JP2006008799A - 印刷インキワニス用樹脂溶液、印刷インキワニスおよび印刷インキ - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度変化に対する粘弾性挙動の安定性に優れる印刷インキワニスが得られる印刷インキワニス用樹脂溶液と、この印刷インキワニス用樹脂溶液を用いて得られる印刷インキワニスと、この印刷インキワニスを用いて得られる、ミストの発生や乳化挙動の変化等の印刷時のトラブルが生じにくく、しかも乾燥性が高いために印刷物の生産性が高い平版印刷インキを提供すること。
【解決手段】 ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を15〜55重量部用い、有機溶剤中、160〜240℃で反応させてなる印刷インキワニス用樹脂溶液、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を15〜55重量部用い、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃で反応させなる印刷インキワニス、および、この印刷インキワニスと顔料を含有する印刷インキ。
【選択図】 なし。
【解決手段】 ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を15〜55重量部用い、有機溶剤中、160〜240℃で反応させてなる印刷インキワニス用樹脂溶液、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対してレゾール型フェノール樹脂(B)を15〜55重量部用い、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃で反応させなる印刷インキワニス、および、この印刷インキワニスと顔料を含有する印刷インキ。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、温度変化に対する粘弾性挙動の安定性が高い印刷インキワニスが得られる印刷インキワニス用樹脂溶液、この印刷インキワニス用樹脂溶液を用いてなる印刷インキワニス、および、この印刷インキワニスを用いて得られる乾燥性が良好なため印刷物の生産性が高く、ミストの発生や乳化挙動の変化等の印刷時のトラブルが生じにくい平版印刷インキ印刷インキに関するものである。
平版印刷インキワニスとしては、例えば、ロジンエステル樹脂と、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物とを、溶剤を含む系内で140〜240℃で縮合させてなる印刷インキ用樹脂ワニスが知られており、分子量が大きく、軟化点が高く、インキ溶剤に対する溶解性に優れる印刷インキワニスであって、高速印刷適性に優れる印刷インキが得られるとの記載がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、前記特許文献1に記載された平版印刷インキワニス、例えば実施例1〜4に記載のロジンエステル樹脂(ガムロジンペンタエリスリトールエステル)100重量部に対しフェノールホルムアルデヒド初期縮合物(レゾール型フェノール樹脂)を固形分として72.8重量部用い、溶剤(日石AF7号ソルベント)を含む系内で200℃で縮合させてなるワニスは、印刷時の温度変化に対する粘弾性挙動の安定性が悪く、かつ、乾燥性に劣る印刷インキが得られるという問題がある。印刷時の温度変化に対する粘弾性挙動の安定性が悪いワニスを用いて得られる印刷インキでは、印刷機のローラー温度や、印刷機のある場所の温度が上昇した際に、ミストが発生したり、乳化挙動が変化し、印刷時のトラブルの原因になるし、乾燥性の劣る印刷インキでは、印刷紙面の片面印刷した後に乾燥させ、その後裏の面を印刷する印刷方式において、印刷物の生産性が低下する。
本発明の課題は、温度変化に対する粘弾性挙動の安定性に優れる印刷インキワニスが得られる印刷インキワニス用樹脂溶液と、この印刷インキワニス用樹脂溶液を用いて得られる印刷インキワニスと、この印刷インキワニスを用いて得られる、ミストの発生や乳化挙動の変化等の印刷時のトラブルが生じにくく、しかも乾燥性が高いために印刷物の生産性が高い平版印刷インキを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ロジンエステル樹脂100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量を15〜55重量部に限定して反応させて得られる印刷インキワニス用樹脂溶液を用いることのより、温度変化に対する粘弾性挙動の変化が少なく安定性に優れる印刷インキワニスが得られること、および、この印刷インキワニスを用いることにより、ミストの発生や乳化挙動の変化等の印刷時のトラブルが生じにくく、しかも乾燥性が高いために印刷物の生産性が高い平版印刷インキが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化してなるロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)とを、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量が15〜55重量部となる範囲内で用い、有機溶剤中、160〜240℃で反応させてなることを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液を提供するものである。
また、本発明は、前記印刷インキワニス用樹脂溶液と乾性油および/または半乾性油(C)を160〜240℃で混合してなるものであることを特徴とする印刷インキワニス、および、酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化してなるロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)とを、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量が15〜55重量部となる範囲内で用い、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃で反応させてなることを特徴とする印刷インキワニスを提供するものである。
