JP3279105B2 - 流量制御弁及びそれを用いた温水式暖房装置 - Google Patents

流量制御弁及びそれを用いた温水式暖房装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温水流量を制御する流量
制御弁及びそれを用いた温水式暖房装置に関するもの
で、自動車用温水式暖房装置に用いて好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、温水式暖房装置を含む自動車用空
調装置の吹出空気の温度制御方式として、暖房用熱交換
器への温水流量を制御して、吹出空気温度を制御する方
式のものが知られている。この温水流量制御方式は、冷
風と温風の混合割合をエアミックスダンパにより制御し
て、吹出空気温度を制御するエアミックス方式に比し
て、次のごとき利点を有している。
【0003】すなわち、温水流量制御方式では、エアミ
ックス方式における冷風と温風を混合するための混合空
間を必要としないので、その分通風ダクト系の容積を小
型化でき、また同時に混合空間の廃止により通風抵抗を
低減して、送風機電力及び送風騒音の低減を図ることが
できる等の利点を有している。上記温水流量制御方式の
ものにおいて、温水流量を制御する制御弁としては、特
開平1−145472号公報記載のものがあり、この公
報記載のものは、温水流量制御弁の弁ハウジングにエン
ジンからの温水が流入する温水入口と、暖房用熱交換器
へ向けて温水を流出させる温水出口と、暖房用熱交換器
のバイパス回路に向けて温水を流出させるバイパス出口
とを設けている。
【0004】そして、上記弁ハウジング内に、前記温水
出口及び前記バイパス出口への温水流量を制御する円筒
状の弁体を回動可能に設けるとともに、前記バイパス回
路に温水供給圧の上昇により開弁する圧力応動弁を設け
ている。エンジンの回転数が上昇して、温水供給圧が上
昇すると、前記圧力応動弁が開弁して、前記バイパス回
路側にも温水が流れることにより、前記温水出口への温
水流量が過剰に増加するのを防止している。
【0005】このように、温水出口への温水流量の過剰
な増加を防止すことにより、弁体部分の流路絞り部に不
快な流水音が発生するのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車用温
水式暖房装置では、周知のごとく、車両エンジンにより
駆動されるウォータポンプによって温水回路に温水を循
環しているので、車両エンジンの回転数変動に伴ってウ
ォータポンプ回転数も大幅に変動し、このことが暖房用
熱交換器に供給される温水流量を変化させ、暖房用熱交
換器の吹出空気温度を変動させる要因となる。
【0007】そこで、上記公報記載のものでは、暖房用
熱交換器のバイパス回路に圧力応動弁を設けて、暖房用
熱交換器への温水流量変化を抑制するようにしている
が、圧力応動弁には弁体と、この弁体を閉弁方向に付勢
するスプリングとが設けられている。エンジン回転数の
広範な変化に対する温水供給圧の変化を吸収するために
は、弁体の作動ストロークを大きくして、バイパス回路
への温水流量を大きく変化させる必要があり、このため
にはスプリングの使用範囲(撓み量)が必然的に大きく
なり、その結果スプリングの自励振動が発生しやすくな
り、騒音の発生が問題となることがわかった。
【0008】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
温水供給圧の変化に起因する流量変化を、温水流量制御
弁の弁構造自身の改善により抑制できるようにすること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、温水回路の絞
り部における温水流量が、絞り部の断面積と、絞り部前
後の差圧と、絞り部の断面形状より定まる流量係数とに
応じて変化する点に着目して、温水流量制御弁の温水入
口側の絞り部および温水出口側の絞り部はその流量係数
が温水流量の増加とともに減少するように構成し、一方
温水流量制御弁のバイパス回路側の絞り部はその流量係
数が温水流量の増加に対しほぼ一定に維持されるように
構成することにより、上記目的を達成しようとするもの
である。
【0010】そのために、本発明では、具体的には、以
下の技術的手段を採用する。請求項1記載の発明では、
温水供給源(1)から暖房用熱交換器(3)に供給され
る温水流量を制御するための流量制御弁(4)であっ
て、弁ハウジング(18)と、この弁ハウジング(1
8)に設けられ、この弁ハウジング(18)内に温水を
流入させる温水入口(19)と、前記弁ハウジング(1
8)に設けられ、前記弁ハウジング(18)から温水を
流出させる温水出口(20)と、前記弁ハウジング(1
8)に設けられ、前記暖房用熱交換器(3)のバイパス
回路(5)に連通するバイパス用開口(21)と、前記
弁ハウジング(18)内に作動可能に設置され、前記温
水入口(19)、前記温水出口(20)及び前記バイパ
ス用開口(21)の開口面積を調整する制御流路(17
a、17b)を有する弁体(17)とを備え、前記温水
入口(19)と前記弁体(17)の制御流路(17a、
17b)の入口側とで形成される第1の絞り部(A
1)、および前記温水出口(20)と前記弁体(17)
の制御流路(17a、17b)の出口側とで形成される
第2の絞り部(A2)を、流量の増加とともに流量係数
が減少する形状に構成し、前記バイパス用開口(21)
と、前記弁体(17)の制御流路(17a、17b)の
出口側とで形成される第3の絞り部(A3)を、流量が
増加しても流量係数が略一定に維持される形状に構成
し、前記第1の絞り部(A1)および前記第2の絞り部
(A2)を通して、前記暖房用熱交換器(3)に温水を
供給するようにした温水式暖房装置用流量制御弁を特徴
としている。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1に記載
