JP2013006985A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル樹脂Aと、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドを構造単位として有するポリエステル樹脂Bとを、ベント式二軸押出機により押し出されてなることを特徴とする難燃性ポリエステル樹脂組成物
【選択図】なし
Description
グリコール成分の例としては、エチレングリコール以外に、例えばジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の一種または二種以上を用いることができる。特に、エチレングリコールを用いることが好ましい。
6.0×10−6×D28≦Q/N≦15.0×10−6×D28 …(II)
6.3×10−6×D28≦Q/N≦14.7×10−6×D28 …(III)
下記式(IV)に示す条件では、回転数が押出量に対して高すぎるため、スクリューの剪断による発熱が過多となりIV保持率が悪化する傾向がある。また、下記式(V)式に示す条件では、回転数が押出量に対して低すぎるため、減圧下での溶融樹脂表面の更新度が低下して十分な脱気が行えずに極限粘度IV保持率が悪化する傾向がある。
15.8×10−6×D28<Q/N …(V)
実質的に未乾燥のポリエステルを使用した場合、当該ポリエステルの内部の水分は、ベント孔からの減圧作用によって脱気される。水分の脱気効率を高めるため、ベント孔の減圧度は、通常40mmHg以下、好ましくは30mmHg以下、さらに好ましくは10mmHg以下とする。
ICP:Varian Tech.社製ICP−AESを用いて、硝酸による酸分解法により、該樹脂組成物中のリン元素量(P)[重量%]を求めた。
粉砕したポリエステル系樹脂0.5gを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用い、30℃条件下で、1.0g/dlの濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
難燃性ポリエステルフィルム製膜時、該難燃性ポリエステル樹脂Bのフィーダー下での凝着性の評価を行った。評価は、実機生産を想定し、該樹脂Bを4時間供給し続け、全く凝着を示さなかった場合を◎、時折瞬時に凝着を示すが、連続的に供給されている原料と接触で、即剥離した場合を○、一度は凝着を示したが、供給される原料との連続的な接触により、剥離した場合を△、度重なる凝着により、該樹脂Bが堆積を示した場合を×、として行った。
無定形シートを縦延伸後、横延伸する際、横延伸機(テンター)において、延伸時にフィルムが破断する状況を、評価した。評価は、延伸時にフィルムが破断せず、生産性が良好な場合を○、時折または常にフィルムが破断し、生産性が劣るあるいは全くない場合を×、として行った。
アンダーライターズラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の燃焼性試験規格UL94の垂直燃焼試験方法に準じ、UL94VTM試験を行った。評価対象は、受理状態(23℃/50%RH/48h)およびエージング後(70℃/168h後)である。また、評価基準については、本試験方法は燃焼試験評価結果がばらつくこと、および、ULのフォローアップサービスは最大3回まで機会が与えられること、から1種のポリエステルフィルムサンプルに対し、VTM試験の一連の評価作業を3回行うこととした。以下に、難燃性評価手順([1]〜[5])について説明する。
[1]UL94のVTM試験に準ずる試験片を30本準備する。
[2]上記[1]の中から無作為に10本選択。
[3]試験片5本に対しUL94VTM試験を行う。5本評価でのVTM−0合否に関わらず、残りの試験片5本に対しUL94VTM試験を行い、VTM−0の合否を評価する。
[4]上記[1]から[2]の作業を、3回繰り返す。
[5][2]で得られたUL94VTM試験結果を評価する。評価は、前半の5本も後半の5本もVTM−0に合格した場合を○、前半の5本、もしくは後半の5本が、VTM−0に合格した場合を△、前半の5本も後半の5本もVTM−0に不合格した場合を×、として行った。
≪有機リン化合物(1)≫
攪拌機、温度計、ガス吹き込み口、および蒸留口を備えた内容積3Lのガラス製フラスコに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド(下記化学式(2))7.8molとエチレングリコール25.97molを加え、成分を溶解させるため、内容物の温度が100℃になるまでフラスコを加熱した。次いで、攪拌しながらイタコン酸7.96molを添加し、蒸留口から減圧器を介して、フラスコを30Torrの真空状態で加熱し、内容物を沸騰させた。この時点で、蒸留口の留出速度を調製することで、生成した水を除去した。さらに、内容物の沸騰状態を維持したまま、フラスコ内の温度を上昇させ、それに対応させて、減圧度も低下させていった。その内訳として、内容物の温度が185℃になるまでに4時間を要し、この時点での減圧度は430Torrであった。さらに、加熱を続け、最終的に内容物の温度が200℃になるまで加熱していった。この点を確認後、反応機に窒素ガスを吹き込んでフラスコを常圧に戻した。反応混合物は下記化学式(3)のエチレングリコール溶液である。また、減圧下、エチレングリコールを除去することにより、固形状の下記化学式(3)の化合物を精製できる。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム4水塩0.02部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してポリエステル樹脂ペレット(プレポリマー)を製造した。前記ポリエステル樹脂ペレット(プレポリマー)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ペレット状態のポリエステルAを得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.85であった。
前記手法により製造した有機リン化合物(1)25重量%およびポリエステルA75重量%を二軸混錬機により混練、押出し、難燃ポリエステルB−1のペレットを得た。
《難燃ポリエステルB−2の製造》
前記手法により製造した有機リン化合物(1)33重量%およびポリエステルA67重量%を二軸混錬機により混練、押出し、難燃ポリエステルB−2のペレットを得た。
《難燃ポリエステルB−3の製造》
前記手法により製造した有機リン化合物(1)45重量%およびポリエステルA55重量%を二軸混錬機により混練、押出し、難燃ポリエステルB−3のペレットを得た。
《難燃ポリエステルB−4の製造》
前記手法により製造した有機リン化合物(1)53重量%およびポリエステルA47重量%を二軸混錬機により混練、押出し、難燃ポリエステルB−4のペレットを得た。
《ポリエステルCの製造》
ポリエステルAの製造において、エステル交換終了後に、平均粒径が2.30μmのシリカ粒子0.1重量部とする以外はポリエステルAと同様の方法でポリエステルCを得た。得られたポリエステルの粘度は0.65であった。
上記ポリエステルA、難燃ポリエステルB−1およびポリエステルCを54:41:5の比率で混合したポリエステルを原料とし、1つのベント付き二軸押出機により、285℃で溶融し、シート状に押出した後、表面温度を35℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、実質的に非晶質のシートを得た。この際、押出機は同方向の二軸押出機を使用した。続いて、得られた非晶質シートを縦方向に83℃で3.3倍延伸した後、予熱/横延伸1/横延伸2/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を90/100/110/170/221/220/125℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行った。得られたフィルムの平均厚さは50μmであった。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表1に示す。
表1に示す原料配合比で行なうことを除いて、実施例1と同様の方法で、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。評価結果も表1に示す。
下記表2に示す原料配合比で行なうことを除いて、実施例1と同様の方法で、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。評価結果も表2に示す。
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