JP2014181313A - 平版印刷インキおよび印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、書籍、チラシ、カタログ、ポスター等を印刷する平版印刷に使用される平版印刷インキ組成物に使用する樹脂に関するものであり、特に、光沢感があり、高耐摩擦性を有する高品質の印刷物を得ることが出来る、平版印刷インキ用樹脂およびそれを含有させた平版印刷インキの提供。
【解決手段】ロジン類(a)と、レゾール型フェノール樹脂(b)と、再生処理した植物油(c)と、テルペン樹脂(d)と、ポリオール(f)とを反応させてなるロジン変性フェノール樹脂(A)。前記ロジン変性フェノール樹脂(A)を含有する平版印刷用インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は、書籍、チラシ、カタログ、新聞等の印刷物に使用される平版印刷インキ(以下、「インキ」と略す。)に使用する樹脂に関することであり、特に、優れた光沢、耐摩擦性の印刷紙面を提供することができるロジン変性フェノール樹脂に関するものである。
近年印刷業界では、印刷時の省人、省力化、自動化、高速化の要求が高まってきおり、特に印刷スピードは益々高速化してきている。そして、様々な印刷条件下に於いてトラブルレスで長時間安定して高品位な印刷物が得られる印刷用インキが望まれており、インキメーカーでは種々の改良を実施してきている。
平版印刷インキは5〜100Pa・sの比較的粘度の高いインキである。平版印刷機の機構は、インキが印刷機のインキ壺から複数のローラーを経由して版面の画線部に供給され、湿し水を使用する平版印刷では非画線部に湿し水が供給され、湿し水無し平版印刷では非画線部がシリコン層でできておりインキを反発し紙上に画像が形成される。
特に、湿し水を使用した平版印刷においてはインキと湿し水との乳化バランスが重要であり、インキにおいても耐乳化性の高速印刷適性が求められている。インキは乳化量が高過ぎると非画線部にもインキが着肉し易くなり汚れが発生し、乳化量が少ないと絵柄の少ない印刷時には、インキ表面に湿し水が吐き出される為、ロール間のインキ転移や用紙へのインキ着肉性が悪くなり、安定して印刷する事が難しくなる。
高品位な印刷物が得られる印刷用インキとして、特に要望されているのが、高光沢、高耐摩擦インキである。
従来、印刷物の光沢を向上させる方法としては、石油系溶剤や植物油などを増やし、インキの粘度を下げて印刷表面の平滑性を向上させたり、低分子高溶解樹脂や石油樹脂などを使用してインキ系内の樹脂成分を増やすことによって、印刷紙へのインキの浸透を極力抑制してインキ被膜厚を維持させるなどの方法が用いられてきた。
しかしながら、インキ粘度を下げるために石油系溶剤や植物油を増やすと、インキのタック値が低下し、印刷機上でのローラー間転移が悪化する傾向にある。また、低分子高溶解樹脂や石油樹脂などを使用してインキ系内の樹脂成分を増やす処方は、インキのタック値が上がりすぎ、紙剥けが発生したり、乳化の制御が困難となりインキの印刷適性が阻害され、印刷適性を維持しながら印刷物の光沢を向上させるには限界があった。
上記の方法以外に、インキ系内の樹脂成分に対する溶解性が高い部類の石油系溶剤を用いることでインキ系内の相溶性を上げてインキの低粘度化や樹脂成分の高濃度化を図る方法もある。しかしながら、上記の石油系溶剤の樹脂に対する溶解性では光沢効果が十分に得られない。また、上記の石油系溶剤の多くは、人体への悪影響の大きい芳香族炭化水素が主成分であり、印刷において、印刷作業環境や大気汚染などの環境負荷の要因となることから、最近では使用を見合わせている。
また、インキ中に脂肪酸エステルを含有させることで、光沢の優れたオフセットインキ組成物が開発されている(特許文献1、2)。しかしながら、これらの方法では、脂肪酸エステルの紙への浸透制御が困難であり、印刷時に使用される用紙に制限が加えられたり、インキの乾燥性の点で十分満足できない状況がある。
一方、耐摩擦性の向上について、過去多くのワックスの検討がなされてきた。
特許文献3には融点が70〜85℃のイソパラフィン及びまたはシクロパラフィンを用いたワックスの添加について示されているが、これらのワックスはクーリングローラーへのインキの付着には効果があるが、乾燥後の紙面の耐摩擦性の向上については不十分である。
また、特許文献4には、特定の融点範囲及び粒子径範囲の分散型ポリエチレンワックスの添加による耐摩擦性の向上について示されているが、これらの粒子径範囲のワックスは、耐摩擦性の向上に効果があるものの、粒子径が大きいため、光沢の劣化やパイリングを誘発させる懸念があるため好ましくない。
また、特許文献5には、特定の粒子径範囲及び融点範囲及び真球度を持ったポリテトラフルオロエチレンワックスの添加による耐摩擦性の向上について示されているが、これらのワックスは、耐摩擦性の向上に大きな効果があるものの、パイリングを誘発する懸念があり、更にポリテトラフルオロエチレンワックスの添加は紙面が滑り易くなることから輸送時にスリップ事故を誘発しやすくさせる懸念があるため好ましくない。
インキに使用されるロジン変性フェノール樹脂についての改良も行われてきた。特許文献6では、ロジンと動植物油脂肪酸との混合物をモノアルコールで部分エステル化したモノエステル体に、多価アルコールおよびフェノールホルムアルデヒド初期縮合物を反応させる方法が公開されている。しかしながら、この方法では、エステル化にモノアルコールを使用することで、ロジンおよび動植物油脂肪酸とのエステル結合による架橋が行われず、分子量制御が困難となる。
