JP3190975B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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Description
るものである。さらに詳しくは、ポリカーボネート系樹
脂を1成分とするポリマーブレンドに、燐化合物及びホ
ウ素化合物を含む難燃剤を配合した難燃性樹脂組成物に
関するものである。
特性、熱的性質を有しているため、工業的に広く利用さ
れている。しかしながら成形加工性に劣る問題点がある
ため、他の熱可塑性樹脂とのポリマーブレンドが数多く
開発されており、その中でもポリスチレン系樹脂、アク
リロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂(以下、A
BS系樹脂という)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂などとのポリマーブレンドは自動車分野、OA機
器分野、電子・電気分野等に広く利用されている。
を中心に、使用する合成樹脂材料の難燃化の要望が強
く、これらの要望に答えるために多数の難燃剤が開発検
討されている。通常合成樹脂の難燃剤として使用される
ものには、主にハロゲン化合物、燐化合物などがあり、
さらに、それらの難燃剤に加えて三酸化アンチモン、酸
化錫などが難燃助剤として併用されている。
して含むポリマーブレンドの難燃化には、主にハロゲン
化合物や燐化合物などが使用され、多くの場合、さらに
それらの難燃剤に加えて三酸化アンチモンなどが難燃助
剤として併用されている。熱可塑性樹脂の難燃性評価方
法としては、JIS K−7201等に規定される酸素
指数法及び、アンダーライターズ・ラボラトリーUL−
94に規定される燃焼法がある。通常これらの評価方法
を基準に樹脂の難燃性が評価されている。
化合物を合成樹脂に配合した場合、難燃化の効果は比較
的大きいが、火災発生時あるいは焼却処理時に、有毒性
あるいは有害性の物質を発生する為、人命を危うくし、
救急活動あるいは消火活動を困難にし、あるいは環境汚
染を引き起こすなどの問題を有している。このためハロ
ゲン化合物を全く含有しないか、或いはハロゲン化合物
の量が比較的少ない難燃性樹脂の開発が望まれている。
また、燐化合物により合成樹脂の難燃化を行おうとした
場合には、ハロゲン化合物に比べ相対的に難燃化効果が
低いため、充分な難燃性が得られないばかりでなく、そ
の配合量が多くなるために得られた難燃性樹脂の耐熱性
や機械的性質が低下するなどの問題点を有していた。
のであり、その目的とするところは、難燃化効果の優れ
た難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物を提供することに
ある。
は臭素原子を含有しないか、またはその含有量が比較的
少ない難燃剤により、ポリカーボネート系樹脂を1成分
として含む樹脂の難燃性を改善するために鋭意研究を重
ねた結果、必須成分として燐化合物及びほう素化合物を
含有する難燃剤を用いることにより、難燃性が著しく改
良され、更にポリオルガノシロキサン及び/またはフッ
素系樹脂を加えることにより、一層優れた難燃化効果を
発現することを見い出し、本発明に到達した。
ート系樹脂または、ポリカーボネート系樹脂及びポリカ
ーボネート系樹脂以外の樹脂を含む熱可塑性樹脂と、
(B)(a)燐化合物及び(b)ほう素化合物を含む難
燃剤とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を
第1発明とし、(2)第1発明の難燃性樹脂組成物に、
(c)ポリオルガノシロキサン及び/またはフッ素系樹
脂を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物を第2
発明とし、(3)第2発明の難燃性樹脂組成物が、
(A’)ポリカーボネート系樹脂50〜95重量%及び
ポリカーボネート系樹脂以外の樹脂5〜50重量%のポ
リマーブレンド100重量部、(B’)燐酸エステル及
び/又は亜燐酸エステル5〜50重量部、及び硼酸亜鉛
5〜20重量部、(c’)ポリオルガノシロキサン0.
