JP3358332B2 - 温水式暖房装置 - Google Patents

温水式暖房装置

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JP3358332B2
JP3358332B2 JP26699894A JP26699894A JP3358332B2 JP 3358332 B2 JP3358332 B2 JP 3358332B2 JP 26699894 A JP26699894 A JP 26699894A JP 26699894 A JP26699894 A JP 26699894A JP 3358332 B2 JP3358332 B2 JP 3358332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温水流量を制御する流量
制御弁を用いて温度制御を行う温水式暖房装置に関する
もので、自動車用空調装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、温水式暖房装置を含む自動車用空
調装置の吹出空気の温度制御方式として、暖房用熱交換
器への温水流量を制御して、吹出空気温度を制御する方
式のものが知られている。この温水流量制御方式は、冷
風と温風の混合割合をエアミッ7スダンパにより制御し
て、吹出空気温度を制御するエアミックス方式に比し
て、次のごとき利点を有している。
【0003】すなわち、温水流量制御方式では、エアミ
ックス方式における冷風と温風を混合するための混合空
間を必要としないので、その分通風ダクト系の容積を小
型化でき、また同時に混合空間の廃止により通風抵抗を
低減して、送風機電力及び送風騒音の低減を図ることが
できる等の利点を有している。ところで、上記温水流量
制御方式のものにおいては、暖房用熱交換器のコア部に
多数のチューブが並列配置されているので、熱交換器吹
出空気温度の分布を均一にするためには、前記多数のチ
ューブへの温水分配を均一化する必要がある。
【0004】このため、米国特許第4,524,823
号明細書では、熱交換器のタンク内にヘリカル状の分配
器を配置し、この分配器により多数のチューブへの温水
分配を均一化するものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、ヘリカル状の分配器をタンク内に固定して
いるので、次のごとき問題が生じる。すなわち、熱交換
器への温水流量を微少流量に制御している時は熱交換器
の温水入口から温水出口に向かって温水が短絡的に流れ
るので、熱交換器吹出空気温度の分布が不均一になりや
すい。そこで、この微少流量制御時における温水分配を
均一化できるように分配器を設計すると、流量制御弁が
全開する最大暖房時には前記分配器が流通抵抗となっ
て、圧力損失が上昇するので、暖房能力の低下を生じ
る。
【0006】また、最大暖房時(最大流量時)に温水流
れが分配器により急激に絞られ、その絞り部で温水流速
が速くなり、異音を発生するという問題がある。本発明
は上記問題点に鑑みてなされたもので、暖房用熱交換器
への温水流量を微少流量に制御したときにおける各チュ
ーブへの温水分配の均一化と、最大暖房時における圧力
損失低減とを両立させることができる温水式暖房装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項1記載
の発明では、温水源(1)から供給される温水と空気と
を熱交換して空気を加熱する暖房用熱交換器(3)と、
前記温水源(1)から前記暖房用熱交換器(3)に供給
される温水流量を制御するための弁体(17)を有する
流量制御弁(4)とを備え、前記暖房用熱交換器(3)
は、前記温水が流通する多数の並列配置されたチューブ
(3d)を有し、前記温水と空気との熱交換を行うコア
部(3c)と、前記コア部(3c)の前記多数のチュー
ブ(3d)に温水を流入させる温水入口側タンク(3
a)と、前記コア部(3c)の前記多数のチューブ(3
d)から流出する温水を集合する温水出口側タンク(3
b)とを備え、前記温水入口側タンク(3a)および前
