JP2004204203A - 印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【目的】本発明は、従来からオフセットインキに用いられている石油系溶剤の替わりに植物油由来の脂肪酸エステル及び又はエーテルを溶剤成分とした環境対応型オフセットンキであり、従来型のオフセットインキと同等の乾燥性並びに印刷適性・印刷効果を有する印刷インキ組成物である。
【構成】低溶解性のロジン変性フェノール樹脂とこれを溶解する植物油由来の脂肪酸エステル及び又はエーテルを含有することを特徴とし、石油系溶剤を用いたオフセットインキと同等の乾燥性を有する印刷インキ組成物に関する。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来オフセットインキに用いられてきた枯渇資源であるパラフィン,オレフィン,ナフテン等の石油系溶剤を生産資源である植物油由来の溶剤に全て置き換えた環境対応型印刷インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒートセットオフ輪印刷は紙に転写されたインキに熱を加えることでインキ中の溶剤分を蒸発させる加熱乾燥方式である。従って、インキに使用する溶剤の沸点は低い方が乾燥性は優れており、印刷物の乾燥不良による印刷機上での擦れや結束後のブロッキングに関して優位である。一方、枚葉印刷においては空気中の酸素とインキ成分である植物油とが結合し、酸化重合皮膜を形成することで乾燥する。よって石油系溶剤の沸点よりはヨウ素化の高い植物油の方が乾燥面で有利である。
【0003】オフセットインキ業界はこれまでも地球環境や作業環境の改善に取り組んできた。従来のインキ溶剤にはその構成成分として芳香族系炭化水素が含まれていたが、現在ではパラフィン,ナフテンを主成分とした芳香族成分が1%以下のAF(アロマフリー)ソルベントの使用が一般的である。AFソルベントは低臭気,低皮膚刺激性,生分解性に優れているが、原料は従来の溶剤と同じ石油であることには変わりはない。
【0004】一方でオフセットインキには植物油成分としてアマニ油,桐油,大豆油等が用いられている。これらは乾性油,半乾性油と呼ばれるもので、インキそのものの流動性や印刷物の光沢,酸化重合による皮膜強度を維持する目的で添加されている。インキ中の石油系溶剤の全部または一部を大豆油に替えたものは大豆油インキとしてアメリカ大豆協会から認定を受けることができる。近年、環境問題,VOC規制,大豆農業振興を背景として大豆油インキが主流になりつつある。現在、枚葉インキでは揮発成分である石油系溶剤を全く含まない植物油100%のノンVOCインキが開発されている。だが加熱乾燥方式であるヒートセットオフ輪印刷においては揮発成分である石油系溶剤の全てをこれらの植物油に置換することは実用上不可能であった。
特許文献1と特許文献2にロジン変性フェノール樹脂と植物エステルを溶剤主成分とし、従来のインキに比べて大幅にVOCを削減し、かつ高速セット性を備えた印刷インキ組成物が提案されているが、枚葉インキにおいてはセット性が十分でなくヒートセットオフ輪インキでは乾燥性が大幅に悪く実用することは不可能であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−69354号公報
【特許文献2】
特開2002−155227号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、石油資源の枯渇保護を目的とし、石油系溶剤の全てを植物油由来の溶剤に置き換えるが、印刷適性・印刷効果は従来の石油系溶剤使用のオフセットインキと遜色無い環境対応型インキを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、一般式がRCOOR(ただし、式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)で示される脂肪酸エステル又は一般式がROR(ただし、式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜22のアルキル基を表す。)で表されるエーテルと、n−ヘプタントレランスが10ml〜25mlであるロジン変性フェノール樹脂とを含有し、かつ石油系溶剤を含有しないことを特徴とする平版印刷インキ組成物に関する。
また、本発明は、上記ロジン変性フェノール樹脂のフェノール成分が、石炭酸もしくは炭素数1〜4のアルキル置換フェノールであることを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記ロジン変性フェノール樹脂が、二塩基酸で変性されたロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、平版印刷インキがヒートセット型インキである上記平版印刷インキ組成物に関する。
