JP2007023138A - 難燃剤及び難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 難燃剤や難燃性樹脂組成物として用いられる用途、具体的には、繊維用途、フィルム用途、樹脂成型物、木材などで難燃性能に優れた難燃剤及び難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 RSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物と、を含有することを特徴とする難燃剤及びRSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は難燃剤及び難燃性樹脂組成物に関するものである。
従来、易燃焼性樹脂などの難燃化手法として、含塩素系難燃剤、含臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤、またはハロゲン系難燃剤とアンチモン系難燃剤を含有した難燃剤が数多く提案されている。しかしながら、これらの難燃剤は難燃性には優れるもののハロゲン系難燃剤は燃焼時にハロゲン化ガスを発生する懸念があるなどの問題があり、これらの問題を解決するために数多くの検討がなされている。
例えば、ハロゲン元素やアンチモン元素を含まないリン化合物を使用したリン系難燃剤が数多く提案されているが、難燃性はハロゲン系、アンチモン系難燃剤よりも低く、難燃性能は不十分である。
これら問題を解決するためにハロゲン元素、アンチモン元素、リン元素を含まない難燃剤としてシリコーン系化合物を使用したシリコーン系難燃剤の検討が行われている。
このシリコーン系化合物とは1官能性のRSiO0.5(M単位)、2官能性のRSiO1.0(D単位)、3官能性のRSiO1.5(T単位)、4官能性のSiO2.0(Q単位)で示される単位のいずれかから構成されるものである。
このシリコーン系化合物を利用して難燃性を付与する例として、例えば、M、D、T、Q単位から構成される一般的なシリコーン系化合物を熱可塑性重合体に混合した粉末状重合体混合物が提案されているが(特許文献1参照)、シリコーン系化合物単独では難燃性の効果が低く、該特許文献の実施例に記載されているようにハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を併用する必要があり、シリコーン系化合物単独では難燃性を改善することができていない。
また、T単位を80%以上含むシリコーン系化合物を熱可塑性非シリコーンポリマーに添加することにより難燃性を付与する溶融加工可能のポリマー組成物が提案されているが(特許文献2参照)、熱可塑性非シリコーンポリマーとシリコーン系化合物の配合比が10:1以上1:3以下であり、シリコーン系化合物を多量に添加する必要があるため、力学特性の低下や加工性の低下、またコストアップにより汎用性が低下する問題があった。
また、芳香環含有非シリコーン樹脂にD単位とT単位からなるシリコーン系化合物を添加し難燃性を付与する難燃性樹脂組成物が提案されているが(特許文献3参照)、該特許文献の実施例に記載されているように芳香環含有率の高いポリカーボネートやポリスチレンでは効果があるものの、芳香環含有率の低い樹脂、例えばポリオレフィンやポリエステル系樹脂に適用した場合は、満足な難燃性能を発現することができないため汎用性が低いという問題がある。
また、シリコーン系化合物とポリエーテルイミドを共重合したポリエーテルイミドシロキサンコポリマーからなるブレンド組成物が提案されているが(特許文献4参照)、シロキサン部分がRSiO1.0のD単位で構成されており、シロキサン部分の耐熱性が低いため難燃性に劣り、また合成コストが高くなるなど汎用性に欠けるなどの問題があり、現状の技術では種々の樹脂やその他の部材に適応するシリコーン系難燃剤の開発には至っていないのが現状である。
特開平1−318069号公報(実施例) 特開昭54−36365号公報(第3頁) 特開平10−139964号公報(実施例) 特表平6−506979号公報(請求項1)
本発明は前記した現状に鑑み、難燃性能が従来の難燃剤及び難燃性樹脂組成物よりも優れた難燃性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)RSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有することを特徴とする難燃剤。
(2)シリコーン系化合物を構成する有機基が、芳香環を含有することを特徴とする(1)に記載の難燃剤。
(3)イミド構造を有する化合物が、熱可塑性を有するものであり、且つガラス転移温度が130℃以上300℃以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の難燃剤。
(4)イミド構造を有する化合物が、ポリエーテルイミドであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃剤。
(5)シリコーン系化合物にシラノール基量を重量比で2%以上10%以下含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の難燃剤。