記温水出口側タンク(3b)の少なくとも一方に、前記
コア部(3c)の前記多数のチューブ(3d)への温水
分配を均一化する温水分配手段(35)が回動可能に内
蔵されており、この温水分配手段(35)は前記流量制
御弁(4)の弁体(17)の動きと連動して回動するよ
うに構成されている温水式暖房装置を特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明では、水冷式の走行用
エンジン(1)を有する自動車に用いられる温水式暖房
装置であって、前記エンジン(1)から供給される温水
と空気とを熱交換して空気を加熱する暖房用熱交換器
(3)と、前記エンジン(1)から前記暖房用熱交換器
(3)に供給される温水流量を制御するための弁体(1
7)を有する流量制御弁(4)とを備え、前記暖房用熱
交換器(3)は、前記温水が流通する多数の並列配置さ
れたチューブ(3d)を有し、前記温水と空気との熱交
換を行うコア部(3c)と、前記コア部(3c)の前記
多数のチューブ(3d)に温水を流入させる温水入口側
タンク(3a)と、前記コア部(3c)の前記多数のチ
ューブ(3d)から流出する温水を集合する温水出口側
タンク(3b)とを備え、前記温水入口側タンク(3
a)および前記温水出口側タンク(3b)の少なくとも
一方に、前記コア部(3c)の前記多数のチューブ(3
d)への温水分配を均一化する温水分配手段(35)が
回動可能に内蔵されており、この温水分配手段(35)
は前記流量制御弁(4)の弁体(17)の動きと連動し
て回動するように構成されている温水式暖房装置を特徴
としている。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1または
2に記載の温水式暖房装置において、前記暖房用熱交換
器(3)は、前記温水入口側タンク(3a)から温水が
前記コア部(3c)を経て前記温水出口側タンク(3
b)に向かう一方向のみに流れるように構成されている
ことを特徴とする。請求項4記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれか1つに記載の温水式暖房装置におい
て、前記流量制御弁(4)は、前記暖房用熱交換器
(3)の前記温水入口側タンク(3a)および前記温水
出口側タンク(3b)の少なくとも一方の端部に隣接し
て、この熱交換器(3)と一体的に構成されており、前
記流量制御弁(4)の弁体(17)は回動可能に構成さ
れており、この回動可能な弁体(17)に前記温水分配
手段(35)が軸(34)により連結されていることを
特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の温水式暖房装置において、前
記温水分配手段(35)が前記コア部(3c)のチュー
ブ配列方向に複数の穴(35b)を有する平板にて形成
されていることを特徴とする。請求項6記載の発明で
は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の温水式暖
房装置において、前記温水分配手段(35)が前記コア
部(3c)のチューブ配列方向に複数の穴(35b)を
有する断面円弧状の板にて形成されていることを特徴と
する。
【0011】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1〜6記載の発明によれば、
上記技術的手段を有しているため、流量制御弁(4)に
より熱交換器(3)への温水流量を微少流量に制御して
いる時には、流量制御弁(4)の弁体(17)の動きに
連動して、温水分配手段(35)を熱交換器コア部(3
c)の各チューブ(3d)に入出する温水の流れに対し
て略直交する位置に回動させることができる。
【0013】これにより、熱交換器(3)の温水入口
(3f)から温水出口(3g)に短絡的に向かう温水の
流れを温水分配手段(35)にて阻止することができ、
コア部(3c)の各チューブ(3d)への温水の分配を
均一化して、熱交換器(3)の吹出空気温度差を効果的
に低減できる。一方、流量制御弁(4)の弁体(17)
が全開する最大暖房時には、流量制御弁(4)の弁体
