JP2013213113A - 平版印刷インキ用樹脂および平版印刷インキ - Google Patents

平版印刷インキ用樹脂および平版印刷インキ Download PDF

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Abstract

【課題】印刷時の安定性および印刷物の光沢感を維持しつつ、地産地消の観点からCO2の排出量を削減することのできる米ぬか油を用いた平版印刷インキ用樹脂およびそれを含有させた平版印刷インキの提供。
【解決手段】ロジン類(a)、レゾール型フェノール樹脂(b)および米ぬか油(c)を反応させてなるロジン変性フェノール樹脂(A)を含有することを特徴とする平版印刷インキ。さらに、ロジン変性フェノール樹脂(A)が、重量固形分比で、ロジン類(a)5〜75重量%、レゾール型フェノール樹脂(b)15〜85重量%および米ぬか油(c)1〜30重量%を反応させてなることを特徴とする平版印刷インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、書籍、チラシ、カタログ、新聞等の印刷物に使用される平版印刷インキ(以下、「インキ」と略す。)に使用する樹脂に関することであり、更に詳しくは、樹脂合成原料に、環境負荷の少ない米ぬか油を使用することを特徴とする樹脂に関するものである。
平版印刷インキは5〜100Pa・sの比較的粘度の高いインキである。平版印刷機の機構は、インキが印刷機のインキ壺から複数のローラーを経由して版面の画線部に供給され、水あり印刷では非画線部に湿し水が供給され、水無し印刷では非画線部がシリコン層でできておりインキを反発し紙上に画像が形成される。
特に、湿し水を使用した平版印刷においてはインキと水との乳化バランスが重要であり、インキの乳化量が高過ぎると非画線部にもインキが着肉し易くなり汚れが発生し、乳化量が少ないと絵柄の少ない印刷時には、インキ表面に水が吐き出される為、ロール間のインキ転移や用紙へのインキ着肉性が悪くなり、安定して印刷する事が難しくなる。
さらに近年では、印刷時の省人、省力化、自動化、高速化の要求が高まってきおり、特に印刷スピードは益々高速化してきている。そして、様々な印刷条件下に於いてトラブルレスで長時間安定して高品位な印刷物が得られる印刷用インキが望まれており、インキメーカーでは種々の改良を実施してきている。
高品位な印刷物が得られる印刷用インキとして、特に要望されているのが、高光沢インキである。
従来、印刷物の光沢を向上させる方法としては、石油系溶剤や植物油などを増やし、インキの粘度を下げて印刷表面の平滑性を向上させたり、低分子高溶解樹脂や石油樹脂などを使用してインキ系内の樹脂成分を増やすことによって、印刷紙へのインキの浸透を極力抑制してインキ被膜厚を維持させるなどの処方が用いられてきた。
しかしながら、インキ粘度を下げるために石油系溶剤や植物油を増やすと、インキのタック値が低下し、印刷機上でのローラー間転移が悪化する傾向にある。また、低分子高溶解樹脂や石油樹脂などを使用してインキ系内の樹脂成分を増やす処方は、乳化の制御が困難となり、インキの印刷適性が阻害される傾向にあり、印刷適性を維持しながら印刷物の光沢を向上させるには限界があった。
上記の方法以外に、インキ系内の樹脂成分に対する溶解性が高い部類の石油系溶剤を用いることでインキ系内の相溶性を上げてインキの低粘度化や樹脂成分の高濃度化を図る方法もある。しかしながら、上記の石油系溶剤の樹脂に対する溶解性では光沢効果が十分に得られない。また、上記の石油系溶剤の多くは、人体への悪影響の大きい芳香族炭化水素が主成分であり、印刷において、印刷作業環境や大気汚染などの環境負荷の要因となることから、最近では使用を見合わせている。
また、インキ中に脂肪酸エステルを含有させることで、光沢の優れたオフセットインキ組成物が開発されている(特許文献1、2)。しかしながら、これらの方法では、脂肪酸エステルの紙への浸透制御が困難であり、印刷時に使用される用紙に制限が加えられたり、インキの乾燥性の点で十分満足できない状況がある。
インキに使用されるロジン変性フェノール樹脂についての改良も行われてきた。特許文献3では、ロジンと動植物油脂肪酸との混合物をモノアルコールで部分エステル化したモノエステル体に、多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる方法が公開されている。しかしながら、この方法では、エステル化にモノアルコールを使用することで、ロジンおよび動植物油脂肪酸とのエステル結合による架橋が行われず、分子量制御が困難となる。
また、特許文献4では、レゾ−ル型フェノール類・ホルムアルデヒド初期縮合物、ヨウ素価100以上の植物油、ロジン、多価アルコ−ルなどを反応させて得られる油変性ロジンフェノール樹脂が開示されており、特許文献5では、フェノール類、ホルムアルデヒド、ヨウ素価100以上の動植物油、ロジン、1価アルコ−ル及び/または多価アルコ−ルなどを反応させて得られる油変性ロジンフェノール樹脂が開示されている。しかし、ヨウ素価が高い植物油をすると保存容器内でのインキの増粘や流動性の劣化を招きやすい。
