JP4757204B2 - ハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、ハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物に、より具体的には難燃性添加剤としてメラミン・シアヌレートを含むかかる組成物に関する。本発明はまた、前記ポリエステル組成物を含む電気または電子用途での使用のための成形部品にも関する。
ポリエステル組成物、より具体的には熱可塑性ポリエステル組成物は、決定的に重要な要件として不燃性を有する用途でしばしば使用される。典型的な例は、ハウジング、ボビン、スイッチおよびコネクターのような、様々な電気または電子器具での使用のための部品である。具体的な用途に依存して、ポリエステル組成物は、それから成形された部品の所望の機械的および電気的特性に関する様々な要件を満たすべきである。これらの用途の多くでポリエステル組成物は、最も厳しい要件の1つである、アンダーライターズ・ラボラトリーズ標準(Underwriter’s Laboratories Standard)94垂直による難燃性試験(UL−94 V試験)でV−1として、またはより好ましくはV−0として分類されるべきである。例えば、しばしばむしろ薄肉である、省エネランプ用のコネクターまたはベースでの使用のためには、ポリエステル組成物は、例えば、十分に高い剛性および強度を示し、十分な耐久性をさらに有し、かつ、成形中の良好な安定性と短いサイクル時間で完全な金型充填を確実にするための良好なメルト・フロー挙動とを有するべきである。成形部品はまた、例えば高温での使用中に、良好な寸法安定性および熱安定性を示すべきである。すべてのこれらの異なる要件に適合するために、ポリエステル組成物は、難燃化合物、アンチドリッピング剤、流動促進剤、強化剤、耐衝撃改質剤、剥離剤、安定剤、着色剤、およびレーザーマーキング添加剤のような、一連の成分を一般に含有する。
複雑にする要因は、ハロゲン化された、特に臭素化された難燃剤がそれらの環境影響、および立法上の進展の観点からもはや使用されるべきではないことである。特にポリエステル組成物については、代わりのハロゲン−フリー難燃システムを見いだすことは非常に困難であるように思われる。
難燃性添加剤としてメラミン・シアヌレートを含むハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物は、多数の刊行物に記載されてきた。メラミン・シアヌレートは、メラミン(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)とシアヌル酸(2,4,6−トリヒドロキシ−1,3,5−トリアジン)またはその互変異性体との1:1付加体に対して一般に用いられる名称である。
かかるハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物は、例えば欧州特許出願公開第0899296 A2号明細書から公知である。この特許出願で、1.6mmサンプル厚さでのUL−94試験でV−2格付けを示す、30%メラミン・シアヌレートを含むポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)組成物が開示されている。前記試験でのV−0格付けは、5%メラミン・シアヌレートと10%の1−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ホスホラン−1−オキシドのアルミニウム塩とを含むPBT組成物について報告されている。
米国特許第4,180,496号明細書に、改善された防炎性を示すが、UL−94等級は示されていない20および30質量%のメラミン・シアヌレートを含むPBT組成物が開示されている。ポリエステルポリマー中のメラミン・シアヌレートのより高いレベルはその特性にとって不利であろうことがさらに示されている。
多くのより最近の刊行物は、ほとんどのケースでさらなる補助難燃性成分およびガラス繊維のような強化剤と組み合わせて、約20質量%以下のメラミン・シアヌレートを含むポリエステル組成物の難燃性および機械的特性の改善を報告している。例えば、特開平3−281652号公報は、メラミン・シアヌレートと難燃剤組合せとしてのホスフェートまたはホスホネート化合物と、フィラーとを含むポリエステル組成物を開示している。特開平6−157880号公報に、メラミン・シアヌレートおよびリン−含有化合物を含む強化ポリ(アルキレンテレフタレート)組成物が記載されている。欧州特許出願公開第1024167 A1号明細書は、メラミン・シアヌレートおよびアルミニウム−または亜鉛ホスフィナート入りガラス繊維状強化PBT組成物を開示している。国際公開第01/81470 A1号パンフレットおよび国際公開第03/002643 A1号パンフレットの両方に、メラミン・シアヌレート、亜鉛および/またはホウ素化合物、および難燃システムとしてのリン含有化合物を含む難燃化ポリエステル組成物が開示されている。
