JPH07304943A - ポリカーボネート系難燃性樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート系難燃性樹脂組成物

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JPH07304943A
JPH07304943A JP12190794A JP12190794A JPH07304943A JP H07304943 A JPH07304943 A JP H07304943A JP 12190794 A JP12190794 A JP 12190794A JP 12190794 A JP12190794 A JP 12190794A JP H07304943 A JPH07304943 A JP H07304943A
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Japan
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polycarbonate
dialkylphenyl
resin composition
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JP12190794A
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Yasuo Kobayashi
康男 小林
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネート系樹脂組成物に難燃性と高
い溶融流動性を付与し、成形品を精度よく成形する。 【構成】 芳香族ポリカーボネート(A)50〜95重
量%と少なくともゴム変性スチレン系樹脂を含むスチレ
ン系樹脂(B)5〜50重量%で構成された熱可塑性樹
脂混合物100重量部に対して、下記式(I)で表され
る芳香族リン酸エステル系難燃剤(C)5〜50重量
部、および粉状ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ
素樹脂(D)0.05〜5重量部を添加する。 【化1】 式中、R1 〜R4 の少なくとも1つは、炭素数1〜3の
アルキル基を有する2,4−ジアルキルフェニル基、
3,4−ジアルキルフェニル基又は3,5−ジアルキル
フェニル基であり、Aはフェニレン基、nは0〜5の整
数を示す。R1 〜R4 は、ジアルキルフェニル基/モノ
アルキルフェニル基=50〜90/50〜10(重量
%)の割合で含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融流動性などの成形
加工性に優れるポリカーボネート系難燃性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートと、ABS樹脂、AS
樹脂などのスチレン系樹脂との混合物は耐熱性および耐
衝撃性が高いため、いわゆるポリマーアロイとして、種
々の成形品、例えば、自動車、電気、電子の部品などに
幅広く使用されている。前記ポリマーアロイを電気・電
子部品やオフィスオートメーション(OA)機器のハウ
ジング、エンクロージャー、シャーシなどに使用する場
合、ポリマーアロイには難燃性が要求される。
【0003】特に、近年、製品の安全性を高めるため、
OA機器や家電製品の成形品には、アメリカの難燃規格
であるアンダーライターズラボラトリーズ社(UL)の
サブジェクト94に基づく最高難燃レベルであるV−O
や5Vの規格認定が要求される場合が多い。
【0004】一方、材料の使用量を低減するためには、
部品やハウジングの小形化のみならず薄肉化が有用であ
る。しかし、燃焼に伴なって、成形品の薄肉部から樹脂
の火垂れ(ドリップ)が生じ、他の可燃物を延焼させる
危険がある。そのため、難燃性樹脂組成物には、ドリッ
プしない高度の難燃性も要求される。
【0005】難燃性を付与するため、ポリカーボネート
とスチレン系樹脂とのポリマーアロイには、通常、ハロ
ゲン系難燃剤が添加されている。前記ハロゲン系難燃剤
としては、テトラブロモビスフェノールAやそのオリゴ
マー、臭素化エポキシオリゴマーなどに代表される臭素
系難燃剤と、三酸化アンチモンに代表される金属酸化物
を主体とする難燃助剤とを組み合わせて使用する場合が
多い。しかし、臭素系難燃剤のうち、デカブロモジフェ
ニルエーテル(DBDPO)やオクタブロモジフェニル
エーテル(OBDPE)は、樹脂組成物の燃焼に伴なっ
て有毒なジベンゾダイオキシンを生成させる可能性が、
欧州の環境保護団体から指摘されている。そのため、樹
脂の難燃化には非ハロゲン系難燃剤の使用が有用であ
る。
【0006】非ハロゲン系難燃剤としては、リン系難燃
剤、特に芳香族リン酸エステル系難燃剤が使用されてい
る。例えば、特開平2−32154号公報に対応する米
国特許第5,061,745号明細書には、モノマー型
リン酸エステル系難燃剤を、難燃助剤としてのポリテト
ラフルオロエチレンと組み合わせて使用することが開示
されている。米国特許第5,204,394号明細書に
は、ポリカーボネートとスチレン系樹脂との混合物にオ
リゴマー型リン酸エステルを添加することが開示されて
いる。さらに、米国特許第5,122,556号明細書
には、ポリカーボネートとダイマー型リン酸エステル系
難燃剤との使用が開示されている。さらには、特開昭6
1−62556号公報、特開昭62−4746号公報、
特開平2−115262号公報、特開平4−29855
4号公報、特開平5−179123号公報、特開平5−
262940号公報、特開平5−279531号公報な
どにも、ポリカーボネートとスチレン系樹脂とのポリマ
ーアロイにリン酸エステル系難燃剤を添加することが開
示されている。
【0007】これらの芳香族置換又は非置換のリン酸エ
ステル系難燃剤を用いると、ポリカーボネートとスチレ
ン系樹脂とのポリマーアロイに適度の難燃性と耐衝撃性
を付与できる。そのため、家庭電気機器、OA機器など
の成形材料として、一部実用化されている。
【0008】しかし、前記非ハロゲン系難燃剤を含むポ
リマーアロイは、成形時の溶融流動性が小さい。そのた
め、高い流動性を付与し、小型化のみならず、軽量化及
び薄肉化が必要とされる成形品を効率よく製造すること
が困難となる。また、前記溶融流動性を高めると、成形
品の耐熱性、耐衝撃性、機械的強度などが低下し易い。
例えば、ポリカーボネートに対するスチレン系樹脂の割
合を大きくすると、溶融流動性が高くなるものの、成形
品の耐熱性、難燃性が低下し易い。そのため、高い流動
性を維持しつつ、成形品の耐熱性、耐衝撃性、機械的強
度を高めることが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高い難燃性を付与できるとともに、高い溶融流動性
を有するポリカーボネート系難燃性樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0010】本発明の他の目的は、薄肉部を有する成形
品であっても精度よく成形できるポリカーボネート系難
燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、ポリカーボネ
ートとスチレン系樹脂とのポリマーアロイ系において、
燃焼時のドリップを防止でき、難燃性の高い樹脂組成物
を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、難燃性、耐熱性、耐
衝撃性および機械的強度に優れる成形品を得る上で有用
なポリカーボネート系難燃性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、フェニル基の特定の部
位にアルキル基が置換した芳香族リン酸エステルを非ハ
ロゲン系難燃剤として用いると、難燃性のみならず溶融
流動性が高く、成形品を精度よく成形できることを見い
だし、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明のポリカーボネート系難
燃性樹脂組成物は、(A)芳香族ポリカーボネート、
(B)スチレン系樹脂、(C)下記式(I)
【0015】
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一又は異な
って、炭素数1〜4のアルキル基を0〜3個有するフェ
ニル基を示し、Aは芳香族残基、nは0〜5の整数を示
す。ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも
