JPH0733929A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH0733929A
JPH0733929A JP17873393A JP17873393A JPH0733929A JP H0733929 A JPH0733929 A JP H0733929A JP 17873393 A JP17873393 A JP 17873393A JP 17873393 A JP17873393 A JP 17873393A JP H0733929 A JPH0733929 A JP H0733929A
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JP
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styrene
flame
monomer
component
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JP17873393A
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English (en)
Inventor
Atsushi Watanabe
淳 渡辺
Masanori Higano
正徳 日向野
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の(A)及び(B)成分を含有することを
特徴とする難燃性樹脂組成物。(A)スチレン、α−
メチルスチレン、及び核ハロゲン置換スチレンから選択
される少なくとも一種の芳香族ビニル系単量体、及び
核ヒドロキシ置換芳香族ビニルを必須成分とし、更に必
要に応じて、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸エ
ステル、不飽和カルボン酸無水物系単量体、及びマレイ
ミド系単量体から選択される少なくとも一種、及び/又
はゴム質重合体を構成成分として含有する共重合体、
(B)燐化合物。 【効果】 本発明によれば、優れた難燃性を有する難燃
性樹脂組成物が提供され、電子・電気製品、OA機器な
どの用途、各種部品の材料として好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は優れた機械的特性、成
型加工性を有していることから、自動車分野、OA機器
分野、電子・電気分野等に広く利用されている。一方、
近年、OA機器、家電製品等の用途を中心に、使用する
樹脂材料の難燃化の要望が強く、これらの要望に答える
ために多数の難燃化添加剤が開発検討されている。従
来、スチレン系樹脂の難燃化には、主にハロゲン含有化
合物等が使用され、さらにそれらの難燃化添加剤に加え
て三酸化アンチモン等が難燃助剤として併用されること
もある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】難燃化添加剤として
ハロゲン含有化合物をスチレン系樹脂に配合した場合、
難燃化の効果は大きいが、火災発生時あるいは焼却処理
時に、有毒性あるいは有害性の物質を発生する為、救急
活動あるいは消火活動を困難にし、あるいは環境汚染を
引き起こすなどの問題を有している。このためハロゲン
含有化合物を全く含有しないか、或いはハロゲン系化合
物の量が少ない難燃性樹脂の開発が望まれている。
【0004】このような問題を解決する方法として、難
燃化添加剤として燐化合物及び窒素含有化合物等をスチ
レン系樹脂に配合する方法が提案されている。しかしこ
れらの化合物は、難燃化効果がハロゲン含有化合物に劣
り、スチレン系樹脂に対する難燃化効果が低く、充分な
難燃化効果を得るためには多量の燐化合物及び窒素含有
化合物を使用しなければならず、その結果、樹脂組成物
の物性が著しく損なわれる等の欠点を有している。本発
明はこれら従来の問題点を解決するものであり、その目
的とするところは、優れた難燃性を有する難燃性樹脂組
成物を提供することにある。
【0005】本発明者らは、塩素或いは臭素を含有しな
いか、またはその含有量が少ない難燃化添加剤により、
スチレン系樹脂の難燃性を改善するべく鋭意研究を重ね
た結果、特定のスチレン系樹脂を用いることにより、燐
酸エステル等の燐化合物及び窒素含有化合物によって
も、優れた難燃化効果が発現することを見い出し、本発
明に到達した。
【0006】
【問題点を解決するための手段】即ち本発明は、(1)
次の(A)及び(B)成分を必須成分として含有するこ
とを特徴とする難燃性樹脂組成物、(A)成分、スチ
レン、α−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換スチレ
ンから選択される少なくとも一種の芳香族ビニル系単量
体、及び核ヒドロキシ置換芳香族ビニルを必須成分と
し、更に必要に応じて、シアン化ビニル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸無
水物系単量体、及びマレイミド系単量体から選択される
少なくとも一種、及び/又はゴム質重合体を構成成分
として含有する共重合体及び(B)燐化合物、(2)
(A)成分が、スチレン、α−メチルスチレン、及び
核ハロゲン置換スチレンから選択される少なくとも一種
の芳香族ビニル系単量体50〜95重量%と、シアン化
ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
不飽和カルボン酸無水物系単量体、及びマレイミド系単
量体から選択される少なくとも一種の単量体50〜5重
量%との共重合体5〜80重量%、及びスチレン、α
−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換スチレンから選
択される少なくとも一種の芳香族ビニル系単量体50〜
95重量%と、シアン化ビニル、アクリル酸エステル、
メタアクリル酸エステル、不飽和カルボン酸無水物系単
量体、及びマレイミド系単量体から選択される少なくと
も一種の単量体50〜5重量%との混合物5〜90重量
