JP4828017B2 - 難燃性有機樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族環含有有機樹脂と分岐状オルガノポリシロキサンからなる難燃性有機樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂やポルフェニレンエ−テル樹脂に代表される芳香族環を有する有機樹脂は、機械的強度、電気的特性等に優れるので、エンジニアリングプラスチックとして、OA機器、電気・電子機器、自動車、建築・土木等の分野で使用されている。これらの有機樹脂は、火災防止の観点から難燃化されている場合が多い。従来、かかる有機樹脂を難燃化する方法としては、これらの有機樹脂に塩素原子や臭素原子を含有する化合物を混和する方法が採用されてきた。ところが、この種の化合物を配合した有機樹脂組成物は、燃焼時に大量の黒煙を発生したり、人体に有害なガスあるいは金属等を腐食するガスを発生するという欠点があった。そのため、人体に有害なガスを発生しない難燃性樹脂組成物が多数提案されている。
【0003】
例えば、特開平8−176425号公報では、芳香族ポリカーボネート樹脂に、エポキシ基含有シランとフェニル基含有シランを加水分解処理して得られたエポキシ基とフェニル基を含有するシリコ−ン樹脂を配合してなる組成物が提案されている。しかし、この組成物はエポキシ基の存在により、耐熱性が低下したり、変色したりするという問題点があった。また、特開平10−139964号公報では芳香族ポリカーボネート樹脂に2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロキサン単位(T単位)からなり、重量平均分子量が10,000を超える高分子量のシリコ−ン樹脂を配合したポリカーボネート組成物が提案されている。
しかし、この組成物に使用されるシリコーン樹脂は分子量の高いシリコ−ン樹脂であるので、このものを製造することは容易ではなかった。また、得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は成形性と難燃性が必ずしも満足できるものとは言えず、用途によっては必ずしも満足できるものではなかった。
また、特開平11−140294号公報では、芳香族ポリカーボネート樹脂にフェニル基を含有する2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロキサン単位(T単位)からなるシリコ−ン樹脂を配合した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。また、特開平11−222559号公報では、芳香族ポリカーボネート樹脂にフェニル基とアルコキシ基を含有する2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロキサン単位(T単位)からなるシリコ−ン樹脂を配合した難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。しかし、これらの芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はその成形性と難燃性が十分とはいえず、用途によっては満足できるものではなかった。さらに、特開平11−140329号公報では、芳香族ポリカーボネート樹脂に、フェニル基とアルコキシ基を含有する2官能性シロキサン単位(D単位)と3官能性シロキサン単位(T単位)からなり1官能性シロキサン単位(M単位)を含むシリコーン樹脂とシリカ粉末とからなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。しかし、この芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、シリカ粉末を配合する必要性があり、製造工程が煩雑である等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解消するために鋭意検討した結果、芳香族環含有有機樹脂に特定の分岐状オルガノポリシロキサンを配合すれば、成形性と難燃性の両方が著しく向上することを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、成形性および難燃性に優れた有機樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)芳香族環含有有機樹脂100重量部と(B)平均分子式:(R1 3SiO1/2)a(R2 2SiO2/2)b(R3SiO3/2)c(SiO4/2)d(R4O1/2)e(HO1/2)f(式中、R1、R2、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルケニル基、炭素原子数6〜12のアリ−ル基からなる群から選ばれる一価炭化水素基であり、R1とR2とR3を合計した全一価炭化水素基中のアリ−ル基の含有量が15〜100モル%の範囲にあり、R4はアルキル基である。a、b、cは正数であり、d、eおよびfは0または正数である。)で示され、重量平均分子量が300以上10,000未満である分岐状オルガノポリシロキサン0.01〜50重量部とからなることを特徴とする難燃性有機樹脂組成物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