また、特許文献7では、レゾ−ル型フェノール類・ホルムアルデヒド初期縮合物、ヨウ素価100以上の植物油、ロジン、多価アルコ−ルなどを反応させて得られる油変性ロジンフェノール樹脂が開示されており、特許文献5では、フェノール類、ホルムアルデヒド、ヨウ素価100以上の動植物油、ロジン、1価アルコ−ルおよび/または多価アルコ−ルなどを反応させて得られる油変性ロジンフェノール樹脂が開示されている。しかしながら、食用に用いられるバージンの植物油を用いることは、環境対応の観点から好ましくない。
特許文献8では、テルペン樹脂をマレイン化したカルボキシル基含有のテルペン樹脂類にロジン類およびポリオール類を反応させる方法が公開されている。極性基を含有させることで、顔料分散性を良化させ、流動性を向上させることについて示しているが、印刷物の光沢、耐摩擦性の向上までは至っていない。
特開2003−313482 特開2007−169574 特開2003−221536 特開2006−249280 特開2010−248286 特許4142470 特開昭57−2319 特開2008−138131
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、特に、印刷品質の向上であり、更には、光沢、耐摩擦性に優れるロジン変性フェノール樹脂に関するものである。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、以下に定める素材により作製したロジン変性フェノール樹脂を含有させた平版印刷インキは、印刷物の光沢性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ロジン類(a)と、レゾール型フェノール樹脂(b)と、再生処理した植物油(c)と、テルペン樹脂(d)と、ポリオール(f)とを仕込んで反応させてなるロジン変性フェノール樹脂に関する。
さらに、本発明は、
ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、
ロジン類(a)が5〜75重量%、
レゾール型フェノール樹脂(b)が15〜85重量%、
再生処理した植物油(c)が2〜30重量%、
テルペン樹脂(d)が1〜5重量%であることを特徴とする上記のロジン変性フェノール樹脂に関する。
さらに、本発明は、ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中のポリオール(f)が、0.1〜10重量%であることを特徴とする上記のロジン変性フェノール樹脂に関する。
さらに、本発明は、再生処理した植物油(c)が、飲食物の製造に用いた植物油を再生処理した植物油であることを特徴とする上記のロジン変性フェノール樹脂に関する。
さらに、本発明は、
ロジン変性フェノール樹脂が、さらに石油樹脂(e)を反応させてなる場合において、
ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、石油樹脂(e)が5〜20重量%であることを特徴とする上記のロジン変性フェノール樹脂に関する。
さらに、本発明は、上記のロジン変性フェノール樹脂を含有することを特徴とする平版印刷インキに関する。
さらに、本発明は、上記の平版印刷インキを、基材(g)に印刷してなる印刷物に関する。
本発明は、天然精油由来のテルペン樹脂を反応してなるロジン変性フェノール樹脂を含有する印刷インキを使用することで、環境対策がなされ、且つ、従来の条件下で印刷した場合でも光沢感があり、耐摩擦性に優れる印刷物を得ることが出来る印刷インキ用組成物の合成方法並びにそれを用いたインキの提供を目的とする。
まず、本発明のロジン類(a)について説明する。
本発明のロジン類(a)としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、該天然ロジンから誘導される重合ロジン、天然ロジンや重合ロジンを不均化または水素添加して得られる安定化ロジン、天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジンなどが上げられる。なお、不飽和酸変性ロジンとは、例えばマレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなど、またはこれらに対応する酸変性重合ロジンがあげられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のレゾール型フェノール樹脂(b)は、常法により得ることが出来る。合成方法の一例としては、フェノール類とアルデヒド類を仕込み、揮発性有機溶剤(キシレンなど)を添加し、金属酸化物触媒またはアルカリ触媒存在下で縮合反応させることにより得られる。フェノール類とアルデヒド類の比率が通常mol比で1〜4が好ましく、更に好ましくは1.5〜3であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物触媒の存在下または、有機アミンなどのアルカリ触媒の存在下で常圧または加圧下で付加・縮合して得られる各種公知の縮合物が用いられる。フェノール類としては、フェノール水酸基を持つすべての芳香族化合物が使用でき、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、ビスフェノールA、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール等が挙げられるが、中でもアルキル置換したフェノール類が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等があげられる。
