JP4142470B2 - ロジン変性フェノール樹脂、これを用いたゲルワニス、印刷インキ、印刷方法およびロジン変性フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ロジン変性フェノール樹脂、これを用いたゲルワニス、印刷インキ、印刷方法およびロジン変性フェノール樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロジン変性フェノール樹脂、これを用いたゲルワニス、印刷インキ、印刷方法およびロジン変性フェノール樹脂の製造方法に関し、より詳しくは、揮発性有機溶剤を使用せずあるいは使用量を低減させて環境に配慮し、しかも優れた印刷適性を有し、経済的なオフセット印刷インキ用のロジン変性フェノール樹脂、これを用いたゲルワニス、印刷インキ、印刷方法およびロジン変性フェノール樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフセット印刷においても環境問題への認識が高まっており、現在使用している原料の無害化、もしくは極力害の少ない原料への転換を図ろうとしている。例えば、従来より原料として使用してきた揮発性有機溶剤である鉱物油から芳香族成分が取り除かれたことのみならず、動植物油もしくは動植物油から由来する脂肪酸モノエステルで置き換えたノンVOC(Volatile Organic Compound)やVOCレスのオフセット印刷インキが開発されている。しかしながら、従来のオフセット印刷インキ用樹脂のままで、単に揮発性有機溶剤を動植物油から由来する脂肪酸モノエステルなどの成分に置き換えただけでは、インキの乾燥性が著しく低下し、印刷物を積み重ねた際に裏付き(インキの紙裏面への付着)やブロッキングが発生するという問題が生じる。
【0003】
また、印刷物の生産性向上を目的に印刷機の高速化が進み、高速印刷対応インキの開発が進められている。このような高速印刷において、揮発性有機溶剤を動植物油または動植物油から由来する脂肪酸モノエステルで置き換えたノンVOCやVOCレスオフセット印刷インキは、多孔性を有し浸透しやすい上質紙、新聞紙などには有効であるが、主要被印刷物であるコート紙およびアート紙に対しては充分な光沢と乾燥性のバランスが得られず、求められる印刷品質が得られない。このような印刷用紙に対しては、いまだに揮発性有機溶剤を併用しなければ、市場から要求されている印刷品質を満足することができない。
【0004】
すなわち、下記の特許文献に示すように、揮発性有機溶剤の代わりに動植物油または動植物油から由来する脂肪酸モノエステルをオフセット印刷インキに使用する試みはいくつかなされている。
【0005】
特許文献1には、炭素数5〜21の脂肪酸と炭素数1〜4のモノアルコールからなる脂肪酸モノエステルを平版インキまたは凸版インキ用溶剤として使用する試みが開示されている。
【0006】
特許文献2には、樹脂ワニス中に、不飽和脂肪酸エステルなどの不飽和基を1個以上有する炭素数18〜50の脂肪族系化合物を含有させた印刷インキが開示されている。
【0007】
特許文献3には、重量平均分子量3万以上のロジン変性フェノール樹脂と該樹脂を溶解する植物油および/または植物油脂肪酸エステルを含有した、揮発性有機溶剤の含有量が3重量%以下の印刷インキ組成物が開示されている。
【0008】
特許文献4には、重量平均分子量3万未満のロジン変性フェノール樹脂と、該樹脂を溶解する植物油脂肪酸エステルを含有した、揮発性有機溶剤の含有量が3重量%以下の印刷インキ組成物が開示されている。
【0009】
特許文献5には、単塩基酸、二塩基酸、三塩基酸で変性したロジンエステル樹脂と、脂肪酸エステルとを含み、石油系鉱物油の含有量が25%以下であるオフセット輪転印刷機用インキが開示されている。
【0010】
特許文献6には、ロジン変性フェノール樹脂および/またはロジン変性マレイン化樹脂20〜60%、植物油成分および必要に応じて鉱物油類、ゲル化剤、およびオレフィン系またはジエン系ポリマー0.5〜15重量%からなる混合物を加熱させてなるオフセット印刷インキ用ゲルワニスが開示されている。
【0011】
特許文献7には、重量平均分子量2万〜15万のロジン変性フェノール樹脂を大豆油脂肪酸エステルに加熱溶解させ、カルシウム不飽和脂肪酸塩を含む乾燥剤と、印刷適性付与剤として粒径が0.5〜1.5μmのスチレン樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が添加されてなるオフセット枚葉印刷インキが開示されている。
【0012】
しかしながら、上記特許文献1〜7によって得られる印刷インキ(ノンVOCのオフセット印刷インキまたは揮発性鉱物油を一部使用したVOCレス・オフセット印刷インキ)は、従来のオフセット印刷インキと比較して、特にコート紙およびアート紙に対しては、紙への溶剤浸透あるいは溶剤蒸発によるインキの乾燥性が著しく低下してしまい、セット時間が長くなったり、裏付きやブロッキングが発生する問題点が改善できていない。また、上記の印刷インキではミスチングが発生しやすく、耐乳化適性が低いという問題もある。
【0013】
また、下記の特許文献に示すように、オフセット印刷インキ用樹脂として、大豆油などの油を原料として使用した油変性ロジンフェノール樹脂も知られている。
【0014】
特許文献8には、レゾ−ル型フェノール類・ホルムアルデヒド初期縮合物、ヨウ素価100以上の植物油、ロジン、多価アルコ−ルなどを反応させて得られる油変性ロジンフェノール樹脂が開示されている。
【0015】
