JP6773681B2 - 印刷インキ用樹脂、印刷インキ用ワニス、印刷インキ及び印刷インキ用樹脂の製造方法 - Google Patents

印刷インキ用樹脂、印刷インキ用ワニス、印刷インキ及び印刷インキ用樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷インキ用樹脂、印刷インキ用ワニス、印刷インキ及び印刷インキ用樹脂の製造方法に関する。本発明により得られる印刷インキ用樹脂は、特にオフセット印刷インキ用樹脂として有用である。また、新聞インキ、凸版印刷インキ、グラビア印刷インキにも好適に使用することができる。
従来から、オフセット印刷インキ用樹脂としては、インキに優れた印刷適性を付与することができるロジン変性フェノール樹脂が使用されている。通常、オフセット印刷インキは、このロジン変性フェノール樹脂と、乾性油又は半乾性油と、溶剤又は脂肪酸エステル類と、必要に応じてゲル化剤とを加熱混合し、均一化させてインキ用ワニスを調製したのち、さらに顔料を混合し、練肉工程及び調製工程を経て製品化される。
具体的な印刷インキとしては、例えば、フェノール平均核体数が6〜10であるレゾール樹脂と、ロジン及び/又はロジンと不飽和カルボン酸との縮合生成物と、多価アルコールとの反応生成物で、かつ重量平均分子量が40,000〜200,000であるロジン変性フェノール樹脂を含有するワニスを含む印刷インキが提案されている(特許文献1)。
しかし、このようなロジン変性フェノール樹脂は、使用されるレゾール樹脂の主原料として、ホルムアルデヒド及びアルキルフェノールを使用するため、環境面、作業衛生面などで問題を有している。そのため、近年、ホルムアルデヒド及びアルキルフェノールを使用しないオフセット印刷インキ用樹脂の開発が進められている(例えば特許文献2)。
一方で、近年は、情報の電子化が一般的となり、印刷物ならびに印刷インキの需要が減少している。そのような状況下、印刷インキを構成する原料に対する要求事項も変化しつつ有り、価格もその一つある。
課題解消の手法として、例えば、ロジン類、脂肪酸又は脂肪酸エステル、レゾール型フェノール樹脂、及び多価アルコールから得られる印刷インキ用ワニスの開発がなされている(例えば特許文献3)。
特開2002−322411号公報 特開2000−159867号公報 特開2005−154703号公報
しかしながら、特許文献3で開示されている脂肪酸等を用いる印刷インキ用ワニスでは、得られるインキのインキ性能とコスト面との両立を図ることは困難であった。
そこで、本発明は、従来のオフセット印刷インキに使用されるロジン変性フェノール樹脂の特性を維持しながら、安価である新規な印刷インキ用樹脂を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のロジン変性樹脂は、
少なくとも
(A)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは、粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物と、
(B)多価アルコールと、
を反応させて得られることを特徴としている。
従来のオフセット印刷インキに使用されるロジン変性フェノール樹脂の特性を維持しながら、安価である新規な印刷インキ用樹脂を提供できる。
印刷インキ用樹脂である、本発明のロジン変性樹脂について説明する。
本発明における「ロジン変性樹脂」とは、少なくとも(A)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは、粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物と、(B)多価アルコールとを反応させて得られるロジン変性樹脂を意味する。上記(A)成分を、(B)成分を用いてエステル化させることで、「ロジン変性ポリエステル樹脂」を得ることができる。
本発明におけるロジン変性樹脂は、上記(A)成分及び(B)成分に加え、更に、(C)レゾール型フェノール樹脂を加えて反応させて得られるロジン変性樹脂であっても良い。この場合、得られるロジン変性樹脂は、「ロジン変性フェノール樹脂」である。(A)成分の粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとの混合物は、アルデヒド及びフェノール類から得られる(B)成分のレゾール型フェノール樹脂により変性する。得られる樹脂は、架橋構造が導入され、この樹脂を用いて作成した印刷インキは、好ましい特性値を有する。
以下、本発明における「ロジン変性ポリエステル樹脂」及び「ロジン変性フェノール樹脂」の各々について、下記に詳細に説明する。
(ロジン変性ポリエステル樹脂)
用語「ロジン変性ポリエステル樹脂」とは、(A)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは、粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物を、(B)多価アルコールを用いてエステル化して得られる樹脂を意味する。
((A成分))
(A)成分としては、粗トール油及び蒸留トール油の少なくとも一種を使用することができる。また、粗トール油及び留トール油の少なくとも一種と、ロジンとを含む混合物を(A)成分として使用してもよい。粗トール油及び蒸留トール油は単独で用いてもよく、併用してもよい。
ここでの粗トール油とは、木材チップに水酸化ナトリウム等の化学薬品を加え、高温、高圧下で分解してパルプ繊維を取り出すクラフト法において、副生物として回収されるものである。パルプ繊維を固めていたリグニン、樹脂成分と化学薬品が混じった液体を濃縮した黒液を硫酸等の酸で中和することで得ることが出来る。すなわち、粗トール油を精留することにより得られるのが、トールロジンである。また、蒸留トール油とは、粗トール油を精留し、トールロジンならびトール脂肪酸を分離する際に副生物として回収されるものである。
粗トール油の原料である木材の種類は、特に限定されないが、松由来の粗トール油であることが好ましい。松の種類についても、特に限定されるものではなく、馬耳松、テューダ松、エリオッティ松などが挙げられる。
(A)成分が混合物の場合は、混合物にロジンを含むことができる。ロジンとしては、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどが挙げられる。また、ロジンの誘導体としては、例えば、重合ロジン、アクリル化ロジン、水素添加ロジン、不均化ロジンなどが挙げられる。これらのロジン類は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(A)成分の混合物には、必要に応じてゴム、石油樹脂を含有させることが出来る。種類に関わらず、公知公用のいかなるものをも用いることが出来、用いることで軟化点の調整が容易となり、所望の軟化点を有する樹脂が得られる。
ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソップレンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
石油樹脂としては、例えば脂肪族系重合体、芳香族系重合体、脂環族系重合体等が挙げられる。これらの石油樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(A)成分の混合物中における粗トール油及び蒸留トール油合計の含有量は、通常50重量%以下であり、好ましくは、30重量%以下である。粗トール油、蒸留トール油は、脂肪酸(以下、トール油に含まれる脂肪酸を単に「脂肪酸類」と記載する場合がある)を含むため、それらを原料とし得られる樹脂は、軟化点が低い樹脂となる傾向にある。粗トール油及び蒸留トール油の合計の含有量が多くなると、得られる樹脂の軟化点が120℃を下回る場合があるため、粗トール油及び蒸留トール油の合計の含有量は、通常50重量%以下であり、好ましくは、30重量%以下である。また、粗トール油、蒸留トール油には不純物が含まれるため、粗トール油及び蒸留トール油の合計の含有量が多くなると、反応が複雑になり、得られるロジン変性樹脂の物性を調整することが困難になる場合がある。