1つは、2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジア
ルキルフェニル基又は3,5−ジアルキルフェニル基で
ある)で表される芳香族リン酸エステル系難燃剤、およ
び(D)フッ素樹脂を含んでいる。
【0016】前記式(I)で表される化合物において、
アルキル基は、メチル、エチル基などのように炭素数1
〜3程度のアルキル基であってもよく、Aはフェニレン
基であってもよい。R1 、R2 、R3 およびR4 全体に
対する2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアル
キルフェニル基及び3,5−ジアルキルフェニル基の割
合は、例えば、50モル%以上である場合が多く、
1 、R2 、R3 及びR4で表されるフェニル基におい
て、2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアルキ
ルフェニル基及び3,5−ジアルキルフェニル基とモノ
アルキルフェニル基との割合は、前者/後者=50〜9
0/50〜10(モル%)程度である場合が多い。
【0017】スチレン系樹脂(B)には、AS樹脂など
のゴム未変性スチレン系樹脂と、ABS樹脂などのゴム
変性スチレン系樹脂とが含まれ、ポリテトラフルオロエ
チレンなどのフッ素樹脂(D)は粉粒状で使用する場合
が多い。
【0018】[芳香族ポリカーボネート(A)]ポリカ
ーボネート(A)としては、種々のポリマー、例えば、
2価フェノール化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン
法)、または2価フェノール化合物と炭酸ジエステルと
の反応(エステル交換法)により得られるポリカーボネ
ートが使用できる。2価フェノール化合物としては、例
えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−シクロヘキシルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパンな
どの置換基を有していてもよいビス(ヒドロキシアリー
ル)アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロドデカンなどの置換基を有していて
もよいビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン;
4,4′−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′−
ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテルな
どのジヒドロキシアリールエーテル;4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ
−3,3′−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒ
ドロキシジアリールスルフィド;4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒ
ドロキシジアリールスルホキシド;4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロ
キシジアリールスルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)ケトンなどのジヒドロキシジアリールケトン;1,
4−ビス(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼ
ン、4,4′−ビス(4−ヒドロキシフェニルスルホニ
ル)ベンゼン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキ
シ)エタン、フェノールフタレインなどが例示される。
これらの2価フェノール化合物は単独で又は二種以上組
合せて使用できる。
【0019】好ましい2価フェノール化合物には、耐熱
性の高い芳香族ポリカーボネートを形成するビスフェノ
ール類、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンなどのビス(ヒドロキシフェニル)アルカ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンな
どのビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ジヒ
ドロキシジフェニルスルフィド、ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、ジヒドロキシジフェニルケトンなどが含ま
れる。特に好ましいフェノール化合物には、ビスフェノ
ールA型芳香族ポリカーボネートを形成する2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわちビス
フェノールA)が含まれる。
【0020】なお、耐熱性、機械的強度などを損わない
範囲であれば、ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネ
ートを製造する際、ビスフェノールAの一部を、他の2
価フェノール化合物で置換してもよい。
【0021】ポリカーボネートの分子量は、例えば、塩
化メチレンを用い20℃で測定した場合、粘度平均分子
量15000〜50000、好ましくは18000〜4
0000、さらに好ましくは20000〜30000程
度である。分子量が15000未満であると成形品の耐
衝撃性が低下し易く、50000を越えると流動性が低
下し易い。
【0022】ポリカーボネートの極限粘度は、例えば、
20℃塩化メチレン中、0.3〜0.7dl/g、好ま
しくは0.3〜0.65dl/g程度である。
【0023】[スチレン系樹脂(B)]スチレン系樹脂
(B)には、ゴム成分を含まないゴム未変性スチレン系
樹脂(B1 )とゴム変性スチレン系樹脂(B2 )とが含
まれる。また、ゴム変性スレン系樹脂(B2 )は、ゴム
成分とスチレン系樹脂との混合組成物(B2a)であって
もよく、ゴム成分(B21)の存在下、スチレン系単量
体、又はスチレン系単量体と非スチレン系ビニル単量体
とを含むビニル単量体混合物を重合したグラフト重合体
(B2b)であってもよい。
【0024】ゴム未変性スチレン系樹脂(B1 )には、
芳香族ビニル単量体(B1a)の単独又は共重合体、芳香
族ビニル単量体(B1a)と共重合可能な非スチレン系ビ
ニル単量体との共重合体が含まれる。
【0025】芳香族ビニル単量体(B1a)としては、例
えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、2,4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレンなど)、α−アルキル置換
スチレン(例えば、α−メチルスチレン、α−メチル−
p−メチルスチレンなど)、ハロゲン化スチレン(例え
ば、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンなど)な
どのスチレン系単量体が挙げられる。好ましい芳香族ビ
ニル単量体には、例えば、スチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、特にスチレン、α−メチルス
チレンが含まれる。これらの芳香族ビニル単量体は、一
種又は二種以上混合して使用できる。
【0026】非スチレン系ビニル単量体には、共重合可
能なビニル単量体、例えば、シアン化ビニル単量体(B
1b)(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル)、他の共重合可能なビニル単量体(B1C)[例え
ば、(メタ)アクリル系単量体(例えば、メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの炭
素数1〜10程度のアルキル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレートなどの官能基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリル酸など)、無水マ
レイン酸、N−置換マレイミドなど]が含まれる。
【0027】好ましい非スチレン系単量体には、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル系単量体(例