本発明における再生処理した植物油(c)とは、回収、再生処理された植物油ものことである。再生植物油としては、含水率を0.3重量%以下、ヨウ素価を90以上、酸価を3以下として再生処理した油が好ましく、より好ましくはヨウ素価100以上である。含水率を0.3重量%以下にすることにより水分に含まれる塩分等のインキの乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能となり、ヨウ素価を90以上として再生することにより、乾燥性、すなわち酸化重合性の良いものとすることが可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して再生することにより、インキの過乳化を抑制することが可能となる。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置による沈殿物の除去、および活性白土等による脱色といった方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
再生植物油に用いられるバージンの植物油とは、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が、炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリライドである。例として、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油等が挙げられる。本発明において、さらに好適な植物油を挙げるとすれば、そのヨウ素価が少なくとも90以上である植物油が好ましく、さらにヨウ素価が100以上の植物油がより好ましい。ヨウ素価を100以上とすることで、植物油分子中の反応点が増し、高分子量化に有利となる。
本発明におけるテルペン樹脂(d)は市販のものを適宜使用することが可能であり、ヤスハラケミカル(株)製YSレジンPX1250、YSレジンPX1150、YSレジンPX1000、YSレジンPX800が挙げられる。
本発明における酸触媒とはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸等が例示できる。
本発明において使用される石油樹脂(e)の成分としては、ナフサを分解した際の炭素数の多い不飽和化合物を重合したものであり、C5留分を原料とする脂肪族系、C9留分を原料とする芳香族系、シクロペンタジエン(ジシクロペンタジエン)を原料とする脂環族系、さらにC5留分とC9留分を原料とした共重合系があり、重量平均分子量が500〜100000 程度のものが一般的である。C5留分としては、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、ペンテン類、ペンタン類等、C9留分としては、ビニルトルエン、インデン、ジシクロペンタジエン等が挙げられ、それぞれ触媒の存在下あるいは無触媒で熱重合して得られるものである。触媒としてはフリーデルクラフト型のルイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素およびそのフェノール、エーテル、酢酸等との錯体が通常使用される。アリルアルコール、酢酸ビニルエステル等を共重合して得ることも可能であるし、得られた石油樹脂に無水マレイン酸、アクリル酸等を付加することも可能である。
上記石油樹脂は市販のものを適宜使用することが可能であり、脂肪族系石油樹脂としては、日本ゼオン社製クイントンA100、クイントンB170、クイントンK100、クイントンM100、クイントンR100、クイントンC200S、丸善石油化学社製マルカレッツT−100AS、マルカレッツR−100AS、芳香族系石油樹脂としては、JX日鉱日石エネルギー社製ネオポリマーL−90、ネオポリマー120、ネオポリマー130、ネオポリマー140、ネオポリマー150、ネオポリマー170S、ネオポリマー160、ネオポリマーE−100、ネオポリマーE−130、ネオポリマー130S、ネオポリマーS、東ソー社製ペトコールLX、ペトコールLX−HS、ペトコール100T、ペトコール120、ペトコール120HS、ペトコール130、ペトコール140、ペトコール140HM、ペトコール140HM5、ペトコール150、ペトコール150AS、共重合系石油樹脂としては、日本ゼオン社製クイントンD100、クイントンN180、クイントンP195N、クイントンS100、クイントンS195、クイントンU185、クイントンG100B、クイントンG115、クイントンD200、クイントンE200SN、クイントンN295、東ソー社製ペトロタック60、ペトロタック70、ペトロタック90、ペトロタック100、ペトロタック100V、ペトロタック90HM、DCPD系石油樹脂としては、丸善石油化学社製マルカレッツM−890A、マルカレッツM−845A、日本ゼオン社製クイントン1325、クイントン1345、クイントン1500、クイントン1525L、クイントン1700等が挙げられる。
また、本発明では、ロジン変性フェノール樹脂(A)の高分子量化のために、ポリオール(f)を使用することができる。ポリオール(f)の水酸基はロジン類(a)のカルボン酸とエステル化反応し、高分子量化する。ポリオール(f)はポリオール中の水酸基がロジン類(a)中のカルボン酸基1モルに対して0.1〜1.5モル、好ましくは0.3〜1.2モルの範囲が反応制御上好ましい。
本発明で使用されるポリオールは、ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中、0.2〜20重量%が好ましい。0.2重量%を下回ると、印刷インキに必要な分子量の樹脂を得ることが困難になり、20重量%を上回ると、未反応ポリオールが樹脂中に残存し、インキ化し印刷した場合に非画線部汚れなどが発生する。