現在、世界規模でのCO排出量削減の動きで、脱石化素材・VOCのインキ成分からの排除を目的とした考え方が普及しつつあり、インキにおいても揮発性溶剤や石油系溶剤の代わりに環境に優しい植物油を用い、その植物油として大豆油を使用した大豆油インキが広く用いられている。しかし、近年、アメリカなどでは大豆油などの農作物がバイオエタノール原料に転用される様になり、大豆油の価格の高騰や、安定した供給量の確保が懸念されている。更に、植物油の輸送時に使用される燃料に対してもCO排除の考え方が摘要される。
輸送マイレージ、即ち原料や製品などの生産・製造地と消費地との距離を短縮することでCO排出量を削減していくという観点では、インキ製造地から近いところでインキの原料を調達することで、COの排出量の削減に貢献できる。
しかしながら、植物油成分として用いられている大豆油は北米・南米で収穫された大豆を海外で搾油したものが輸入されているのが主であり、輸送マイレージが悪くCO2排出の面から環境に好ましくない。
特開2003−313482公報 特開2007−169574号公報 特許4142470号公報 特開昭57−2319号公報 特開昭57−61017号公報
印刷時の安定性および印刷物の光沢感を維持しつつ、地産地消の観点からCOの排出量を削減することのできる米ぬか油を用いた平版印刷インキ用樹脂およびそれを含有させた平版印刷インキを提供することにある。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、以下に定める素材により作成したロジン変性フェノール樹脂を含有させた平版印刷インキは、インキの流動性および印刷物の光沢性に優れ、CO排出量削減の観点から環境に易しいことを見出し、本発明を完成するに至った。
第1の発明は、ロジン類(a)、レゾール型フェノール樹脂(b)および米ぬか油(c)を反応させてなるロジン変性フェノール樹脂(A)を含有することを特徴とする平版印刷インキである。
第2の発明は、ロジン変性フェノール樹脂(A)が、重量固形分比で、ロジン類(a)5〜75重量%、レゾール型フェノール樹脂(b)15〜85重量%および米ぬか油(c)1〜30重量%を反応させてなることを特徴とする第1の発明記載の平版印刷インキである。
第3の発明は、ロジン変性フェノール樹脂(A)が、重量固形分比で、ロジン類(a)5〜75重量%、レゾール型フェノール樹脂(b)15〜85重量%、米ぬか油(c)1〜30重量%および石油樹脂(d)を5〜30重量%反応させてなることを特徴とする第1の発明または第2の発明記載の平版印刷インキである。
第4の発明は、第1ないし第3の発明いずれか記載の平版印刷インキを印刷してなる印刷物である。
本発明は、米ぬか油を反応してなるロジン変性フェノール樹脂を含有する印刷インキを使用することで、様々な印刷条件下で長時間安定した印刷が可能で、光沢感のある高品質の印刷物を得ることができ、且つ、地産地消の観点からCOの排出量を削減することが可能となる。
まず、本発明のロジン類(a)について説明する。
本発明のロジン類(a)としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、該天然ロジンから誘導される重合ロジン、天然ロジンや重合ロジンを不均化または水素添加して得られる安定化ロジン、天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジンなどが上げられる。なお、不飽和酸変性ロジンとは、例えばマレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなど、またはこれらに対応する酸変性重合ロジンがあげられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のレゾール型フェノール樹脂(b)は、常法により得ることが出来る。合成方法の一例としては、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)を仕込み、揮発性有機溶剤(キシレンなど)を添加し、金属酸化物触媒またはアルカリ触媒存在下で縮合反応させることにより得られる。フェノール類(P)とアルデヒド類(F)の比率が通常P/Fがmol比で1.0〜4.0molが好ましく、更に好ましくは1.5〜3.0molであり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物触媒の存在下または、有機アミンなどのアルカリ触媒の存在化で常圧または加圧下で付加・縮合して得られる各種公知の縮合物が用いられる。フェノール類としては、フェノール水酸基を持つすべての芳香族化合物が使用でき、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、ビスフェノールA、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール等が上げられるが、中でもアルキル置換したフェノール類が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等があげられる。
本発明における米ぬか油(c)は、米を精製した際に出る米ぬかを原材料としており、原材料の全てを国産品で賄うことができる。また、非食用である米ぬかから得られるため、価格の高騰や供給の不安定が起きにくいため、さらに好ましい。精製方法としては、米ぬかから溶剤抽出によって得られる原油を脱夾雑、脱ガム、脱酸、脱蝋、脱色、脱臭工程を経て米ぬか油とするが、例えばこの脱ガム、脱酸、脱蝋、脱色、脱臭工程のいずれかを省略したりあるいはその程度を軽減して、コスト低減を図ることもでき、この精製工程に限定されるものではない。さらに本発明の樹脂は、米ぬか油以外の植物油および再生植物油を併用することもできる。
