JPH09328012A - 流量制御装置およびそれを用いた温水式暖房装置 - Google Patents

流量制御装置およびそれを用いた温水式暖房装置

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JPH09328012A
JPH09328012A JP8296881A JP29688196A JPH09328012A JP H09328012 A JPH09328012 A JP H09328012A JP 8296881 A JP8296881 A JP 8296881A JP 29688196 A JP29688196 A JP 29688196A JP H09328012 A JPH09328012 A JP H09328012A
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hot water
bypass
valve
flow
flow rate
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JP8296881A
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English (en)
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Koichi Ito
伊藤  公一
Yoshihiko Okumura
奥村  佳彦
Yoshimitsu Inoue
美光 井上
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00321Heat exchangers for air-conditioning devices
    • B60H1/00328Heat exchangers for air-conditioning devices of the liquid-air type

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  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 左右独立温度制御用の複数の流量制御弁を共
通のハウジング内に一体構成した、小型な流量制御装置
を提供する。 【解決手段】 複数のヒータコア部6、7にそれぞれ対
応して設けられた複数の流量制御弁4、5に、それぞ
れ、ヒータコア部6、7に温水を供給する通路の入口に
配置された第1の絞り41、51および前記通路の出口
に配置された第2の絞り42、52と、この第1の絞り
41、51と第2の絞り42、52との間の中間圧力部
位に開口するバイパス開口43、53とを備え、第1の
絞り41、51、第2の絞り42、52およびバイパス
開口43、53の開口面積を円柱状の弁体により調整す
る。第1、第2の絞り、バイパス開口および弁体を共通
のハウジング内に収納し、このハウジング内に、複数の
流量制御弁4、5のバイパス開口43、53に連通する
バイパス通路9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温水流量を制御する
流量制御装置、およびこれを用いた温水式暖房装置に関
するもので、特に、温水にて空気を加熱する複数の熱交
換器部を備え、この複数の熱交換器部への温水流量を独
立に制御することにより、自動車室内の複数の空調対象
領域を独立に温度制御する温水式暖房装置に用いて好適
なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、温水式暖房装置を含む自動車用空
調装置の吹出空気の温度制御方式として、温水にて空気
を加熱する複数の熱交換器部を備え、この複数の熱交換
器部への温水流量を独立に制御することにより、自動車
室内の複数の空調対象領域、例えば、運転席側領域と助
手席側領域とを独立に温度制御する方式のものは知られ
ている。
【0003】この方式のものは、一般に左右独立温度制
御方式と称されており、この方式のものでは、この複数
の熱交換器部への温水流量を独立に制御するため、複数
の流量制御弁を各熱交換部への温水流路に独立に設ける
のが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、各熱交換部ごとに、それぞれ独立に流量制
御弁を設けているので、各熱交換部から流量制御弁部が
突出した形態となり、この流量制御弁部の突出によりそ
の周囲に大きなデッドスペースが発生してしまい、この
大きなデッドスペースにより流量制御弁部の設置スペー
ス、ひいては温水式暖房装置全体の設置スペースが増大
し、自動車等の制約された狭いスペース内への搭載が困
難になる。
【0005】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
複数の流量制御弁を共通のハウジング内に一体構成し
た、小型な流量制御装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、温水の微少流量を良好に制
御可能な流量制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1〜1
3記載の発明では、複数の暖房用熱交換部(6、7)に
それぞれ対応して複数の流量制御弁(4、5)を設ける
とともに、この複数の流量制御弁(4、5)に、それぞ
れ、前記各暖房用熱交換部(6、7)に温水を供給する
通路の入口に配置された第1の絞り(41、51)およ
び前記通路の出口に配置された第2の絞り(42、5
2)と、この第1の絞り(41、51)と第2の絞り
(42、52)との間の中間圧力部位に開口するバイパ
ス開口(43、53)と、第1の絞り(41、51)、
第2の絞り(42、52)およびバイパス開口(43、
53)の開口面積(A1、A2、A3)を調整する弁体
(44、54)とを備え、第1、第2の絞り(41、5
1、42、52)、バイパス開口(43、53)および
弁体(44、54)を共通のハウジング(30)内に収
納し、このハウジング(30)内に、複数の流量制御弁
(4、5)のバイパス開口(43、53)に連通して、
複数の暖房用熱交換部(6、7)をバイパスして温水を
流すバイパス通路(9)を形成し、さらに、複数の流量
制御弁(4、5)の弁体(44、54)をそれぞれ独立
に操作可能とする弁体作動手段(70、71)を備える
ことを特徴としている。
【0007】請求項1〜13記載の発明によれば、上記
技術的手段を有しているため、複数の流量制御弁(4、
5)を共通の1つのハウジング(30)内に一体構造と
して構成できる。そのため、複数の流量制御弁(4、
5)を持つ流量制御装置全体を小型な構造にまとめるこ
とができ、設置スペースの低減を図ることができるとと
もに、体格の小型化によりコスト低減を図ることもでき
る。
【0008】また、複数の暖房用熱交換部(6、7)の
吹出空気温度を低下させるために、温水流量を微少量に
制御する際、温水入口側の第1の絞り(41、51)及
び温水出口側の第2の絞り(42、52)の開口面積
(A1、A2)を双方とも小面積に絞り(2段絞り)、
さらには第1、第2の絞りの中間圧力部をバイパス通路
(9)に連通させることによって、複数の暖房用熱交換
部(6、7)に加わる温水圧力を十分小さくできる。
【0009】その結果、弁体(44、54)に微少開口
部を形成することなく、微少流量を良好に制御できるの
で、鋳砂等の異物による弁流路の閉塞を確実に防止でき
るとともに、複数の暖房用熱交換部(6、7)の吹出空
気温度を、低温域から高温域にわたって良好に制御でき
るという効果が大である。上記に加え、請求項2記載の
発明では、バイパス通路(9)を複数の流量制御弁
(4、5)のバイパス開口(43、53)に連通させ
て、バイパス通路(9)を1つの共通の通路にしたこと
を特徴としている。
【0010】このように、バイパス通路(9)を共通化
することにより、流量制御装置全体をより一層、小型で
簡潔な構造にすることができる。また、請求項3記載の
発明では、バイパス通路(9)に、温水圧力の上昇によ
り開弁する圧力応動弁(10)を備えたことを特徴とし
ている。この圧力応動弁(10)の作用により、温水供
給源の温水供給圧が変動しても、複数の暖房用熱交換部