(A)成分における、粗トール油及び/又は蒸留トール油は、各々、粗トール油を重合したもの(重合化粗トール油)、蒸留トール油を重合したもの(重合化蒸留トール油)を使用しても良い。粗トール油及び/又は蒸留トール油を重合化したものを原料として使用することで、得られる樹脂の軟化点が向上するため、原料として使用する粗トール油、蒸留トール油の割合を増やすことができる。重合化粗トール油、重合化蒸留トール油は、主として粗トール油、蒸留トール油に含まれているロジン、脂肪酸が重合化されることで得られる。
重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油を使用する場合、重合化粗トール油及び重合化蒸留トール油の合計量は、重合化粗トール油及び/又は重合化粗トール油とロジンとを含む混合物全量に対して、通常90重量%以下で含有することができ、好ましくは、80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。重合化粗トール油、重合化蒸留トール油を使用した場合であっても、これらを過度に含有させた場合、軟化点が低下してしまうことがある。重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油の含有量の下限は特にないが、通常、混合物に対して30重量%までは、重合しない粗トール油または蒸留トール油を加えても良好な樹脂特性を得ることができる。そのため、混合物に対して30重量%を超えて粗トール油または蒸留トール油を導入する場合に重合化した粗トール油または蒸留トール油を用いるのが効果的である。即ち、重合化粗トール油及び重合化蒸留トール油の合計量は、重合化粗トール油及び/又は重合化粗トール油とロジンとを含む混合物全量に対して、30重量%以上90重量%以下とすることが好ましい。なお、印刷インキに使用する場合は、樹脂の好ましい軟化点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上200℃以下である。これは軟化点を120℃以上とすることによって印刷物の乾燥性、オフセット性を良好に保つことができるためである。また、インキ用溶剤への溶解性を考慮すると、樹脂の軟化点は200℃以下とすることが適当であるからである。当然のことながら、混合物に対して重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油の割合が30重量%以下とした場合であっても、重合化粗トール油または重合化蒸留トール油を使用することは効果的である。
粗トール油、蒸留トール油の重合は、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下で通常100℃〜200℃、好ましくは、130〜180℃で行う。重合時間は、使用する粗トール油にもよるが通常1時間〜24時間である。なお、本願明細書における重合とは、単量体分子が2個以上結合して整数倍の分子量をもつ化合物になる変化であり、二量化、三量化などのオリゴマー化する現象も含むものとする。
粗トール油、蒸留トール油の重合は、触媒の存在下で行うことが好ましい。触媒としては、ギ酸、酢酸、リン酸、硫酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スルホコハク酸、5−スルホサリチル酸、4−スルホフタル酸、5−スルホイソフタル酸、その他のカルボキシル化スルホン酸、アルキル基で置換されたアリールスルホン酸、スルホン酸基を有する固体酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸やポリビニルスルホン酸又はスルホン酸型官能基を有するフッ素系ポリマー等のペンダントスルホン酸基を有する高分子フッ化水素、クレイ、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタン、三フッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素フェノール錯体、三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体又は三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等の三フッ化ホウ素誘導体等が挙げられる。触媒は単独使用または2種類以上併用することが出来る。
上記触媒において、より好ましい触媒は酸触媒であり、より好ましくはスルホン酸誘導体であり、更に好ましくは4−スルホフタル酸、トリフルオロメタンスルホン酸である。触媒の使用量は、粗トール油又は蒸留トール油に対して0.01重量%から5重量%の範囲内で使用することが好ましい。また、粗トール油及び蒸留トール油を混合させてから重合する場合は、触媒の使用量は、粗トール油及び蒸留トール油の合計に対して0.01重量%から5重量%の範囲内で使用することが好ましい。触媒は、最終生成物中に残留しても良く、または任意選択により水酸化カリウム又はアミンのようなアルカリで中和しても良い。
(A)成分として、重合化粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとの混合物を使用する場合、重合化粗トール油及び/又は蒸留トール油は、ロジンと上記の所定の割合で混合させ、混合物を調製する。混合物を調製する際は、適切な粘度にした方が混合しやすいため、100℃〜300℃、好ましくは150〜250℃の加熱した条件下で混合する。
また、粗トール油、蒸留トール油の重合においては、粗トール油及び/又は蒸留トール油と、ロジンとを混合させてから重合しても良い。粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを混合させてから重合すれば、工程上簡便で好ましい。
(A)成分として使用可能なロジンとしては、トールロジン、ガムロジン、ウッドロジン等が挙げられる。また、ロジンの誘導体を使用しても良く、具体例としては、重合ロジン、アクリル化ロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン等が挙げられる。これらのロジンは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。なお、(A)成分として使用可能なロジンを単に「ロジン類」と記載する場合がある。
また、混合物には、必要に応じてゴム、石油樹脂を混合させることができる。ゴム、石油樹脂を混合させることで、得られる樹脂の軟化点の調整が容易となり、所望の軟化点を有する樹脂が得られる。混合可能なゴム、石油樹脂の種類としては、特に限定されず公知公用のいかなるものも用いることができる。ゴムの具体例としては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム等が挙げられる。これらのゴムは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。
また、石油樹脂の具体例としては、例えば脂肪族系重合体、芳香族系重合体、脂環族系重合体が挙げられる。これらの石油樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。
(A)成分である混合物は、(B)成分と反応させる前に、α,β−不飽和カルボン酸及びその無水物の少なくとも一方(以下、単に「α,β−不飽和カルボン酸類」と記載する場合がある)で変性させても良い。すなわち、(A)成分とα,β−不飽和カルボン酸類とが付加反応(アルダーのエン反応又はディールス−アルダー反応)し、α,β−不飽和カルボン酸類、ロジン類及び/又は(トール油中の)脂肪酸類の付加体が生成される。この付加体は、分子内に少なくとも2個のカルボキシル基を有するため、(B)成分である多価アルコールとエステル結合を形成して高分子量化する。このように、予めα,β−不飽和カルボン酸類と高分子量化することによって、所望の粘弾性を有する樹脂が得られる。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、3〜5個の炭素原子を有する鎖状α,β−不飽和モノカルボン酸又はその無水物、3〜5個の炭素原子を有する鎖状α,β−不飽和ジカルボン酸又はその無水物、芳香族α,β−不飽和カルボン酸などが挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸などが挙げられる。
また、必要に応じて金属化合物を架橋剤として使用しても良い。具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マンガンなどの水酸化物、酸化物などの金属化合物を架橋剤として使用しても良い。この場合、金属化合物に由来する金属イオンが、樹脂原料に存在するカルボキシル基(−COOH)を架橋させて、得られる樹脂の分子量を高くする。より具体的には、混合物中の脂肪酸、ロジン、α,β−不飽和カルボン酸類、及び、上記付加体からなる群より選択される少なくとも2つの分子が、金属化合物に由来する金属イオンを介して架橋した構造を有する架橋体が形成される。
本実施形態に係るロジン変性樹脂中は、未反応ロジン類;未反応脂肪酸類;α,β−不飽和カルボン酸類;ロジン類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物;脂肪酸類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物からなる群より選択される化合物が、金属化合物に由来する金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体を含むことが好ましい。架橋体の具体例としては、下記の(I)〜(X)に示すような架橋体などが挙げられる。
(I)未反応脂肪酸と、ロジン類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(II)未反応脂肪酸と、脂肪酸類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(III)未反応脂肪酸と、未反応ロジン類とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(IV)未反応脂肪酸と、α,β−不飽和カルボン酸類とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(V)未反応ロジンと、ロジン類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(VI)未反応ロジンと、脂肪酸類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(VII)未反応ロジンと、α,β−不飽和カルボン酸類とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(VIII)α,β−不飽和カルボン酸類と、ロジン類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(IX)α,β−不飽和カルボン酸類と、脂肪酸類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
(X)ロジン類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物と、脂肪酸類及びα,β−不飽和カルボン酸類の反応物とが金属イオンを介して架橋することによって形成される架橋体。
上記のように、樹脂原料に存在するカルボキシル基同士を、金属化合物に由来する金属イオンを介して架橋させることによって、得られる樹脂の分子量を高めることができる。その結果、インキの乾燥性や耐ミスチング性が向上する。また、特定の金属化合物を含有することによって、インキを調製する際に顔料との親和性を高め分散性を向上させることができる。
((B成分))
上述した(A)成分は、(B)成分である多価アルコール(ポリオール類)を用いて、エステル化させることで、本実施形態に係るロジン変性樹脂を得ることができる。この際、例えば、樹脂中に多くのカルボキシル基が残存していると、水有りの印刷ではインキが乳化しやすくなる傾向にある。なお、樹脂原料に存在するカルボキシル基としては、混合物中のロジン類、脂肪酸類に由来するカルボキシル基、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に由来するカルボキシル基が挙げられる。
多価アルコールとは、一分子中に複数の水酸化物を有するアルコールであり、本発明においてはその種類は特に限定されない。多価アルコールの具体例としては、例えば2価アルコールとして、エチレングリコール、 ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,4−ブタントリオールが挙げられる。4価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、マンニタン等が挙げられる。これらの中でも、樹脂の高分子量化が容易であり、インキに必要な粘弾性が得られやすい点で、3価以上の多価アルコールを使用することが好ましい。なお、多価アルコールは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。
(B)成分の多価アルコールは、樹脂原料に存在するカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.5〜2当量となる割合で(A)成分と反応させることが好ましい。(A)成分に対して、(B)成分の多価アルコールを上記割合で反応させることにより、インキに必要な所望の粘弾性を付与する樹脂がより得られやすくなる。さらに、得られる樹脂は、インキの製造の際に使用される溶剤などへの溶解性がより良好となり、水有りの印刷でもインキが乳化しにくくなる。
(ロジン変性ポリエステル樹脂の製造方法)
(A)成分と(B)成分とのエステル化反応は、エステル化反応が進行すれば特に限定されないが、通常、200℃〜350℃の範囲で行う。
エステル化反応の際には、必要に応じて公知公用のエステル化触媒を使用してもよい。エステル化触媒としては、例えば金属酸化物、例えばブレンステッド酸、ルイス酸などの酸触媒が挙げられる。
また、必要に応じて不均化触媒下においてエステル化を行ってもよい。不均化触媒としては、有機イオウ化合物が挙げられ、具体的には4,4′−ビス(フェノール)スルフィド、4,4′−ビス(フェノール)スルフォキド、4,4′−ビス(フェノール)スルホン、4,4′−ビス(フェノール)チオールスルフィナート、4,4′−ビス(フェノール)チオールスルフォナート、2,2′−ビス(p−クレゾール)スルフィド、2,2′−ビス(p−クレゾール)スルフォキシド、2,2′−ビス(p−クレゾール)スルホン、2,2′−ビス(p−t−ブチルフェノール)スルフィド、2,2−ビス(p−t−ブチルフェノール)スルフォキシド、2,2′−ビス(p−t−ブチルフェノール)スルホン、4,4′−ビス(6−t−ブチルメタクレゾール)スルフィド、4,4′−ビス(6−t−ブチルメタクレゾール)スルフォキシド、4,4′−ビス(6−t−ブチルメタクレゾール)スルフィド、4,4′−ビス(6−t−ブチルオルトクレゾール)スルフォキシド、4,4′−ビス(6−t−ブチルオルトクレゾール)スルホン、4,4′−ビス(6−t−ブチルオルトクレゾール)スルホン、4,4′−ビス(レゾルシノール)スルフィド、4,4′−ビス(レゾルシノール)スルフォキド、4,4′−ビス(レゾルシノール)スルホン、1,1′−ビス(β−ナフトール)スルフィド、1,1′−ビス(β−ナフトール)スルフォキシド、1,1′−ビス(β−ナフトール)スルホン、4,4′−ビス(α−ナフトール)スルフィド、4,4′−ビス(α−ナフトール)スルフォキド、4,4′−ビス(α−ナフトール)スルホン、t−アミルフェノールジスルフィドオリゴマー、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー、p−クレゾールと塩化チオニルとを反応させて得られるポリスルフォキシドなどが挙げられる。
これらの有機イオウ化合物の中では、ベンゼン環に結合した水酸基が立体障害を受けた化合物を使用することが好ましく、具体的には、4,4′−ビス(6−t−ブチルメタクレゾール)スルフィド、4,4′−ビス(フェノール)スルフィド、2,2′−ビス(p−クレゾール)スルフィド、2,2′−ビス(p−t−ブチルフェノール)スルフィド、4,4′−ビス(レゾルシノール)スルフィド、4,4′−ビス(α−ナフトール)スルフィド、t−アミルフェノールジスルフィドオリゴマー類、ノニルフェノールジスルフィドオリゴマー類より選ばれたスルフィド化合物が好適である。