ポリオール(e)としては、特に限定されないが、2価アルコールとして、直鎖状アルキレン2価アルコールである1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等が、分岐状アルキレン2価アルコールである2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ジメチルペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が、環状アルキレン2価アルコールである1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、水添カテコール、水添レゾルシン、水添ハイドロキノン等、さらにポリエチレングリコール(n=2〜20)、ポリプロピレングリコール(n=2〜20)、ポリテトラメチレングリコール(n=2〜20)等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等を例示することができる。
さらに、3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、ジグリセリン、ジトリメチロ−ルプロパン、ジペンタエリスリト−ル、ソルビトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。
上記エステル化反応は、常法に従って行うことができる。通常150℃から300℃の範囲で行われるが、使用する化合物の沸点および反応性を考慮して決定することができる。
本発明において、ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、ロジン類(a)が5〜75重量%およびレゾール型フェノール樹脂(b)が15〜85重量%であることが好ましい。ロジン類(a)が5重量%未満で、レゾール型フェノール樹脂(b)が85重量%を上回ると、ゲル化し易くなり反応制御が困難となる。また、ロジン類(a)が75重量%を上回り、レゾール型フェノール樹脂(b)が15重量%未満であると、インキに必要な粘度および弾性を得られなくなる。
再生処理した植物油(c)については、ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、植物油(c)が2〜30重量%であること好ましく、より好ましくは7〜25重量%である。2重量%未満であると、印刷物の光沢向上の効果が得られず、25重量%を上回ると、インキに必要な粘度および弾性を得ることができない。
本発明でのテルペン樹脂(d)については、ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、テルペン樹脂(d)1〜5重量%が好ましい。1重量%未満であると、印刷物の耐摩擦性と光沢向上の効果が得られず、5重量%を上回ると、ゲル化し易くなり反応制御が困難となる。
本発明では、インキの流動性を向上させるため、石油樹脂(e)を使用することができる。本発明で使用される石油樹脂(e)は、ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中、5〜30重量%が好ましく、より好ましくは7〜30重量%である。5重量%未満であると、インキに十分な流動性が得られなくなり、30重量%を上回ると、インキに必要な粘度および弾性を得ることができない。
本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法としては、例えば反応釜にロジン類(a)、再生処理した植物油(c)、テルペン樹脂(d)、石油樹脂(e)を120〜260℃で加熱溶融し、そこにレゾール型フェノール樹脂(b)を添加し、180〜300℃で1〜30時間反応させる。その後、ポリオール(f)を添加し、150〜300℃で1〜10時間ロジン類とエステル化反応させ,酸価80以下で酸触媒を添加し20〜30時間反応させる方法がある。
上記の方法によって得られたロジン変性フェノール樹脂(A)の重量平均分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量(ポリスチレン換算)は5,000〜300,000程度のものが好ましく、より好ましくは10,000〜150,000である。5,000未満であるとインキの粘度が低く、ミスチング等が発生し易くなり、300,000以上であると樹脂の溶解性が悪くなる為、インキの流動性が劣化し、光沢等が悪くなる。樹脂の溶解性については、0号ソルベントH(JX日鉱日石エネルギー社製)を用い、樹脂/0号ソルベントH=2g/18gを200℃で加熱溶解させ、温度を徐々に下げ、白濁する温度を測定する。白濁する温度が低い方が樹脂と溶剤の相溶性が良好であり、30〜170℃程度のものが好ましい。
こうして得られたロジン変性フェノール樹脂(A)に、必要に応じて植物油類、インキ用石油系溶剤、ゲル化剤を加えて加熱溶解させて平版印刷インキ用ワニスを製造することができる。
平版印刷インキ用ワニスに用いられる植物油類としては、各種公知のものを限定無く使用することができる。具体的には例えば、亜麻仁油、桐油、大豆油、サフラワー油、脱水ひまし油、または、これら植物油の熱重合油、酸化重合油がある。また、亜麻仁油脂肪酸メチル、大豆油脂肪酸メチル、亜麻仁油脂肪酸エチル、大豆油脂肪酸エチル、亜麻仁油脂肪酸プロピル、大豆油脂肪酸プロピル、亜麻仁油脂肪酸ブチル、大豆油脂肪酸ブチル、亜麻仁油脂肪酸イソブチル、大豆油脂肪酸イソブチル等といった、前述の植物油類のモノエステルが上げられる。これらは単独で用いても2種類以上を適宜併用しても良い。さらに、前述の再生処理した植物油(c)を植物油類として使用することができる。
平版印刷インキ用ワニスに用いられる平版印刷インキ用石油系溶剤としては、従来公知の印刷インキ用溶剤を特に限定無く使用することができる。具体的には例えば、JX日鉱日石エネルギー社製の0号ソルベント、4号ソルベント、5号ソルベント、6号ソルベント、7号ソルベント等があげられる。これらは単独で用いても、2種類以上を適宜併用しても良い。特に環境対策として、芳香族炭化水素の含有率が1重量%以下であるアロマフリーソルベントを使用することが好ましい。