1〜5重量部及び/又はポリテトラフルオロエチレン
0.01〜2重量部を含有することを特徴とする難燃性
樹脂組成物を第3発明とすることからなる。
ホウ素化合物を必須成分として含有し、これら両成分を
併用することにより、はじめて優れた難燃効果を発現す
るものであるが、通常用いられる公知の難燃化添加剤を
併用することも出来る。
はフッ素系樹脂を追加成分として含むことにより、燃焼
時の樹脂溶融物の滴下を防止し、より優れた難燃効果を
発現する。
脂は、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法
または溶融法で反応せしめて製造されるものである。2
価フェノールの代表的な例を挙げると、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホンなどが挙げられる。好ましい2価フェノ
ールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系、特
にビスフェノールAを主原料とするものである。また、
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カル
ボニルエステルまたはハロホルメートなどが挙げられ、
具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フ
ェノールのジハロホルメート及びそれらの混合物であ
る。ポリカーボネート樹脂を製造するに当たり、これら
の2価フェノールの1種以上を使用することができる。
またこのようにして得られたポリカーボネート樹脂の2
種以上を混合して使用することもできる。本発明におい
て、(A)成分としてポリカーボネート系樹脂を使用す
ることは必須である。ポリカーボネート系樹脂単独の場
合は、耐熱性及び曲げ弾性率が特に良好である。しか
し、耐衝撃強度を向上させるために、ポリカーボネート
系樹脂以外の熱可塑性樹脂を混合することが推奨され
る。
脂以外の樹脂としては熱可塑性樹脂であれば特に制限無
く有効に利用できる。それらの中の代表的なものを例示
すれば、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂をはじめとして、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスルホン、
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢ビ共重合体、ポリメチル
メタクリレート、ポリオキシメチレン、酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース等が挙げられ、また、これらの樹脂
の2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
次に、これらの中のいくつかについて、更に詳しく説明
する。
は、芳香族ビニル系単量体を含有する不飽和単量体を重
合することにより得られる重合体であり、さらには、該
重合体がゴム質重合体により改質された重合体をも包含
するものである。不飽和単量体として用いられる芳香族
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ハロスチレンなどが挙げられる。さらにこれらの単
量体と共に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
エステル、マレイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無
水物系単量体などから選ばれる1種以上の単量体が使用
できる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチルなどが挙げられる。マレイミド系単
量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N
−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘ
キシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N
−フェニルマレイミドなどが挙げられる。不飽和ジカル
ボン酸無水物系単量体としては、無水マレイン酸、など
が挙げられる。ポリスチレン系樹脂の製造方法には、特
に制約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
などの公知の方法が使用できる。本発明で好ましく用い
られるポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン、ハイイン
パクトポリスチレン、スチレン/メタアクリル酸メチル
共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体および、それらのゴム変性体
などである。
質重合体に芳香族ビニル系単量体を含有するビニル系単
量体をグラフト重合することにより得られるグラフト重
合体であり、さらには、芳香族ビニル系単量体を含有す
るビニル系単量体を重合して得られる重合体と該グラフ
ト重合体とのブレンド物をも包含するものである。グラ
フト重合体は、ガラス転移点温度が10℃以下であるゴ
ム質重合体に、芳香族ビニル系単量体および(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、マレイ
ミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水系単量体などか
ら選ばれる1種以上の単量体をグラフト重合することに
より得られる。芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ハロスチレンなどが挙げられ
る。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチルなどが挙げられる。マレイミド系単量体
としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミドなどが挙げられる。不飽和ジカルボン
酸無水物系単量体としては、無水マレイン酸、などが挙
げられる。これらの単量体はそれぞれ2種以上併用して
用いることも出来る。本発明で使用されるグラフト重合
体に好ましく用いられる単量体は、スチレンと、アクリ
ロニトリルおよびまたはメタアクリル酸メチルである。
グラフト重合体の製造方法には、特に制約はなく塊状重