の温水式暖房装置用流量制御弁において、前記弁体(1
7)は、その作動範囲の一端側では、前記第1の絞り部
(A1)および前記第2の絞り部(A2)を双方とも小
面積に絞るとともに、前記第3の絞り部(A3)を大面
積で開口するように構成されており、かつ前記弁体(1
7)の作動量が、その作動範囲の一端側から他端側に向
かって増大するにつれて、前記第1の絞り部(A1)お
よび前記第2の絞り部(A2)の開口面積を双方とも増
大させるとともに、前記第3の絞り部(A3)の開口面
積を次第に減少させるように構成されていることを特徴
とする。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1または
2に記載の温水式暖房装置用流量制御弁において、前記
第1の絞り部(A1)および前記第2の絞り部(A2)
は、温水流路を急激に絞るオリフィス形状を有してお
り、前記第3の絞り部(A3)は温水流路を緩やかに絞
るノズル形状を有していることを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項3に記載
の温水式暖房装置用流量制御弁において、前記第1の絞
り部(A1)および前記第2の絞り部(A2)の前記オ
リフィス形状が、前記弁体(17)の制御流路(17
a、17b)および前記弁ハウジング(18)の温水流
路の双方に形成されており、前記第3の絞り部(A3)
の前記ノズル形状が、前記弁体(17)の制御流路(1
7a、17b)および前記弁ハウジング(18)の温水
流路の双方に形成されていることを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明では、温水供給源
(1)と、この温水供給源(1)から供給される温水と
空気とを熱交換して室内の暖房を行う暖房用熱交換器
(3)と、前記温水供給源(1)から前記暖房用熱交換
器(3)に供給される温水流量を制御するための流量制
御弁(4)と、前記暖房用熱交換器(3)をバイパスし
て温水を流すバイパス回路(5)とを備え、さらに前記
流量制御弁(4)には、弁ハウジング(18)と、この
弁ハウジング(18)に設けられ、この弁ハウジング
(18)内に温水を流入させる温水入口(19)と、前
記弁ハウジング(18)に設けられ、前記弁ハウジング
(18)から温水を流出させる温水出口(20)と、前
記弁ハウジング(18)に設けられ、前記暖房用熱交換
器(3)のバイパス回路(5)に連通するバイパス用開
口(21)と、前記弁ハウジング(18)内に作動可能
に設置され、前記温水入口(19)、前記温水出口(2
0)及び前記バイパス用開口(21)の開口面積を調整
する制御流路(17a、17b)を有する弁体(17)
とを備え、前記温水入口(19)と前記弁体(17)の
制御流路(17a、17b)の入口側とで形成される第
1の絞り部(A1)、および前記温水出口(20)と前
記弁体(17)の制御流路(17a、17b)の出口側
とで形成される第2の絞り部(A2)を、流量の増加と
ともに流量係数が減少する形状に構成し、前記バイパス
用開口(21)と前記弁体(17)の制御流路(17
a、17b)の出口側とで形成される第3の絞り部(A
3)を、流量が増加しても流量係数が略一定に維持され
る形状に構成し、前記第1の絞り部(A1)および前記
第2の絞り部(A2)を通して、前記暖房用熱交換器
(3)に温水を供給するようにした温水式暖房装置を特
徴としている。
【0015】請求項6記載の発明では、請求項5に記載
の温水式暖房装置が水冷式の走行用エンジン(1)を有
する自動車に用いられる温水式暖房装置として構成さ
れ、前記温水供給源が前記エンジン(1)にて構成され
ていることを特徴とする。請求項7記載の発明では、請
求項5または6に記載の温水式暖房装置において、前記
バイパス回路(5)には、温水圧力の上昇により開弁す
る圧力応動弁が備えられていることを特徴とする。
【0016】請求項8記載の発明では、請求項1ないし
4のいずれか1つに記載の温水式暖房装置用流量制御弁
において、前記弁体(17)は、前記弁ハウジング(1
8)内に回動可能に配置されたロータとして構成されて
おり、前記弁体(17)の回動により前記温水入口(1
9)、前記温水出口(20)及び前記バイパス用開口
(21)の開口面積を調整するように構成されているこ
とを特徴とする。
【0017】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0018】
【発明の作用効果】請求項1〜8記載の発明によれば、
上記したように温水入口に対応した第1の絞り部A1、
および温水出口に対応した第2の絞り部A2の流量係数
を温水流量の増加に対して、所定の傾きを持って減少す
るように構成し、一方、バイパス用開口に対応した第3
の絞り部A3の流量係数が温水流量の増加に対して、ほ
ぼ一定に維持されるように構成しているため、温水供給
源からの温水流量が増大した際、第1および第2の絞り
部A1、A2では温水流量を絞って、バイパス回路側へ
逃がす温水流量を増加させることができる。
【0019】このように、第1の絞り部A1および第2
の絞り部A2の流量係数と、第3の絞り部A3の流量係
数とで、温水流量の増加に対する傾きを変えることによ
り、これらの絞り部A1〜A3自身の特性により、温水
供給源からの温水供給圧の変化による熱交換器温水流量
の変動をかなりの程度吸収できる。従って、請求項7記
載の発明のごとくバイパス回路に、温水圧力の上昇によ
り開弁する圧力応動弁を備えるものにおいて、圧力応動
弁におけるスプリングの使用範囲(撓み量)を減少させ
て、スプリングの自励振動の発生を効果的に抑制でき
る。
【0020】また、上記絞り部A1〜A3自身の特性に
より、熱交換器温水流量の変動を吸収できる程度を、暖