(6、7)に加わる温水圧力を一定に維持して、吹出空
気温度の変動を抑制できる。
【0011】また、請求項5記載の発明では、バイパス
通路(9)として、複数の流量制御弁(4、5)のバイ
パス開口(43、53)にそれぞれ独立に連通する複数
のバイパス通路(9、9)を備えており、この複数のバ
イパス通路(9、9)に、それぞれ温水圧力の上昇によ
り開弁する圧力応動弁(10、10)を独立に備えたこ
とを特徴としている。
【0012】このように、複数の流量制御弁(4、5)
にそれぞれに対応してバイパス通路(9、9)および圧
力応動弁(10、10)を独立に備えることにより、複
数の流量制御弁(4、5)の開度の差が発生したとき
に、圧力応動弁(10、10)に加わるバイパス側温水
の動圧の相互干渉を回避して、圧力応動弁(10、1
0)による、吹出空気温度の変動抑制効果を向上でき
る。
【0013】また、請求項6記載の発明では、圧力応動
弁(10、10)から流出したバイパス側温水と複数の
暖房用熱交換部(6、7)から流出した戻り温水とを合
流させる合流部(Z)を備え、この合流部(Z)におい
て、前記圧力応動弁(10、10)からのバイパス側温
水の流れにより前記複数の暖房用熱交換部(6、7)か
らの戻り温水の流れを堰止めるようにしたことを特徴と
している。
【0014】このように、合流部(Z)においてバイパ
ス側温水の流れにより戻り温水の流れを堰止める作用を
発揮することにより、温水供給圧が特に高くなった場合
でも、圧力応動弁(10、10)による温水バイパス作
用と相まって、暖房用熱交換部(6、7)への温水流量
の増加を効果的に抑制でき、吹出空気温度の変動抑制効
果をより一層向上できる。
【0015】また、請求項9記載の発明では、弁体作動
手段(70、71)として、複数の流量制御弁(4、
5)の弁体(44、54)をそれぞれ独立に操作する電
気的駆動装置(70、71)を有し、この電気的駆動装
置(70、71)をハウジング(30)と一体に連結さ
れたハウジング(38、39)内に収納することを特徴
としている。
【0016】これにより、複数の流量制御弁(4、5)
の弁体(44、54)を電気的駆動装置(70、71)
によりそれぞれ独立に操作できるとともに、この電気的
駆動装置(70、71)も複数の流量制御弁と一体構造
として装着することにより、流量制御装置全体構造をさ
らに、小型、簡潔化でき、同時に組付の簡略化も実現で
きる。
【0017】また、請求項10記載の発明では、複数の
流量制御弁(4、5)の弁体(44、54)を、それぞ
れハウジング(30)内に、平行に、かつ回動可能に配
置された円柱状ロータにて構成し、この円柱状の弁体
(44、54)の回動により第1、第2の絞り(41、
51、42、52)、およびバイパス開口(43、5
3)の開口面積(A1、A2、A3)を調整するように
し、複数の円柱状弁体(44、54)相互の中心寄りの
位置に、第2の絞り(42、52)、およびこの第2の
絞り(42、52)の下流側に連通する温水出口穴(9
1、92)を配置し、この温水出口穴(91、92)を
複数の暖房用熱交換部(6、7)の温水入口(87、8
8)に接続するようにしたことを特徴としている。
【0018】このように、ハウジング(30)内に平行
に、かつ回動可能に配置された複数の円柱状弁体(4
4、54)相互の中心寄りの位置に、第2の絞り(4
2、52)および温水出口穴(91、92)を配置する
ことにより、この温水出口穴(91、92)の間隔を狭
めることができる。そのため、この温水出口穴(91、
92)に接続される複数の暖房用熱交換部(6、7)の
温水入口(87、88)の間隔も狭めることができ、暖
房用熱交換部(6、7)の小型化を図ることができる。
【0019】また、請求項13記載の発明では、複数の
暖房用熱交換部(6、7)に、それぞれ、並列配置され
た多数のチューブ(84)に温水を流し、温水と空気と
の間で熱交換を行うコア部(86)と、このコア部(8
6)のチューブ両端部に配置され、各チューブ(84)
への温水の分配、集合を行うタンク部(81、82、8
3)とを設け、このタンク部(81、82、83)にて
複数の暖房用熱交換部(6、7)を一体構造に連結する
とともに、コア部(86)のチューブ両端部に配置され
たタンク部(81、82、83)のいずれか一方に、前
記流量制御装置を直接、一体に装着したことを特徴とし
ている。
【0020】これにより、暖房用熱交換部(6、7)と
流量制御弁(4、5)とを一体構造物として取り扱っ
て、自動車への組付、搭載作業を容易に行うことができ
る。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施
形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1〜図11は本発明の第1実施形態
を示すもので、本発明を自動車用空調装置の温水式暖房
装置に適用した例を示す。図1は暖房用の温水回路部を
示すもので、1は自動車走行用の水冷式エンジン、2は
エンジン1の回転軸に機械的に連結され、エンジン1に
より駆動されるウオータポンプで、エンジン1の温水回
路3に温水を循環させるものである。この温水回路3
は、途中の部位にて第1通路3aと第2通路3bとに分
岐し、さらにこれらの通路3a、3bの途中に、第1お
よび第2の流量制御弁4、5が設けられている。
【0022】そして、この第1および第2の流量制御弁
4、5の温水下流側に、第1ヒータコア部6および第2
ヒータコア部7がそれぞれ直列に設けられている。この
第1ヒータコア部6および第2ヒータコア部7の温水下
流側は合流して、ウオータポンプ2の吸入側に接続され
ている。上記第1および第2の流量制御弁4、5は、そ
れぞれ温水出入口を3つ有する三方弁タイプのものであ
り、それぞれ第1、第2の絞り41、42、51、52
を有している。この第1の絞り41、51と第2の絞り
42、52との間の中間圧力部位に開口するバイパス開
口43、53を有し、この両バイパス開口43、53を
共通のバイパス通路9に結合し、そして、このバイパス
通路9に、共通の定差圧弁(圧力応動弁)10が設けて
ある。
【0023】この定差圧弁10は、その前後の差圧が予
め定められた所定値に達すると開弁するものであって、
エンジン1の回転数変動によりウオータポンプ2の吐出
圧が変動しても、ヒータコア6、7の前後圧を一定に近
づける役割を果たすものである。上記第1および第2の
流量制御弁4、5の具体的構造の詳細は後述する。次
に、自動車用空調装置の室内ユニットの通風系構成の概
要を図2により説明すると、11は空気を車室内に導く
空気通路としての空調ダクトであり、この空調ダクト1
1の一端側には図示しない内外気切替箱の内気吸入口お
よび外気吸入口からの内気または外気が吸入される空気
吸入口12が形成され、他端側には複数の吹出口群1
3、14が形成されている。
【0024】15は送風機で、周知の遠心式多翼ファン
からなり、空気吸入口12から吸入した空気を上記吹出
口群13、14に向かって圧送する送風手段である。1
6は送風機15から圧送されてきた空気を冷却する冷房
用熱交換器で、具体的には図示しない冷凍サイクル中に
設けられ、冷媒の蒸発潜熱により空気を冷却する蒸発器
である。
【0025】そして、上記第1ヒータコア部6および第
2ヒータコア部7は、この蒸発器16の空気下流側部位
において空調ダクト11内を横断するようにして、並列
に配設されている。従って、蒸発器16を通過した空気
は全てこのヒータコア部6、7で再加熱される。つま
り、上記各ヒータコア部6、7はそれぞれ、エンジン1
から供給される温水と空調ダクト11内の送風空気とを
熱交換して、この送風空気を加熱する暖房用熱交換部を
構成する。
【0026】そして、上記各ヒータコア部6、7の空気
下流側には仕切り板17が設置されて、上記各ヒータコ
ア部6、7の空気下流側通路を、運転席側通路18と助
手席側通路19とに仕切っている。上記吹出口群13は
この運転席側通路18の下流端に形成されて、第1ヒー
タコア部6を通過した空気を車室内の運転席側に吹き出
すものである。また、上記吹出口群14はこの助手席側
通路19の下流端に形成されて、第2ヒータコア部7を
通過した空気を車室内の助手席側に吹き出すものであ
る。
【0027】従って、上記各ヒータコア部6、7への温
水量を独立に制御することにより、上記各通路18、1