上記の有機イオウ化合物の存在下でエステル化反応を行うことで、混合物中のロジン類のアビエチン酸等の共役二重結合の不均化が起こり、構造上安定なデヒドロアビエチン酸やジヒドロアビエチン酸が蓄積される。その結果、経時での酸化安定性に優れたロジン変性ポリエステル樹脂が得られ、当該樹脂を含有するワニスの貯蔵安定性が向上する。
なお、エステル化反応の終了は、得られる樹脂の酸価、軟化点、粘度、溶解性などを確認して、所定の値になり次第終了させる。
エステル化反応で得られたロジン変性ポリエステル樹脂は、好適に印刷インキなどの成分に使用することができる。本実施形態に係るロジン変性エステルポリエステル樹脂は、軟化点120℃以上が好ましく、130〜200℃程度がより好ましい。酸価は、10〜40KOHmg/g程度が好ましい。
特に本実施形態に係るロジン変性ポリエステル樹脂は、好適にオフセット印刷インキ用樹脂の成分として使用することができ、ロジン変性ポリエステル樹脂の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、セラック、ギルソナイト、アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などの他のインキ用樹脂を含有してもよい。
(ロジン変性フェノール樹脂)
次に、本実施形態に係る「ロジン変性フェノール樹脂」を説明する。「ロジン変性フェノール樹脂」とは、原料として、(A)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物、(B)多価アルコールに加え、(C)レゾール型フェノール樹脂を用いて、これらを反応させて得られる樹脂を意味する。
((A成分))
本実施形態に係る(A)成分の粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとの混合物は、アルデヒド及びフェノール類等から得られる(B)成分のレゾール型フェノール樹脂により変性する。そのため、得られる樹脂は、架橋構造が導入され、好ましい特性値を有する。
ロジン変性フェノール樹脂に含まれる(A)成分の粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとの混合物は、ロジン変性ポリエステルと同様の種類のものを使用できる。
(A)成分においては、全量を粗トール油及び/又は蒸留トール油としても良いが、50重量%以下とすることが好ましい。粗トール油、蒸留トール油は、脂肪酸(以下、トール油に含まれる脂肪酸を単に「脂肪酸類」と記載する場合がある)を含むため、それらを原料とし得られる樹脂は、軟化点が低い樹脂となる傾向にある。粗トール油及び蒸留トール油の合計の含有量が多くなると、得られる樹脂の軟化点が120℃を下回る場合があるため、粗トール油及び蒸留トール油の合計の含有量は、通常50重量%以下である。
また、本実施形態に係るロジン変性フェノール樹脂においても、前述したロジン変性ポリエステル樹脂と同様に、(A)成分として、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油、或いは、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油とロジンとを含む混合物を使用しても良い。この場合、原料コスト面を考慮すると、(A)成分として全量、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油を使用することが好ましいが、得られる。しかしながら、得られる樹脂の性質の微調整するために、前述したロジン類も加えた混合物を(A)成分として使用しても良い。
(A)成分として、上記混合物を使用する場合は、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油並びにロジンの混合物中における重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油の含有量は、原材料費の観点からは、70重量%以上とすることが好ましく、より好ましくは90重量%以上であり、更に好ましくはロジンなし(100重量%)である。一方、得られる樹脂の特性等を考慮すると、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油の含有量は、好ましくは、50重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは70重量%以上90重量%以下である。そのため、原材料費と得られる樹脂の特性とを両立する観点から、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油の含有量は、50重量%以上100重量%以下とすることが好ましい。
((B成分))
本実施形態に係るロジン変性フェノール樹脂で使用可能なB成分の多価アルコールは、前述したロジン変性ポリエステル樹脂と同様のものを使用可能である。
ロジン変性フェノール樹脂を製造する場合における、ポリオール類の使用量は、特に限定されないが、通常、カルボキシル基1当量に対して0.3当量から過剰量まで添加すれば良く、より好ましくは0.5〜1.5当量、さらに好ましくは0.7〜1.2当量である。
((C成分))
レゾール型フェノール樹脂としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒の存在下に、フェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)を付加縮合して得られる各種公知の縮合物が挙げられる。この場合、必要により、当該縮合物を中和・水洗して得られたものを使用できるのは勿論である。上記フェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)を反応させる際は、通常、モル比でF/P(モル比)=1〜3となるようにする。上記フェノール類としては、好ましくはC〜C20アルキル基を有するフェノール類、より好ましくは、C〜C10アルキル基を有するフェノール類であり、具体例としては、石炭酸、クレゾール類、アミルフェノール、ビスフェノール−A、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノールなどが挙げられる。
(A)成分に対するこのレゾール型フェノール樹脂の使用量は特に限定されないが、通常、10〜120重量%であり、好ましくは30〜100重量%である。なお、本実施形態において、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を反応させてロジン変性フェノール樹脂を製造する場合、(C)成分であるレゾール型フェノール樹脂に替えて、レゾール型フェノール樹脂を製造する段階のフェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)を使用しても良い。即ち、(A)成分であるロジンを含有する混合物、(B)成分である多価アルコール類、及び、フェノール類、ホルムアルデヒドの4成分を反応させてロジン変性フェノール樹脂を製造しても良い。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造方法)
本実施形態に係るロジン変性フェノール樹脂の製造方法としては、例えば、下記の(i)〜(iii)の3つの方式等が挙げられる。
(i)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは、粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物と、レゾール型フェノール樹脂と、多価アルコールと、を同時に仕込み、反応させる方法。
(ii)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物と、レゾール型フェノール樹脂と、を付加反応した後、ポリオール成分を仕込み、エステル化反応させる方法。
(iii)粗トール油及び/又は蒸留トール油、或いは粗トール油及び/又は蒸留トール油とロジンとを含む混合物と、ポリオール成分と、をエステル化反応した後、レゾール型フェノール樹脂を仕込み、付加反応させる方法。
