JPH08302177A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH08302177A
JPH08302177A JP12730995A JP12730995A JPH08302177A JP H08302177 A JPH08302177 A JP H08302177A JP 12730995 A JP12730995 A JP 12730995A JP 12730995 A JP12730995 A JP 12730995A JP H08302177 A JPH08302177 A JP H08302177A
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JP
Japan
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weight
polymer
vinyl
component
compound
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JP12730995A
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English (en)
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Masaaki Motai
政明 馬渡
Hideyuki Kurimoto
英幸 栗本
Toshiyuki Toyoda
利幸 豊田
Hisao Nagai
久男 永井
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐衝撃性、ウェルド強度、メッキ性
に優れ、広範囲の用途に使用し得る熱可塑性樹脂組成物
を提供する。 【構成】(A)芳香族ポリカーボネート 20〜95重
量% (B)ゴム質重合体存在下に芳香族ビニル化合物、シア
ン化ビニル化合物及び必要に応じて共重合可能な他のビ
ニル単量体を重合してなるグラフト重合体(a)及び芳
香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び必要に応
じて共重合可能な他のビニル単量体を重合してなる重合
体(b)からなり、(a)/(b)の比が10〜100
/0〜90重量%であって、ゴム質重合体含有量が5〜
29重量%であるゴム変性スチレン系樹脂を2〜79.
5重量% (C)ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル化合物、シ
アン化ビニル化合物及び必要に応じて共重合可能な他の
ビニル単量体をグラフト重合してなり、ゴム質重合体含
有量が30〜70重量%であるゴム変性樹脂0.5〜5
5重量% 上記(A)+(B)+(C)からなることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐衝撃性、ウ
ェルド強度、メッキ性、流動性及び難燃性に優れた熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートとABS樹脂か
らなるポリマーアロイは耐熱性、耐衝撃性に優れた材料
であり、自動車分野を中心に幅広く使用されている。又
本アロイに難燃剤を配合した材料は、優れた物性バラン
スからOA関連機器分野を中心に幅広く使用されてい
る。近年の短小軽薄化指向から、成形品の肉厚が薄くな
る傾向にある。一般にこれらの成形品は射出成形で得ら
れるが、成形品の肉厚が薄くなるとウェルド強度が劣
る、意匠性やEMIシールド性から行われるメッキ性が
劣る等の問題があり改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決するための手段】本発明は、前記従来技術
の課題を背景になされたもので、耐熱性、耐衝撃性、ウ
ェルド強度、メッキ性、流動性及び難燃性に優れた広範
囲の用途に使用し得る熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)芳香族ポリカーボネート 20〜97.5重量% (B)ゴム質重合体存在下に芳香族ビニル化合物、シア
ン化ビニル化合物及び必要に応じて共重合可能な他のビ
ニル単量体を重合してなるグラフト重合体(a)及び芳
香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び必要に応
じて共重合可能な他のビニル単量体を重合してなる重合
体(b)からなり、(a)/(b)の比が10〜100
/0〜90重量%であって、ゴム質重合体含有量が5〜
29重量%であるゴム変性スチレン系樹脂2〜79.5
重量% (C)ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル化合物、シ
アン化ビニル化合物及び必要に応じて共重合可能な他の
ビニル単量体をグラフト重合してなり、ゴム質重合体含
有量が30〜70重量%であるゴム変性樹脂0.5〜5
5重量% 上記(A)+(B)+(C)からなることを特徴とする
熱可塑性樹脂組成物、ならびに、これら100重量部に
対して難燃剤2〜50重量%を配合した熱可塑性樹脂組
成物を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
(A)成分の芳香族ポリカーボネートとしては、種々の
ジヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの反応によっ
て得られるもの、またはジヒドロキシアリール化合物と
ジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によって
