JP2011144295A - 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物 - Google Patents

水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP2011144295A
JP2011144295A JP2010007419A JP2010007419A JP2011144295A JP 2011144295 A JP2011144295 A JP 2011144295A JP 2010007419 A JP2010007419 A JP 2010007419A JP 2010007419 A JP2010007419 A JP 2010007419A JP 2011144295 A JP2011144295 A JP 2011144295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
printing
ink composition
weight
waterless lithographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010007419A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011144295A5 (ja
Inventor
Nao Imura
奈生 惟村
Yoshie Ochiai
可江 落合
Keiichi Sato
馨一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2010007419A priority Critical patent/JP2011144295A/ja
Publication of JP2011144295A publication Critical patent/JP2011144295A/ja
Publication of JP2011144295A5 publication Critical patent/JP2011144295A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】地球環境に配慮しつつ、インキの流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れた水なし平版印刷用インキ組成物およびそれを用いた印刷物の提供。
【解決手段】バインダー樹脂、植物油および顔料を含有する水なし平版印刷用インキ組成物において、前記植物油が、植物油全体に対して、60〜100重量%の一般式(1)で表される化合物を含有する水なし平版印刷用インキ組成物。一般式(1)
Figure 2011144295

【選択図】なし

Description

本発明は、書籍、書籍、チラシ、カタログ等の印刷に使用される水なし平版印刷用インキ組成物に関し、さらに詳しくは、従来よりもインキの流動性および経時安定性ならびに印刷適性に優れた水なし平版印刷用インキ組成物に関する。
一般的に平版印刷は、非画線部に湿し水を供給し、これによるインキ反発性を利用し画像を形成する(特許文献1〜7)。近年この湿し水に関わる問題を解決する方法として、水なし平版印刷法が提案され、特に湿し水に代わってインキ反発性を示すことを目的として非画線部にシリコーンゴムを設けて印刷する方法が実用化されている(特許文献7〜10)。このような水なし平版印刷において従来の油性インキを用いて印刷すると非画線部での十分なインキ反発性が得られず、地汚れが発生して好ましくないことが知られている。この水なし印刷における地汚れという現象は、印刷中に印刷機の駆動部やローラーの摩擦に起因する温度上昇と湿し水を用いないことから水の蒸発による版面の冷却効果が無くなることによる版面温度の上昇によりインキ自体の凝集力が低下してしまい、本来インキを反発すべき非画線部にインキが付着するものである。この水なし印刷特有の問題を解決するために、バインダー樹脂成分を高分子量化して凝集力を上げる、シリコーンオイルを添加する、シリコーン変性樹脂を使用する、増粘剤を用い凝集力を上げる等の手法がとられてきた。しかしながら上記手法では、地汚れ耐性の改善はされるが、印刷時のインキのローラー間転移性、印刷機上での安定性等いわゆる印刷適性が劣化し良好な印刷物を得ることは難しいという事があった。
一方、一般的に従来から広く使用されている各種溶剤の中でベンゼン・トルエン・キシレン等の芳香族成分は、労働安全衛生法で規制されている様に、人体に対して皮膚刺激性・神経障害等をもたらすものとして、厳しい規制がとられている。また、先ごろILO(国際労働機関)が化学品を取り扱う労働者の安全を守るための条約を選択したように、国際的にも、化学品の害から人体を保護しようとする機運が高まっている。そして従来の印刷インキ用溶剤はパラフィン系、ナフテン系成分のほかに芳香族成分が15〜20重量%含まれており、その為に臭気、作業環境汚染という問題を抱えていた。
この様な問題を少しでも改善する為に、印刷インキ用溶剤の内、芳香族系成分を含有しない溶剤として、従来からある100%ノルマルパラフィン系溶剤や近年開発されたナフテン系成分よりなる溶剤を、従来からの溶剤と併用して用いるという方法がとられていた。その場合にも、作業環境の汚染の問題は解決された訳ではなく、また水なし平版印刷用インキとしての印刷適性、印刷効果も不充分のものであった。
しかしながら、近年、鉱物油などの油類や芳香族系溶剤を主体としたインキは、その製造や印刷時、および印刷物において残留溶剤などの揮発蒸気の臭気が強いという問題がある。従って、作業環境や大気汚染などの環境衛生面から、揮発蒸気の臭気が極めて低く、また、作業環境や大気汚染などの環境負荷が少ない植物油や非芳香族系溶剤を主体としたインキに置き換わっている(特許文献1、2)。
すなわち、特許文献3と特許文献4にロジン変性フェノール樹脂と植物油エステルを溶剤主成分とし、従来のインキに比べて大幅にVOC成分を削減し、かつ高速セット性を備えた印刷インキ組成物が提案されているが、乾燥性に関しては不十分である。