前記ゲル化剤としては、例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジプロポキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムジブトキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテートなどの各種公知な物を使用できる。
平版印刷インキ用ワニスのロジン変性フェノール樹脂(A)、植物油類、石油系溶剤、ゲル化剤の組成比率としては、用途に応じて適宜それぞれ適宜決定すればよいが、通常ロジン変性フェノール樹脂の割合は5〜60重量%程度、植物油類の割合は、0〜80重量%程度、石油系溶剤の割合は、0〜80重量%程度、ゲル化剤の割合は0〜4重量%程度、好ましくは0〜3%程度である。また、本発明以外の方法により製造したロジン変性フェノール樹脂や、石油樹脂等を併用することもできる。
この平版印刷インキワニス、顔料、石油系溶剤および添加剤により平版印刷インキが製造される。本発明で使用される顔料としては、酸化チタンなどの白顔料、ミネラルファーネスイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS,ハンザイエローG,キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG,タートラジンレーキなどの黄顔料、インダスレンブリリアントオレンジRK、ピラゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどの橙色顔料、パーマネントレッド4R、リオノールレッド、ピラロゾンレッド、ウオッチングレッツドカルシウム塩、レーキレッドD,ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどの赤色顔料、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどの青色顔料、ピグメントグリーンB、マラカイドグリーンレーキ、ファイナスイエリーグリーンGなどの緑色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラックなどの黒色顔料などが挙げられる。
また、平版印刷インキ中への、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができ、必要に応じて、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、等を添加してもよい。
本発明の平版印刷インキの組成の一例としては、
・本発明により製造されるロジン変フェノール樹脂(A) 5〜60重量%
・植物油類(再生処理した植物油(c)を含む) 0〜80重量%
・石油系溶剤 0〜80重量%
・ゲル化剤 0〜4重量%
・顔料 5〜40重量%
・その他の樹脂 0〜40重量%
・その他添加剤 1〜5重量%
などが好ましい組成として挙げられる。その他の樹脂とは、一般的に平版印刷インキ組成物に用いられるロジン変性フェノール樹脂あるいは石油系樹脂あるいはアルキッド樹脂を表す。VOCフリータイプのインキとして使用する際には、上記組成において、石油系溶剤を0重量%とする。この際、必要に応じて脂肪酸モノエステル化合物を0〜60重量%含有しても差し支えない。
本発明において、基材(g)としては、平版印刷に用いられる用紙を特に限定無く使用することができる。具体的には、アート紙、コート紙、キャスト紙などの塗工紙や上質紙、中質紙、新聞用紙などの非塗工紙、ユポなどの合成紙が選択される。
本発明によって得られたロジン変性フェノール樹脂(A)を含有したインキの印刷方法としては、一般的なオフセット印刷であれば特に限定されることは無いが、例えば、酸化重合型の枚葉印刷、乾燥機を備えたオフ輪印刷、浸透乾燥方式の新聞印刷、湿し水を使用しない水無し印刷などが挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、特に断らない限り、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。また、
本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC−8220。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。
本発明において、酸価は中和滴定法によって測定した。測定方法としては、ロジン変性フェノール樹脂1gをキシレン:エタノール=2:1の重量比で混合した溶媒20mlに溶解させた。その後、指示薬として3重量%のフェノールフタレイン溶液を3ml加え、0.1mol/lの水酸化カリウム水溶液で中和滴定した。単位はmgKOH/gである。