さらに、本発明は、上記脂肪酸エステル又はエーテルの沸点が常圧で160℃〜315℃である上記平版印刷インキ組成物に関する。
【0008】
本発明におけるn−ヘプタントレランスは、ビーカーに樹脂1gを秤量しトルエン9gに常温で溶解させ、n−ヘプタンをビュレットにて滴下していき、溶液が白濁しビーカー下の新聞紙活字が判定出来なくなるまでのn−ヘプタン滴下量を測定することによって得られる。
本発明に用いるロジン変性フェノール樹脂は、n−ヘプタントレランスが10ml〜25mlである必要がある。これにより印刷物を加熱乾燥した際のインキ中の樹脂と脂肪酸エステルとの離脱性が増し、セット性と乾燥性が向上する。
【0009】
脂肪酸エステルに使用される脂肪酸としてはパーム核油、ヤシ油、綿実油、落花生油、パーム油、コーン油、オリーブ油、オウリキーリ、ツカン種子油、亜麻仁油、コーン油、大豆油、サフラワー油など植物油由来のものが例示でき、鯨油、鮫油、抹香鯨体油、抹香鯨脳油などの動物油由来のものも使用できる。これらの油脂由来の脂肪酸は通常複数の脂肪酸から構成されるのでカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などに分離精製し単独乃至混合して使用することがより好ましい。ヒートセットオフ輪インキとしてはRの炭素数が10〜16のアルキル基又はアルケニル基である一般式がRCOORのエステルを使用することがより好ましい。乾燥性を維持する為には植物油の中でもヤシ油、パーム核油の脂肪酸エステルが好ましい。なぜならヤシ油やパーム核油の主な脂肪酸の構成成分はカプリン酸(C10),ラウリン酸(C12),ミリスチル酸(C14),パルミチン酸(C16)等、他の植物油と比較し短鎖の飽和脂肪酸から成り、揮発性、臭気、溶解性、酸化安定性などの面で有利であるからである。また脂肪酸エステルのアルキル基としては炭素数1〜4のメチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,tert−ブチルエステル等が例示できる。アルキル基も炭素数は少ない方が揮発性は増すが、通常平版印刷に用いられるブランケットでは膨潤、ポジタイプのPS版では耐刷性不良の問題がある。
【0010】
更に、インキの乾燥性向上と臭気の低減の為には、これらの脂肪酸エステルは精製分離して臭気の原因となる低沸点物質を除去して使用するのが望ましい。本発明に係わる印刷インキ組成物で用いられるヤシ油由来の肪酸エステルとしてはラウリン酸メチルエステル,ラウリン酸イソプロピルエステル,ラウリン酸イソブチルエステルを用いるのが最も好ましい。これらは単独で、または2種以上を併用できる。これらの脂肪酸エステルは、平版印刷インキ組成物中好ましくは15〜55重量%含有する。
【0011】本発明のエーテルとしてはROR(ただし、式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜22のアルキル基を表す。)で表されるエーテルが用いられるが、特にジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジへプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ノニルへキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテルなどR、Rのいずれも炭素数6〜9のアルキル基であるエーテルがより好ましい。本発明のエーテルはワニス製造時,インキ製造時のどちらでも追加できるが、脂肪酸酸エステルと比べると樹脂との相溶性が劣る為、印刷インキ成分中の好ましい比率は5〜20重量%である。
【0012】また、上記脂肪酸エステル又はエーテルについては、その沸点が常圧で160℃〜315℃のものを使用することが好ましい。沸点が160℃未満では乾燥性は良好だがタックアップによる機上安定性が問題となり、315℃を超えると乾燥性に十分な効果が得られない。
【0013】本発明に使用されるロジン変性フェノール樹脂は、ロジン類、ロジンエステル類、多価アルコール類、フェノール樹脂(ノボラック、レゾール、ノボラック−レゾール)などから選択した材料から公知の合成方法によって先に定義したn−ヘプタントレランスが10ml〜25mlになるように反応させて得ることができる。
【0014】本発明で使用されるロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンが例示できる。多価アルコール類としては、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが例示できる。ロジンエステル類としては、前記ロジン類と多価アルコール類をエステル化したものが例示できる。