特許文献9には、フェノール類、ホルムアルデヒド、ヨウ素価100以上の動植物油、ロジン、1価アルコ−ル及び/または多価アルコ−ルなどを反応させて得られる油変性ロジンフェノール樹脂が開示されている。
【0016】
これら油変性ロジンフェノール樹脂は揮発性鉱物油を使用することを前提に設計されたものである。したがって、揮発性鉱物油に代えて動植物油や動植物油から由来する脂肪酸のモノエステル化合物を使用した場合には、印刷に必要な粘度が得られず、乾燥性や耐乳化性が大きく低下してしまう。
【0017】
【特許文献1】
特開平5−112745号公報
【特許文献2】
特開平6−93220号公報
【特許文献3】
特開2001−288394公報
【特許文献4】
特開2002−69354号公報
【特許文献5】
特開2002−265839号公報
【特許文献6】
特開2002−3770号公報
【特許文献7】
特開2002−338868号公報
【特許文献8】
特開昭57−2319号公報
【特許文献9】
特開昭57−61017号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、揮発性有機溶剤を使用しないか、あるいは使用量を低減させ、従って環境性に優れると共に、印刷適性にも優れたインキを得ることができるロジン変性フェノール樹脂、これを用いたゲルワニス、印刷インキ、印刷方法およびロジン変性フェノール樹脂の製造方法を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、動植物油成分を溶剤としコート紙やアート紙に印刷した場合に、光沢、乾燥性、耐乳化適性および耐ミスチング性に優れたノンVOCまたはVOCレスの印刷インキが得られるロジン変性フェノール樹脂、これを用いたゲルワニス、印刷インキ、印刷方法およびロジン変性フェノール樹脂の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、経済的な印刷インキを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のロジン変性フェノール樹脂は、ロジンと動植物油脂肪酸との混合物をモノアルコールで部分エステル化したモノエステル体に、多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させて得られ、重量平均分子量が3000〜40万のものである。
【0021】
すなわち、本発明では、ロジンおよび動植物油脂肪酸に多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、ロジンおよび動植物油脂肪酸の一部がモノアルコールでエステル化されていることが重要である。このように、一部がモノエステル化された構造のモノエステル体を経ることで、多価アルコールによるエステル化のみが過剰に進行して三次元構造が過度に構築されるのを抑制しているため、適度な三次元構造と適度な分子量範囲を有した樹脂を得ることができるものと推測される。このようにして得られた樹脂は、脂肪酸モノエステルなどの動植物油成分に対する適度な溶解性を備えている。これにより、コート紙やアート紙に印刷する場合であっても、揮発性有機溶剤に代えて動植物油成分を溶剤として使用でき、しかも乾燥性、光沢、耐乳化適性および耐ミスチング性に優れた樹脂を得ることができる。
【0022】
本発明では、前記ロジンと前記動植物油脂肪酸の混合物としてトール油が使用されるのが好ましい。トール油はロジンと植物油脂肪酸(オレイン酸、リノール酸など)とを含有している。また、トール油を精製する工程では、ロジンと植物油脂肪酸の配合比率を任意に調節することが可能である。したがって、本発明のロジン変性フェノール樹脂を製造する際に、原料としてトール油を使用するのが経済的である。
【0023】
本発明における前記モノエステル体の酸価は30〜170であるのが好ましい。モノエステル体の酸価を上記範囲に調節することで、ロジンおよび動植物油脂肪酸に対するモノアルコールと多価アルコールの反応割合がより適切になり、高い印刷適性が得られる。
【0024】
本発明のゲルワニスは、前記ロジン変性フェノール樹脂と、脂肪酸モノエステルおよび動植物油のうちの少なくとも一方からなる動植物油成分と、ゲル化剤とを含有することを特徴とする。このため、本発明のゲルワニスを使用すると、揮発性有機溶剤を使用せずあるいは使用量を低減させることができる。本発明のゲルワニスでは、前記動植物油成分の一部または全部が脂肪酸モノエステルであってもよい。
【0025】
本発明の印刷インキは、前記ゲルワニスを含有することを特徴とする。また、この印刷インキはゲルワニスを60〜90重量%含有するのが好ましい。
【0026】
本発明の印刷方法は、前記印刷インキを用いてオフセット印刷などの印刷を行うことを特徴とする。
【0027】
前記ロジン変性フェノール樹脂は、以下の方法により製造することができる。すなわち、本発明の第1の製造方法は、ロジンと動植物油脂肪酸とを混合してなる混合物をモノアルコールでエステル化した後、さらに多価アルコールでエステル化し、ついでフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させることを特徴とし、重量平均分子量が3000〜40万のロジン変性フェノール樹脂を製造するものである。
【0028】
本発明の第2の製造方法は、ロジンと動植物油脂肪酸とを混合してなる混合物をモノアルコールでエステル化した後、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させ、ついで多価アルコールでエステル化することを特徴とし、重量平均分子量が3000〜40万のロジン変性フェノール樹脂を製造するものである。