房フィーリングに支障のない程度まで高めることができ
るときは、上記圧力応動弁を廃止することも可能とな
る。上記作用効果に加えて、請求項2記載の発明では、
前記弁体を、その作動範囲の一端側に操作した状態で
は、前記第1の絞り部(A1)および前記第2の絞り部
(A2)を双方とも小面積に絞るとともに、前記第3の
絞り部(A3)を大面積で開口し、かつ前記弁体の作動
量が、その作動範囲の一端側から他端側に向かって増大
するにつれて、前記第1の絞り部(A1)および前記第
2の絞り部(A2)の開口面積を双方とも増大させると
ともに、前記第3の絞り部(A3)の開口面積を次第に
減少させる。
【0021】従って、暖房用熱交換器の吹出空気温度を
低下させるために、暖房用熱交換器への温水流量を微少
量に制御する際、温水入口及び温水出口の開口面積を双
方とも小面積に絞り(2段絞り)、さらには温水入口及
び温水出口の中間部(図1のア部)をバイパス回路に連
通させることによって、暖房用熱交換器に加わる温水圧
力を十分小さくできる。
【0022】その結果、弁体に微少開口部を形成するこ
となく、微少流量を良好に制御できるので、鋳砂等の異
物による弁流路の閉塞を確実に防止できるとともに、暖
房用熱交換器の吹出空気温度を、低温域から高温域にわ
たって良好に制御できるという効果が大である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (第1実施例)図1〜図10は本発明の第1実施例を示
すもので、本発明を自動車用空調装置の温水式暖房装置
に適用した例を示す。図1において、1は自動車走行用
の水冷式エンジン、2はエンジン1により駆動されるウ
オータポンプで、エンジン1の冷却水回路(温水回路)
に水を循環させるものである。
【0024】3はエンジン1から供給される温水と送風
空気とを熱交換して、送風空気を加熱する暖房用熱交換
器(ヒータコア)、4は本発明による流量制御弁で、温
水出入口を3つ有する三方弁タイプのものであり、その
詳細構造は後述する。5は暖房用熱交換器3と並列に設
けられたバイパス回路、6は定差圧弁(圧力応動弁)で
あり、その前後の差圧が予め定めた所定値に達すると開
弁するものであって、エンジン1の回転数変動によりウ
オータポンプ2の吐出圧が変動しても、暖房用熱交換器
3の前後圧を一定に近づける役割を果たすものである。
【0025】7は温度センサで、熱交換器3が設置され
る自動車用空調装置の通風ダクト(ヒータケース)8内
において、熱交換器3の空気下流側で、かつ車室内への
各種吹出口(図示せず)の分岐点直前の部位に設置され
る。この温度センサ7は、サーミスタよりなり、車室内
に吹き出す温風温度を検出するものである。13は車室
内温度制御の目標温度(乗員の希望温度)を設定するた
めの温度設定器で、乗員により手動操作可能なスイッ
チ、あるいは可変抵抗器等よりなる。14は外気温度、
温水温度、日射量等の車室内温度制御に関係する環境因
子の物理量を検出するセンサ群である。15はこれらの
センサ7、14及び温度設定器13等からの入力信号に
基づいて温度制御信号を出力する空調制御装置で、マイ
クロコンピュータ等よりなる。
【0026】16はこの空調制御装置15からの温度制
御信号により制御されるサーボモータで、流量制御弁4
の弁体17を回転駆動するための弁体作動手段を構成す
る。ここで、弁体作動手段としては、サーボモータ16
のような電気的アクチュエータに限らず、周知のレバ
ー、ワイヤ等を用いた手動操作機構であってもよい。図
2、3は流量制御弁4の概略構造を示すもので、上記弁
体17は本例では樹脂材料にて円柱状形状に成形され、
やはり樹脂にて円筒状に成形された弁ハウジング18内
に回動可能に配置され、収納されている。従って、弁体
17は回動可能なロータから構成されている。
【0027】上記弁ハウジング18には、エンジン1か
らの温水が流入する温水入口パイプ19、この温水入口
パイプ19から流入した温水を熱交換器3に向けて流出
させる温水出口パイプ20、及び熱交換器3のバイパス
回路5に向けて温水を流出させるバイパス出口パイプ2
1が一体成形されている。円柱状の弁体17には、上記
各パイプ19、20、21の開口面積を後述の所定の相
関関係を持って調整する制御流路17a、17bが形成
されている。22は弁体17を回動操作するためのシャ
フトで、弁体17に一体に結合されている。このシャフ
ト22は弁ハウジング18の外部に突出するようになっ
ており、そして前記したサーボモータ16のような電気
的アクチュエータ、またはレバー、ワイヤ等を用いた手
動操作機構に連結され、これらの機器により弁体17を
回動操作できるようにしてある。
【0028】23、24はゴム等の弾性材からなるシー
ル部材で、その全体形状は中央部に開口を有する矩形状
になっており、弁体17の外周面と弁ハウジング18の
内周面との間に配置されている。このシール部材23、
24は弁体17の制御流路17a、17bを介すること
なく、直接パイプ19、20、21間で温水が流通して
しまうことを防ぐためのものであり、本例では 温水入
口パイプ19及び温水出口パイプ20に対応して2箇所
設けているが、バイパス出口パイプ21にも対応して設
けてもよい。
【0029】本実施例では、上記弁体17の開度(弁体
回転角)に応じて、制御流路17a、17bにより図4
に示す所定の相関関係を持って各パイプ19、20、2
1の開口面積を制御するように構成してある。この図4
に示す相関関係を実現するために、上記弁体17の制御
流路17a、17bの具体的形状は、後述の図7及び図
8に示す形状に形成されている。
【0030】図4において、留意すべき特徴事項として
は、次の点がある。 非暖房時(自動車用空調装置に冷房機能が装備されて
いるときは、最大冷房時となる)に温水入口パイプ19
を全閉とせず、φ2丸穴相当の最小開口を設定して、温
水入口パイプ19からバイパス出口パイプ21への温水
