JP2013234218A - 黒色難燃ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステルフィルム中のリン元素含有量が0.30〜2.00重量%であり、ポリエステルフィルム中の黒色顔料成分含有量が0.5重量%以上であり、少なくとも一方のフィルム面の表面粗さRaが0.100μm以上であることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし
Description
片面にのみ形成した場合、その反対面には必要に応じて上記の塗布層と異なる塗布層を形成して他の特性を付与することもできる。なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよく、さらに、表面特性を改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
<サンプル調整>
フィルム:粉砕化後、東洋精機製作所製ラボプラストミルにて混練しチップ化。プレス加工によりシートサンプルを作成する。
フィルム以外の固形物:プレス加工によりシートサンプルを作成する。
<評価>
シートサンプルに対し、XRF:蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1800」)を用いて、下記表1に示す条件下で、リン元素含有量を求めた。
当該フィルムを0.2g採取し、20mlのフェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶液に溶解し、遠心分離により黒色顔料のみを沈降させた後、上済み液を取り除く。上済み液を取り除いた後の試料を蒸発乾固させ、蒸発乾固後の試料の重量を測定する。得られた測定値と、最初に秤量した0.2gから、該フィルム中の黒色顔料含有量(K)[重量%]を求める。
中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。即ち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わす。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Ra=(1/L)∫0 L|f(x)|dx
アンダーライターズラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の燃焼性試験規格UL94の垂直燃焼試験方法に準じ、UL94VTM試験を行った。評価対象は、受理状態(23℃/50%RH/48h)およびエージング後(70℃/168h後)である。以下に、難燃性評価手順、難燃性評価基準について説明する。
<難燃性評価手順>
[1]UL94のVTM試験に準ずる試験片を20本準備する。
[2]試験片10本に対し、受理状態でUL94VTM試験を行う。
[3]試験片10本に対し、エージング後でUL94VTM試験を行う。
○:受理状態で10本中0本が不合格、かつエージング後で10本中0本が不合格
△:受理状態で10本中1本が不合格、もしくは/およびエージング後で10本中1 本が不合格
×:受理状態で10本中2本以上が不合格、もしくは/およびエージング後で10本中2本以上が不合格
マクベス濃度計TD−904型を用いて、フィルムを単枚で測定した。表示値が安定後、読み取りを行った。得られた物性値を下記の基準で判断した。
○:透過濃度が2.0以上
△:透過濃度が1.3以上〜2.0未満
×:透過濃度が1.3未満
≪難燃性化合物:有機リン化合物(化学式(1))≫
攪拌機、温度計、ガス吹き込み口、および蒸留口を備えた内容積3Lのガラス製フラスコに9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイド(下記化学式(2))7.8molとエチレングリコール25.97molを加え、成分を溶解させるため、内容物の温度が100℃になるまでフラスコを加熱した。次いで、攪拌しながらイタコン酸7.96molを添加し、蒸留口から減圧器を介して、フラスコを30Torrの真空状態で加熱し、内容物を沸騰させた。この時点で、蒸留口の留出速度を調製することで、生成した水を除去した。さらに、内容物の沸騰状態を維持したまま、フラスコ内の温度を上昇させ、それに対応させて、減圧度も低下させていった。その内訳として、内容物の温度が185℃になるまでに4時間を要し、この時点での減圧度は430Torrであった。さらに、加熱を続け、最終的に内容物の温度が200℃になるまで加熱していった。この点を確認後、反応機に窒素ガスを吹き込んでフラスコを常圧に戻した。反応混合物は下記化学式(3)のエチレングリコール溶液である。また、減圧下、エチレングリコールを除去することにより、固形状の下記化学式(3)の化合物を精製できる。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム4水塩0.02部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.03部を添加した後、重縮合槽に移し、三酸化アンチモンを0.04部加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.66に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ストランド状に抜き出して、水冷後、カッターで切断してポリエステル樹脂ペレット(プレポリマー)を製造した。前記ポリエステル樹脂ペレット(プレポリマー)を出発原料とし、真空下220℃にて固相重合を行って、ペレット状態のポリエステルZを得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.85であった。
ポリエステルZと難燃性化合物(有機リン化合物(1))を62.5:37.5の比でベント付きの二軸押出機にてコンパウンドし、難燃性化合物MBを得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.45であった。
ポリエステルZのプレポリマー(極限粘度0.66)の製造において、エステル交換終了後に、下記化学式(3)で示される難燃性化合物、10−[2,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルプロピル]−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドをポリマー鎖に対し、リン元素量が3.00重量%にとなるよう添加すること以外はポリエステルZのプレポリマーと同様の方法でポリエステルXを得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.61であった。ポリエステルXの概念図を化学式(5)に示す。
ポリエステルZのプレポリマー(極限粘度0.66)の製造において、エステル交換終了後に、平均粒径が3.50μmの酸化ケイ素であるシリカ粒子3.5重量部を配合する以外はポリエステルZのプレポリマーと同様の方法でポリエステルWを得た。得られたポリエステルの極限粘度は0.66であった。
上記ポリエステルZをベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(オイル
ファーネスブラック 平均一次粒径70nm)を20重量%となるように供給してチップ化を行い、カーボンブラックマスターバッチペレットを得た。得られたペレットの極限粘度は0.63であった。
ポリエステルZ/ポリエステルY/ポリエステルW=40/30/30のブレンド原料を、280℃に設定したベント付きニ軸押出機Aに送り込み、ポリエステルZ/ポリエステルY/ポリエステルW/ポリエステルV=62/30/3/5のブレンド原料を、280℃に設定したベント付きニ軸押出機Bに送り込んだ。尚吐出量の比は、A:B=10:90とする。各押出機のポリマーをギヤポンプとフィルターを介して、フィードブロックで合流させ、ダイを通してキャスティングドラムに引き取り2種2層の未延伸フィルムを得た。かくして得られた未延伸フィルムを縦延伸ロールに送り込み、まずフィルム温度80℃で3.2倍延伸した後、テンターに導き95℃で横方向に3.7倍延伸して二軸配向フィルムを得た。次いで、得られた二軸配向フィルムを熱固定ゾーンに導き、220℃で熱処理し、表3に記載したA/B=5μm/45μmの厚み構成のポリエステルフィルムを得た。
下記表3に示す原料配合比、ならびにフィルム厚みについて、実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。評価結果も表3に示す。
下記表4に示す原料配合比、ならびにフィルム厚みについて、実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。評価結果も表4に示す。
下記表3に示す原料配合比、ならびにフィルム厚みについて、実施例1と同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得ようとしたが、破断が多発したためフィルムを得ることができなかった。
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