【0029】
このように、本発明の製造方法では、ロジンおよび動植物油脂肪酸に多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、ロジンおよび動植物油脂肪酸の一部がモノアルコールでエステル化されていることが重要である。
【0030】
なお、本発明により得られる印刷インキは、ロジン変性フェノール樹脂の分解生成物および不均一なゲル化成分が極めて少ないため、オフセット印刷インキのみならず、スクリーン印刷、凸版印刷にも使用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
<ロジン変性フェノール樹脂>
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明の樹脂は、ロジンと動植物油脂肪酸とをモノアルコールで部分エステル化したモノエステル体に、多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させて得られるレゾール型のロジン変性フェノール樹脂である。
【0032】
前記ロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、重合ロジン、不均斉化ロジン、水添ロジンなどが挙げられる。不均斉化ロジンおよび水添ロジンはそのままではフェノールホルムアルデヒド初期縮合物と反応しないので使用できないが、他のロジンと併用すれば使用することができる。
【0033】
前記動植物油脂肪酸としては、カルボキシル基を除いたアルキル残基の炭素数が5〜21のカプロン酸、カプリル酸、カブミン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられる。これらはヤシ油、パーム油、ナタネ油、大豆油、水添大豆油、アマニ油、キリ油、牛脂、魚油等の動植物油から由来したものである。
これら動植物油脂肪酸は、単独で使用することもできるが、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、大豆油脂肪酸などの混合物の形で使用するのが経済的である。またトール油脂肪酸やモノマー酸なども好適に使用することができる。前記モノマー酸は、トール油脂肪酸などの不飽和脂肪酸を重合して重合脂肪酸を製造する際に得られる副生成物であり、ステアリン酸、オレイン酸などの他に、分岐構造の脂肪酸を含有している。
【0034】
また、トール油は前記ロジンと前記動植物油脂肪酸の供給源として使用することができる。トール油を精製する工程では、ロジンと植物油脂肪酸の配合比率を任意に調節することができる。
【0035】
前記モノアルコールとしては、アルキル基の炭素数が1〜8のアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどが挙げられる。
【0036】
前記多価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレンブリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
【0037】
前記したように、本発明のロジン変性フェノール樹脂は、ロジンおよび動植物油脂肪酸に多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、ロジンおよび動植物油脂肪酸の一部がモノアルコールでエステル化されている。
【0038】
このロジン変性フェノール樹脂を製造する第1の方法では、ロジンと動植物油脂肪酸をモノアルコールで部分エステル化した後、さらに多価アルコールでエステル化し、ついでフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる。
【0039】
また、第2の方法では、ロジンと動植物油脂肪酸をモノアルコールで部分エステル化した後、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させ、ついで多価アルコールでエステル化する。
【0040】
モノアルコールにより部分エステル化するには、例えば、反応器にロジン、動植物油脂肪酸およびモノアルコールを仕込み、必要に応じて触媒を添加し、モノアルコール還流下で反応させればよい。
【0041】
前記動植物油脂肪酸の添加量は、ロジン100重量部に対して好ましくは2〜300重量部、より好ましくは10〜120重量部であるのがよい。
【0042】
モノアルコールは、ロジンと動植物油脂肪酸のカルボン酸に対しOH当量として好ましくは0.05〜1.5、より好ましくは0.3〜0.9となるように添加する。前記モノアルコールによるエステル化温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは100〜260℃であるのがよい。モノアルコールによりエステル化する際の反応時間は、好ましくは1〜14時間、より好ましくは2〜8時間であるのがよい。
【0043】
かくして得られる前記モノエステル体は、酸価が30〜170の範囲であるのが好ましい。モノエステル体の酸価を上記範囲に調節することで、ロジンおよび動植物油脂肪酸に対するモノアルコールと多価アルコールの反応割合がより適切になり、より高い印刷適性が得られる。
【0044】
また、本発明では、モノアルコールでエステル化する前に、ロジンと動植物油脂肪酸にα,β−エチレン性不飽和二塩基酸を添加し、160〜240℃で加熱して変性してもよい。これにより、印刷インキの乾燥性をより向上させることができる。α,β−エチレン性不飽和二塩基酸は無水物であってもよい。α,β−エチレン性不飽和二塩基酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、トリマー酸などが挙げられる。