9からの吹出空気温度を独立に制御可能となる。上記吹
出口群13は具体的には、運転者の上半身に向けて空気
を吹き出す運転席側フェイス吹出口と、運転者足元に向
けて空気を吹き出す運転席側フット吹出口と、窓ガラス
内面に向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口とからな
る。
【0028】同様に、上記吹出口群14も具体的には、
助手席乗員上半身に向けて空気を吹き出す助手席側フェ
イス吹出口と、助手席乗員足元に向けて空気を吹き出す
助手席側フット吹出口と、上記デフロスタ吹出口とから
なる。第1および第2の流量制御弁4、5は、本例で
は、電子制御装置20にてそれぞれ独立に弁開度が自動
制御されるようになっている。この電子制御装置20に
は、車室内温度を検出する内気温センサ21、外気温度
を検出する外気温センサ22、車室内に照射される日射
量を検出する日射センサ23、第1ヒータコア部6の吹
出空気温度を検出する温度センサ(図示せず)、第2ヒ
ータコア部7の吹出空気温度を検出する温度センサ(図
示せず)等の検出信号が入力される。
【0029】さらに、車室内前部の計器盤部に設けられ
た空調パネル(図示しない)上に設けられた運転席用温
度設定器24および助手席用温度設定器25から温度設
定信号が電子制御装置20に入力される。電子制御装置
20は、マイクロコンピュータとその周辺回路等よりな
る制御装置で、上記各センサ21〜23および温度設定
器24、25等からの入力信号に基づいて所定の処理を
実行し、第1および第2の流量制御弁4、5に弁開度の
制御信号を出力するものである。
【0030】図3は上記第1および第2の流量制御弁
4、5の概要を示す分解斜視図で、図4〜図6は第1お
よび第2の流量制御弁4、5と第1および第2のヒータ
コア部6、7との一体化構造の具体例を示すものであ
る。各流量制御弁4、5における弁体44、54は本例
では樹脂材料にて円柱状形状に成形され、やはり樹脂に
て成形されたハウジング30内に回動可能に、かつ平行
に配置され、収納されている。
【0031】従って、弁体44、54は本例では、回動
可能な円柱状ロータから構成されていることになり、こ
の円柱状弁体44、54はその軸が図4の紙面垂直方向
(図5の上下方向)に延びるように配置されている。上
記ハウジング30には、エンジン1からの温水が流入す
る温水入口パイプ31が樹脂にて一体成形されている。
そして、ハウジング30内部には、この温水入口パイプ
31からの温水が流入する温水入口室32(図4参照)
が形成されており、この温水入口室32が2つの通路、
すなわち、図1の第1通路3aと第2通路3bとに分岐
している。
【0032】この第1通路3aと第2通路3bは、それ
ぞれ、円柱状弁体44、54の外周面に対向するように
配置され、第1、第2通路3a、3bと、円柱状弁体4
4、54との間にそれぞれ、ゴム製パッキンからなる温
水入口側弾性シール部材33、34が配置されている。
この弾性シール部材33、34は、図3に示すように、
矩形状の形状に形成され、その中央部に円形の温水流通
穴33a、34aを有している。
【0033】なお、図1に示した第1の絞り41、51
は、弾性シール部材33、34の温水流通穴33a、3
4aと円柱状弁体44、54の外周面に開口している温
水入口側の開口部45、55(図3参照)とにより構成
される。また、ハウジング30内において、平行に配置
された2つの弁体44、54の間には、樹脂製の仕切り
板35が配置され、この仕切り板35によって、2つの
弁体44、54の温水流路が区画されている。円柱状弁
体44、54の外周面において、温水入口側弾性シール
部材33、34と180°対称位置に、バイパス側の弾
性シール部材36、37が配置されている。
【0034】この弾性シール部材36、37もゴム製パ
ッキンからなり、図3に示すように矩形状に成形され、
その中央部に円形の温水流通穴36a、37aが設けて
ある。このバイパス側弾性シール部材36、37の温水
流通穴36a、37aにより図1のバイパス開口43、
53を構成している。この2つの温水流通穴36a、3
7aは、図4に示すように、ハウジング30内に形成さ
れたバイパス通路9に連通している。このバイパス通路
9は2つの流量制御弁4、5に対して共通のものであ
る。
【0035】そして、このバイパス通路9には、定差圧
弁10が配設されている。この定差圧弁10は樹脂によ
り略円板状に形成された弁体10aを有し、この弁体1
0aの中心部はガイド軸10bに対して図4の上下方向
に摺動可能に嵌合している。また、弁体10aにはコイ
ルバネ10c(バネ手段)の一端が当接して、弁体10
aを図4の上方向(閉弁方向)に押圧するようになって
いる。弁体10aの外周面に配設したOリング(弾性シ
ール部材)10dが弁座10eに圧着することにより、
定差圧弁10は閉弁状態となる。
【0036】弁座10eの中心穴形状はその温水入口側
をテーパ状に拡大して通水抵抗を減少するようにしてあ
る。コイルバネ10cの他端部は樹脂製の支持板10f
により支持されており、この支持板10fは、スプリン
グ力によりハウジング30の内壁面に圧着するものであ
る。また、この支持板10fの中心部にガイド軸10b
が一体に成形されている。
【0037】そして、弁体10a前後の差圧、すなわ
ち、弁座10eの入口側と弁体10a下流側との温水差
圧が所定値に達すると、コイルバネ10cの力に抗して
弁体10aが図4の下方へ移動して、弁座10eから開
離し、弁体10aが開弁するようになっている。なお、
エンジン1のアイドル時(エンジン回転数が最も低いと
き)にも最大暖房能力確保のために必要な温水流量が十
分得られる場合には、弁体10aに複数の貫通穴(バイ
パス穴、図示せず)を設けて、閉弁時にもこの貫通穴を
通して温水が流通するようにしてもよい。
【0038】図4はハウジンク30およびハウジンク3
8、39の上蓋部30a、38a、39a(図6参照)
を取り外した状態を示しており、ハウジンク30はOリ
ングからなる弾性シール部材60A(図7参照)を上蓋
部30aとの間に介在し、この弾性シール部材60Aを
圧縮変形させながら、ハウジンク30に上蓋部30aを
ネジ等の締結手段にて水密的に、一体に締結するように
なっている。
【0039】一方、ハウジンク38、39は第1、第2
の流量制御弁4、5の弁体44、54をそれぞれ独立に
操作する電気的駆動装置70、71を収納する部分であ
り、ハウジンク30と一体に連結されているが、ハウジ
ンク30内の温水回路部からは切り離されている。それ
故、ハウジンク38、39には、弾性シール部材を介在
せずに、上蓋部38a、39aをネジ等の締結手段にて
一体に締結するようになっている。
【0040】ハウジング30の上方部のうち、定差圧弁
10に対向する部位には、樹脂製の温水出口パイプ61
が配置されており、この温水出口パイプ61は、図4に
おいて定差圧弁10の左右に隣接する電気的駆動装置7
0、71の上方部にも延びるように形成されている。こ
の温水出口パイプ61も、上蓋部30aと同様にOリン
グからなる弾性シール部材60B(図5参照)を介在し
てハウジンク30にネジ等の締結手段にて水密的に、一
体に締結されるようになっている。この結果、上記した
ハウジンク30内の温水回路部は上蓋部30aと温水出
口パイプ61とにより外部に対して密閉される。
【0041】この温水出口パイプ61の下流端61a
は、図1の温水回路にてウオータポンプ2の吸入側に接
続される。温水出口パイプ61の途中には開口部62が
設けてあり、この開口部62は定差圧弁10において弁
体10aの下流側に位置する部位に連通している。ま
た、温水出口パイプ61の上流端61bは、後述する第
1、第2ヒータコア部6、7の温水出口89(図5参
照)からの接続パイプ63に接続されている。従って、
開口部62の部位は、図1の温水回路の合流部Zに相当
する。
【0042】上記温水出口パイプ61と接続パイプ63
は、図示を省略したがOリング等の弾性シール部材を用
いたジョイントにて、水密的に、かつ脱着可能に接続さ
れている。なお、接続パイプ63はアルミニュウム等の
金属または樹脂等の剛体で形成されている。また、図
3、図7に示すように、第1、第2の流量制御弁4、5
の円柱状弁体44、54の軸方向の一端側には、ヒータ
コア部入口側の弾性シール部材64、65が配置されて
いる。この弾性シール部材64、65もゴム製のパッキ