【0015】またロジン変性フェノール樹脂の溶剤に対する溶解性を低くするにはフェノールのアルキル基鎖長は短い方が良く、石炭酸、もしくは炭素数1〜4のアルキル置換フェノール、例えばクレゾール、ブチルフェノールが好ましく、これらのフェノールを単独或いは酸触媒又はアルカリ触媒下でアルデヒド類を使用して縮合反応させたものを使用することができる。縮合度が高くなると溶剤に対する溶解性が上がることから1〜4の縮合度のフェノール樹脂を使用することが好ましい。
【0016】更には二塩基酸で変性することにより溶解性を更に低下させたロジン変性フェノール樹脂を使用することが好ましく、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水コハク酸、コハク酸などで変性するのが好ましい。これらの二塩基酸は、予めa)ロジンと反応させたもの、b)ロジンエステルと反応させたものc)その他の合成反応過程で組み込んだものとして変性することができる。
【0017】本発明のオフセットインキ組成物には必要に応じて、顔料、植物油、ゲル化剤,耐摩擦剤,ドライヤー等の印刷インキ用の添加剤を適宜使用することができる。ゲル化剤としてはアルキルアセトアセテート、アルミニウムジイソプロピレート等の一般的にアルミニウムキレートと呼ばれるもので、耐摩擦剤はポリエチレンワックス、PTFEワックス、固形パラフィンワックスが例として挙げられる。
【0018】本発明のオフセットインキ組成物を製造するには、従来公知の方法で実施することができる。一例としてロジン変性フェノール樹脂、及び植物油エステル、またはエーテル、必要に応じてゲル化剤を加え200℃前後で1時間加熱してワニスを得る。このワニスに顔料を3本ロール,ビーズミル等で練肉分散させたインキベースに耐摩擦剤等の添加剤を配合し、追加のワニスと植物油エステルまたはエーテルで調製する。
【0019】
本発明の平版インキ組成物をオフセット輪転印刷機用インキとして用いる場合はその角周波数ω(rad/sec)が10の時の動的弾性率G’(dyn/cm)が10〜10(25℃)であることが好ましい。G’が10未満であるとインキが軟調となり、汚れ、網点のつぶれ、ミスチングなどの問題が生じ、G’が10を超えるとインキ転移性不良、着肉不良などの問題が生じる。
【0020】本発明の印刷インキ組成物は、紙、プラスチック、金属等の基材に平版印刷法を用いて印刷することができる。印刷を行う際には通常のブランケット,版,ゴムロールが使用できるが、ブランケットはUVインキ又は油性−UVインキ兼用タイプ、PS版についてはネガ版或いはポジ版をバーニング処理したものを用いるのが好ましい。
【0021】
【実施例】
以下、実施例によって本発明のオフセットインキ組成物を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の記述において「部」は重量部を示す。
【0022】(ロジン変性フェノール樹脂Aの製造例)
反応容器中でガムロジン1500部、無水マレイン酸50部を180℃まで昇温し1時間反応させた後に、予めキシレン溶媒中でパラターシャリーブチルフェノール900部とパラホルムアルデヒド450部を水酸化ナトリウム触媒下で100℃で4時間反応させ、水分除去したフェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。更にグリセリン150部を添加し、触媒として水酸化カルシウムを用い12時間反応させて、酸価21、n−ヘプタントレランス12ml、重量平均分子量5万のロジン変性フェノール樹脂Aを得た。
【0023】(ロジン変性フェノール樹脂Bの製造例)
反応容器中でガムロジン1500部に、予め石炭酸100部とパラターシャリーブチルフェノール800部とパラホルムアルデヒド420部を水酸化ナトリウム触媒下で100℃で4時間反応させ、水分除去したフェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。更にペンタエリスリトール90部を添加し、触媒として水酸化カルシウムを用い12時間反応させて、酸価22、n−ヘプタントレランス20ml、重量平均分子量5万のロジン変性フェノール樹脂Bを得た。
【0024】(ロジン変性フェノール樹脂Cの製造例)反応容器中でガムロジン1500部に、パラオクチルフェノール1000部とパラホルムアルデヒド400部を水酸化ナトリウム触媒下で100℃で4時間反応させ、水分除去したフェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。更にペンタエリスリトール90部を添加し、触媒として水酸化カルシウムを用い12時間反応させて、酸価21、n−ヘプタントレランス45ml以上、重量平均分子量5万のロジン変性フェノール樹脂Cを得た。
【0025】[ワニス調製例]
(実施例ワニスAの調整) ロジン変性フェノール樹脂A50部,ラウリン酸メチルエステル49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシドモノエチルアセテート)1部を190℃で1時間加熱保持しワニスAを得た。