(6)RSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(7)シリコーン系化合物を構成する有機基がフェニル基を含み、且つフェニル基の含有量をシリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で20%以上含有することを特徴とする(6)に記載の難燃性樹脂組成物。
(8)イミド構造を有する化合物が、熱可塑性を有するものであり、且つガラス転移温度が130℃以上300℃以下であることを特徴とする(6)または(7)に記載の難燃性樹脂組成物。
(9)イミド構造を有する化合物が、ポリエーテルイミドであることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
(10)シリコーン系化合物にシラノール基量を重量比で2%以上10%以下含有することを特徴とする(6)〜(9)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
本発明によれば、難燃剤や難燃性樹脂組成物として用いられる用途、具体的には、繊維用途、フィルム用途、樹脂成型物、木材などで難燃性能に優れた難燃剤及び難燃性樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の難燃剤はRSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有するものである。
シリコーン系化合物とは前記したように、1官能性のRSiO0.5(M単位)、2官能性のRSiO1.0(D単位)、3官能性のRSiO1.5(T単位)、4官能性のSiO2.0(Q単位)で示される単位(Rはいずれも有機基)のいずれかから構成されるものであり、本発明でいうシリコーン系化合物は3官能性のRSiO1.5を少なくとも含有するものである。RSiO1.5(T単位)で示される単位をシリコーン系化合物の構造中に含むことで、シリコーン系化合物の耐熱性が向上し、難燃剤として好適に使用することができる。耐熱性、難燃性の観点からRSiO1.5の含有率はシリコーン系化合物に対してモル比で20%以上が好ましく、更に好ましくは50%以上である。
また、シリコーン系化合物はシリコーン系化合物を構成する有機基が芳香環を含むことを特徴としている。シリコーン系化合物はSiと結合する有機基を含有しており、この有機基が芳香環を含むことで耐熱性、難燃性が向上する。この芳香環の含有量は耐熱性、難燃性の観点から好ましくはシリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で10%以上が好ましく、更に好ましくは40%以上である。
ここでいう芳香環とは、ベンゼン環、縮合ベンゼン環、複素芳香環などの芳香族に属する環の総称を指す。芳香環として難燃性、耐熱性、汎用性の観点から好ましくはベンゼン環であり、ベンゼン環を含む有機基としてはフェニル基である。有機基に含まれる縮合ベンゼン環としては、ナフタレン環、アントラセン環、複素芳香環としては、イミド環である。
また、シリコーン系化合物は操作性の点からシラノール基の含有量をシリコーン系化合物に対する重量比で2%以上10%以下含有することが好ましく、更に好ましくは3%以上8%以下である。シラノール基が本発明の範囲を上回ると加熱時にゲル化を引き起こしやすくなり、本発明の範囲を下回ると燃焼時の難燃性能が低下しやすくなる。
また、シリコーン系化合物の重量平均分子量は500以上300000以下の範囲であるとシリコーン系化合物の耐熱性の点から好ましく、更に好ましくは1000以上100000以下である。
イミド構造を有する化合物とは、分子構造中に−CO−NR−CO−(Rは有機基)の構造を有する化合物のことである。ここでいう有機基は、C〜C12のアルキル基、アルケン基、アルキン基、芳香環(ベンゼン環、縮合ベンゼン環、非ベンゼン系芳香環)である。
イミド構造を有する化合物とシリコーン系化合物とを樹脂組成物中に含有することで、燃焼時にシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物とが効率よく炭化層を形成することが可能であり、これはシリコーン系化合物、イミド構造を有する化合物をそれぞれ単独で使用した場合よりも難燃性を著しく向上することができる。
また、本発明の難燃剤のイミド構造を有する化合物は、熱可塑性を有するものが加工性の点から好く、且つ、ガラス転移温度は130℃以上300℃以下であることが好ましく、更に好ましくは130℃以上250℃以下であることが好ましい。
イミド構造を有する化合物として具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられ、中でも加工性の観点から好ましくはポリエーテルイミドが挙げられるが、分子構造中にイミド構造を有していればこの限りではない。
また、本発明の難燃剤は難燃性の観点からシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物の組成比が重量比で5(シリコーン系化合物):95(イミド構造を有する化合物)〜95:5の範囲が好ましく、更に好ましくは10:90〜90:10の範囲が好ましい。
