JP5482287B2 - 平版印刷インキ用樹脂の製造方法および平版印刷インキ - Google Patents

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Description

本発明は、書籍、チラシ、カタログ等の印刷物に使用される平版印刷インキ(以下、「インキ」と略す。)に関するものであり、特に、インキの流動性を損なうことなく粘弾性を高めることができ、印刷時に発生するミスチングを向上すると共に、優れた印刷紙面を提供することができる平版印刷インキ用樹脂の製造方法およびそれを含有させた平版印刷インキに関するものである。
近年印刷業界では、印刷時の省人、省力化、自動化、高速化の要求が高まってきおり、特に印刷スピードは益々高速化してきている。そして、様々な印刷条件下に於いてトラブルレスで長時間安定して高品位な印刷物が得られる印刷用インキが望まれており、インキメーカーでは種々の改良を実施してきている。
平版印刷インキは10〜100Pa・s程度の比較的粘度の高いインキである。平版印刷機の機構はインキが印刷機のインキ壺から複数のローラーを経由して版面の画線部に供給され、水あり印刷では非画線部に湿し水が供給され水無し印刷では非画線部がシリコン層でできておりインキを反発し紙上に画像が形成される。
特に、湿し水を使用した平版印刷においては、インキと水との乳化バランスが重要であり、インキの乳化量が高過ぎると非画線部にもインキが着肉し易くなり汚れが発生し、乳化量が少ないと、絵柄の少ない印刷時には、インキ表面に水が吐き出される為、ロール間のインキ転移や用紙へのインキ着肉性が悪くなり、安定して印刷する事が難しくなる。
またオフ輪印刷は、枚葉印刷と比べると数倍の印刷速度があるために、印刷機のインキ練りローラー間からのインキの飛散(ミスチング)が発生しやすくなる。
酸触媒をロジン変性フェノール樹脂のエステル合成触媒として、使用することは一般的に行われているが、ポリオールと同時に添加するのが通常である。しかし、酸触媒を添加すると、ロジン類のカルボシキル基が脱炭酸反応により分解され、ポリオールと十分に反応する前にカルボキシル基が失われ高分子・高粘度の樹脂になりにくい。また、特公平1−25517には、ポリオールを使用せずにロジン類のカルボキシル基にレゾールのOH基を直接エステル化する方法が示されているが、やはり高分子・高粘度の樹脂を合成するのは難しい。特開平7−70269には、酸価40mgKOH/g以下でテレビン油とフェノール性OH基を酸触媒で反応させる方法が記載されているが、テレビン油を完全に反応させる事は難しく、また、構造上アルキル鎖が増えミスチングが悪くなる等の問題が発生する。
特公平1−25517号公報 特開平7−70269号公報
本発明は、インキの乳化バランスが良好で、様々な印刷条件化で長時間安定した印刷が出来、ミスチングの発生を抑え、光沢感のある高品質の印刷物を得ることが出来る平版印刷インキ用樹脂の製造方法およびそれを含有させた平版印刷インキの提供を目的とする。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、特定の製造方法により作成したロジン変性フェノール樹脂を含有させた平版印刷インキを使用した場合には、インキの流動性、印刷時のミスチングおよび印刷物の光沢性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)ロジン類100重量部、(b)レゾール型フェノール樹脂が30〜90重量部および(c)ポリオールを、酸価が45〜80(mgKOH/g)になるまで反応させた後、酸触媒を添加する事を特徴とするロジン変性フェノール樹脂の製造方法であって、
(b)レゾール型フェノール樹脂が、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との縮合物であり、
フェノール類(P)が、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、ビスフェノールA、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノールのいずれかであるロジン変性フェノール樹脂の製造方法に関するものである。
さらに、本発明は、上記の製造方法により合成させてなる事を特徴とするロジン変性フェノール樹脂に関するものである。
また、本発明は、上記のロジン変性フェノール樹脂を含有する事を特徴とする平版印刷インキに関するものである。
さらに、本発明は、上記の平版印刷インキを印刷してなる印刷物に関するものである。
本発明の平版印刷インキ用樹脂の製造方法およびそれを含有させた平版印刷インキは、樹脂を高分子量することが出来、ミスチングの発生を抑え、様々な印刷条件化で長時間安定した印刷を行う事が出来、光沢感のある高品質の印刷物が得られる。
最初に、本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法について説明する。本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法は、(a)ロジン類と(b)レゾール型フェノール樹脂と(c)ポリオールを反応させてなるロジン変性フェノール樹脂において、酸価80以下で酸触媒を添加して反応させる事を特徴とする。
本発明の(a)ロジン類としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、該天然ロジンから誘導される重合ロジン、天然ロジンや重合ロジンを不均化または水素添加して得られる安定化ロジン、天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジンなどが上げられる。なお、不飽和酸変性ロジンとは、例えばマレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなど、またはこれらに対応する酸変性重合ロジンがあげられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の(b)レゾール型フェノール樹脂としては、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)の比率が通常P/Fがmol比で1/4〜1/1が好ましく、更に好ましくは1/3〜2/3であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物触媒の存在下または、有機アミンなどのアルカリ触媒の存在化で常圧または加圧下で付加・縮合して得られる各種公知の縮合物が用いられる。