さらに、本発明は、前記印刷インキワニスと顔料を含有してなることを特徴とする印刷インキを提供するものである。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液を用いて得られる印刷インキワニスは温度変化に対する粘弾性挙動の安定性に優れており、この印刷インキワニスを用いてなる本発明の印刷インキはミストの発生や乳化挙動の変化等の印刷時のトラブルが発生しにくく、しかも乾燥性が高いために印刷物の生産性が高い。
本発明で用いるロジンエステル樹脂(A)は、酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化してなるロジンエステル樹脂であり、ここで用いる酸変性されていてもよいロジン類としては、レゾール型フェノール樹脂(B)と反応するもの、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、これらロジン類を蒸留等により精製したもの等のロジン類、および、これらロジン類を酸変性してなる酸変性ロジン類等が挙げられ、なかでも酸変性ロジン類が好ましい。また、レゾール型フェノール樹脂と反応性に優れ、高粘度のロジン変性フェノール樹脂が得られることかとから、ガムロジンや酸変性ガムロジンがは好ましい。
前記酸変性ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、その精製物等のロジン類を不飽和基を有する一塩基酸、二塩基酸またはその無水物で変性したものが好ましい。不飽和基を有する一塩基酸、二塩基酸またはその無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと無水コハク酸との付加物等の1分子内に1個のα,β−エチレン性不飽和基と1個のカルボキシル基を併せ持つ化合物;フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の1分子内に1個のα,β−エチレン性不飽和基と2個のカルボキシル基またはその無水酸基を併せ持つ化合物などが挙げられ、なかでもフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。ロジン類を酸変性する際の不飽和基を有する一塩基酸、二塩基酸またはその無水物の使用量は、ロジン類100重量部に対して通常1〜30重量部であり、なかでも乳化適性に優れる印刷インキが得られることから、1〜20重量部が好ましい。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられ、なかでもグリセリン、ペンタエリスリトールが好ましい。
また、前記ロジンエステル樹脂(A)としては、その分子量を増加させる目的でα,β−エチレン性不飽和基を有さない多塩基酸を併用して反応させたもの、例えば、酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化する際やロジン類の酸変性の際にα,β−エチレン性不飽和基を有さない多塩基酸を併用したものであってもよい。これらα,β−エチレン性不飽和基を有さない多塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。これらα,β−エチレン性不飽和基を有さない多塩基酸の使用量は、ロジン類100重量部に対して通常1〜30重量部であり、なかでも乳化適性に優れる印刷インキが得られることから、1〜20重量部が好ましい。
さらに、ロジンエステル樹脂(A)としては、印刷インキワニス用樹脂や印刷インキワニスの溶解性を向上させる目的で、植物油や脂肪酸を併用して反応させたもの、例えば、酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化する際に植物油や植物油の脂肪酸を併用したものであってもよい。これら植物油としては、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、落花生油、米糠油、ナタネ油、綿実油、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、亜麻仁油、桐油等が挙げられ、脂肪酸としては、これら植物油から誘導されるものや牛脂脂肪酸等の天然物由来のもの、炭素数8〜20までの合成されたモノカルボン酸類等が挙げられる。
これらのうち、植物油は、前記多価アルコールとのエステル交換反応によりモノグリセライド、ジグリセライドとした後に、ロジン類とのエステル化反応により、ロジンエステル樹脂に導入されるし、脂肪酸は、前記多価アルコールとエステル化反応で、ロジンエステル樹脂に導入される。これら植物油や脂肪酸の使用量は、ロジン類100重量部に対して通常3〜30重量部であり、なかでも乾燥性に優れる印刷インキが得られることから、3〜25重量部が好ましい。
前記ロジンエステル樹脂(A)の製造方法としては、例えば、酸変性されていてもよいロジン類と多価アルコールとをエステル化触媒に存在下、200〜300℃、好ましくは250〜285℃でエステル化反応させる方法が挙げられる。この際のロジン類と多価アルコールの使用比率は、通常、ロジン類中のカルボン酸1モル当量に対し、多価アルコール中の水酸基が1.5モル当量以下となる比率が好ましく、なかでも0.8〜1.1モル当量となる比率が特に好ましい。
前記ロジンエステル樹脂(A)としては、酸価70mgKOH/g以下のロジンエステル樹脂を通常使用するが、中でも酸価18mgKOH/g以下のロジンエステル樹脂が好ましい。また、前記ロジンエステル樹脂(A)の水酸基価としては、50mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明で使用するレゾール型フェノール樹脂(B)としては、特に限定はなく、フェノール類とホルムアルデヒドをナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の水酸化物、酸化物、有機酸塩やアンモニア水溶液および有機アミン化合物等のアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物や、ノボラック型フェノール樹脂のレゾール化物等が挙げられ、なかでもフェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)をアルカリ触媒の存在下で、F/P(モル比)が1.5〜3.0となる範囲で反応させて得られる縮合物が好ましく、F/P(モル比)が2.0〜2.6となる範囲で反応させて得られる縮合物がより好ましい。これらレゾール型フェノール樹脂の平均核体数としては、通常平均1〜10核体のものを通常用いるが、なかでも平均3〜6核体のものを主な成分とするものが好ましい。重量平均分子量としては、200〜1,600のものが挙げられるが、なかでも700〜1,300のものが好ましい。