得られるものが挙げられる。代表的なものとしては、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと
ホスゲンの反応で得られるポリカーボネートである。
【0006】ポリカーボネートの原料となるジヒドロキ
シアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニ
ルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2′−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフ
ェニル)プロパン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1,1′−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,4′−ジヒド
ロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−
3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′−ジ
ヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキ
シ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、4,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
ヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスル
ホキシド、4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホン、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニ
ルスルフォン、ヒドロキノン、レゾルシンなどがあり、
これらは1種または2種以上で使用される。特に好まし
いものは2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン{ビスフェノールA}である。さらに下記一般式
(化1)で示されるジヒドロキシアリール化合物を共重
合した(A)成分も好ましく使用される。
【0007】
【化1】
【0008】式中 A;単結合、C1〜C5のアルキレン、C2〜C5のアルキ
リデン、C56のシクロアルキリデン、−S−、−SO
2−から選ばれたものである X;塩素または臭素である n′;0、1または2である n;1または0である R;同一であっても異なっていてもよく、直鎖のC1
20のアルキル、枝分か れのC3〜C20のアルキ
ルまたはC6〜C20のアリールであり、好ましく
はCH3である m;5〜100、好ましくは20〜80の整数である。
【0009】本発明における(A)成分の使用量は、2
0〜97.5重量%、好ましくは29〜85重量%、更
に好ましくは38〜80重量%、特に好ましくは43〜
75重量%である。20重量%未満では耐熱性、耐衝撃
性、ウェルド強度が劣り、99.5重量%を超えるとメ
ッキ性、流動性が劣る。
【0010】本発明の(B)成分に使用されるゴム質重
合体としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体(スチ
レン含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソ
プレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチレン−
α−オレフィン−ポリエン共重合体、シリコーンゴム、
アクリルゴム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水
素化ブタジエン系重合体、エチレン系アイオノマーなど
が挙げられる。また、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体には、
AB型、ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック
型の構造を有するものなどが含まれる。さらに、水素化
ブタジエン系重合体は、上記ブロック共重合体の水素化
物のほかに、スチレンブロックとスチレン−ブタジエン
ランダム共重合体のブロック体の水素化物、ポリブタジ
エン中の1,2−ビニル結合含量が20重量%以下のブ
ロックと1,2−ビニル結合含量が20重量%を超える
ポリブタジエンブロックからなる重合体の水素化物など
が含まれる。これらのゴム状重合体は、1種単独でまた
は2種以上で使用される。
【0011】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチ
レン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、
N,N−ジエチル−p−アミノメチルスチレン、ビニル
ピリジン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジク
ロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレ
ン、フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタ
レンなどが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレ
ンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、1種単
独あるいは2種以上混合して用いられる。シアン化ビニ