えば、メタクリル酸メチルなどの炭素数1〜4程度のア
ルキル(メタ)アクリレートなど)、無水マレイン酸、
N−置換マレイミドなど、特にアクリロニトリル、メタ
クリル酸メチルなどのアルキル(メタ)アクリレートな
どが含まれる。これらの非スチレン系単量体も一種又は
二種以上使用できる。
【0028】スチレン系樹脂(B1 )は、例えば、芳香
族ビニル単量体の単独又は共重合体(例えば、ポリスチ
レン)であってもよいが、スチレン系単量体(B1a)
と、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体(B
1b)との共重合体(例えば、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体(AS樹脂)など)、スチレン系単量体
(B1a)とアルキル(メタ)アクリレート(B1C)との
共重合体(例えば、スチレン−メタクリル酸メチル共重
合体など)、スチレン系単量体(B1a)と、シアン化
ビニル単量体(B1b)と、アルキル(メタ)アクリレー
トなどの共重合可能なビニル単量体(B1C)との共重合
体(例えば、スチレン−アクリロニトリル−メタクリル
酸メチル共重合体など)、スチレン−無水マレイン酸
共重合体やスチレン−N−置換マレイミド共重合体など
である場合が多い。
【0029】好ましいスチレン系樹脂(B1 )には、A
S樹脂、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体などが含まれる。ゴム未
変性スチレン系樹脂(B1 )は一種または二種以上使用
できる。
【0030】前記共重合体を形成するための各単量体の
割合は、溶融流動性、成形品の耐熱性、耐衝撃性などを
損わない範囲で選択でき、例えば、芳香族ビニル単量体
(B1a)50〜90重量%(好ましくは55〜85重量
%、さらに好ましくは60〜80重量%)程度、シアン
化ビニル単量体(B1b)10〜40重量%(好ましくは
15〜35重量%、さらに好ましくは20〜30重量%
程度)、および(メタ)アクリル系単量体などの共重合
可能なビニル単量体(B1C)0〜40重量%(好ましく
は0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%)
程度である。芳香族ビニル単量体(B1a)の量が50重
量%未満では、成形品が着色したり、劣化する可能性が
あり、90重量%を越えると成形品の耐熱性や耐薬品性
が低下し易い。また、シアン化ビニル単量体(B1b)、
および(メタ)アクリル系単量体などの共重合可能なビ
ニル単量体(B1C)の使用量が、それぞれ、40重量%
を越えると、溶融流動性が低下する場合がある。
【0031】ゴム変性スチレン系樹脂(B2 )における
ゴム成分としては、例えば、ポリブタジエンゴム、ブタ
ジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、エチレン−ブロピレンゴム、EPDMゴム
(エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム)、ポリイ
ソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、アクリルゴム、
エチレン−酢酸ビニル共重合体などのスチレン単位を含
まない非スチレン系ゴム状重合体;スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体な
どのスチレン単位を含むスチレン系ゴム状重合体が例示
できる。これらのゴム状重合体は一種又は二種以上使用
できる。
【0032】好ましいゴム成分には、ポリブタジエン、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−プ
ロピレンゴム、EPDMゴム、アクリルゴム、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体が含まれる。ゴム成分としては、ブタジエン単
位を含む重合体(例えば、ポリブタジエン、スチレン−
ブタジエン共重合体など)を用いる場合が多い。
【0033】ゴム成分のガラス転移温度Tgは0℃以
下、好ましくは−150℃〜0℃、さらに好ましくは−
100℃〜−10℃程度である。ゴム成分のガラス転移
温度が0℃を越えると、成形品の衝撃強度が低下し易
い。
【0034】ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム成分とス
チレン系樹脂との混合物で構成してもよいが、少なくと
もスチレン系単量体がゴム成分にグラフト重合した耐衝
撃性スチレン系樹脂であるのが好ましい。ゴム変性スチ
レン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエンにスチレ
ンが重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリ
ブタジエンにアクリロニトリルとスチレンとが重合した
ABS樹脂、アクリルゴムにアクリロニトリルとスチレ
ンとが重合したAAS樹脂、塩素化ポリエチレンにアク
リロニトリルとスチレンとが重合したACS樹脂、エチ
レン−プロピレンゴム(EPDMゴム)にアクリロニト
リルとスチレンとが重合したAES樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体にアクリロニトリルとスチレンとが重
合したターポリマー、ポリブタジエンにメタクリル酸メ
チルとスチレンとが重合したMBS樹脂などが挙げられ
る。これらのゴム変性スチレン系樹脂は、一種又は二種
以上使用できる。
【0035】ゴム変性スチレン系樹脂(B2 )のうちゴ
ム成分を除く構成成分とその割合は、前記ゴム未変性ス
チレン系樹脂と共通する場合が多い。ゴム成分(B21)
と、少なくとも芳香族ビニル単量体を含む重合性単量体
との割合は、ゴム変性スチレン系樹脂の特性に応じて広
い範囲で選択でき、例えば、前者/後者=5〜65/3
5〜95(重量%)、好ましくは10〜60/40〜9
0(重量%)、さらに好ましくは15〜50/50〜8
5(重量%)程度であり、10〜65/35〜90(重
量%)程度である場合が多い。このような割合でグラフ
ト重合すると、前記割合に対応してゴム成分を含有する
耐衝撃性の高いグラフト重合体を得ることができる。ゴ
ム変性スチレン系樹脂(B2 )において、重合性単量体
の組成は、例えば、(B1a)芳香族ビニル単量体20〜
90重量%(好ましくは21〜85重量%程度)、(B
1b)シアン化ビニル単量体10〜40重量%(好ましく
は14〜38重量%程度)および(B1c)共重合可能な
ビニル単量体0〜40重量%(好ましくは0〜30重量
%程度)である場合が多い。
【0036】ゴム変性スチレン系樹脂(B2 )、特にグ
ラフト重合体中に分散したゴム成分の平均粒子径は、例
えば、0.05〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、
さらに好ましくは0.1〜1μm程度である。ゴム成分
の平均粒子径が0.05μm未満であると成形品の衝撃
強度が低下し、5μmを越えると成形品の光沢や表面外
観が低下し易い。なお、ゴム成分は、粒度分布におい
て、複数のピーク(例えば2つのピークなど)を有する
ゴム分散粒子として分散していてもよい。
【0037】スチレン系樹脂(B)は、ゴム未変性スチ
レン系樹脂(B1 )単独で構成してもよいが、耐衝撃性
を高めるため、少なくともゴム変性スチレン系樹脂(B
2 )、特にグラフト共重合体を含むのが好ましい。すな
わち、好ましいスチレン系樹脂(B)には、(1)ゴム
変性スチレン系樹脂(B2 )単独、(2)ゴム未変性ス
チレン系樹脂(B1 )とゴム変性スチレン系樹脂(B2
)との混合樹脂組成物が含まれる。
【0038】スチレン系樹脂(B)としては、溶融流動
性および成形加工性を高めるため、通常、ゴム未変性ス
チレン系樹脂(B1 )とゴム変性スチレン系樹脂(B2
)とを混合して使用する場合が多い。ゴム未変性スチ
レン系樹脂(B1 )とゴム変性スチレン系樹脂(B2 )
との割合は、広い範囲で選択でき、例えば、前者/後者
=0〜75/100〜25(重量%)、好ましくは0〜
60/40〜100(重量%)、さらに好ましくは0〜
50/50〜100(重量%)程度であり、10〜40
/60〜90(重量%)程度である場合が多い。ゴム未
変性スチレン系樹脂(B1 )の割合が75重量%を越え
ると、成形品の耐衝撃性が低下し易く、ゴム変性スチレ
ン系樹脂(B2 )の割合が25重量%未満であると、成