特開2000−319491号公報/特開2000−319492号公報は、ポリエステルとPPEおよび/またはPPSとの合計が100pbwであり、95〜30重量部(pbw)のポリエステル樹脂および5.0〜70pbwのポリカーボネート樹脂と、1〜30pbwの赤リンと、0.01〜50pbwの多孔質材料とを含む難燃性ポリエステル樹脂組成物を記載している。好ましい組成物は1〜50pbwのmecyおよび/または0.1〜5pbwのPTFEアンチドリッピング剤をさらに含む。少なくとも0.1pbwのPTFEの量がドリッピングを防ぐために必要とされる。最低限1pbwの赤リンが満足のいく難燃性のために必要とされる。赤リンは熱安定性の点で劣り、最終製品に赤みを帯びさせ、その結果、この組成物もまた実用的な観点から依然として不満足なものである。
欧州特許出願公開第0791634A号明細書は、一緒にして100pbwである、95〜30重量部(pbw)のポリエステル樹脂および5.0〜70pbwのPPEまたはPPS樹脂と、2〜45重量部のリン酸エステル化合物またはホスホニトリル化合物(P−難燃剤)および0〜45重量部のメラミン・シアヌレートとを含むハロゲンフリー難燃性ポリエステル樹脂組成物を記載している。欧州特許出願公開第0791634A号明細書のコンパウンドは、組成物の良好な難燃性が考慮される場合、アンチドリッピング剤(F)、好ましくはPTFEなどのフッ素含有ポリマーを好ましくは含むと言われている。これらの組成物は金属をほとんど腐食しないと言われている。ほとんど全ての実施例は、15〜30pbwのメラミン・シアヌレート、15〜30pbwのP−難燃剤および60pbwのガラス繊維、ならびに少なくとも20pbwのPPEまたはPPS入りのガラス強化組成物に関する。一比較実験ではP−難燃剤は全く使用されなかった。60pbwのPPE、30pbwのmecyおよび60pbwのガラス繊維を含有した、この組成物は、難燃性および機械的特性がかなり低下した。別の比較例では60pbwのmecyが使用された。20pbwのPPE、60pbwのP−難燃剤および60pbwのガラス繊維をさらに含有した、この組成物は、耐加水分解性がかなり低下し、金型剥離に対する大きく増加した抵抗性を示した。さらに、プレートアウトが観察された。靱性、延性、ブリード−アウトおよびプレートアウトでの問題のために、メラミン・シアヌレートは、100pbwのポリマーに対して、45pbwより多い量で使用されるべきではない。
さらにより最近の特許出願米国特許出願公開第2003/0083408A号明細書で、難燃性ポリエステル組成物に関する幾つかのさらなる特許公報が言及されている。すべてのこれらの特許公報は、mecyまたはメラミンベースの難燃剤とリンベースの難燃剤との組合せを開示している。米国特許出願公開第2003/0083408A号明細書によれば、良好な機械的特性および難燃性、良好な腐食挙動、良好な電気的特性および熱風エージングに対する良好な安定性の改善された組合せによって区別されるポリエステル成形組成物に対するニーズが依然として存在する。米国特許出願公開第2003/0083408A号明細書では、これは、窒素化合物およびリン化合物を含有する10〜40重量%難燃性組成物と0.01〜5重量%の硫化亜鉛とを含む成形組成物で解決された。窒素化合物としてメラミン・シアヌレートおよびリン化合物としてビスフェノールAジホスフェートが好ましい。実施例では、これらの成分は約8〜10重量%の量でそれぞれ使用されている。
公知の組成物は、例えば加工挙動が面倒である、色または色安定性が不満足である、または耐熱性もしくは耐加水分解性が例えばリン−含有化合物によって低下するという点で、幾つかの欠点を依然として示す。ほとんどの場合に、開示された組成物はUL−94試験でV−0に分類され得ない。別の欠点は、E&E業界が、しばしばRTI(相対温度指数)で表される、長期間熱エージング後の特性の保持に関してより厳しくなりつつあることである。さらに、幾つかの追加の化合物は、組成物のコスト−プライズ(cost−prize)をかなり増加させる。
このように、不燃性(好ましくはUL−94 V−0等級)を十分に高い剛性、良好な成形挙動、熱エージング後の機械的特性の保持に関して良好な熱挙動および低いコスト−プライズと組み合わせるハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物に対する業界のニーズは依然として存在する。
本発明の目的はそれ故、不燃性(UL−94−V−1および好ましくはUL−94 V−0等級の)を良好な成形挙動、十分に高い剛性、メラミンおよびリンベースの難燃剤を含有する公知の組成物と比較して改善された熱挙動ならびに低いコスト−プライズと組み合わせるさらなるハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物を提供することである。
この目的は、
(A)a)30〜67質量%の少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルポリマーおよび
b)0〜15質量%の他のポリマー(そのうち0〜0.3質量%はフッ素ポリマー)