ル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等がある。
【0012】必要に応じて共重合される他のビニル単量
体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミ
ノアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデ
シルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルア
クリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、アミノメタクリレート、ヘ
キシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタク
リレートなどのメタクリル酸エステル;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸
無水物;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マ
レイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミ
ド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの
α,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物;グリシジ
ルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエ
ポキシ基含有不飽和化合物;アクリルアミド、メタクリ
ルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;アクリルアミ
ン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエ
ーテル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレン
などのアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシ−1
−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−
ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−
2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペ
ン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシスチレンなどの水
酸基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキ
サゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0013】上記共重合可能な他のビニル単量体量は、
全ビニル単量体中0〜50重量%である。また芳香族ビ
ニル化合物とシアン化ビニル化合物の好ましい使用比率
は、芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル=85〜60
/15〜40重量%であり、より好ましくは80〜65
/20〜35重量%、さらに好ましくは67〜78/2
2〜33重量%である。
【0014】上記グラフト重合体中のゴム質重合体の含
有量は、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは5
〜65重量%、さらに好ましくは7〜60重量%、特に
好ましくは8〜50重量%である。グラフト率は30〜
200重量%が好ましく、より好ましくは30〜150
重量%、さらに好ましくは30〜120重量%である。
グラフト率の具体的な求め方は、本発明のグラフト重
合体を室温のメチルエチルケトンに入れ、十分に振とう
・溶解させた後、遠心分離で溶解分と不溶解分に分け、
乾燥後不溶解分(W)を求める。重合処方より算出した
ゴム量(R)とから下記式よりグラフト率を求める。 グラフト率(重量%)=[(W−R)/R]×100 グラフト重合体中に分散した好ましい平均ゴム粒子径
は、0.05μm〜3μmの範囲である。
【0015】本発明の(B)成分中の重合体(b)に使
用される各単量体成分は、前記したものが全て使用され
る。また、芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物
の重量比は60〜85/40〜15が好ましく、より好
ましくは65〜80/35〜20、さらに好ましくは6
7〜78/33〜22である。前記グラフト重合体
(a)/重合体(b)の使用比率は(a)/(b)=1
0〜100/0〜90重量%で好ましくは50〜100
/0〜50、より好ましくは70〜100/0〜30、
さらに好ましくは80〜100/0〜20、特に好まし
くは100/0重量%である。(B)成分中のゴム質重
合体は3〜29重量%であり、好ましくは5〜27重量
%、さらに好ましくは7〜25重量%、特に好ましくは
8〜23重量%である。3重量%未満では、耐衝撃性が
劣り、29重量%を超えると流動性が劣る。(B)成分
の使用量は、2〜79.5重量%、好ましくは3〜70
重量%、さらに好ましくは5〜60重量%、特に好まし
くは7〜55重量%である。2重量%未満ではウェルド
強度、メッキ性が劣る。79.5重量%を超えるとメッ
キ性が劣る。
【0016】(C)成分に使用されるゴム質重合体、芳
香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、共重合可能
