JP3844129B2 - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関し、より詳細には、塩素、臭素化合物等のハロゲン系難燃剤や燐系難燃剤を含有すること無しに難燃性を向上させ、かつポリカーボネート樹脂が本来有する優れた耐衝撃性等の機械的性質や流動性などの性能を損なうことなく、成形品の外観に優れる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性及び電気的特性に優れたエンジニアリングプラスチックとして電気・電子・OA分野を始め、広範な分野にて使用されている。これら電気・電子・OAの分野では、パーソナルコンピュータ外装部品のように高度な難燃性(UL94V)や耐衝撃性を要求される部品が少なくない。ポリカーボネート樹脂は、自己消火性を備えた難燃性の高いプラスチック材料ではあるが、電気・電子・OA分野では安全上の要求を満たすため、UL94V−0や94V−1相当の一層高い難燃性が求められている。
このような難燃性ポリカーボネート樹脂を得るために、ポリカーボネート樹脂に芳香族硫黄化合物の金属塩、繊維形成型の含フッ素ポリマー、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩等の難燃性成分を配合することが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。更に、ケイ素原子にフェニル基を結合させた特定構造のオルガノポリシロキサンをポリカーボネート樹脂に配合すると難燃性ポリカーボネート樹脂を得ることが出来ることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−217494
【特許文献2】
特開2000−302961
【特許文献3】
特開2000−212460
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来難燃性ポリカーボネート樹脂を得るためにポリカーボネート樹脂に配合する成分について、その成分の組み合わせや最適量の検討が十分になされているとは言い難かった。そのため、難燃性樹脂組成物から得られた成形品においてはシリコーン化合物に起因する外観不良が発生するといった問題があった。本発明においては、これら従来難燃性ポリカーボネート樹脂に用いられている成分の組み合わせや配合量を最適化することにより、火災発生時や焼却処分時にハロゲン系ガスを発生させることなく難燃性能に優れ、さらに成形物の外観不良をもたらさない難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、芳香族硫黄化合物の金属塩、繊維形成型の含フッ素ポリマー、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩等の難燃性成分を配合したポリカーボネート樹脂に、ケイ素原子にフェニル基を結合させた特定構造のオルガノポリシロキサンを極めて少量添加することにより、驚くべきことに難燃性の低下をもたらさずに成形品の外観不良を防止することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、芳香族硫黄化合物の金属塩(B)0.01〜5重量部、及び繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)0.05〜5重量部から成る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、更に、R1R2R3SiO1/2(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる、炭素数1〜6の置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)で表されるシロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサンであって、ケイ素原子に結合する置換基として、必須にフェニル基を含有し、またそれぞれ2重量%未満のアルコキシ基及び/又は水酸基を含有してもよい、重量平均分子量が2,000〜50,000であるオルガノポリシロキサン(D)を0.1重量部未満含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物である。
【0006】
また本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)0.05〜5重量部、及びパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)0.01〜5重量部から成る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、更に、R1R2R3SiO1/2(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる、炭素数1〜6の置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)で表されるシロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサンであって、ケイ素原子に結合する置換基として、必須にフェニル基を含有し、またそれぞれ2重量%未満のアルコキシ基及び/又は水酸基を含有してもよい、重量平均分子量が2,000〜50,000であるオルガノポリシロキサン(D)を0.1重量部未満含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0008】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0009】