からなるポリマー組成物と、
(B)a)33〜55質量%のメラミン・シアヌレート、
b)元素リンを含まない0〜2質量%未満のリン含有難燃剤、および
c)リンを含まない0〜5質量%の無機難燃性共力剤
からなる難燃システムと、
(C)0〜10質量%の他の添加剤(そのうち0〜5質量%は繊維状強化剤)と
からなり、
かつ、ここで、成分(A)〜(C)の合計が100質量%になり、そして質量百分率すべてが組成物の総質量を基準とする、
本発明によるハロゲン−フリー難燃化ポリエステル組成物で達成された。
さらに本明細書では質量%が言及され、特に明記されない限り、質量%は常に組成物の総質量を基準とすることに留意されたい。
本発明によるポリエステル組成物は、実質的に唯一の難燃剤としてのメラミン・シアヌレートの存在にもかかわらず、1.6mmでUL−94 V−1またはV−0要件でさえも満たし、高いメラミン・シアヌレート含量にもかかわらず良好な成形挙動、ガラス繊維を使用することなしにもしくは少量のみでより高い剛性、比較的低い密度、明るい自然な色合いおよび良好な着色性ならびにメラミン・シアヌレートおよびリンベースの難燃剤を含む公知の組成物と比較して熱風エージングに対する改善された安定性を示す。さらに、本発明の組成物での驚くべき結果とは対照的に、UL−94 V−1およびV−0格付けは、一般に使用される量でPTFEドリッピン剤を含む、そして改善された難燃特性の熱可塑性ポリエステル組成物を得るために推奨された相当する組成物については得られなかった。
前記特性は、本発明による組成物を、例えば省エネランプのランプベースのような、電気または電子用途での使用のための部品の製造に適したものにする。かかる部品は、火に曝された時に有害ガスおよび煙を全く放出しないかまたは非常に少量の有害ガスおよび煙、例えば少量の一酸化炭素を放出する。
本発明によるポリエステル組成物中の少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルポリマー(成分A−a)は一般に組成物の連続相を形成し、好ましくは半結晶性ポリエステルである。前記ポリエステルは、少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体と少なくとも1つの(シクロ)脂肪族または芳香族ジオールとから一般に誘導され、ホモポリマーならびにコポリマーも含む。好適な芳香族二酸の例には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられ、テレフタル酸が好ましい。好適なジオールには、例えば、アルキレンジオール、ヒドロキノン、ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジオールが含まれる。エチレンジオール、プロピレンジオール、1,4−ブチレンジオールまたはブタンジオール、ネオペンチレンジオール、およびシクロヘキサンジメタノールのような、アルキレンジオールが好ましい。特殊クラスは、他の前記ジオールに加えてポリ(アルキレンオキシド)ジオール、脂肪族ポリエステルジオールまたは脂肪族ポリカーボネートジオールのような、長鎖ジオールを含有するポリエステルによって形成される。いわゆるポリエーテルエステルおよびポリエステルエステルを含む、この最後の群のポリエステルはまた、セグメント化ブロックコポリエステルとも呼ばれる。かかるポリエステル中の長鎖ジオールの量に依存して、材料は堅いが強靱な可塑性のまたは可撓性の熱可塑性エラストマーであることができる。ポリエステルは、溶融レオロジーに影響を及ぼすために、少量の分岐成分、すなわち、3つもしくはそれ以上のエステル形成基を含有する化合物をさらに含んでもよい。前記ポリエステルおよびそれらの製造は、例えば「ポリマー科学および技術百科辞典(Encyclopedia of polymer science and technology)」、第12巻、ジョンワイリー・アンド・サンズ、ニューヨーク(John Wiley & Sons,New York)、1988年(ISBN 0−471−80944−6)に記載されている。
好ましい実施形態では熱可塑性ポリエステルは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(または単にポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)と呼ばれる)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PTT)、ポリ(シクロヘキサンテレフタレート)(PCT)、または少ない含量の別のジカルボン酸またはジオールとのそれらのコポリマーのような、ポリ(アルキレンテレフタレート)である。好ましくは、これらのポリエステル中の他のモノマーの含量は、半結晶性を確実にするために30モル%未満、20モル%未満、より好ましくは10モル%未満である。異なるタイプまたはグレードのポリ(アルキレンテレフタレート)のブレンドもまた使用することができる。これらのポリエステル組成物は、成形組成物としての、特に射出成形組成物としての使用に非常に好適である。