な他のビニル単量体としては前記したものが全て使用さ
れる。(C)成分はゴム質重合体の存在下に各種単量体
をグラフト重合したものである。(C)成分中のゴム質
重合体量は、30〜70重量%、好ましくは32〜65
重量%、さらに好ましくは33〜60重量%、特に好ま
しくは35〜50重量%である。30重量%未満では耐
衝撃性、ウェルド強度、メッキ性が劣りこのましくな
い。また(B)成分と(C)成分中のゴム質重合体含量
の差は3重量%以上が好ましく、より好ましくは5〜5
0重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好
ましくは15〜35重量%である。(C)成分の前記方
法で測定したグラフト率は好ましくは30〜200重量
%、より好ましくは40〜150重量%、さらに好まし
くは45〜120重量%である。本発明の熱可塑性樹脂
組成物における(C)成分の使用量は、0.5〜55重
量%、好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは2
〜30重量%、特に好ましくは2〜25重量%であり、
その使用量が0.5重量%未満では、ウェルド強度、メ
ッキ性が劣る。また55重量%を超えると耐熱性、ウェ
ルド強度、流動性が劣る。
【0017】本発明の上記(B)、(C)成分のメチル
エチルケトン可溶分の固有粘度(メチルエチルケトン溶
媒として30℃で測定)は、好ましくは0.2〜1dl
/g、さらに好ましくは0.3〜0.8dl/gにある
ことが、本発明の目的を達成する上で好ましい。本発明
の(A)+(B)+(C)成分中のゴム質重合体量は、
1〜20重量%の範囲にあることが本発明の目的を達成
する上で好ましく、より好ましくは3〜18重量%、さ
らに好ましくは5〜15重量%である。本発明の
(B)、(C)成分は、公知の重合法である乳化重合、
懸濁重合、溶液重合等で得ることができる。
【0018】本発明の(D)成分である難燃剤として
は、公知の難燃剤がすべて使用されるが、本発明の目的
を達成する上で好ましいものは、ハロゲン系難燃剤、リ
ン系難燃剤および分子中にリンとハロゲンを同時に有す
る難燃剤などである。ハロゲン系難燃剤としては、下記
一般式で表される化合物
【0019】
【化2】
【0020】(式中、Xは臭素または塩素、a、b、c
およびdは1〜4の自然数、nは0または自然数であ
る。) 上記両末端にエポキシ基を有するハロゲン含有化合物
は、含ハロゲンビスフェノールAと含ハロゲンビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂の反応生成物として得られる。
含ハロゲンビスフェノールAの例としては、テトラブロ
モビスフェノールA、ジクロロビスフェノールA、テト
ラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールA
などがある。また含ハロゲンビスフェノールA型エポキ
シ樹脂の具体例としては、テトラブロモビスフェノール
Aのジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノー
ルAのジグリシジルエーテル、ジクロロビスフェノール
Aのジグリシジルエーテル、ジブロモビスフェノールA
のジグリシジルエーテルなどがある。特に好ましくは、
テトラブロモビスフェノールAとテトラブロモビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテルとの反応生成物、ある
いはテトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンとの反応生成物などがある。
【0021】
【化3】
【0022】(式中Xは、臭素あるいは塩素、a、b、
cおよびdは1〜5の自然数、nは0または自然数であ
る。) 化3の難燃剤は、化2の難燃剤であるハロゲン化ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂とトリブロモフェノール、ジ
ブロモクレゾール、トリクロロフェノール、ジクロロク
レゾールなどのハロゲン化フェノール類とを塩素性触媒
の存在下に加熱反応させることによって得られることが
できる。
【0023】
【化4】
【0024】(式中Xは、臭素あるいは塩素、aは1〜
5の自然数、nは自然数である。) 好ましいものは、ポリスチレンの後臭素化または臭素化
スチレンを重合して得られるブロム化ポリスチレンであ
り、ブロム含有率は68〜72重量%が好ましく、さら
に好ましくは68〜70重量%である。また重量平均分
子量は1,500〜15,000の範囲にあることが好
ましい。
【0025】
【化5】
【0026】(式中Xは、臭素あるいは塩素、a、bは
1〜4の自然数である。)などがあげられる。その他の
ハロゲン系難燃剤としては、芳香族ハロゲン化合物、ハ
ロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化ポリカーボネー
トオリゴマー、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン
化ポリフェニレンエーテルなどが挙げられ、好ましくは
デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフ
ェノールA、テトラブロモビスフェノールAのポリカー
ボネートオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系フェノ
キシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネー
