JPH08193151A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH08193151A
JPH08193151A JP2349295A JP2349295A JPH08193151A JP H08193151 A JPH08193151 A JP H08193151A JP 2349295 A JP2349295 A JP 2349295A JP 2349295 A JP2349295 A JP 2349295A JP H08193151 A JPH08193151 A JP H08193151A
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thermoplastic resin
resin composition
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JP2349295A
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Toshiyuki Toyoda
利幸 豊田
Masaaki Motai
政明 馬渡
Hideyuki Kurimoto
英幸 栗本
Hisao Nagai
久男 永井
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JSR Corp
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐薬品性、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性お
よび成形品表面外観の優れた熱可塑性樹脂組成物の提供
を目的とする。 【構成】 下記の(A)、(B)、(C)、(D)から
なる熱可塑性樹脂組成物(A)芳香族ポリカーボネート
40〜97重量%、(B)ゴム強化熱可塑性樹脂2〜5
5重量%、(C)スチレン系樹脂0〜57重量%、
(D)極限粘度0.4〜0.8dl/g(o−クロロフ
ェノール、25℃)の熱可塑性ポリエステル1〜40重
量%。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐薬品性、耐衝撃性、耐
熱性、成形加工性および成形品表面外観に優れた熱可塑
性樹脂組成物に関する。
【従来の技術】ABS樹脂と芳香族ポリカーボネートか
らなるポリマーアロイは耐衝撃性、耐熱性、成形品表面
外観などに優れることから自動車関連分野を中心として
幅広く使用されている。しかし、本ポリマーアロイは耐
薬品性、成形加工性が劣る。そのために耐薬品性を必要
とする製品、あるいは薄肉で流動性を必要とする製品に
は不向きで、用途範囲が限られている。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、耐衝撃性、耐熱性、
成形品表面外観を損なうことなく耐薬品性および成形加
工性も優れた広範囲の用途に使用し得る熱可塑性樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)(A)
芳香族ポリカーボネート40〜97重量%、(B)ゴム
質重合体存在下に芳香族ビニル化合物または芳香族ビニ
ル化合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の
ビニル単量体をグラフト重合して得られるゴム変性スチ
レン系樹脂2〜55重量%、(C)芳香族ビニル化合物
または芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単
量体を重合して得られるスチレン系樹脂0〜57重量
%、(D)極限粘度0.4〜0.8dl/g(o−クロ
ロフェノール、25℃)の熱可塑性ポリエステル1〜4
0重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。(2)前記
(1)記載の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、
(E)無機充填材3〜100重量部を添加することを特
徴とする熱可塑性樹脂組成物。(3)前記(1)あるい
は(2)記載の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対
し、(F)第一リン酸金属塩0.001〜3重量部を添
加することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。以下、本発明について詳細に説明する。
【0003】本発明に使用される(A)成分の芳香族ポ
リカーボネートとしては、種々のジヒドロキシアリール
化合物とホスゲンとの反応によって得られるもの、また
はジヒドロアリール化合物とジフェニルカーボネートと
のエステル交換反応によって得られるものが挙げられ
る。代表的なものとしては、2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンとホスゲンとの反応で得られ
るポリカーボネートである。ポリカーボネートの原料と
なるジヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2′−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4
−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、
2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロモフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン、1,1′−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1′−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,
4′−ジヒドロキジフェニルエーテル、4,4′−ヒド
ロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテル、4,
4′−ジヒドロキシフェニルスルフェド、4,4′−ジ
ヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド、
4,4′−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′
−ヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニル
スルホキシド、4,4′−ジヒドロキシフェニルスルホ