なお、上述した高分子量化するための架橋反応等は、上記(i)〜(iii)の製造方法において、適当な段階で実施することができる。
反応の終了は、得られる樹脂の酸価、軟化点、粘度、溶解性などを確認して、所定の値になり次第終了させる。
得られた樹脂は、好適に印刷インキなどの成分に使用することができる。本発明のロジン変性エステルポリエステル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂は、軟化点120℃以上が好ましく、130〜200℃程度がより好ましい。酸価は、10〜40KOHmg/g程度が好ましい。
(オフセット印刷用インキ用樹脂)
本実施形態に係るオフセット印刷インキ用樹脂には、上記のロジン変性ポリエステル樹脂及び/又はロジン変性フェノール樹脂の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、セラック、ギルソナイト、アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などの他のインキ用樹脂を含有してもよい。
(オフセット印刷用インキ)
次に、本発明に係るロジン変性ポリエステル樹脂又はロジン変性フェノール樹脂を含有するオフセット印刷インキについて説明する。本発明に係るロジン変性ポリエステル樹脂又はロジン変性フェノール樹脂は、印刷用インキ用樹脂、特にオフセット印刷用インキ用樹脂として使用できる。オフセット印刷インキ用樹脂は、ワニスを調製するために、一般に、乾性油又は半乾性油(例えば、アマニ油、桐油、大豆油、大豆白絞油など)及び溶剤(例えば、脂肪族炭化水素溶剤など)とともに混合される。
本発明に係るオフセット印刷インキ用樹脂を用いてワニスを調製する際には、本発明の効果を阻害しない範囲で、粘弾性を考慮して各種ゲル化剤を添加してもよい。ゲル化剤としては、特に限定されず、例えば、アルミニウムアルコラート、アルミニウム石鹸などのアルミニウム化合物;マンガン、コバルト、ジルコニウムなどの金属石鹸;アルカノールアミンなどが挙げられる。ゲル化剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。
また、ワニス及びインキの貯蔵安定性を考慮して、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ヒドロキノン、ターシャーリーブチルヒドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、オイゲノール、ピロガロール、カテコール、グヤラコールなどが挙げられる。酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用して使用してもよい。
本実施形態に係るオフセット印刷インキ用樹脂より得られたワニスに、所望の色の顔料(墨顔料、藍顔料、紅顔料、黄顔料など)を分散させて、オフセット印刷インキが調製される。得られた印刷インキは、枚葉インキ、オフ輪インキ等のオフセットインキに適しているほかに、新聞インキ、凸版インキやグラビアインキ用としても使用できる。
また、本発明のロジン変性ポリエステル樹脂又はロジン変性フェノール樹脂を、オフセット印刷インキ用バインダーなどとして使用した場合には、これらの樹脂を含む印刷インキの乳化特性、光沢、乾燥性、ミスチングなどの印刷適性が、従来公知のロジン変性フェノール樹脂と同等以上である。したがって、本発明は、近年の市場の要求に合致する印刷インキを提供しうる。
次に、本発明を、実施例及び比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下に示す実施例の数値は、実施形態において記載される数値(すなわち、上限値又は下限値)に代替することができる。なお、本発明は下記の実施例、合成例、調製例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
(レゾール型フェノール樹脂の調製)
先ず、本実施形態に係るロジン変性フェノール樹脂を合成する際に使用した、(C)レゾール型フェノール樹脂の合成方法について、説明する。
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、キシレン275部とp−ブチルフェノール1633部とp−オクチルフェノール86.5部を仕込み、70℃で溶解させ、次いで92%パラホルムアルデヒド626.5部を加えた後、60℃まで冷却し、水酸化リチウム一水和物1.8部を添加した。その後、95℃まで昇温して6hrの付加反応を行い、固形分87.5%のレゾール型フェノール樹脂を得た。
実施例1
(ロジン変性ポリエステル樹脂1の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、粗トール油300部、トールロジン700部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。ここに無水マレイン酸を87.5部添加した後200℃まで昇温し、水酸化カルシウムを5.2部、水酸化ナトリウムを3.1部、及び酸化マグネシウムを2.7部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを195部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂1を得た。当該樹脂の酸価は9.5KOHmg/gであり、軟化点は133℃であり、n−ヘキサントレランスは1.9g/gであった。
実施例2
(ロジン変性ポリエステル樹脂2の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、蒸留トール油300部、トールロジン700部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。ここに無水マレイン酸を87.5部添加した後200℃まで昇温し、水酸化カルシウムを5.2部、水酸化ナトリウムを3.1部、及び酸化マグネシウムを2.7部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを195部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂2を得た。当該樹脂の酸価は10.5KOHmg/gであり、軟化点は144℃であり、n−ヘキサントレランスは1.2g/gであった。
実施例3
(ロジン変性ポリエステル樹脂3の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油252部、トールロジン588部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。ここに無水マレイン酸を98部添加した後200℃まで昇温し、水酸化カルシウムを4.4部、水酸化ナトリウムを2.7部、および酸化マグネシウムを2.3部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを113部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂7を得た。当該樹脂の酸価は9.5KOHmg/g、軟化点133℃、n−ヘキサントレランスは1.9g/gであった。
実施例4
(ロジン変性フェノール樹脂1の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、蒸留トール油543部、ペトコール140(東ソー株式会社製)500部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。次いで、30分間撹拌を行い、150℃まで冷却させた。ここに前記レゾール型フェノール樹脂617部(固形部540部)を仕込み、昇温を開始し200℃において、グリセンリン49.6部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂1を得た。当該樹脂の酸価は11.7KOHmg/gであり、軟化点は154℃であり、n−ヘキサントレランスは1.9g/gであった。
実施例5