形品の耐衝撃性が低下し易い。
【0039】AS樹脂などのゴム未変性スチレン系樹脂
(B1 )とABS樹脂などのゴム変性スチレン系樹脂
(B2 )との混合樹脂組成物でスチレン系樹脂(B)を
構成する場合、スチレン系樹脂(B)におけるゴム成分
の含有量は、例えば、1〜50重量%、好ましくは5〜
40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%程度で
ある。ゴム成分の含有量が1重量%未満では成形品の耐
衝撃性が低く、50重量%を越えると溶融流動性が低下
したり成形過程でゲル化や着色劣化が生じ易い。
【0040】前記ゴム未変性スチレン系樹脂は、慣用の
方法、例えば、乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重
合などにより製造できる。ゴム変性スチレン系樹脂(グ
ラフト重合体)は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合によ
り製造する場合が多い。なお、重合に際しては、必要に
応じて、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの溶剤、ミネラルオイルなどの反応に不活性な溶
媒、分子量調整剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤などを添
加してもよい。
【0041】[樹脂混合物]前記ポリカーボネート
(A)とスチレン系樹脂(B)とを溶融混合すると、ポ
リマーアロイを形成するためか、耐熱性および耐衝撃性
の高い成形品が得られる。前記ポリカーボネート(A)
とスチレン系樹脂(B)との割合は、耐熱性、耐衝撃
性、溶融流動性などを損わない範囲で、各樹脂の種類な
どに応じて選択でき、例えば、前者/後者=40〜95
/5〜60(重量%)、好ましくは50〜95/5〜5
0(重量%)、さらに好ましくは55〜85/15〜4
5(重量%)程度である。ポリカーボネート(A)とス
チレン系樹脂(B)との割合は、前者/後者=50/5
0〜90/10(重量%)、特に60/40〜90/1
0(重量%)程度である場合が多い。ポリカーボネート
(A)の含有量が40重量%未満であると溶融流動性は
高いものの成形品の耐熱性や耐衝撃性が低下し易く、9
5重量%を越えると成形過程での溶融流動性が低下し易
い。上記樹脂混合物において、ゴム含量は、例えば、1
〜30重量%、好ましくは1〜25重量%程度である。
【0042】[芳香族リン酸エステル系難燃剤(C)]
芳香族リン酸エステル系難燃剤(C)は、前記式(I)
で表される。式(I)においてR1 〜R4 のフェニル基
に置換していてもよいアルキル基としては、例えば、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、s−ブチル、t−ブチル基などの炭素数1〜4
程度の低級アルキル基が例示される。これらのアルキル
基のうち、炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基及
び/又はエチル基が好ましい。このようなアルキル基の
置換数は、各フェニル基に対して0〜3個、好ましくは
1又は2程度である。
【0043】Aで表される芳香族残基には、例えば、
1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4
−フェニレン基などのフェニレン基、ハイドロキノン残
基、ナフタレン残基などのアリーレン基、ビスフェノー
ルA残基などが含まれる。好ましい芳香族残基はアリー
レン基、特にフェニレン基である。
【0044】本発明の特色は、R1 、R2 、R3 および
4 で表されるフェニル基の特定の部位に2つのアルキ
ル基が結合している点にある。すなわち、前記置換基R
1 〜R4 のうち少なくとも1つは、2,4−ジアルキル
フェニル基、3,4−ジアルキルフェニル基又は3,5
−ジアルキルフェニル基である。好ましいジアルキルフ
ェニル基には、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−
ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、
2,4−ジエチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニ
ル基、3,5−ジエチルフェニル基、2−メチル−4−
エチルフェニル基、3−メチル−4−エチルフェニル
基、3−メチル−5−エチルフェニル基、2−エチル−
4−メチルフェニル基、3−エチル−4−メチルフェニ
ル基、3−エチル−5−メチルフェニル基、2,4−ジ
プロピルフェニル基、3,4−ジプロピルフェニル基、
3,5−ジプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピ
ルフェニル基、3,4−ジイソプロピルフェニル基、
3,5−ジイソプロピルフェニル基などが含まれる。
【0045】前記置換基R1 、R2 、R3 およびR
4 は、2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアル
キルフェニル基及び3,5−ジアルキルフェニル基から
選ばれた同一又は異なるジアルキルフェニル基であって
もよい。置換基R1 〜R4 が、2,4−ジアルキルフェ
ニル基、3,4−ジアルキルフェニル基及び/又は3,
5−ジアルキルフェニル基である化合物を用いると、溶
融流動性を顕著に改善できる。なお、置換基R1 〜R4
の全てが2,6−ジアルキルフェニル基である化合物を
用いると、溶融流動性はさほど改善されない。
【0046】このような2,4−ジアルキルフェニル
基、3,4−ジアルキルフェニル基及び/又は3,5−
ジアルキルフェニル基を含む限り、置換基R1 〜R
4 は、フェニル基、モノアルキルフェニル基(例えば、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メ
チルフェニル基など)、2,3−ジアルキルフェニル
基、2,5−ジアルキルフェニル基、2,6−ジアルキ
ルフェニル基(例えば、2,6−ジメチルフェニル基な
ど)、トリアルキルフェニル基(例えば、2,4,6−
トリメチルフェニル基など)などを含んでいてもよい。
前記式(I)で表される化合物は、2,4−ジアルキル
フェニル基、3,4−ジアルキルフェニル基及び3,5
−ジアルキルフェニル基に対して位置異性の関係にある
2,6−ジアルキルフェニル基や、フェニル基、モノア
ルキルフェニル基を含む場合が多い。
【0047】R1 、R2 、R3 およびR4 全体に対する
2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアルキルフ
ェニル基及び3,5−ジアルキルフェニル基の割合は、
溶融流動性、耐熱性などを損わない範囲であればよく、
例えば、50モル%以上、好ましくは60〜100モル
%、さらに好ましくは65〜100モル%程度である。
上記ジアルキルフェニル基の割合が50モル%未満で
は、成形時の溶融流動性が低下する場合がある。
【0048】さらに、R1 、R2 、R3 およびR4 が、
ジアルキルフェニル基(2,4−ジアルキルフェニル
基、2,6−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアルキ
ルフェニル基、3,5−ジアルキルフェニル基など)と
モノアルキルフェニル基とを含む場合、2,4−ジアル
キルフェニル基、3,4−ジアルキルフェニル基および
3,5−ジアルキルフェニル基とモノアルキルフェニル
基との割合は、前者/後者=50〜95/50〜5(モ
ル%)、好ましくは50〜90/50〜10(モル
%)、さらに好ましくは60〜90/40〜10(モル
%)程度である。なお、上記ジアルキルフェニル基とモ
ノアルキルフェニル基との割合は、前者/後者=60〜
80/40〜20(モル%)程度である場合が多い。前
記ジアルキルフェニル基の割合が前記範囲を外れると成
形過程での溶融流動性が低下する場合がある。
【0049】前記式(I)において、繰返し単位nは、
0を含む1〜5の整数であればよいが、リン酸エステル
オリゴマー型難燃剤を構成するため、1〜3の整数、特
に1又は2であるのが好ましい。
【0050】芳香族リン酸エステル系難燃剤(C)は、
繰返し単位nの異なるリン酸エステル混合物で構成され
ている場合が多く、nの平均値は0.5〜2.0、好ま
しくは1.0〜1.8、さらに好ましくは1.2〜1.