ン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフ
ェニルスルホン、ヒドロキ、レゾルシンなどがあり、こ
れらは1種または2種以上で使用される。特に好ましい
ものは、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン{ビスフェノールA}である。ポリカーボネート
の粘度平均分子量は、好ましくは15,000〜40,
000、さらに好ましくは17,000〜35,000
である。
【0004】本発明の(A)成分の使用量は(A)+
(B)+(C)+(D)成分中40〜97重量%、好ま
しくは50〜97重量%、さらに好ましくは60〜97
重量%、特に好ましくは70〜92重量%である。使用
量が40重量%未満では耐熱性、耐衝撃性が劣り、97
重量%を超えると流動性が劣り、成形性が悪くなる。本
発明の(B)成分に使用されるゴム質重合体としては、
例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量5〜60
重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ポ
リエン共重合体、シリコンゴム、アクリルゴム、ブタジ
エン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン
ブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体、水素化ブタジエン系重合体、エチレン系ア
イオノマーなどが挙げられる。また、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック
共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、ラジア
ルテレブロック型の構造を有するものなどが含まれる。
さらに、水素化ブタジエン系重合体は、上記ブロック共
重合体の水素化物のほかに、スチレンブロックとスチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体のブロック体の水素化
物、ポリブタジエン中の1,2−ビニル結合含有量が2
0重量%以下のブロックと1,2−ビニル結合含有量が
20重量%を超えるポリブタジエンブロックからなる重
合体の水素化物などが含まれる。芳香族ビニル化合物と
しては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,
1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミ
ノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノメチ
ルスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、
フルオロスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン
などが挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが
好ましい。これらの芳香族ビニルは、1種単独であるい
は2種以上混合して用いられる。上記芳香族ビニル化合
物と共重合可能なビニル単量体としては、アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、アミノアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレ
ート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートな
どアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、アミノメタクリレート、ヘキシルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデ
シルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フ
ェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどの
メタクリル酸エステル、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸などの酸無水物基含有不飽和化合
物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマ
レイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド
などの不飽和ジカルボン酸のマレイミド系化合物、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなど
の不飽和エポキシ化合物、アクリルアミド、メタクリル
アミドなどの不飽和カルボン酸アミド、アクリルアミ
ン、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエ
チル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレンな
どのアミノ基含有不飽和化合物、ヒドロキシスチレン、
3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−
ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸
基含有不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸などの不飽和酸およびビニルジオキ
サゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物などが
あり、これらの芳香族ビニル化合物と共重合可能な上記
単量体は1種または2種以上併用して使用することがで
きる。
【0005】本発明の(B)成分の使用量は、(A)+
(B)+(C)+(D)成分中55〜2重量%、好まし
くは45〜2重量%、さらに好ましくは35〜2重量
%、特に好ましくは25〜7重量%である。使用量が5
5重量%を超えると耐熱性、耐衝撃性が劣り、2%未満
では流動性が劣り、成形性が悪くなる。本発明の(B)
成分中の好ましいゴム質重合体の量は、耐衝撃性の面か
ら5〜80重量%、さらに好ましくは10〜70重量%
である。(B)成分のグラフト率は、好ましくは20〜
200重量%であり、さらに好ましくは耐衝撃性および
表面外観から100〜150重量%である。また、
