JP3079846B2 - 印刷インキ - Google Patents

印刷インキ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷で使用される印
刷インキにおいて、優れたインキ性能と印刷作業性を有
し、更に高品質の印刷物を得ることのできる印刷インキ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフセット印刷インキに用いる溶
剤は従来の溶剤の芳香族成分を水添し非芳香族成分とし
たソルベントが主体となってきた。その主たる理由は大
気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が
得られる事が挙げられる。ところが、このアロマフリー
(以下AFという)ソルベントは溶解性が従来のインキ
溶剤と比較して乏しいという欠点がある。ロジン変性フ
ェノール樹脂のAF溶剤に対する溶解性測定の目安とし
て、AF6号ソルベント(日本石油化学株式会社商品
名)に対する溶解性がある。測定方法としては、たとえ
ば25℃において溶液が白濁した時の溶液中の樹脂%で
表す。この樹脂%が低いほどロジン変性フェノール樹脂
のAF溶剤に対する溶解性が良好になる。実施例でこの
AF6号ソルベント溶解性を具体的に述べる。
【0003】AFソルベントと組み合わせられる樹脂
は、溶剤に対する溶解性が良好なものしか使用できな
い。従来の溶解性が良好なるロジン変性フェノール樹脂
は、使用するレゾール型フェノール樹脂の配合比率を多
くして、レゾール型フェノール樹脂の縮合核体数を大き
くしているものが主体であった。このような組成のロジ
ン変性フェノール樹脂は酸価が高くなり、オフセットイ
ンキにした場合乳化量が多くウオーターマークが発生し
やすくなる。またAFソルベントを使用してインキ化し
た場合、従来の溶剤を使用したインキとセットは同等で
も、紙上乾燥が極端に長くなるという問題点が新たに発
生した。AFソルベント使用インキで溶解性が乏しい従
来のロジン変性フェノール樹脂を併用すれば上記問題は
改善できる。ところが、インキ中にこのような低溶解性
の成分を入れると高級アルコールや乾性油を多量に用い
てインキの安定性を保持させなければならない。これら
の高級アルコールや乾性油を多量に用いるとやはり乾燥
性が遅くなる。乾燥性が遅くなると枚葉インキでは棒積
み量の不足、オフ輪インキでは加熱乾燥時の乾燥不良に
つながり、高速印刷適性が著しく劣ったインキしか得ら
れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
のロジン変性フェノール樹脂を用いて、AFソルベント
を使用してインキを設計するかぎりは光沢が出ても乾燥
性で満足がいく性能が得られない。また安定性が劣り経
時でインキがしまったり、温度依存性が強く機上で状態
が変化しやすいようなインキになってしまう。かかる実
状に鑑みて、本発明者らは、AFソルベントを使用して
従来のロジン変性フェノール樹脂では得られない、光沢
と乾燥性のバランスが良く、インキの安定性が特に優れ
た、新規なインキ用樹脂を求めて鋭意検討し、本発明に
到達したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロジン類
(a)と、炭素数8〜20のアルキル基を有するアルキ
ルフェノールから得られるレゾール型もしくはノボラッ
ク化した後レゾール化するフェノール樹脂(b)と、多
価アルコール(c)からなるロジン変性フェノール樹
、酸価40以下で残存しているフェノール性OH基
を酸触媒を使用してテレピン油とフリーデルクラフツ反
応して得られるロジン変性フェノール樹脂および比重
が0.78以上、沸点が200℃以上で、芳香族炭化水
素の含有率が1重量%以下である石油系溶剤からなる
ニスを用いてなることを特徴とする印刷インキに関す
る。
【0006】本発明では、ロジン変性フェノール樹脂、
特にレゾール型フェノール樹脂成分がロジン類50重量
部に対して30〜80重量部を含むフェノール樹脂にお
いて、ロジンとクロマン環の生成に関与していない未反
応のフェノール性OH基を酸触媒の存在下で、フリーデ
ルクラフツ反応させテルペンフェノールエーテルにする
ことによって、フェノール性OH基の構造を改質するも
のである。すなわち、ロジン変性フェノール樹脂中のフ