合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法が
使用できる。グラフト重合体に用いられるゴム質重合体
を例示すると、ブタジエン系ゴム重合体、アクリル系ゴ
ム重合体、エチレン−プロピレン系ゴム重合体、あるい
はシリコーン系ゴム重合体などが挙げられる。ブタジエ
ン系ゴム重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン
−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体等が用いられる。アクリル系ゴム重合体として
は、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル単量体の
単独重合、またはこれらの単量体を主成分とし共重合可
能な他の単量体と共重合して得られるゴム質重合体が用
いられる。エチレン−プロピレン系ゴム重合体としては
エチレンとプロピレンの比が80:20〜60:40の
範囲が好ましく、さらにジエン成分を含んでいてもよ
い。シリコーン系ゴム重合体としては、ポリオルガノシ
ロキサンゴム重合体であり、主としてジメチルシロキサ
ンの繰り返し単位を有するものである。さらに例えばシ
リコーン系ゴム成分とアクリル系ゴム成分から成る複合
ゴムやブタジエン系ゴム成分とアクリル系ゴム成分の複
合ゴムも用いることが出来る。本発明においては、好ま
しくはブタジエン系ゴム重合体が用いられる。ゴム質重
合体の製造方法には、特に制約はなく塊状重合、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法が使用でき
る。グラフト重合体とブレンドする重合体としては、前
記のグラフト重合体に用いられる単量体を重合して得ら
れる重合体を用いることが出来る。好ましく用いられる
重合体はα−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合
体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチル
スチレン/メタアクリル酸メチル、スチレン/メタアク
リル酸メチル、α−メチルスチレン/アクリロニトリル
/N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン/アクリ
ロニトリル/N−フェニルマレイミド共重合体などであ
る。この重合体の製造方法には、特に制約はなく塊状重
合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法が
使用できる。
は、ジカルボン酸またはそのエステル生成性誘導体と、
ジオールまたはそのエステル生成性誘導体とを主成分と
する縮合反応により得られる重合体である。ジカルボン
酸成分を例示すると、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5
−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸、などのジカルボン酸、あるい
はそれらのエステル生成性誘導体などが挙げられる。ジ
オール成分を例示すると、エチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,
4−ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノールAな
どのジオールあるいはそれらのエステル生成性誘導体な
どが挙げられる。これらのジカルボン酸成分及びジオー
ル成分はそれぞれ1種以上を任意に選択して用いること
が出来る。本発明で使用されるポリエステル系樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレート及びまたはポリブチ
レンテレフタレートが好ましい。
カルボキシル基及びアミノ基を有する化合物もしくはそ
のラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸、あるい
はカルボキシル基及びアミノ基を有する化合物もしくは
そのラクタムとジアミン及びジカルボン酸とを重合する
ことにより得られる。本発明で用いられるカルボキシル
基及びアミノ基を有する化合物もしくはそのラクタムを
例示すると、アミノカプロン酸、ブチロラクタム、ビバ
ロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナ
ントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタ
ム、アミノ安息香酸などが挙げられる。ジアミンとして
は、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミンなど
が挙げられる。ジカルボン酸としては、セバシン酸、オ
クタデカン2酸、スベリン酸、グルタル酸、ピメリン
酸、アジピン酸などが挙げられる。本発明に用いられる
ポリアミドは、結晶性でも非晶性でもこれらの混合物で
もよい。ポリアミドの具体例を例示すると、ポリアミド
4、6、7、8、11、12、6・6、6・9、6・1
0、6・11、6・12、テレフタル酸及びまたはイソ
フタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンから得ら
れるポリアミド、アジピン酸とm−キシレンジアミンか
ら得られるポリアミドなどが挙げられる。これらのポリ
アミドは2種以上を混合して用いることも出来る。
ポリカーボネート系樹脂以外の熱可塑性樹脂との配合割
合は30/70〜100/0(重量比)の範囲が好まし
い。ポリカーボネート系樹脂以外の熱可塑性樹脂の割合
が70重量比を越えた場合には、難燃性樹脂の機械的性
質や熱的性質が低下し、ポリカーボネート本来の特性が
維持出来なくなる場合がある。さらに本発明において、
ポリカーボネート系樹脂にその他の熱可塑性樹脂を併用
する場合、ポリカーボネート系樹脂/その他の熱可塑性
樹脂の重量割合は、難燃性及び曲げ弾性率の面から10
0/0〜50/50が好ましく、特に100/0〜70
/30の範囲が好ましい。又、樹脂組成物に高度の耐衝
撃強度を付与するためには、前記ABS系樹脂を使用す
ることが効果的である。ポリカーボネート系樹脂/AB
S系樹脂の重量割合が95/5〜50/50が好まし
い。そして、難燃性、耐衝撃強度及び曲げ弾性率が良好
なバランスのとれた物性を与える樹脂の組成は、ポリカ
ーボネート系樹脂/ABS系樹脂の重量割合は95/5
〜70/30の範囲である。
有する化合物であれば特に制限はなく、それらの化合物