本発明において、ヨウ素価はJISK0070に準じて測定される。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例1)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにオクチルフェノール1000部、92%パラホルムアルデヒド316部、98%水酸化カルシウム15部、キシレン478部を加えて、90℃で5時間反応させる。その後キシレン383部、水道水215部を加え、98%硫酸を16部滴下した。撹拌、静置後、上層部を取り出し、不揮発分60%のレゾール型フェノール樹脂のキシレン溶液を得て、これをレゾール液Aとした。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例2)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにブチルフェノール1000部、92%パラホルムアルデヒド526部、98%水酸化カルシウム5部、キシレン533部を加えて、90℃で5時間反応させる。その後キシレン428部、水道水240部を加え、98%硫酸を6部滴下した。撹拌、静置後、上層部を取り出し、不揮発分60%のレゾール型フェノール樹脂のキシレン溶液を得て、これをレゾール液Bとした。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例3)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにオクチルフェノール745部、ブチルフェノール255部、92%パラホルムアルデヒド405部、98%水酸化カルシウム13部、キシレン508部を加えて、90℃で5時間反応させる。その後キシレン408部、水道水229部を加え、98%硫酸を13部滴下した。撹拌、静置後、上層部を取り出し、不揮発分60%のレゾール型フェノール樹脂のキシレン溶液を得て、これをレゾール液Cとした。
(樹脂合成の実施例1)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン100部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油50部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)50部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)150部を添加した。レゾール液A640部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン10部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸を0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)76000、酸価15の樹脂1を得た。
(樹脂合成の実施例2)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン700部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油50部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)20部を添加した。レゾール液B200部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン30部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)86000、酸価16の樹脂2を得た。
(樹脂合成の実施例3)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン200部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油30部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)30部を添加した。レゾール液C710部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン30部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)70000、酸価20の樹脂3を得た。
(樹脂合成の実施例4)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油150部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)50部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)100部を添加した。レゾール液A150部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン50部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)60000、酸価20の樹脂4を得た。
(樹脂合成の実施例5)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン400部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油20部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)40部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)100部を添加した。レゾール液B400部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン40部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)66000、酸価20の樹脂5を得た。