前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、アミルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールAなどが挙げられ、なかでもp−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール等のパラ位に炭素原子数4〜12の置換基を持つアルキルフェノールが好ましい。また、ホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドの供給物質が包含され、ホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液は、前記ロジンエステル樹脂(A)を、有機溶剤中、160〜240℃で、前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して15〜55重量部のレゾール型フェノール樹脂(B)を縮合反応させてなるものであり、なかでも、乾燥性と印刷時の温度変化に対する粘弾性挙動の変化が少なく安定性により優れる印刷インキが得られることから、前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して30〜48重量部のレゾール型フェノール樹脂(B)を縮合反応させてなるものであることが好ましい。なお、160℃未満の温度で反応させてなる印刷インキワニス用樹脂溶液は、ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の反応が遅く工業的に適さない。また、240℃を越える温度で反応させてなる印刷インキワニス用樹脂溶液は、印刷時にローラー溜まり、水棒絡み、地汚れ等が発生しやすい印刷インキとなるため、好ましくない。この理由は明らかではないが、240℃を越える高温ではロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の反応と同時に反応生成物の分解や未反応レゾール型フェノール樹脂(B)の分解が起こり、生成した分解物が印刷適性を低下させるのではないかと、本発明者らは推定している。この反応の場合、240℃を越える温度での反応は印刷適性の低下が大きくなるため、全くないことが必要であり、なかでも分解物の生成に起因すると推定される印刷適性を低下が少ないことから180〜230℃で反応させることが好ましく、190〜220℃で反応させることが最も好ましい。
さらに、前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して15重量部未満のレゾール型フェノール樹脂(B)を縮合反応させてなる印刷インキワニス用樹脂溶液は、乳化適性および乾燥性に劣り、前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して55重量部を越えるレゾール型フェノール樹脂(B)を縮合反応させてなる印刷インキワニス用樹脂溶液は、印刷時の温度変化に対する粘弾性挙動の安定性に劣る。
また、前記有機溶剤としては、平版印刷インキ用溶剤として使用可能なものが挙げられ、なかでも沸点160℃以上の炭化水素系溶剤が好ましく、例えば、パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族成分含有パラフィン系溶剤等の沸点200℃以上の石油系溶剤が挙げられる。具体例としては、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号〔以上、新日本石油(株)製〕、IPソルベント2028、IPソルベント2835〔以上、出光石油化学(株)製〕等が挙げられる。これらのうち、最近の環境、衛生面への配慮から芳香族成分の含有量は、1重量%以下のものが、好ましい。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の製造の際の有機溶剤の使用比率は、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して通常2〜100重量部、好ましくは5〜50重量部である。
本発明の印刷インキワニスは、前記印刷インキワニス用樹脂溶液と乾性油および/または半乾性油(C)を160〜240℃で混合してなる印刷インキワニス(I)、または、前記ロジンエステル樹脂(A)を、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃で、前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して15〜55重量部のレゾール型フェノール樹脂(B)と鎖伸長反応させてなる印刷インキワニス(II)、好ましくは前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して30〜48重量部のレゾール型フェノール樹脂(B)と鎖伸長反応させてなる印刷インキワニスであり、これらはさらに必要によりゲル化剤(D)と反応させたものであっても良い。
前記印刷インキワニス(I)としては、前記印刷インキワニス用樹脂溶液と、乾性油および/または半乾性油(C)を160〜240℃、好ましくは180〜230℃で混合してなるものであればよく、混合に際して印刷インキワニス用樹脂溶液中の樹脂分と乾性油および/または半乾性油(C)の一部が反応したものであっても良い。なお、ここで用いる印刷インキワニス用樹脂溶液としては、前記印刷インキワニス用樹脂溶液として好ましいとしたものがいずれも好ましく使用できる。
前記印刷インキワニス(I)を製造する際に用いる乾性油および/または半乾性油(C)のうち、乾性油としては、ヨウ素価130以上の動植物油、例えばアマニ油、オイチシカ油、サフラワー油、エノ油.キリ油、脱水ヒマシ油およびこれらの重合体等が挙げられる。また、半乾性油としては、ヨウ素価100〜130の動植物油、例えば綿実油、大豆油、米ヌカ油、コーン油、ゴマ油、ナタネ油やこれらの重合体等が挙げられる。