(17)の動きに連動して、温水分配手段(35)を熱
交換器コア部(3c)の各チューブ(3d)に入出する
温水流れと略平行な位置に回動させることができる。
【0014】これにより、温水分配手段(35)の設置
による圧力損失を最小限に抑制できるので、熱交換器
(3)への温水流量を最大限確保して最大暖房能力を良
好に発揮できる。また、温水分配手段(35)の設置部
位における急絞りによる異音の発生も防止できる。上記
作用効果に加えて、請求項4記載の発明によれば、流量
制御弁(4)を、暖房用熱交換器(3)に隣接して、こ
の熱交換器(3)と一体的に構成しているから、熱交換
器(3)と流量制御弁(4)とを一体構造物として取り扱
って、通風路(8)への組付、搭載作業を容易に行うこ
とができ、実用上極めて有利である。しかも、流量制御
弁(4)の弁体(17)の回動により直接温水分配手段
(35)を回動させているから、温水分配手段(35)
の作動機構も極めて簡単にすることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1〜図5は本発明を自動車用空調装置
の温水式暖房装置に適用した第1実施例を示す。図1に
おいて、1は自動車走行用の水冷式エンジン、2はエン
ジン1により駆動されるウオータポンプで、エンジン1
の冷却水回路(温水回路)に水を循環させるものであ
る。3はエンジン1から供給される温水と送風空気とを
熱交換して、送風空気を加熱する暖房用熱交換器(ヒー
タコア)、4は本発明による流量制御弁で、温水出入口
を3つ有する三方弁タイプの弁構造を有するものであ
る。
【0016】5は暖房用熱交換器3と並列に設けられた
バイパス路、6は定差圧弁(圧力応動弁)であり、その
前後の差圧が予め定めた所定値に達すると開弁するもの
であって、エンジン1の回転数変動によりウオータポン
プ2の吐出圧が変動しても、暖房用熱交換器3の前後圧
を一定に近づける役割を果たすものである。図1には具
体的に示していないが、流量制御弁4にはバイパス回路
5および定差圧弁6が一体に内蔵され、さらに暖房用熱
交換器3に対して一体構造として組付られるようになっ
ている。
【0017】7は温度センサで、熱交換器3が設置され
る自動車用空調装置の通風ダクト(ヒータケース)8内
において、熱交換器3の空気下流側で、かつ車室内への
各種吹出口の分岐点直前の部位に設置される。この温度
センサ7は、サーミスタよりなり、車室内に吹き出す温
風温度を検出するものである。図1において、13は車
室内温度制御の目標温度(乗員の希望温度)を設定する
ための温度設定器で、乗員により手動操作可能なスイッ
チ、あるいは可変抵抗器等よりなる。14は外気温度、
温水温度、日射量等の車室内温度制御に関係する環境因
子の物理量を検出するセンサ群である。15はこれらの
センサ7、14及び温度設定器13等からの入力信号に
基づいて温度制御信号を出力する空調制御装置で、マイ
クロコンピュータ等よりなる。
【0018】16はこの空調制御装置15からの温度制
御信号により制御されるサーボモータで、流量制御弁4
の弁体17を回転駆動するための弁体作動手段を構成す
る。図2、3は流量制御弁4と熱交換器3との一体化構
造の具体例を示すもので、上記弁体17は本例では樹脂
材料にて円柱状形状に成形され、やはり樹脂にて成形さ
れた弁ハウジング18内に回動可能に配置され、収納さ
れている。従って、弁体17は図2において上下方向に
軸が延びる回動可能な円柱状ロータから構成されてい
る。
【0019】上記弁ハウジング18には、エンジン1か
らの温水が流入する第1の温水入口パイプ19、エンジ
ン1に温水を還流させる第1の温水出口パイプ20、熱
交換器3出口からの温水が流入する第2の温水入口パイ
プ21、前記第1の温水入口パイプ19から流入した温
水を熱交換器3に向けて流出させる第2の温水出口パイ
プ22が樹脂にて一体成形されている。
【0020】また、弁ハウジング18内には、第1の温
水入口パイプ19から弁体17を介して第1の温水出口
パイプ20に温水をバイパスさせるバイパス回路5が形