7程度である。繰返し単位nの異なるリン酸エステル混
合物において、n=1の化合物の割合は、例えば、40
〜90モル%、好ましくは50〜80モル%、さらに好
ましくは55〜75モル%程度である。より具体的に
は、リン酸エステルオリゴマー混合物において、n=0
の化合物は0〜10モル%(好ましくは0〜7モル%、
さらに好ましくは0〜5モル%程度)、n=1の化合物
は40〜90モル%(好ましくは50〜80モル%、さ
らに好ましくは55〜75モル%程度)、n=2の化合
物は5〜40モル%(好ましくは7〜35モル%、さら
に好ましくは10〜30モル%程度)、およびn≧3の
化合物は5〜25モル%(好ましくは7〜20モル%、
さらに好ましくは7〜17モル%程度)程度である場合
が多く、n≧3の化合物は1〜25モル%程度であって
もよい。
【0051】前記式(I)で表される難燃剤は、種々の
方法、例えば、特開平5−1079号公報に記載されて
いるように、R1 、R2 、R3 およびR4 に対応するフ
ェノール化合物(例えば、フェノール、クレゾール、キ
シレノールなど)と、オキシ塩化リンと、芳香族残基A
に対応する二価フェノール(例えばレゾルシノール、ハ
イドロキノン、ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキ
シベンゼンなど)との反応により製造できる。なお、R
1 、R2 、R3 及びR4 に対応するフェノール化合物の
種類と使用量により、前記ジアルキルフェニル基とモノ
アルキルフェニル基との割合などを容易に調整できる。
【0052】前記式(I)で表される化合物(C)は、
前記ポリカーボネートとスチレン系樹脂(B)に難燃性
を付与するための有効量、例えば、前記ポリカーボネー
ト(A)とスチレン系樹脂(B)との混合樹脂組成物1
00重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは10
〜30重量部、さらに好ましくは15〜25重量部程度
である。前記混合樹脂組成物100重量部に対する難燃
剤(C)の添加量が5重量部未満では、高い溶融流動
性、UL規格に適合する高い難燃性を付与することが困
難であり、50重量部を越えると、溶融流動性および難
燃性は高いものの、成形品の耐熱性が低下し易くなる。
なお、混合樹脂組成物100重量部に対する式(I)で
表される難燃剤(C)の添加量が10〜25重量部程度
であると、難燃性、耐熱性、耐衝撃性、溶融流動性など
の種々の特性がバランスのとれた特性となる。
【0053】[フッ素樹脂(D)]フッ素樹脂(D)
は、火種及び融液の落下(ドリップ)を抑制するため難
燃助剤として機能する。フッ素樹脂には、例えば、テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビ
ニルフルオライド、ビニリデンフルオライド、ヘキサフ
ルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテ
ルなどのフッ素含有モノマーの単独又は共重合体;前記
フッ素含有モノマーと、エチレン、プロピレン、アクリ
レートなどの共重合性モノマーとの共重合体が含まれ
る。フッ素樹脂の具体例としては、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライドなどの単独重合体;テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合
体などの共重合体が例示される。これらのフッ素樹脂は
一種又は二種以上混合して使用できる。これらのフッ素
樹脂の中で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
が好ましい。なお、フッ素樹脂は、慣用の方法、例え
ば、米国特許第2,393,967号明細書に記載の乳
化重合法などにより得ることができる。
【0054】前記フッ素樹脂は、ポリカーボネートおよ
びスチレン系樹脂との溶融混合により混和してもよい
が、粉状、例えば、平均粒径10〜5000μm、好ま
しくは100〜1000μm、さらに好ましくは200
〜700μm程度の粉粒体として使用する場合が多い。
【0055】フッ素樹脂のフッ素含量は、樹脂の種類に
応じて難燃性を付与できる範囲で選択でき、例えば、6
5〜75重量%、好ましくは70〜74重量%程度であ
る場合が多い。また、粉粒状フッ素樹脂の見掛け密度
は、例えば、0.4〜0.6g/cm3 、好ましくは
0.43〜0.47g/cm3 程度であり、フッ素樹脂
がポリテトラフルオロエチレンである場合、比重は2.
