JPH05117514A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH05117514A
JPH05117514A JP30521891A JP30521891A JPH05117514A JP H05117514 A JPH05117514 A JP H05117514A JP 30521891 A JP30521891 A JP 30521891A JP 30521891 A JP30521891 A JP 30521891A JP H05117514 A JPH05117514 A JP H05117514A
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JP
Japan
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flame
resin
phosphate
resin composition
retardant
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JP30521891A
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English (en)
Inventor
Atsushi Watanabe
淳 渡辺
Noriaki Kudo
憲明 工藤
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性及び耐衝撃性に優れた難燃性樹脂組成
物の提供。 【構成】 ポリカーボネート系樹脂またはポリカーボネ
ート系樹脂と他の熱可塑性樹脂とのポリマーブレンドに
有機燐化合物及び表面処理された無機硼素化合物を含有
することを特徴とする難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性樹脂組成物に関す
るものである。さらに詳しくは、ポリカーボネート系樹
脂または、ポリカーボネート系樹脂を1成分とするポリ
マーブレンドに有機燐化合物及び表面処理された無機硼
素化合物を含む難燃剤を配合した難燃性樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系樹脂は優れた機械的
特性、熱的性質を有しているため、工業的に広く利用さ
れている。しかしながら加工性、成形性に劣る問題点が
あるため他の熱可塑性樹脂とのポリマーブレンドが数多
く開発されており、その中でもポリスチレン系樹脂、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)系樹
脂、ポリエステル系樹脂等とのポリマーブレンドは自動
車分野、OA機器分野、電子・電気分野等に広く利用さ
れている。
【0003】一方、近年、OA機器、家電製品等の用途
を中心に、使用する合成樹脂材料の難燃化の要望が強
く、これらの要望に答えるために多数の難燃剤が開発検
討されている。通常合成樹脂の難燃剤として使用される
ものには主にハロゲン化合物、燐化合物などがあり、さ
らに、それらの難燃剤に加えて三酸化アンチモン、酸化
錫などが難燃助剤として併用されている。
【0004】従来、ポリカーボネート系樹脂または、ポ
リカーボネート系樹脂を1成分として含むポリマーブレ
ンドの難燃化には主にハロゲン化合物等が使用され、多
くの場合、さらにそれらの難燃剤に加えて三酸化アンチ
モン等が難燃助剤として併用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】難燃剤としてハロゲン
化合物を合成樹脂に配合した場合、難燃化の効果は比較
的大きいが、火災発生時あるいは焼却処理時に有毒性あ
るいは有害性の物質を発生する為、救急活動あるいは消
火活動を困難にし、あるいは環境汚染を引き起こすなど
の問題を有している。このためハロゲン系化合物を全く
含有しないか或いはハロゲン系化合物の量が比較的少な
い難燃性樹脂の開発が望まれている。
【0006】また、難燃剤成分として三酸化アンチモン
等の無機物質を添加して難燃化を行なう場合、難燃化樹
脂の機械的性質、特に衝撃強度が低下する問題点を有し
ていた。
【0007】本発明は、これら従来の問題点を解決する
ものであり、その目的とするところは難燃性及び耐衝撃
性に優れた難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハロゲン
系化合物を含有しないか或いは、その含有量が比較的少
ない難燃剤により、ポリカーボネート系樹脂または、ポ
リカーボネート系樹脂を1成分として含むポリマーブレ
ンドについて、その優れた耐衝撃性を保持したまま難燃
性を改善するべく鋭意研究を重ねた結果、必須成分とし
て有機燐化合物及び表面処理された無機硼素化合物を含
有する難燃剤を用いることにより難燃性及び耐衝撃性が
著しく改良されることを見出した。また更にポリオルガ
ノシロキサン及び/またはフッ素系樹脂を加えることに
より、より一層優れた難燃化効果が発現することも見い
出し、本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は(1)(A)ポリカーボネ
ート系樹脂と、(B)(a)有機燐化合物及び(b)表
面処理された無機硼素化合物を含む難燃剤を含有するこ
とを特徴とする難燃性樹脂組成物を請求項1とし、
(2)請求項1記載の難燃性樹脂組成物にポリオルガノ
シロキサン及び/またはフッ素系樹脂を含有することを
特徴とする難燃性樹脂組成物を請求項2とし、(3)ポ
リカーボネート系樹脂以外の熱可塑性樹脂を更に含有す
ることを特徴とする請求項1または2記載の難燃性樹脂
組成物を請求項3とすることからなる。
【0010】本発明で用いられる難燃剤は有機燐化合物
及び表面処理された無機硼素化合物を必須成分として含
有し、これらの成分を併用することにより、はじめて優
れた難燃性及び耐衝撃性を発現するものであるが通常用