これらは、単独又は2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0010】
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
【0011】
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0012】
本発明にて使用される芳香族硫黄化合物の金属塩(B)としては、下記化1又は化2で表される芳香族スルホンアミドの金属塩又は下記化3で表される芳香族スルホン酸の金属塩である。
【化1】
(式中、Arはフェニル基又は置換フェニル基を、Mは金属陽イオンを表わす。)
【0013】
【化2】
(式中、Arはフェニル基又は置換フェニル基を、R'はスルホニル又はカルボニルを含む有機基を、Mは金属陽イオンを表わす。ただし、ArとRとが結合してもよい。)
【0014】
【化3】
(式中、R'' 及びR''' は炭素原子が1〜6個の脂肪族基又は1〜2個のフェニル基若しくは置換フェニル基を、AはSO3M(Mは、金属陽イオンを表す。)基を表わす。)
【0015】
芳香族スルホンアミドの金属塩の好ましい例としては、サッカリンの金属塩、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドの金属塩、N−(N′−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドの金属塩及びN−(フェニルカルボキシル)−スルファニルイミドの金属塩が挙げられる。また、芳香族スルホン酸の金属塩としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸の金属塩、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホン酸の金属塩及びジフェニルスルフォン−3,4′−ジスルホン酸の金属塩が挙げられる。これらは、一種又はそれ以上を併用して使用してもよい。
好適な金属としては、ナトリウム、カリウム等のI族の金属(アルカリ金属)、又はII族の金属、銅、アルミニウム等が挙げられ、特にアルカリ金属が好ましい。
【0016】
これらのうちでも特に、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドのカリウム塩、N−(N′−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドのカリウム塩又はジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩が好適に用いられ、さらに好ましくは、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドのカリウム塩、N−(N′−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミドのカリウム塩である。
【0017】
芳香族硫黄化合物の金属塩(B)は、芳香族スルホン酸の金属塩である場合、p−トルエンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、2,4,6−トリクロロ−5−スルホイソフタル酸ジメチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸、p−ヨードベンゼンスルホン酸、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸などのアルカリ金属塩であることが好ましい。これらは1種もしくはそれ以上を併用して使用してもよい。
このうち、2,4,6−トリクロロ−5−スルホイソフタル酸ジメチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸から選択される1種もしくは2種以上のナトリウム塩および/またはカリウム塩;p−トルエンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸の中から選択される一種もしくは2種以上のナトリウム塩が好適に使用できる。
【0018】
芳香族硫黄化合物の金属塩(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.01〜5重量部が好ましい。配合量が0.01重量部未満の場合には顕著な難燃効果を得るのが困難であり、また5重量部を超えると射出成形時の熱安定性に劣る場合があるため、その結果、成形性及び衝撃強度に悪影響を及ぼすので好ましくない。この配合量は、より好ましくは0.02〜2重量部、更に好ましくは0.02〜0.4重量部である。この範囲では特に、難燃性、成形性及び衝撃強度のバランスが一層良好となる。
【0019】
本発明にて使用される、繊維形成型の含フッ素ポリマ−(C)としては、ポリカーボネート樹脂(A)中で繊維構造(フィブリル状構造)を形成するものがよく、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。これらは、本発明のオルガノポリシロキサン(D)と芳香族硫黄化合物の金属塩(B)又はオルガノポリシロキサン(D)とパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)の併用系に併せて使用した場合、従来のドリッピング防止効果だけでなく、特異的に燃焼時間の低減にも効果がある。