【0026】(実施例ワニスBの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸メチルエステルをラウリン酸イソプロピルエステルに変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスBを得た。
【0027】(実施例ワニスCの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸メチルエステルをラウリン酸イソブチルエステル変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスCを得た。
【0028】(実施例ワニスDの調整)ロジン変性フェノール樹脂B55部,ラウリン酸イソプロピルエステル38部、大豆油6部、アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシド モノエチルアセテート)1部を190℃で1時間加熱保持しワニスDを得た。
【0029】(実施例ワニスEの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸メチルエステルをジ−n−オクチルエーテルに変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスEを得た。
【0030】(実施例ワニスFの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸メチルエステルをジ−n−デシルエーテルに変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスFを得た。
【0031】(実施例ワニスGの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸メチルエステルをカプリン酸イソプロピルエステルに変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスGを得た。
【0032】(実施例ワニスHの調整)ワニスAの製造においてラウリン酸メチルエステルをリノール酸イソブチルエステルに変えた以外はワニスAを得るのと同様の方法でワニスHを得た。
【0033】(比較例ワニスIの調整)ロジン変性フェノール樹脂C42部,大豆油8部,AFソルベント7(日石三菱社製)49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシドモノエチルアセテート) 1部を190℃で1時間加熱保持しワニスIを得た。
【0034】(比較例ワニスJの調整)ロジン変性フェノール樹脂C42部,大豆油8部,AFソルベント5(日石三菱社製)49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシド モノエチルアセテート) 1部を190℃で1時間加熱保持しワニスJを得た。
【0035】(比較例ワニスKの調整)ロジン変性フェノール樹脂C50部,ラウリン酸イソプロピルエステル44部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシドモノエチルアセテート)1部を190℃で1時間加熱保持しワニスKを得た。
【0036】(比較例ワニスLの調整)ロジン変性フェノール樹脂A50部,大豆油脂肪酸2エチルヘキシルエステル49部,アルミキレート(アルミニウム ジイソプロキシド モノエチルアセテート)1部を190℃で1時間加熱保持しワニスLを得た。
以上ワニスA〜Lの組成について、表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004204203
【0038】[インキ調製例](実施例1〜8)上記ワニスA〜H及びフタロシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製 LIONOLBLUE FG7330)をそれぞれ表2に示す配合で混合した後、3本ロールで練肉して各インキベースを得た。次いで各インキベースに対し表2の配合で耐摩擦剤、金属ドライヤーなどを加え調製を行い、実施例1〜8のオフセットインキ組成物を得た。尚、実施例1〜3はラウリン酸エステルにおけるアルコール由来のアルキル基部分の炭素数が異なり、4はロジン変性樹脂の溶解性が異なり、5、6はエーテル含有し、7は脂肪酸由来のアルキル基の炭素数が異なり、8は金属ドライヤーを含有するインキ組成物である。実施例1〜7はオフ輪用、8は枚葉用インキ組成物である。
【0039】(比較例1〜4)上記ワニスI〜L及びフタロシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製LIONOLBLUE FG7330)をそれぞれ表2に示す配合で混合した後、3本ロールで練肉して各インキベースを得た。次いで各インキベースに対し表2の配合で耐摩擦剤、金属ドライヤーなどを加え調製を行い、比較例1 ̄4のオフセットインキ組成物を得た。尚、比較例1,2は夫々従来型のオフ輪、枚葉用オフセットインキ組成物である。