成されている。円柱状の弁体17には、上記各パイプ1
9、22およびバイパス回路5の開口面積を所定の相関
関係を持って調整する制御流路17a、17b(図1参
照)が形成されている。23は弁体17を回動操作する
ためのシャフトで、弁体17に一体に結合されている。
このシャフト23は弁ハウジング18の上蓋18aの上
部に突出するようになっている。シャフト23の突出端
は非円形の断面形状であるD形状に形成され、このD形
状の突出端には扇形ギヤ24の回転中心穴(扇の要の位
置)が一体に嵌合して連結され、この両者23、24は
一体に回転するようになっている。
【0021】弁ハウジング18には、前記第2の温水出
口パイプ22の側方に隣接して弁体駆動機構を収納する
駆動機構ケース部25(図3参照)が一体成形されてい
る。このケース部25内には、直流モータからなるサー
ボモータ16が配設されている。このモータ16のシャ
フト16aの回転は、その先端部のウオームギヤ16
b、減速用平ギヤ26および前記扇形ギヤ24を介して
前記弁体17に伝達されるようにしてある。
【0022】以上により弁体17を自動的に駆動する弁
体駆動機構が構成されている。ここで、弁体17の作動
手段としては、前記したサーボモータ16のような電気
的アクチュエータを用いたものに限らず、レバー、ケー
ブル等を用いた手動操作機構により弁体17を回動操作
するようにしてもよい。手動操作機構の場合は、樹脂製
扇形ギヤ24の上面にピン(図示せず)を一体成形し、
このピンに手動操作用のケーブルを連結するようにすれ
ばよい。
【0023】弁ハウジング18内に形成されたバイパス
回路5には、定差圧弁6が配設されている。この定差圧
弁6は樹脂により略円錐状に形成され、その底面にコイ
ルバネ6a(バネ手段)の一端が当接して、定差圧弁6
を図2、4の右方向(閉弁方向)に押圧するようになっ
ている。。27は弁座を形成する隔壁で、その中心部に
は定差圧弁6により開閉される円形穴27a(図4)を
有している。
【0024】28、29はゴム等の弾性材からなるシー
ル部材(図4参照)で、その全体形状は中央部に開口を
有する矩形状になっており、弁体17の外周面と弁ハウ
ジング18の内周面との間に配置されている。このシー
ル部材28、29は弁体17の制御流路17a、17b
を介することなく、直接パイプ19、22、バイパス回
路5間で温水が流通してしまうことを防ぐとともに、弁
体17と協同して制御流路17a、17bの開度を決定
する役割を果たす。本例では、シール部材28、29は
温水入口パイプ19及び温水出口パイプ22に対応して
それぞれ設けられている。
【0025】前述した図2において、暖房用熱交換器3
は、その一端部に温水の入口側タンク3aを有し、その
他端部に温水の出口側タンク3bを有しており、そして
この両タンク3a、3bの間に、多数の並列設置された
偏平チューブ3dとコルゲートフィン3eとからなるコ
アー部3cが形成されている。ここで、コアー部3cは
入口側タンク3aから出口側タンク3bへの一方向のみ
に温水が流れる全パスタイプ(一方向流れタイプ)とし
て構成されている。
【0026】また、流量制御弁4の第2の温水入口パイ
プ21は、アルミニュウム、銅等の金属または樹脂等の
剛体で形成された接続パイプ30の一端に、Oリングの
ごときシール材を用いたジョイント31にて水密的にか
つ脱着自在に連結されている。この接続パイプ30の他
端は、熱交換器3の出口側タンク3bの長手方向(上下
方向)一端に形成した温水出口3gに同様のシール材を
用いたジョイント32にて水密的にかつ脱着自在に連結
されている。従って、接続パイプ30は、暖房用熱交換
器3から見れば温水出口側パイプとなる。
【0027】さらに、流量制御弁4は、図2〜4に示す
ように、熱交換器3の温水入口側タンク3aの長手方向
の一端に形成された温水入口3fに隣接して配置されて
おり、そして流量制御弁4の第2の温水出口パイプ22
は、熱交換器3の入口側タンク3aの長手方向(上下方
向)一端、換言すればタンク長手方向において前記温水
出口3gと同一側端部に形成した温水入口3fに直接、
連結されるようになっている。この連結はシール材を用