の流れを継続するようにしているので、温水の流れの急
遮断によるウオータハンマ現象の音の発生を防止できる
とともに、φ2丸穴相当の開口面積の確保により流水音
の発生も防止できる。
【0031】また、温水回路中の鋳砂は通常、φ1以下
の微小物であるので、上記大きさの最小開口を設定する
ことにより、鋳砂等の異物による流量制御弁流路の閉塞
を十分防止できる。 微少能力時(弁開度10°以下、本例では弁開度は最
大60°に設定)には、温水入口パイプ19の開口面積
及び温水出口パイプ20の開口面積を双方とも絞ってい
る2段絞りの状態(図1の微少能力時はその2段絞りの
状態を模式的に示す)になっており、かつ温水入口パイ
プ19と温水出口パイプ20の絞り部の中間(図1のア
部)は全開状態にあるバイパス出口パイプ21によって
十分大きな開口面積でバイパス回路5に連通しているの
で、暖房用熱交換器3前後の差圧を十分小さくできる。
【0032】その結果、弁開度(弁体回転角)の変化に
対する温水流量の変化(最終的には車室内への吹出空気
温度の変化)を、特別小さな開口面積を必要とせずに、
緩やかすることができる。このことが制御ゲインの低減
である。この制御ゲインの低減により、車室内への吹出
空気温度をきめ細かく制御できるとともに、鋳砂等の異
物による流量制御弁流路の閉塞を十分防止できる。
【0033】また、温水入口パイプ19の絞り部開口面
積を温水出口パイプ20の絞り部開口面積の2倍程度に
設定することにより、温水入口パイプ19からバイパス
出口パイプ21へと流れるバイパス流の流量を増大させ
て、鋳砂等の異物がバイパス出口パイプ21へ流れやす
くすることができ、これにより鋳砂等の異物による流路
の閉塞をより一層効果的に防止できる。
【0034】微少能力〜大能力時においても、上記2
段絞りにより、同様に制御ゲインを低減して、車室内へ
の吹出空気温度をきめ細かく制御できる。また、絞り部
開口面積の増加により、鋳砂等の異物による流路閉塞の
恐れがなくなるので、この状態では、温水入口パイプ1
9の絞り部開口面積と温水出口パイプ20の絞り部開口
面積は同等に設定してある。
【0035】図5はバイパス回路5に設置される定差圧
弁(圧力応動弁)6の具体例を示すもので、2つの樹脂
製ハウジング25、26をねじ等により一体に結合する
とともに、両者の間に樹脂製座板27をOリング(シー
ル材)28を介して水密的に固定してある。この座板2
7には十分大きな開口面積の複数の通水穴29を開け
て、座板27による通水抵抗が小さくなるようにしてあ
る。
【0036】30は樹脂製の円錐状弁体で、これと一体
になっている軸部31により座板27の中心穴部に軸方
向に移動可能に嵌合している。弁体30は座板27との
間にコイルスプリング(ばね手段)32が介在されてお
り、このスプリング32により弁体30は常に図の左方
側(閉弁方向)に押圧され、ハウジング25の内周に形
成された弁座33に当接するようになっている。
【0037】上記弁体30の円錐状部の外周にはリング
状の溝部が形成されており、この溝部にはゴム等の弾性
材からなるシール材34を配設し、弁体30の閉弁時の
シール効果を高めるようにしてある。そして、ハウジン
ク25に形成した入口35と、ハウジンク26に形成し
た出口36との圧力差が所定値に達すると、スプリング
32の力に抗して弁体30が図5(b)の右方へ移動し
て、弁体30が開弁するようになっている。なお、エン
ジン1のアイドル時(エンジン回転数が最も低いとき)
にも最大暖房能力確保のために必要な温水流量が十分得
られる場合には、弁体30の円錐状部に複数の貫通穴
(バイパス穴)37を設けて、閉弁時にもこの穴37を
通して温水が流通するようにしてもよい。
【0038】本発明の最も特徴とする点は、流量制御弁
4の弁体17と弁ハウジング18との間に形成される3
つの絞り部の具体的構成であり、次にこの3つの絞り部
の具体的構成について詳述する。前述の図1、2に示す
ように、温水入口パイプ19と、弁体17の制御流路1
7a、17bの入口側との間で第1の絞り部A1が構成
され、温水出口パイプ20と、弁体17の制御流路17
a、17bの出口側との間で第2の絞り部A2が構成さ
れ、さらにバイパス出口パイプ21と、弁体17の制御
流路17a、17bの出口側との間で第3の絞り部A3
が構成されている。
【0039】そして、上記第1および第2の絞り部A
1、A2については、図6に示すように、その流量係数
Cが温水流量Vwの増加に対して、所定の傾きθを持っ
て減少するように構成されている。一方、第3の絞り部
A3については、その流量係数Cが温水流量Vwの増加
に対して、ほぼ一定に維持されるように構成されてい
る。
【0040】ここで、絞り部A1〜A3を通過する温水
流量Vwと流量係数Cの関係は、下記の数式1で表され
る。
【0041】
【数1】Vw=C・A・(ΔP)1/2 ここで、Aは絞り部A1〜A3の流路断面積、ΔPは絞
り部A1〜A3前後の差圧である。
【0042】図6の横軸は絞り部A1〜A3を通過する
温水流量Vw、および自動車のエンジン回転数をとって
あり、温水循環用ウォータポンプ2がエンジン1により
駆動されるため、温水流量Vwはエンジン回転数の増加
に比例して増加する関係にある。そして、縦軸は、エン
ジン回転数がアイドル時のときの流量係数をC0 とし
て、このC0 に対する任意流量の流量係数Cの比をとっ
ている。
【0043】上記第1および第2の絞り部A1、A2の
流量係数Cを温水流量Vwの増加に対して、所定の傾き
θを持って減少するように構成し、一方、第3の絞り部
A3の流量係数Cが温水流量Vwの増加に対して、ほぼ
一定に維持されるように構成する理由は、エンジン1の
回転数(ウォータポンプ2の回転数)上昇に対して、第
1および第2の絞り部A1、A2では回転数が上昇する
程、温水流量を絞って、バイパス回路5側へ逃がす温水