前記乾性油および/または半乾性油(C)の使用比率は、印刷インキワニス用樹脂溶液中の樹脂分100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは3〜80重量部となる範囲である。
前記印刷インキワニス(I)を製造する際には、前記印刷インキワニス用樹脂溶液と乾性油および/または半乾性油(C)を混合する際に、乾性油および/または半乾性油(C)と共にゲル化剤(D)を混合し、印刷インキワニス用樹脂溶液中の樹脂分とゲル化剤(D)とを反応させることや、前記印刷インキワニス用樹脂溶液と乾性油および/または半乾性油(C)を混合した後、さらにゲル化剤(D)と混合して、この混合液中の樹脂分とゲル化剤(D)とを60〜240℃、好ましくは80〜200℃で反応させることが、重量平均分子量(Mw)や粘度が高く、耐乳化性、耐ミスト性に優れる印刷インキワニスとなることから好ましく、なかでも後者の場合が特に好ましい。また、この際には、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等の石油樹脂を併用しても良い。
前記ゲル化剤(D)としては、例えば、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、有機亜鉛化合物、有機力ルシウム化合物等が挙げられ、なかでも有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート化合物が挙げられ、なかでもアルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプレピレート、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート、エチルアセチルアセテートアルミニウム−n−ブチレート、アルミニウムトリスエチルアセチルアセテートが好ましい。
前記ゲル化剤(D)の使用比率は、印刷インキワニス用樹脂溶液100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部となる範囲である。
次いで、前記印刷インキワニス(II)としては、前記ロジンエステル樹脂(A)を、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃で、前記ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対して20〜55重量部のレゾール型フェノール樹脂(B)と反応させてなるものであればよく、反応に際して反応系内の樹脂分と乾性油および/または半乾性油(C)の一部が反応したものであっても良い。
また、ここで用いる乾性油および/または半乾性油(C)としては、前記印刷インキワニス(I)を製造する際に用いる乾性油および/または半乾性油(C)がいずれも同様に使用でき、その使用比率は前記ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の合計の樹脂分100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは3〜80重量部となる範囲である。
前記印刷インキワニス(II)を製造する際には、前記ロジンエステル樹脂(A)を、有機溶剤中、160〜240℃でレゾール型フェノール樹脂(B)と反応させる際に、乾性油および/または半乾性油(C)と共にゲル化剤(D)を存在させて反応させることや、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下で反応させた後、さらにゲル化剤(D)と混合して、この混合液中の樹脂分とゲル化剤(D)とを60〜240℃、好ましくは80〜240℃で反応させることが、重量平均分子量(Mw)が高く、耐乳化性、耐ミスト性に優れる印刷インキワニスとなることから好ましく、なかでも後者の場合が特に好ましい。また、この際には、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等の石油樹脂を併用しても良い。
ここで用いる前記ゲル化剤(D)としては、前記印刷インキワニス(I)を製造する際に用いるゲル化剤(D)がいずれも同様に使用でき、その使用比率は前記ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の合計の樹脂分100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部となる範囲である。
前記印刷インキワニス(I)、(II)としては、それぞれのワニス中にAFソルベント6号が42〜48重量%含まれる様に調整したときの25℃での気泡粘度が2,000〜40,000dPa・Sとなるものが好ましく、4,000〜15,000dPa・Sとなるものがより好ましく、4,500〜7,000dPa・Sとなるものが特に好ましい。さらに、前記印刷インキワニス(I)、(II)としては、乳化率〔LITHOTRONIC EMULSIFICATION TESTER(NOVOCONTROL GmbH社製)を用いて、40℃、1,500rpm、水の供給速度2ml/分の条件で測定した乳化率(EC%)〕が100重量%以下となるものが好ましく、80重量%以下となるものがより好ましく、5〜50重量%となるものが特に好ましい。
なお、本発明では、印刷インキワニスの温度変化に対する粘弾性挙動の安定性は、レオメトリックス社製のレオメータ SR−500を用い、治具:40mmパラレルプレート、周波数:1Hz、ひずみ:2%、測定温度:15℃、35℃の条件で印刷インキワニスの粘弾性を測定した際に、損失弾性率G″/貯蔵弾性率G′の式から求めることのできるtanδ値の35℃での測定値と15℃での測定値の差(Δtanδ)が0.1以下の場合に安定性に優れると評価する。
前記本発明の印刷インキワニスは、顔料と、必要によりその他の成分と共に混練することにより印刷インキとすることができる。例えば、本発明の印刷インキワニスに、黄、紅、藍、墨などの顔料を直接分散させるか、予め分散用樹脂に分散させたカラーベースや、フラッシュ法の場合は、フラッシュ用樹脂に分散させたカラーベースと混合し、必要に応じて耐摩擦性向上剤、レオロジーコントロール剤、インキドライヤー、乾燥抑制剤、追加溶剤、他の樹脂成分などを添加し、混練して適切な粘度になるように調整することにより、枚葉インキ、オフ輪インキなどの平版印刷インキとすることができる。この平版インキは、湿し水を使用する通常の平版印刷インキとしても、また湿し水を使用しない水無し平版印刷インキとしても使用することができる。また、これらの印刷インキは、新聞印刷インキ等としても使用することができる。