(ロジン変性フェノール樹脂2の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、粗トール油543部、ペトコール140(東ソー株式会社製)500部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。次いで、30分間撹拌を行い、150℃まで冷却させた。ここに前記レゾール型フェノール樹脂617部(固形部540部)を仕込み、昇温を開始し200℃において、ペンタエリスリトール2.6部、グリセンリン47部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂1を得た。当該樹脂の酸価は10.0KOHmg/gであり、軟化点は153℃であり、n−ヘキサントレランスは2.3g/gであった。
実施例6
(ロジン変性フェノール樹脂3の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、粗トール油500部、トールロジン500部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。次いで、酸化マグネシウム3.8部、水酸化カルシウム2.5部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、150℃まで冷却させた。ここに前記レゾール型フェノール樹脂512部(固形部448部)を仕込み、昇温を開始し180℃において無水マレイン酸25部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール112.5部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂1を得た。当該樹脂の酸価は23.8KOHmg/gであり、軟化点は138℃であり、n−ヘキサントレランスは3.4g/gであった。
実施例7
(ロジン変性フェノール樹脂4の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、蒸留トール油500部、トールロジン500部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。次いで、酸化マグネシウム3.8部、水酸化カルシウム2.5部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、150℃まで冷却させた。ここに前記レゾール型フェノール樹脂457部(固形部400部)を仕込み、昇温を開始し180℃において無水マレイン酸22.5部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール121部、グリセンリン5.7部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂2を得た。当該樹脂の酸価は24.1KOHmg/gであり、軟化点は141℃であり、n−ヘキサントレランスは2.3g/gであった。
実施例8
(ロジン変性フェノール樹脂5の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油700部、トールロジン300部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化マグネシウムを3.7部、水酸化カルシウム2.5部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却し、前記レゾール型フェノール樹脂544部(固形部476部)を仕込み、昇温を開始し180℃においてα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸30部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール112.5部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂7を得た。当該樹脂の酸価は20.0KOHmg/g、軟化点132℃、n−ヘキサントレランスは3.7g/gであった。
実施例9
(ロジン変性フェノール樹脂6の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油500部、トールロジン500部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化マグネシウムを3.7部、水酸化カルシウム2.5部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却し、前記レゾール型フェノール樹脂493部(固形部432部)を仕込み、昇温を開始し180℃においてα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸25部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール111部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂8を得た。当該樹脂の酸価は19.3KOHmg/g、軟化点130℃、n−ヘキサントレランスは3.4g/gであった。
実施例10
(ロジン変性ポリエステル樹脂4の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油546部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)7.5部を添加し、4時間、同温度で保持し、オレイルアミン3.3部と、トールロジン294部とを添加した。添加後、30分間撹拌を行い、無水マレイン酸を98部添加した後200℃まで昇温し、水酸化カルシウムを4.4部、水酸化ナトリウムを2.7部、および酸化マグネシウムを2.3部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを113部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂1を得た。当該樹脂の酸価は36.4KOHmg/g、軟化点134℃、n−ヘキサントレランスは2.8g/gであった。
実施例11
(ロジン変性ポリエステル樹脂5の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油650部、トールロジン350部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)15部を添加し、4時間、同温度で保持を行い、オレイルアミン7.5部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、無水マレイン酸を109部添加した後200℃まで昇温し、酸化カルシウムを3.9部、水酸化ナトリウムを2.5部、および酸化マグネシウムを2.7部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを114部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂2を得た。当該樹脂の酸価は37.8KOHmg/g、軟化点135℃、n−ヘキサントレランスは3.2g/gであった。
実施例12
(ロジン変性ポリエステル樹脂6の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、蒸留トール油546部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)7.5部を添加し、4時間、同温度で保持し、オレイルアミン3.3部と、トールロジン294部とを添加した。添加後、30分間撹拌を行い、無水マレイン酸を97部添加した後200℃まで昇温し、水酸化カルシウムを4.4部、水酸化ナトリウムを2.7部、および酸化マグネシウムを2.3部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを100部、グリセリンを12部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂3を得た。当該樹脂の酸価は35.3KOHmg/g、軟化点136℃、n−ヘキサントレランスは2.3g/gであった。
実施例13
