JPH09302056A - ロジン変性フェノール樹脂および印刷インキ - Google Patents

ロジン変性フェノール樹脂および印刷インキ

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JPH09302056A
JPH09302056A JP10744596A JP10744596A JPH09302056A JP H09302056 A JPH09302056 A JP H09302056A JP 10744596 A JP10744596 A JP 10744596A JP 10744596 A JP10744596 A JP 10744596A JP H09302056 A JPH09302056 A JP H09302056A
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JP
Japan
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rosin
resin
component
printing ink
weight
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JP10744596A
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English (en)
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Koji Sato
孝二 佐藤
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成時に昇華のない3価のポリオールの多量体
成分を用い、特に耐ミスチング、耐摩擦性、乾燥性に優
れた平均重量分子量10万以上の印刷インキ用樹脂およ
びそれを含む印刷インキを提供する。 【解決手段】ロジンまたはその誘導体成分、アルキルフ
ェノールホルムアルデヒド付加縮合体成分、およびポリ
オール成分からなり、該ポリオール成分の全部又は一部
がグリセリン、トリメチロールエタンまたはトリメチロ
ールプロパンから選ばれる少なくとも一種のトリオール
の2〜4量体であることを特徴とするロジン変性フェノ
ール樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に高速印刷に適応
した、高分子量の印刷インキ用樹脂およびそれらを含む
印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】近年印刷機の高速化が進み、印刷インキ
のミスチング防止、耐摩擦性、乾燥性を向上させる為ロ
ジン変性フェノール樹脂を高分子化することにより対処
している。一般に印刷インキ用樹脂は、ロジンまたはそ
の誘導体、フェノールホルムアルデヒド付加縮合体、ポ
リオール成分(主にエチレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等)とを
反応せしめたロジン変性フェノール樹脂が使用される。
ロジン変性フェノール樹脂の分子量は、耐ミスチング性
を得るためある程度大きいものの方が好ましいが、重量
平均分子量が10万以上になると、従来のポリオール成
分では樹脂の高分子量化が困難である。またペンタエリ
スリトールを使用すれば高分子量化は可能であるが、ペ
ンタエリスリトールは樹脂合成中昇華し、反応容器の壁
の上部に付着する為混合が十分になされないという問題
点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は合成時に昇華
のない3価のポリオールの多量体成分を用い、特に耐ミ
スチング、耐摩擦性、乾燥性に優れた平均重量分子量1
0万以上の印刷インキ用樹脂およびそれを含む印刷イン
キを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロジンまたは
その誘導体成分、アルキルフェノールホルムアルデヒド
付加縮合体成分、およびポリオール成分からなり、該ポ
リオール成分の全部又は一部がグリセリン、トリメチロ
ールエタンまたはトリメチロールプロパンから選ばれる
少なくとも一種のトリオールの2〜4量体であるロジン
変性フェノール樹脂である。更に本発明は、上記ポリオ
ール成分が上記ロジン変性フェノール樹脂成分中1〜1
5重量%含有する上記ロジン変性フェノール樹脂であ
る。更に本発明は、樹脂の重量平均分子量が10万〜2
0万である上記ロジン変性フェノール樹脂である。更に
本発明は、上記ロジン変性フェノール樹脂を含むことを
特徴とする印刷インキである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、ロジン変性フェ
ノール樹脂中のロジンまたはその誘導体成分としては、
ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロ
ジンまたはこれらの重合物、および上記ロジンにマレイ
ン酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸を
付加したロジン誘導体等が挙げられる。
【0006】本発明において、アルキルフェノールホル
ムアルデヒド付加縮合体としては、レゾール型フェノー
ル樹脂が好ましい。このレゾール型フェノール樹脂のフ
ェノール成分としては石炭酸、クレゾール、t−または
sec−ブチルフェノール、アミルフェノール、シクロ
ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェ
ノール、ドデシルフェノール、ペンタデカンフェノー
ル、オクタデカンフェノール、ノナデカンフェノール、
ジオクチルフェノール、フェニルフェノール、クミルフ
ェノール等のフェノール、カテコール、レゾルシン、ハ