本発明の印刷インキワニスを用いて得られる印刷インキは、各種の平版印刷機で好適に使用することができ、従来の印刷インキでは達成できなかった、優れた印刷適性を示す。
以下に参考例、実施例、比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれ制限されるものではない。なお、例中の部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
参考例1(レゾール型フェノール樹脂の調製)
撹拌器および温度計を備えた加圧反応釜に、p−オクチルフェノール2060部を仕込み、120℃で加熱溶解し、92%パラホルムアルデヒド粉末(水分含有率8%)350部と水酸化カルシウム7.4部を加え130℃まで加熱して2時間反応せしめてレゾール型フェノール樹脂〔以下、「レゾール樹脂(1)」と略記する。〕を調製した。得られたレゾール樹脂(1)は、GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が900であった。
撹拌器および温度計を備えた加圧反応釜に、p−オクチルフェノール2060部を仕込み、120℃で加熱溶解し、92%パラホルムアルデヒド粉末(水分含有率8%)350部と水酸化カルシウム7.4部を加え130℃まで加熱して2時間反応せしめてレゾール型フェノール樹脂〔以下、「レゾール樹脂(1)」と略記する。〕を調製した。得られたレゾール樹脂(1)は、GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が900であった。
参考例2(レゾール型フェノール樹脂溶液の調製)
参考例1で得られたレゾール樹脂(1)800部に日石三菱AFソルベント6号〔日石三菱(株)製インキ用ノンアロマ溶剤〕200部を加えて60℃で1時間攪拌し、樹脂分濃度80%のレゾール型フェノール樹脂溶液〔以下、「レゾール樹脂溶液(2)」と略記する。〕を調製した。
参考例1で得られたレゾール樹脂(1)800部に日石三菱AFソルベント6号〔日石三菱(株)製インキ用ノンアロマ溶剤〕200部を加えて60℃で1時間攪拌し、樹脂分濃度80%のレゾール型フェノール樹脂溶液〔以下、「レゾール樹脂溶液(2)」と略記する。〕を調製した。
参考例3(レゾール型フェノール樹脂の調製)
撹拌器および温度計を備えた加圧反応釜に、p−tert−ブチルフェノール1500部を仕込み、120℃で加熱溶解し、92%パラホルムアルデヒド粉末(水分含有率8%)350部と水酸化カルシウム7.4部を加えて130℃まで加熱し、2時間反応させてレゾール型フェノール樹脂〔以下、「レゾール樹脂(3)」と略記する。〕を調製した。得られたレゾール樹脂(3)は、GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が880であった。
撹拌器および温度計を備えた加圧反応釜に、p−tert−ブチルフェノール1500部を仕込み、120℃で加熱溶解し、92%パラホルムアルデヒド粉末(水分含有率8%)350部と水酸化カルシウム7.4部を加えて130℃まで加熱し、2時間反応させてレゾール型フェノール樹脂〔以下、「レゾール樹脂(3)」と略記する。〕を調製した。得られたレゾール樹脂(3)は、GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が880であった。
参考例4(レゾール型フェノール樹脂溶液の調製)
参考例3で得られたレゾール樹脂(3)800部に日石三菱AFソルベント6号200部を加えて110℃で1時間攪拌し、樹脂分濃度80%のレゾール型フェノール樹脂溶液〔以下、「レゾール樹脂溶液(4)」と略記する。〕を調製した。
参考例3で得られたレゾール樹脂(3)800部に日石三菱AFソルベント6号200部を加えて110℃で1時間攪拌し、樹脂分濃度80%のレゾール型フェノール樹脂溶液〔以下、「レゾール樹脂溶液(4)」と略記する。〕を調製した。
参考例5(ロジンエステル樹脂の調製)
撹拌器、温度計、縮合水分離器および窒素導入管を備えた反応釜に酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000部、ペンタエリスリトール95部および蟻酸カルシウムを加え、280℃に昇温した。その後、280℃で酸価が15mgKOH/g以下になった時点で温度を下げてロジンエステル樹脂〔以下、「RE樹脂(1)」と略記する。〕を得た。得られたRE樹脂(1)は、酸価14.1mgKOH/g、軟化点110℃、重量平均分子量(Mw)1,200であった。
撹拌器、温度計、縮合水分離器および窒素導入管を備えた反応釜に酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000部、ペンタエリスリトール95部および蟻酸カルシウムを加え、280℃に昇温した。その後、280℃で酸価が15mgKOH/g以下になった時点で温度を下げてロジンエステル樹脂〔以下、「RE樹脂(1)」と略記する。〕を得た。得られたRE樹脂(1)は、酸価14.1mgKOH/g、軟化点110℃、重量平均分子量(Mw)1,200であった。
参考例6(同上)
参考例5と同様の反応容器に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000部と無水マレイン酸98.5部を仕込み、昇温して温度が200℃に到達した時点でペンタエリスリトール160部と酸化カルシウム6部を加え、さらに280℃に昇温した。その後280℃で酸価が15mgKOH/g以下になった時点で温度を下げてロジンエステル樹脂〔以下、「RE樹脂(2)」と略記する。〕を得た。得られたRE樹脂(2)は、酸価14.6mgKOH/g、軟化点119℃、重量平均分子量(Mw)1,600であった。
参考例5と同様の反応容器に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000部と無水マレイン酸98.5部を仕込み、昇温して温度が200℃に到達した時点でペンタエリスリトール160部と酸化カルシウム6部を加え、さらに280℃に昇温した。その後280℃で酸価が15mgKOH/g以下になった時点で温度を下げてロジンエステル樹脂〔以下、「RE樹脂(2)」と略記する。〕を得た。得られたRE樹脂(2)は、酸価14.6mgKOH/g、軟化点119℃、重量平均分子量(Mw)1,600であった。