13〜2.22g/cm3程度、融点は326〜328
℃程度である。
【0056】難燃助剤(D)の使用量は、例えば、樹脂
混合物100重量部に対して0.05〜5重量部、好ま
しくは0.1〜2重量部、さらに好ましくは0.2〜1
重量部程度である。フッ素樹脂(D)の添加量が0.0
5重量部未満では火種や融滴の滴下防止効果(ドリップ
防止効果)が小さく、高い難燃性を成形品に付与するこ
とが困難であり、5重量部を越えると、成形品の熱収縮
が大きく、加熱時の寸法精度が低下するだけでなくコス
ト高となる。
【0057】[その他の添加剤]本発明の難燃性樹脂組
成物には、種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、耐光安定剤などの劣化防止剤、滑剤、帯電防止
剤、離型剤、可塑剤、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミ
ド、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維な
どの補強繊維、炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤、
顔料などの着色剤などを添加してもよい。前記添加剤の
使用量は、耐熱性、耐衝撃性、機械的強度などを損わな
い範囲で、添加剤の種類に応じて適当に選択できる。例
えば、酸化防止剤などの添加剤の添加量は、組成物全体
に対して5重量%以下である場合が多く、ガラス繊維な
どの補強剤や充填剤の使用量は、組成物全体に対して5
0重量%以下である場合が多い。
【0058】[難燃性樹脂組成物の調製]難燃性樹脂組
成物は、ポリカーボネート(A)、スチレン系樹脂
(B)、芳香族リン酸エステル系難燃剤(C)及びフッ
素樹脂(D)をV型ブレンダー、スーパーミキサー、ス
ーパーフローター、ヘンシェルミキサーなどの混合機を
用いて予備混合した組成物であってもよいが、通常、前
記予備混合物を均一に溶融混合した混合物である場合が
多い。このような混合物は、前記予備混合物を、混練手
段を用い、例えば、200〜300℃、好ましくは22
0〜280℃程度の温度で溶融混練し、ペレット化する
ことにより得ることができる。混練手段としては、種々
の溶融混合機、例えば、ニーダー、一軸又は二軸押出し
機などが使用できるが、二軸押出し機などを用いて樹脂
組成物を溶融して押出し、ペレタイザによりペレット化
する場合が多い。
【0059】本発明の難燃性樹脂組成物は、溶融流動性
が高いため、小型の成形品のみならず、軽量な成形品及
び薄肉部を有する成形品も精度よく成形できるととも
に、高い難燃性を成形品に付与できる。そのため、前記
難燃性樹脂組成物は、家庭電化用品、OA機器などのハ
ウジングやエンクロージャー、携帯電話機などの薄物ハ
ウジングやケーシングなどの種々の成形品を成形する材
料として有用である。このような成形品は、慣用の方
法、例えば、ペレット状難燃性樹脂組成物を射出成形機
を用いて、例えば、220〜280℃程度のシリンダー
温度で射出成形することにより製造できる。
【0060】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート系難燃樹脂組
成物は、特定の芳香族リン酸エステル系難燃剤を含んで
いるので、難燃性、耐炎性に優れるだけでなく、溶融流
動性が高い。そのため、ハウジングなどの大型成形品の
みならず、薄肉部を有する成形品や薄物成形品であって
も精度よく成形できる。また、ポリカーボネートとスチ
レン系樹脂とのポリマーアロイ系に、芳香族リン酸エス
テル系難燃剤とフッ素樹脂とを組合せて添加するので、
燃焼時の成形品からのドリップを防止でき、高い難燃性
を付与できるとともに、耐熱性、耐衝撃性および機械的
強度を有する成形品を得ることができる。
【0061】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0062】なお、引張り強度(kg/cm2 )および
引張り伸度(%)は、クロスヘッドスピード5mm/分
でASTM D−638に準じて測定し、曲げ弾性率
(kg/cm2 )は3mm/分でASTM D−790
に準じて測定し、アイゾット衝撃強度(kgcm/c
m)は、1/4インチの切削ノッチ付きテストピースを
用いASTM D−256に準じて測定した。
【0063】また、耐熱変形温度(℃)は、1/4イン
チのバーに荷重18.56kg/cm2 を作用させて、
ASTM D−256に準じて測定し、溶融流動性(g
/10分)は、230℃、5kg荷重の条件でJIS
K−7210に準じて測定し、耐炎性は、厚み1/16
インチのテストピースを用い、UL−94に準じて評価
した。
【0064】さらに、スパイラルフロー長さ(mm)を
シリンダー温度240℃、射出圧750kgf/c
2 、厚み2mmで調べた。
【0065】実施例1 ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製、タフロ
ンFN2700、粘度平均分子量27000)70重量
部、下記のゴム未変性スチレン系樹脂10重量部および
下記のゴム変性スチレン系樹脂20重量部とを用いて熱
可塑性樹脂混合物を調製した。
【0066】ゴム未変性スチレン系樹脂:スチレン75
重量部とアクリロニトリル25重量部とを、特公昭62
−51962号公報に記載の方法に準じて、リン酸カル
シウム系の分散剤水溶液中で懸濁重合法により重合した
共重合体(重量平均分子量123,000)。
【0067】ゴム変性スチレン系樹脂:特開平5−32
0274号公報に記載の方法に準じて、ポリブタジエン
ゴムとスチレン−ブタジエンゴムラテックスとのゴム成
分(固形分換算で40重量部)の存在下、スチレン45
重量部およびアクリロニトリル15重量部を乳化重合す
る方法により重合したグラフト共重合体。
【0068】前記熱可塑性樹脂混合物100重量部に対
して、リン酸エステル系難燃剤(大八化学工業(株)
製、CR733RS)19重量部、ポリテトラフルオロ
エチレン(ダイキン工業(株)製、ポリフロンTFE
(グレード名F−104)、平均粒子径約50μm、見
掛け密度0.45g/ml、融点326〜328℃、比
重2.14〜2.20、フッ素含量約76%)0.4重
量部、酸化防止剤0.2重量部および熱安定剤0.2重
量部を添加し、V型ブレンダーにて、40分間予備混合
した。この予備混合物を、二軸混練押出し機を用いて溶
融押出してペレット化した。
【0069】なお、上記リン酸エステル系難燃剤は、前
記式(I)において、R1 、R2 、R3 およびR4 全体
の70重量%は、2,4−ジメチルフェニル基、3,4
−ジメチルフェニル基及び3,5−ジメチルフェニル基
であり、30重量%はメチルフェニル基及びエチルフェ
ニル基であり、Aは1,3−フェニレン基であり、n=
0の化合物が3重量%未満、n≧1の化合物が97重量
%以上である。また、n=1の化合物が約70重量%、
n=2の化合物が約20重量%、n≧3の化合物が約7
重量%である。
【0070】得られたペレットを80℃のオーブンで4
時間以上乾燥した後、型締力100トンの射出成形機を
用いて温度240℃、スクリュー回転数80rpmで射
出成形し、テストピース(ASTM2号ダンベル片、バ
ー(厚み1/4インチ、長さ126mm)、およびUL
燃焼テストピース(126mm×126mm×1.6m
m厚み))を成形した。
【0071】実施例2 ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製、タフロ
ンFN2700、粘度平均分子量27000)80重量
部、ゴム未変性スチレン系樹脂として、スチレン15重
量部とα−メチルスチレン50重量部とアクリロニトリ