(ロジン変性ポリエステル樹脂7の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油273部、蒸留トール油273部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)7.5部を添加し、4時間、同温度で保持し、オレイルアミン3.3部と、トールロジン294部とを添加した。添加後、30分間撹拌を行い、無水マレイン酸を97部添加した後200℃まで昇温し、水酸化カルシウムを4.4部、水酸化ナトリウムを2.7部、および酸化マグネシウムを2.3部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを100部、グリセリンを12部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂4を得た。当該樹脂の酸価は37.0KOHmg/g、軟化点134℃、n−ヘキサントレランスは2.4g/gであった。
実施例14
(ロジン変性フェノール樹脂7の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油978部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)14.6部を添加し、4時間、同温度で保持を行い、オレイルアミン7.4部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化亜鉛を9.9部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却した。次いで、前記レゾール型フェノール樹脂457部(固形部400部)を仕込み、昇温を開始し180℃において、α,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸22.5部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール119部、グリセンリン7.7部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂1を得た。当該樹脂の酸価は17.5KOHmg/g、軟化点134℃、n−ヘキサントレランスは5.7g/gであった。
実施例15
(ロジン変性フェノール樹脂8の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油685部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)10.3部を添加し、4時間、同温度で保持を行い、オレイルアミン5.2部とトールロジン300部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化マグネシウムを3.8部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却した。次いで、前記レゾール型フェノール樹脂544部(固形部476部)を仕込み、昇温を開始し180℃において、α,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸24部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール111部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂2を得た。当該樹脂の酸価は18.5KOHmg/g、軟化点135℃、n−ヘキサントレランスは3.0g/gであった。
実施例16
(ロジン変性フェノール樹脂9の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油489部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)7.3部を添加し、4時間、同温度で保持を行い、オレイルアミン3.7部とトールロジン500部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化マグネシウムを3.7部、水酸化カルシウムを2.5部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却した。次いで、前記レゾール型フェノール樹脂493部(固形部432部)を仕込み、昇温を開始し180℃において、α,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸25部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール111部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂3を得た。当該樹脂の酸価は18.0KOHmg/g、軟化点137℃、n−ヘキサントレランスは3.2g/gであった。
実施例17
(ロジン変性フェノール樹脂10の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、蒸留トール油489部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)7.3部を添加し、4時間、同温度で保持を行い、オレイルアミン3.7部とトールロジン500部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化マグネシウムを3.7部、水酸化カルシウム2.5部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却し、前記レゾール型フェノール樹脂493部(固形部432部)を仕込み、昇温を開始し180℃においてα,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸23部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール111部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂4を得た。当該樹脂の酸価は19.0KOHmg/g、軟化点141℃、n−ヘキサントレランスは3.3g/gであった。
実施例18
(ロジン変性フェノール樹脂11の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管および温度計を備えたフラスコに、粗トール油500部、トールロジン500部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。次いで、4−スルホフタル酸(50%水溶液)15部を添加し、4時間、同温度で保持を行いオレイルアミン7.5部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、180℃まで昇温させた。ここに架橋剤として酸化マグネシウムを3.7部、水酸化カルシウム2.5部添加し30分間撹拌した後、150℃まで冷却し、前記レゾール型フェノール樹脂493部(固形部432部)を仕込み、昇温を開始し180℃において、α,β−不飽和ジカルボン酸の無水物として、無水マレイン酸23部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール111部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂5を得た。当該樹脂の酸価は18.4KOHmg/g、軟化点142℃、n−ヘキサントレランスは3.2g/gであった。
比較例1
(ロジン変性ポリエステル樹脂8の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、トール油脂肪酸(ハリマ化成(株)製 ハートールFA−1)300部、トールロジン700部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。ここに無水マレイン酸を98部添加した後200℃まで昇温し、酸化カルシウムを5.2部、水酸化ナトリウムを3.1部、及び酸化マグネシウムを2.7部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを205部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂3を得た。当該樹脂の酸価は11.1KOHmg/gであり、軟化点は137℃であり、n−ヘキサントレランスは2.9/g以上であった。