フェノール類としては、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、ビスフェノールA、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、および、p−ドデシルフェノールのいずれかであるが、中でもアルキル置換したフェノール類が好ましい。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等があげられる。
本発明の(c)ポリオールとしては、特に限定されないが、ペンタエリスリトール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなどが上げられる。
本発明の酸価80(mgKOH/g)以下で添加される酸触媒としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸等であり、これらの酸触媒を使用して、150℃以上に加熱する必要がある。しかし、このような条件では反応物が容易に着色する為、還元剤である次亜燐酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート等を併用する事がある。
酸価が80以下にならないうちに酸触媒を添加すると、残存するロジン類のカルボキシル基が脱炭酸され失われる為、ロジン類とポリオール類が十分に反応を起こさず、高分子量の樹脂を合成できない為、インキのミスチング等が悪くなる。
本発明のロジン変性フェノール樹脂は、(a)ロジン類100重量部に対して、(b)レゾール型フェノール樹脂は固形分として30〜90重量部が好ましい。レゾール型フェノール樹脂が90重量部を超えると、合成樹脂がゲル化し易くなり反応制御が難しくなり、30重量部未満であると印刷インキに適切なインキ粘度が得られなくなる。(c)ポリオールについては、ロジン類に含まれるCOOH基に対して、OH基が0.3〜1.5mol程度が好ましく、更に好ましくは、0.4〜1.3mol程度である。1.5mol以上であると適切な樹脂の溶解性が得られずインキの流動性が劣化し0.3mol未満であると適切なインキ粘度が得られなくなる。
本発明のロジン変性フェノール樹脂の製造方法としては、例えば反応釜に(a)ロジン類を120〜260℃で加熱溶融し、そこに(b)レゾール型フェノール樹脂添加し、1〜10時間反応させる。その後220〜280℃で、(c)ポリオールを添加し1〜10時間ロジン類とエステル化反応させ、酸価80以下で、好ましくは酸価80〜45の間で上記の酸触媒を添加し、2〜20時間反応させる方法がある。
酸価が80以下にならないうちに酸触媒を添加すると、残存するロジン類のカルボキシル基が脱炭酸され失われる為、ロジン類とポリオール類が十分に反応を起こさず、高分子量の樹脂を合成できない為、インキのミスチング等が悪くなる。
酸価45以下では、ある程度高分子量化した樹脂が更に反応が進む為、さらなる高分子量化が進み、ミスチングは良好だが、さらなる高分子量化により溶解性を維持した樹脂が得られずインキの光沢が劣化する。
上記の方法によって得られたロジン変性フェノール樹脂(合成樹脂樹脂A)の重量平均分子量は特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は10,000〜150,000程度のものが好ましい。10,000未満であるとインキの粘度が低くミスチング等の発生し易くなり、150,000以上であると樹脂の溶解性が悪くなる為、インキの流動性が劣化し、光沢等が悪くなる。樹脂の溶解性については、0号ソルベントH(新日本石油製)を用い、樹脂/0号ソルベントH=2g/18gを200℃で加熱溶解させ、温度を徐々に下げて、白濁する温度が低い方が樹脂と溶剤の相溶性が良好であり、20〜150℃程度のものが好ましい。
こうして得られたロジン変性フェノール樹脂に、必要に応じて植物油類、インキ用石油系溶剤、ゲル化剤を加えて加熱溶解させて平版印刷インキ用ワニスを製造することができる。
平版印刷インキ用ワニスに用いられる植物油類としては、各種公知のものを限定無く使用することができる。具体的には例えば、亜麻仁油、桐油、大豆油、サフラワー油、脱水ひまし油、または、これら植物油の熱重合油、酸化重合油がある。また、亜麻仁油脂肪酸メチル、大豆油脂肪酸メチル、亜麻仁油脂肪酸エチル、大豆油脂肪酸エチル、亜麻仁油脂肪酸プロピル、大豆油脂肪酸プロピル、亜麻仁油脂肪酸ブチル、大豆油脂肪酸ブチル、亜麻仁油脂肪酸イソブチル、大豆油脂肪酸イソブチル等と言った、前述の植物油類のモノエステルが上げられる。これらは単独で用いても2種類以上を適宜併用しても良い。
平版印刷インキ用ワニスに用いられる平版印刷インキ用石油系溶剤としては、従来公知の印刷インキ用溶剤を特に限定無く使用することができる。具体的には例えば、新日本石油(株)製の0号ソルベント、4号ソルベント、5号ソルベント、6号ソルベント、7号ソルベント、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号等があげられる。これらは単独で用いても、2種類以上を適宜併用しても良い。特に環境対策として、芳香族炭化水素の含有率が1重量%以下であるアロマフリーソルベントを使用することが好ましい。
前記ゲル化剤としては、例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジプロポキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムジブトキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテートなどの各種公知な物を使用できる。
平版印刷インキ用ワニスのロジン変性フェノール樹脂、植物油類、石油系溶剤、ゲル化剤の組成比率としては、用途に応じて適宜それぞれ適宜決定すればよいが、通常ロジン変性フェノール樹脂の割合は5〜60重量%程度、植物油類の割合は、0〜80重量%程度、石油系溶剤の割合は、0〜80重量%程度、ゲル化剤の割合は0〜4重量%程度、好ましくは0〜3%程度である。また、合成樹脂Aと、一般的に平版印刷インキに用いられるロジン変性フェノール樹脂(本発明以外の方法により製造したものあるいは上記重量平均分子量以外のもの)や、石油樹脂等を併用することもできる。