いたジョイント33にて水密的にかつ脱着自在に行われ
る。
【0028】また、流量制御弁4の樹脂製弁体17の底
面部(前記温水出口パイプ22側端面)には、軸34が
一体成形されており、この軸34は温水出口パイプ22
の中心部を貫通して温水入口タンク3a内まで延びてい
る。この軸34の先端部には、温水分配体35の一端が
適宜の結合手段例えばネジ止め、接着等により一体に連
結されている。この温水分配体35は本例では、図5に
示すように金属または樹脂にて断面形状が平坦な細長の
平板形状に形成されている。
【0029】そして、この温水分配体35は入口側タン
ク3a内にて回動可能となるように入口タンク3a内に
配置されており、この温水分配体35の他端部には軸部
35a(図2)が一体成形されており、この軸部35a
は入口タンク3aに形成された円形凹部3h内に嵌入さ
れている。これにより、温水分配体35をその回動時に
両端で安定的に支持することができる。
【0030】また、熱交換器3のコア部3cの多数のチ
ューブ3dに流入する温水の流量を均一化するため、温
水分配体35には、図2に示すように、温水流通用の複
数の穴35bが開けてある。本例では、この穴35bは
温水分配体35のうち、温水入口3f側の所定区間には
設けてなく、この所定区間を通過した先端側の領域に設
けてある。しかも、この複数の穴35bは温水分配体3
5の先端側になるに従って(温水入口3fから遠くなる
に従って)、その穴径が大きくなるように設定してあ
る。
【0031】また、この温水分配体35と、流量制御弁
4の弁体17との連動関係は、弁体17の全開時(最大
暖房時)には温水分配体35が図5の実線に示す位置
(偏平チューブ3dに流入する温水流れと略平行となる
位置)に回動し、弁体17の微少流量制御時(微少能力
時)には図5の破線位置(偏平チューブ3dに流入する
温水流れと略直交する位置)に回動するようにしてあ
る。
【0032】本実施例では、以上のように流量制御弁4
に、バイパス回路5、定差圧弁6、およびサーボモータ
16等からなる弁体駆動機構を一体化し、さらにこれら
を熱交換器3に予め一体的に連結してある。従って、こ
れらを一体構造物として通風ダクト(ヒータケース)8
に組み付けることができ、組付性の向上、熱交換器部分
の形状の小型化を図ることができる。
【0033】次に、上記構成において本実施例の作動を
説明する。最大暖房能力時には、流量制御弁4の弁体1
7がサーボモータ16または手動操作機構により最大開
度(例えば60°)の位置まで回動される。これによ
り、弁体17の制御流路17a、17bがそれぞれ弁ハ
ウジング18の温水入口パイプ19、温水出口パイプ2
2と最大面積で重畳し、この両パイプ19、22を全開
する。一方、バイパス回路5には制御流路17bが僅か
に開口するのみで、ほとんどバイパス回路5は全閉に近
い状態となる。
【0034】その結果、エンジン1からの温水は、温水
入口パイプ19、弁体17の制御流路17a、17b、
温水出口パイプ22、入口側タンク3a、コア部3c、
出口側タンク3b、接続パイプ30、温水入口パイプ2
1、温水出口パイプ20を経て流れ、ほとんど熱交換器
3側に流入して、バイパス回路5には僅少量の温水が流
れるのみである。これにより、熱交換器3は最大暖房能
力を発揮できる。
【0035】この最大暖房能力時には、流量制御弁4の
弁体17が最大開度位置に回動するに伴って、温水分配
体35が図6の最も左側の位置に回動して、温水分配体
35が各チューブ3dに流入する温水の流れと略平行と
なる。そのため、温水分配体35による温水流れへの抵
抗が最小となり、温水流量の減少を最小限に止めること
ができるので、最大暖房能力発揮のための高流量(5〜
6リットル/min程度)確保に支障はない。
【0036】なお、図6において、流量制御弁4の部分
では、図4に示す弁体17下方のシール材29の絞り穴
29aと弁体17の制御流路17bとの重畳面積を斜線
部Xで示しており、この斜線部Xの大きさにより熱交換
器3への温水流量が調整される。また、最大暖房時に
は、温水流量が多いため、各チューブ3dへの温水分配