【0045】
前記したモノアルコールによるエステル化では、反応温度が100℃以上であれば触媒なしでもよいが、反応速度を向上させたい場合には酸触媒を使用すればよい。酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類、硫酸、塩酸等の鑛酸を使用することができる。
【0046】
次に、上記のようにしてモノエステル体が得られた反応器に、多価アルコールを添加してさらにエステル化した後、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を添加して反応させるか、あるいはフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を先に添加して反応させた後、多価アルコールを添加してエステル化することにより、本発明のロジン変性フェノール樹脂が得られる。
【0047】
多価アルコールは、残存するカルボン酸に対しOH当量として好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.9〜1.2添加する。多価アルコールの添加量は、得られる樹脂の重量平均分子量、粘度、溶剤への溶解性、さらにはインキ化した後の乳化適性にも密接に関係する。多価アルコールの添加量が上記より多い場合には、必要とされる性能が得られないおそれがあり、少ない場合には、反応速度が低下し反応に長時間かかるおそれがある。前記多価アルコールによるエステル化温度は、好ましくは200〜280℃、より好ましくは240〜280℃であるのがよい。多価アルコールによりエステル化する際の反応時間は、好ましくは2〜12時間、より好ましくは4〜8時間であるのがよい。
【0048】
フェノールホルムアルデヒド初期縮合物の添加量は、ロジンおよび動植物油脂肪酸の合計添加量100重量部に対して好ましくは10〜150重量部、より好ましくは20〜100重量部であるのがよい。この縮合物を反応させる際の反応温度は、好ましくは100〜280℃、より好ましくは140〜280℃であるのがよい。この縮合物を反応させる際の反応時間は、好ましくは2〜12時間、より好ましくは4〜8時間であるのがよい。
【0049】
さらに、本発明のロジン変性フェノール樹脂は、石油樹脂で変性されていてもよい。石油樹脂で変性するには、以下のようにする。すなわち、前記第1の製造方法においては、多価アルコールでエステル化した後、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、石油樹脂を添加し、100〜280℃に加熱することによって、多価アルコールによりエステル化した生成物を石油樹脂で変性する。前記第2の製造方法においては、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、モノエステル体に石油樹脂を添加し、100〜280℃に加熱することによって、モノエステル体を石油樹脂で変性する。石油樹脂で変性されたロジン変性フェノール樹脂を印刷インキとして使用すると、印刷インキの疎水性が向上し、耐乳化適性が良好になる。
【0050】
前記石油樹脂としては、分子内に不飽和結合を有するもの、例えば炭素−炭素二重結合を含む構造に基づいて下記のように分類される石油樹脂が使用できる。すなわち、不飽和な環状構造を有するインデン系、クロマン系、シクロペンタジエン系、ジシクロペンタジエン系;不飽和な炭化水素鎖を有するペンテン系、ペンタジェン系;炭素−炭素二重結合と共役芳香族が置換している不飽和な炭化水素鎖を有するビニルトルエン系、a−メチルスチレン系などに分類される。
【0051】
前記フェノールホルムアルデヒド初期縮合物は、フェノール成分とホルムアルデヒド成分に、これらの合計仕込量100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の揮発性有機溶剤(キシレンなど)を添加してアルカリ触媒の存在下で縮合反応させることにより得られる。このフェノールホルムアルデヒド初期縮合物は、レゾール型フェノール樹脂であり、モノアルコールおよび多価アルコールでエステル化されたロジンとクロマン環を形成する。
【0052】
前記アルカリ触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アミン類、アンモニア水溶液などを使用することができる。
【0053】
前記フェノール成分としては、フェノール、p−クレゾール、p−ターシャリーブチルフェノ−ル、p−アミルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールAなどのフェノール性水酸基を持つすべての芳香属化合物が使用できるが、中でもビスフェノール類やフェノール、およびパラ位にC4以下のアルキル基が置換したアルキルフェノール化合物が好ましい。ホルムアルデヒド成分としては、パラホルムアルデヒド、ホルマリンなどを使用することができる。
【0054】
上記のようにして得られるロジン変性フェノール樹脂は、重量平均分子量が3000〜40万、好ましくは5000〜30万であるのがよい。重量平均分子量が3000未満となると、乾燥性および耐ミスチング性が低下するおそれがある。一方、重量平均分子量が40万を超えると、光沢が低下するおそれがある。上記の範囲に重量平均分子量を調整するには、樹脂を構成する組成成分の変更、組成比率の変更、ならびに製造条件の変更等、従来既知の方法を用いることができる。
