JP3841312B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、難燃性樹脂組成物に関し、より詳しくは、優れた耐衝撃性および難燃性を有するポリカーボネート樹脂系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、その優れた物性の故にエンジニアリングプラスチックとして多用されている。しかしながら、難燃性が不足しているので、難燃性向上のために種々の試みがなされている。なかでも、芳香族ポリカーボネート樹脂に、難燃剤としてリン酸エステル系化合物を配合した組成物は難燃性が高く、UL94燃焼試験(アンダーライターズラボラトリーズインコーポレーションのブレチン94“材料分類のための燃焼試験”、以下、UL規格94と略称する。)においてV−0〜V−2に合格する難燃性を有している。この難燃性評価試験は、長さ127mm、幅12.7mmのバー状の試料を用いて行われる。ところが、上記の樹脂組成物は、UL規格94の5V試験の角板試験においては、角板(152mm×152mm)の厚さが2.8mm未満であると、穴あきが起きて5VAの試験に不合格となる。同様に角板(100mm×150mm)を用いるCSA(カナディアン・スタンダード・アソシエーション)規格C22.2No.0.6−M1982の試験A(以下、CSA規格試験Aと略称する。)においても、試料の厚さが2.8mm未満であると穴あき等のために不合格になる。
【0003】
また、芳香族ポリカーボネート樹脂系樹脂組成物は、耐衝撃性および寸法精度等の物性が優れており、自動車の内装・外装をはじめ、OA機器のハウジング等に広く採用されている。ところが、特に各種機器のハウジング用途においては、近年における機器のコストダウンや軽量化の要請に応えるため、薄肉化傾向が強まりつつある。したがって、厚さが薄いハウジングにおいて、耐衝撃性を保ちつつ、UL規格94の5V試験およびCSA試験に合格する芳香族ポリカーボネート樹脂系樹脂組成物の出現が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上述した如き現状に鑑み、2.8mmより薄い厚さに成形されても、耐衝撃性に優れ、かつUL94規格の5V試験およびCSA試験に合格するような優れた難燃性を有するポリカーボネート樹脂系樹脂組成物を得ることを目的として鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂に、特定のリン酸エステル系化合物および複合ゴム系グラフト共重合体を配合することにより、上記の目的が達成されることを見い出し本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は(A)ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、(B)フェニルレゾルシンフェニルポリホスフェート1〜20重量部、および(C)ポリオルガノシロキサン成分1〜99重量%とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分99〜1重量%とが分離できないように相互に絡み合った構造を有し、かつポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との合計量が100重量%である複合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体を、グラフト重合して得られる複合ゴム系グラフト共重合体0.1〜50重量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物にある。
【0006】
本発明の難燃性樹脂組成物の特徴は、(A)ポリカーボネート樹脂に、特定の(B)リン酸エステル系化合物および(C)複合ゴム系グラフト共重合体の特定量を配合した点にあり、上記(B)成分および(C)成分のいずれか1成分でも欠けても、本発明の目的を達成することが困難となる。
【0007】
本発明において用いられるポリカーボネート樹脂(A)は、公知の方法により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂であり、一般にジヒドロキシおよび/またはポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることにより製造される。適当なジヒドロキシジアリールアルカンは、ヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基、塩素原子または臭素原子等の置換基を有するものも含む。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、4,4′−ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルプロパン(ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールAおよびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。また分岐したポリカーボネート樹脂は、例えばヒドロキシ化合物の一部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシ化合物で置換することにより製造される。上記ポリカーボネート樹脂は1種で、または2種以上混合して用いることができる。
【0008】
本発明において用いられるリン酸エステル系化合物(B)としては、フェニルレゾルシンフェニルポリホスフェートが挙げられる。
【0012】
上記の成分(B)は、成分(A)100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部添加される。成分(B)の量が上記の範囲より少ないと本発明の効果が十分発揮されず、また、上記の範囲を超えると耐熱性が損なわれる。
【0013】
次に、本発明で使用される複合ゴム系グラフト共重合体(C)は、ポリオルガノシロキサン成分1〜99重量%とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分99〜1重量%(各成分の合計量が100重量%)から構成され、両成分が相互に絡み合い実質上分離できない構造を有する複合ゴムに、1種または2種以上のビニル系単量体がグラフト重合された共重合体である。
【0014】
上記複合ゴムの代わりにポリオルガノシロキサン成分およびポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分のいずれか1種類あるいはこれらの単純混合物をゴム源として使用しても、本発明の樹脂組成物の有する特徴は得られず、ポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分が相互に絡み合い複合一体化されてはじめて優れた耐衝撃性、難燃性を兼ね備えた樹脂組成物を得ることができる。複合ゴムを構成する2種の成分はいずれも1〜99重量%(ただし、両成分の合計量は100重量%)の範囲であることが必要であり、さらに5〜90重量%の範囲であることが好ましく、さらに10〜90重量%の範囲が特に好ましい。複合ゴム中のポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分が99重量%を超えると、得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性が低下する。
【0015】
上記複合ゴムの平均粒子径は0.01〜0.6μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が0.01μm未満になると樹脂組成物から得られる成形物の耐衝撃性が悪化し、また平均粒子径が0.6μmを超えると、得られる樹脂組成物からの成形物の耐衝撃性が低下すると共に、成形表面外観が悪化する。このような平均粒子径を有する複合ゴムを製造するには乳化重合法が最適であり、まずポリオルガノシロキサンのラテックスを調製し、次にアルキル(メタ)アクリレートゴムの合成用単量体をポリオルガノシロキサンラテックスの粒子に含浸させてから前記合成用単量体を重合するのが好ましい。
【0016】
上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサン成分は、以下に示すオルガノシロキサンおよび架橋剤(CI)を用いて乳化重合により調製することができ、その際、さらにグラフト交叉剤(GI)を併用することもできる。