(B)成分のメチルエチルケトン可溶分の極限粘度
[η](メチルエチルケトン、30℃測定)は、好まし
くは0.1〜1.2dl/g、さらに好ましくは0.2
〜0.8dl/gである。本発明の(B)成分は、公知
の重合法である乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重
合などで製造することができる。(B)成分中分散ゴム
粒子径は0.05〜2μの範囲にあることが好ましく、
アイゾット衝撃強さからは0.2〜2μの範囲が特に好
ましく、また落錘衝撃強さウェルド強さから0.05〜
0.2μの範囲が特に好ましい。本発明の(C)成分に
使用される芳香族ビニル化合物として前記したものがす
べて使用される。また芳香族ビニル化合物と共重合可能
な他のビニル単量体としては、前記ビニルシアン化合
物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酸無
水物基含有不飽和化合物、不飽和ジカルボン酸イミド化
合物、不飽和エポキシ化合物、不飽和カルボン酸アミ
ド、アミノ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合
物、不飽和酸、オキサゾリン基含有不飽和化合物などが
あり、これらは1種または2種以上併用して使用され
る。(C)成分の使用量は、本発明の(A)+(B)+
(C)+(D)成分中0〜57重量%、好ましくは0〜
37重量%、さらに好ましくは0〜27重量%、特に好
ましくは1〜20重量%である。その使用量が57重量
%を超えると耐熱性、耐衝撃性が劣る。
【0006】本発明に使用される(D)成分の熱可塑性
ポリエステルとしては、ジカルボン酸化合物と低分子量
ジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物
の重縮合あるいはこれら3成分混合物の重縮合などによ
って得られるポリエステルである。ここで用いられるジ
カルボン酸化合物の例としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエ
タンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸など公知のジカルボン酸およびこれ
らの置換体が挙げられる。また、ジヒドロキシ化合物の
例としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ハイド
ロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシフェニル、ナフタ
レンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シク
ロヘキサンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールAなど
公知のジヒドロキシ化合物およびこれらの置換体が挙げ
られる。オキシカルボン酸の例としては、オキシ安息香
酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸
などのオキシカルボン酸およびこれらの置換体が挙げら
れる。また、これら化合物のエステル形成可能な誘導体
も使用できる。上記製法で得られた熱可塑性ポリエステ
ルは1種以上または2種以上で使用される。また、トリ
メリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエ
リスリトール、トリメチロールプロパンなどの三官能性
モノマーを少量併用した分岐あるいは架橋構造を有する
ポリエステルであってもよい。本発明では、上記のごと
き化合物をモノマー成分として、重縮合により生成する
熱可塑性ポリエステルはいずれも本発明の(D)成分と
して使用することができ、好ましくはポリアルキレンテ
レフタレート、さらに好ましくは、ポリブチレンテレフ
タレートを主体とする樹脂である。また、本発明で使用
する(D)成分の極限粘度[η](o−クロロフェノー
ル、25℃)は、耐衝撃性、耐薬品性、流動性のバラン
スから0.4〜0.8dl/g、好ましくは0.45〜
0.7dl/gであり、0.4dl/g未満では耐衝撃
性が劣り、0.8dl/gを超えると耐薬品性、成形加
工性が劣る。本発明の(D)成分の使用量は、(A)+
(B)+(C)+(D)成分中1〜40重量%、好まし
くは2〜35重量%、さらに好ましくは3〜30重量
%、特に好ましくは5〜25重量%である。使用量が4
0重量%を超えると耐熱性が劣り、1%未満では耐薬品
性、成形加工性が劣る。
【0007】本発明の請求項2で使用される(E)無機
充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスのミル
ドファイバー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラス
バルーン、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、ロックフ
ィラー、チタン酸カリウムウィスカー、酸化亜鉛ウィス
カー、金属繊維、硫酸マグネシウム、膨張黒鉛、黒鉛、
カオリン、金属フレーク、ヒドロキシタルサイトなどが
あり、これらは1種または2種以上で使用される。特に
好ましいものは、タルクあるいはカオリンである。その
大きさとしては0.1〜100μ、好ましくは1〜10
0μ、さらに好ましくは1〜20μである。100μを
超えると耐衝撃性および成形加工性が劣り、0.1μ未
満では配合時に飛散しやすく取扱いが難しい。(E)成
分の使用量は請求項1の(A)+(B)+(C)+
(D)100重量部に対し、3〜100重量部、好まし
くは5〜85重量部、さらに好ましくは7〜70重量
部、特に好ましくは9〜55重量部である。100重量
部を超えると耐衝撃性、成形加工性および成形品表面外
観が劣り、3重量部未満では剛性の改良が十分でない。
本発明の請求項3で使用される(F)第一リン酸金属塩
としては、例えば第一リン酸ナトリウム、第一リン酸カ
リウム、第一リン酸カルシウム、第一リン酸リチウム、
第一リン酸マグネシウムなどがあり、これらは1種また
は2種以上で使用される。本発明の目的を達成するうえ
で好ましい(F)成分としては第一リン酸リチウム、第
一リン酸カルシウム、第一リン酸マグネシウムであり、
特に好ましくは第一リン酸リチウムである。その添加量
は、請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物あるいは請求項
2記載の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.