特許文献5では、ロジン変性フェノール樹脂、米ぬか油と脂肪酸モノエステルを主原料
とし、従来のインキに比べ大幅にVOC成分を削減し臭気が少なくゴム部材の変質又は劣
化が少なく、かつ良好な機上安定性を備えた印刷インキが提案されているが、これも乾燥性に関しては不十分である。
特許文献6では、ヨウ素価を100以上に調整した米ぬか油を用いたオフセットインキ
について提案されているが、乾燥性・機上安定性が不十分である。
さらに、水なし平版印刷(特許文献7〜10)においても、揮発蒸気の臭気が極めて低く、また、作業環境や大気汚染などの環境負荷が少ない植物油や非芳香族系溶剤を主体とした優れたインキが待望されている。
また、近年、大豆油などの農作物がバイオエタノール原料に転用される様になり、大豆油の価格の高騰や、安定した供給量の確保が懸念されている。一方、世界規模でのCO排出量削減の急激な動きで、脱石化素材・VOCのインキ成分からの排除を目的とした考え方が普及しつつあった。しかも、輸送燃料に対しても同様の考え方が適用される。
輸送マイレージ、即ち原料や製品などの生産・製造地と消費地との距離を短縮すること
でCO排出量を削減していくという観点では、インキ製造地から近いところでインキの
原料を調達することで、CO排出量の削減に貢献できる。
しかしながら、植物油成分として用いられている大豆油は北米・南米で収穫された大豆を海外で搾油したものが輸入されているのが主であり、輸送マイレージが悪く環境に好ましくない。
特開2006−249385号公報 特開2005−290084号公報 特開2002−69354号公報 特開2002−155227号公報 特開2005−330317号公報 特開2003−96375号公報 特開2008−274150号公報 特開平05−279612号公報 特開平06−172695号公報 特開平08−269382号公報
本発明は、地球環境に配慮しつつ、インキの流動性および経時安定性ならびに印刷適性に優れた水なし平版印刷用インキ組成物およびそれを用いた印刷物を提供することである。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、バインダー樹脂、植物油および顔料を含
有する水なし平版印刷用インキ組成物において、特定の植物油を含有する水なし平版印刷用インキ組成物が、流動性および経時安定性ならびに印刷適性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、バインダー樹脂、植物油および顔料を含有する水なし平版印刷用インキ組成物において、植物油が、植物油全体に対して、60〜100重量%の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする水なし平版印刷用インキ組成物に関するものである。
一般式(1)
Figure 2011144295
さらに、本発明は、バインダー樹脂が、重量平均分子量100000〜300000およびコーンプレート型回転式粘度計により測定した樹脂粘度20〜60Pa・Sであるロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする上記の水なし平版印刷用インキ組成物に関するものである。
また、本発明は、さらに、溶剤成分として、炭素数6〜30のα−オレフィンをインキ全体に対して0.5〜20重量%含有することを特徴とする上記の水なし平版印刷用インキ組成物に関するものである。
さらに、本発明は、上記の水なし平版印刷用インキ組成物を基材上に印刷してなる印刷物に関するものである。
本発明が、提供する水なし平版印刷用インキ組成物は、書籍、書籍、チラシ、カタログ等の印刷において、インキの流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れ、しかも、環境負荷が少ない。
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、(R1+R2+R3)の全量に対して、二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基のモル比率が30〜40%が良く、好ましくは32〜38%が良い。さらに、二重結合を3つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基のモル比率が1.5%以下がより好ましく、1.0%以下が良く、さらに好ましくは、0.5%以下であることが望ましく、できれば含まれない方が良い。すなわち、一般式(1)で表される化合物は、二重結合の割合が特定のものが好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物の含有量は、植物油全体に対して、60〜100重量%が良く、さらに好ましくは70〜100重量%が良く、80〜100重量%が良い。さらに、水なし平版印刷用インキ組成物全量に対しては、10〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは20〜30重量%含有されていることが望ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が、水なし平版印刷用インキ組成物全量に対して10重量%よりも少ないと、印刷機上でのインキの安定性が劣り、インキの増粘、流動性の低下を招く。一般式(1)で表される化合物の含有量が、水なし平版印刷用インキ組成物全量に対して50重量%よりも多いと、乾燥性が劣り、印刷機上での擦れや印刷紙面結束後ブロッキング等を招き、印刷物としての品質が劣る結果となる。
さらに、一般式(1)で表される化合物の含有量は、溶剤成分全体に対して40〜80重量%が良い。一般式(1)で表される化合物の含有量が、溶剤成分全体に対して40重量%よりも少ないと、印刷機上でのインキの安定性が劣り、インキの増粘、流動性の低下を招く。一般式(1)で表される化合物の含有量が、溶剤成分全体に対して80重量%よりも多いと、乾燥性が劣り、印刷機上での擦れや印刷紙面結束後ブロッキング等を招き、印刷物としての品質が劣る結果となる。