ン材からなるもので、長円状に成形され、中央部より若
干量、一端側に偏った位置に長円状の温水流通穴64
a、65aが設けてある。
【0043】この温水流通穴64a、65aは、円柱状
弁体44、54の軸方向の一端面に開口している出口側
開口部98、99(後述の図9(a)参照)と連通可能
になっている。そして、弾性シール部材64、65の温
水流通穴64a、65aの温水下流側は、ハウジング3
0の底面部に開口している温水出口穴91、92に常
時、連通している。この温水出口穴91、92は、詳細
を後述するように、第1、第2のヒータコア部6、7の
温水入口87、88に直接連結されている。
【0044】次に、第1、第2の流量制御弁4、5の駆
動操作機構について説明すると、円柱状弁体44、54
の軸方向の他端面(図3の上端面)には、弁体44、5
4を回動操作するためのシャフト44a、54aが一体
に設けられている。このシャフト44a、54aはハウ
ジング30の上蓋30aの外面側(上部)に突出するよ
うになっている。
【0045】シャフト44a、54aの突出端は非円形
の断面形状であるD形状に形成され、また、ハウジング
30の上蓋30aの外面側には扇形ギヤ72、73が配
設され、この扇形ギヤ72、73の回転中心穴(扇の要
の位置にある穴)にシャフト44a、54aのD形状の
突出端が一体に嵌合して連結してある。従って、シャフ
ト44aと扇形ギヤ72、シャフト54aと扇形ギヤ7
3はそれぞれ一体に回転するようになっている。
【0046】定差圧弁10の左右に隣接する電気的駆動
装置70、71は、直流モータからなるサーボモータ7
0a、71aを有し、このサーボモータ70a、71a
のシャフト70b、71bの先端部にはそれぞれウオー
ムギヤ74、75が設けられている。このウオームギヤ
74、75はそれぞれ減速用平ギヤ群76、77とかみ
合っており、そして、この減速用平ギヤ群76、77の
最終段ギヤが前記扇形ギヤ72、73の外周部ギヤとか
み合うようになっている。
【0047】上述した機構にてサーボモータ70a、7
1aの回転がそれぞれ独立に円柱状弁体44、54に伝
達され、この弁体44、54がそれぞれ独立に回動操作
される。すなわち、上述した機構にて弁体44、54を
それぞれ独立に回動操作する弁体作動手段が構成され
る。ここで、弁体44、54の作動手段としては、前記
したサーボモータ70a、71aのようなアクチュエー
タを持つ電気的駆動装置70、71に限らず、レバー、
ケーブル等を用いた手動操作機構により弁体44、54
を回動操作するようにしてもよい。
【0048】手動操作機構の場合は、樹脂製扇形ギヤ7
2、73の上面にピンを一体成形し、このピンに手動操
作用のケーブルを連結するようにすればよい。次に、前
述した図4〜図7に基づいて第1および第2のヒータコ
ア部6、7の具体的構成を詳述すると、本例では、第1
および第2のヒータコア部6、7は、1つのヒータコア
(暖房用熱交換器)80内において一体構造として構成
されている。このヒータコア80はろう付けにより一体
接合されたアルミニュウム熱交換器にて構成できる。
【0049】そして、ヒータコア80は、その一端部
に、互いに区画形成された第1、第2の2つの温水入口
側タンク81、82を有し、その他端部には共通の1つ
の温水出口側タンク83を有している。そして、この左
右の両タンク81、82と83との間に、多数の並列設
置された偏平チューブ84とコルゲートフィン85とか
らなるコアー部86が形成されている。ここで、コアー
部86は温水と空調空気との間で熱交換を行う熱交換部
であり、入口側タンク81、82から出口側タンク83
への一方向のみに温水が流れる全パスタイプ(一方向流
れタイプ)として構成されている。
【0050】図5において、入口側タンク81と82か
らの温水が、コアー部86の上半部と、下半部とをそれ
ぞれ独立に流れるようにしてあり、これにより第1およ
び第2のヒータコア部6、7が形成されている。上記各
タンク81〜83の長手方向の一端側(図5の上端側)
に、第1、第2の温水入口87、88、および温水出口
89が形成してある。この温水出口89には、接続パイ
プ63の一端が、Oリングのごときシール材を用いたジ
ョイント90にて水密的にかつ脱着自在に連結されてい
る。
【0051】また、入口側タンク81、82の温水入口
87、88の周囲には金属(アルミニュウム)製の取付
板93がろう付けにより接合されており、この取付板9
3上に流量制御弁4、5のハウジング30の底部を載置
し、このハウジング30の底部と取付板93との間にO
リングからなる弾性シール部材60Cを介在し、この弾
性シール部材60Cを圧縮変形させながら、ハウジンク
30の底部を取付板93にネジ等の締結手段にて水密的
に、一体に締結するようになっている。
【0052】以上の結果、本実施形態では、流量制御弁
4、5に、バイパス通路9、定差圧弁10、およびサー
ボモータ70a、71a等からなる電気的弁体駆動装置
70、71を一体化し、さらにこれらをヒータコア80
に予め一体的に連結してある。従って、これらを一体構
造物として通風ダクト(ヒータケース)11に組み付け
ることができ、組付性の向上、ヒータコア部分の形状の
小型化を図ることができる。
【0053】さらに、本実施形態では、自動車への空調
装置搭載時における温水配管結合作業を簡略化するため
の工夫を講じている。すなわち、図5、6に示すよう
に、エンジン1からの温水が流入する温水入口パイプ3
1と、エンジン1に温水を還流する温水出口パイプ61
を並列に配置して同方向に突出させている。本例では、
具体的には、ヒータコア80の出口側タンク83の長手
方向延長上の位置からタンク長手方向と直角方向に、温
水出口パイプ61を配管するとともに、温水入口パイプ
31を入口側タンク81、82の長手方向延長上の位置
からタンク長手方向と直角方向に、かつ温水出口パイプ
61と並列に配管している。
【0054】ところで、円柱状の弁体44、54には、
第1の絞り41、51の開口面積(エンジン1からの温
水入口開口面積)A1、第2の絞り42、52の開口面
積(ヒータコア入口開口面積)A2、およびバイパス開
口43、53の開口面積A3を調整するための制御流路
の開口パターンが形成してある。以下、この開口パター
ンについて具体的に説明する。
【0055】本実施形態では、上記弁体44、54の開
度(弁体回転角)に応じて、上記弁体44、54の開口
パターンにより図8に示す所定の相関関係を持って上記
開口面積A1、A2、A3を制御するように構成してあ
る。この図8に示す相関関係を実現するために、上記弁
体44、54の開口パターンと、上記弁体44、54が
摺動する温水入口側の弾性シール部材33、34の温水
流通穴33a、34a、バイパス側の弾性シール部材3
6、37の温水流通穴36a、37a、およびヒータコ
ア入口側の弾性シール部材64、65の温水流通穴64
a、65aの具体的形状は、図9、図10に示すように
設定されている。
【0056】図9(a)は図11のB−B断面を示し、
上記弁体44、54の軸方向端面に形成された出口側開
口部94、95と、ヒータコア入口側の弾性シール部材
64、65の温水流通穴64a、65aの開口形状を示
している。また、図9(b)は弁体44、54の円周面
の展開形状を示し、図10は弁体44、54の軸方向中
央位置における断面形状(図11のC−C断面)を示し
ている。そして、図9、10では、弁体開度を0°から
110°までの9段階に変化させた場合における、弁体
44、54の開口パターンと各温水流通穴33a、34
a、36a、37a、64a、65aとの連通状態の変
化を示している。
【0057】弁体開度=0°の弁体位置は、第1、第2
ヒータコア部6、7への温水流入を遮断する最大冷房位
置(非暖房位置)であり、弁体開度=110°の弁体位
置は、第1、第2ヒータコア部6、7への温水流入量を
最大とする最大暖房位置である。図9(b)、図10お
よび図3に示すように、弁体44、54の円周面には、
入口側開口部45、55、45a、55aおよびバイパ
ス側開口部96、97を配置し、この入口側開口部4
5、55、45a、55aおよびバイパス側開口部9
6、97により温水入口開口面積A1、及びバイパス用
開口43、53の開口面積A3を調整する。
【0058】この温水入口開口面積A1、及びバイパス
用開口面積A3の調整機構について、より具体的に説明