いられる公知の難燃化添加剤を併用することも出来る。
【0011】更に、ポリオルガノシロキサン及び/また
はフッ素系樹脂を追加成分として含むことにより燃焼時
の樹脂溶融物の滴下を防止し、より優れた難燃化効果を
発現する。
【0012】本発明で用いられるポリカーボネート系樹
脂は、2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法
または溶融法で反応せしめて製造されるものである。2
価フェノールの代表的な例を挙げると、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン等が挙げられる。好ましい2価フェノー
ルはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン系、特に
ビスフェノールAを主原料とするものである。また、カ
ーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カルボ
ニルエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、具体
的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノ
ールのジハロホルメート及びそれらの混合物である。ポ
リカーボネート樹脂を製造するに当たり、これらの2価
フェノールの1種以上を使用することができる。またこ
のようにして得られたポリカーボネート樹脂の2種以上
を混合して使用することもできる。
【0013】本発明で使用されるポリカーボネート系樹
脂以外の樹脂としては熱可塑性樹脂であれば特に制限な
く有効に利用できる。それらの中の代表的なものを例示
すれば、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチ
レン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン
(ABS)系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂をはじめとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、ポリスルホン、ポリ酢酸ビニル、エチレン
−酢ビ共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリオキ
シメチレン、酢酸セルロース、硝酸セルロース等が挙げ
られ、また、これらの樹脂の2種以上を組み合わせて使
用することも可能である。次に、これらのなかのいくつ
かについて更に詳しく説明する。
【0014】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂
は、芳香族ビニル系単量体を含有する不飽和単量体を重
合することにより得られる重合体であり、さらには該重
合体がゴム質重合体により改質された重合体をも包含す
るものである。
【0015】不飽和単量体として用いられる芳香族ビニ
ル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ハロスチレン等
が挙げられる。さらに、これらの単量体と共に、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイ
ミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体等か
ら選ばれる1種以上の単量体が使用できる。
【0016】(メタ)アクリル酸エステルとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
【0017】マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等
が挙げられる。
【0018】不飽和ジカルボン酸無水物系単量体として
は、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,
2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水
フェニルマレイン酸等が挙げられる。
【0019】ポリスチレン系樹脂の製造方法には、特に
制約はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合な
どの公知の方法が使用できる。
【0020】本発明で好ましく用いられるポリスチレン
系樹脂は、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレ
ン、スチレン・メタアクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸
共重合体およびそれらのゴム変性体等である。
【0021】本発明で用いられるアクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン(ABS)系樹脂は、ゴム質重合体
に芳香族ビニル系単量体を含有するビニル系単量体をグ
ラフト重合することにより得られるグラフト重合体であ
り、さらには、芳香族ビニル系単量体を含有するビニル
系単量体を重合して得られる重合体と該グラフト重合体
とのブレンド物をも包含するものである。
【0022】グラフト重合体は、ガラス転移点温度が1
0℃以下であるゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体
および(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸
エステル、マレイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無
水物系単量体等から選ばれる1種以上の単量体をグラフ
ト重合することにより得られる。
【0023】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチル
スチレン、ハロスチレン等が挙げられる。
【0024】(メタ)アクリル酸エステルとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
【0025】マレイミド系単量体としては、マレイミ
ド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N
−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等
が挙げられる。
【0026】不飽和ジカルボン酸無水物系単量体として
は、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,
2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水
フェニルマレイン酸等が挙げられる。
【0027】これらの単量体はそれぞれ2種以上併用し
て用いることも出来る。
【0028】本発明で用いられるグラフト重合体に好ま
しく用いられる単量体は、スチレンとアクリロニトリル
及び/またはメタアクリル酸メチルである。
【0029】グラフト重合体の製造方法には特に制約は
なく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知
の方法が使用できる。
【0030】グラフト重合体に用いられるゴム質重合体
を例示すると、ブタジエン系ゴム重合体、アクリル系ゴ
ム重合体、エチレン−プロピレン系ゴム重合体、あるい
はシリコーン系ゴム重合体等が挙げられる。
【0031】ブタジエン系ゴム重合体としては、ポリブ
タジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体等が用いられる。
【0032】アクリル系ゴム重合体としては、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル等のアクリル酸エステル単量体の単独重合、また
はこれらの単量体を主成分とし共重合可能な他の単量体
と共重合して得られるゴム質重合体が用いられる。
【0033】エチレン−プロピレン系ゴム重合体として
はエチレンとプロピレンの比が80:20〜60:40
の範囲が好ましく、さらにジエン成分を含んでいてもよ
い。
【0034】シリコーン系ゴム重合体としては、ポリオ
ルガノシロキサンゴム重合体であり主としてジメチルシ
ロキサンの繰り返し単位を有するものである。さらに例
えばシリコーン系ゴム成分とアクリル系ゴム成分から成
る複合ゴムやブタジエン系ゴム成分とアクリル系ゴム成
分の複合ゴムも用いることが出来る。
【0035】ゴム質重合体の製造方法には、特に制約は
なく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公
知の方法が使用できる。
【0036】本発明においては、好ましくはブタジエン
系ゴム重合体が用いられる。
【0037】グラフト重合体とブレンドする重合体とし
ては前記のグラフト重合体に用いられる単量体を重合し
て得られる重合体を用いることが出来る。好ましく用い
られる重合体はα−メチルスチレン・アクリロニトリル
共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、α−
メチルスチレン・メタアクリル酸メチル共重合体、スチ
レン・メタアクリル酸メチル共重合体、α−メチルスチ
レン・アクリロニトリル・N−フェニルマレイミド共重
合体、スチレン・アクリロニトリル・N−フェニルマレ
イミド共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド・
無水マレイン酸共重合体等である。これらの重合体は1
種のみ用いても良いし、2種以上組み合わせて用いるこ
とも可能である。
【0038】これらの重合体の製造方法には特に制約は
なく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公
知の方法が使用できる。
【0039】本発明におけるポリカーボネート系樹脂と
他の熱可塑性樹脂との配合割合はポリカーボ系樹脂が3
0重量%以上であることがが好ましい。ポリカーボネー
ト系樹脂以外の熱可塑性樹脂の割合が70重量%を越え
た場合には難燃性樹脂の機械的性質や熱的性質が低下
し、ポリカーボネート本来の特性が著しく損なわれる場
合がある。
【0040】本発明で用いられる有機燐化合物は、燐原
子を有する有機化合物であれば特に制限はないが、好ま
しくは燐原子に直接結合するエステル性酸素原子を1つ
以上有する有機燐化合物が用いられる。
【0041】それらの化合物を例示すると、正燐酸エス
テルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチ
ルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフ
ェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニル
ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフ
ェート、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフェー
ト、トリス(p−フェニルフェニル)ホスフェート、ト
リナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル
(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピ
ルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェ
ニルジクレジルホスフェート、ジブチルホスフェート、
モノブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホス
フェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロ
イルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリ
ロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル
−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェ
ニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等
の正燐酸エステル及びこれらの縮合物、さらに、トリス
(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス
(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロ
プロピル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピ
ル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホス
フェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、
トリ(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ハロゲ
ン置換燐酸アリール等の含ハロゲン正燐酸エステル及び
これらの縮合物等が挙げられる。
【0042】亜燐酸エステルとしては、トリフェニルホ
スファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリ
ストリデシルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホ
スファイト及びこれらの縮合物等が挙げられる。
【0043】また、これ以外の有機燐化合物としては、
トリフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフ
ィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニル
ホスホン酸ジエチル等を挙げることが出来る。これら有
機燐化合物は1種のみ用いても良いし、2種以上組み合
わせて用いることも可能である。
【0044】本発明で用いられる無機硼素化合物には特
に制限はないが、好ましくは平均粒径が10μm 以下で
金属原子を有する化合物が用いられる。それらの化合物
を例示すると、硼酸、酸化硼素、硼酸塩等が挙げられ
る。
【0045】硼酸塩としては四硼酸亜鉛、メタ硼酸亜
鉛、塩基性硼酸亜鉛等の硼酸亜鉛、オルト硼酸バリウ
ム、メタ硼酸バリウム、二硼酸バリウム、四硼酸バリウ
ム等の硼酸バリウム、硼酸鉛、硼酸カドミウム、硼酸マ
グネシウム等が挙げられ、これらの無機硼素化合物は1
種のみ用いても良いし、2種以上組み合わせて用いるこ
とも出来る。
【0046】本発明で用いられる無機硼素化合物の表面
処理剤としては有機系あるいは無機系の表面処理剤の何
れでも使用出来る。
【0047】有機系表面処理剤としては、シランカップ
リング剤、有機酸及びその金属塩等が用いられる。シラ
ンカップリング剤を例示するとビニル系のビニルトリク
ロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニル系の
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、アミノ系のγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、メルカプト系のγ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、エポキシ系のγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン等が挙げられる。有機酸を例示するとカ
プリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸等が挙げられる。有機酸金属塩と
しては、これらの有機酸とカリウム、ナトリウム、カル
シウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛
等の金属との塩が例示される。
【0048】無機系表面処理剤としては各種金属化合物
が用いられる。金属化合物を例示するとカリウム、ナト
リウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミ
ニウム、亜鉛等の金属の硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、亜
硝酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物等が挙げられる。こ
れらの表面処理剤は1種のみ用いても良いし2種以上組
み合わせて用いることも出来る。本発明では好ましくは
酸化マグネシウム及び/または水酸化マグネシウムが用
いられる。
【0049】表面処理の方法は公知の方法を任意に用い
ることができる。
【0050】本発明で用いられる難燃剤成分である有機
燐化合物と表面処理された無機硼素化合物の配合比率に
は特に限定はないが有機燐化合物/無機硼素化合物の比
率は好ましくは5/95〜95/5(重量比)の範囲で
あり、さらに好ましくは10/90〜90/10(重量
比)の範囲である。
【0051】無機硼素化合物の表面処理に用いられる表
面処理剤の量は好ましくは無機硼素化合物100重量部
に対し0.1〜30重量部の範囲で用いられる。
【0052】本発明では難燃剤の配合量に特に制限はな
いが、好ましくは熱可塑性樹脂100重量部に対して5
0重量部以下である。50重量部を越えると難燃性樹脂
組成物の機械的性質が低下することがある。
【0053】