ェノール部分の構造は、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール等と類似しており、酸化防止剤の効果
が知られているように、フェノール性OHのOとHの結
合が弱いフェノール化合物はビヒクルが乾燥する過程に
おいて最初に生成する過酸化物ラジカルと反応してしま
うため乾燥工程のラジカル重合が阻害される。この乾燥
工程の阻害成分であるフェノール性OH基をテレピンフ
ェノールエーテル化するのである。
【0007】本発明に使用される樹脂は、その酸価が通
常は25以下、好ましくは20以下である。酸価が25
を越える場合は、印刷時に汚れ等のトラブルを生ずる傾
向がある為である。また、樹脂の軟化点は、通常は16
0℃以上、好ましくは170℃以上とされる。160℃
未満の場合には乾燥性、セットが顕著に低下する為であ
る。一方、本発明の印刷インキに使用される溶剤は、例
えば炭素数14〜18のナフテン、イソパラフィン、ノ
ルマルパラフィンを主成分とするものであり、芳香族炭
化水素の含有率が1重量%以下のものである。印刷イン
キ用樹脂の溶解性については、通常、上記インキ用溶剤
である石油系炭化水素に対するトレランスが通常2gr/
gr以上であるものが好ましい。なお、トレランスとは樹
脂1grを溶剤で溶解させたときに該溶剤が白濁するまで
に要した溶剤量をいう。
【0008】ロジン成分(a)としてはガムロジン、ウ
ッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、不均斉化ロ
ジンなどが挙げられる。ロジン成分(a)に少なくとも
3核化以上のレゾール型もしくはノボラック化後レゾー
ル化したフェノール樹脂(b)と、多価アルコール
(c)を添加し少なくとも220℃以上、好ましくは2
40〜275℃でエステル反応することによりAFソル
ベントに対する溶解性が良好なロジン変性フェノール樹
脂を製造することができる。この製造方法は特開昭58
ー65233号公報に述べられているような特別な方法
をとる必要はなく既知の方法で充分製造可能である。ロ
ジン成分(a)と多価アルコール(c)をエステル化す
るときには、触媒としてアルカリ性物質を用いることが
できない。好ましくは無触媒または酸性雰囲気中で反応
する。なぜならば後述する残存フェノール性OH基とテ
レピン油のフリーデルクラフツ反応において、アルカリ
触媒が存在すると酸触媒が中和されテルペンフェノール
エーテルの生成が著しく阻害され、また両触媒の中和生
成物のため製品が濁ることがあるためである。
【0009】本発明で使用するレゾール型フェノール樹
脂(b)は、レゾール化もしくはノボラック化した後レ
ゾール化して少なくとも3核体以上の核数を持つレゾー
ル型フェノール樹脂でなければならない。1核体もしく
は2核体のレゾール型フェノール樹脂の場合、フェノー
ル性OH基がほとんどロジンとのクロマン環生成に消費
されてしまっている可能性がある。未反応のフェノール
性OH基が系内になければテレピン油成分が反応せず反
応系外へ蒸発してしまい酸触媒による装置の腐食、樹脂
の着色が激しくなる。レゾール型フェノール樹脂に使用
されるフェノール類としては、パラ位にC8〜C20の置
換基を持つアルキルフェノールである。アルキル基の炭
素数が7以下になると石油系溶剤に対する溶解性が低下
するため好ましくない。アルデヒド成分としては、パラ
ホルムアルデヒドおよびホルマリン水溶液を使用する。
上記成分をアルカリ触媒を使用して、上記ロジン類
(a)とエステル化させるレゾール型フェノール樹脂
(b)を合成する。アルカリ触媒としては、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、酸化亜、アンモニア水溶液などがあげられ
る。レゾールの反応に使用したアルカリ触媒も、テレピ
ン油と残存フェノール性OH基のフリデルクラフツ反応
における酸触媒の効果を阻害しないよう充分中和洗浄し
ておく必要がある。この中和洗浄が不充分であれば酸触
媒が中和されテルペンフェノールエーテルの生成が著し
く阻害され、また両触媒の中和生成物のため製品が濁る
ことがあるためである。
【0010】本発明で使用する多価アルコール(c)と
して、たとえばグリセリン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトールなどがあげら
れる。かかる多価アルコールの使用量は得られるロジン
変性フェノール樹脂の溶解性と密接に関係するため、あ
る程度制限され、通常はロジン成分(a)のカルボン酸
に対し1モル当量以下、好ましくは0.6〜0.85モ
ル当量を添加する。それ以上の量を添加すると樹脂の溶
解性が低下するため好ましくない。過剰のアルコール性
OH基はインキの乳化量を多くし印刷時にウオーターマ
ークが発生しやすくなる弊害がある。本発明でロジン変
性フェノール樹脂のフェノール性OH基と反応させるテ
レピン油成分として、生テレピン油、精製テレピン油が
挙げられる。好ましくはα−ピネン含有量が80重量%
以上の精製テレピン油の使用が反応性において有効であ
る。テレピン油成分の投入量は残存フェノール性OH基
を含むフェノール核と当モル量投入する。投入量が多け
れば分子量が成長せずミスチングが多くなりセット不良
になる。少なければ残存フェノール性OH基の改質が不
充分で乾燥性が改良できない。
【0011】酸価40以下での残存フェノール性OH基
とテレピン油とのフリーデルクラフツ反応において酸触
媒の使用は必要不可欠の成分である。酸触媒の使用量は
通常添加前のロジン変性フェノール樹脂の重量に対し、
0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5
重量%を投入する。投入量が上記規定量より少ない場合
は反応が不充分になり、上記設定量よりも多い場合は異
常発熱等危険であり装置の腐食が激しくなる。酸触媒と
しては、たとえば三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウ
ム、塩酸、硫酸、リン酸類、パラトルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸,エタ
ンスルホン酸、などが挙げられる。中でもテルペンフェ
ノールエーテル構造がテルペンフェノール構造よりも優
先的に得られ、上述したロジン変性フェノール樹脂の製
造温度で投入できるパラトルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、濃硫酸等の硫酸化合物が好ましい。三フッ化ホウ
素、無水塩化アルミニウムを使用するときには反応系を
30℃以下に保たないと異常発熱爆発の危険がある。当
触媒はロジン変性フェノール樹脂をワニス化して液状と
なして使用した場合に効果がある。また、さらには本発
明のロジン変性フェノール樹脂はロジン類(a)の不飽
和二塩基酸変性、石油樹脂変性、アクリル変性、ウレタ
ン変性や、従来から印刷インキ用に用いられているロジ
ン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂と併
用することも可能である。
【0012】本発明の樹脂を用いて印刷インキ用ワニス
とするには、本発明の樹脂100重量部に対して溶剤お
よびまたは乾性油(または重合油、乾性油アルキッド樹
脂等の乾性油変性体)を50〜150重量部に溶解す
る。実際の使用にあたっては、オクチル酸アルミニウ
ム、オクチル酸ジルコニウム、アルミニウムトリイソブ
ロポキサイド、、アルミニウムジプロポキサイドモノア
セチルアセトナートなどによるゲル化剤を利用してゲル
ワニスとし、黄色、紅色、藍色または墨色などの顔料を
分散し、必要に応じて耐摩擦性向上剤、インキドライヤ
ー、乾燥抑制剤などのコンパウンドを添加し、適切な粘
度になるよう調整することで枚葉インキ、オフ輪インキ
などの湿し水を使用するオフセットインキあるいは水な
しオフセットインキとなる。また新聞インキや凸版イン
キとしても使用できる。さらに本発明の樹脂を用いてグ
ラビアまたはフレキソインキ用ワニスとするには、本発
明の樹脂100部に対し、常圧における沸点が140℃
以下の脂肪族および脂環族炭化水素を100〜200重
量部で溶解すればよい。次に具体例により本発明を説明
する。「部」「%」とは、重量部、重量%を表す。
【0013】
【実施例】
製造例 1(レゾール型反応物の製造) 攪拌器、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコ中に、
p−t−オクチルフェノール2060部と92%パラホ
ルムアルデヒド652部とトルエン1500部を仕込
み、60℃まで加熱し溶解した後、水酸化カルシウム1
0.3部を投入する。90℃に加熱し4時間反応し平均