すると、入口側開口部45、55、45a、55aは、
シール部材33、34の円形の温水流通穴33a、34
aとの連通形状を変化させるものであって、入口側開口
部45、55は図9(b)に図示のごとき嘴形状であ
り、弁体開度が20°を超えると嘴形状の先端部分から
温水流通穴33a、34aに連通するようになってい
る。
【0059】また、入口側開口部45a、55aはφ2
相当の円形の小穴であり、弁体開度が0°の時(暖房停
止時)にも温水流通穴33a、34aに連通するように
なっている。この入口側開口部45a、55aは弁体開
度が40°を超えると、温水流通穴33a、34aとの
連通を遮断する。また、バイパス側開口部96、97は
長円状の形状であり、一方、このバイパス側開口部9
6、97が連通するシール部材36、37の温水流通穴
36a、37aは円形状になっている。
【0060】また、弁体44、54の軸方向の一端面に
は、出口側開口部98、99(図9(a)、図10参
照)を配置し、この出口側開口部98、99によりヒー
タコア入口開口面積A2を調整する。このヒータコア入
口開口面積A2の調整機構について、より具体的に説明
すると、弁体44、54の出口側開口部98、99はシ
ール部材64、65の温水流通穴64a、65aとの連
通形状を変化させるものであって、この温水流通穴64
a、65aは、図3、図9(a)、図10に示すよう
に、弁体44、54の回動中心を通過しない位置に偏心
させた長円形状である。
【0061】一方、弁体44、54の出口側開口部9
8、99は、弁体44、54の暖房停止位置(弁体開度
=0°)において、弁体44、54の回動中心を間にし
て、温水流通穴64a、65aと180°反対側に配置
した細長湾曲形状になっている。そして、この出口側開
口部98、99の先端部には、弁体44、54が微少流
量制御域の回動位置(例えば弁体開度=40°以下の開
度位置)にあるとき、温水流通穴64a、65aと連通
する微小開口部98a、99aが形成してある。
【0062】なお、弁体44内部において、上記した各
開口部45、45a、96、98、相互、また弁体54
内部において、上記した各開口部55、55a、97、
99相互は、図10に示すように常に連通している。図
9において、弁体開度=40°の開度位置における斜線
部は各開口部と各温水流通穴との重合部、すなわち通水
部であり、この斜線部の大きさが各開口面積A1、A
2、A3となる。
【0063】以上の説明から理解されるように、弁体4
4、54の入口側開口部45、55、45a、55aと
シール部材33、34の温水流通穴33a、34aとに
より、温水入口側の第1の絞り41、51の開口面積A
1を調整し、弁体44、54の出口側開口部98、99
とシール部材64、65の温水流通穴64a、65aと
により、温水出口側の第2の絞り42、52の開口面積
A2を調整し、弁体44、54のバイパス側開口部9
6、97とシール部材36、37の温水流通穴36a、
37aとにより、バイパス用開口43、53の開口面積
A3を調整することになる。
【0064】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。最大暖房能力時には、流量制御弁4、5の
弁体44、54がサーボモータ70a、71aにより最
大開度の位置(具体的には図9、10の弁体開度:11
0°の位置)まで回動される。これにより、弁体44、
54内の制御流路の入口側開口部45、55が温水入口
側のシール部材33、34の温水流通穴33a、34a
と最大面積で重畳するとともに、出口側開口部98、9
9が温水出口側シール部材64、65の温水流通穴64
a、65aと最大面積で重畳し、開口面積A1、A2を
最大(図8参照)とする。なお、図9の弁体開度:11
0°の位置において、出口側開口部98、99のうち温
水流通穴64a、65aと重畳しない部分は、出口側開
口部98、99と入口側開口部45、55との連通状態
を確保するために利用される部分である。
【0065】一方、弁体44、54内の制御流路のバイ
パス側側開口部96、97はバイパス側シール部材3
6、37の温水流通穴36a、37aと連通しないの
で、バイパス用開口43、53は全閉状態となる。その
結果、エンジン1からの温水は最大流量でヒータコア8
0の第1、第2のヒータコア部6、7に流入して、バイ
パス通路9には温水が流れない。これにより、第1、第
2のヒータコア部6、7は最大暖房能力を発揮できる。
このとき、温水入口パイプ31と第1、第2のヒータコ
ア部6、7の温水入口87、88との間を最大の開口面
積A1、A2でもって連通しているので、鋳砂等の異物
による流路閉塞、あるいは急絞りによる流水音等が発生
する恐れはない。
【0066】また、上記のごとくバイパス通路9を全閉
状態とすることにより、エンジン1の放熱用ラジェータ
(図示せず)への循環流量を確保できる。次に、暖房停
止時(自動車用空調装置に冷房機能が装備されていると
きは、最大冷房時となる)には、流量制御弁4、5の弁
体44、54がサーボモータ70a、71aにより開度
零の位置(具体的には図9、10の弁体開度:0°の位
置)まで回動される。この開度零の位置では、弁体4
4、54内の制御流路のバイパス側側開口部96、97
がバイパス側シール部材36、37の温水流通穴36
a、37aと最大面積で重畳してこのバイパス側開口面
積A3を最大とする。
【0067】また、弁体44、54の出口側開口部9
8、99が温水出口側シール部材64、65の温水流通
穴64a、65aと連通せず,温水出口側開口面積A2
を零とする。一方、弁体44、54の入口側開口部4
5、55においては、図9(b)の最上部に示すよう
に、入口側開口部45a、55aのみが温水入口側シー
ル部材33、34の温水流通穴33a、34aと重畳し
て連通する。これにより、温水入口パイプ31からの流
路を全閉とせず、入口側開口部45a、55aにより温
水出口側開口面積A1としてφ2丸穴相当の最小開口面
積を設定する。
【0068】上記の弁体位置により、温水入口パイプ3
1からバイパス用開口43、53への温水の流れを継続
できるので、温水の流れの急遮断によるウオータハンマ
現象の音の発生を防止できるとともに、φ2丸穴相当以
上の開口面積の確保により流水音の発生も防止できる。
また、温水回路中の鋳砂は通常、φ1以下の微小物であ
るので、上記大きさの最小開口を設定することにより、
鋳砂等の異物による流量制御弁流路の閉塞を十分防止で
きる。
【0069】また、上記のごとく温水入口パイプ19の
開口面積を、φ2丸穴相当の最小開口面積に設定するこ
とにより、エンジン1の放熱用ラジェータ(図示せず)
への循環流量を確保できる。次に、微少能力時には、弁
体44、54が図9、10の弁体開度20°以下の位置
に回動されるので、入口側開口部45a、55aと出口
側開口部98、99の微小開口部98a、99aが温水
入口側および温水出口側の双方の穴部33a、34a、
64a、65aに対して小面積で重畳し、温水入口側の
開口面積A1及び温水出口側の開口面積A2を双方とも
絞っている2段絞りの状態となり、かつこの2段絞りを
構成する第1、第2の絞り42、52の中間部は全開状
態にあるバイパス用開口43、53によって十分大きな
開口面積A3でバイパス通路9に連通しているので、こ
の中間部の圧力を下げることができる。
【0070】その結果、第1、第2のヒータコア部6、
7前後の差圧を十分小さくできるので、弁開度(弁体回
転角)の変化に対する温水流量の変化(最終的には車室
内への吹出空気温度の変化)を、特別小さな開口面積を
必要とせずに、緩やかすることができる。すなわち、吹
出空気温度の制御ゲインを低減できる。この制御ゲイン
の低減により、車室内への吹出空気温度をきめ細かく制
御できるとともに、温水入口側、及び温水側の開口面積
A1、A2を特別小さな開口面積に設定する必要がなく
なるため、鋳砂等の異物による流量制御弁流路の閉塞を
十分防止できる。
【0071】また、温水入口側の絞り部開口面積A1を
温水出口側絞り部開口面積A2の2倍程度(図8のグラ
フに示す弁体開度20°以下の領域)に設定することに
より、温水入口パイプ31の流路からバイパス用開口4
3、53へと流れるバイパス流の流量を増大させて、鋳
砂等の異物がバイパス用開口43、53へ流れやすくす
ることができ、これにより温水出口側の第2の絞り4