流量を増加させるためである。
【0044】図6に示す関係に第1ないし第3の絞り部
A1〜A3の流量係数Cを設定するためには、例えば弁
体17および弁ハウジング18を図7、8に示す形状に
形成すればよい。図8は図7に示す弁体17の展開図で
ある。すなわち、弁体17の制御流路17a、17bの
入口側および出口側の流路(穴)の周囲に凹溝17c、
17d、17eを形成することにより、第1および第2
の絞り部A1、A2に対応する弁体17の部位に温水流
路を急激に絞るオリフィス形状を形成している。
【0045】ここで、凹溝17c、17d、17eを形
成する理由は、第1および第2の絞り部A1、A2の周
囲に温水の流れに突出する凸部を形成して、温水流路を
急激に絞るオリフィス形状の効果を増大させるためであ
る。図7の例では、温水入口パイプ19と連通する制御
流路17aはφ2相当の丸穴形状からなる小穴部17a
−1と、大穴部17a−2とに分岐して構成されてお
り、そのため制御流路17a側に2箇所の凹溝17c、
17dが形成されており、第1の絞り部A1は2箇所の
絞り部から構成されている。
【0046】但し、上記凹溝17c、17d、17eは
オリフィス形状を形成するための必須の要件ではなく、
第1および第2の絞り部A1、A2の周囲にシャープな
エッジ(縁部)を形成しておくだけで、オリフィス形状
を形成することもできる。図7の例では、第1および第
2の絞り部A1、A2に対応する温水入口パイプ19、
温水出口パイプ20側部位(弁ハウジング18側部位)
に温水流路を急激に絞る凸部19a、20aを設けて、
弁ハウジング18側にもオリフィス形状を形成してい
る。この凸部19a、20aは、前記した弾性シール材
(パッキン)23、24によって形成することができる
が、樹脂製の弁ハウジング18に一体成形した凸部で形
成することもできる。
【0047】一方、第3の絞り部A3を構成する弁体1
7の部位には、その縁部にR部(滑らかな円弧状部)1
7fを形成して、温水流路を緩やかに変化させるノズル
形状を形成している。また、第3の絞り部A3に対応す
るバイパス出口パイプ21側部位にも、R部(滑らかな
円弧状部)21aを形成して、温水流路を緩やかに変化
させるノズル形状を形成している。
【0048】次に、上記構成において本実施例の作動を
説明する。最大暖房能力時には、流量制御弁4の弁体1
7がサーボモータ16または手動操作機構により最大開
度の位置(具体的には図8の弁開度:60°の位置)ま
で回動される。これにより、弁体17の制御流路17
a、17bがそれぞれ弁ハウジング18の温水入口パイ
プ19、温水出口パイプ20と最大面積で重畳し、この
両パイプ19、20を全開する。すなわち、第1、第2
の絞り部A1、A2が全開状態となる。
【0049】一方、バイパス出口パイプ21には制御流
路17bが開口せず、第3の絞り部A3は全閉状態とな
る。その結果、エンジン1からの温水はすべて熱交換器
3側に流入して、バイパス回路5には温水が流れない。
これにより、熱交換器3は最大暖房能力を発揮できる。
このとき、温水入口パイプ19と温水出口パイプ20と
との間を最大の開口面積でもって連通しているので、鋳
砂等の異物による流路閉塞、あるいは急絞りによる流水
音等が発生する恐れはない。
【0050】また、上記のごとくバイパス回路5を全閉
状態とすることにより、エンジン1の放熱用ラジェータ
(図示せず)への循環流量を確保できる。次に、非暖房
時(自動車用空調装置に冷房機能が装備されているとき
は、最大冷房時となる)には、流量制御弁4の弁体17
がサーボモータ16または手動操作機構により開度零の
位置(具体的には図8の弁開度:0°の位置)まで回動
される。この開度零の位置では、弁体17の制御流路1
7bがバイパス出口パイプ21に重畳してこのパイプ2
1に対応した第3の絞り部A3を全開し、温水出口パイ
プ20に対応した第2の絞り部A2を全閉する。
【0051】一方、制御流路17aは図8の最上部に示
すように、その小穴部17a−1のみが温水入口パイプ
19と重畳して、温水入口パイプ19を全閉とせず、φ
2丸穴相当の最小開口面積を設定する。すなわち、第1
の絞り部A1は最小開口面積となる。上記の弁体位置に
より、温水入口パイプ19からバイパス出口パイプ21
への温水の流れを継続できるので、温水の流れの急遮断
によるウオータハンマ現象の音の発生を防止できるとと
もに、φ2丸穴相当以上の開口面積の確保により流水音
の発生も防止できる。
【0052】また、温水回路中の鋳砂は通常、φ1以下
の微小物であるので、上記大きさの最小開口を設定する
ことにより、鋳砂等の異物による流量制御弁流路の閉塞
を十分防止できる。また、上記のごとく温水入口パイプ
19の開口面積を、φ2丸穴相当の最小開口面積に設定
することにより、エンジン1の放熱用ラジェータ(図示
せず)への循環流量を確保できる。
【0053】次に、微少能力時には、弁体17が図8の
弁開度10°以下の位置に回動されるので、制御流路1
7a、17bが温水入口パイプ19及び温水出口パイプ
20の双方に対して小面積で重畳する。従って、第1、
第2の絞り部A1、A2は、温水入口パイプ19の開口
面積及び温水出口パイプ20の開口面積を双方とも絞っ
ている2段絞りの状態(図1の微少能力時はその2段絞
りの状態を模式的に示す)となり、かつ第1、第2の絞
り部A1、A2の中間部(図1のア部)に位置する第3
の絞り部A3は全開状態でバイパス出口パイプ21に開
口する。
【0054】そのため、この第1、第2の絞り部A1、
A2の中間部アの圧力を十分下げることができる。その
結果、暖房用熱交換器3前後の差圧を十分小さくできる
ので、弁開度(弁体回転角)の変化に対する温水流量の
変化(最終的には車室内への吹出空気温度の変化)を、
特別小さな開口面積を必要とせずに、緩やかすることが
できる。すなわち、吹出空気温度の制御ゲインを低減で
きる。