植物油とは、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリライドである。例として、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、やし油、落花生油、脱水ヒマシ油等が挙げられる。
再生植物油とは、天ぷら油等の食用に供された、回収、再生処理された植物油ものことである。再生植物油としては、含水率を0.3重量%以下、ヨウ素価を90以上、酸価を3以下として再生処理した油が好ましく、より好ましくはヨウ素価100以上である。含水率を0.3重量%以下にすることにより水分に含まれる塩分等のインキの乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能となり、ヨウ素価を90以上として再生することにより、乾燥性、すなわち酸化重合性の良いものとすることが可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して再生することにより、インキの過乳化を抑制することが可能となる。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置による沈殿物の除去、および活性白土等による脱色といった方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の石油樹脂(d)本発明において使用される石油樹脂成分としては、ナフサを分解した際の炭素数の多い不飽和化合物を重合したものであり、C5留分を原料とする脂肪族系、C9留分を原料とする芳香族系、シクロペンタジエン(ジシクロペンタジエン)を原料とする脂環族系、さらにC5留分とC9留分を原料とした共重合系があり、重量平均分子量が500〜100000 程度のものが一般的である。C5留分としては、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、ペンテン類、ペンタン類等、C9留分としては、ビニルトルエン、インデン、ジシクロペンタジエン等が挙げられ、それぞれ触媒の存在下あるいは無触媒で熱重合して得られるものである。触媒としてはフリーデルクラフト型のルイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素およびそのフェノール、エーテル、酢酸等との錯体が通常使用される。アリルアルコール、酢酸ビニルエステル等を共重合して得ることも可能であるし、得られた石油樹脂に無水マレイン酸、アクリル酸等を付加することも可能である。
上記石油樹脂は市販のものを適宜使用することが可能であり、脂肪族系石油樹脂としては、日本ゼオン社製クイントンA100、クイントンB170、クイントンK100、クイントンM100、クイントンR100、クイントンC200S、丸善石油化学社製マルカレッツT−100AS、マルカレッツR−100AS、芳香族系石油樹脂としては、JX日鉱日石エネルギー社製ネオポリマーL−90、ネオポリマー120、ネオポリマー130、ネオポリマー140、ネオポリマー150、ネオポリマー170S、ネオポリマー160、ネオポリマーE−100、ネオポリマーE−130、ネオポリマー130S、ネオポリマーS、東ソー社製ペトコールLX、ペトコールLX−HS、ペトコール100T、ペトコール120、ペトコール120HS、ペトコール130、ペトコール140、ペトコール140HM、ペトコール140HM5、ペトコール150、ペトコール150AS、東邦化学工業社製トーホーハイレジン#120S、トーホーハイレジンRS−21、トーホーハイレジンRS−9、共重合系石油樹脂としては、日本ゼオン社製クイントンD100、クイントンN180、クイントンP195N、クイントンS100、クイントンS195、クイントンS195、クイントンU185、クイントンG100B、クイントンG115、クイントンD200、クイントンE200SN、クイントンN295、東ソー社製ペトロタック60、ペトロタック70、ペトロタック90、ペトロタック100、ペトロタック100V、ペトロタック90HM、DCPD系石油樹脂としては、丸善石油化学社製マルカレッツM−890A、マルカレッツM−845A、日本ゼオン社製クイントン1325、クイントン1345、クイントン1500、クイントン1525L、クイントン1700等が挙げられる。
また、本発明では、ロジン変性フェノール樹脂(A)の分子量を大きくするために、ポリオールを使用することが出来る。ポリオールの水酸基とロジン類(a)のカルボン酸がエステル化反応し、高分子量化する。ポリオールとしては、特に限定されないが、ペンタエリスリトール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなどが上げられる。
