレートである請求項1〜9のいずれ
    かに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 下記成分(A)〜(H)からなる組成
    物の製造法において成分(A)ポリエステル樹脂、成分
    (B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェ
    ニレンスルフィド樹脂及び(C)相溶化剤とを溶融混合
    せしめた後、残りの成分を溶融混合することを特徴とす
    る難燃性ポリエステル樹脂組成物の製造方法。 (A)ポリエステル樹脂 95〜30重量部 (B)ポリフェニレンエーテル樹脂及び/又は ポリフェニレンスルフィド樹脂 5.0〜70重量部 成分(A)と成分(B)合計100重量部に対して、 (C)相溶化剤 0.05〜10重量部 (D)リン酸エステル化合物又はホスホニトリル 化合物 2.0〜45重量部 (E)強化充填剤 0〜150重量部 (F)滴下防止剤 0.001〜15重量部 (G)シアヌル酸メラミン 0〜45重量部 (H)エポキシ基を含有するポリスチレン系樹脂 0〜15重量部 但し成分(B)が35重量部未満の場合には、成分
    (G)は0.5〜45重量部とする。
  12. 【請求項12】 (A)ポリエステル樹脂、(B)ポリ
    フェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンスル
    フィド樹脂及び(C)相溶化剤の溶融混合を、(B)成
    分が可溶な有機溶媒の存在下に行う請求項11記載の難
    燃性ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 成分(B)ポリフェニレンエーテル樹
    脂及び/又はポリフェニレンスルフィド樹脂が、重量比
    でポリフェニレンエーテル樹脂とポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂を5〜99重量%対95〜1重量%の比で含む
    混合成分である請求項11又は12記載の難燃性ポリエ
    ステル樹脂組成物の製造方法。
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