【0040】
【表2】
Figure 2004204203
【0041】
各例で得られたインキの特性及び評価結果を表3に示した。評価測定方法は、以下の通りである。
【0042】
【表3】
Figure 2004204203
【0043】(粘度)コーンプレート粘度計(英弘精機株式会社)25℃で測定。
【0044】(乾燥性)各オフセットインキ組成物をRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色し、弊社自製コンベア式熱風乾燥試験機を通した後、展色面のベタ付きが無くなった時の紙面温度で表示。実施例8及び比較例2の枚葉インキについてはRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色し、朝陽会乾燥試験機にて乾燥時間を測定した時間を表す。
【0045】(セット性)各オフセットインキ組成物をRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色した後、展色面に白紙(コート紙)を重ね自動インキセット試験機(豊栄精機株式会社製)を用いて白紙にインキが付着しなくなる迄に要した時間を測定した。
【0046】(ミスチング)弊社自製ミスチングテスターのロールに各オフセットインキ組成物を塗布し、40℃,2000rpmで2分間運転後、ロール下に設置した白紙へ飛んだインキ量を、弊社ミスチング評価尺にて8段階で目視評価。8:ミスチングが全くなく優れている〜1:ミスチングが多く劣る。
【0047】(動的粘弾性)温度25℃ストレイン60%の条件下で角周波数ω(rad/sec)が10の時の動的弾性率G’(dyn/cm)を粘弾性測定装置で測定。
【0048】実施例及び比較例のオフセットインキ組成物を用い、三菱重工製オフセット輪転機及び枚葉印刷機にて印刷試験を行った結果を表4に示す。
評価項目及び基準は次の通り。
べたつき:印刷直後の印刷物を指触でオフリンインキはべたつき感、枚葉インキはセット性で判定した。
裏付き:枚葉印刷に限り10000枚印刷し、デリバリーにストックされた印刷物の状態を目視で評価した。
印刷物の擦れ:オフリン印刷に限り、折機通過後の印刷物の状態を目視で評価した。
汚れ:枚葉は10000枚、オフリンは30000枚印刷するなかで印刷物に汚れがないか目視で判定した。
ブラン残り:枚葉は10000枚、オフリンは30000枚印刷後のブランケットの状態を目視で判定した。また、印刷物の状態も同様に判定した。
網点再現性:印刷物の網点を光学的に拡大して形状などを総合的に判定した。
ミスチング:枚葉は10000枚、オフリンは30000枚印刷したときのユニットへのインキの飛散状態を目視で判定した。
各実施例は、従来型である比較例1、2と同等の印刷適性・印刷効果を示した。
【0049】
【表4】
Figure 2004204203
【0050】
【発明の効果】本発明により石油系溶剤を使用せず、植物油脂肪酸エステルまたはエーテルを溶剤成分として含有するが、乾燥性を始めとする印刷適性・印刷効果は従来の石油系溶剤を使用したインキとなんら遜色ない環境対応型の平版インキ組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 一般式がRCOOR(ただし、式中、Rは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)で示される脂肪酸エステル又は一般式がROR(ただし、式中、Rは炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を表し、Rは炭素数が1〜22のアルキル基を表す。)で表されるエーテルと、n−ヘプタントレランスが10ml〜25mlであるロジン変性フェノール樹脂とを含有し、かつ石油系溶剤を含有しないことを特徴とする平版印刷インキ組成物。
  2. ロジン変性フェノール樹脂のフェノール成分が、石炭酸もしくは炭素数1〜4のアルキル置換フェノールであることを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ組成物。
  3. ロジン変性フェノール樹脂が、二塩基酸で変性されたロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷インキ組成物。
  4. 平版印刷インキがヒートセット型インキである請求項1〜3いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
  5. 脂肪酸エステル又はエーテルの沸点が常圧で160℃〜315℃である請求項1〜4いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
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