本発明による特別な実施形態では、組成物は、ポリエステルとしてポリ(ブチレンテレフタレート)を含有する。その利点には、成形部品が依然として十分な耐熱性を持ちながら、配合および射出成形中の容易な加工が含まれる。PBTの比較的低い加工温度は、添加剤のより広範な選択を可能にし、過度の分解を防ぐのに役立つ。組成物はまた、別のポリエステル、例えばPETを少ない含量で含有してもよい。かかるPBT/PETポリエステルブレンドは加工に関して有利であり、より良好な表面外観の成形部品をもたらす。
本発明による別の特別な実施形態では、組成物は、ポリエステルとして長鎖ジオールを含有するポリ(ブチレンテレフタレート)を含む。その利点には、配合および射出成形中の容易な加工、ならびに比較的高い靱性、例えば組成物およびそれから成形された部品の破断伸びが含まれる。長鎖ジオールの量は、PBTブロックコポリエステルが約25〜75ショア(Shore)D、好ましくは約35〜70ショアDの範囲の硬度を有するような量である。
(m−クレゾール中の1質量%溶液について25℃で測定される際に)1.7〜2.5、または1.8〜2.2の相対溶液粘度を有するポリ(ブチレンテレフタレート)を含有する組成物が特に好ましい。その利点は、ポリエステル組成物の有利なメルト−フロー挙動、および薄肉構造部品を製造するのに十分な機械的特性、例えば剛性および靱性である。
同様に好ましくは、ポリエステルポリマー(A−a)は、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)またはそれらのコポリマーもしくはブレンドからなる。より好ましくは、ポリマー組成物(A)は、ポリ(ブチレンテレフタレート)またはポリ(ブチレンテレフタレート)とポリ(エチレンテレフタレート)との少なくとも70/30m/mの比でのブレンド、より好ましくはポリ(ブチレンテレフタレート)またはポリ(ブチレンテレフタレート)とポリ(エチレンテレフタレート)との少なくとも85/15の比でのブレンド、さらにより好ましくはポリ(ブチレンテレフタレート)のみからなる。
本発明による組成物は、0〜15質量%の他のポリマー(成分A−b)、すなわち熱可塑性ポリエステルポリマー(成分A−a)以外のポリマーをさらに含有してもよい。他のポリマーは、非晶質ポリマーおよび/または耐衝撃改質剤のようなポリマーであることができる。好適な非晶質ポリマーには、スチレン系およびアクリルポリマー、ポリカーボネート、特に芳香族ポリカーボネート、ならびにそれらの混合物またはコポリマーが含まれる。非晶質ポリマーは好ましくはポリエステルポリマーのTより高いガラス転移温度(T)を有する。好ましいポリマーには、スチレン、アルファ−メチルスチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、N−置換マレイミド、酢酸ビニル、またはそれらの混合物の熱可塑性ポリマーが含まれる。好ましいポリカーボネートは、ポリエステルカーボネートのようなコポリマーをはじめとする、二価フェノールとカーボネート前駆体とから製造された芳香族ポリカーボネートである。一般に単にポリカーボネートと呼ばれる、ビスフェノールAとそのコポリマーとから誘導されたポリカーボネートが最も好ましい。耐衝撃改質剤として、好ましくは、ポリエステルと相溶性であるまたはそれに対して反応性であり、周囲温度未満、好ましくは0℃、−20℃未満またはさらに−40℃未満のTを有する官能化コポリマーからなるまたはそれらを含む、一般にゴム状の材料が使用される。好適な例には、エチレン、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸グリシジルのコポリマーまたはエチレンとプロピレンとの無水マレイン酸−官能化コポリマーのような、酸、酸無水物、またはエポキシ官能基を持ったスチレン、オレフィンまたは(メタ)アクリルコポリマーが挙げられる。アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンコポリマー(ABS)、スチレン・ブタジエン・スチレンコポリマー(SBS)またはその水素化バージョン(SEBS)、メタクリレート・ブタジエン・スチレン(MBS)、またはアクリレートゴム・コアとビニル芳香族化合物および/またはシアン化ビニルおよび/または(メタ)アクリル酸アルキルを含むシェルとを有するコア−シェルポリマーもまた好適である。耐衝撃改質ポリマーの有効量は一般にPBTの100部当たり約5〜20部である、すなわち組成物は好ましくは約2〜10質量%の前記他のポリマーを含む。