イドロキノン、ビスフェノール等の多価フェノールが挙
げられる。アルデヒド成分としてはホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。アルデヒド成
分としては、フェノール成分1モルに対して0.2〜4
モルを常法により反応させる。
【0007】本発明においてポリオール成分は、ロジン
またはその誘導体のカルボキシル基と反応させ、印刷イ
ンキ用樹脂として好ましい酸価の低い樹脂、望ましくは
酸価25以下の樹脂とするために使用される。酸価が高
い樹脂では乳化適性が悪く、印刷インキの転移不良を起
こしてしまう。本発明のポリオール成分としてはグリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン
等の2量体、3量体、4量体があり、具体的には、ジグ
リセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ジトリ
メチロールエタン、トリトリメチロールエタン、テトラ
トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ト
リトリメチロールプロパン、テトラトリメチロールプロ
パン等が挙げられる。より具体的には下記の化学構造を
有するものであり、使用に際してはこれらの成分の混合
物であっても単一物質であってもよい。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】これらのポリオール成分は、ロジンフェノ
ール樹脂中1〜15重量%使用することが好ましい。ま
たエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、(モノ又はジ)ペンタ
エリスリトール等の従来のポリオール成分を併用しても
よい。
【0012】本発明の印刷インキ用樹脂は、ロジンまた
はその誘導体、アルキルフェノールホルムアルデヒド付
加縮合体とポリオールを酸性触媒を使用して反応させる
ことができる。酸性触媒としては、パラトルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等
の鉱酸を触媒として220℃以上加熱する必要がある。
しかし、このような条件では反応物が容易に着色するた
め、還元剤である次亜リン酸、トリフェニルホスファイ
ト、トリフェニルホスフェート等を併用することもあ
る。
【0013】更に残存する酸性触媒等に由来する水素イ
オンを中和することによって金属の錆を防ぐこともでき
る。中和剤としては、リチウム、セシウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニ
ウム、亜鉛、チタン、ジルコニウム、アンチモン、セレ
ン等の金属の水酸化物、酸化物またはカルボン酸塩等の
塩類の利用が可能である。
【0014】本発明のロジン変性フェノール樹脂の重量
平均分子量は、10万〜20万が好ましい。分子量が1
0万より小さいと、耐ミスチング性が劣る傾向があり、
20万より大きいと樹脂の溶解性が劣る傾向があるので
好ましくない。
【0015】本発明のロジン等変性フェノール樹脂の合
成は次のようにして得ることができる。尚、%とは重量
%を示す。 (レゾール型フェノール樹脂の合成)反応釜に上記フェ
ノール類とアルデヒド類を所定の割合で仕込み更にトル
エン、キシレン等の溶剤をフェノール樹脂の固形分が4
0〜70重量%となるような量を添加し、攪拌、加熱し
50℃にて反応させる。反応触媒としては、水酸化カル
シウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マ
グネシウムなどの不溶性塩基性塩が好ましく、これらの
塩を水と混合し、スラリー状として添加する。また、ア
ンモニア水やアミン類も触媒として利用でき、塩基性塩
およびアミン類のいずれもフェノール1モルに対し0.
05〜0.1モルの範囲で合成できる。0.05モル以
下では反応が遅く未反応物が多くなり、0.1モル以上
では得られる印刷インキ用樹脂の溶解性が劣化する。ま
た、水の量は全量に対し3〜10重量%が好ましい。水
の量が3重量%以下であると出来上がったレゾール型フ
ェノール樹脂の着色が大きくなり、10重量%以上では
縮合の進行が遅くなり、必要な分子量のレゾール型フェ
ノール樹脂が得られない。触媒添加後70〜110℃の
反応温度で5〜10時間反応を続けた後、約60℃まで
冷却し、その後塩酸、蟻酸、酢酸で中和水洗を行なう。
【0016】(ロジン変性フェノール樹脂の合成法)反
応釜にロジン類を40〜70重量%を仕込み窒素ガスを
吹き込みながら加熱溶解し、220〜260℃に昇温し
た後、上記レゾール型フェノール樹脂を30〜50重量
%(固形分%)を2〜5時間滴下しながら仕込みその後
ポリオール成分を1〜15重量%仕込み、さらに必要に
応じ酸性触媒を0〜1重量%仕込み反応させてもよい。
酸価が25以下になったら汲み出す。本発明の仕込み順
は一例であり必要に応じ入替えをしてもよい。
【0017】本発明の印刷インキ用樹脂は従来から用い
られているロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹
脂、石油樹脂等と併用することができる。また、石油樹
脂変性、アクリル変性、ウレタン変性等による変性も可
能である。
【0018】本発明の印刷インキは、 顔料 5〜30(重量%) ロジン変性フェノール樹脂 20〜40 アルキッド樹脂 0〜10 乾性油 0〜25 印刷インキ用溶剤 10〜40 乾燥促進剤 0〜3 その他の添加剤 0〜10 からなるものである。
【0019】顔料としては公知の一般的なもの、例えば
ベンジジンエロー、レーキレッドC、カーミン6B、フ
タロシアニンブルー、カーボンブラック、必要に応じて
無機顔料や流動性調整剤としての体質顔料が使用され
る。