これを説明するに、本発明に使用される(A)成分の芳香族環含有有機樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂およびそのアロイ、ポリフェニレンエ−テル樹脂およびそのアロイ、ポリアリレ−ト樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂等の芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂,ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が例示される。これらの中でも、熱可塑性樹脂、特に、芳香族ポリカーボネート樹脂およびそのアロイが好ましく用いられる。
【0007】
本発明に使用される(B)成分の分岐状オルガノポリシロキサンは、本発明の特徴となる成分であり、(A)成分に難燃性を付与する働きをする、また成形性を向上させる働きをする。かかる(B)成分は、
(B)平均分子式:(R1 3SiO1/2)a(R2 2SiO2/2)b(R3SiO3/2)c(SiO4/2)d(R4O1/2)e(HO1/2)f(式中、R1、R2、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数2〜12のアルケニル基、炭素原子数6〜12のアリ−ル基からなる群から選ばれる一価炭化水素基であり、R1とR2とR3を合計した全一価炭化水素基中のアリ−ル基の含有量が15〜100モル%の範囲にあり、R4はアルキル基である。a、b、cは正数であり、d、eおよびfは0または正数である。)で示され、重量平均分子量が300以上10,000未満である分岐状オルガノポリシロキサンである。
上式中、炭素原子数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基が例示され、これらの中でもメチル基、エチル基およびイソプロピル基が好ましい。炭素原子数2〜12のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基が例示される。炭素原子数6〜12のアリ−ル基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基が例示され、これらの中でもフェニル基が好ましい。炭素原子数1〜12のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基が例示される。
【0008】
(B)成分はR1とR2とR3を合計した全一価炭化水素基中のアリール基の含有量が15〜100モル%であることが必要であり、30〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがさらに好ましく、60〜100モル%であることが最も好ましい。特に、R3のアリール基の含有量が重要であり、R1とR2とR3を合計した全一価炭化水素基中のアリール基の含有量が30〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがさらに好ましい。また、全一価炭化水素基中のR1の含有量が、0.02〜50モル%であることが好ましく、0.05〜30モル%でありことが更に好ましい。
また、(B)成分中の式:R4Oで示される基、即ち、アルコキシ基の含有量は10重量%以下であることが好ましい。また(B)成分中の水酸基の含有量は3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがさらに好ましい。
かかる分岐状オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は300以上10,000未満であるが、これは重量平均分子量が10,000を超えると分岐状オルガノポリシロキサンの合成が困難になる場合が多いこと、また、充分な量のR1 3SiO1/2単位を導入できなくなり、難燃付与の効果が低下するためである。さらに、本発明組成物の成形性が低下する等の問題点が生じることがあるからである。かかる重量平均分子量は、通常、ゲル透過クロマトグラフィ−(GPC)によって定量される。
【0009】
(B)成分は、1分子中に、少なくとも式:R3SiO3/2(式中、R3は前記と同じである。)で示される3官能性シロキサン単位(T単位)と、式:R2 2SiO2/2(式中、R2は前記と同じである。)で示される2官能性シロキサン単位(D単位)と、式:R1 3SiO1/2(式中、R1は前記と同じである。)で示される1官能性シロキサン単位(M単位)を有するものであるが、該3官能性シロキサン単位(T単位)と該2官能性シロキサン単位(D単位)と該1官能性シロキサン単位(M単位)に加えて、式:SiO4/2で示される4官能性シロキサン単位(Q単位)を含有することは、本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0010】
(B)成分はその軟化点が100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。これは(B)成分の軟化点が100℃未満では(A)成分への分散性が低下するからであり、また(A)成分への混練が難しくなるからである。
【0011】
(B)成分は、シリコーン樹脂の一般的な製造方法にしたがって製造される。