本発明の組成物中の他のポリマー(A−b)は場合によりフッ素ポリマーを含む。他のポリマーは他のハロゲン含有ポリマーを全く含まない。塩素および臭素含有ポリマー、例えば、臭素化ポリスチレンおよび臭素化フェノール樹脂は、それ自体としておよび難燃性共力剤と組み合わせて、ハロゲン化難燃性ポリマー組成物中の難燃剤として広く使用されている。本発明はハロゲンフリー難燃性ポリマー組成物に関するので、他のポリマー(A−b)が塩素または臭素含有ポリマーを含まないことは言外に含まれている。フッ素はハロゲンであるが、フッ素ポリマーは、フッ素ポリマーがアンチドリッピング剤としての機能を果たすことができるという事実にもかかわらず、難燃化組成物の部類ではハロゲンフリー難燃化組成物かハロゲン含有難燃化組成物かのどちらかであると一般には考えられない。それ故、本発明の組成物は、それが塩素または臭素含有難燃剤を含まないので、ハロゲンフリー難燃性ポリマー組成物であると考えられるべきである。これは、成分(A−b)の一部であるかも知れない少量のフッ素ポリマーによって変更されない。
UL−94試験による燃焼挙動の評価中に、発炎燃焼中の溶融ポリエステル組成物のドリッピングはV−1またはV−0等級を妨げるかもしれない。ドリッピングを防ぐために、典型的には1〜1.5から2質量%以下のフィブリル化ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が当該技術でアンチドリッピング剤として難燃化組成物に一般に添加される。驚くべきことに、0.5質量%もしくはそれ以上の量のPTFEを添加すると、実質的に唯一の難燃剤としてmecyを含むポリエステル組成物はもはやV−0またはさらにV−1としても分類されないが、PTFEの量が減らされた場合に、UL−94−V試験での結果は大きく改善されることが分かった。本発明の組成物はそれ故、0.5質量%未満のフッ素ポリマー、好ましくは0.2質量%未満のフッ素ポリマーを含むべきである。最も好ましくは、本発明の組成物はPTFEなどを含まず、本発明による組成物は好ましくは実質的にポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素ポリマーを含まない、つまり、他のポリマー(A−b)はハロゲン含有ポリマーを含まず、本発明の組成物を真にハロゲンフリーにする(恐らく他の添加剤中に存在するかなり微量または少量を除いて)。
本発明による組成物は、主要な難燃性添加剤として33〜55質量%のメラミン・シアヌレート(成分B−a)入り難燃システム(B)を含有する。
メラミン・シアヌレートは、例えば米国特許第4,180,496号明細書に記載されているような、メラミン(2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン)と(イソ)シアヌル酸(2,4,6−トリヒドロキシ−1,3,5−トリアジンまたはその互変異性体)との付加体または塩に対して一般に用いられる名称である。より少量のメラミン・シアヌレートは所望のV−0等級をもたらさないように思われたが、さらにより多い量は組成物の機械的特性および加工性を低下させるにすぎない。メラミン・シアヌレートは小さい粒度のものが好ましい、または混合中にポリエステル連続相中の小さい粒子中へ容易に分散させることができる。好適なメラミン・シアヌレートは、粒子の50%(d50)が約50マイクロメートル(μm)より小さい粒度分布を有し、好ましくは粒度は25μm未満、10μm未満であり、またはさらに5μm未満である。
同様に好適にも、メラミン・シアヌレートは制限された量の大きい粒度の粒子を含む。好ましくは、メラミン・シアヌレートは、粒子の99%(d99)が約50マイクロメートル(μm)より小さい粒度分布を有し、好ましくは粒度は25μm未満、10μm未満であり、またはさらに5μm未満である。d99が小さければ小さいほど、組成物の機械的特性はより良好になる。粒度分布ならびにd50およびd99は篩法で測定することができ、ASTM(米国材料試験協会)標準D1921−89、方法Aに従った方法で測定される。メラミン・シアヌレート粒子は、その性能、例えば、投与挙動、または分散性を改善するために、有機または無機コーティングを施されたものであってもよい。
好ましくは、本発明の組成物は、成分(A)〜(C)の合計の総量を基準として、すなわち組成物の総質量を基準として35〜50質量%のメラミン・シアヌレートを含む。より好ましくは、組成物は37〜45質量%、またはさらに38〜42質量%のメラミン・シアヌレートを含む。より高い最小量のメラミン・シアヌレートは、本発明の組成物がUL94−V試験でさらにより良好に機能するという利点を有する。成分(A)〜(C)の合計の総量が100%に達するという事実から明らかであるように、少なくとも35質量%のメラミン・シアヌレートの結果は、前記好ましい組成物が65質量%以下のポリマー組成物(A)を含むことである。
当該技術で記載された多くの組成物とは対照的に、本発明による組成物は実質的に、難燃性添加物としてのリン含有化合物を含まない。メラミン・シアヌレート以外に組成物は0〜2質量%未満のリン含有難燃剤(成分B−b)およびリンを含まない0〜5質量%の無機難燃性共力剤(成分B−c)を含んでもよい。
本発明の組成物は好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満のリン含有難燃剤(成分B−b)を含む。最も好ましくは、本発明の組成物はリン難燃剤を全く含まない。