【0020】
繊維形成型の含フッ素ポリマ−(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し、0.05〜5重量部である。配合量が0.05重量部未満では燃焼時のドリッピング防止効果に劣る場合があり、かつ5重量部を超えると造粒が困難となることから安定生産に支障をきたす場合がある。この配合量は、より好ましくは0.05〜1重量部、更に好ましくは0.1〜0.5重量部である。この範囲では、難燃性、成形性及び衝撃強度のバランスが一層良好となる。
【0021】
オルガノポリシロキサン(D)は、R1R2R3SiO1/2で表される単官能性シロキサン単位を含有し、分子中にケイ素原子に結合する必須の置換基としてフェニル基を含有する。
ここで、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる、炭素数1〜6の置換されていてもよい1価の炭化水素基より選択され、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基などが挙げられ、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0022】
オルガノポリシロキサン(D)のフェニル基含有量は、樹脂組成物の成型性や成型品の透明性、機械的強度等にも大きく影響する。オルガノポリシロキサンのフェニル基含有量が高いほど、芳香環を含む合成樹脂への分散性及び相溶性が高くなり、成型性や透明性、機械的強度が良好となる。従って、オルガノポリシロキサン分子のケイ素原子に結合する全有機置換基中のフェニル基の割合は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは50〜90重量%である。
なお、フェニル基含有量とは以下のように定義される。即ち、オルガノポリシロキサン(D)が下記平均組成式(1)
(C6H5)mRnSi(OR’)p(OH)qO(4-m-n-p-q)/2 (1)
(式中、Rはフェニル基とアルコキシ基以外の有機置換基を表し、炭素数1〜6の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R’は炭素数1〜6の1価炭化水素基を示す。)で表されるものであるとき、下記式で示される(なお、MWは各置換基の分子量を示す)。
フェニル基含有量(重量%)={MW(C6H5)×m×100}/{MW(C6H5)×m+MW(R)×n+MW(R’)×p}
【0023】
なお、オルガノポリシロキサン(D)が上記組成式(1)で表される場合に、Rはアルキル基、特にメチル基が好ましく、またR’もアルキル基が好ましいが、特に炭素数3〜6の2級又は3級アルキル基が好ましい。m,n,p,qは、0.5≦m≦2.0、0.1≦n≦2.3、0≦p≦0.13、0≦q≦0.17、0.92≦m+n+p+q≦2.85を満たす正数から選択されることが好ましい。
【0024】
オルガノポリシロキサン(D)は、樹脂組成物のリサイクル使用を可能とするものであるが、成型性、成型品の外観や透明性を低下させないためには、分子中の反応性基をできる限り少なくすることが重要である。
このため分子中のケイ素原子に結合する置換基としてのアルコキシ基や水酸基の含有量をそれぞれ一定量以下とすることが必要である。
このアルコキシ基の含有量は2重量%未満が好ましい。加水分解反応に寄与するアルコキシ基量を減少させることによって、耐湿性が大幅に向上し、透明性に優れた成型品を得ることができる。アルコキシ基の加水分解反応性及び難燃性の点からは、更に残存アルコキシ基をイソプロポキシ基、2−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等から選択される炭素数3〜6の2級及び/又は3級のアルコキシ基とすることが好ましい。
一方、この水酸基の含有量は好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
これらアルコキシ基や水酸基は少ない程よいが、製造上0にすることは難しい。
【0025】
また、オルガノポリシロキサン(D)の重量平均分子量は2,000以上、50,000以下、より好ましくは20,000以下である。
【0026】
また、オルガノポリシロキサン(D)は、分子中にR1R2R3SiO1/2で表される単官能性シロキサン単位を10〜75モル%、R4R5SiO2/2で表される二官能性シロキサン単位を0〜80モル%、R6SiO3/2で表される三官能性シロキサン単位を0〜80モル%、SiO4/2で表される四官能性シロキサン単位を0〜15モル%含有するものを使用することができる。好ましくは、R1R2R3SiO1/2で表される単官能性シロキサン単位を10〜50モル%、R4R5SiO2/2で表される二官能性シロキサン単位を0〜80モル%、R6SiO3/2で表される三官能性シロキサン単位を10〜80モル%、SiO4/2で表される四官能性シロキサン単位を0〜10モル%含有するものを使用する。ここで、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、それぞれ同一又は異なる、炭素数1〜6の置換されていてもよい1価の炭化水素基から選択され、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基などが挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
【0027】