2、52に滞留しようとする異物も上記バイパス流で洗
い流すことができ、鋳砂等の異物による流路の閉塞をよ
り一層効果的に防止できる。
【0072】次に、中間能力時においては、弁体44、
54が図8の弁体開度20°〜60°の回動範囲にわた
って、回動され、この弁体回動範囲では、温水入口側絞
り部開口面積A1および温水出口側絞り部開口面積A2
がほぼ同等の大きさで増加するとともに、バイパス側開
口面積A3が次第に減少する。これにより、第1、第2
のヒータコア部6、7への温水流量を増加させて、吹出
空気温度を次第に高める。
【0073】このような弁体回動位置においても、上記
2段絞りにより、同様に制御ゲインを低減して、車室内
への吹出空気温度をきめ細かく制御できる。また、絞り
部開口面積の増加により、鋳砂等の異物による流路閉塞
の恐れがなくなるので、この状態では、温水入口側の絞
り部開口面積A1と温水出口側の絞り部開口面積A2を
同等に設定してある。
【0074】次に、中間能力時〜大能力時においては、
弁体44、54が図6の弁開度60°を越える回動位置
から110°未満の回動位置にわたって、回動されるこ
とにより、上記両開口面積A1、A2がさらに増加する
とともに、バイパス側開口面積A3が減少する。これに
より、第1、第2のヒータコア部6、7への温水流量を
さらに増加させて、吹出空気温度を高める。
【0075】ところで、自動車用空調装置の温水供給源
をなすエンジン1は、自動車の走行条件の変化に伴って
回転数が大幅に変化するので、エンジン1からの温水供
給圧は走行条件の変化により大幅に変化し、これが流量
制御弁4による温水流量制御、ひいては吹出空気温度制
御に対する大きな外乱要素となるが、本実施形態にあっ
ては、エンジン1からの温水供給圧の変化による温水流
量の変動をバイパス通路9への定差圧弁10の配置によ
り良好に解消している。
【0076】すなわち、定差圧弁10においては、エン
ジン1からの温水供給圧が上昇して、弁体6a前後の差
圧がスプリング6bにより定まる所定圧より高くなる
と、弁体10aが図4の下方へ移動して開弁し、弁体1
0aと弁座10eとの間の隙間が上記差圧に応じて変動
することより、定差圧弁10はその前後の圧力差を一定
値に維持するように作用する。
【0077】これにより、第1、第2のヒータコア部
6、7に加わる温水圧力を、エンジン1からの温水供給
圧の変動にかかわらず、一定値に維持でき、エンジン1
からの温水供給圧の変化による温水流量の変動を防止で
きる。上記した作動説明は、第1、第2の流量制御弁
4、5の弁体開度を同一開度に制御する場合について説
明したが、第1および第2の流量制御弁4、5は、図2
に示すように、電子制御装置20にてそれぞれ独立に弁
開度を自動制御できる。
【0078】すなわち、電子制御装置20には各種セン
サ21、22、23の検出信号が入力されるとともに、
運転席用温度設定器24および助手席用温度設定器25
からの温度設定信号が入力される。従って、電子制御装
置20は、これらの入力信号に基づいて所定の処理を実
行し、第1および第2の流量制御弁4、5を駆動するサ
ーボモータ70a、71aに弁開度の制御信号を出力す
ることにより、第1および第2の流量制御弁4、5の弁
開度をそれぞれ独立に自動制御できる。
【0079】これにより、第1、第2のヒータコア部
6、7に流入する温水流量を独立に制御でき、第1、第
2のヒータコア部6、7による空調空気の加熱量を独立
に制御できる。その結果、車室内の運転席側領域への吹
出空気温度と助手席側領域への吹出空気温度とを独立に
制御できる。本発明は上記第1実施形態に限定されるこ
となく、請求項記載の技術的思想の趣旨に従って種々変
形可能なものであり、以下他の例について述べる。
【0080】(第2実施形態)図12、13は第2実施
形態を示すもので、定差圧弁10と第1および第2の流
量制御弁4、5の弁体44、54を駆動する電気的駆動
装置70、71の配置形態を変更したものであり、他の
点は第1実施形態と同じである。第1実施形態では、図
4に示すように、第1および第2の流量制御弁4、5の
中間位置の延長上に定差圧弁10を配置し、この定差圧
弁10の左右両側に、電気的駆動装置70、71を隣接
して配置することにより、2つの流量制御弁4、5を持
った流量制御装置全体を左右対称の形態としているが、
第2実施形態では、図12に示すように、第1および第
2の流量制御弁4、5の側方に定差圧弁10を並列に配
置し、電気的駆動装置70、71は、直接、隣接配置す
るようにしたものである。
【0081】これにより、第2実施形態では、2つの電
気的駆動装置70、71を、1つの共通のハウジング3
8内に収納することができる。従って、第2実施形態で
は、第1実施形態に比して、電気的駆動装置収納用のハ
ウジングを1つ減らすことができる。ただ、第2実施形
態では、第1および第2の流量制御弁4、5の側方に定
差圧弁10を並列に配置しているので、バイパス側シー
ル部材36、37の温水流通穴36a、37aを通過す
る温水の動圧が、定差圧弁10の弁体10aに対して第
1実施形態のように直接的に作用しない。そのため、こ
の動圧分だけ定差圧弁10の弁体10aの開弁量が減少
することとなり、温水供給圧の変化による温水流量の変
動吸収効果が低下する傾向にある。 (第3実施形態)上述の第1、第2実施形態では、第
1、第2の流量制御弁4、5に対して、バイパス通路9
および定差圧弁10を1つのみ設けて、共用化し、これ
により構造の簡素化を図っているが、第1、第2の流量
制御弁4、5に対して、バイパス通路9および定差圧弁
10をそれぞれ独立に設けて、温水供給圧の変化による
温水流量の変動吸収効果をより一層高めるようにしても
よい。
【0082】図14は第3実施形態の温水回路を示すも
ので、第1、第2の流量制御弁4、5に対して、それぞ
れ独立のバイパス通路9、9および定差圧弁10、10
を設けたものである。図15、16はこのそれぞれ独立
に設けられた2つのバイパス通路9、9および2つの定
差圧弁10、10を包含する第3実施形態の具体的配置
形態を示すものであって、第1、第2実施形態と同一部
分または均等部分には同一符号を付して説明を省略し、
第3実施形態の特徴部分のみを以下説明する。
【0083】ハウジング30内において、シール部材3
6、37の温水下流側に樹脂製の仕切り板100を固定
配置し、この仕切り板100に、シール部材36、37
の温水流通穴36a、37aとそれぞれ独立に連通する
バイパス通路9、9を並列に設けている。また、このバ
イパス通路9、9の開度をそれぞれ独立に制御する定差
圧弁10、10をバイパス通路9、9の温水下流側に配
置している。
【0084】ここで、仕切り板100には、各定差圧弁
10、10の弁体10a、10aが着座する弁座10
e、10eが形成されているとともに、2つの定差圧弁
10、10の温水通路を仕切る仕切り部100aが一体
成形されている。また、本例における定差圧弁10、1
0では、弁体10a、10aにそれぞれガイド軸10
b、10bが一体に連結されており、このガイド軸10
b、10bがそれぞれコイルバネ10cの支持板10f
に設けられた円筒部10g、10g内に摺動可能に嵌合
されている。従って、弁体10a、10aはこの嵌合部
をガイドとして図15の上下方向に移動(リフト)可能
となっている。
【0085】支持板10fは図17に示すような形状で
あって、コイルバネ10cの中心に位置する円筒部10
g、10gをそれぞれ3本のアーム部10iを介して支
持板10fの本体部に連結する形状にして、このアーム
部10iによりコイルバネ10cの一端部を支持するよ
うにしてある。従って、この3本のアーム部10i相互
間の空隙10hを温水は圧損を殆ど生じることなくスム
ースに通過する。
【0086】ハウジング30内において、支持板10f
の温水下流側には温水合流室101が形成されており、
支持板10fのアーム部10iの間を通過した温水はこ
の温水合流室101内に矢印Fのごとく流入する。一
方、樹脂製ハウジング30の外面側には温水入口パイプ
102が一体成形され、このパイプ102の一端102
aは上記温水合流室101内に開口している。また、こ
のパイプ102の他端102bは第1、第2ヒータコア
部6、7の温水出口89(図5参照)からの接続パイプ
63の端部に接続されている。従って、接続パイプ63
および温水入口パイプ102を通過したヒータコア戻り