【0055】
<ゲルワニス>
上記のような本発明のロジン変性フェノール樹脂は、使用する原料、配合量、製造条件に応じて固体もしくは粘性液体の形態で得られる。このロジン変性フェノール樹脂に動植物油成分とゲル化剤とを加えてゲル化することにより、必要な物性のオフセット印刷インキ用ゲルワニスを得ることができる。ゲル化剤としては、アルミニウムキレート、アルミニウム石鹸類などのアルミニウム化合物が挙げられる。
【0056】
また、ロジン変性フェノール樹脂を単離することなく、ロジン変性フェノール樹脂の製造で得られた反応液を、そのままゲルワニスの製造に使用することもできる。すなわち、あらかじめ動植物油成分、ゲル化剤などを添加して均一に混合した溶液に、得られた上記反応液をそのまま添加し、120〜220℃でゲル化反応を行い、粘度調整をすることによって、ゲルワニスを得ることもできる。このように、ロジン変性フェノール樹脂の製造からゲルワニスの調整まで一貫して行うことによって、樹脂を単離するために固形化したり、再溶解する必要がなくなり、廃棄物の減少と環境負荷の低減を図ることができ、製造に必要なエネルギーを大幅に省くことができる。
【0057】
前記動植物油成分は、その一部または全部が脂肪酸モノエステルであるのが好ましい。脂肪酸モノエステルとしては、例えばラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、リノール酸ブチル、リノール酸オクチルなどの1種または2種以上の混合物が挙げられる。さらに、これらの1種または2種以上の脂肪酸の混合物をメチルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール等のアルコールでエステル化したものであってもよい。また、動植物油成分として、例えば綿実油、大豆油、サフラワー油、脱水ヒマシ油、亜麻仁油、桐油、イカ油、イワシ油などの動植物油を使用してもよい。これらの動植物油は上記脂肪酸モノエステルと共に添加してもよい。なお、上記動植物油成分と共に、必要に応じて「AF6号ソルベント(商品名)」、「AF7号ソルベント(商品名)」(新日本石油加工(株)製)などの揮発性インキ溶剤を少量加えてもよい。
【0058】
本発明のゲルワニスでは、ロジン変性フェノール樹脂を35〜70重量%、好ましくは40〜60重量%含有するのがよい。また、前記動植物油の含有量は、オフセット輪転インキに使用する場合にはゲルワニスの5〜8重量%程度、枚葉インキに使用する場合にはゲルワニスの15〜20重量%程度であるのがよい。ゲルワニスの残りの成分は、印刷インキの粘性と弾性を調整するための、前記脂肪酸モノエステル、ゲル化剤などで構成される。
【0059】
<印刷インキ>
上記のようにして得られたゲルワニスに、黄、紅、藍、墨などの顔料を分散させ、必要に応じて耐摩擦性向上剤、インキドライヤー、乾燥抑制剤などのコンパウンドを添加し、適切な粘度になるように調整することによって、枚葉インキ、オフセット輪転インキなどのオフセット印刷インキを得ることができる。この印刷インキ中の前記ゲルワニスの含有量は60〜90重量%程度であるのがよい。なお、印刷インキの粘度と弾性を調整する場合に、必要に応じて「日石AFソルベント7号(商品名)」、「日石AFソルベント6号(商品名)」などの揮発性インキ溶剤を3%以下の範囲で加えてもよい。
【0060】
また、本発明の印刷インキは、新聞インキ、凸版インキなどとしても使用できる。さらに、本発明の樹脂を常圧における沸点が140℃以下の脂肪族系溶剤や脂環族系溶剤に溶解すれば、グラビアインキやフレキソインキとしても使用できる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】
実施例1
<フェノールホルムアルデヒド初期縮合物の製造>
反応容器にパラターシャリーブチルフェノール550重量部、ビスフェノールA183重量部、92%パラホルムアルデヒド290重量部およびキシレン100重量部を添加した後、水酸化ナトリウム15重量部を添加して90℃まで加熱し5時間保持することによって、レゾール型のフェノールホルムアルデヒド初期縮合物(固形分比率87.9%)を得た。
【0063】
<ロジン変性フェノール樹脂の製造>
反応容器に「ハートールロジンWW(商品名)」(トール油ロジン;ハリマ化成(株)製)500重量部、大豆油脂肪酸100重量部、n−ブタノール110重量部、および触媒としてパラトルエンスルホン酸0.5重量部を仕込み、150℃まで4時間かけて昇温しながらn−ブタノール環流下でエステル化した。内容物の酸価が70〜80になった時点でペンタエリスリトール28重量部を添加し、270℃まで昇温し酸価20までエステル化した。ついで上記のフェノールホルムアルデヒド初期縮合物170重量部を250℃で3時間かけて滴下し、滴下後2時間熟成した後、生成したロジン変性フェノール樹脂を取り出した。
【0064】
実施例2
反応容器に「ハートールロジンWW(商品名)」500重量部、大豆油脂肪酸100重量部、n−ブタノール110重量部、および触媒としてパラトルエンスルホン酸0.5重量部を仕込み、150℃まで4時間かけて昇温しながらn−ブタノール環流下で酸価70〜80までエステル化した。ついで、実施例1と同じフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を実施例1と同量添加し、ゆっくりと昇温し220℃でペンタエリスリトール28重量部を添加し、270℃まで6時間で昇温し、270℃で8時間熟成した後、生成したロジン変性フェノール樹脂を取り出した。
【0065】