(樹脂合成の実施例6)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン300部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油270部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)30部を添加した。レゾール液C370部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン30部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)77000、酸価17の樹脂6を得た。
(樹脂合成の実施例7)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン400部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油50部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)10部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)100部を添加した。レゾール液B400部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン40部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)70000、酸価18の樹脂7を得た。
(樹脂合成の実施例8)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン400部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油50部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)50部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)100部を添加した。レゾール液A350部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン50部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)80000、酸価19の樹脂8を得た。
(樹脂合成の実施例9)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン380部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油100部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)30部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)50部を添加した。レゾール液C410部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン30部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)74000、酸価17の樹脂を得た。
(樹脂合成の実施例10)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン280部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油100部(丸正社製)、テルペン樹脂「YSレジンPX1250(商品名)」(ヤスハラケミカル(株)製)30部、石油樹脂「ペトコール120(商品名)」(東ソー(株)製)200部を添加した。レゾール液C360部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温さる。250℃でグリセリン30部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)77000、酸価17の樹脂10を得た。
(樹脂合成の比較例A)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン640部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液A300部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン60部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)50000、酸価18の樹脂Aを得た。
(樹脂合成の比較例B)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン540部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、再生植物油50部(丸正社製)を添加した。レゾール液B360部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン50部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)69000、酸価18の樹脂Bを得た。
(樹脂合成の比較例C)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン520部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、石油樹脂「ペトコール120T(商品名)」(東ソー(株)製)を100部添加した。レゾール液C320部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン60部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)60000、酸価19の樹脂Cを得た。