を例示すると、燐酸エステルとしては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ト
リブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフ
ェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプ
ロピルフェニル)ホスフェート、トリス(o−フェニル
フェニル)ホスフェート、トリス(p−フェニルフェニ
ル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホス
フェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェー
ト、o−フェニルフェニルジクレジルホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジ(2
−エチルヘキシル)ホスフェート、モノイソデシルホス
フェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホス
フェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホ
スフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチ
ルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキ
シエチルホスフェートなどの燐酸エステルが挙げられ
る。さらに、亜燐酸エステルとしては、トリフェニルホ
スファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリ
ストリデシルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホ
スファイトなどが挙げられる。また、これ以外の燐化合
物としては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリク
レジルホスフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニ
ル、フェニルホスホン酸ジエチル、赤燐などを挙げるこ
とが出来る。赤燐は純粋なものでも常法で安定化したも
のでもよい。これら燐化合物は1種のみ用いても良い
し、2種以上組み合わせて用いることも可能である。た
だし、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェー
ト、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス
(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β−クロ
ロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニ
ル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフ
ェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェー
ト、ハロゲン置換燐酸アリールなどの含ハロゲン燐酸エ
ステルなどハロゲン含有燐化合物は除く。
素原子を有する化合物であれば特に制限はなく、それら
の化合物を例示すると、硼酸、酸化ホウ素、硼酸塩など
が挙げられる。硼酸塩としては四硼酸亜鉛、メタ硼酸亜
鉛、塩基性硼酸亜鉛などの硼酸亜鉛、オルト硼酸バリウ
ム、メタ硼酸バリウム、二硼酸バリウム、四硼酸バリウ
ムなどの硼酸バリウム、硼酸鉛、硼酸カドミウム、硼酸
マグネシウムなどが挙げられる。これらホウ素化合物は
1種のみ用いても良いし、2種以上組み合わせて用いる
ことも可能である。
化合物とほう素化合物の割合には特に限定はないが、燐
化合物/ほう素化合物の比率は好ましくは5/95〜9
5/5(重量比)の範囲であり、さらに好ましくは10
/90〜90/10(重量比)の範囲である。
る難燃剤の配合量は、(A)成分の樹脂100重量部に
対して50重量部以下が好ましく、50重量部を越える
と、難燃性樹脂組成物の機械的性質が低下する。
プト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンなどが挙
げられる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上
組み合わせて用いてもよい。さらに、これらのポリオル
ガノシロキサンは、分子量数百〜数百万の広範囲のもの
が使用でき、その形態はオイル状、ワニス状、樹脂状な
どいかなるものであってもよい。
ると、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フ
ッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポ
リフッ化ビニリデンなどが挙げられるが、好ましくは四
フッ化ポリエチレンが用いられる。フッ素系樹脂の形態
は、エマルジョン状、懸濁状、ミクロフィブリル状、粉
末状、粒状など如何なるものであってもよい。
ロキサン及びまたはフッ素系樹脂の量は、好ましくは難
燃剤組成物を合成樹脂に配合した難燃性樹脂組成物10
0重量部に対し、5重量部以下となるように設定され
る。難燃性樹脂組成物中のポリオルガノシロキサン及び
またはフッ素系樹脂の量が5重量部を越える範囲では、
成形品の外観不良、溶融粘度の増加などの不良現象を生
ずる場合がある。
ポリオルガノシロキサン及びまたはフッ素系樹脂に加え
て更にこれ以外の公知の難燃性添加剤を併用することも
出来る。難燃性添加剤は、通常難燃化効果を有するもの
であれば特に制限はなく、ハロゲン化合物、アンチモン
化合物、窒素化合物、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸
塩アルカリ(土類)金属塩などの難燃剤が使用出来る。
これら難燃剤は1種のみ用いても良いし、2種以上組み
合わせて用いることも可能である。本発明の難燃性樹脂
組成物において、難燃性、耐衝撃性及び曲げ弾性率が共
に良好でバランスのとれた物性を有する組成物は、
(A’)ポリカーボネート系樹脂50〜95重量%及び
ポリカーボネート系樹脂以外の樹脂5〜90重量%のポ
リマーブレンド100重量部、(B’)燐酸エステル及
び/又は亜燐酸エステル5〜30重量部、硼酸亜鉛5〜
20重量部及び(c’)ポリオルガノシロキサン0.1
〜5重量部及び/又はポリテトラフルオロエチレン0.