実施例3
n−ブタノール還流下でエステル化した後、ペンタエリスリトールを添加する前に、無水マレイン酸18重量部を添加し200℃で1時間マレイン化した他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0066】
実施例4
n−ブタノールの添加量を200重量部とし、n−ブタノールによるエステル化で内容物の酸価を40〜50とし、ペンタエリスリトールの添加量を18重量部とした他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0067】
実施例5
n−ブタノールの添加量を35重量部とし、n−ブタノールによるエステル化で内容物の酸価を160〜170とし、ペンタエリスリトールに代えてグリセリンを53重量部添加した他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0068】
実施例6
「ハートールロジンWW(商品名)」を400重量部、および大豆油脂肪酸に代えて「ハートールR−50(商品名)」(ロジン成分50重量%/トール油脂肪酸成分50重量%含有の混合物;ハリマ化成(株)製)を200重量部仕込んだ他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0069】
実施例7
「ハートールロジンWW(商品名)」および大豆油脂肪酸に代えて、「ハートールR−50(商品名)」を600重量部仕込んだ他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0070】
実施例8
「ハートールロジンWW(商品名)」を400重量部、および大豆油脂肪酸に代えて「ハートールR−30(商品名)」(ロジン成分30重量%/トール油脂肪酸成分70重量%含有の混合物;ハリマ化成(株)製)を200重量部仕込み、n−ブタノールに代えて2−エチルヘキシルアルコールを190重量部仕込んだ他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0071】
実施例9
ロジン変性フェノール樹脂の製造において、パラトルエンスルホン酸を添加していない他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0072】
実施例10
ペンタエリスリトールでエステル化した後、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を滴下する前に、「マルカレッツS−115A(商品名)」(石油樹脂;丸善石油(株)製)を60重量部添加した他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0073】
実施例11
フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を添加する前に、「マルカレッツS−115A」を60重量部添加した他は、実施例2と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0074】
比較例1
ロジン変性フェノール樹脂として「ハリフェノールERP−40(商品名)」(ハリマ化成(株)製;重量平均分子量20万)を使用した。「ハリフェノールERP−40(商品名)」は、ロジン、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物およびグリセリンを反応させて得られたものである。
【0075】
比較例2
ロジン変性フェノール樹脂として「ハリフェノールP−637(商品名)」(ハリマ化成(株)製;重量平均分子量10万)を使用した。「ハリフェノールP−637(商品名)」は、ロジン、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物およびペンタエリスリトールを反応させて得られたものである。
【0076】
比較例3
n−ブタノールの添加量を250重量部とし、n−ブタノールによるエステル化で内容物の酸価を30未満とし、ペンタエリスリトールの添加量を10重量部とし、ペンタエリスリトールによるエステル化で酸価を15とした他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得た。
【0077】
比較例4
n−ブタノールの添加量を20重量部とし、n−ブタノールによるエステル化で内容物の酸価を175〜180とし、ペンタエリスリトールに代えてグリセリンを65重量部添加した他は、実施例1と同様にしてロジン変性フェノール樹脂を得ようと試みたが、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を滴下している途中で樹脂が過度に高分子量化し、攪拌が不能になったため反応を停止した。
【0078】
実施例1〜11および比較例1〜4におけるロジン変性フェノール樹脂の配合組成、並びに該樹脂の軟化点、酸価、粘度(アマニ油粘度)、溶剤への溶解性(AF6号ソルベント溶解濁点)および重量平均分子量の評価結果を表1にそれぞれ示す。なお、粘度および溶解性の評価は以下のようにして行った。
【0079】
アマニ油粘度(ガードナー気泡型粘度):アマニ油とロジン変性フェノール樹脂とを重量比2:1の割合で配合し加熱溶解させたものを、ガードナー気泡型粘度計(BYKガードナー(社)製)により気泡が標準線に達するまでの秒数を測定した。
【0080】
溶剤への溶解性(AF6号ソルベント溶解濁点):ケモトロニック溶液濁点測定器(ノボコントロール社製)にて、樹脂/AF6号ソルベント=1/10の溶液の濁点温度を測定した。