上記エステル化反応は、常法に従って行うことができる。通常150℃から300℃の範囲で行われるが、使用する化合物の沸点および反応性を考慮して決定することができる。また、これらの反応においては、必要に応じて触媒を用いることが可能である。触媒としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸等が例示できる。さらに、テトラブチルジルコネート、テトライソブチルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等の金属塩触媒等も使用可能である。これら触媒は、全樹脂中0.01〜5重量%の範囲で通常使用される。触媒使用による樹脂の着色を抑制するために、次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィン等を併用することもある。
本発明でのロジン変性フェノール樹脂(A)は、重量固形分比で、ロジン類(a)5〜75重量%が好ましく、レゾール型フェノール樹脂(b)15〜85重量%が好ましい。さらにより好ましくはロジン類(a)が10〜70重量%で、レゾール型フェノール樹脂(b)が20〜70重量%である。ロジン類(a)が5重量%未満で、レゾール型フェノール樹脂(b)が85重量%を上回ると、合成樹脂がゲル化し易くなり反応制御が困難となる。また、ロジン類(a)が75重量%を上回り、レゾール型フェノール樹脂(b)が15重量%未満であると、インキに必要な粘度および弾性を得られなくなる。
米ぬか油(c)については、重量固形分比で1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜25重量%である。1重量%未満であると、印刷物の光沢向上の効果が得られず、30重量%を上回ると、インキに必要な粘度および弾性を得ることができない。
本発明で使用される石油樹脂(d)は、重量固形分比で3〜30重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%である。3重量%未満であると、インキに十分な流動性が得られなくなり、30重量%を上回ると、インキに必要な粘度および弾性を得ることができない。
本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法としては、例えば反応釜にロジン類(a)、米ぬか油(c)、石油樹脂(d)を120〜260℃で加熱溶融し、そこにレゾール型フェノール樹脂(b)を添加し、180〜300℃で1〜30時間反応させる。その後必要に応じてポリオール、触媒を添加し、150〜300℃で1〜30時間ロジン類とエステル化反応させる方法がある。
上記の方法によって得られたロジン変性フェノール樹脂(A)の重量平均分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は5,000〜300,000程度のものが好ましく、より好ましくは10,000〜150,000である。5,000未満であるとインキの粘度が低く、ミスチング等が発生し易くなり、300,000以上であると樹脂の溶解性が悪くなる為、インキの流動性が劣化し、光沢等が悪くなる。樹脂の溶解性については、0号ソルベントH(JX日鉱日石エネルギー社製)を用い、樹脂/0号ソルベントH=2g/18gを200℃で加熱溶解させ、温度を徐々に下げて、白濁する温度が低い方が樹脂と溶剤の相溶性が良好であり、30〜170℃程度のものが好ましい。
こうして得られたロジン変性フェノール樹脂(A)に、必要に応じて植物油類、インキ用石油系溶剤、ゲル化剤を加えて加熱溶解させて平版印刷インキ用ワニスを製造することができる。
平版印刷インキ用ワニスに用いられる植物油類としては、各種公知のものを限定無く使用することができる。具体的には例えば、亜麻仁油、大豆油、桐油、米ぬか油、サフラワー油、脱水ひまし油、または、これら植物油の熱重合油、酸化重合油がある。また、亜麻仁油脂肪酸メチル、大豆油脂肪酸メチル、米ぬか油脂肪酸メチル、亜麻仁油脂肪酸エチル、大豆油脂肪酸エチル、米ぬか油脂肪酸エチル、亜麻仁油脂肪酸プロピル、大豆油脂肪酸プロピル、米ぬか油脂肪酸プロピル、亜麻仁油脂肪酸ブチル、大豆油脂肪酸ブチル、米ぬか油脂肪酸ブチル、亜麻仁油脂肪酸イソブチル、大豆油脂肪酸イソブチル、米ぬか油脂肪酸イソブチル等と言った、前述の植物油類のモノエステルが上げられる。これらは単独で用いても2種類以上を適宜併用しても良い。
平版印刷インキ用ワニスに用いられる平版印刷インキ用石油系溶剤としては、従来公知の印刷インキ用溶剤を特に限定無く使用することができる。具体的には例えば、JX日鉱日石エネルギー社製の0号ソルベント、4号ソルベント、5号ソルベント、6号ソルベント、7号ソルベント、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号等があげられる。これらは単独で用いても、2種類以上を適宜併用しても良い。特に環境対策として、芳香族炭化水素の含有率が1重量%以下であるアロマフリーソルベントを使用することが好ましい。
前記ゲル化剤としては、例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジプロポキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムジブトキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテートなどの各種公知な物を使用できる。