部を、ゴム質重合体95〜10重量部にグラフト重合さ
せた共重合体5〜70重量%、及び核ヒドロキシ置換
芳香族ビニルの重合体5〜30重量%からなるポリマー
ブレンドであることを特徴とする(1)記載の難燃性樹
脂組成物、(3)更に有機窒素化合物を含有する(1)
又は(2)記載の難燃性樹脂組成物、(4)(A)成分
20〜99重量%と、他の熱可塑性樹脂80〜1重量%
とを含有することを特徴とする(1)記載の難燃性樹脂
組成物である。以下に本発明について詳しく説明する。
【0007】本発明で用いられる(A)成分の樹脂は、
スチレン、α−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換ス
チレンから選択される少なくとも一種の芳香族ビニル系
単量体と核ヒドロキシ置換芳香族ビニルと、更に必要に
応じて、シアン化ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、不飽和カルボン酸無水物系単量体、及
びマレイミド系単量体から選択される少なくとも一種を
単量体成分として含有する熱可塑性樹脂である。本発明
の(A)成分の単量体として用いられる芳香族ビニル系
単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、及び核ハロ
ゲン置換スチレンから選択される少なくとも一種の単量
体である。核ハロゲン置換スチレンとしては、ブロモス
チレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロ
ロスチレン、ジクロロスチレン等、核置換ハロゲン基の
数が1〜5の核ハロゲン置換芳香族ビニル単量体が挙げ
られる。さらには、これらの核ハロゲン置換芳香族ビニ
ル単量体のα位にメチル基を有するものも挙げられる。
これらの芳香族ビニル系単量体は単独で使用できるが、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で好
ましくは、スチレン、α−メチルスチレン及びこれらの
混合物が用いられる。
【0008】核ヒドロキシ置換芳香族ビニルとしては、
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p
−ヒドロキシスチレン、核置換ヒドロキシ基の数が2〜
5の核置換ヒドロキシ芳香族ビニル単量体等が挙げられ
る。これらの核ヒドロキシ置換芳香族ビニルは単独で使
用できるが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの中で好ましくは、o−ヒドロキシスチレン、m−
ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン及びこれ
らの2種以上の混合物が用いられる。シアン化ビニルと
しては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙
げられる。これらの中で好ましくは、アクリロニトリル
が用いられる。アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられ
る。これらの中で好ましくはメタクリル酸メチルが用い
られる。不飽和カルボン酸無水物系単量体としては、無
水マレイン酸等が挙げられる。マレイミド系単量体とし
ては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド等が挙げられる。これらの中で好ましくは
N−フェニルマレイミドが用いられる。シアン化ビニ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽
和カルボン酸無水物系単量体、及びマレイミド系単量体
から選択される単量体は、2種以上の異なる単量体を組
み合わせて用いることもできる。
【0009】(A)成分の共重合体をゴム質重合体で改
質する場合には、5%以上のグラフト率を有することが
望ましい。用いられるゴム質重合体としては、ポリブタ
ジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−
スチレンブロック共重合体、水素添加ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、アクリル系ゴム、エチレン−プロピレン(ジ
エン成分)共重合体、イソブチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素添加
スチレン−イソプレンブロック共重合体、ポリウレタン
系ゴム、ポリアミド系ゴム、シリコーン系ゴム等が挙げ
られる。本発明では好ましくは、ポリブタジエン、ブタ
ジエン−スチレン共重合体、アクリル系ゴム、エチレン
−プロピレン(ジエン成分)共重合体、シリコーン系ゴ
ム等が用いられる。
【0010】本発明に用いられる(A)成分を製造する
方法としては、例えば、 ゴム質重合体の存在下または不存在下に単量体成分
を重合して共重合体を得る方法。 ゴム質重合体の存在下または不存在下に単量体成分
の一部を重合し、残りの単量体成分を別途に重合して、
これらの重合体をブレンドする方法。 核ヒドロキシ置換芳香族ビニルを別途に重合し、残
りの単量体成分を上記あるいはの方法により重合し
て、これらの重合体をブレンドする方法。 等が挙げられる。本発明の(A)成分には、スチレ
ン、α−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換スチレン
から選択される少なくとも一種の芳香族ビニル系単量体
50〜95重量%と、シアン化ビニル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン酸無水物
系単量体、及びマレイミド系単量体から選択される少な
くとも一種の単量体50〜5重量%との共重合体5〜8
0重量%、及びスチレン、α−メチルスチレン、及び
核ハロゲン置換スチレンから選択される少なくとも一種
の芳香族ビニル系単量体50〜95重量%と、シアン化
ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
不飽和カルボン酸無水物系単量体、及びマレイミド系単
量体から選択される少なくとも一種の単量体50〜5重
量%との混合物5〜90重量部を、ゴム質重合体95〜
10重量部にグラフト重合させた共重合体5〜70重量
%、及び核ヒドロキシ置換芳香族ビニルの重合体5〜
30重量%からなるポリマーブレンドが好ましく用いら
れる。特に好ましく用いられるポリマーブレンドとして
は、スチレン−アクリロニトリル共重合体5〜50重量
%、及びスチレンとアクリロニトリルの混合物を、ポリ
ブタジエンにグラフトさせたグラフト共重合体5〜50
重量%、及びp−ヒドロキシスチレンホモポリマー5〜
30重量%からなるポリマーブレンドが挙げられる。
【0011】(A)成分の共重合体の重合方法には、特
に制約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合
などの公知の方法が使用できる。(B)成分の燐化合物
としては、燐原子を有する化合物であれば特に制限はな
いが、好ましくは燐原子に直接結合するエステル性酸素
原子を1つ以上有する燐化合物が挙げられる。これらの
燐化合物を例示すると、燐酸エステルとしては、トリメ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチ
ルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス
(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(o−
フェニルフェニル)ホスフェート、トリス(p−フェニ
ルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシ
ル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニ
ルホスフェート、o−フェニルフェニルジクレジルホス
フェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェ
ート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、モノイソ
デシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイル
オキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスフェート等の燐酸エステル及び
これらの縮合物、さらに、トリス(2,3−ジブロモプ
ロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホ
スフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリ
ス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブ
ロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオ
ペンチル)ホスフェート、ハロゲン置換燐酸アリール等
の含ハロゲン燐酸エステル及びこれらの縮合物等が挙げ
られる。
【0012】亜燐酸エステルとしては、トリフェニルホ
スファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホス
ファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、
トリブトキシエチルホスファイト、トリオレイルホスフ
ァイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホス
ファイト、トリキシレニルホスファイト、トリス(イソ
プロピルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニ
ルホスファイト、トリス(o−フェニルフェニル)ホス
ファイト、トリス(p−フェニルフェニル)ホスファイ
ト、トリナフチルホスファイト、クレジルジフェニルホ
スファイト、キシレニルジフェニルホスファイト、ジフ
ェニル(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジ(イソ
プロピルフェニル)フェニルホスファイト、o−フェニ
ルフェニルジクレジルホスファイト、ジブチルホスファ
イト、モノブチルホスファイト、ジ−2−エチルヘキシ
ルホスファイト、モノイソデシルホスファイト及びこれ
らの縮合物等が挙げられる。また、これ以外の燐化合物
としては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレ
ジルホスフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニ
ル、フェニルホスホン酸ジエチル等を挙げることができ
る。これら燐化合物は1種のみ用いても良いし、2種以
上組み合わせて用いることもできる。
【0013】これらの燐化合物の使用量は、本発明の組
成物中の樹脂成分100重量部に対し、1〜50重量部
の範囲であり、好ましくは1〜30重量部の範囲であ
る。50重量部より多い場合では樹脂の耐熱性を著しく
低下させたり、射出成形時に揮発分が増加し金型及び成
型品表面を汚染する等の弊害が生じ、1重量部より少な
い場合では充分な難燃効果が得られない。
【0014】本発明の組成物は、更に有機窒素化合物を
含有することができる。本発明で用いられる有機窒素化
合物としては、窒素原子を有する有機化合物であれば特
に制限はないが、好ましくはトリアジン構造を有する有
機化合物が挙げられる。これらの有機窒素化合物を例示
すると、メラミン、シアヌル酸、メラミンシアヌレー
ト、メレム、メロン、アセトグアナミン、ベンゾグアナ
ミン、メラミン樹脂等を挙げることができる。また、こ
れ以外の有機窒素化合物としては、尿素、ジシアンジア
ミド、グアニジン、ユリア樹脂等を挙げることができ
る。これら有機窒素化合物は1種のみ用いても良いし、