また、二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基の比率が30%以下であるとインキ乾燥後の印刷物の耐摩擦性や光沢が劣り、40%以上であると、保存容器内でのインキの経時安定性が劣るため好ましくない。また、三重結合を1つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基が存在すると保存容器内でのインキの経時安定性が著しく劣るためなるべく少なくした方が好ましくない(好適なのは、含有量0重量%である。)。
また、本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、輸送マイレージ短縮によるCO排出量削減という観点から80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは100重量%以上国内で原料生産及び搾油されていることが望ましい。国内で生産した原料を調達することで、海外で収穫及び搾油された大豆油に代表される植物油と比べ、大幅に輸送燃料を削減し、CO排出量を削減することができるため、環境負荷をより小さくすることが可能となる。この点からも工業的にかなりのメリットがある。本発明において、本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物を典型的に入手する方法は、国内で生産及び搾油された米ぬか油として入手すればよいが、他の植物油等を精製して、一般式(1)になるように加工しても良い。
本発明では、必要に応じて例えば大豆油、再生大豆油、菜種油、ヤシ油、綿実油、落花
生油、パーム油、コーン油、オリーブ油、亜麻仁油、大豆油、サフラワー油等の植物油由
来のものや、それらの熱重合油及び酸素吹き込み重合油等を併用することもでき、これら
を単独あるいは2種類以上組み合わせて併用して用いることもできるが、好ましくは水なし平版印刷用インキ組成物全量に対して20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下の含有率にすることが望ましい。10重量%以上併用させると、保存容器内でのインキの経時安定性が劣るため好ましくない。
本発明において、樹脂粘度とは、樹脂とアマニ油との混合物(樹脂/アマニ油=1/2(重量比))を180〜200℃で加熱しながら攪拌溶解して得たワニスを、常温にてコーンプレート型回転式粘度計により測定した値である。
本発明で用いられるバインダー樹脂としては、重量平均分子量100000〜300000、好ましくは20000〜30000、かつ樹脂粘度が20〜60Pa・Sであるロジン変性フェノール樹脂であることが望ましい。
重量平均分子量が100000以下ではインキの粘弾性が低下し、300000以上ではインキの流動性、光沢が劣る。また、樹脂粘度が60Pa・S以上ではインキのセット性が低下し、さらにセットオフ汚れ、ミスチング性能の劣化を招く。樹脂粘度が20以下では、印刷機上での溶剤離脱の促進によるインキの増粘、流動性の低下、タック上昇による印刷適性の劣化を招き、さらに光沢が低下するため好ましくない。
本発明で用いられるα−オレフィンは、従来平版印刷インキに使用されるロジン変性フェノール樹脂を含有しないバインダー樹脂を使用したインキ系で懸念される流動性、転移性、着肉性、汚れ耐性、光沢などを改善する効用を有し、イソプレン、イソブチレン、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセンなどの重合体が例示される。
本発明に使用されるα−オレフィンは、重量平均分子量が3000以下であればその構造を問わないが、インキの流動特性、光沢などを考慮すると側鎖を持たないイソパラフィン構造のWAXフリーのオレフィン重合物が好ましく使用される。好ましくはα−オレフィン重合物の重量平均分子量が100〜1500である。重量平均分子量が3000を超えると、インキの流動性、着肉性、転移性、光沢が劣化してしまう。
さらに、α−オレフィンの動粘度が40℃で1300(cSt)以下が好ましい。1300(cSt)を超えると分子量との兼合いではいわゆるパラフィンワックスといわれるワックス状の形態をなしブロッキングや耐摩擦性能を得ることができるが、所望の流動特性や光沢のある印刷物を得ることが出来ない。
またα−オレフィンの25℃での溶解性パラメーターは6〜10(cal/cc)0.5であることが好ましい。一般に印刷インキに使用される主要溶剤、樹脂の溶解性パラメーターは6〜12(cal/cc)0.5がほとんどであることから、それと近似した領域のα−オレフィンを使用することが流動性、光沢の点で好ましい。溶解性パラメーターが15(cal/cc)0.5以上であるとビヒクルとの相溶性に差が生じ粘度アップとなり好ましくない。
本発明で好ましく使用される重量平均分子量が3000以下、動粘度が1300(cSt)(@40℃)以下、溶解性パラメーターが6〜10(cSt)(@25℃)であるα−オレフィン重合物を得るには基となるα−オレフィンモノマーとしては炭素数6〜30のα−オレフィンを使用することが好ましい。炭素数が6未満ないし30を超えるα−オレフィンを使用するとポリマーの構造からする粘度や溶解性パラメーター、反応終点を制御する点で困難度を増すことから主に炭素数16〜18を主原料に前記範囲の炭素数のα−オレフィンが最適である。
α−オレフィンはインキを製造する工程の任意の工程で添加することができる。例えばバインダー樹脂、植物油類、脂肪酸エステル類、石油系溶剤、ゲル化剤から任意に選択される素材と一緒に混合加熱攪拌してビヒクルとすることも可能であるし、インキを製造する段階で顔料、ビヒクルの混合物に任意の工程でα−オレフィンを単体で転嫁することが出来る。その添加量は0.5〜20重量%が好ましい。
また、本発明に用いられる石油系溶剤は必要に応じて、沸点が260〜350℃、好ま