参考例7(同上)
参考例5と同様の反応容器に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000部、米ぬか脂肪酸205部およびフマル酸136.5部を仕込み、昇温して温度が200℃に到達した時点でペンタエリスリトール195部と蟻酸カルシウムの6部を加え、さらに280℃に昇温した。その後280℃で酸価が15mgKOH/g以下になった時点で温度を下げてロジンエステル樹脂〔以下、「RE樹脂(3)」と略記する。〕を得た。得られたRE樹脂(3)は、酸価14.9mgKOH/g、軟化点107℃、重量平均分子量(Mw)12,000であった。
参考例5と同様の反応容器に、酸価165mgKOH/gのガムロジン1,000部、米ぬか脂肪酸205部およびフマル酸136.5部を仕込み、昇温して温度が200℃に到達した時点でペンタエリスリトール195部と蟻酸カルシウムの6部を加え、さらに280℃に昇温した。その後280℃で酸価が15mgKOH/g以下になった時点で温度を下げてロジンエステル樹脂〔以下、「RE樹脂(3)」と略記する。〕を得た。得られたRE樹脂(3)は、酸価14.9mgKOH/g、軟化点107℃、重量平均分子量(Mw)12,000であった。
実施例1
参考例5と同様の反応装置に、170℃に加温したRE樹脂(1)100部とAFソルベント6号25部を仕込み、さらに110℃に加温したレゾール樹脂溶液(2)55部(レゾール樹脂分として44部)を加えて昇温し、200℃で1時間反応させて、樹脂分濃度80%の本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(1)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(1)は、この樹脂溶液(1)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がH−I〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は11万であった。〕であった。
参考例5と同様の反応装置に、170℃に加温したRE樹脂(1)100部とAFソルベント6号25部を仕込み、さらに110℃に加温したレゾール樹脂溶液(2)55部(レゾール樹脂分として44部)を加えて昇温し、200℃で1時間反応させて、樹脂分濃度80%の本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(1)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(1)は、この樹脂溶液(1)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がH−I〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は11万であった。〕であった。
得られた樹脂溶液(1)100部に対してアマニ油27部、AFソルベント6号51部およびBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.2部を加え、180℃で30分間攪拌混合した後、25℃における気泡粘度が4,500〜7,000dPa・sの範囲に入る様に160℃でゲル化剤であるエチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレートを0.5〜4部の範囲で必要な量を加えて1時間加熱攪拌して、本発明の印刷インキワニス〔以下、ワニス(1)と略記する。〕を得た。
得られたワニス(1)の25℃における気泡粘度は5,500dPa・s、インコメーター〔東洋精機(株)製〕での400rpm、32℃でのタックバリュー値(以下、「TV」と略記する。)は16であった。また、得られたワニス(1)1gを2gのトルエンに溶かして調製したトルエン溶液のヘプタントレランスは13.5ml/3gであった。さらに、このワニス(1)はLITHOTRONIC EMULSIFICATION TESTER(NOVOCONTROL GmbH社製)で攪拌速度1,500rpm、温度40℃、水の供給速度2ml/分の条件で測定した乳化率(EC%)は44%であった。
また、ワニス(1)のレオメトリックス社製のレオメータ SR−500を用いた粘弾性測定から求めたΔtanδは0.08で、温度変化に対する粘弾性挙動の安定性に優れるものであった。
次いで、得られたワニス(1)50部と、カラーベース〔大日本インキ化学工業(株)製紅顔料カラーベースKW895〕50部と、大日本インキ化学工業株式会社製ドライヤー(ナフテン酸マンガンとオクチル酸コバルトの混合物)0.5部と、TVが8になるように使用量を調整したAFソルベント6号を3本ロ−ルで混練して、インキ(1)を得、得られたインキ(1)について、下記のように光沢と濃度を測定すると共に、ミスティングと乾燥性と耐摩耗性について評価した。結果を第1表に示す。
光沢:インキ(1)0.15mlを、RIテスター〔(株)明製作所製〕2分割ロールでアート紙に展色し、100℃のオーブンを10秒間パスさせ、1日放置した後のアート紙上に展色されたインキの光沢値を60゜−60゜光沢計で測定した。
ミスティング:インキ(1)1.31mlをインコメーター〔東洋精機(株)製〕に載せ、32℃と45℃で2,500rpmで2分間回転させたときのロール下面と前面に置いた白色紙上へのインキの飛散状態を観察し、インキの飛散が殆ど無い場合を合格、インキの飛散が著しい場合を不合格と評価した。
乾燥性:インキ(1)0.4mlをRIテスター〔(株)明製作所製〕にてアート紙に展色した後、オートインキセッティングテスター〔(株)東洋精機製作所製〕を用いて、展色物を時間毎に分割し、ローラーを用いて展色物から別のアート紙上へのインキの付着度を観察し、インキが付着しなくなるまでの時間(分)を測定した。
耐磨耗性:インキ(1)0.15mlを、RIテスター〔(株)明製作所製〕2分割ロールでアート紙に展色し、30分間放置した後のアート紙の印刷面を500gの荷重をかけたフェルトで50回擦った後、印刷面を目視して、傷の有無により乾燥性を評価した。傷が殆ど無いものを合格、著しく傷がつくものを不合格とした。