001〜3重量部、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。添加量が0.001重量部未満では組成物の熱安定
性、耐衝撃性の改良効果が十分でなく、一方3重量部を
超えると成形品表面外観が劣る。
【0008】本発明の組成物には、公知の難燃剤、難燃
助剤を配合することができる。本発明の効果は、下記の
難燃剤、難燃助剤を用いた時、特に優れる。本発明の目
的を達成するうえで好ましいものは、ハロゲン系難燃
剤、リン系難燃剤および分子中にリンとハロゲンを同時
に有する難燃剤などである。ハロゲン系難燃剤として
は、一般式
【0009】
【化1】
【0010】(式中、Xは臭素または塩素、a、b、c
およびdは1〜4の自然数、nは0または自然数であ
る。) 上記両末端にエポキシ基を有するハロゲン含有化合物
は、含ハロゲンビスフェノールAと含ハロゲンビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂の反応生成物として得られる。
また含ハロゲンビスフェノールAとエピクロルヒドリン
との反応生成物として得られる。含ハロゲンビスフェノ
ールAの例としては、テトラブロモビスフェノールA、
ジクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノー
ルA、ジブロモビスフェノールAなどがある。また含ハ
ロゲンビスフェノールA型エポキシ樹脂の具体例として
は、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、テトラクロロビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル、ジクロロビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、ジブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ルなどがある。特に好ましくは、テトラブロモビスフェ
ノールAとテトラブロモビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテルとの反応生成物、あるいはテトラブロモビス
フェノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物など
がある。一般式、
【0011】
【化2】
【0012】(式中Xは、臭素あるいは塩素、a、b、
cおよびdは1〜5の自然数、nは0または自然数であ
る。) 化2の難燃剤は、化1の難燃剤であるハロゲン化ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂とトリブロモフェノール、ジ
ブロモクレゾール、トリクロロフェノール、ジクロロク
レゾールなどのハロゲン化フェノール類とを塩素性触媒
の存在下に加熱反応させることによって得られることが
できる。一般式、
【0013】
【化3】
【0014】(式中Xは、臭素あるいは塩素、aは1〜
5の自然数、nは自然数である。) 好ましいものは、ポリスチレンの後臭素化または臭素化
スチレンを重合して得られるブロム化ポリスチレンであ
り、ブロム含有率は68〜72重量%が好ましく、さら
に好ましくは68〜70重量%である。また重量平均分
子量は1,500〜15,000の範囲にあることが好
ましい。一般式、
【0015】
【化4】
【0016】(式中Xは、臭素あるいは塩素、a、bは
1〜4の自然数である。) その他のハロゲン系難燃剤としては、芳香族ハロゲン化
合物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化ポリカ
ーボネートオリゴマー、ハロゲン化シアヌレート樹脂、
ハロゲン化ポリフェニレンエーテルなどが挙げられ、好
ましくはデカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロ
モビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAの
ポリカーボネートオリゴマー、ブロム化ビスフェノール
系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカー
ボネート、ブロム化(架橋)ポリスチレン、ブロム化ポ
リフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサラ
イド縮合物および含ハロゲンリン酸エステルなどがあ
る。リン系難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウムな
どの無機系リン酸塩、トリフェニルフォスフェートなど
の芳香族系リン酸エステル、トリエチルフォスフェート
などのアルキルリン酸エステル、酸性リン酸エステル、
塩化ホスフォニトリル誘導体などの含窒素リン化合物、
ビニルフォスフェート、アリルホスフォネートなどの重
合性リン化合物および赤リン系難燃剤などが挙げられ
る。上記難燃剤は、1種または2種以上で使用される。
本発明の効果が特に発現される難燃剤としては、一般式
(化1)、一般式(化2)で示される難燃剤およびブロ
ム化ポリカーボネート、ブロム化ポリカーボネートオリ