【0055】この制御ゲインの低減により、車室内への
吹出空気温度をきめ細かく制御できるとともに、温水入
口パイプ19及び温水出口パイプ20の開口面積を特別
小さな開口面積に設定する必要がなくなるため、鋳砂等
の異物による流量制御弁流路の閉塞を十分防止できる。
また、温水入口パイプ19に対応した第1の絞り部A1
の開口面積を温水出口パイプ20に対応した第2の絞り
部A2の開口面積の2倍程度に設定することにより、温
水入口パイプ19からバイパス出口パイプ21へと流れ
るバイパス流の流量を増大させて、鋳砂等の異物がバイ
パス出口パイプ21へ流れやすくすることができ、これ
により第2の絞り部A2を形成する制御流路17bに滞
留しようとする異物も上記バイパス流で洗い流すことが
でき、鋳砂等の異物による流路の閉塞をより一層効果的
に防止できる。
【0056】次に、微少能力〜大能力時においては、弁
体17が図8の弁開度10°を越える回動位置から60
°未満の回動位置にわたって、回動されることになる
が、このような弁体回動位置においても、上記2段の絞
り部A1、A2により、同様に制御ゲインを低減して、
車室内への吹出空気温度をきめ細かく制御できる。ま
た、絞り部開口面積の増加により、鋳砂等の異物による
流路閉塞の恐れがなくなるので、この状態では、第1の
絞り部A1の開口面積と第2の絞り部A2の開口面積を
同等に設定してある。
【0057】ところで、自動車用空調装置の温水供給源
をなすエンジン1は、自動車の走行条件の変化に伴って
回転数が大幅に変化するので、エンジン1からの温水供
給圧は走行条件の変化により大幅に変化し、これが流量
制御弁4による温水流量制御、ひいては吹出空気温度制
御に対する大きな外乱要素となる。そこで、バイパス回
路5に定差圧弁6を設置して、エンジン1からの温水供
給圧の上昇により定差圧弁6を開弁することにより、温
水供給圧の変化による温水流量の変動を解消している。
【0058】すなわち、定差圧弁6においては、エンジ
ン1からの温水供給圧が上昇して、弁体30前後の差圧
がスプリング32により定まる所定圧より高くなると、
弁体30が図5の右方へ移動して開弁し、弁体30と弁
座33との間の隙間が上記差圧に応じて変動することよ
り、定差圧弁6はその出入口35、36間の圧力差を一
定値に維持するように作用する。
【0059】これにより、熱交換器4に加わる温水圧力
を、エンジン1からの温水供給圧の変動にかかわらず、
一定値に維持でき、エンジン1からの温水供給圧の変化
による温水流量の変動を防止できる。図9はエンジン回
転数変動(エンジン1からの温水供給圧変動)による吹
出空気温度変動の低減効果を示すもので、流量制御弁の
弁体開度を吹出空気温度25°C設定の位置に操作した
場合に、エンジン回転数Neを1000rpm〜400
0rpmの範囲で変動させて、熱交換器吹出空気温度の
変動幅を測定したものである。
【0060】図9のイは本発明において、バイパス回路
5に定差圧弁6を設けない場合で、上記変動幅は14.
7°Cとなるが、バイパス回路5に定差圧弁6を設ける
ことにより、ロに示すように上記変動幅を4.2°Cと
いう僅少値に抑制できる。このように、本発明におい
て、定差圧弁6の付加によりエンジン回転数変動による
吹出空気温度の変動を効果的に低減できることがわか
る。
【0061】ところで、エンジン回転数Neは上記のご
とく1000rpm〜4000rpmという広範囲にわ
たって変動するので、この広範囲な変動を吸収するため
には、定差圧弁6において弁体30と弁座33との間の
隙間を弁体30前後の差圧に応じて広範囲に変化する必
要があり、そしてこのためにはスプリング32の使用範
囲(撓み量)を必然的に大きくする必要が生じる。
【0062】本発明者らの実験、検討によると、上記ス
プリング32の撓み量が増大すると、スプリング32の
自励振動が発生しやすくなり、この自励振動が原因とな
って、異音を発生する。しかるに、本発明においては、
前述した図6に示す通り、温水入口パイプ19に対応し
た第1の絞り部A1、および温水出口パイプ20に対応
した第2の絞り部A2の流量係数Cを温水流量Vwの増
加に対して、所定の傾きθを持って減少するように構成
し、一方、バイパス出口パイプ21に対応した第3の絞
り部A3の流量係数Cが温水流量Vwの増加に対して、
ほぼ一定に維持されるように構成しているため、エンジ
ン1の回転数(ウォータポンプ2の回転数)上昇に対し
て、第1および第2の絞り部A1、A2では回転数が上
昇する程、温水流量を絞って、バイパス回路5側へ逃が
す温水流量を増加させることができる。
【0063】このように、第1の絞り部A1および第2
の絞り部A2の流量係数Cと、第3の絞り部A3の流量
係数Cとで、温水流量Vwの増加に対する傾きを変える
ことにより、これらの絞り部A1〜A3自身の特性によ
り、エンジン1からの温水供給圧の変化による熱交換器
温水流量の変動をかなりの程度吸収できる。従って、定
差圧弁6におけるスプリング32の使用範囲(撓み量)
を減少させて、スプリング32の自励振動の発生を抑制
できる。
【0064】図10は縦軸にスプリング32のバネ力を
とり、横軸にスプリング32の撓み量およびスプリング
長さLをとったものである。図中、(ロ)は第1〜第3
の絞り部A1〜A3の流量係数の傾きを同一とした比較
例におけるスプリング使用範囲を示し、(ハ)は第1〜
第3の絞り部A1〜A3の流量係数の傾きを変えた本発
明実施例装置におけるスプリング使用範囲を示す。
【0065】この(ロ)、(ハ)の比較から理解される
ように、本発明によれば、スプリング32の使用範囲
(撓み量)を比較例の装置に比して、1/2以下に減少
させることができる。本発明は上記第1実施例に限定さ
れることなく、請求項記載の技術的思想の趣旨に従って
種々変形可能なものであり、以下他の例について述べ
る。 (第2実施例)第1実施例では、図7に示すように、弁