次に、本発明の難燃性樹脂組成物について説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物はRSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有するものである。
RSiO1.5(T単位)で示される単位をシリコーン系化合物の構造中に含むことで、シリコーン系化合物の耐熱性が向上し、難燃性樹脂組成物として好適に使用することができる。
また、RSiO1.5(T単位)で示される単位をシリコーン系化合物に対してモル比で30%以上含有することでブリードアウトによる汚染がしにくくなり、更に好ましくは60%以上である。
また、本発明の難燃性樹脂組成物は樹脂への分散性の観点からシリコーン系化合物を構成する有機基がフェニル基を含有し、且つフェニル基の含有量がシリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で20%以上であることが好ましく、更に好ましくは50%以上である。
また、シリコーン系化合物はシラノール基の含有量を十分な難燃性能を有するためにシリコーン系化合物に対する重量比で2%以上含有することが好ましく、また加工性の点から10%以下含有することが好ましく、更に好ましくは3%以上8%以下である。シリコーン系化合物にシラノール基が含有されることで燃焼時に効率よく樹脂等と架橋構造を形成し、難燃性を向上することができる。シラノール基が本発明の範囲を上回ると成型時にゲル化を引き起こしやすくなり、本発明の範囲を下回ると燃焼時の難燃性能が低下しやすくなる。
また、シリコーン系化合物の重量平均分子量は1000以上であるとシリコーン系化合物を溶融混練する際に溶融粘度が高く樹脂への分散性が良好になるため好ましく、また300000以下であると分散性、操作性の点から好ましい。更に好ましくは2000以上100000以下であり、更に好ましくは3000以上50000以下である。
また、イミド構造を有する化合物とは、分子構造中に−CO−NR−CO−(Rは有機基)の構造を有する化合物のことである。
イミド構造を有する化合物とシリコーン系化合物とを樹脂組成物中に含有することで、燃焼時にシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物と母材である樹脂が効率よく炭化層を形成することが可能であり、これはシリコーン系化合物、イミド構造を有する化合物をそれぞれ単独で含有した場合よりも難燃性を著しく向上することができる。
また、イミド構造を有する化合物は熱可塑性を有するものが加工性の点から好ましく、且つガラス転移温度が130℃以上300℃以下であることが好ましく、更に好ましくは130℃以上250℃以下であることが好ましい。
イミド構造を有する化合物として具体的にはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられ、中でも加工性の観点から好ましくはポリエーテルイミドが挙げられるが、分子構造中にイミド構造を有していればこの限りではない。
また、シリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物の含有比は難燃性の観点から重量比で5(シリコーン系化合物):95(イミド構造を有する化合物)〜95:5の範囲が好ましく、更に好ましくは10:90〜90:10の範囲が好ましい。
また、本発明の難燃性樹脂組成物の組成比は難燃性の観点から重量比で94(母材となる樹脂):1(シリコーン系化合物):5(イミド構造を有する化合物)〜40:20:40の範囲が好ましく、更に好ましくは90:3:7〜70:10:20である。
また、本発明の難燃性樹脂組成物の母材となる樹脂は加工性の点から熱可塑性樹脂が好適であり、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどで好適に使用できる。
ポリエステルとはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体およびジオールまたはそのエステル形成誘導体から合成されるポリマーであるほか、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の非石油系ポリエステル系化合物のことである。
また、ポリアミドとは−CONH−の繰り返し構造を持つナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等のことである。
また、ポリオレフィンとはポリエチレン、ポリプロピレン等のことであり、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合で用いてもよい。
次に本発明の難燃剤の製造方法に関して詳細に説明する。