ゴマー、トリフェニルフォスフェート、含ハロゲンリン
酸エステルである。本発明の(A)+(B)+(C)+
(D)における上記難燃剤の使用量は1〜30重量%、
好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜25
重量%であり、その使用量が1重量%未満では難燃性が
発現されず、一方30重量%を超えると熱安定性が劣
る。難燃助剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、塩素化ポリエチレン、テト
ラフルオロエチレン重合体などがあり、1種または2種
以上併用して用いることができる。ここでテトラフルオ
ロエチレン重合体としては、0.05〜1000μmの
平均粒子サイズ、1.2〜2.3g/cm3の密度およ
び65〜76重量%のフッ素含有量を有するものが、ま
た懸濁重合で得たものが好ましい。本発明の(A)+
(B)+(C)+(D)における難燃助剤の使用量は0
〜20重量%であり、20重量%を超えると熱安定性、
成形品表面外観が劣る。さらに本発明の組成物には、公
知のカップリング剤、耐光剤、酸化防止剤、可塑剤、着
色剤、滑剤、帯電防止剤、シリコンオイル、発泡剤など
の添加物を配合することができる。さらに本発明の組成
物には、銀もしくは銀化合物などの抗菌剤また市販の防
カビ剤を配合することにより、優れた抗菌性、防カビ性
を付与することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、各種押出機、バンバリーミキサ、ニーダー、ロール
などを用い、各成分を混練りすることによって得ること
ができる。好ましい製造方法は押出機を用いる方法で、
混練りに際しては各成分を一括混練りしてもよく、多段
添加式で混練りしてもよい。このようにして得られる本
発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シート押出、
真空成形、異形押出成形、ブロー成形、発泡成形、射出
プレス成形、ガス注入成形などによって各種成形品に成
形することができる。上記成形法によって得られた各種
成形品はその優れた性質を利用して、自動車分野、OA
機器関連分野、家電分野、電気・電子分野、雑貨分野、
サニタリー分野などの各種パーツ、ハウジング、シャー
シなどに使用することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中、部および%は特に断らない
限り重量基準である。本発明の実施例、比較例に用いた
請求項1の(A)、(B)、(C)、(D)および請求
項2の無機充填材、請求項3の第一リン酸金属塩成分を
以下に示す。(A)成分 本発明の(A)成分として下記の重合体を用いた。ビス
フェノールAとホスゲンの縮合重合で得た下記の粘度平
均分子量のポリカーボネートを用いた。 A:分子量21,000のポリカーボネート(B)成分 ゴム質重合体b−1〜b−3 本発明の(B)熱可塑性樹脂に用いるゴム質重合体とし
て表1に示したものを用いた。重合体B−1〜B−4 表1ゴム質重合体存在下に各種単量体をグラフト重合し
た樹脂を得た。これらの樹脂の組成を表2に示した。(C)成分 C:本発明の(C)成分としてスチレン76%、アクリ
ロニトリル24%の共重合体を用いた。(D)成分 D−1:本発明D成分として極限0.5dl/g(o−
クロロフェノール、25℃)のPBT樹脂〔ポリプラス
チック(株)製〕を用いた。 D−2:比較例として極限粘度1.0dl/g(o−ク
ロロフェノール、25℃)のPBT樹脂〔ポリプラスチ
ック(株)製〕を用いた。無機充填材 E:本発明の無機充填材としてタルク〔日本タルク
(株)製〕を用いた。 商品名 マイクロエース P−3第一リン酸金属塩 F−1:第一リン酸ナトリウム F−2:第一リン酸リチウム難燃剤 難燃剤−1(ハロゲン系難燃剤) テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンか
らなる分子両末端の少なくとも80%以上をトリブロモ
フェノール化した分子量約3,000のものを用いた。難燃剤−2 リン系難燃剤としてトリフェニルフォスフェートを用い
た。難燃助剤 テトラフルオロエチレン重合体としてヘキスト社製ホス
タフロンTF1620を用いた。
【0018】実施例1〜18、比較例1〜6熱可塑性樹脂組成物の調整 前記各成分を表3の配合処方で混合し、二軸押出機で、
シリンダー設定温度210〜250℃の範囲で溶融混練
し、ペレットを作製した。得られたペレットを除湿乾燥
機で水分量0.05%以下まで乾燥し、射出成形により
耐薬品性、耐衝撃性、耐熱性測定用試験片を成形し、以
下の評価方法で評価した。評価結果を表3に示した。 [耐薬品性]1/2″×5″×厚み1/8″試験片に花
王(株)製ルナマイルド原液を塗布し、1.0%の歪に
曲げ治具に固定した。80℃環境下で24時間放置しク
ラックの有無を評価した。 ○:クラック無し ×:クラック有り [耐衝撃性]デュポン式に準拠して、厚み1.4mm試
験片の落錘衝撃値を測定した。 [耐熱性]ASTM D648に準拠して、厚み1/
2″、荷重1.82MPaで熱変形温度を測定した。 [成形加工性]JIS K7210に準拠して、240
℃、荷重98Nでメルトフローレートを測定した。 [成形品表面外観−1]150mm×150mm×1.