実施例2
参考例5と同様の反応装置に、100℃に加温したレゾール樹脂(1)40部を加えて攪拌し、RE樹脂(2)100部とマルカレッツM−845D〔丸善石油化学社製脂肪族系炭化水素樹脂(石油樹脂)〕5部とAFソルベント6号36.2部を予め230℃で混合し同温度に保持した混合物を仕込んだ後、200℃に温度を調整し、200℃で1時間保持した時点で反応を終了させて、樹脂分濃度80%の本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(2)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(2)は、この樹脂溶液(2)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がJ−K〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は15万であった。〕であった。
参考例5と同様の反応装置に、100℃に加温したレゾール樹脂(1)40部を加えて攪拌し、RE樹脂(2)100部とマルカレッツM−845D〔丸善石油化学社製脂肪族系炭化水素樹脂(石油樹脂)〕5部とAFソルベント6号36.2部を予め230℃で混合し同温度に保持した混合物を仕込んだ後、200℃に温度を調整し、200℃で1時間保持した時点で反応を終了させて、樹脂分濃度80%の本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(2)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(2)は、この樹脂溶液(2)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がJ−K〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は15万であった。〕であった。
得られた樹脂溶液(2)100部にアマニ油の33.3部、AFソルベント6号51部およびBHT0.2部を加え、180℃で30分間攪拌混合した後、25℃における気泡粘度が4,500〜7,000dPa・sの範囲に入る様に160℃でエチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレートを0.5〜5部の範囲で必要な量を加えて1時間加熱攪拌して、本発明の印刷インキワニス〔以下、ワニス(2)と略記する。〕を得た。
得られたワニス(2)の25℃における気泡粘度は6,050dPa・s、TVは17.2、ヘプタントレランスは12.7ml/3g、EC%は55%であった。また、Δtanδは0.07であった。
得られたワニス(2)を用いた以外は実施例1と同様にしてインキ(2)を得、得られたインキ(2)について、実施例1と同様に光沢と濃度を測定すると共に、ミスティングと乾燥性と耐摩耗性について評価した。結果を第1表に示す。
実施例3
参考例5と同様の反応装置に、RE樹脂(3)100部にAFソルベント6号25部を加えて混合し170℃に保持した混合物を仕込み、さらに110℃に加温したレゾール樹脂溶液(4)40部(レゾール樹脂分として32部)を加えてながら、200℃へ昇温し2時間反応させた時点で反応を終了させて、樹脂分濃度80%の本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(3)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(3)は、この樹脂溶液(3)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がI−J〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は20万であった。〕であった。
参考例5と同様の反応装置に、RE樹脂(3)100部にAFソルベント6号25部を加えて混合し170℃に保持した混合物を仕込み、さらに110℃に加温したレゾール樹脂溶液(4)40部(レゾール樹脂分として32部)を加えてながら、200℃へ昇温し2時間反応させた時点で反応を終了させて、樹脂分濃度80%の本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(3)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(3)は、この樹脂溶液(3)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がI−J〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は20万であった。〕であった。
200℃での反応を終了させた直後の加熱状態にある樹脂溶液(3)100部にアマニ油27部を加え、温度を180℃に調整して30分間加熱混合し、次いでAFソルベント6号51部およびBHT0.2部を加え、さらに同温度で30分間攪拌混合した後に、25℃における気泡粘度が4500〜7000dPa・sの範囲に入る様に160℃でエチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレートを0.5〜5部の範囲で必要な量を加えて1時間加熱攪拌して、本発明の印刷インキワニス〔以下、ワニス(3)と略記する。〕を得た。
得られたワニス(3)の25℃における気泡粘度は5,000dPa・s、TVは15.5、ヘプタントレランスは13.9ml/3g、EC%は49%であった。また、Δtanδは0.04以下であった。
得られたワニス(3)を用いた以外は実施例1と同様にしてインキ(3)を得、得られたインキ(3)について、実施例1と同様に光沢と濃度を測定すると共に、ミスティングと乾燥性と耐摩耗性について評価した。結果を第1表に示す。
比較例1
実施例5と同様の反応装置に、170℃に加温したRE樹脂(1)100部とAF−6の25部を仕込み、さらに110℃に加温したレゾール樹脂溶液(2)81.25部(レゾール樹脂分として65部)を加えて昇温し、200℃で1時間反応させて比較用の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(1′)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(1′)は、この樹脂溶液(1′)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がK−L〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は18万であった。〕であった。