すなわち、(B)成分は、式:R3SiO3/2(式中、R3は前記と同じである。)で示される単位(T単位)と、式:R2 2SiO2/2(式中、R2は前記と同じである。)で示される単位(D単位)と、式:R1 3SiO1/2(式中、R1は前記と同じである。)で示される単位(M単位)の割合に応じて、適量のモノオルガノトリクロロシランとジオルガノジクロロシランとトリオルガノクロロシランを選び、それらの混合物を加水分解させることにより製造できる。ここで、得られた加水分解物を、酸または塩基触媒存在下で縮合させることにより、残存する水酸基量を3重量%以下に押さえることができる。また、適量のモノオルガノトリクロロシランとジオルガノジクロロシランから得られた加水分解物にヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤を加えてシリル化することにより、式:R1 3SiO1/2(式中、R1は前記と同じである。)で示される単位(M単位)を導入することもできる。
【0012】
本成分の配合割合は(A)成分100重量部に対して、0.01〜50重量部であり、0.1〜30重量部が好ましく、0.1〜10重量部がさらに好ましい。この配合量が0.01重量部未満になると、難燃性の付与効果が認められず、一方、50重量部を超えると機械的強度が低下するためである。
【0013】
本発明組成物は上記(A)成分と(B)成分からなるものであるが、難燃性をさらに高めるためにこれらの成分に加えて(C)有機酸もしくは有機酸エステルのアルカリ金属塩、または有機酸もしくは有機酸エステルのアルカリ土類金属塩を配合することができる。かかる(C)成分を構成する有機酸としては有機スルホン酸、有機カルボン酸が例示され、 有機酸エステルとしては有機リン酸エステルが例示される。 アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムが例示され、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、 ストロンチウム、バリウムが例示される。これらの中でも、有機スルホン酸金属塩が好ましく用いられ、さらに、パーフロロアルカンスルホン酸金属塩、芳香族スルホンスルホン酸金属塩が好ましく用いられる。パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、 パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パ−フルオロメチルブタンスルホン酸ナトリウム、パ−フルオロメチルブタン−スルホン酸カリウム、パ−フルオロオクタン−スルホン酸ナトリウム、パ−フルオロオクタン−スルホン酸カリウムなどが挙げられる。芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフエニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフエニルスルホン-3-スルホン酸のカリウム塩、4,4-ジブロモジフエニル-スルホン-3-スルホン酸のナトリウム塩、4,4−ジブロモジフエニルースルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4−クロロ−4−ニトロジフエニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフエニルスルホン−3,3−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホン酸のジカリウム塩などが挙げられる。本成分の配合量は(A)成分100重量部に対して0.02〜1重量%である。
【0014】
本発明組成物は上記(A)成分と(B)成分あるいは(A)成分と(B) 成分と(C)成分からなるものであるが、難燃性をさらに高めるためにこれらの成分に加えて(D)フッ素樹脂粉末を配合することができる。かかるフッ素樹脂粉末を構成するフッ素樹脂としては、フッ化エチレン樹脂(エチレンの水素原子が1個以上のフッ素原子で置換された単量体の重合体であり、その代表例は四フッ化エチレン樹脂粉末である)、三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂が例示される。これらのフッ素樹脂粉末の形状は、一般に球状であるが繊維状であってもよい。本成分の配合量は、通常、(A)成分100重量部に対して0.01〜5重量部である。
【0015】
本発明組成物には、芳香族環含有有機樹脂に添加配合されることが公知とされる各種添加剤を配合することは本発明の目的を損なわれない限り差し支えない。かかる添加剤としては、ガラス繊維、ガラスビ−ズ、ガラスフレ−ク、カ−ボンブラック、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、アスベスト、タルク、クレ−、マイカ、石英粉等の無機充填剤;各種合成樹脂、各種エラストマ−等の有機樹脂添加剤;ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などの酸化防止剤; 脂肪族カルボン酸エステル、パラフィン、ポリエチレンワックスなどの滑剤; 有機系あるいは無機系の各種顔料や着色剤;ベンゾトリアゾ−ル系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;ヒンダ−ドアミン系光安定剤などの光安定剤;リン系難燃剤などの各種難燃化剤;各種離型剤;各種帯電防止剤が例示される。
【0016】
本発明組成物は、上記(A)成分と(B)成分、あるいは(A)成分〜(C)成分、あるいは(A)成分〜(D)成分を均一に混合することによって容易に製造される。かかる成分を混合するための装置としては、例えば、リボンブレンダ−、ヘンシェルミキサ−、バンバリ−ミキサ−、ニーダミキサー、ドラムタンブラ−、単軸スクリュ−押出機、二軸スクリュ−押出機、多軸スクリュ−押出機などが例示される。ここで、上記成分の混合は200〜350℃の加熱下で混合することが好ましい。
【0017】