平版印刷インキ用ワニスのロジン変性フェノール樹脂(A)、植物油類、石油系溶剤、ゲル化剤の組成比率としては、用途に応じてそれぞれ適宜決定すればよいが、通常ロジン変性フェノール樹脂の割合は5〜60重量%程度、植物油類の割合は、0〜80重量%程度、石油系溶剤の割合は、0〜80重量%程度、ゲル化剤の割合は0〜4重量%程度、好ましくは0〜3%程度である。また、合成樹脂Aと、一般的に平版印刷インキに用いられるロジン変性フェノール樹脂(本発明以外の方法により製造したものあるいは上記重量平均分子量以外のもの)や、石油樹脂等を併用することもできる。
この平版印刷インキワニス、顔料、石油系溶剤および添加剤により平版印刷インキが製造される。
本発明で使用される顔料としては、酸化チタンなどの白顔料、ミネラルファーネスイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS,ハンザイエローG,キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG,タートラジンレーキなどの黄顔料、インダスレンブリリアントオレンジRK、ピラゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどの橙色顔料、パーマネントレッド4R、リオノールレッド、ピラロゾンレッド、ウオッチングレッツドカルシウム塩、レーキレッドD,ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどの赤色顔料、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどの青色顔料、ピグメントグリーンB、マラカイドグリーンレーキ、ファイナスイエリーグリーンGなどの緑色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラックなどの黒色顔料などが挙げられる。
また、平版印刷インキ中への、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができ、必要に応じて、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、等を添加してもよい。
本発明の平版印刷インキの組成の一例としては、
・本発明により製造されるロジン変フェノール樹脂(A) 5〜60重量%
・植物油類 0〜80重量%
・石油系溶剤 0〜80重量%
・ゲル化剤 0〜 4重量%
・顔料 5〜40重量% ・その他の樹脂 0〜40重量%
・その他添加剤 1〜 5重量%
などが好ましい組成として挙げられる。
その他の樹脂とは、一般的に平版印刷インキ組成物に用いられるロジン変性フェノール樹脂あるいは石油系樹脂あるいはアルキッド樹脂を表す。VOCフリータイプのインキとして使用する際には、上記組成において、石油形溶剤を0重量%とする。この際、必要に応じて脂肪酸モノエステル化合物を0〜60重量%含有しても差し支えない。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
また、本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC−8020。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例1)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにオクチルフェノール1000部、92%パラホルムアルデヒド350部、98%水酸化カルシウム10部、キシレン480部を加えて、90℃で5時間反応させる。その後キシレン400部、水道水250部を加え、98%硫酸を10部滴下した。撹拌、静置後、上層部を取り出し、不揮発分60%のレゾール型フェノール樹脂のキシレン溶液を得て、これをレゾール液Aとした。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例2)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにブチルフェノール1000部、92%パラホルムアルデヒド480部、98%水酸化カルシウム10部、キシレン530部を加えて、90℃で5時間反応させる。その後キシレン430部、水道水250部を加え、98%硫酸を10部滴下した。撹拌、静置後、上層部を取り出し、不揮発分60%のレゾール型フェノール樹脂のキシレン溶液を得て、これをレゾール液Bとした。
(樹脂合成の実施例1)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン100部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油50部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)240部を添加した。レゾール樹脂A1000部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン10部を仕込み9時間反応させた。重量平均分子量(Mw)50000、酸価8の樹脂1を得た。
(樹脂合成の実施例2)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部を添加した。レゾール樹脂B583部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み8時間反応させた。重量平均分子量(Mw)83000、酸価14の樹脂2を得た。