一般的にオルガノポリシロキサンの構造は、単官能性シロキサン単位(M単位)、二官能性シロキサン単位(D単位)、三官能性シロキサン単位(T単位)及び四官能性シロキサン単位(Q単位)の任意の組み合わせによって構成される。本発明において、これらの単位の好適な組み合わせは、M/D系、M/T系、M/D/T系、M/D/Q系、M/T/Q系、M/D/T/Q系で、より好ましくはM/D/T系であり、これにより良好な難燃性及び分散性が得られる。一方、M単独系では分子量が低すぎて難燃効果が発揮されないし、M/Q系はオルガノポリシロキサンの無機的性質が強くなりすぎて、芳香環を含む合成樹脂への分散性が劣ることがある。同様の理由により、M/D/Q系やM/D/T/Q系においては、Q単位の含有量は好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
【0028】
なお、オルガノポリシロキサン(D)は、分子中にフェニル基と残存アルコキシ基以外の有機置換基としてメチル基のみを含有するもの、即ち前記平均組成式(1)においてR=メチル基であることが、製造の容易さ及びコスト面からは好ましい。また、オルガノポリシロキサン(D)は、トルエン等の有機溶剤に可溶で、50℃以上の軟化点を有する常温で固体樹脂であることが好ましい。
【0029】
ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、オルガノポリシロキサン(D)の配合量は0.1重量部未満、好ましくは0.01〜0.07重量部である。この含有量において、他の難燃性成分と共存することにより十分な難燃効果をもたらすことができる。また配合量が0.1重量部以上では成形品の外観不良が発生するので好ましくない。
【0030】
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)は化4で表すことができる。
【化4】
(式中、Mは金属陽イオン、nは1〜8の整数を表わす。)
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)の好ましい例としては、パーフルオロメタンスルホン酸の金属塩、パーフルオロエタンスルホン酸の金属塩、パーフルオロプロパンスルホン酸の金属塩、パーフルオロブタンスルホン酸の金属塩、パーフルオロメチルブタンスルホン酸の金属塩、パーフルオロヘキサンスルホン酸の金属塩、パーフルオロヘプタンスルホン酸の金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸の金属塩が挙げられる。これらは、一種もしくはそれ以上を併用して使用してもよい。また、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)は、前述の芳香族硫黄化合物の金属塩(B)と併用して使用してもよい。
【0031】
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)に用いられる好適な金属としては、ナトリウム、カリウム等のI族の金属(アルカリ金属)、又はII族の金属、銅、アルミニウム等が挙げられ、特にアルカリ金属が好ましい。
これらのうちでも特に、パーフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩が好適に用いられる。
【0032】
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対し0.01〜5重量部が好ましい。配合量が0.01重量部未満の場合には顕著な難燃効果を得るのが困難であり、また5重量部を超えると射出成形時の熱安定性に劣り、その結果、成形性及び衝撃強度に悪影響を及ぼすので好ましくない。この配合量は、より好ましくは0.02〜2重量部、更に好ましくは0.03〜0.2重量部である。この範囲では特に、難燃性、成形性及び衝撃強度のバランスが一層良好となる。
【0033】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、更に、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、着色剤、蛍光増白剤、充填材、離型剤、軟化材、帯電防止剤等の添加剤、衝撃性改良材、他のポリマーを配合してもよい。熱安定剤としては、例えば硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素リチウム等の硫酸水素金属塩及び硫酸アルミニウム等の硫酸金属塩等が挙げられる。これらは、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、通常0.5重量部以下の範囲で用いられる。
【0034】
充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、ワラストナイト、酸化チタン、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。これら充填材の平均粒径や形状は特に限定されないが、機械的強度及び流動性の面から平均直径が8〜20μm、長さが300〜1000μmの繊維状のガラス繊維、炭素繊維が特に好ましい。配合する場合は、(A)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対して5〜50重量部が適当である。5重量部未満では補強効果があまり期待できず、50重量部を超えると成形性に悪影響を与えるおそれがある。なお、合成樹脂と無機充填材との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシランが挙げられる。ここで、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に限定されるものではない。