メラミン・シアヌレートおよび少量のリン難燃剤のほかに、本発明の組成物は、難燃特性をさらに改善するために5質量%以下の少量の無機難燃性共力剤(成分B−c)を含んでもよい。無機難燃性共力剤は、元素の形でも別の形でも、リンを含まないものとする。好適な無機難燃性共力剤は、例えば、酸化亜鉛および金属ホウ酸塩である。
無機難燃性共力剤(成分B−c)は0〜3質量%または0〜2質量%程度に少ない量で存在してもよく、特別な実施形態ではさらに全く存在しなくもよい。
本発明の好ましい実施形態では、難燃システム(B)はメラミン・シアヌレートからなる(すなわち、mecyが唯一の難燃性添加剤である)。
本発明による組成物は、0〜10質量%の他の添加剤(成分C)をさらに含有してもよい。添加剤の例には、無機フィラー、可塑剤、加工助剤、安定剤、酸化防止剤、電気的特性を改善する試剤、分散助剤、着色剤、レーザー−マーキング添加剤などが挙げられる。
本発明の組成物は例えば、5質量%以下の少量のガラス繊維のような繊維状強化剤を含んでもよい。特により高い量のガラス繊維は難燃性挙動を著しく悪化させ、それによってV−0およびV−1格付けでさえ妨げることが分かった。好ましくは、本発明の組成物は0〜3質量%、より好ましくは0〜2質量%の繊維状強化剤を含む。最も好ましくは、本発明による組成物はガラス繊維のような繊維状強化剤を全く含有しない。それは、こうして最良の難燃性結果が得られるからである。繊維状強化剤は本明細書では、横方向のその寸法よりはるかに大きい長さを有する、かつ、少なくとも10の、長さ対厚さの比であるアスペクト比を有する細長い粒子を意味すると理解される。
強度、剛性、破断伸びおよび耐衝撃性値の望ましい組合せのポリエステル組成物を得るために、組成物は、他のポリマー(成分A−b)、および/または無機フィラー材料、例えば、ガラスビーズ、シリカ、(焼成)粘土、雲母、タルク、カオリン、ウォラストナイト、金属酸化物などのような無機フィラーを含んでもよい。これらのフィラー材料は、球状、小板状、または針状様の形状をはじめとする、様々な形を有することができる。フィラーが針状様または繊維状である場合、そのアスペクト比は好ましくは10未満、または8未満である。
加工助剤には、例えば金型剥離剤、滑剤、核剤、および流動促進剤が含まれる。例えば安定剤には、ヒンダードフェノール化合物のような熱酸化安定剤、カルボジイミドおよびエポキシ化合物のような酸捕捉剤などの加水分解安定剤、およびUV−安定剤が含まれる。他の安定剤には、リン含有安定剤が含まれる。
組成物は、たとえあったとしても、少量のリン含有難燃剤だけでなく、例えば安定剤として少量のリン含有化合物を含んでもよいが、本発明による組成物は実質的にリンを含まず、好ましくは、リン含量は0.4未満、より好ましくは0.25、0.1、もしくは0.05未満であり、またはさらに0.02質量%未満である。本発明の特別な実施形態では、本発明の組成物はリンを全く含まず、すなわちそれは完全にリンを含まない。
ポリオレフィンのような非極性ポリマー(成分A−bの一部として)、および硫酸バリウムのような不活性フィラーが、例えば組成物の比較トラッキング指数または他の電気的特性を改善するために添加されてもよい。無機顔料および有機顔料または染料のような着色剤のタイプおよび量は、それが他の特性を悪化させないように選択される。無機フィラー、金属酸化物、または他の着色剤もまた、レーザー−ビームでの照射時にコントラストを向上させるために存在してもよい。
非常に好ましい実施形態では、本発明による組成物は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物であって、
(A)a)30〜65質量%の少なくとも1つの熱可塑性ポリエステルポリマーおよび
b)ハロゲン含有ポリマーを含まない、0〜15質量%の他のポリマー
からなるポリマー組成物と、
(B)a)33〜50質量%のメラミン・シアヌレート、および
b)リンを含まない0〜3質量%の無機難燃性共力剤
からなる難燃システムと、
(C)繊維状強化剤を含まない、0〜10質量%の他の添加剤と
からなり、
かつ、成分(A)〜(C)の合計が100質量%になり、そして質量百分率すべてが組成物の総質量を基準とする組成物からなる。
本発明によるポリエステル組成物は、様々な成分を好適な混合装置でブレンドすることによる任意の慣例的なやり方で調製することができる。好ましい装置は、押出機、特に二軸スクリュー押出機、最も好ましくは共回転スクリュー付きである。好ましい方法では、ポリエステルおよび他のポリマーは第1導入口に、そして場合により他の添加剤とプレ−ブレンドされたメラミン・シアヌレートは下流で投与される。その利点は、配合中の最高温度のより良好なコントロール、およびポリエステル中への成分のより良好な分散である。
特別な実施形態では、組成物は、混合または配合後に、好ましくはポリエステルポリマーの融点に近いがそれ未満の温度で、減圧下にまたは不活性ガスの流れ下に熱処理にかけられる。この熱処理は、組成物中のポリエステルのモル質量および相対粘度を上げ(固相後縮合とも呼ばれる)、組成物の機械的特性を向上させるであろう。