核体数2核体のレゾールを調整後、さらに110℃まで
昇温し平均核体数4〜6核体のレゾール型フェノール樹
脂になるまで同温度で脱水を行った。この樹脂を酸で中
和した後洗浄水のpHが6〜7になるまで水洗して、ロ
ジンとの反応に使用する。 製造例 2 攪拌器、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコ中に、
p−t−オクチルフェノール2060部と92%パラホ
ルムアルデヒド326部とトルエン1500部と蓚酸1
0.3部と17%硫酸5.2部を仕込み、110℃で平
均核体数4〜6核体のノボラック型フェノール樹脂にな
るまで同温度で脱水を行った。フェノール核体確認後6
0℃まで冷却し洗浄水のpHが6〜7になるまで水洗し
た。ついで同温度で92%パラホルムアルデヒド326
部と水酸化カルシウム10.3部を投入したのち90℃
に加熱し2時間反応しフェノール核体にメチロール基を
付加させた。この樹脂を酸で中和した後洗浄水のpHが
6〜7になるまで水洗して、ロジンとの反応に使用す
る。
【0014】実施例 1(ロジン変性フェノール樹脂の
製造) 攪拌器、水分離器付き還流冷却器、温度計付き4つ口フ
ラスコに、ガムロジン660部を仕込み、窒素ガスを吹
き込みながら加熱し、200℃以下で溶融攪拌し製造例
1で製造したレゾール型フェノール樹脂670部(固形
分65%)とグリセリン57部を投入した後、系内の様
子を逐次観察しながら昇温し265℃となす。この際、
トルエンと水(エステル化による反応脱水)を水分離器
付き還流冷却器で回収し、同温で6時間反応して、酸価
36になった時点で、テレピン油を126部とパラトル
エンスルホン酸0.8部を投入した後、265℃で4時
間反応して製品とした。得られた製品は酸価16、軟化
点174℃、AF6号ソルベント溶解性7%、MW5万
であった。 実施例 2 実施例1で使用したガムロジンの1部をガムロジン/ト
ール油ロジン=50/50に置き換えた他は実施例1と
同様に操作した。260℃で6時間反応して酸価39に
なった時点でテレピン油を126部とパラトルエンスル
ホン酸0.8部を投入した後265℃で8時間反応して
製品とした。得られた製品は酸価20、軟化点168
℃、AF6号ソルベント溶解性5%以下、MW3万であ
った。
【0015】実施例 3 実施例1で使用したレゾール型フェノール樹脂を製造例
2のノボラック化した後レゾール化したフェノール樹脂
に置き換えた他は実施例1と同様に操作した。260℃
6時間反応して酸価39になった時点で、テレピン油を
189部とパラトルエンスルホン酸0.8部を投入した
後265℃で8時間反応して製品とした。得られた製品
は酸価21、軟化点172℃、AF6号ソルベント溶解
性5%以下、MW4万であった。 実施例 4 実施例1で使用したグリセリン57部をペンタエリスリ
トール45部に置き換えた他は実施例1と同様に操作し
た。270℃9時間反応して酸価39になった時点で、
テレピン油を126部とパラトルエンスルホン酸0.8
部を投入した後265℃で8時間反応して製品とした。
得られた製品は酸価17、軟化点180℃、AF6号ソ
ルベント溶解性5%以下、MW7万であった。
【0016】実施例 5 実施例1で酸価36の時点でキシレン900部を投入し
反応温度30℃まで冷却した後三フッ化ホウ素フェノー
ルコンプレックスを0.4部投入し、テレピン油126
部を反応温度30℃以下に保持したまま滴下した。樹脂
固形分の 酸価が25以下になったところから昇温を開
始しキシレンと反応水を水分離器付き還流冷却器で回収
し、260℃まで昇温しその後同温で2時間保温し製品
とした他は実施例と同様に操作した。得られた製品は酸
価8、軟化点164℃、AF6号ソルベント溶解性5%
以下、MW4万であった。 比較例 1 実施例1で酸価36の時点でテレピン油を添加せずパラ
トルエンスルホン酸0.8部を投入して反応した他は実
施例1と同様に操作した。260℃で14時間反応し
て、得られた製品は酸価29、軟化点165℃、AF6
号ソルベント溶解性10%、MW3万であった。
【0017】比較例 2 比較例1と同様の組成で樹脂が265℃に昇温した時点
でエステル化触媒として酢酸亜鉛を0.8部使用して,
酸価40以下でのパラトルエンスルフォン酸添加しなか
った他は比較例1と同様に操作した。260℃で10時
間反応して、得られた製品は酸価30、軟化点172