不均一の問題は生じない。
【0037】次に、非暖房時(自動車用空調装置に冷房
用の冷媒蒸発器が装備され、冷凍サイクルが運転されて
いるときは、最大冷房時となる)には、流量制御弁4の
弁体17がサーボモータ16または手動操作機構により
開度零の位置まで回動される。この開度零の位置では、
弁体17の制御流路17bがバイパス回路5の入口に重
畳してこのバイパス回路5を全開し、温水出口パイプ2
2を全閉して、熱交換器3への温水の流れを遮断する。
【0038】一方、制御流路17aはその一部のみが温
水入口パイプ19と重畳して、温水入口パイプ19を全
閉とせず、φ2丸穴相当の最小開口面積を設定する。上
記の弁体位置により、温水入口パイプ19からバイパス
回路5への温水の流れを継続できるので、温水の流れの
急遮断によるウオータハンマ現象の音の発生を防止でき
るとともに、φ2丸穴相当以上の開口面積の確保により
流水音の発生も防止できる。
【0039】なお、非暖房時には、温水分配体35は図
6の最も右側の位置に回動している。次に、微少能力時
には、弁体17が微少の弁開度(例えば10°)位置に
回動されるので、制御流路17a、17bが温水入口パ
イプ19及び温水出口パイプ22の双方に対して小面積
で重畳し、温水入口パイプ19の開口面積及び温水出口
パイプ22の開口面積を双方とも絞っている2段絞りの
状態(図1の微少能力時はその2段絞りの状態を模式的
に示す)となり、かつ温水入口パイプ19と温水出口パ
イプ22の絞り部の中間部(図1のア部)は全開状態に
あるバイパス回路5に十分大きな開口面積で連通してい
るので、この中間部アの圧力を下げることができる。
【0040】その結果、暖房用熱交換器3前後の差圧を
十分小さくできるので、弁開度(弁体回転角)の変化に
対する温水流量の変化(最終的には車室内への吹出空気
温度の変化)を、特別小さな開口面積を必要とせずに、
緩やかすることができる。すなわち、吹出空気温度の制
御ゲインを低減できる。この制御ゲインの低減により、
車室内への吹出空気温度をきめ細かく制御できる。
【0041】この微少能力時には、上記弁体17の回動
に連動して、温水分配体35は図6の右から2番目の位
置に回動し、チューブ3dに流入する温水流れと略直交
する位置となる。これにより、熱交換器3において、微
少流量時(0.1〜0.3リットル/min程度)に温
水入口3fから温水出口3gに向かって短絡的に流れよ
うとする温水の流れを温水分配体35により阻止でき
る。
【0042】特に、本例では、前述したように、温水分
配体35には、温水流通用の複数の穴35bが開けてあ
り、この穴35bは温水分配体35のうち、温水入口3
f側の所定区間には設けてなく、この所定区間を通過し
た先端側の領域に設けてある。しかも、この複数の穴3
5bは温水分配体35の先端側になるに従って(温水入
口3fから遠くなるに従って)、その穴径が大きくなる
ように設定してあるため、上記温水入口3fから温水出
口3gに向かう短絡的な温水流れを効果的に阻止できる
とともに、各チューブ3dへの温水分配を温水分配体3
5の先端側に至るまで均一に行うことができる。
【0043】以上により、微少流量時においても、熱交
換器3の吹出空気温度分布(図2上下方向の温度分布)
を十分均一化できる。なお、微少能力時には、温水流量
が微少量であるため、温水分配体35による流通抵抗増
大は問題とならない。次に、微少能力〜大能力時におい
ては、弁体17が上記微少開度(例えば10°)を越え
る回動位置から上記最大開度(例えば60°)未満の回
動位置にわたって、回動されることになるが、このよう
な弁体回動位置においても、上記2段絞りにより、同様
に制御ゲインを低減して、車室内への吹出空気温度をき
め細かく制御できる。
【0044】このとき、温水分配体35は図6の右から
3番目の位置に回動し、チューブ3dに流入する温水流
れに対して斜めに位置して、最大暖房時と微少流量時の
中間的作用を果たす。また、自動車用空調装置の温水供
給源をなすエンジン1は、自動車の走行条件の変化に伴
って回転数が大幅に変化するので、エンジン1からの温