【0035】
衝撃性改良材としては、例えばアクリル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、コアシェル型のメチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン系ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム等が挙げられる。
他のポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体とこれのアクリルゴム変成物、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリプロピレン、さらにポリカーボネート樹脂とアロイ化して通常使用されるポリマーが挙げられる。
【0036】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中の各種配合成分の混合方法には、特に制限はなく、公知の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー等による混合や押出機による溶融混練が挙げられる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形する方法としては、特に制限はなく、公知の射出成形法、射出・圧縮成形法等を用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜4
表3と4に示す配合の原料を用いて(表中の配合量はポリカーボネート樹脂(A)を100重量部としたときの重量部を表す。)、37mm径の二軸押出機(神戸製鋼所製 KTX−37)によりシリンダー温度:280℃にて溶融混練を行い、各種ペレットを得た。
使用した原料は、それぞれ次のとおりである。
1.ポリカーボネート樹脂(A):住友ダウ社製カリバー 200−20(粘度平均分子量19000)
2.芳香族硫黄化合物の金属塩(B):N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミドのカリウム塩(以下、「金属塩B」と略記する。)
3.繊維形成型の含フッ素ポリマー(C):ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン社製ポリフロンFA−500)(以下、「PTFE」と略記する。)
4.オルガノポリシロキサン(D):下記合成例1〜8において得られたオルガノポリシロキサン−1〜8を用いた。
5.パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E):パーフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩(以下、「金属塩E」と略記する。)
【0038】
合成例1
撹拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた1Lフラスコに水288g(16モル)とトルエン93gを仕込み、オイルバスで内温80℃にまで加熱した。滴下ロートにフェニルトリクロロシラン148g(0.7モル)、ジフェニルジクロロシラン51g(0.2モル)及びジメチルジクロロシラン13g(0.1モル)を仕込み、フラスコ内へ撹拌しながら1時間で滴下し、滴下終了後、更に内温80℃で撹拌を1時間続けて熟成した。続けてトリメチルクロロシラン27g(0.25モル)をフラスコ内へ撹拌しながら10分間で滴下し、滴下終了後、更に内温80℃で撹拌を30分間続けて熟成した。トルエン100gを添加した後、室温まで冷却しながら静置して分離してきた水層を除去し、引き続き10%硫酸ナトリウム水溶液を混合して10分間撹拌後、30分間静置し、分離してきた水層を除去する水洗浄操作をトルエン層が中性になるまで繰り返して反応を停止した。エステルアダプターを取り付け、オルガノポリシロキサンを含むトルエン層を加熱環流してトルエン層から水を除去し、内温が110℃に達してから更に1時間続けた後、室温まで冷却した。得られたオルガノポリシロキサン溶液を濾過して不溶物を除去し、引き続き減圧蒸留によりトルエンと低分子シロキサンを除去して、固体のフェニル基含有オルガノポリシロキサン−1を135g得た。
得られたオルガノポリシロキサン−1は、M単位15モル%とD単位25モル%とT単位60モル%とを含み、全有機置換基中のフェニル基含有量は87重量%であり、アルコキシ基含有量は0重量%、水酸基含有量は0.4重量%であり、外観は無色透明固体で、重量平均分子量は9,200であった。また、この樹脂の軟化点は96℃であった。
【0039】
合成例2
撹拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた2Lフラスコに水720g(40モル)とトルエン400gを仕込み、オイルバスで内温80℃にまで加熱した。滴下ロートにフェニルトリクロロシラン169g(0.8モル)、ジフェニルジクロロシラン20g(0.08モル)及びジメチルジクロロシラン15g(0.12モル)を仕込み、フラスコ内へ撹拌しながら1時間で滴下し、滴下終了後、更に内温80℃で撹拌を1時間続けて熟成した。続けてトリメチルクロロシラン54g(0.5モル)をフラスコ内へ撹拌しながら15分間で滴下し、滴下終了後、更に内温80℃で撹拌を40分間続けて熟成した。室温まで冷却しながら静置して分離してきた水層を除去し、引き続き10%硫酸ナトリウム水溶液を混合して10分間撹拌後、30分間静置し、分離してきた水層を除去する水洗浄操作をトルエン層が中性になるまで繰り返して反応を停止した。エステルアダプターを取り付け、オルガノポリシロキサンを含むトルエン層を加熱環流してトルエン層から水を除去し、内温が110℃に達してから更に1時間続けた後、室温まで冷却した。得られたオルガノポリシロキサン溶液を濾過して不溶物を除去し、引き続き減圧蒸留によりトルエンと低分子シロキサンを除去して、固体のフェニル基含有オルガノポリシロキサン−2を137g得た。