体17側および弁ハウジング18側の双方にオリフィス
形状およびノズル形状を形成するための形状変更を加え
ているが、第2実施例では、図11に示すように、弁体
17の第1、第2の絞り部A1、A2部分に凹溝17
d、17eを設けてオリフィス形状を形成するととも
に、第3の絞り部A3部分にはR部17fを設けてノズ
ル形状を形成するようにしたものであって、弁ハウジン
グ18側には凸部19a、20aおよびR部21aを設
けてない。
【0066】このような構成としても、第1、第2の絞
り部A1、A2と、第3の絞り部A3とにおいて、流量
係数Cの傾きを変えることができる。 (第3実施例)第3実施例は、上記第2実施例とは逆に
したものであって、図12に示すように、弁ハウジング
18側には凸部19a、20aおよびR部21aを設け
て、、弁体17側には、凹溝17d、17eおよびR部
17fを設けないようにしたものである。
【0067】このような構成としても、第1、第2の絞
り部A1、A2と、第3の絞り部A3とにおいて、流量
係数Cの傾きを変えることができる。以上の第1〜第3
実施例から理解されるように、第1〜第3の絞り部A
1、A2、A3の流量係数Cの傾きを変えるためのオリ
フィス形状およびノズル形状は、各絞り部において弁体
17側および弁ハウジング18側の少なくとも一方に設
ければよい。
【0068】(第4〜第8実施例)図13は温水回路の
変形に関する第4〜第8実施例を示すもので、(a)は
図1のバイパス回路5から定差圧弁6を廃止した第4実
施例である。この第4実施例では、第1〜第3の絞り部
A1、A2、A3の流量係数Cの傾きの差を最大限拡大
して、この流量係数Cの傾きの差のみで、エンジン回転
数の変動による温水供給圧の変化に基づく熱交換器温水
流量の変化を暖房フィーリングに支障のない程度まで吸
収するようにしたものである。
【0069】(b)は流量制御弁4により開閉制御され
る第1のバイパス回路5の他に、流量制御弁4により開
閉制御されない第2のバイパス回路5aを追加し、この
第2のバイパス回路5aは常にエンジン1に並列に接続
しておき、この第2のバイパス回路5aに定差圧弁6を
設置するようにした第5実施例である。(c)は定差圧
弁6を設置した第1のバイパス回路5の他に、流量制御
弁4により開閉制御されない第2のバイパス回路5aを
追加し、この第2のバイパス回路5aは常にエンジン1
に並列に接続するようにした第6実施例である。
【0070】(d)は定差圧弁6を設置した第1のバイ
パス回路5の他に、流量制御弁4により開閉制御されな
い第2のバイパス回路5aを追加し、この第2のバイパ
ス回路5aにも定差圧弁6aを設置するようにした第7
実施例である。(e)は流量制御弁4を熱交換器3の温
水出口側に設置した第8実施例で、図2の温水入口パイ
プ19が熱交換器3の温水出口側に接続され、温水出口
パイプ20はエンジン1のウォータポンプ2の吸入側に
接続され、そしてバイパス出口パイプ21は本例ではバ
イパス入口パイプとなり、このバイパス入口パイプ21
がバイパス回路5の出口側に接続される。
【0071】この第8実施例では、非暖房時に、温水入
口パイプ19を全閉するとともに、温水出口パイプ20
を最少開口面積で開口し、そしてバイパス入口パイプ2
1を全開するようにすれば、第1実施例と同様の作用効
果を発揮できる。上記図13(a)〜(e)に示す種々
の温水回路においても、本発明の特徴とする第1〜第3
の絞り部A1、A2、A3の流量係数Cの傾きの差によ
り、エンジン回転数の変動による熱交換器温水流量の変
化を抑制できる。
【0072】また、前述した温度制御のゲイン低減効果
と、鋳砂等の異物による弁流路の閉塞防止効果も同様に
良好に発揮できる。なお、上述した実施例では、図1に
おいて流量制御弁4、定差圧弁6及びサーボモータ16
を熱交換器3に対してそれぞれ独立に構成した例を図示
しているが、流量制御弁4に定差圧弁6及びサーボモー
タ16を一体に構成し、さらにこの流量制御弁4を剛性
を持った配管部材を介して熱交換器3に予め一体化して
おいて、その後にこれらの一体構造物を通風ダクト(ヒ
ータケース)8に対して組み付けることにより、組付性
の向上、熱交換器部分の必要容積の小型化を図るように
してもよい。
【0073】また、本発明は自動車用の温水式暖房装置
に限らず、家庭用等の温水式暖房装置にも適用できるこ
とはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す温水回路図である。
【図2】流量制御弁の断面図である。
【図3】(a)は流量制御弁の弁体(ロータ)単体の上
面図で、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図4】流量制御弁の流量制御特性をまとめた表であ
る。
【図5】(a)、(b)は定差圧弁の断面図で、(a)
は(b)のB−B断面図である。
【図6】流量制御弁の第1〜第3の絞り部における流量
係数と温水流量との関係を示すグラフである。
【図7】流量制御弁における第1〜第3の絞り部の具体
的形状例を示す図で、(a)は弁体単体の上面図、
(b)は弁体単体の正面図、(c)は(b)のC−C断
面図である。
【図8】図7に示す弁体(ロータ)単体の展開図であ
る。
【図9】エンジン回転数の変動と吹出し空気温度との関
係を示すグラフである。
【図10】定差圧弁におけるスプリング特性を示す特性
図である。
【図11】本発明流量制御弁の第2実施例を示す要部断
面図である。
【図12】本発明流量制御弁の第3実施例を示す要部断
面図である。
【図13】(a)〜(e)は本発明の第4〜第8実施例
を示す温水回路図である。
【符号の説明】
1……エンジン、3……暖房用熱交換器、4……流量制
御弁、5……バイパス回路、6……定差圧弁、17……
弁体、17a、17b……制御流路、18……弁ハウジ