しくは280℃〜340℃の範囲にある石油系溶剤を併用することができる。併用する石
油系溶剤の沸点が260℃未満の場合には、印刷機上でのインキの溶剤蒸発が多くなり、
インキの流動性の劣化により、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が悪く
なり好ましくない。また、併用する石油系溶剤の沸点が350℃を越える場合には、イン
キの乾燥性が劣るため好ましくない。
また、本発明に用いられる顔料としては、任意の無機及び有機顔料が使用できる。無機
顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜
鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイ
ト、アルミニウム粉などがあげられ、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キ
ナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系など平版印刷用インキに用いられる顔
料が相当する。有機顔料に関しては、例えば、銅フタロシアニン系顔料(C.I.Pig
ment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、C.I.Pigment Green 7、36)、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 3、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、53:1、57:1)、ジスアゾ系顔料(C.I.Pigment Yellow12、13、14、17、83)、アントラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)、キナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122、C.I.PigmentViolet 19)、ジオキサジン系顔料(C.I.Pigment Violet 23)などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、本発明の水なし平版印刷用インキ組成物には、必要に応じて ゲル化剤、顔料分散剤、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イ
オン系海面活性剤、多価アルコール等の添加剤を便宜使用することができる。
また、本発明の水なし平版印刷用インキ組成物の組成としては、
バインダー樹脂 20〜50重量%
植物油 20〜50重量%
石油系溶剤 0〜20重量%
α−オレフィン 0.5〜20重量%
顔料 5〜30重量%
を含有する水なし平版印刷用インキ組成物が例示される。
本発明の水なし平版印刷用インキ組成物は、オフセット印刷に用いられるが、その思想を逸脱しない範囲で、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、またはグラビア印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方法にも適用可能である。
なお、本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC−8020。以下GPCと称す。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。
さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。
次に具体例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら記載実施例に限定されるものではない。なお、本発明において部は重量部、%は重量%を表す。
(フェノール樹脂製造例1)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにP−オクチルフェノール1000部、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、トルエン1000部を加えて、90℃で6時間反応させたる。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸溶液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分49%のレゾールタイプフェノール樹脂のトルエン溶液2000部を得て、これをレゾール液Yとした。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例1)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Y1380部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン115部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量120000、樹脂粘度27Pa・sのロジン変性フェノール樹脂A(以下、樹脂Aと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例2)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Y850部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン110部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量260000、樹脂粘度52Pa・sのロジン変性フェノール樹脂B(以下、樹脂Bと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例3)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Y1800部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン115部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量70000、樹脂粘度10Pa・sのロジン変性フェノール樹脂C(以下、樹脂Cと称す)を得た。