水供給圧は走行条件の変化により大幅に変化し、これが
流量制御弁4による温水流量制御、ひいては吹出空気温
度制御に対する大きな外乱要素となるが、本実施例にあ
っては、エンジン1からの温水供給圧の変化による温水
流量の変動をバイパス回路5への定差圧弁6の設置によ
り良好に解消している。
【0045】すなわち、定差圧弁6においては、エンジ
ン1からの温水供給圧が上昇して、その前後の差圧がス
プリング6bにより定まる所定圧より高くなると、定差
圧弁6が図3の左方へ移動して開弁し、定差圧弁6と隔
壁(弁座)27との間の隙間が上記差圧に応じて変動す
ることより、定差圧弁6は温水入口パイプ19と温水出
口パイプ20との差圧を一定値に維持するように作用す
る。
【0046】これにより、熱交換器4に加わる温水圧力
を、エンジン1からの温水供給圧の変動にかかわらず、
一定値に維持でき、エンジン1からの温水供給圧の変化
による温水流量の変動を防止できる。本発明は上記一実
施例に限定されることなく、請求項記載の技術的思想の
趣旨に従って種々変形可能なものであり、以下他の例に
ついて述べる。 (第2実施例)図7に示すように、温水分配体35の形
状を、断面円弧状の形状としても、第1実施例と同様の
作用効果を発揮できる。
【0047】また、熱交換器3のサイズ変更あるいはエ
ンジン1側のウオータポンプ2の仕様変更に対しても、
温水分配体35の長さや穴35bの径、さらには穴35
bの設置間隔を変更することにより、温水分配の均一化
への対応を容易に実施できる。例えば、温水分配体35
の長さを温水入口側タンク3aの長手方向の長さの略半
分として、温水分配体35を温水入口側タンク3a内の
うち、温水入口3f側の半分の区域のみに設置するよう
にしてもよい。
【0048】また、温水分配体35と流量制御弁4の弁
体17とを連結する軸34を、温水分配体35側に一体
成形し、この軸34の上端を弁体17の底部にネジ止め
等の手段で連結してもよい。また、上述の実施例では、
温水分配体35に穴35bを設けているが、この穴35
bを廃止し、その代わりに温水分配体35の形状をその
先端側(図2の下方側)になるに従って幅が狭くなる形
状としてもよい。
【0049】また、上述の上記実施例では、温水分配体
35を熱交換器3の入口側タンク3a内に配置している
が、温水分配体35を熱交換器3の出口側タンク3b内
に配置しても、熱交換器各チューブ3dへの温水分配を
均一化できる。また、上述の実施例では、流量制御弁4
を熱交換器3のうち、入口側タンク3aの方に配置した
が、流量制御弁4を温水出口タンク3b側に配置するこ
とも可能であり、流量制御弁4は熱交換器3の入口側、
出口側の両タンク3a、3bのいずれの方にも配置でき
る。
【0050】また、上記実施例では、熱交換器3の温水
入口3fおよび温水出口3gをいずれも図2に示すよう
に熱交換器3の上下方向の同一側端部(上側端部)に配
置しているが、熱交換器3の温水入口3fおよび温水出
口3gを熱交換器3の上下方向の異なる端部(上側端部
と下側端部)に配置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における温水回路図である。
【図2】流量制御弁と暖房用熱交換器とを一体化した状
態における一部破断および断面図示した正面図である。
【図3】流量制御弁と暖房用熱交換器とを一体化した状
態において、流量制御弁の上蓋を取り外した状態におけ
る一部断面側面図である。
【図4】図2の一部拡大図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】本発明の作動説明図図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す温水分配体の斜視図
である。
【符号の説明】
1……エンジン、3……暖房用熱交換器、3a……温水
入口側タンク、3b……温水出口側タンク、3c……コ
ア部、3d……チューブ、3f……温水入口、3g……
温水出口、4……流量制御弁、17……弁体、34……