得られたオルガノポリシロキサン−2は、M単位27モル%とD単位15モル%とT単位58モル%とを含み、全有機置換基中のフェニル基含有量は78重量%であり、アルコキシ基含有量は0重量%、水酸基含有量は0.9重量%であり、外観は無色透明固体で、重量平均分子量は3,100であった。また、この樹脂の軟化点は71℃であった。
【0040】
合成例3
撹拌装置、冷却装置、温度計を取り付けた1Lフラスコにイソプロパノール20g、トルエン200g、フェニルトリイソプロポキシシラン226g(0.8モル)及びジメチルジイソプロポキシシラン35g(0.2モル)を仕込み、撹拌しながら0.2Nの塩酸水396g(22モル)を室温で1時間を要して滴下し、滴下終了後、内温を90℃まで昇温し、副生してきたイソプロパノールを溜去した。更に90℃で撹拌を1時間続けて熟成した。室温まで冷却しながら静置して分離してきた水層を除去し、引き続き10%硫酸ナトリウム水溶液を混合して10分間撹拌後、30分間静置し、分離してきた水層を除去する水洗浄操作をトルエン層が中性になるまで繰り返して反応を停止した。エステルアダプターを取り付け、オルガノポリシロキサンを含むトルエン層を加熱環流してトルエン層から水を除去し、内温が110℃に達してから更に1時間続けた後、室温まで冷却した。続けてヘキサメチルジシラザン45g(0.28モル)をフラスコ内へ撹拌しながら15分間で滴下し、滴下終了後、内温を100℃まで昇温し、撹拌を1時間続けて熟成した後、室温まで冷却した。得られたオルガノポリシロキサン溶液を濾過して不溶物を除去し、引き続き減圧蒸留によりトルエンと低分子シロキサンを除去して、固体のフェニル基含有オルガノポリシロキサン−3を132g得た。
得られたオルガノポリシロキサン−3は、M単位24モル%とD単位15モル%とT単位61モル%とを含み、全有機置換基中のフェニル基含有量は73重量%であり、アルコキシ基(イソプロポキシ基)含有量は1.3重量%、水酸基含有量は0.5重量%であり、外観は無色透明固体で、重量平均分子量は5,800であった。また、この樹脂の軟化点は89℃であった。
【0041】
合成例4〜6
合成例1と同様の調製方法において、使用するオルガノクロロシランの種類、オルガノクロロシランと水及びトルエンの使用量(モル比)を変化させて、各種のオルガノポリシロキサン−4〜6を得た。
【0042】
上記合成例で得られた各オルガノポリシロキサンにおける全有機置換基中のフェニル基含有量(重量%)はNMR測定データより前出の式によって計算し、全分子中のアルコキシ基含有量(重量%)もNMR測定データによって、また全分子中のSi−OH基としての水酸基含有量(重量%)はグリニヤ法に従い、所定量のオルガノポリシロキサンをメチルグリニヤ試薬と反応させて、生成するメタンガスを定量することによって測定し、重量平均分子量はGPC測定データよりポリスチレン標準試料で作成した検量線を用いて換算した。
【0043】
合成例1〜6によって得られたオルガノポリシロキサン−1〜6の物性値を表1に示す。
【表1】
【0044】
実施例1〜6と比較例1〜4で得られた各種ペレットを125℃で4時間乾燥した後に射出成形機(日本製鋼社製J100−E−C5)を用いて280℃、射出圧力1600kg/cm2にて難燃性評価用の試験片(125×13×1.6mm)を得た。
この試験片を温度23℃湿度50%の恒温室で48時間放置した後、アンダーライターズ・ラボラトリーズ・INCの定めている規格(UL94:機器部品用プラスチック材料の燃焼性試験の規格)に準拠し、難燃性の評価を行った。
また上記各種ペレットを125℃で4時間、乾燥した後に、射出成形機(日本製鋼社製J100−E−C5)を用いて280℃、射出圧力1600Kg/cm2にて難燃性評価用の試験片(125×13×1.6mm)を成形した。
該試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。基準を表2に示す。
【表2】
上に示す残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片が有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
【0045】
また、外観評価は得られた各種ペレットを125℃で4時間乾燥した後に射出成形機(FUNAC LTD製 AUTO SHOT Tシリーズ Model225D)を用いて設定温度280℃、射出スピード100mm/秒の条件で箱状金型(100(縦)×100(横)×50(深さ)mm、厚さ3mm)の成形を行った。
得られた成形品の表面外観を観察することにより評価した。問題なく成形出来た物を〇、色調が不均一であるもの、表面にシルバーやヒケの多発するものを×とした。
また、リサイクル性については、上記の方法により一度成型を行った成形品を再度溶融混練して上記と同様の成型を行い、成型品の外観を観察することによって評価し、初回と同様に問題なく成型できたものを○、外観が不均一であったり、形状に不備のあったものを×とした。
以上の結果を表3及び4に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