この平版印刷インキワニス、顔料、石油系溶剤および添加剤により平版印刷インキが製造される。
本発明で使用される顔料としては、酸化チタンなどの白顔料、ミネラルファーネスイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS,ハンザイエローG,キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG,タートラジンレーキなどの黄顔料、インダスレンブリリアントオレンジRK、ピラゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどの橙色顔料、パーマネントレッド4R、リオノールレッド、ピラロゾンレッド、ウオッチングレッツドカルシウム塩、レーキレッドD,ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどの赤色顔料、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどの青色顔料、ピグメントグリーンB、マラカイドグリーンレーキ、ファイナスイエリーグリーンGなどの緑色顔料、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラックなどの黒色顔料などが挙げられる。
また、平版印刷インキ中への、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができ、必要に応じて、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、等を添加してもよい。
本発明の平版印刷インキの組成の一例としては、
・本発明により製造されるロジン変性フェノール樹脂 5〜60重量%
・植物油類 0〜80重量%
・石油系溶剤 0〜80重量%
・ゲル化剤 0〜 4重量%
・顔料 5〜40重量% ・その他の樹脂 0〜40重量%
・その他添加剤 0〜 5重量%
などが好ましい組成として挙げられる。
その他の樹脂とは、一般的に平版印刷インキ組成物に用いられるロジン変性フェノール樹脂あるいは石油系樹脂あるいはアルキッド樹脂を表す。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
また、本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC−8020。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにノニルフェノール1000部、92%パラホルムアルデヒド350部、93%水酸化ナトリウム60部、キシレン900部を加えて、90℃で3時間反応させる。その後水道水1000部を加え、塩酸を滴下しpH6付近に調整した。撹拌、静置後、上層部を取り出し、不揮発分53%のレゾールタイプフェノール樹脂のキシレン溶液を得て、これをレゾール液Aとした。
(樹脂合成の実施例1)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン600部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記で製造したレゾール液A755部(固形分53%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン55部を仕込み無触媒で酸価が75mgKOH/gになるまで4時間時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸を1.5部仕込み、更に11時間反応させた。重量平均分子量(Mw)70000、酸価18の樹脂Aを得た。
(樹脂合成の実施例2)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン600部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記で製造したレゾール液A755部(固形分53%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン55部を仕込み無触媒で酸価が45mgKOH/gになるまで13時間時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸を1.5部仕込み、更に5時間反応させた。重量平均分子量(Mw)90000、酸価17の樹脂Bを得た
樹脂合成の比較例1)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン600部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記で製造したレゾール液A755部(固形分53%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン55部と触媒としてp−トルエンスルホン酸を1.5部仕込み、(この時の酸価は100mgKOH/g)16時間反応させた。重量平均分子量(Mw)25000、酸価17の樹脂Dを得た。
(樹脂合成の比較例2)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン600部を窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記で製造したレゾール液A755部(固形分53%)を200℃で5時間かけて滴下後、キシレンを除去しながら250℃に昇温させる。250℃でグリセリン55部を仕込み無触媒で酸価が90mgKOH/gになるまで1.5時間時間反応させた後、触媒としてp−トルエンスルホン酸を1.5部仕込み、更に15時間反応させた。重量平均分子量(Mw)30000、酸価17の樹脂Eを得た。
(平版印刷インキ用のワニス製造例)
撹拌機、水分離器付還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコに、樹脂、大豆油、石油系溶剤(新日本石油(株)製AFソルベント7)、ゲル化剤(川研ファインケミカル(株)製ALCH)、を表1のような配合組成で仕込み、窒素ガスを吹き込みながら190℃にて1時間加熱撹拌して平版印刷インキ用ワニスを製造した。実施例として、ワニスA、ワニスB、比較例としてワニスD、ワニスEを得た。
Figure 0005482287