ル25重量部とを、懸濁重合法により重合した共重合体
(重量平均分子量90,000)10重量部、ゴム変性
スチレン系樹脂として、ポリブタジエンゴムとスチレン
−ブタジエン共重合体ゴムラテックスとのゴム成分(固
形分換算で25重量部)の存在下、スチレン56重量部
およびアクリロニトリル19重量部を乳化重合したグラ
フト共重合体10重量部を用いて熱可塑性樹脂組成物を
調整する以外、実施例1と同様にして、テストピースを
作製した。
【0072】比較例1 実施例1の芳香族リン酸エステル系難燃剤19重量部に
代えて、前記式(I)においてR1 、R2 、R3 および
4 が未置換のフェニル基で構成され、n=1〜5の非
置換芳香族リン酸エステル系難燃剤(大八化学工業
(株)製、CR733S)16重量部を用いる以外、実
施例1と同様にして、テストピースを作製した。上記非
置換芳香族リン酸エステル系難燃剤において、n=0の
化合物が約3%、n=1の化合物が約70%、n=2の
化合物が約20%、n≧3の化合物が約7%である。な
お、組成物中のリン含量を、実施例1の組成物と同様に
するため、非置換芳香族リン酸エステル系難燃剤の添加
量を16重量部とした。
【0073】比較例2 比較例1の非置換芳香族リン酸エステル系難燃剤の使用
量を、実施例1と同じく19重量部とする以外、実施例
1と同様にして、テストピースを作製した。
【0074】比較例3 実施例1の芳香族リン酸エステル系難燃剤19重量部に
代えて、置換芳香族リン酸エステルダイマー型難燃剤
(大八化学工業(株)製、PX201)19重量部を用
いる以外、実施例1と同様にして、テストピースを作製
した。この難燃剤は、前記式(I)においてR1
2 、R3 およびR4 が2,6−ジメチルフェニル基で
構成され、n=1の芳香族リン酸エステル系化合物であ
る。
【0075】実施例3 ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製、タフロ
ンFN2700、粘度平均分子量27000)80重量
部に対して、下記のゴム未変性スチレン系樹脂10重量
部およびゴム変性スチレン系樹脂10重量部を用いると
ともに、実施例1のリン酸エステル系難燃剤の使用量を
23重量部、実施例1のフッ素樹脂の使用量を0.6重
量部とする以外、実施例1と同様にして、テストピース
を作製した。
【0076】ゴム未変性スチレン系樹脂:α−メチルス
チレン63重量部、スチレン10重量部、アクリロニト
リル23重量部とメチルメタクリレート4重量部とを、
塊状重合法により重合した共重合体(重量平均分子量1
40,000)ゴム変性スチレン系樹脂:ポリブタジエ
ンゴムラテックス(固形分換算で40重量部)の存在
下、スチレン45重量部およびアクリロニトリル15重
量部を乳化重合したグラフト共重合体。
【0077】実施例4 実施例1のゴム未変性スチレン系樹脂に代えて、実施例
2のゴム未変性スチレン系樹脂10重量部、実施例1の
ゴム変性スチレン系樹脂に代えて、実施例2のゴム変性
スチレン系樹脂20重量部を用いるとともに、フッ素樹
脂の使用量を0.2重量部とする以外、実施例1と同様
にして、テストピースを作製した。
【0078】実施例5 ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製、タフロ
ンFN2700、粘度平均分子量27000)60重量
部に対して、実施例2のゴム未変性スチレン系樹脂20
重量部および実施例2のゴム変性スチレン系樹脂20重
量部を用いるとともに、リン酸エステル系難燃剤の使用
量を17重量部とする以外、実施例1と同様にして、テ
ストピースを作製した。
【0079】実施例6 ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製、タフロ
ンFN2700、粘度平均分子量27000)80重量
部、実施例1のゴム未変性スチレン系樹脂10重量部、
実施例1のゴム変性スチレン系樹脂10重量部を用いる
とともに、実施例1の実施例1のリン酸エステル系難燃
剤の使用量を40重量部、実施例1のフッ素樹脂の使用
量を0.2重量部とする以外、実施例1と同様にして、
テストピースを作製した。
【0080】比較例4 実施例1のポリカーボネート樹脂40重量部、実施例3
のゴム未変性スチレン系樹脂30重量部、実施例3のゴ
ム変性スチレン系樹脂30重量部を用いるとともに、比
較例2のリン酸エステル系難燃剤19重量部を用いる以
外、実施例1と同様にして、テストピースを作製した。
【0081】比較例5 実施例1のポリカーボネート樹脂95重量部、実施例2
のゴム未変性スチレン系樹脂2.5重量部、実施例2の
ゴム変形スチレン系樹脂2.5重量部を用いるととも
に、比較例3のリン酸エステル系難燃剤19重量部を用
いる以外、実施例1と同様にして、テストピースを作製
した。
【0082】実施例7 実施例1のスチレン系樹脂(B)30重量部に代えて、
実施例1のゴム未変性スチレン系樹脂(AS樹脂)15
重量部、実施例1のゴム変性スチレン系樹脂(ABS樹
脂)15重量部を用いる以外、実施例1と同様にして、
テストピースを作製した。
【0083】実施例8 実施例1のスチレン系樹脂(B)30重量部に代えて、
実施例1のゴム未変性スチレン系樹脂(AS樹脂)20
重量部、実施例1のゴム変性スチレン系樹脂(ABS樹
脂)10重量部を用いる以外、実施例1と同様にして、
テストピースを作製した。
【0084】そして、実施例および比較例で得られたテ
ストピースの特性を評価したところ、表1に示す結果を
得た。なお、表中、「スチレン系樹脂の種類」の欄にお
いて、実施例1で用いたスチレン系樹脂を記号(1)、
実施例2で用いたスチレン系樹脂を記号(2)、実施例
3で用いたスチレン系樹脂を記号(3)で示し、「スチ
レン系樹脂の使用量」の欄には、ゴム未変性スチレン系
樹脂とゴム変性スチレン系樹脂との総量を示した。「難
燃剤の種類」の欄には、実施例1で用いた難燃剤を記号
(1)、比較例1で用いた難燃剤を記号(2)、比較例
3で用いた難燃剤を記号(3)で示した。
【0085】
【表1】 表1より明らかなように、実施例1〜8の組成物は、比
較例1〜4の組成物に比べて、難燃性、特に溶融流動性
が高く、大型や薄肉の成形品を成形する上で有用であ
る。なお、比較例4の組成物は溶融流動性が高いものの
難燃性が小さく、比較例5の組成物は、耐熱性は高いも
のの溶融流動性が低い。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート、(B)
    スチレン系樹脂、(C)下記式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一又は異な
    って、炭素数1〜4のアルキル基を0〜3個有するフェ
    ニル基を示し、Aは芳香族残基、nは0〜5の整数を示
    す。ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも
    1つは、2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジア
    ルキルフェニル基又は3,5−ジアルキルフェニル基で
    ある)で表される芳香族リン酸エステル系難燃剤、およ
    び(D)フッ素樹脂を含むポリカーボネート系難燃性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 2,4−ジアルキルフェニル基、3,4
    −ジアルキルフェニル基又は3,5−ジアルキルフェニ
    ル基のアルキル基が、炭素数1〜3のアルキル基であ
    り、Aがフェニレン基である請求項1記載のポリカーボ