ング、19……温水入口パイプ 20……温水出口パイプ、21……バイパス出口パイ
プ。A1……第1の絞り部 A2……第2の絞り部、A3……第3の絞り部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−72529(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 5/00 - 5/22 B60H 1/08 611 F16K 11/00 - 11/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水供給源から暖房用熱交換器に供給さ
    れる温水流量を制御するための流量制御弁であって、 弁ハウジングと、 この弁ハウジングに設けられ、この弁ハウジング内に温
    水を流入させる温水入口と、 前記弁ハウジングに設けられ、前記弁ハウジングから温
    水を流出させる温水出口と、 前記弁ハウジングに設けられ、前記暖房用熱交換器のバ
    イパス回路に連通するバイパス用開口と、 前記弁ハウジング内に作動可能に設置され、前記温水入
    口、前記温水出口及び前記バイパス用開口の開口面積を
    調整する制御流路を有する弁体とを備え、 前記温水入口と前記弁体の制御流路の入口側とで形成さ
    れる第1の絞り部、および前記温水出口と前記弁体の制
    御流路の出口側とで形成される第2の絞り部を、流量の
    増加とともに流量係数が減少する形状に構成し、 前記バイパス用開口と、前記弁体の制御流路の出口側と
    で形成される第3の絞り部を、流量が増加しても流量係
    数が略一定に維持される形状に構成し、 前記第1の絞り部および前記第2の絞り部を通して、前
    記暖房用熱交換器に温水を供給するようにしたことを特
    徴とする温水式暖房装置用流量制御弁。
  2. 【請求項2】 前記弁体は、その作動範囲の一端側で
    は、前記第1の絞り部および前記第2の絞り部を双方と
    も小面積に絞るとともに、前記第3の絞り部を大面積で
    開口するように構成されており、 かつ前記弁体の作動量が、その作動範囲の一端側から他
    端側に向かって増大するにつれて、前記第1の絞り部お
    よび前記第2の絞り部の開口面積を双方とも増大させる
    とともに、前記第3の絞り部の開口面積を次第に減少さ
    せるように構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の温水式暖房装置用流量制御弁。
  3. 【請求項3】 前記第1の絞り部および前記第2の絞り
    部は、温水流路を急激に絞るオリフィス形状を有してお
    り、 前記第3の絞り部は温水流路を緩やかに絞るノズル形状
    を有していることを特徴とする請求項1または2に記載
    の温水式暖房装置用流量制御弁。
  4. 【請求項4】 前記第1の絞り部および前記第2の絞り
    部の前記オリフィス形状が、前記弁体の制御流路および
    前記弁ハウジングの温水流路の双方に形成されており、 前記第3の絞り部の前記ノズル形状が、前記弁体の制御
    流路および前記弁ハウジングの温水流路の双方に形成さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の温水式暖房
    装置用流量制御弁。
  5. 【請求項5】 温水供給源と、 この温水供給源から供給される温水と空気とを熱交換し
    て室内の暖房を行う暖房用熱交換器と、 前記温水供給源から前記暖房用熱交換器に供給される温
    水流量を制御するための流量制御弁と、 前記暖房用熱交換器をバイパスして温水を流すバイパス
    回路とを備え、 さらに前記流量制御弁には、 弁ハウジングと、 この弁ハウジングに設けられ、この弁ハウジング内に温
    水を流入させる温水入口と、 前記弁ハウジングに設けられ、前記弁ハウジングから温
    水を流出させる温水出口と、 前記弁ハウジングに設けられ、前記暖房用熱交換器のバ
    イパス回路に連通するバイパス用開口と、 前記弁ハウジング内に作動可能に設置され、前記温水入
    口、前記温水出口及び前記バイパス用開口の開口面積を
    調整する制御流路を有する弁体とを備え、 前記温水入口と前記弁体の制御流路の入口側とで形成さ
    れる第1の絞り部、および前記温水出口と前記弁体の制
    御流路の出口側とで形成される第2の絞り部を、流量の
    増加とともに流量係数が減少する形状に構成し、 前記バイパス用開口と前記弁体の制御流路の出口側とで
    形成される第3の絞り部を、流量が増加しても流量係数
    が略一定に維持される形状に構成し、 前記第1の絞り部および前記第2の絞り部を通して、前
    記暖房用熱交換器に温水を供給するようにしたことを特
    徴とする温水式暖房装置。
  6. 【請求項6】 水冷式の走行用エンジンを有する自動車
    に用いられる温水式暖房装置として構成され、前記温水
    供給源が前記エンジンにて構成されていることを特徴と
    する請求項5に記載の温水式暖房装置。
  7. 【請求項7】 前記バイパス回路には、温水圧力の上昇
    により開弁する圧力応動弁が備えられていることを特徴
    とする請求項5または6に記載の温水式暖房装置。
  8. 【請求項8】 前記弁体は、前記弁ハウジング内に回動
    可能に配置されたロータとして構成されており、前記弁
    体の回動により前記温水入口、前記温水出口及び前記バ
    イパス用開口の開口面積を調整するように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに
    記載の温水式暖房装置用流量制御弁。
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