本発明はまた、その部品が本発明によるポリエステル組成物を含む、電気または電子用途での使用のための成形部品にも関する。好ましくはかかる部品は射出成形技術によって製造される。
本発明はまた、本発明によるポリエステル組成物から成形された部品を含む、電気または電子器具のような、物品も提供する。典型的な例は、本発明によるポリエステル組成物から製造されたランプベースを含む省エネランプである。
本発明はここで、次の実施例および比較実験を用いてさらに例示されるであろう。
実施例I
出発成分として次の材料を適用した:
・1.98の相対溶液粘度(RSV)(ISO(国際標準化機構)307に準拠して、m−クレゾール中の1質量%溶液について25℃で測定される際に)、および52ミリ当量/kgのカルボン酸末端基(Ec)のPBTポリマー、
・チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から入手可能な、メラプール(Melapur)(登録商標)MC XL、圧縮メラミン・シアヌレート、
・ペンタエリスリトールテトラステアレート(ラディア(Radia)(登録商標)7176)金型剥離剤(全組成物の0.25質量%で)。
組成物をベルストルフ(Berstorff)ZE25二軸スクリュー押出機で調製した。バレル温度を最初の6ゾーンについては室温に、ゾーン7〜11およびダイヘッドについては270℃にセットした。押出量は約30kg/時であり、スクリュー速度は350rpmであった。PBTペレットはゾーン1で投与し、メラミン・シアヌレートと金型剥離剤との粉末状混合物はサイドフィーダーによってゾーン5で投与した。真空脱ガスをゾーン10にかけた。単押出ストランドを水中で冷却し、顆粒化した。溶融物の観察された温度は最高で315℃であった。
試験検体を、120℃で10時間ずっと0.02質量%未満の含水率まで前乾燥した顆粒からPBT用の標準温度設定のエンゲル(Engel)80A機で射出成形した。標準試験片をUL−94、ISO 527、またはISO 179に従って作った。
燃焼挙動は1.6mm厚さの試験片を用いて、UL−94垂直燃焼試験に従って試験した。試験前にサンプルを23℃、50%RHで48時間順化させるか、または70℃で168時間ずっとエージングした。
引張特性はISO 527/1Aに従って測定した。チャーピー(Charpy)衝撃はISO 179/1eUに従って試験した。HDT−AはISO 75/Aに従って1.8MPaで測定した。
実施例IIおよびIII
実施例Iと同じように、組成物をそれぞれ、1.85および2.10のRSV、ならびに32および21ミリ当量/kgのEcのPBTポリマーから製造した。
組成物および結果を表1にまとめる。
すべての3サンプルは、配合し、オフホワイト試験片(L、aおよびbについての典型的な値がそれぞれ、89〜91、0.8〜1.2、および10〜11の範囲にある)へ難なく加工することができ、両シリーズのサンプル(23℃および70℃で順化された)についてV−0等級を示す。PBTポリマーは、配合後にモル質量の幾らかのロスを示すが、カルボン酸末端基の増加を全く示さない。材料は並のPBTより高い剛性を示し、そして強度および靱性は比較的低いが、材料は難燃性ならびに十分な寸法強度および寸法安定性を有する薄肉部品の製造に好適である。より高いモル質量のPBTはより強靱な組成物をもたらす。
比較実験A〜G
これらの実験では、組成物のメラミン・シアヌレート含量を低くするか、または幾らかのガラス繊維(ポリエステルに好適なサイジング剤付き細断ガラス繊維として)、および/または少量のPTFE(ダイネオン(Dyneon)TF1654)を添加した。サンプル調製中にPTFEは他の成分と一緒にゾーン5で投与したが、ガラス繊維はゾーン8で溶融物へ下流で投与した。他の条件および評価は、溶融物の温度が約315℃未満に留まるように押出量を減らしたサンプルEおよびFを除いて実施例I〜IIIに類似していた。
実施例I〜IIIおよび比較実験A〜Gについての試験結果を表1にまとめた。
Figure 0004757204
表1にまとめたデータから、メラミン・シアヌレート含量を30質量%に下げると、V−2等級(ドリッピング、綿の発火)という結果になることを理解することができる。アンチドリッピング添加剤として知られる、幾らかのPTFEの添加は、燃焼挙動を改善しなかったが、その一方でNC等級という結果になり、さらに40%のメラミン・シアヌレート組成物について、PTFEは他の特性に影響を及ぼさなかった。7.5または15質量%のガラス繊維の添加は、より高い機械的特性の、しかしUL−94 NC等級の組成物をもたらした。
実施例IV
実施例IVの組成物については、実施例IIIを繰り返した。
比較実験H
本実験では、組成物のメラミン・シアヌレート含量を低くし、ジエチレンホスフィナート亜鉛(DEPZn、イクソリット(Exolit)OP950、かつてのクラリアント(Clariant))で一部置き換え、そしてガラス繊維(ポリエステルに好適なサイジング剤付き細断ガラス繊維として)を添加した。他の成分はゾーン5で投与したが、ガラス繊維はゾーン8で溶融物へ下流で投与した。他の条件および評価は、溶融物の温度が約315℃未満に留まるように押出量を減らしたことを除いて実施例I〜IIIに類似していた。