01〜2重量部を含有する場合である。
特別の制約はなく、これらを均一に混合できる手段であ
ればいずれの手段をも採用できる。例えば、押出機によ
る混練、ヘンシェル型ミキサー、バンバリーミキサー、
加熱ロールなど各種の混合用機械による混合等が適宜採
用できる。この際、必要に応じてその効果が発現する量
の種々の添加剤、例えば安定剤、離型剤、滑剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐熱安定
剤、老化防止剤、染顔料、充填剤など及びポリマーブレ
ンドの特性を向上させるための相溶化成分を配合するこ
とができる。
を挙げるが、これらの実施例はいかなる意味においても
本発明を制限するものではない。
の配合割合で、ヘンシェルミキサーにて混合後、30mm
φ押出機(池貝鉄工(株)製、PCM−30)を使用
し、250〜280℃で溶融混練した。得られた試料か
ら射出成形にて燃焼テストピースを作製し、樹脂組成物
の酸素指数をJIS K−7201に従い測定した。そ
の結果を表1に示す。
割合で、実施例1〜9と同様の方法によりテストピース
を作製し酸素指数を測定した。結果を表2に示す。
配合割合で、実施例1〜9と同様の方法によりテストピ
ースを作製し酸素指数を測定した。結果を表3に示す。
の配合割合で、実施例1〜9と同様の方法によりテスト
ピースを作製し酸素指数を測定した。結果を表4に示
す。
合割合で、実施例1〜9と同様の方法によりテストピー
スを作製し酸素指数を測定した。結果を表5に示す。
合割合で、実施例1〜9と同様の方法によりテストピー
スを作製し酸素指数を測定した。結果を表6に示す。
載の配合割合で、実施例1〜9と同様の方法によりテス
トピースを作製し酸素指数を測定した。結果を表7に示
す。
キサーにて混合後、30mmφ2軸押出機(池貝鉄工
(株)製、PCM−30)を使用し、250〜280℃
で溶融混練押出しし、ペレタイザーによりペレット化し
た。得られたペレットから射出成形機を用いてテストピ
ースを作製し、燃焼性及び物性を評価した。その結果を
表8に示す。酸素指数はJIS K−7201に従い測
定した。UL燃焼試験は厚さ1.6mmの燃焼テストピ
ースを作製し、米国アンダーライターズ・ラボラトリー
社のサブジェクト94(UL−94)に従い測定した。
衝撃強度は幅3.2mmのノッチ付きテストピースを製
作し、JIS K−7110に従い測定した。曲げ弾性
率は、JIS K−7203に従い測定した。
る。 PC :ポリカーボネート、(三菱化成工業(株)ノ
バレックス7030PJ) ABS :ABS樹脂、(電気化学工業(株)GR−2
000) PS :ポリスチレン、(電気化学工業(株)GP−
1) HIPS:ハイインパクトポリスチレン、(電気化学工
業(株)HI−U−2) SMA :スチレン無水マレイン酸共重合体、(積水化
成品工業(株)セキスイダイラーク332) PET :ポリエチレンテレフタレート、(ユニチカ
(株)SA−1206) PBT :ポリブチレンテレフタレート、(帝人(株)
C7000) PA :ナイロン6・6樹脂、(東レ(株)CM30
01N) PAH :無水フタル酸、(和光純薬工業(株)) CDP :燐酸クレジルジフェニル、(大八化学工業所
(株)CDP) TPP :燐酸トリフェニル(大八化学工業所(株)T
PP) ZB1 :硼酸亜鉛、(BORAX CONSOLID
ATED LIMITED製ZINCBORATE 2
335) ZB2 :硼酸亜鉛、(水澤化学工業(株)アルカネッ
クスFRC−500) NS :硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)試薬) PDMS:ポリジメチルシロキサン、(東芝シリコーン
(株)TSF451−1000) PTFE:四フッ化ポリエチレン、(三井デュポンフロ
ロケミカル(株)テフロン6J) OI :酸素指数(JISK7201準拠) UL94:UL94燃焼試験評価 Izod:アイゾット衝撃強度(JIS K−7110
準拠)
的性質を有する難燃性樹脂組成物が提供される。得られ
た難燃性樹脂組成物は、難燃性を要求される電子・電気
製品、OA機器などの用途、各種部品の材料として好適
に使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ポリカーボネート系樹脂または、
ポリカーボネート系樹脂及びポリカーボネート系樹脂以
外の樹脂を含む熱可塑性樹脂と、(B)(a)燐化合物
(但し、ハロゲン含有燐化合物を除く)及び(b)ほう
素化合物を含む難燃剤とを含有することを特徴とする難
燃性樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の難燃性樹脂組成物に、
(c)ポリオルガノシロキサン及び/またはフッ素系樹
脂を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項2記載の難燃性樹脂組成物が、
(A’)ポリカーボネート系樹脂50〜95重量%及び
ポリカーボネート系樹脂以外の樹脂5〜50重量%のポ
リマーブレンド100重量部、(B’)燐酸エステル及
び/又は亜燐酸エステル5〜50重量部(但し、ハロゲ
ン含有燐酸エステル、及びハロゲン含有亜燐酸エステル
を除く)、及び硼酸亜鉛5〜20重量部、(c’)ポリ
オルガノシロキサン0.1〜5重量部及び/又はポリテ
トラフルオロエチレン0.01〜2重量部を含有するこ
とを特徴とする難燃性樹脂組成物。
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-
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- 1992-06-03 JP JP16669492A patent/JP3190975B2/ja not_active Expired - Fee Related
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