6mm試験片を260℃で成形した。フローマーク、シ
ルバーの発生を目視観察し、以下の判定をした。 ◎:優 ○:良 ×:不可 [成形品表面外観−2]実施例11〜14を比較するた
めに、[成形品表面外観−1]評価方法の同一試験片を
280℃で成形した。フローマーク、シルバーの発生を
目視観察し、以下の判定をした。 ◎:優 ○:良 △:不良 [剛性]ASTM D790に準拠して、曲げ弾性率を
測定した。 [難燃剤]UL−94に準拠。1/18″×1/2″×
5″試験片に接炎した後の燃焼状態を観察し、以下の判
定をした。 ○:自然に消えた ×:燃え続けた
【0019】実施例1〜18は本発明の熱可塑性樹脂組
成物であり、本発明の目的が達成されている。その中で
9、10は請求項2の組成物で、曲げ弾性率が改良され
ている。11〜14は請求項3の組成物であり、特に厳
しい成形条件である成形品表面外観−2の性能が改良さ
れている。〔(F)成分を用いない組成物は成形品表面
外観−2の評価結果は△である。〕 比較例1は、請求項1(A)成分の使用量が本発明の範
囲外で少なく、請求項1(B)成分の使用量が本発明の
範囲外で多い例であり、耐熱性、耐衝撃性が劣る。比較
例2は、請求項1(A)成分の使用量が本発明の範囲外
で多く、請求項1(B)成分の使用量が本発明の範囲外
で少ない例であり、耐薬品性、成形加工性が劣る。比較
例3は、請求項1(D)成分の使用量が本発明の範囲外
で少ない例であり、耐薬品性、成形加工性が劣る。比較
例4は、請求項1(D)成分の使用量が本発明の範囲外
で多い例であり、耐熱性が劣る。比較例5は、請求項1
(D)成分の極限粘度が本発明の範囲外で高い例であ
り、耐薬品性、成形加工性が劣る。比較例6は、請求項
2成分の使用量が本発明の範囲外で少ない例であり、剛
性が劣る。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐薬品
性、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性および成形品表面外
観に優れており、自動車分野の内装、外装の各部品、O
A機器関連の各種部品、ハウジング、シャーシ、家電製
品の各種部品、ハウジング、雑貨分野の各種部品に有用
である。
フロントページの続き (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)芳香族ポリカーボネート40〜9
    7重量%、(B)ゴム質重合体存在下に芳香族ビニル化
    合物または芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合
    物と共重合可能な他のビニル単量体をグラフト重合して
    得られるゴム変性スチレン系樹脂2〜55重量%、
    (C)芳香族ビニル化合物または芳香族ビニル化合物お
    よび芳香族ビニル化合物と共重合可能な他の単量体を重
    合して得られるスチレン系樹脂0〜57重量%、(D)
    極限粘度0.4〜0.8dl/g(o−クロロフェノー
    ル、25℃)の熱可塑性ポリエステル1〜40重量%か
    らなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物10
    0重量部に対し、(E)無機充填材3〜100重量部添
    加してなる熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物ある
    いは請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物100重量部に
    対し、(F)第一リン酸金属塩0.001〜3重量部添
    加してなる熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000302824A (ja) * 1999-04-16 2000-10-31 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体
US6423767B1 (en) * 1997-12-03 2002-07-23 Basf Aktiengesellschaft Polycarbonate moulding materials
JP2003082237A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Sumitomo Chem Co Ltd 樹脂組成物の製造方法
JP2009242445A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Kojima Press Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品
JP2010510360A (ja) * 2006-11-24 2010-04-02 バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 耐衝撃性改良充填ポリカーボネート組成物
JP2010077196A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 異形押出成形用ポリカーボネート樹脂組成物及び緩衝材

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