一連の標準試験片を、実施例Iについて記載したように実施例IVおよび比較実験Hについて作った。機械的特性を、150℃で3週間の熱エージング前後に測定した。結果を表2にまとめた。
Figure 0004757204
表2から理解できるように、実施例IV、すなわち本発明による組成物の機械的特性は保持され、実際、特性はエージング後に向上した。それに反して、比較実験H、すなわち先行技術による組成物は機械的特性のかなりの低下を示す。比較実験Hは初期には、その差が比較実験H中に存在するガラス繊維強化材に直接的に起因する、実施例IVよりもはるかに良好な機械的特性を有するが、エージング効果のために比較実験Hの機械的特性、特に伸びは実施例IVのそれらにはるかにより近くに落ちる。これは、本発明による組成物を、難燃性の熱可塑性組成物が長期の熱エージングにさらされ、かつ、長期特性が重要であるまたは初期の特性よりさらに重要である用途に非常に適したものにする。

Claims (11)

  1. 熱可塑性ポリエステルとメラミン・シアヌレートとを含むハロゲンフリー難燃化熱可塑性ポリエステル成形組成物を含む電気または電子用途での使用のための射出成形部品であって、
    前記ポリエステル成形組成物は、
    (A)a)30〜67質量%のポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、またはそれらの混合物もしくはコポリマー、および
    b)0〜15質量%の他のポリマー(そのうち0〜0.3質量%はフッ素ポリマー)
    からなるポリマー組成物と、
    (B)a)33〜55質量%のメラミン・シアヌレート、
    b)元素リンを含まない0〜2質量%未満のリン含有難燃剤、および
    c)リンを含まない0〜5質量%の無機難燃性共力剤
    からなる難燃システムと、
    (C)0〜10質量%の他の添加剤(そのうち0〜5質量%は繊維状強化剤)と
    からなり、
    かつ、ここで、成分(A)〜(C)の合計が100質量%になり、そして質量百分率すべてが組成物の総質量を基準とすることを特徴とする電気または電子用途での使用のための射出成形部品
  2. 前記ポリマー組成物がポリ(ブチレンテレフタレート)もしくはポリ(エチレンテレフタレート)、またはそれらの混合物もしくはコポリマーからなる、請求項1に記載の射出成形部品
  3. 前記ポリマー組成物がポリ(ブチレンテレフタレート)からなる、請求項2に記載の射出成形部品。
  4. 実質的にフッ素ポリマーを含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形部品
  5. 前記他のポリマー(A−b)がゴム状耐衝撃改質剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の射出成形部品
  6. 組成物の総質量を基準として、37〜45質量%のメラミン・シアヌレートを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形部品
  7. 前記難燃システムが成分(A)〜(C)の合計の総量を基準として1質量%未満のリン含有難燃剤(B−b)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の射出成形部品
  8. メラミン・シアヌレートが唯一の難燃性添加剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の射出成形部品
  9. 繊維状強化剤を含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の射出成形部品
  10. 成形組成物の総質量を基準として0.25質量%未満のリン−含量を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の射出成形部品
  11. 前記ポリエステル成形組成物は、
    (A)a)30〜65質量%のポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、またはそれらの混合物もしくはコポリマー、および
    b)ハロゲン含有ポリマーを含まない、0〜15質量%の他のポリマー
    からなるポリマー組成物と、
    (B)a)35〜50質量%のメラミン・シアヌレート、および
    b)リンを含まない0〜3質量%の無機難燃性共力剤
    からなる難燃システムと、
    (C)繊維状強化剤を含まない、0〜10質量%の他の添加剤と
    からなり、
    かつ、成分(A)〜(C)の合計が100質量%になり、そして質量百分率すべてが組成物の総質量を基準とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の射出成形部品
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