ト、ブロム化(架橋)ポリスチレン、ブロム化ポリフェ
ニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサライド縮
合物および含ハロゲンリン酸エステルなどがある。
【0027】リン系難燃剤としては、ポリリン酸アンモ
ニウムなどの無機系リン酸塩、トリフェニルフォスフェ
ートなどの芳香族系リン酸エステル、トリエチルフォス
フェートなどのアルキルリン酸エステル、酸性リン酸エ
ステル、塩化ホスフォニトリル誘導体などの含窒素リン
化合物、ビニルフォスフェート、アリルホスフォネート
などの重合性リン化合物および赤リン系難燃剤などが挙
げられる。上記難燃剤は、1種または2種以上で使用さ
れる。本発明の効果が特に発現される難燃剤としては、
一般式(化2)、一般式(化3)で示される難燃剤およ
びブロム化ポリカーボネート、ブロム化ポリカーボネー
トオリゴマー、トリフェニルフォスフェート、含ハロゲ
ンリン酸エステルである。
【0028】本発明の(D)成分の使用量は(A)+
(B)+(C)100重量部に対して2〜50重量部で
あり、このましくは3〜45重量部、さらに好ましくは
5〜40重量部、特に好ましくは7〜35重量部であ
る。その使用量が2重量部未満では難燃性が発現され
ず、一方50重量部を超えると耐衝撃性、ウェルド強
度、メッキ性が劣る。
【0029】また難燃助剤(E)として、三酸化アンチ
モン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、塩素化ポ
リエチレン、ポリオルガノシロキサン系重合体、テトラ
フルオロエチレン重合体などがあり、1種または2種以
上併用して用いることができる。ここでテトラフルオロ
エチレン重合体としては、0.05〜1000μmの平
均粒子サイズ、1.2〜2.3g/cm3の密度および
65〜76重量%のフッ素含有量を有するものが好まし
い。また乳化重合、懸濁重合で得られたものが好ましく
使用される。本発明の(A)+(B)+(C)における
上記難燃助剤の使用量は好ましくは0〜20重量%、よ
り好ましくは0.1〜15重量%であり、20重量%を
超えると熱安定性、成形品表面外観が劣り好ましくな
い。
【0030】本発明の難燃性樹脂組成物には、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、ガラス粉、ガ
ラスフレーク、タルク、マイカ、ワラフトナイト、ロッ
クフィラー、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウ
ム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化亜鉛、酸化亜鉛ウィ
スカー、チタン酸カリウムウィスカーなどを1種単独あ
るいは併用して使用することができる。また、本発明の
組成物には、公知の各種添加剤を添加してもよい。例え
ばカップリング剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防止剤、顔
料、染料、可塑剤、帯電防止剤、耐候(光)剤、シリコ
ンオイルなどがある。さらに要求される性能に応じて他
の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、熱可塑
性ポリエステル樹脂、ポリエステルエラストマー、フッ
素樹脂、LCP、PPS、ポリスルホン、ポリフェニレ
ンエーテル、HIPS等を適宜ブレンドすることもでき
る。
【0031】本発明の難燃性樹脂組成物は、各種押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどを用い
各成分を混練することによって得られる。好ましい製造
法は押出機を用いる方法である。また各成分を混練する
に際して各成分を一括して混練りしてもよく、多段添加
方式で混練してもよい。このようにして得られる本発明
の難燃性樹脂組成物は、射出成形、シート押し出し成
形、異形成形、発泡成形、インジェクションプレス、プ
レス成形、ブロー成形などによって各種成形品を成形す
ることができる。上記成形法によって得られる各種成形
品は、その優れた性質を利用して、OA家電機器分野、
電気・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動
車分野、雑貨分野などの各パーツ、ハウジング、シャー
シーなどに使用することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価は
次のようにして測定したものである。
【0033】耐熱性 ASTM D648に準じて荷重18.6kgf/cm
2で熱変形温度(℃)を測定した。耐衝撃性 ASTM D256に準じて厚み1/4″、ノッチ付き
でアイゾット衝撃強さ(kg・cm/cm)を測定し
た。
【0034】ウェルド強度 ASTM1号ダンベルの一点ゲート(片サイド)の成形
品の引っ張り破断強さ(T0)と2点ゲート(両サイ
ド)のダンベル平行部中央にウェルドを有する成形品の
引っ張り破断強さ(T1)をASTM D638に準じ
て測定し、下記式でウェルド強度の保持率を算出した。
保持率の高いものがウェルド強度に優れることを示す。 (T1/T0)×100(%)
【0035】メッキ性 平板の成形品を用い、以下の条件でメッキをおこなっ
た。メッキ面に幅10mmの掻き筋を入れ、引っ張り速
度10mm/minで引っ張った時のピーリング強度
(kg/cm)を測定した。成形品表面の脱脂を行った
後、硫酸濃度の高い硫酸/重クロム酸混合溶液でプレエ
ッチングした。つぎに重クロム酸濃度の高い硫酸/重ク
ロム酸混合溶液でエッチングした。中和・洗浄・活性化
を行った後、ニッケルの無電解メッキおよび銅の電解メ
ッキを行った。