℃、AF6号ソルベント溶解性12%、MW6万であっ
た。 比較例 3 比較例1で使用したレゾール型フェノール樹脂を製造例
2のノボラック化した後レゾール化したフェノール樹脂
に置き換えた他は比較例1と同様に操作した。260℃
で18時間反応して、得られた製品は酸価33、軟化点
167℃、AF6号ソルベント溶解性5%以下、MW3
万であった。次に実施例および比較例で得られた樹脂の
インキ評価結果を示す。
【0018】a.ワニスおよびゲルワニス作成 実施例1〜5および比較例1と3で得られた各々の樹脂
を細かく砕いたものを45部、アマニ油22部、AF6
号ソルベント33部を4つ口フラスコに入れ窒素ガスを
吹き込みながら昇温し、180℃で攪拌しながら30分
間保温した。得られたワニスを冷却し、100℃で各々
の樹脂に合わせた量(0.3〜1.5部)のAlCH
(川研ファインケミカル(株)社製ゲル化剤)を倍量の
AF6号ソルベントで溶解させた溶液を添加し、180
℃まで昇温し1時間同温度で保温した。
【0019】b.インキの作成 得られた各々のゲルワニス60部とカーミン6B(東洋
インキ製造(株)社製紅顔料)18部を三本ロールミル
を用いて分散し、AF6号ソルベントとゲルワニスを総
量100部となるように添加して、ついで6%ナフテン
酸マンガン溶液(ハリマ化成(株)社製ドライヤー)を
0.5部添加して、25℃のタックが8.5〜10.
0、フローが17.0〜18.0になるように調整して
枚葉インキを得た。 c.印刷試験評価 光沢:インキ0.15ccをRIテスター((株)明製作
所製)全面ロールでアート紙に展色したのち、24時間
後の光沢値を60゜ー60゜光沢計で測定した。
【0020】セット:インキ0.15ccをRIテスター
((株)明製作所製)4カットロールで展色したのち、
展色物を切りそれを別のアート紙に貼り合わせ、RIテ
スターのロールを用いて、インキがアート紙に付着しな
くなるまでの時間(分)を測定した。 紙上乾燥性:インキ0.2ccをRIテスター4カットロ
ールで硫酸紙に展色したのち、硫酸紙を重ね合わせ、朝
陽会式乾燥試験機にセットし0.1rpmの条件で乾燥
時間を比較した。 機上乾燥性:インキを75μmのアプリケーターでガラ
ス板上に展色したのち、25℃湿度65%の条件下で3
0分ごとに指触で乾燥時間を調査した。
【0021】試験の結果を表−1に示す。
【0022】評価 表−1からも明らかなようにAFソルベントを使用した
インキ系において、本発明により得られたロジン変性フ
ェノール樹脂は、印刷インキ用樹脂として比較例のもの
に比べ光沢とセットのバランスを調整したさい、乾燥性
の向上に著しい改善が見られる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法に従って得
られる、ロジン成分(a)と長鎖アルキル基を有するレ
ゾール型もしくはノボラック化後レゾール化したレゾー
ル型フェノール樹脂(b)と多価アルコールを反応させ
たロジン変性フェノール樹脂の、残存するフェノール性
OHをテレピン油で酸触媒の存在下でテルペンフェノー
ルエーテルにして改質した樹脂は、インキ用として、と
りわけAFソルベントを使用した無臭・無公害型平版印
刷インキ用して用いるときは、光沢とセットのバランス
がよく、乾燥が良好なインキが得られる。枚葉インキで
は棒積み量が増えオフ輪インキではより印刷機速度を上
げられることから、格別、高速印刷適性を備えた、極め
て実用的効果を有するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジン類(a)と、炭素数8〜20のア
    ルキル基を有するアルキルフェノールから得られるレゾ
    ール型もしくはノボラック化した後レゾール化するフェ
    ノール樹脂(b)と、多価アルコール(c)からなる
    ロジン変性フェノール樹脂、酸価40以下で残存して
    いるフェノール性OH基を酸触媒を使用してテレピン油
    とフリーデルクラフツ反応して得られるロジン変性フェ
    ノール樹脂および比重が0.78以上、沸点が200
    ℃以上で、芳香族炭化水素の含有率が1重量%以下であ
    る石油系溶剤からなるワニスを用いてなることを特徴と
    する印刷インキ。
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