【0054】本発明で用いられるポリオルガノシロキサ
ンを例示すると、ポリジメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン、アミノ変性シリコーン、メルカプ
ト変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等が挙げら
れる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上組み
合わせて用いてもよい。さらに、これらのポリオルガノ
シロキサンは、分子量数百〜数百万の広範囲のものが使
用でき、その形態はオイル状、ワニス状、樹脂状等如何
なるものであってよい。
【0055】本発明で用いられるフッ素系樹脂を例示す
ると、四フッ化ポリエチレン、四フッ化エチレン−六フ
ッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合体、三フッ化塩化ポリエチレン、フ
ッ化ビニリデン等が挙げられるが、好ましくは四フッ化
ポリエチレンが用いられる。フッ素系樹脂の形態は、エ
マルジョン状、懸濁状、ミクロフィブリル状、粉末状、
粒状等如何なるものであってもよい。
【0056】難燃剤に用いられるポリオルガノシロキサ
ン及び/またはフッ素系樹脂の量は、好ましくは難燃剤
を樹脂に配合した難燃性樹脂組成物100重量部に対
し、5重量部以下となるように設定される。ポリオルガ
ノシロキサン及び/またはフッ素系樹脂の量が5重量部
を越える範囲では配合した際に、揮発分の増加、成形品
の外観不良、溶融粘度の増加などの不良現象を生ずる場
合がある。
【0057】本発明では難燃剤成分である有機燐化合
物、表面処理された無機硼素化合物、ポリオルガノシロ
キサン及び/またはフッ素系樹脂に加えて更にこれ以外
の公知の難燃性添加剤を併用することも出来る。難燃性
添加剤は通常難燃化効果を有するものであれば特に制限
はなく、アンチモン化合物、窒素化合物、金属酸化物、
金属水酸化物、炭酸塩、アルカリ(土類)金属塩等の難
燃剤が使用出来る。これら難燃剤は1種のみ用いても良
いし2種以上組み合わせて用いることも可能である。
【0058】熱可塑性樹脂及び難燃剤の混合方法には特
別の制約はなく、これらを均一に混合できる手段であれ
ばいずれの手段をも採用できる。例えば、押出機、ヘン
シェル型ミキサー、バンバリーミキサー、加熱ロールな
ど各種の混合機能を有する機械による混合が適宜採用で
きる。この際、必要に応じてその効果を発現する量の種
々の添加剤、例えば安定剤、離型剤、滑剤、可塑剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、老化
防止剤、染顔料、充填剤及びポリマーブレンドの特性を
向上させるための相溶化成分等を配合することができ
る。
【0059】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。なお実施例で使用した表面処理された硼酸亜鉛
はBORAX CONSOLIDATED LIMIT
ED製の未処理硼酸亜鉛(ZB2335)1kgと水酸化
マグネシウム50gをスーパーミキサーで約10分間混
合することにより作製した。
【0060】[実施例1〜5、比較例1〜5]表1記載
のPC樹脂、ABS樹脂、難燃剤の各成分を表記載の配
合割合で、ヘンシェルミキサーにて混合後、30mmφ
押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30)を使用
し、260℃で溶融混練した。得られた試料から射出成
形にてテストピースを作製し、酸素指数及びアイゾット
衝撃強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】なお、表1中の記号は以下の通りである。 PC :ポリカーボネート樹脂(三菱化成株式会社
製ノバレックス7030PJ) ABS :ABS樹脂(電気化学工業株式会社製GR
−2000) CDP :燐酸クレジルジフェニル(大八化学工業所
株式会社製CDP) ZB(A):硼酸亜鉛(BORAX CONSOLID
ATED LIMITED製ZINCBORATE 2
335)を水酸化マグネシウムで表面処理したもの。 ZB(B):同上。ただし表面未処理品 PDMS :ポリジメチルシロキサン(東芝シリコーン
株式会社製TSF451−1000) TFPE :四フッ化ポリエチレン(三井デュポンフロ
ロケミカル株式会社製テフロン6J)
【0063】
【発明の効果】本発明によれば優れた難燃性及び耐衝撃
性を有する難燃性樹脂組成物が提供され、電子・電気製
品、OA機器などの用途、各種部品の材料として好適に
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPP 8416−4J 83/04 LRY 8319−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)及び(B)を必須成分として
    含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。 (A)ポリカーボネート系熱可塑性樹脂。 (B)(a)有機燐化合物及び(b)表面処理された無
    機硼素化合物を含む難燃剤。
  2. 【請求項2】 ポリオルガノシロキサン及び/またはフ
    ッ素系樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の
    難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネート系樹脂以外の熱可塑性
    樹脂を更に含有することを特徴とする請求項1または2
    記載の難燃性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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