比較例2
(ロジン変性ポリエステル樹脂9の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、トール油脂肪酸(ハリマ化成(株)製 ハートールFA−1)150部、トールロジン850部を仕込み、窒素雰囲気下で160℃まで昇温させた。ここに無水マレイン酸を87.5部添加した後200℃まで昇温し、酸化カルシウムを5.2部、水酸化ナトリウムを3.1部、及び酸化マグネシウムを2.7部添加して、約1時間反応させた。次に、ペンタエリスリトールを195部添加し、約270℃まで昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性ポリエステル樹脂4を得た。当該樹脂の酸価は10.4KOHmg/gであり、軟化点は135℃であり、n−ヘキサントレランスは2.0g/g以上であった。
比較例3
(ロジン変性フェノール樹脂12の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、トール油脂肪酸(ハリマ化成(株)製 ハートールFA−1)500部、トールロジン500部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。次いで、酸化マグネシウム3.8部、水酸化カルシウム2.5部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、150℃まで冷却させた。ここに前記レゾール型フェノール樹脂537部(固形部470部)を仕込み、昇温を開始し180℃において無水マレイン酸43.8部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール112.5部、グリセンリン12.5部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂3を得た。当該樹脂の酸価は24.2KOHmg/gであり、軟化点は128℃であり、n−ヘキサントレランスは7.3g/gであった。
比較例4
(ロジン変性フェノール樹脂13の調製)
撹拌機、分水受機、冷却管及び温度計を備えたフラスコに、トール油脂肪酸(ハリマ化成(株)製 ハートールFA−1)250部、トールロジン750部を仕込み、窒素雰囲気下で180℃まで昇温させた。次いで、酸化マグネシウム3.8部、水酸化カルシウム2.5部を添加した。添加後、30分間撹拌を行い、150℃まで冷却させた。ここに前記レゾール型フェノール樹脂493部(固形部432部)を仕込み、昇温を開始し180℃において無水マレイン酸30.8部を仕込み、更に200℃において、ペンタエリスリトール111部、グリセンリン12.3部を仕込み、255℃まで昇温した。昇温して所定の酸価、粘度、溶解性に到達するまで反応した後、0.08MPaで30分間減圧、冷却して固形のロジン変性フェノール樹脂4を得た。当該樹脂の酸価は22.0KOHmg/gであり、軟化点は133℃であり、n−ヘキサントレランスは3.8g/gであった。
調製したオフセットインキ用樹脂を用いて、各種特性評価を行った。各項目の実験条件を下記する。
[樹脂化結果判断]
各特性値を鑑みて、ロジン変性ポリエステル樹脂が総合的な判断した。
○(良):樹脂がインキに使用可能である。
×(不可):樹脂がインキに使用不可能である。
<印刷インキ用ワニスの調製>
実施例1〜18及び比較例1〜4で得られた各樹脂、大豆油白絞油及びAF6(JX日鉱日石エネルギー(株)製、アロマフリー溶剤)を、樹脂:大豆油白絞油:AF6=55:30:15でフラスコに入れ、190℃で1時間撹拌した。次いで、ワニス中大豆油白絞油の割合が30%を下回らないように大豆油白絞油とAF6を追加し、レオメーター(Thermo Haake社製、HAAKE RheoStress 600)による、25℃、1.0Hzでの粘度が100Pa・s程度となるように粘度を調整したインキ用ワニスを得た。
<印刷インキの調製>
得られた各ワニス60部及び中性カーボンブラック (三菱化学(株)製、RCF♯52)19部を、混合した。次いで、三本ロールミル((株)井上製作所製、S-4 3/4×11)を用いて、中性カーボンブラックをワニスに分散させた。次いで、AF6及びドライヤー(東栄化工(株)製、ナフテン酸コバルト 6%)を添加し、30℃におけるタックが5.0〜6.0程度となるように調整して、評価用インキを得た。得られた実施例1〜4及び比較例1〜4の樹脂、及び各評価用インキ(実施例1〜4及び比較例1〜4の樹脂をそれぞれ使用)は、下記の方法により評価した。実施例1〜18及び比較例1〜4の樹脂の樹脂結果判断と併せて、評価結果を表1〜表4に示す。
[酸価]
JIS K5902に準拠して測定した。
[軟化点]
JIS K5902(環球法)に準拠し、自動軟化点測定装置((株)離合社製 RSP−102)を用いて測定した。
[33%アマニ油粘度]
アマニ油(日清オイリオグループ(株)製)とロジン変性ポリエステル樹脂とを重量比2:1の割合で配合し、加熱溶解させたものを、ガードナー気泡粘度計を用いて25℃で測定した粘度をいう。
[ヘキサントレランス]
アマニ油(日清オイリオグループ(株)製)とロジン変性ポリエステル樹脂とを重量比2:1の割合で配合し、加熱溶解させたものにノルマルヘキサン(昭和化学(株)製)を加え、白濁するのに要したヘキサン量の比率を測定した。
[タック値]
インキ1カップをインコメーター(東洋精機(株)製)に載せて、400rpmで1分間回転させたときのタック値を測定した。
[耐ミスチング]
インキ2カップをインコメ−タ−(東洋精機(株)製)に載せて、2000rpmで2分間回転させたときの、ロ−ル前面と下面に置いた白色紙上へのインキの飛散状態を10段階に分けて観察した。数値が大きいほど耐ミスチングが良好であることを示す。
[セット乾燥]
0.2mLのインキをRIテスター4分割ロールでアート紙に展色した後、経時で加圧し、セットが完了するまでの時間を測定した。
[光沢値]
0.8mLのインキをRIテスター(石川島産業機械(株)製、RI−2)全面ロールでアート紙に展色した。当該アート紙を23℃、50%R.H.にて24時間調湿し、インキ皮膜面の60゜−60゜の反射率を光沢計(太佑機材(株)製、マイクロトリグロス)を用いて測定した。数値が大きいほど光沢が良好であることを示す。
表1〜表4中の樹脂恒数は、実施例1〜18及び比較例1〜4の樹脂の評価結果であり、表1〜表4中のインキ評価結果は、実施例1〜18及び比較例1〜4の各樹脂を含むインキの評価結果である。表1〜表4に示すように、粗トール油及び/又は蒸留トール油を使用した本発明の印刷インキ用樹脂を含む印刷インキは、トール油脂肪酸を用いる場合よりも、乾燥性及び耐ミスチング性を保ちつつ、印刷物に良好な光沢を与えることができることがわかった。また、重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油を使用した本発明の印刷インキ用樹脂を含む印刷インキは、トール油脂肪酸を用いる場合よりも、更に乾燥性及び耐ミスチング性を保ちつつ、印刷物に更に良好な光沢を与えることができることがわかった。また、本発明の印刷インキ用樹脂を使用することによって、トレードオフの関係にある複数のインキ性能を良化させることが出来ることがわかった。

Claims (1)

  1. 粗トール油及び/又は蒸留トール油を触媒下において100〜200℃の温度条件にて重合化する第1工程と、
    少なくとも、前記第1工程で得られた重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油、或いは、前記第1工程で得られた重合化粗トール油及び/又は重合化蒸留トール油とロジンとを含む混合物と、多価アルコールとを反応させる第2工程と、
    を含むことを特徴とするロジン変性樹脂の製造方法
    (但し、前記第2工程における反応成分として、ホルムアルデヒド又はフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を除く)。
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