(平版印刷インキの製造例)
前記方法で得られた平版印刷インキ用のワニス(A,B,D、E)と、カーボン顔料ミツビシカーボンMA7(三菱化学製)と、石油系溶剤(新日本石油(株)製AFソルベント7)を、表2の配合組成にて、常法に従い三本ロールを用いて練肉分散し、表2のインキを得た。
Figure 0005482287

(性能評価試験)
前記実施例及び比較例の平版印刷インキ組成物の性能評価結果を表3に示す。
Figure 0005482287

実施例及び比較例で得られた組成物について、下記の方法でミスチングと光沢値を評価した。
<ミスチングの評価>
インコメーター式ミスチング試験機にインキ1.5ccをのせて、1800回転で2分間回転させた。回転に伴いインキが飛び回転体の真下においた紙(幅15cm長さ30cm)の重量の増加でミスチングの優劣を比較した。ミスチングが悪い場合はインキの飛ぶ量が増加し、紙の重量が増える。評価基準は、以下の通りである。
(評価基準)
紙の重量増が 0.1g未満:○
0.1g以上:×
<光沢値の評価>
光沢値は、プルーフバウ展色機にて、三菱製紙社製パールコートに同一濃度に展色し、光沢計グロスメーターモデルGM−26((株)村上色彩技術研究所製)にて60°光沢を測定した。数値が高い程、光沢が良いことを表す。評価基準は、以下の通りである。
(評価基準)
光沢値60以上 :○
光沢値50以上60未満:△
光沢値50未満 :×
<流動性の測定方法>
2.1ccを半球状の窪みのついた金属板にインキを入れ、15分間静置させた後、60度に傾け10分間で流れた長さを測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。値が高いほどインキのしまりが少なく、流動性が良好であることを示す。評価基準は、以下の通りである。
(評価基準)
流れた長さ80mm以上 :○
流れた長さ70mm以上〜80mm未満:△
流れた長さ70mm未満 :×
表3のように、酸触媒添加時の酸価が、75のインキAと、酸価が、45のインキBはミスチング、光沢、流動性がすべて良好だが、酸価が、80より大きな値であるインキDとインキEは、ミスチングと流動性が悪い結果であった。

Claims (4)

  1. (a)ロジン類100重量部、(b)レゾール型フェノール樹脂が30〜90重量部および(c)ポリオールを、酸価が45〜80(mgKOH/g)になるまで反応させた後、酸触媒を添加する事を特徴とするロジン変性フェノール樹脂の製造方法であって、
    (b)レゾール型フェノール樹脂が、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との縮合物であり、
    フェノール類(P)が、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、ビスフェノールA、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノールのいずれかであるロジン変性フェノール樹脂の製造方法。
  2. 請求項記載の製造方法により合成させてなる事を特徴とするロジン変性フェノール樹脂。
  3. 請求項記載のロジン変性フェノール樹脂を含有する事を特徴とする平版印刷インキ。
  4. 請求項記載の平版印刷インキを印刷してなる印刷物。
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