2種以上組み合わせて用いることもできる。本発明で
は、特に好ましくはメラミンシアヌレートが使用され
る。
【0015】これらの有機窒素化合物の使用量は、本発
明の組成物中の樹脂成分100重量部に対し、1〜50
重量部の範囲であり、好ましくは1〜30重量部の範囲
である。50重量部より多い場合では樹脂の耐衝撃性を
著しく低下させたり、射出成形時に揮発分が増加し金型
及び成型品表面を汚染する等の弊害が生じ、1重量部よ
り少ない場合では充分な難燃効果が得られない。
【0016】本発明では、難燃性を阻害しない範囲の量
の他の熱可塑性樹脂を配合できる。ここで難燃性を阻害
しない範囲の量とは具体的には、(A)成分の樹脂とそ
の他の樹脂との配合割合は(A)成分の樹脂/その他の
樹脂=20/80〜99/1(重量比)の範囲が好まし
く、更に好ましくは40/60〜95/5(重量比)の
範囲である。(A)成分以外のその他の樹脂の割合が8
0重量比を越えた場合には、難燃性樹脂組成物の難燃
性、機械的性質、熱的性質等の特性が損なわれる場合が
ある。その他の熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂で
あれば特に制限なく有効に利用できる。それらの中の代
表的なものを例示すれば、ポリスチレン系樹脂(PS、
HIPS)、アクリロニトリル・スチレン系樹脂(SA
N)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂
(ABS)、メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレ
ン系樹脂(MBS)、ポリエステル系樹脂(PBT、P
ET)、ポリカーボネート系樹脂(PC)をはじめとし
て、(変性)ポリエチレン、(変性)ポリプロピレン、
(変性)エチレン・プロピレン共重合樹脂、ポリフェニ
レンエーテル、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポ
リメタクリル酸メチル、スチレン/無水マレイン酸共重
合樹脂、スチレン/N−フェニルマレイミド/無水マレ
イン酸共重合樹脂、スチレン/N−フェニルマレイミド
/アクリロニトリル共重合樹脂、スチレン/N−フェニ
ルマレイミド共重合樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は
2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0017】本発明の難燃性樹脂組成物には、燐化合物
及び有機窒素化合物に加えその他の難燃化添加剤を用い
ることもできる。その他の難燃化添加剤としては、通常
難燃化効果を有するものであれば特に制限はなく、赤
燐、ハロゲン含有化合物、アンチモン化合物、金属酸化
物、金属水酸化物、熱膨張性グラファイト、フェノール
樹脂等の難燃化添加剤が使用できるが、好ましくは赤
燐、フェノール樹脂等が用いられる。
【0018】樹脂の燃焼時に着火した溶融樹脂が滴下す
ることは好ましくない。このような樹脂の滴下を防止す
る目的に対し、シリコーン、フッ素系樹脂はいずれも有
効に作用することが知られており、本発明でも樹脂の適
下防止のためにこれらを用いることができる。
【0019】本発明で用いられるシリコーンは、原則と
してその分子構造中に
【化1】 骨格を有するものであれば特に制限はない。本発明で用
いられるシリコーンを例示すると、ポリジメチルシロキ
サン、ポリメチルフェニルシロキサン、アミノ変性シリ
コーン、メルカプト変性シリコーン、エポキシ変性シリ
コーン等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよい
し、2種以上組み合わせて用いてもよい。さらに、これ
らのシリコーンは、分子量数百〜数百万の広範囲のもの
が使用でき、その形態はオイル状、ワニス状、ガム状、
樹脂状等如何なるものであってよい。
【0020】本発明で用いられるフッ素系樹脂を例示す
ると、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フ
ッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポ
リフッ化ビニリデン等が挙げられる。これらは1種のみ
用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
フッ素系樹脂の形態は、エマルジョン状、懸濁状、ミク
ロフィブリル状、粉末状、粒状等如何なるものであって
もよい。
【0021】本発明で用いられるシリコーン及び/又は
フッ素系樹脂の量は、樹脂成分100重量部に対し、0
〜5重量部の範囲である。シリコーン及び/又はフッ素
系樹脂の量が5重量部を越える場合は、配合した樹脂組
成物が、成形品の外観不良、溶融粘度の増加などの不良
現象を生ずる場合がある。
【0022】樹脂及び難燃化添加剤の混合方法には特別
の制限はなく、これらを均一に混合できる手段であれば
いずれの手段をも採用できる。例えば、押出機、ヘンシ
ェル型ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、加熱
ロールなど各種の混合用機械による混合、混練等が適宜
採用できる。
【0023】この際、必要に応じて難燃性を阻害しない
範囲でその効果が発現する量の種々の充填材や添加剤等
を配合できる。それらを例示するとガラス繊維、アスベ
スト、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリ
ウムウイスカー繊維、金属繊維、セラミックス繊維、ボ
ロンウイスカー繊維等の繊維状充填材、マイカ、シリ
カ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、
ガラスバルーン、ガラスフレーク等の充填材や、離型
剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止
剤、耐熱安定剤、老化防止剤、染(顔)料等の添加剤等
が挙げられる。更にはポリマーブレンドの特性を向上さ