軸、35……温水分配体、35b……穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−154995(JP,A) 特開 平4−365616(JP,A) 実開 昭64−5813(JP,U) 実開 昭61−96189(JP,U) 実開 昭60−24814(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/08 611 F28F 9/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水源から供給される温水と空気とを熱
    交換して空気を加熱する暖房用熱交換器と、 前記温水源から前記暖房用熱交換器に供給される温水流
    量を制御するための弁体を有する流量制御弁とを備え、 前記暖房用熱交換器は、 前記温水が流通する多数の並列配置されたチューブを有
    し、前記温水と空気との熱交換を行うコア部と、 前記コア部の前記多数のチューブに温水を流入させる温
    水入口側タンクと、 前記コア部の前記多数のチューブから流出する温水を集
    合する温水出口側タンクとを備え、 前記温水入口側タンクおよび前記温水出口側タンクの少
    なくとも一方に、前記コア部の前記多数のチューブへの
    温水分配を均一化する温水分配手段が回動可能に内蔵さ
    れており、 この温水分配手段は前記流量制御弁の弁体の動きと連動
    して回動するように構成されていることを特徴とする温
    水式暖房装置。
  2. 【請求項2】 水冷式の走行用エンジンを有する自動車
    に用いられる温水式暖房装置であって、 前記エンジンから供給される温水と空気とを熱交換して
    空気を加熱する暖房用熱交換器と、 前記エンジンから前記暖房用熱交換器に供給される温水
    流量を制御するための弁体を有する流量制御弁とを備
    え、 前記暖房用熱交換器は、 前記温水が流通する多数の並列配置されたチューブを有
    し、前記温水と空気との熱交換を行うコア部と、 前記コア部の前記多数のチューブに温水を流入させる温
    水入口側タンクと、 前記コア部の前記多数のチューブから流出する温水を集
    合する温水出口側タンクとを備え、 前記温水入口側タンクおよび前記温水出口側タンクの少
    なくとも一方に、前記コア部の前記多数のチューブへの
    温水分配を均一化する温水分配手段が回動可能に内蔵さ
    れており、 この温水分配手段は前記流量制御弁の弁体の動きと連動
    して回動するように構成されていることを特徴とする温
    水式暖房装置。
  3. 【請求項3】 前記暖房用熱交換器は、前記温水入口側
    タンクから温水が前記コア部を経て前記温水出口側タン
    クに向かう一方向のみに流れるように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の温水式暖房装
    置。
  4. 【請求項4】 前記流量制御弁は、前記暖房用熱交換器
    の前記温水入口側タンクおよび前記温水出口側タンクの
    少なくとも一方の端部に隣接して、この熱交換器と一体
    的に構成されており、 前記流量制御弁の弁体は回動可能に構成されており、こ
    の回動可能な弁体に前記温水分配手段が軸により連結さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    1つに記載の温水式暖房装置。
  5. 【請求項5】 前記温水分配手段が前記コア部のチュー
    ブ配列方向に複数の穴を有する平板にて形成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記
    載の温水式暖房装置。
  6. 【請求項6】 前記温水分配手段が前記コア部のチュー
    ブ配列方向に複数の穴を有する断面円弧状の板にて形成
    されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1つに記載の温水式暖房装置。
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