温水は矢印Eのごとく温水合流室101内に流入し、ま
た、支持板10fのアーム部10iの間を通過した、バ
イパス通路9、9からのバイパス温水は矢印Fのごとく
温水合流室101内に流入する。
【0087】図16には、定差圧弁10、10を図示し
ていないが、定差圧弁10、10は図16の上下方向に
おいて温水入口パイプ102と略同一高さの位置に設置
されているので、温水合流室101内にてバイパス通路
9、9からのバイパス温水とヒータコア戻り温水とは、
略同一面で、直交状に合流することとなる。すなわち、
温水合流室101が図14における合流部Zを構成して
いる。
【0088】図16に示すように、ハウジング30の樹
脂製上蓋30aのうち、温水合流室101の上方の部位
には、温水出口パイプ61が一体成形されている。この
パイプ61は温水入口パイプ31と平行に配置され、か
つ、パイプ61の上流端61b側は直角状に屈曲され、
温水合流室101の中央部に開口(図15参照)してい
る。
【0089】第3実施形態においては、バイパス通路
9、9および定差圧弁10、10部分の具体的配置形態
および温水回路を上記のごとくそれぞれ独立に構成して
いるため、次の理由からエンジン回転数変動による吹出
空気温度の変動低減効果を向上できる。すなわち、第
1、第2実施例のごとく、第1、第2の流量制御弁4、
5に対して、バイパス通路9および定差圧弁10を1つ
のみ設けて、共用化しているものにおいて、流量制御弁
4、5の弁体44、54の開度が異なった開度に設定さ
れた場合、例えば、右側の弁体44の開度が40°で、
左側の弁体54の開度が20°に設定された場合には、
右側の弁体44を通過するバイパス温水の速度よりも左
側の弁体54を通過するバイパス温水の速度の方が大と
なる。
【0090】そのため、エンジン回転の高回転数領域
(例えば、4000rpm以上の領域)では、定差圧弁
10の弁体10aは、左側の弁体44を通過するバイパ
ス温水の動圧の影響を受けて、開度(リフト量)が大き
くなる。この結果、弁体開度=40°の右側流量制御弁
4からみると、定差圧弁10の弁体10aの開度(リフ
ト量)が過大となり、右側流量制御弁4により温水流量
が制御される第1ヒータコア部6への温水流量がバイパ
ス温水により過度に減少してしまい、第1ヒータコア部
6の吹出空気温度が目標温度より低下してしまうという
不具合を生じることがある。
【0091】図18は上記のごとくバイパス通路9およ
び定差圧弁10を1つのみ設けて、共用化している場合
の実験データであり、右側の弁体44の開度=40°
で、左側の弁体54の開度=20°の場合に、右側の第
1ヒータコア部6の吹出空気温度がエンジン回転数Ne
の変動により最大15°Cにも及ぶ変動を生じることを
示している。
【0092】これに対して、第3実施形態においては、
流量制御弁4、5の弁体44、54の開度が異なった開
度に設定されている状態においても、シール部材36、
37の温水流出穴36a、37a(パイパス開口43、
53)から噴出するバイパス温水は、仕切り部100a
によりそれぞれ左右の定差圧弁10、10ごとに仕切ら
れているため、この温水流出穴36a、37aからのバ
イパス温水の動圧はそれぞれ個別に左右の定差圧弁1
0、10の弁体10a、10aに作用する。
【0093】その結果、左右の定差圧弁10、10の弁
体10a、10aの開度(リフト量)をエンジン回転数
および各流量制御弁4、5の弁体44、54の開度に対
応した適度の値に設定することができ、エンジン回転数
変動に起因する吹出空気温度の変動低減効果を向上でき
る。図19は第3実施形態による吹出空気温度の変動低
減効果を具体的に示す実験データであり、右側の弁体4
4の開度=40°で、左側の弁体54の開度=20°の
場合に、右側の第1ヒータコア部6の吹出空気温度がエ
ンジン回転数Neの変動に対して最大4°.0C以内の
変動値となり、また、左側の第1ヒータタコア部6の吹
出空気温度が最大1.0°C以内の変動値となり、吹出
空気温度の変動をそれぞれ僅少値に抑えることができ
る。
【0094】ところで、自動車用空調装置の温水供給源
をなすエンジン1は、自動車の走行条件の変化に伴って
回転数が大幅に変化(具体的には、アイドル時の750
rpm程度から高回転時の6000rpm程度までの大
幅変化)するので、エンジン1からの温水供給圧は走行
条件の変化により大幅に変化するため、限られたスペー
ス内に設置され、形態的に制約の大きい定差圧弁10、
10のみだけでは、温水供給圧の大幅変化に起因する吹
出空気温度変動を十分低減できない場合がある。
【0095】そこで、第3実施形態にあっては、エンジ
ン1からの温水供給圧の変化による暖房用熱交換器3へ
の温水流量の変動をバイパス通路9、9に設けた定差圧
弁10、10およびこの定差圧弁10、10における温
水の合流形態の工夫により良好に解消している。すなわ
ち、第1、第2ヒータコア部6、7からの戻り温水を矢
印Eのごとく温水合流室101内に流入させるととも
に、この矢印Eの戻り温水の流れに対してバイパス通路
9、9からのバイパス温水を矢印Fのごとく温水合流室
101内に流入させて、この戻り温水とバイパス温水と
を略直交状に合流させている。
【0096】これにより、バイパス温水の流れがヒータ
コア部6、7からの戻り温水の流れに干渉して、この戻
り温水の流れを堰止める作用を果たすことができる。そ
の結果、エンジン高回転時にヒータコア部6、7への温
水流量が増加することをバイパス側温水による堰止め作
用により効果的に抑制できるため、エンジン高回転時に
暖房用熱交換器3の吹出空気温度が上昇するのを僅少値
に抑制できる。
【0097】また、本実施形態では、定差圧弁10、1
0の弁体10a、10a部分を通過したバイパス側温水
とヒータコア部6、7からの戻り温水とを合流させる合
流部Zを定差圧弁10、10の弁体10a、10a部分
に隣接配置しているため、この弁体10a、10a部分
の小間隙部を通過して高くなったバイパス側温水の動圧
が低下しない前に、バイパス側温水を戻り温水に対して
直交状に干渉させることができる。従って、バイパス側
温水の動圧を有効活用して、上記堰止め作用を高めるこ
とができる。
【0098】なお、上記温水合流部Zにおける堰止め作
用については、第1、第2実施形態における温水合流部
Zにおいても、同様に発揮できる。 (その他の実施形態)また、上述の実施形態では、第
1、第2の流量制御弁4、5と第1、第2のヒータコア
部6、7を自動車車室内の運転席側領域と助手席側領域
とを独立に温度制御する場合について説明したが、例え
は、自動車車室内の上方域と下方域、あるいは自動車車
室内の前席側と後席側とを独立に温度制御する場合等
に、本発明を適用してもよい。
【0099】また、本発明は自動車用の温水式暖房装置
に限らず、住宅用等の温水式暖房装置にも適用できるこ
とはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す温水回路図であ
る。
【図2】図1のヒータコア部の空調ダクト内への配置形
態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における流量制御弁の要
部分解斜視図である。
【図4】第1実施形態の流量制御弁とヒータコア部とを
一体化した状態において、流量制御弁の上蓋を取り外し
た状態を示す一部断面平面図である。
【図5】流量制御弁とヒータコア部とを一体化した状態
における一部破断図示した正面断面図で、断面部は図4
のA−A断面を示す。
【図6】本発明の流量制御弁とヒータコア部とを一体化
した状態において、流量制御弁の上蓋を装着した状態を
示す一部破断平面図である。
【図7】流量制御弁とヒータコア部とを一体化した状態
における要部拡大図で、断面部は図4の弁体中心部を示
す。
【図8】流量制御弁の流量制御特性をまとめた図表であ
る。
【図9】(a)は流量制御弁の弁体の温水出口側開口部
と温水出口側シール部材の温水流通穴の形状を示す説明
図で、図11のB−B断面を示す。(b)は流量制御弁
の弁体展開図である。
【図10】図11のC−C断面図である。
【図11】第1、第2の流量制御弁の弁体部分の配置図
である。
【図12】本発明の第2実施形態を示す図で、流量制御
弁の上蓋を取り外した状態における一部断面平面図であ
る。
【図13】図12のD−D線に沿う要部拡大断面図であ