【0020】本発明の樹脂組成物を用いて印刷インキ用
ワニスとするには、本発明の樹脂100部に対して溶剤
および/または乾性油(重合油、乾性油アルキッド樹脂
等の乾性油変性体)を50〜150部に溶解する。実際
の使用にあたっては、オクチル酸アルミニウム、ステア
リン酸アルミニウム、オクチル酸ジルコニウム、アルミ
ニウムトリイソプロポキサイド、アルミニウムジプロポ
キサイドモノアセチルアセトナート等によるゲル化剤を
利用してゲルワニスとする。必要に応じて耐摩擦向上
剤、インキドライヤー、乾燥抑制剤等のコンパウンドな
どの各種添加剤を添加し、適切な粘度となるよう調整す
ることで枚葉オフセットインキ,オフ輪インキ等のオフ
セットインキとする。このオフセットインキは湿し水を
使用する通常の印刷インキとしても、また湿し水を使用
しない水無し印刷用の印刷インキとしても使用すること
ができる。また、新聞インキあるいは凸版インキとして
も使用できる。
【0021】
【実施例】次に具体例により本発明を説明する。例中
「部」とは重量部を示す。 製造例1(レゾール型フェノール樹脂の合成) 攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにパラオ
クチルフェノール206部、パラ−ホルムアルデヒド7
5部、キシレン200部を仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら加熱攪拌し、55℃で水酸化カルシウム1.8部
を水18部に分散させて、その分散液を添加し75℃に
昇温し、同温度で6時間反応させる。その後、冷却し、
塩酸で中和しさらに300部の水で1回水洗する。この
レゾール型フェノール樹脂をレゾール液とする。このレ
ゾール液の固型分(120℃熱風オーブン中で溶剤を蒸
発させる)は55重量%であった。
【0022】製造例2 攪拌機,還流冷却器,温度計付4つ口フラスコに表1の
ロジンを入れ、加熱溶解し、その後昇温し、200℃で
レゾ−ル液を滴下しながら仕込み、1〜3時間反応さ
る。その後昇温し、250℃で表1に記載された2〜4
量体成分の混合物からなるポリオール成分を仕込み、さ
らに必要に応じ少量の水に溶解したパラ−トルエンスル
ホン酸を分散させた液を滴下しながら仕込み酸価の低下
が止まるまで反応させる。その後、汲み出す。以下表1
の通り反応させる。
【0023】
【表1】
【0024】上記樹脂を溶剤、アマニ油に180℃で溶
解させ、160℃に温度を下げ、ALCH1.0重量%
を添加し、1時間攪拌しワニスを得た。以下比較例、実
施例ワニスを表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】インキは常法により三本ロールにて顔料分
散させて作製した。インキ処方と性状を表3に示す。
【0027】
【表3】 以下表中の試験方法について記載する。 (耐ミスチング性)各インキ2.6ccをインコメター
に盛り、2分間、1200rpmで回転させインキ飛散
量を白紙に取り、5段階評価で表示した(優)5──1
(劣)。 (耐摩擦性)各インキの印刷物を、サザーランドラブテ
スターで2ポンドの荷重で20回擦り、印刷物の傷付き
度合いを5段階評価で表示した。表示法は上記耐ミスチ
ング性に同じ。 (乾燥性)乾燥性はセットで表示した。セットとは、各
インキ0.3ccをRIテスターにてコート紙に展色し
た後、展色物を160℃熱風乾燥機中に入れ、指触粘着
感が無くなった時間(分)で表示した。
【0028】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は合成中昇華するこ
ともなく、およびそれらを使用した印刷インキにより、
耐ミスチング、耐摩擦性、乾燥性を向上させることがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジンまたはその誘導体成分、アルキル
    フェノールホルムアルデヒド付加縮合体成分、およびポ
    リオール成分からなり、該ポリオール成分の全部又は一
    部がグリセリン、トリメチロールエタンまたはトリメチ
    ロールプロパンから選ばれる少なくとも一種のトリオー
    ルの2〜4量体であるロジン変性フェノール樹脂。
  2. 【請求項2】 上記ポリオール成分が上記ロジン変性フ
    ェノール樹脂成分中1〜15重量%含有する請求項1記
    載のロジン変性フェノール樹脂。
  3. 【請求項3】 樹脂の重量平均分子量が10万〜20万
    である請求項1ないし2記載のロジン変性フェノール樹
    脂。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3記載のロジン変性フェ
    ノール樹脂を含むことを特徴とする印刷インキ。
JP10744596A 1996-03-11 1996-04-26 ロジン変性フェノール樹脂および印刷インキ Pending JPH09302056A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009227785A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Arakawa Chem Ind Co Ltd ロジン変性フェノール樹脂、印刷インキ用樹脂ワニス、顔料コーティング剤および印刷インキ
JP2011046896A (ja) * 2009-08-28 2011-03-10 Harima Chemicals Inc 酸化安定型のロジン変性フェノール樹脂及び同樹脂を含有する印刷インキ用ワニス
CN116284627A (zh) * 2022-12-27 2023-06-23 广东科茂林产化工股份有限公司 一种松香改性酚醛树脂的制备方法及其应用

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