本発明でいうシリコーン系化合物の製造方法としては、一般的な重縮合によって製造することができる。例えばRSiOCl(トリオルガノクロロシラン)、RSiOCl(ジオルガノジクロロシラン)、RSiOCl(モノオルガノトリクロロシラン)、SiOCl(テトラクロロシラン)をモノマーとして用い、目的とするM、D、T、Q単位のいずれかから構成されるシリコーン系化合物をRSiOCl(M単位に相当)、RSiOCl(D単位に相当)、RSiOCl(T単位に相当)、SiOCl(Q単位に相当)から所望のモル比で酸もしくはアルカリの触媒下で縮合せしめ、シリコーン系化合物を合成する方法で製造することができる。
また、シリコーン系化合物に含有される芳香環の含有量は前記したモノマーのRを芳香環で置換し、全体のRに対するモル比から所望の量だけ芳香環を含有したシリコーン系化合物を製造することができる。
また、シリコーン系化合物に含有されるシラノール基の含有量は反応時間によって制御可能であるが、シラノール基を制御するために封鎖剤としてRSiOClやRSiOHをシラノール基と反応させることでシラノール基の含有量を制御することも可能であり、シラノール基の含有量の測定は赤外分光分析などにより測定可能である。
また、シリコーン系化合物の重量平均分子量は製造時の反応時間によって制御可能であり、分子量の測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
次にイミド構造を有する化合物の製造方法について説明する。製造方法としては2官能カルボン酸無水物と第一級ジアミンとの重縮合からイミド構造を有する化合物を製造することが可能であり、具体的な化合物の製造方法としては、例えばビスフェノールとジニトロビスイミドの縮合によりポリエーテルイミドを製造することが可能であるが、分子構造中にイミド構造を有していればこの限りではない。
このようにして製造されたシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物は例えばシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物をそれぞれ溶剤で溶かしてホモジナイザーなどの攪拌機を用いて溶液混合したり、2軸押し出し機やバンバリーミキサーなどの混練機で溶融混合して難燃剤として製造することが可能であるが、シリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物と難燃剤中に含有していればこの限りではない。
また、難燃剤を樹脂や繊維、フィルム、木材などの部材に付与する場合は溶液混合して製造された難燃剤を含浸、コーティング、スプレーなどで部材に付与し、熱処理もしくは風乾により乾燥して難燃剤を付与することが可能である。更に、2軸押し出し機やバンバリーミキサーなどの溶融混練機で部材と溶融混合する方法も可能であるが、付与する部分や方法により難燃性能に変化はないため、部材の表面や内部に付与することが可能であればこれに限るものではない。
次に本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物は前記した難燃剤の製造法と同様にして、シリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物を製造することができる。
シリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物は例えばシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物をそれぞれ溶剤で溶かして溶液として溶液混合して、含浸、コーティング、スプレーなどで樹脂に付与し、熱処理もしくは風乾により乾燥して難燃性樹脂組成物を製造することが可能である。また、2軸押し出し機やバンバリーミキサーなどの溶融混練機でシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物を溶融混合して、2軸押し出し機やバンバリーミキサーなどの溶融混練機で樹脂と溶融混合することで難燃性樹脂組成物を製造する方法も可能である。また、樹脂とシリコーン系化合物、イミド構造を有する化合物を直接2軸押し出し機やバンバリーミキサーなどの溶融混練機で樹脂と溶融混合する方法などで製造することも可能であり、付与する部分や方法により難燃性能に変化はないため、難燃性樹脂組成物の表面や内部に付与することが可能であればこれに限るものではない。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
まず、実施例及び比較例におけるシリコーン系化合物の調製を下記の通り行い、表1に示すシリコーン系化合物1〜13を得た。
<M、D、T、Q単位の割合の調製>RSiOCl(M単位に相当)、RSiOCl(D単位に相当)、RSiOCl(T単位に相当)、SiOCl(Q単位に相当)を所望のモル比にて縮合し、M、D、T、Q単位の割合が異なるシリコーン系化合物を製造した。
<フェニル基、メチル基の割合>前記したR部分をそれぞれフェニル基、メチル基で置換し、モル比でフェニル基、メチル基の割合の異なるシリコーン系化合物を調製した。
<シラノール基の含有量>シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物を赤外分光分析によりシラノール基を測定した。また、シラノール基の含有量が0%の場合はシラノール基の封鎖剤としてRSiOClを過剰に添加し、シラノール基の含有量を0%とした。