【0017】
オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体が挙げられ、好ましく用いられるのは3〜6員環である。例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは1種または2種以上混合して用いられる。これらの使用量は、ポリオルガノシロキサン成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0018】
架橋剤(CI)としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中0.1〜30重量%である。
【0019】
グラフト交叉剤(GI)としては、下記式で表される単位を形成し得る化合物等が用いられる。
【0020】
【化1】
【0021】
上記式(GI−1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点で有利である。
【0022】
なお、上記式(GI−1)の単位を形成し得るものとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
【0023】
上記式(GI−2)の単位を形成し得るものとしてビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
【0024】
上記式(GI−3)の単位を形成し得るものとしてp−ビニルフェニルジメトキシメチルシランが挙げられる。また、式(GI−4)の単位を形成し得るものとして、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
【0025】
グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中、0〜10重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0026】
このポリオルガノシロキサン成分のラテックスの製造は、例えば米国特許第2,891,920号明細書、同第3,294,725号明細書等に記載された方法を用いることができる。本発明の実施では、例えばオルガノシロキサンと架橋剤(CI)および所望によりグラフト交叉剤(GI)の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
【0027】
次に、上記複合ゴムを構成するポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分は、以下に示すアルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(CII)およびグラフト交叉剤(GII)を用いて合成することができる。
【0028】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレート等が挙げられ、特にn−ブチルアクリレートの使用が好ましい。
【0029】
架橋剤(CII)としては、例えばエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
【0030】
グラフト交叉剤(GII)としては、例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤並びにグラフト交叉剤は1種または2種以上併用して用いられる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤の合計の使用量はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分中0.1〜20重量%である。
【0031】
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤およびグラフト交叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサン粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサンの架橋網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレートゴムの架橋網目が形成され、実質上分離できないポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得られる。なお本発明の実施に際しては、この複合ゴムとしてポリオルガノシロキサン成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の主骨格がn−ブチルアクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。
【0032】
このようにして乳化重合により調製された複合ゴムは、ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、またポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とは強固に絡み合っているためアセトン、トルエン等の通常の有機溶剤では抽出分離できない。この複合ゴムをトルエンにより90℃で12時間抽出して測定したゲル含量は80重量%以上である。
【0033】
この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等の各種のビニル系単量体が挙げられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらビニル系単量体のうちメタクリル酸エステルが好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
【0034】
グラフト共重合体における上記複合ゴムと上記ビニル系単量体の割合は、このグラフト共重合体の重量を基準にして複合ゴム30〜95重量%、好ましくは40〜90重量%およびビニル系単量体5〜70重量%、好ましくは10〜60重量%が好ましい。ビニル系単量体が5重量%未満では樹脂組成物中でのグラフト共重合体の分散が十分でなく、また70重量%を超えると衝撃強度発現性が低下するので好ましくない。
【0035】
グラフト共重合体は、上記ビニル系単量体を複合ゴムのラテックスに加えラジカル重合技術によって一段であるいは多段で重合させて得られる。グラフト共重合体ラテックスは、好ましくは塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離、回収することができる。
【0036】
成分(C)は、成分(A)100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部使用する。上記の範囲より少ないと本発明樹脂組成物の耐衝撃性の改良効果および難燃性向上効果が小さく、また上記の範囲を超えて配合されても耐衝撃性は良好であるが難燃性が低下し経済的でないので好ましくない。
【0037】
本発明の樹脂組成物には、さらに滴下防止剤を含むことができる。そのような滴下防止剤として使用することができるフッ素化ポリオレフィンは、商業的にも入手でき、あるいは公知の方法によって製造することもできる。それは、例えば遊離基触媒(例えばペルオキシ二硫酸ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム)を使用しながら水性媒質中において100〜1000psiの圧力および0〜200℃好ましくは20〜100℃の温度下でテトラフルオロエチレンを重合させることによって得られる白色の固体である。詳しくは、ブルベーカー(Brubaker)の米国特許第2,393,967号明細書を参照されたい。不可欠ではないが、比較的大きな粒子例えば平均粒度0.3〜0.7mm(主として0.5mm)の粒子の状態にある樹脂を使用することが好ましい。これは0.05〜0.5mmの粒度を有する通常のポリテトラオロエチレン粉末よりも良好である。かかる比較的大きな粒度の物質が特に好ましい理由は、それが重合体中に容易に分散し、かつ重合体同志を結合して繊維状材料を作る傾向を示すことにある。かかる好適なポリテトラフルオロエチレンは、ASTMによればタイプ3と呼ばれるもので、実際にはデュポン社(E.I. Dupont de Nemours and Company)からテフロン6(Teflon6)として商業的に入手し得る。あるいは、三井デュポンフロロケミカル社のテフロン30Jとして商業的に入手し得る。フッ素化ポリオレフィンは、成分(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.05〜1.0重量部使用する。