る。
【図14】本発明の第3実施形態を示す温水回路図であ
る。
【図15】第3実施形態において、流量制御弁の上蓋を
取り外した状態における一部断面平面図である。
【図16】第3実施形態において、流量制御弁部分の正
面図である。
【図17】(a)は第3実施形態における定差圧弁のコ
イルバネ支持板の正面図、(b)は(a)のG−G断面
図である。
【図18】第1、第2実施形態のごとくバイパス通路お
よび定差圧弁を共用化している場合の吹出空気温度変動
の実験データを示すグラフである。
【図19】第3実施形態による吹出空気温度変動の実験
データを示すグラフである。
【符号の説明】
1…エンジン、4、5…第1、第2の流量制御弁、4
1、51…第1の絞り、42、52…第2の絞り、4
3、53…バイパス開口 6、7…第1、第2のヒータコア部、9…バイパス通
路、10…定差圧弁、30、38、39…ハウジング、
44、45…弁体、70、71…電気的駆動装置。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水供給源(1)から複数の暖房用熱交
    換部(6、7)に供給される温水流量を制御するための
    流量制御装置であって、 前記複数の暖房用熱交換部(6、7)にそれぞれ対応し
    て複数の流量制御弁(4、5)を備え、 この複数の流量制御弁(4、5)には、それぞれ、 前記各暖房用熱交換部(6、7)に温水を供給する通路
    の入口に配置された第1の絞り(41、51)および前
    記通路の出口に配置された第2の絞り(42、52)
    と、 この第1の絞り(41、51)と第2の絞り(42、5
    2)との間の中間圧力部位に開口するバイパス開口(4
    3、53)と、 前記第1の絞り(41、51)、前記第2の絞り(4
    2、52)および前記バイパス開口(43、53)の開
    口面積(A1、A2、A3)を調整する弁体(44、5
    4)とを備え、 前記第1、第2の絞り(41、51、42、52)、前
    記バイパス開口(43、53)および前記弁体(44、
    54)を共通のハウジング(30)内に収納し、 このハウジング(30)内に、前記複数の流量制御弁
    (4、5)の前記バイパス開口(43、53)に連通し
    て、前記複数の暖房用熱交換部(6、7)をバイパスし
    て温水を流すバイパス通路(9)を形成し、 さらに、前記複数の流量制御弁(4、5)の前記弁体
    (44、54)をそれぞれ独立に操作可能とする弁体作
    動手段(70、71)を備えることを特徴とする流量制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス通路(9)を前記複数の流
    量制御弁(4、5)の前記バイパス開口(43、53)
    に連通させて、前記バイパス通路(9)を1つの共通の
    通路にしたことを特徴とする請求項1に記載の流量制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス通路(9)に、温水圧力の
    上昇により開弁する圧力応動弁(10)を備えたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の流量制御装置。
  4. 【請求項4】 前記バイパス通路(9)として、前記複
    数の流量制御弁(4、5)の前記バイパス開口(43、
    53)にそれぞれ独立に連通する複数のバイパス通路
    (9、9)を備えていることを特徴とする請求項1に記
    載の流量制御装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のバイパス通路(9、9)に、
    それぞれ温水圧力の上昇により開弁する圧力応動弁(1
    0、10)を独立に備えたことを特徴とする請求項4に
    記載の流量制御装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力応動弁(10、10)から流出
    したバイパス側温水と前記複数の暖房用熱交換部(6、
    7)から流出した戻り温水とを合流させる合流部(Z)
    を備え、 この合流部(Z)において、前記圧力応動弁(10、1
    0)からのバイパス側温水の流れにより前記複数の暖房
    用熱交換部(6、7)からの戻り温水の流れを堰止める
    ようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か1つに記載の流量制御装置。
  7. 【請求項7】 前記合流部(Z)において、前記バイパ
    ス側温水の流れ方向が前記戻り温水の流れ方向に対し
    て、直交状に合流するようにしたことを特徴とする請求
    項6に記載の流量制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ハウジング(30)内において、前
    記圧力応動弁(10、10)の温水流れ直後の部位に、
    前記合流部(Z)を形成する温水合流室(101)が形
    成されていることを特徴とする請求項6または7に記載
    の流量制御装置。
  9. 【請求項9】 前記弁体作動手段(70、71)は、前
    記複数の流量制御弁(4、5)の前記弁体(44、5
    4)をそれぞれ独立に操作する電気的駆動装置(70、
    71)を有し、 この電気的駆動装置(70、71)がハウジング(3
    0)と一体に連結されたハウジング(38、39)内に
    収納されていることを特徴とする請求項1ないし8のい
    ずれか1つに記載の流量制御装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の流量制御弁(4、5)の前
    記弁体(44、54)は、それぞれ前記ハウジング(3
    0)内に、平行に、かつ回動可能に配置された円柱状ロ
    ータにて構成されており、 この円柱状の弁体(44、54)の回動により前記第
    1、第2の絞り(41、51、42、52)、および前
    記バイパス開口(43、53)の開口面積(A1、A
    2、A3)を調整するようにし、 前記複数の円柱状弁体(44、54)相互の中心寄りの
    位置に、前記第2の絞り(42、52)、およびこの第
    2の絞り(42、52)の下流側に連通する温水出口穴
    (91、92)を配置し、 この温水出口穴(91、92)を前記複数の暖房用熱交
    換部(6、7)の温水入口(87、88)に接続するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか
    1つに記載の流量制御装置。
  11. 【請求項11】 水冷式の走行用エンジン(1)を有す
    る自動車に用いられる温水式暖房装置であって、 前記エンジン(1)から供給される温水と空気とを熱交
    換して車室内の暖房を行う複数の暖房用熱交換部(6、
    7)と、 前記エンジン(1)から前記複数の暖房用熱交換部
    (6、7)に供給される温水流量を制御する流量制御装
    置とを備え、 この流量制御装置を請求項1ないし10のいずれか1つ
    に記載の流量制御装置により構成したことを特徴とする
    温水式暖房装置。
  12. 【請求項12】 前記複数の暖房用熱交換部(6、7)
    は、それぞれ、 並列配置された多数のチューブ(84)に温水を流し、
    温水と空気との間で熱交換を行うコア部(86)と、 このコア部(86)のチューブ両端部に配置され、各チ
    ューブ(84)への温水の分配、集合を行うタンク部
    (81、82、83)とを有し、 このタンク部(81、82、83)にて前記複数の暖房
    用熱交換部(6、7)が一体構造に連結されていること
    を特徴とする請求項11に記載の温水式暖房装置。
  13. 【請求項13】 前記コア部(86)のチューブ両端部
    に配置されたタンク部(81、82、83)のいずれか
    一方に、前記流量制御装置が直接、一体に装着されてい
    ることを特徴とする請求項12に記載の温水式暖房装
    置。
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