<分子量>シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、重量平均分子量を測定した。
Figure 2007023138
また、実施例及び比較例におけるイミド構造を有する化合物にはガラス転移温度(Tg)が210℃であるGE Plastics社製のポリエーテルイミド(製品名ULTEM1010)を用い、前記した表1のシリコーン系化合物の各々とポリエーテルイミドを2軸押し出し機を用いて混練温度:280℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で混練を行い難燃剤を作製した。
また、各実施例における分散性の評価と燃焼評価(酸素指数の測定)については下記の通り行った。
<酸素指数(LOI)の測定>長さ150mm、幅6.5mm±0.5mm、厚さ3mmの平板を試験片として作製し、JIS K7201(酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法)に準じて酸素指数を求めた。
<分散性の評価>難燃性樹脂組成物の切片をTEM(透過型電子顕微鏡)にて観察し、10μm以上の分散物が無ければ評価を○とし、10μm以上の分散物があれば×とした。
実施例1〜12、比較例1〜4
母材として固有粘度(IV)が0.65のポリエチレンテレフタレートを用い、表2に示すとおりの難燃剤を用いて混練温度:275℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて表2に示すとおりの配合比で混練を行い、ポリエチレンテレフタレート中に難燃剤を付与し、ポリエチレンテレフタレートを母材とする難燃性樹脂組成物を得た。
その後、得られた難燃性樹脂組成物を各評価における条件に成型し、酸素指数(LOI値)の測定を行った。尚、比較例1は難燃剤を含まないので、混練は行わずに直接成型して、酸素指数の測定と分散性の評価を行った。
その結果、表2に示すとおり、実施例1〜12は比較例1のPET単独と比較して高いLOI値を示し難燃性に優れている結果が得られており、また、分散性にも優れている結果が得られた。
また、比較例2、3との比較、つまりシリコーン系化合物、イミド構造を有する化合物をそれぞれ単独でPETに付与した場合と比較しても大幅にLOI値が高くなっており、シリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物を含有することで相乗的な難燃性能が発現している結果が得られた。
また、比較例4との比較、つまりRSiO1.5を含まないシリコーン系化合物とイミド構造を有する化合物を添加した場合と比較しても大幅にLOI値が高くなっており、分散性の比較でも実施例1〜12の方が良好であった。
Figure 2007023138
PEI:ポリエーテルイミド

Claims (10)

  1. RSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有することを特徴とする難燃剤。
  2. シリコーン系化合物を構成する有機基が、芳香環を含有することを特徴とする請求項1に記載の難燃剤。
  3. イミド構造を有する化合物が、熱可塑性を有するものであり、且つガラス転移温度が130℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃剤。
  4. イミド構造を有する化合物が、ポリエーテルイミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃剤。
  5. シリコーン系化合物にシラノール基を重量比で2%以上10%以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃剤。
  6. RSiO1.5(Rは有機基)で示される単位を含有するシリコーン系化合物と、イミド構造を有する化合物とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  7. シリコーン系化合物を構成する有機基がフェニル基を含み、且つフェニル基の含有量をシリコーン系化合物を構成する全有機基に対してモル比で20%以上含有することを特徴とする請求項6に記載の難燃性樹脂組成物。
  8. イミド構造を有する化合物が、熱可塑性を有するものであり、且つガラス転移温度が130℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の難燃性樹脂組成物。
  9. イミド構造を有する化合物が、ポリエーテルイミドであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  10. シリコーン系化合物にシラノール基量を重量比で2%以上10%以下含有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
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