【0036】流動性 ASTM D1238に準じて240℃、荷重10kg
でメルトフローレート(g/10min)を測定した。難燃性 UL94規格にもとづいて肉厚1/16″のV試験を行
った。V−0相当であるものはV−0と、V−0に相当
しないものはNGとした。
【0037】(参考例)本発明の(A)成分として以下
のものを用いた。重合体A−1 ビスフェノールAからなる粘度平均分子量21,000
のポリカーボネートを用いた。重合体A−2 ビスフェノールAからなる粘度平均分子量24,000
のポリカーボネートを用いた。
【0038】本発明の(B)、(C)成分として以下の
ものを用いた。ゴム質重合体b−1〜b−4 ゴム変性スチレン系樹脂、ゴム変性樹脂の製造に用いる
ゴム質重合体として表1を用いた。
【0039】
【表1】
【0040】重合体B−1〜B−10 上記ゴム質重合体存在下または非存在下に単量体成分を
重合した樹脂を得た。これらの樹脂の組成を表2に示し
た。
【0041】
【表2】
【0042】本発明の(D)成分として以下のものを用
いた。D−1 テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンか
らなる分子両末端エポキシで分子量約2,000のもの
を用いた。D−2 テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンか
らなる分子両末端の少なくとも80%以上をトリブロモ
フェノール化した分子量約3,000のものを用いた。D−3 リン系難燃剤としてトリフェニルフォスフェートを用い
た。
【0043】難燃助剤(E)として以下のものを用い
た。E−1 三酸化アンチモンを用いた。E−2 懸濁重合で得たテトラフルオロエチレン重合体としてヘ
キスト社製ホスタフロンTF1620を用いた。E−3 乳化重合で得たテトラフルオロエチレン重合体としてダ
イキン工業製FA−5Xを用いた。F−1 無機充填材として平均粒子径2μmのタルクを用いた。
【0044】実施例1〜17、比較例1〜6 上記各成分の水分量を0.1%以下まで乾燥し表3の配
合処方で混合し、ベント付き二軸押出機を用いて溶融混
練りしペレット化した。得られたペレットの水分量を
0.1%以下まで乾燥し、射出成形により耐熱性、耐衝
撃性、ウェルド強度、メッキ性及び難燃性測定用試験片
を成形し、また流動性は上記ペレットを用い上記評価方
法で評価した。結果を表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】比較例1は、本発明の(A)成分の使用量
が発明の範囲外で少ないものであり、耐熱性、耐衝撃性
及びウェルド強度が劣る。比較例2は、本発明の(A)
成分の使用量が発明の範囲外で多いものであり、メッキ
性および流動性が劣る。比較例3は、本発明の(B)成
分の使用量が発明の範囲外で少ないものであり、ウェル
ド強度及びメッキ性が劣る。比較例4は、本発明の
(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ないものであ
り、ウェルド強度及びメッキ性が劣る。比較例5は、本
発明の(D)成分の使用量が発明の範囲外で少ないもの
であり、難燃性が劣る。比較例6は、本発明の(D)成
分の使用量が発明の範囲外で多いものであり、耐衝撃
性、ウェルド強度およびメッキ性が劣る。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐熱
性、耐衝撃性、ウェルド強度、メッキ性に優れ、また難
燃剤を配合した場合に前記性能に加えて難燃性に優れて
おり、広範囲の用途、例えばOA・家電機器分野、電気
・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動車分
野、雑貨分野等の各パーツ、ハウジング、シャーシー等
に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号日本合成 ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ポリカーボネート 20〜9
    7.5重量%、 (B)ゴム質重合体存在下に芳香族ビニル化合物、シア
    ン化ビニル化合物および必要に応じて共重合可能な他の
    ビニル単量体を重合してなるグラフト重合体(a)及び
    芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び必要に
    応じて共重合可能な他のビニル単量体を重合してなる重
    合体(b)からなり、(a)/(b)の比が10〜10
    0/0〜90重量%であって、ゴム質重合体含有量が5
    〜29重量%であるゴム変性スチレン系樹脂2〜79.
    5重量%、 (C)ゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル化合物、シ
    アン化ビニル化合物及び必要に応じて共重合可能な他の
    ビニル単量体をグラフト重合してなり、ゴム質重合体含
    有量が30〜70重量%であるゴム変性樹脂0.5〜5
    5重量% 上記(A)+(B)+(C)からなることを特徴とする
    熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)請求項1の(A)成分 20〜9
    7.5重量%、 (B)請求項1の(B)成分 2〜79.5重量%、 (C)請求項1の(C)成分 0.5〜55重量% 上記(A)+(B)+(C)100重量部に対して (D)難燃剤2〜50重量部を配合してなる熱可塑性樹
    脂組成物。 【0001】
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