(樹脂合成の実施例3)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン400部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油250部を添加した。レゾール樹脂A500部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)96000、酸価12の樹脂3を得た。
(樹脂合成の実施例4)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)50部を添加した。レゾール樹脂B500部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み12時間反応させた。重量平均分子量(Mw)43000、酸価16の樹脂1を得た。
(樹脂合成の実施例5)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)150部を添加した。レゾール樹脂A333部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み14時間反応させた。重量平均分子量(Mw)52000、酸価14の樹脂5を得た。
(樹脂合成の実施例6)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン360部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)300部を添加した。レゾール樹脂B333部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン40部を仕込み14時間反応させた。重量平均分子量(Mw)34000、酸価15の樹脂6を得た。
(樹脂合成の実施例7)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン700部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油50部を添加した。レゾール樹脂A333部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み13時間反応させた。重量平均分子量(Mw)26000、酸価13の樹脂7を得た。
(樹脂合成の実施例8)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)150部を添加した。レゾール樹脂B333部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み13時間反応させた。重量平均分子量(Mw)66000、酸価12の樹脂8を得た。
(樹脂合成の比較例A)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン600部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール樹脂A567部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン60部を仕込み17時間反応させた。重量平均分子量(Mw)60000、酸価19の樹脂Aを得た。
(樹脂合成の比較例B)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン520部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)100部を添加した。レゾール樹脂B533部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン60部を仕込み15時間反応させた。重量平均分子量(Mw)42000、酸価18の樹脂Bを得た。
(樹脂合成の比較例C)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)50部を添加した。レゾール樹脂A1000部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)62000、酸価16の樹脂Cを得た。
(樹脂合成の比較例D)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)50部を添加した。レゾール樹脂B500部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み9時間反応させた。重量平均分子量(Mw)98000、酸価17の樹脂Dを得た。
(樹脂合成の比較例E)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)50部を添加した。レゾール樹脂A500部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み8時間反応させた。重量平均分子量(Mw)52000、酸価17の樹脂Eを得た。
(樹脂合成の比較例F)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、米ぬか油100部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製:重量平均分子量1700)50部を添加した。レゾール樹脂B500部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させ、250℃でグリセリン50部を仕込み12時間反応させた。重量平均分子量(Mw)70000、酸価16の樹脂Fを得た。