実施例5と同様の反応装置に、170℃に加温したRE樹脂(1)100部とAF−6の25部を仕込み、さらに110℃に加温したレゾール樹脂溶液(2)81.25部(レゾール樹脂分として65部)を加えて昇温し、200℃で1時間反応させて比較用の印刷インキワニス用樹脂溶液〔以下、樹脂溶液(1′)と略記する。〕を得た。得られた樹脂溶液(1′)は、この樹脂溶液(1′)に同量のトルエンを加えた場合の25℃におけるガードナー粘度がK−L〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は18万であった。〕であった。
得られた樹脂溶液(1′)100部にアマニ油27部、AFソルベント6号51部およびBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.2部を加え180℃で30分間攪拌混合した後、25℃における気泡粘度が4500〜7000dPa・sの範囲に入る様に160℃でゲル化剤であるエチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレートを0.5〜4部の範囲で必要な量を加えて1時間加熱攪拌して、比較用の印刷インキワニス〔以下、ワニス(1′)と略記する。〕を得た。
得られたワニス(1′)の25℃における気泡粘度は6,800dPa・s、TVは15.6、ヘプタントレランスは、14.1ml/3g、EC%は54%であった。また、Δtanδは0.5であった。
得られたワニス(1′)を用いた以外は実施例1と同様にしてインキ(1′)を得、得られたインキ(1′)について、実施例1と同様に光沢と濃度を測定すると共に、ミスティングと乾燥性と耐摩耗性について評価した。結果を第1表に示す。
Claims (13)
- 酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化してなるロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)とを、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量が15〜55重量部となる範囲内で用い、有機溶剤中、160〜240℃で反応させてなることを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液。
- ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の反応を、沸点160℃以上の炭化水素系溶剤中、180〜230℃で行ってなる請求項1に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液。
- ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量が30〜48重量部となる範囲内である請求項2に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液。
- ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の合計100重量部に対して、有機溶剤を5〜50重量部用い、印刷インキワニス用樹脂の重量平均分子量が10万以上となるまで反応させてなる請求項1、2または3に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液。
- 印刷インキワニス用樹脂の重量平均分子量が12万〜40万となるまで反応させてなる請求項1、2または3に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液と乾性油および/または半乾性油(C)を160〜240℃で混合してなるものであることを特徴とする印刷インキワニス。
- 印刷インキワニス用樹脂溶液と乾性油および/または半乾性油(C)を混合した後、ゲル化剤(D)と反応させてなるものである請求項6に記載の印刷インキワニス。
- 酸変性されていてもよいロジン類を多価アルコール類でエステル化してなるロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)とを、ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量が15〜55重量部となる範囲内で用い、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃で反応させてなることを特徴とする印刷インキワニス。
- ロジンエステル樹脂(A)を、有機溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、160〜240℃でレゾール型フェノール樹脂(B)と反応させた後、ゲル化剤(D)と反応させてなるものである請求項8に記載の印刷インキワニス。
- ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の反応を、沸点160℃以上の炭化水素系溶剤中、乾性油および/または半乾性油(C)の存在下、180〜230℃で行ってなる請求項8または9に記載の印刷インキワニス。
- ロジンエステル樹脂(A)100重量部に対するレゾール型フェノール樹脂(B)の使用量が30〜48重量部となる範囲内である請求項10に記載の印刷インキワニス。
- ロジンエステル樹脂(A)とレゾール型フェノール樹脂(B)の合計100重量部に対して、有機溶剤を5〜50重量部用いてなる請求項11に記載の印刷インキワニス。
- 請求項6〜12のいずれか1項に記載の印刷インキワニスと顔料を含有してなることを特徴とする印刷インキ。
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- 2004-06-24 JP JP2004186335A patent/JP2006008799A/ja active Pending
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