【0081】
重量平均分子量:ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の分子量を測定した。
【表1】
Figure 0004142470
【0082】
<ゲルワニスの製造>
実施例1〜11および比較例1〜3で得られたロジン変性フェノール樹脂、大豆油白絞油および大豆油脂肪酸イソブチルエステルである「SE−120−IB(商品名)」を表2に示す配合量で反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込みながら昇温し、200℃で攪拌しながら30分保温しワニスを得た。得られたワニスを100℃に冷却し、印刷インキ用として適切な粘度になるようにゲル化剤を表2に示す配合量で添加し、さらに再度200℃に昇温し、1時間保温して印刷インキ用ゲルワニスを得た。上記ゲル化剤としては、「ケロープEP−12(商品名)」(ホープ製薬(株)製)70部を、大豆油脂肪酸イソブチルエステルである「SE−120−IB(商品名)」(ニッカ合成(株)製)30部で希釈したものを用いた。
なお、比較例3で得られたロジン変性フェノール樹脂は、分子量が2000以下と低いため、枚葉インキに必要なゲルワニスが得られず、印刷インキの評価をすることができなかった。
【表2】
Figure 0004142470
【0083】
<印刷インキの製造>
上記ゲルワニスに、表3に示す配合量の藍色顔料としてシアニンブルー(大日本インキ(株)製)18部を三本ロールミルで分散させ、さらにタックが9〜10になるように調製するために、ゲルワニスと大豆油脂肪酸イソブチルエステルである「SE−120−IB(商品名)」、さらに必要に応じて「日石AF6号ソルベント(商品名)」を表3に示す割合で添加し、さらにナフテン酸マンガン6%溶液(ハリマ化成(株)製)0.5重量部を均一に混合して、印刷インキを得た。得られた印刷インキの物性を表4にそれぞれ示す。
【0084】
表4に示す印刷インキ物性の評価は以下のようにして行った。
流動特性(フロー60秒,mm):離合社(株)のスプレッドメーターによる60秒間でのインキの拡がり(直径)を測定した。
【0085】
光沢値:インキ0.3ccをRIテスター((株)明製作所製)の全面ロールでアート紙に展色した後、24時間経過した時点で、光沢値を60°−60°光沢計により測定した。
【0086】
セット:インキ0.1ccをRIテスター((株)明製作所製)の4カットロールで展色した後、展色物を切り、それを別のアート紙に貼り合わせた。この試料について、RIテスターのロールを用いてインキがアート紙に付着しなくなるまでの時間(分)を測定した。
【0087】
機上乾燥性:インキ0.1ccをRIテスター((株)明製作所製)の4カットロールで硫酸紙に展色した後、硫酸紙を重ね合わせ、朝陽会式乾燥試験器にセットし0.1rpmの条件で乾燥時間を比較した。
【0088】
最大乳化量:リソトロニック乳化試験器(ノボコントロール社製)を用いて、40℃において、25gのインキに2ml/分の速度で水を添加し、インキが飽和した時点の水分含有率を測定した。(乳化試験器の回転数:1200rpm)
【0089】
ミスチング:インキ2カップをインコメーター(東洋精機(株)社製)に載せ、ロール温度40℃で2000rpm、2分間回転させた時の、ロール下面と前面に置いた白色紙上へのインキの飛散状態を観察した。評価は次の5段階で評価した。
5:ミスチングが全くない
4:ミスチングが少しある
3:ミスチングがある
2:ミスチングがひどい
1:ミスチングが極めてひどい
【表3】
Figure 0004142470
【表4】
Figure 0004142470
【0090】
<評価結果>
表4に示す各印刷インキの物性評価結果から、実施例1〜11のロジン変性フェノール樹脂から得られた枚葉インキについては、一般的なロジン変性フェノール樹脂を使用してゲルワニス化時に揮発性有機溶剤を動植物油から由来する脂肪酸モノエステルに置き換えた枚葉インキ(比較例1)と比べて、セット(乾燥性)が良好で光沢が高い結果となった。さらに、実施例1〜11では、最大乳化量が比較例1より低下しており、耐乳化性が優れていることがわかり、耐ミスチング性にも改善が見られた。
【0091】
さらには、実施例1〜11のロジン変性フェノール樹脂から得られた枚葉インキについては、現在一般的に使用されている揮発性有機溶剤からなるインキ溶剤を添加した枚葉インキ(比較例2)と比べて、アート紙への印刷において、光沢、セット、耐乳化性および耐ミスチング性の面で優れるあるいは遜色がない結果となっている。すなわち、本発明のロジン変性フェノール樹脂を使用したノンVOCもしくはVOCレスのオフセット印刷インキは、従来の印刷インキに対する市場の要求に充分に満足できるものが得られることを確認することができた。
【0092】
【発明の効果】
本発明のロジン変性フェノール樹脂によれば、揮発性有機溶剤に代えて動植物油成分を溶剤として使用した場合であっても、乾燥性、光沢、耐乳化適性、耐ミスチング性などの印刷適性に優れた樹脂を得ることができるという効果がある。
【0093】
本発明において、前記ロジンと前記動植物油脂肪酸の混合物としてトール油が使用されるときは、ロジン変性フェノール樹脂を製造する際に、前記ロジンと前記動植物油脂肪酸を一度に供給できるので、作業性が向上し、コストダウンを図ることができるという効果がある。
【0094】
本発明における前記モノエステル体の酸価が30〜170であるときは、ロジンおよび動植物油脂肪酸に対するモノアルコールと多価アルコールの反応割合がより適切になり、高い印刷適性が得られるという効果がある。