【0038】
本発明の樹脂組成物には、上記の成分の他にさらに、目的に応じて他の樹脂成分を含むこともできる。このような他の樹脂としては、PBT等のポリエステル、ABS樹脂、AES樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等が挙げられる。このような樹脂は成分(A)100重量部に対して200重量部までの量で使用することができる。
【0039】
本発明の樹脂組成物には、また、その物性を損なわない限りにおいて、その目的に応じて樹脂の混合時、成形時に、慣用の他の添加剤、例えば顔料、染料、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、充填剤(カーボンブラック、シリカ、酸化チタン等)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候剤、滑材、離型剤、結晶核剤、可塑剤、流動性改良剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0040】
本発明の樹脂組成物を製造するための方法に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。しかしながら一般に溶融混合法が望ましい。少量の溶剤の使用も可能であるが、一般に必要ない。装置としては特に押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等を例として挙げることができ、これらを回分的または連続的に運転する。成分の混合順は特に限定されない。
【0041】
【実施例】
以下の実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。例中の「部」は「重量部」を示す。
また、例中の物性評価は以下に示す方法を用いて行った。
【0042】
1.アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm)
ASTM D 256に準拠して、厚み1/8インチ、ノッチ付きで測定した。
【0043】
2.難燃性試験
(1)UL規格に準拠してV−0、V−1、V−2試験を行った。厚み1/16インチ。
(2)UL規格に準拠して5V試験(5インチフラムテスト)を行った。まず試験A(バー試験)を行い、試験Aに不合格の場合は5V不合格と判定した。試験Aに合格の場合には、次に試験B(角板試験)を行った。試験Bに合格の場合は5VAと判定した。試験Bに不合格の場合は5VBと判定した。なお、いずれの試験においても、厚みは2.5mmであった。
(3)CSA規格C22、2No.0.6−M1982に準拠して、厚み2.5mmの試験片について試験A(127mmフレーム試験)を行った。
○…合格、 ×…不合格。
【0044】
参考例 複合ゴム系グラフト共重合体の製造
テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部およびオクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸をそれぞれ1部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン100部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備攪拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm2 の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。この混合液をコンデンサーおよび攪拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、混合攪拌しながら80℃で5時間加熱した後20℃で放置し、48時間後に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのpHを7.4に中和し、重合を完結しポリオルガノシロキサンラテックスを得た。得られたポリオルガノシロキサンの重合率は89.5%であり、ポリオルガノシロキサンの平均粒子径は0.16μmであった。
【0045】
上記ポリオルガノシロキサンラテックスを33.5部採取し攪拌機を備えたセパラブルフラスコにいれ、蒸留水123.2部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、n−ブチルアクリレート73.5部、アリルメタクリレート1.5部およびtert−ブチルヒドロペルオキシド0.56部の混合液を仕込み30分間攪拌し、この混合液をポリオルガノシロキサン粒子に浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了して複合ゴムラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.22μmであった。また、このラテックスを乾燥し固形物を得、トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ97.3重量%であった。
【0046】
この複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.06部とメチルメタクリレート15部との混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラフト重合を完了した。メチルメタクリレートの重合率は、96.4%であった。得られたグラフト共重合体ラテックスを塩化カルシウム1.5重量%の熱水200部中に滴下し、凝固、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、粉末状の混合ゴム系グラフト共重合体を96.9部得た。
【0047】
実施例1、参考例1〜2、比較例1〜2
表1に示す割合で各成分を混合した後、この混合物を280℃、100rpmに設定した1軸押出機(スクリュー径65mmφ)にかけて溶融・混練してペレット化した。次いでこのペレットを射出成形して(設定温度280℃、金型温度80℃)成形品を製造した。得られた成形品についてアイゾット衝撃強度の測定および難燃性の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
以上述べた如き構成からなる本発明の難燃性樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ、しかも薄く成形されても難燃性が著しく優れるという特性を有し、自動車の内装・外装をはじめ、OA機器のハウジング、電気、電子機器部品等の用途に極めて有用である。
Claims (1)
- (A)ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、
(B)フェニルレゾルシンフェニルポリホスフェート1〜20重量部、および(C)ポリオルガノシロキサン成分1〜99重量%とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分99〜1重量%とが分離できないように相互に絡み合った構造を有し、かつポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との合計量が100重量%である複合ゴムに1種または2種以上のビニル系単量体を、グラフト重合して得られる複合ゴム系グラフト共重合体0.1〜50重量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
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1994
- 1994-05-27 JP JP13673994A patent/JP3841312B2/ja not_active Expired - Lifetime
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