せるための衝撃強度改良剤、相溶化成分等も配合するこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。 (A)成分の共重合体(a−1 ) 撹拌機を備えた反応器を用い、スチレン40重量部、p
−ヒドロキシスチレン34重量部、アクリロニトリル2
6重量部からなる単量体混合物をクメンハイドロパーオ
キサイドを重合開始剤とし乳化重合した。得られた重合
体ラテックスは硫酸マグネシウムで凝固し、水洗、濾
過、乾燥して重合体(a−1 ) を得た。 (A)成分のグラフト共重合体(a−2 ) 撹拌機を備えた反応器を用い、ポリブタジエンラテック
スを固形分として20重量部の存在下で、スチレン36
重量部、p−ヒドロキシスチレン20重量部、アクリロ
ニトリル24重量部からなる単量体混合物をクメンハイ
ドロパーオキサイドを重合開始剤とし乳化重合した。得
られたグラフト重合体ラテックスは硫酸マグネシウムで
凝固し、水洗、濾過、乾燥して重合体(a−2 )を得
た。 (A)成分の共重合体(b−1 ) 撹拌機を備えた反応器を用い、スチレン74重量部、ア
クリロニトリル26重量部からなる単量体混合物をクメ
ンハイドロパーオキサイドを重合開始剤とし乳化重合し
た。得られた重合体ラテックスは硫酸マグネシウムで凝
固し、水洗、濾過、乾燥して重合体(b−1)を得た。 (A)成分のグラフト共重合体(b−2 ) グラフト共重合体(a−2 )と同様の方法で、ポリブタ
ジエンラテックスを固形分として50重量部、スチレン
35重量部、アクリロニトリル15重量部から重合体
(b−2 )を得た。 (A)成分の重合体(c−1 ) 丸善石油化学(株)製のp−ヒドロキシスチレンホモポ
リマーのマルカリンカーMを用いた。 (A)成分以外の重合体(d−1 ) 帝人化成(株)製のポリカーボネート樹脂であるパンラ
イトL−1250を用いた。
【0025】[実施例1〜8、比較例1〜5]表1記載
の各成分を表記載の配合割合で、ヘンシェルミキサーに
て混合後、30mmφ2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM
−30)を使用し、220℃で溶融混練押出しし、ペレ
タイザーによりペレット化した。得られたペレットから
射出成形にて燃焼テストピースを作製し、樹脂組成物の
酸素指数(OI)をJIS K 7201に従い測定し
た。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、表1中の記号は以下の通りである。 TPP :燐酸トリフェニル、((株)大八化学工業
所製 TPP) M :メラミンシアヌレート(日産化学工業
(株)製 MC−440) OI :酸素指数(JIS K 7201に準拠)
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、優れた難燃性を有する
難燃性樹脂組成物が提供され、電子・電気製品、OA機
器などの用途、各種部品の材料として好適に使用でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)及び(B)成分を必須成分と
    して含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 (A)成分 スチレン、α−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換
    スチレンから選択される少なくとも一種の芳香族ビニル
    系単量体、及び 核ヒドロキシ置換芳香族ビニルを必須成分とし、更に
    必要に応じて、 シアン化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
    エステル、不飽和カルボン酸無水物系単量体、及びマレ
    イミド系単量体から選択される少なくとも一種、及び/
    又は ゴム質重合体を構成成分として含有する共重合体。 (B)成分 燐化合物。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、 スチレン、α−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換
    スチレンから選択される少なくとも一種の芳香族ビニル
    系単量体50〜95重量%と、シアン化ビニル、アクリ
    ル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン
    酸無水物系単量体、及びマレイミド系単量体から選択さ
    れる少なくとも一種の単量体50〜5重量%との共重合
    体5〜80重量%、及び スチレン、α−メチルスチレン、及び核ハロゲン置換
    スチレンから選択される少なくとも一種の芳香族ビニル
    系単量体50〜95重量%と、シアン化ビニル、アクリ
    ル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和カルボン
    酸無水物系単量体、及びマレイミド系単量体から選択さ
    れる少なくとも一種の単量体50〜5重量%との混合物
    5〜90重量部を、ゴム質重合体95〜10重量部にグ
    ラフト重合させた共重合体5〜70重量%、及び 核ヒドロキシ置換芳香族ビニルの重合体5〜30重量
    %からなるポリマーブレンドであることを特徴とする請
    求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に有機窒素化合物を含有する請求項1
    又は2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分20〜99重量%と、他の熱
    可塑性樹脂80〜1重量%とを含有することを特徴とす
    る請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
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