【0095】
本発明における前記ロジンと前記動植物油脂肪酸がα,β−エチレン性不飽和二塩基酸で変性されているときは、印刷インキの乾燥性をより向上させることができるという効果がある。
【0096】
本発明のロジン変性フェノール樹脂が石油樹脂で変性されているときは、印刷インキの疎水性が向上し、耐乳化適性が良好になるという効果がある。
【0097】
本発明のゲルワニスによれば、従来溶剤として使用されている揮発性有機溶剤を使用せずあるいは使用量を低減させることができるという効果がある。
【0098】
本発明の印刷インキによれば、揮発性有機溶剤を使用せずあるいは使用量を低減させて環境に配慮すると共に、オフセット印刷において枚葉インキやオフセット輪転インキなどとして使用でき、コート紙やアート紙に印刷した場合であっても、前記した従来のノンVOCもしくはVOCレスの印刷インキよりも優れた乾燥性、光沢、耐乳化適性および耐ミスチング性を得ることができるという効果がある。枚葉インキとして使用した場合には、流動特性および光沢が良好になり、かつセットが早く、棒積安定性が良好になる。オフセット輪転インキや新聞インキとして使用した場合には、乾燥が早く高速印刷に適しており、ミスチングが少なく、インキ物性の経時変化が少なく、高い作業効率を得ることができる。水無しインキとして使用した場合には、インキの高い凝集力が得られ、地汚れを防止することができる。

Claims (21)

  1. ロジンと動植物油脂肪酸とを混合してなる混合物をモノアルコールで部分エステル化したモノエステル体に、多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させて得られる、重量平均分子量3000〜40万のロジン変性フェノール樹脂。
  2. 前記モノアルコールが炭素数1〜8の化合物である請求項1記載のロジン変性フェノール樹脂。
  3. 前記ロジンと前記動植物油脂肪酸の混合物としてトール油が使用される請求項1または2記載のロジン変性フェノール樹脂。
  4. 前記動植物油脂肪酸の添加量が前記ロジン100重量部に対して2〜300重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
  5. 前記モノエステル体の酸価が30〜170である請求項1〜4のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
  6. 前記ロジンと前記動植物油脂肪酸がα,β−エチレン性不飽和二塩基酸で変性されている請求項1〜5のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
  7. 石油樹脂で変性されている請求項1〜6のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のロジン変性フェノール樹脂と、脂肪酸モノエステルおよび動植物油のうちの少なくとも一方からなる動植物油成分と、ゲル化剤とを含有することを特徴とするゲルワニス。
  9. 前記動植物油成分の一部または全部が脂肪酸モノエステルである請求項8記載のゲルワニス。
  10. 前記ロジン変性フェノール樹脂を35〜70重量%含有する請求項8または9記載のゲルワニス。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載のゲルワニスを含有することを特徴とする印刷インキ。
  12. 前記ゲルワニスを60〜90重量%含有する請求項11記載の印刷インキ。
  13. 請求項11または12記載の印刷インキを用いて印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
  14. オフセット印刷である請求項13記載の印刷方法。
  15. ロジンと動植物油脂肪酸とを混合してなる混合物をモノアルコールでエステル化した後、さらに多価アルコールでエステル化し、ついでフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させることを特徴とする、重量平均分子量が3000〜40万のロジン変性フェノール樹脂の製造方法。
  16. ロジンと動植物油脂肪酸とを混合してなる混合物をモノアルコールでエステル化した後、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させ、ついで多価アルコールでエステル化することを特徴とする、重量平均分子量が3000〜40万のロジン変性フェノール樹脂の製造方法。
  17. 前記モノアルコールが炭素数1〜8の化合物である請求項15または16記載の製造方法。
  18. 前記モノアルコールによるエステル化の触媒として酸触媒を使用する請求項15〜17のいずれかに記載の製造方法。
  19. 前記モノアルコールでエステル化する前に、前記ロジンと前記動植物油脂肪酸をα,β−エチレン性不飽和二塩基酸で変性する請求項15〜18のいずれかに記載の製造方法。
  20. 前記フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、多価アルコールによりエステル化した生成物を石油樹脂で変性する請求項15記載の製造方法。
  21. 前記フェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる前に、前記モノアルコールでエステル化した生成物を石油樹脂で変性する請求項16記載の製造方法。
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