樹脂合成の実施例1〜8、比較例A〜Fのロジン変性フェノール樹脂の固形分重量%での配合組成、並びに重量平均分子量、酸価を表1に示す。
Figure 2013213113
<ゲルワニスの作製>
撹拌機、水分離器付還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコに、実施例1〜8、比較例A〜Fで得られたロジン変性フェノール樹脂、大豆油、石油系溶剤(JX日鉱日石エネルギー社製AFソルベント7)、ゲル化剤(川研ファインケミカル(株)製ALCH)、を表2のような配合組成で仕込み、窒素ガスを吹き込みながら190℃にて1時間加熱撹拌してゲルワニスを製造した。
Figure 2013213113

<平版印刷インキの作製例>
前記方法で得られたワニス1〜8、ワニスA〜Fと、カーボン顔料ミツビシカーボンMA7(三菱化学製)と、石油系溶剤(JX日鉱日石エネルギー社製AFソルベント7)を、表3の配合組成にて、常法に従い三本ロールを用いて練肉分散し、実施例1〜8、比較例A〜Fのインキを得た。
Figure 2013213113

実施例及び比較例で得られた組成物について、下記の方法で光沢値と流動性を評価した。評価結果を表4に示す。
(光沢値の評価)
光沢値は、プルーフバウ展色機にて、三菱製紙社製パールコートに同一濃度に展色し、光沢計グロスメーターモデルGM−26((株)村上色彩技術研究所製)にて60°光沢を測定した。数値が高い程、光沢が良いことを表す。
(評価基準) ◎:60以上、○:50以上〜60未満、×:50未満
(流動性の測定方法)
2.1ccを半球状の窪みのついた金属板にインキを入れ、15分間静置させた後、60度に傾け10分間で流れた長さを測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。値が高いほどインキのしまりが少なく、流動性が良好であることを示す。
(評価基準)◎:80mm以上、○:70mm以上〜80mm未満、×:70mm未満
(植物油輸送距離)
米ぬか油の輸送距離は、東京から札幌間の約800kmの2分の1の距離である400kmとした。大豆油の輸送距離は、主な生産地であるアメリカ(サンフランシスコ)から東京の直線距離である8200kmとした。亜麻仁油の輸送距離は、主な生産地であるカナダ(バンクーバー)から東京の直線距離である7500kmとした。菜種油の輸送距離は、主な生産地である中国(北京)から東京の直線距離である2100kmとした。サフラワー油は、主な生産地であるインド(ニューデリー)から東京の航路距離である8000kmとした。
(CO排出量)
COの排出量はウッドマイルズ研究会の資料に基づいて算出した。植物油1kg当りに排出されるCO排量は以下の式によって算出できる。
(CO排出量:g/kg)=(輸送係数:g/km・kg)×(輸送距離:km)
ここで輸送係数は、輸送手段によって決定されるものである。米ぬか油の輸送は鉄道を用い、その他の植物油の輸送は船舶を用いると仮定する。資料によると鉄道および船舶の輸送係数は共に0.02g/km・kgである。
(評価基準)○:10g/kg未満、×:10g/kg以上
Figure 2013213113
表4の結果から明らかなように、米ぬか油と反応させたロジン変性フェノール樹脂を用いたインキは、光沢が良好で、石油樹脂を含有することで流動性に優れ、さらにCO2排出量削減の観点から環境に優しいことが確認された。

Claims (4)

  1. ロジン類(a)、レゾール型フェノール樹脂(b)および米ぬか油(c)を反応させてなるロジン変性フェノール樹脂(A)を含有することを特徴とする平版印刷インキ。
  2. ロジン変性フェノール樹脂(A)が、重量固形分比で、ロジン類(a)5〜75重量%、レゾール型フェノール樹脂(b)15〜85重量%および米ぬか油(c)1〜30重量%を反応させてなることを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ。
  3. ロジン変性フェノール樹脂(A)が、重量固形分比で、ロジン類(a)5〜75重量%、レゾール型フェノール樹脂(b)15〜85重量%、米ぬか油(c)1〜30重量%および石油樹脂(d)を3〜30重量%反応させてなることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷インキ。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の平版印刷インキを印刷してなる印刷物。




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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2016208375A1 (ja) * 2015-06-24 2017-06-29 Dicグラフィックス株式会社 ロジン変性フェノール樹脂及び印刷インキ

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