(樹脂合成の比較例D)
撹拌機、水分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン500部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、(株)丸正製再生植物油100部、石油樹脂「ペトコール120T(商品名)」(東ソー(株)製)を100部添加した。レゾール液A250部(固形分60%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン50部を仕込み無触媒で酸価70mg/KOHになるまで3時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.1部仕込み、更に10時間反応させた。重量平均分子量(Mw)72000、酸価15の樹脂Cを得た。
樹脂合成の実施例1〜10、比較例A〜Dの樹脂のロジン変性フェノール樹脂の固形分重量%での配合組成、並びに樹脂の性状である重量平均分子量および、酸価を表1に示す。
Figure 2014181313
<ワニスの実施例、比較例>
撹拌機、水分離器付還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコに、それぞれ、樹脂合成の実施例1〜10および比較例A〜Dで得られたロジン変性フェノール樹脂(樹脂1〜10、樹脂A〜D)、大豆油、石油系溶剤(JX日鉱日石エネルギー社製AFソルベント7)、ゲル化剤(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を表2のような配合組成で仕込み、窒素ガスを吹き込みながら190℃にて1時間加熱撹拌してワニス(ワニス1〜3、ワニスA〜D)を製造した。
Figure 2014181313
<平版印刷インキの実施例、比較例>
前記方法で得られたワニス1〜10、ワニスA〜Dのそれぞれと、カーボン顔料三菱カーボンMA7(三菱化学製)と、石油系溶剤(JX日鉱日石エネルギー社製AFソルベント7)とを、表3の配合組成にて、常法に従い三本ロールを用いて練肉分散し、実施例1〜10、比較例A〜Dのインキを得た。
Figure 2014181313
実施例および比較例で得られた平版印刷インキについて、下記の方法で光沢値、耐摩擦性を評価した。評価結果を表5に示す。
<光沢値の評価>
光沢値は、プルーフバウ多目的印刷適性試験機(リプロテスト・プロダクシ−・ビー・ヴィ製)にて、三菱製紙社製パールコートNに同一濃度に展色し、光沢計グロスメーターモデルGM−26((株)村上色彩技術研究所製)にて60°光沢を測定した。数値が高い程、光沢が良いことを表す。
(評価基準) 1:65以上、2:60以上〜65未満、3:55以上〜60未満、4:50以上〜55未満、5:50未満
本発明においては、光沢値55以上が求める性能である。
<耐摩擦性の評価>
上記光沢試験で得られた印刷物について、白紙(三菱製紙株式会社製パールコートN)を印刷面上に当て、学振型摩擦堅牢度試験機(テスタ−産業(株)製)にて重り1Kgで20往復摩擦をかけ、目視により印刷面上に当てた白紙へのインキの取られ度合いを観察し、表4の評価基準に基いて5段階の相対評価を実施した。
Figure 2014181313
Figure 2014181313
表5の実施例1、4、8、9、10と比較例1〜4の結果から明らかなように、再生植物油、テルペン樹脂並びに石油樹脂を添加したロジン変性フェノール樹脂を用いたインキは光沢並びに耐摩擦性の評価が良好である。これに対し石油樹脂は未添加の実施例2、3、6は流動性が落ちるために光沢値、耐摩擦性が劣る。また再生植物油、テルペン樹脂並びに石油樹脂を添加した場合でも、実施例5、7のように再生植物油、テルペン樹脂の添加量が少ない場合には光沢値、耐摩擦製が劣る。

Claims (7)

  1. ロジン類(a)と、レゾール型フェノール樹脂(b)と、再生処理した植物油(c)と、テルペン樹脂(d)と、ポリオール(f)とを仕込んで反応させてなるロジン変性フェノール樹脂。
  2. ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、
    ロジン類(a)が5〜75重量%、
    レゾール型フェノール樹脂(b)が15〜85重量%、
    再生処理した植物油(c)が2〜30重量%、
    テルペン樹脂(d)が1〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載のロジン変性フェノール樹脂。
  3. ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中のポリオール(f)が、0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項1または2記載のロジン変性フェノール樹脂。
  4. 再生処理した植物油(c)が、飲食物の製造に用いた植物油を再生処理した植物油であることを特徴とする1〜3いずれか記載のロジン変性フェノール樹脂。
  5. ロジン変性フェノール樹脂が、さらに石油樹脂(e)を反応させてなる場合において、
    ロジン変性フェノール樹脂全仕込量中の、石油樹脂(e)が5〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のロジン変性フェノール樹脂。
  6. 請求項1〜5いずれか記載のロジン変性フェノール樹脂を含有することを特徴とする平版印刷インキ。
  7. 請求項6記載の平版印刷インキを、基材(g)に印刷してなる印刷物。
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