以上の結果から、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族硫黄化合物の金属塩、繊維形成型の含フッ素ポリマー、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩等の難燃性成分に加えて、微量の特定構造のオルガノポリシロキサンを含有するため、燃焼時に有害ガスを発生せずに樹脂の難燃化が達成され、成形品の色調不均一等の外観不良も発生することなく、リサイクル使用が可能であることがわかる。
Claims (10)
- ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、芳香族硫黄化合物の金属塩(B)0.01〜5重量部、及び繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)0.05〜5重量部から成る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、更に、R1R2R3SiO1/2(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる、炭素数1〜6の置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)で表されるシロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサンであって、ケイ素原子に結合する置換基として、必須にフェニル基を含有し、またそれぞれ2重量%未満のアルコキシ基及び/又は水酸基を含有してもよい、重量平均分子量が2,000〜50,000であるオルガノポリシロキサン(D)を0.1重量部未満含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)0.05〜5重量部、及びパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)0.01〜5重量部から成る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であって、更に、R1R2R3SiO1/2(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ同一又は異なる、炭素数1〜6の置換されていてもよい1価の炭化水素基を表す。)で表されるシロキサン単位を含有するオルガノポリシロキサンであって、ケイ素原子に結合する置換基として、必須にフェニル基を含有し、またそれぞれ2重量%未満のアルコキシ基及び/又は水酸基を含有してもよい、重量平均分子量が2,000〜50,000であるオルガノポリシロキサン(D)を0.1重量部未満含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記芳香族硫黄化合物の金属塩(B)が、芳香族スルホンアミドの金属塩又は芳香族スルホン酸の金属塩である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記芳香族硫黄化合物の金属塩(B)が、サッカリン、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミド及びN−(フェニルカルボキシル)−スルファニルイミドから成る群から選択される少なくとも1種の金属塩である請求項1又は3に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記芳香族硫黄化合物の金属塩(B)が、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸及びジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸から成る群から選択される少なくとも1種の金属塩である請求項1、3又は4に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記芳香族硫黄化合物の金属塩(B)の金属がアルカリ金属である請求項1、3、4又は5に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記芳香族硫黄化合物の金属塩(B)がp−トルエンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、2,4,6−トリクロロ−5−スルホイソフタル酸ジメチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸、p−ヨードベンゼンスルホン酸、及び7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸から選択される1種もしくは2種以上のアルカリ金属塩である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記繊維形成型の含フッ素ポリマー(C)がポリテトラフルオロエチレンである請求項1〜7のいずれか一項に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)の炭素数が1〜8である請求項2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(E)の金属がアルカリ金属である請求項2又は9に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
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