以上のような本発明の難燃性有機樹脂組成物は、成形性と難燃性に優れるので、かかる特性を生かして家電,自動車内装等のハウジング材料、電気電子部品材料などに好適に使用される。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、部とあるのは重量部のことである。実施例中、難燃性はJIS−K7201「酸素指数法によるプラスチックの燃焼試験方法」に準じて酸素指数を測定することにより評価した。また、成形性は、JIS−K7210に準じたメルトインデックス(MI値)を測定することにより評価した。この測定は1.2KGの荷重を用い300℃で行なった。
また、実施例で使用した分岐状オルガノポリシロキサンSNR1、SNR2、SNR3、SNR4、SNR5、SNR6、SNR7、SNR8、SNR9およびSNR10は、下記表1に示す平均単位式と平均分子式を有し、下記表2に示す特性を有するものであった。尚、表1において、Meはメチル基を表し、Proはプロピル基を表し、Phはフェニル基を表し、MはMe3SiO1/2単位を表し、DはMe2SiO2/2単位を表し、TはMeSiO3/2単位を表し、TProはC3H7SiO3/2単位を表し、TPhはPhSiO3/2単位を表す。また、この分岐状オルガノポリシロキサンの化学構造の解析は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いて行い、重量平均分子量の測定はゲルパ−ミュエ−シヨンクロマトグラフィ−(GPC)を用いて行なった。ここで重量平均分子量は分子量既知の標準ポリスチレンに換算した値である。また、この分岐状オルガノポリシロキサの軟化点は融点測定装置を用い融点測定の定法にしたがって測定した。即ち、顕微鏡にて白色の微粉末が軟化して透明に変化した点を軟化点とした。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【実施例1〜10、比較例1〜5】
芳香族環含有熱可塑性樹脂として、芳香族ポリカ−ボネ−ト樹脂(出光石油化学(株)製商品名;タフロンA1900)を使用し、分岐状オルガノポリシロキサンとして上記表1に示したSNR1からSNR10を使用して、これらの成分を後記する表3から表6に示す配合比率にて混合して難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得た。また、フッ素樹脂粉末は、パーフルオロエチレン(ダイキン工業株式会社製ポリフロンMPA、FA−500)を使用した。混合方法は次に示す通りであった。ポリカーボネート樹脂を混合装置(東洋精機製作所株式会社製、ラボプラストミル)に投入し、280〜320℃の条件下にて加熱して溶融した。ついで、分岐状オルガノポリシロキサンを投入し混錬した。実施例9、実施例10では、さらに第三成分を添加し混練した。ここで、分岐状オルガノポリシロキサンSNR1およびSNR2は混練時の作業性が特に良好であった。得られた難燃性ポリカーボネート組成物を成形温度280〜320℃にて射出成形した。得られた成形品の酸素指数を測定し、これらの測定結果を後記する表3〜表6に記した。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
【発明の効果】
本発明の難燃性有機樹脂組成物は、(A)成分および(B)成分からなり、特に(B)成分の特殊な分岐状オルガノポリシロキサンを含有しているので、成形性と難燃性に優れているという特徴を有する。
Claims (7)
- (A)芳香族ポリカーボネート樹脂またはそのアロイ100重量部と(B)平均分子式:(R1 3SiO1/2)a(R2 2SiO2/2)b(R3SiO3/2)c(SiO4/2)d(R4O1/2)e(HO1/2)f(式中、R1、R2、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数2〜12のアルケニル基、炭素原子数6〜12のアリ−ル基からなる群から選ばれる一価炭化水素基であり、R1とR2とR3を合計した全一価炭化水素基中のアリ−ル基の含有量が15〜100モル%の範囲にあり、R4はアルキル基である。a、b、c、fは正数であり、dおよびeは0または正数である。)で示され、重量平均分子量が300以上10,000未満であり、水酸基を2.1〜3.1重量%含有する分岐状オルガノポリシロキサン0.01〜50重量部とからなることを特徴とする難燃性有機樹脂組成物。
- (B)成分の全一価炭化水素基中のR1の含有量が、0.02〜50モル%である請求項1に記載の難燃性有機樹脂組成物。
- (B)成分の軟化点が100℃以上である請求項1または請求項2に記載の難燃性有機樹脂組成物。
- (B)成分中のアルキル基がメチル基、エチル基またはプロピル基であり、アルケニル基がビニル基であり、アリ−ル基がフェニル基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の難燃性有機樹脂組成物。
- (B)成分のR3のアリール基の含有量が30〜100モル%である請求項1に記載の難燃性有機樹脂組成物。
- さらに、(C)有機酸もしくは有機酸エステルのアルカリ金属塩、または有機酸もしくは有機酸エステルのアルカリ土類金属塩0.02〜1重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の難燃性有機樹脂組成物。
- さらに(D)成分フッ素樹脂粉末0.01〜5重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の難燃性有機樹脂組成物。
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