    ネート系難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 R1 、R2 、R3 およびR4 全体に対す
    る2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアルキル
    フェニル基及び3,5−ジアルキルフェニル基の割合
    が、50モル%以上である請求項1記載のポリカーボネ
    ート系難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 R1 、R2 、R3 およびR4 が、2,4
    −ジアルキルフェニル基、3,4−ジアルキルフェニル
    基及び3,5−ジアルキルフェニル基とモノアルキルフ
    ェニル基とを前者/後者=50〜90/50〜10(重
    量%)の割合で含む請求項1記載のポリカーボネート系
    難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アルキル基がメチル基又はエチル基であ
    る請求項1記載のポリカーボネート系難燃性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリカーボネート(A)がビスフ
    ェノールA型芳香族ポリカーボネートである請求項1記
    載のポリカーボネート系難燃性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 フッ素樹脂(D)が粉状ポリテトラフル
    オロエチレンである請求項1記載のポリカーボネート系
    難燃性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 芳香族ポリカーボネート(A)40〜9
    5重量%とスチレン系樹脂(B)5〜60重量%で構成
    された熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、芳香
    族リン酸エステル難燃剤(C)5〜50重量部、および
    フッ素樹脂(D)0.05〜5重量部の割合で含む請求
    項1記載のポリカーボネート系難燃性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 スチレン系樹脂(B)が、ゴム未変性ス
    チレン系樹脂(B1)/ゴム変性スチレン系樹脂(B2
    )=0〜75/25〜100(重量比)で構成されて
    いる請求項1記載のポリカーボネート系難燃性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 ゴム未変性スチレン系樹脂(B1 )
    が、(B1a)芳香族ビニル単量体50〜90重量%、
    (B1b)シアン化ビニル単量体10〜40重量%および
    (B1c)共重合可能なビニル単量体0〜40重量%の共
    重合体である請求項9記載のポリカーボネート系難燃性
    樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 ゴム変性スチレン系樹脂(B2 )が、
    (B21)ガラス転移点(Tg)が0℃以下のゴム質重合
    体5〜65重量%に、少なくとも(B1a)芳香族ビニル
    単量体を含む重合性ビニル単量体35〜95重量%が重
    合したグラフト共重合体である請求項9記載のポリカー
    ボネート系難燃性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 (A)ビスフェノールA型芳香族ポリ
    カーボネート50〜95重量%と(B)スチレン系樹脂
    5〜50重量%とで構成された熱可塑性樹脂混合物10
    0重量部に対して、(C)下記式(I) 【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、同一又は異な
    って、炭素数1〜3のアルキル基を0〜3個有するフェ
    ニル基を示し、Aはフェニレン基、nは0〜5の整数を
    示す。ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくと
    も1つは、2,4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジ
    アルキルフェニル基又は3,5−ジアルキルフェニル基
    であり、R1 、R2 、R3 およびR4 全体に対する2,
    4−ジアルキルフェニル基、3,4−ジアルキルフェニ
    ル基及び3,5−ジアルキルフェニル基の割合が60〜
    100モル%である)で表される芳香族リン酸エステル
    系難燃剤10〜30重量部、および(D)粉状ポリテト
    ラフルオロエチレン0.1〜2重量部を含むポリカーボ
    ネート系難燃性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 芳香族リン酸エステル系難燃剤(C)
    がnの異なるリン酸エステル混合物で構成され、nの平
    均値が0.5〜2.0である請求項12記載のポリカー
    ボネート系難燃性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 2,4−ジメチルフェニル基、3,4
    −ジメチルフェニル基及び3,5−ジメチルフェニル基
    とモノアルキルフェニル基との割合が前者/後者=60
    〜90/40〜10(モル%)である請求項12記載の
    ポリカーボネート系難燃性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 2,4−ジアルキルフェニル基、3,
    4−ジアルキルフェニル基及び3,5−ジアルキルフェ
    ニル基とモノアルキルフェニル基との割合が前者/後者
    =60〜80/40〜20(モル%)である請求項12
    記載のポリカーボネート系難燃性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 芳香族リン酸エステル系難燃剤が、n
    =0の化合物0〜10モル%、n=1の化合物40〜9
    0モル%、n=2の化合物5〜40モル%、およびn≧
    3の化合物5〜25モル%のリン酸エステル混合物で構
    成されている請求項12記載のポリカーボネート系難燃
    性樹脂組成物。
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DE69532566T DE69532566T2 (de) 1994-05-10 1995-05-05 Flammenhemmende Kunststoffmasse
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014141670A (ja) * 2012-12-28 2014-08-07 Techno Polymer Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び成形品
JP2016130291A (ja) * 2015-01-14 2016-07-21 帝人株式会社 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP2021014527A (ja) * 2019-07-12 2021-02-12 株式会社リコー 樹脂組成物、成形体、電子部品、及び電子機器

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