(ワニス製造例1)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに樹脂A(重量平均分子量120000、樹脂粘度27Pa・s)42部、植物油D(一般式(1)で表される化合物の割合が98重量%、一般式(1)で表される化合物中の(R1+R2+R3)の全量に対して二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素のモル比率が30〜40%、一般式(1)で表される化合物中の(R1+R2+R3)の全量に対して二重結合を3つ有する炭素数18の不飽和炭化水素のモル比率が1.5%以下)51部、大豆油2部、ダイアレン168(三菱化学(株)製)2.5部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製)2部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)0.5部を仕込み、190℃に昇温、同温で1時間攪拌した後放冷してワニス1を得た。
(ワニス製造例2〜10)
表1の組成に基づいて、上記と同等のワニス製造方法により、ワニス2〜10を得た。また、表1中のC14〜C18は、一般式(1)で表される化合物の含有割合を示す。また、C18:2は、一般式(1)で表される化合物中の(R1+R2+R3)の全量に対して二重結合を2つ有するC18の不飽和炭化水素のモル比率を示し、C18:3は、二重結合を3つ有するC18の不飽和炭化水素のモル比率を示す。
Figure 2011144295
(ベースインキおよびインキの製造)
LIONOL BLUE FG7330(東洋インキ製造(株)製)を17部、ワニス1を67部、計84部を3本ロール上に仕込み、60℃の3本ロールで2回練肉したところ、顔料粒子は7.5μm以下に分散され、ベースインキ1を得た。
次いでベースインキ1に対して、大豆油6.5部、ワックスコンパウンド(東洋インキ製造(株)製 ニュー耐摩擦コンパウンド)4.5部、金属ドライヤー(東洋インキ製造(株)製MKドライヤー)4部、乾燥抑制剤(東洋インキ製造(株)製 乾燥抑制剤CP)1部を添加し、実施例1のインキを100重量部得た。
上記と同等のベースインキ作製方法にて、表2に示す配合にてベースインキを作製し、同等にダイアレン168、AFソルベント5号、大豆油、植物油D、ワックスコンパウンド、金属ドライヤー、乾燥抑制剤を添加して実施例2〜8、比較例1〜2のインキを約100部得た。
Figure 2011144295
(評価結果)
上記実施例1〜8及び比較例1〜2の枚葉インキにおける、流動性、乾燥性、機上安定性、経時安定性、地汚れ、着肉性について評価を実施し、結果を表3に示した。
Figure 2011144295
<流動性の測定方法>
インキ2.1ccを半球状の容器にセットし、40℃で1時間間静置させた後、60°に傾けた傾斜板の上にインキを垂らし、10分間で流れた長さを測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:80mm以上
△:50mm以上、80mm未満
×:50mm未満
<紙上乾燥の測定方法>
インキをRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色し、展色面に硫酸紙を重ね、朝陽乾燥試験機にて乾燥時間を測定した。乾燥時間は硫酸紙にインキが付着しなくなった時間とし、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:6時間未満
△:6時間以上、10時間未満
×:10時間以上
<機上乾燥の測定方法>
インキを75μmのアプリケーターでガラス板上に展色したのち、40℃湿度52%の条件下で30分ごとに指触で乾燥時間を測定した。乾燥時間は指にインキが付着しなくなった時間とし、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:12時間以上
△:6時間以上、12時間未満
×:6時間未満
<機上安定性の測定方法>
デジタルインコメーター(東洋精器株式会社製)にインキ0.25ccをのせ、50℃、1000rpmの条件でタック値の上昇を経時で測定した。タックの初期値と最大値の差(以下ΔTと称す)と最大値を示すまでの経過時間(以下Tmaxと称す)から、計算式(1)を用いて傾きを求め、以下の評価基準に基づいて評価を行った。傾きが少ない程、機上安定性に優れていることを示す。
計算式(1)
Figure 2011144295

(評価基準)
○:0.1未満
△:0.1以上、0.4未満
×:0.4以上
<経時安定性の測定方法>
HAAKE Rheostress600(Thermo ELECTRON CORPORATION社製)により、25℃、シェアレート117/sでのインキ粘度(Pa・s)を測定した。その後、密閉容器に入れて窒素パージし蓋を閉め、90℃のオーブンで1週間保管した。1週間後にオーブンから取り出し、再度インキ粘度を測定した。オーブン保管前後のインキ粘度差を求め、以下の評価基準に基づいて評価を行った。粘度変化量が少ない程、経時安定性に優れていることを示す。
(評価基準)
○:10Pa・s未満
△:10Pa・s以上、20Pa・s未満
×:20Pa・s以上
<地汚れの測定方法>
リスロン426枚葉印刷機(株式会社小森コーポレーション製)を用いて8000枚/時で水なし印刷を行い、印刷速度を3000枚/時へ落とした時の白紙部分のLを測定した。
印刷条件は以下の通り。
版:水なし平版用CTP版 VG5(東レ株式会社製)
用紙:アート紙
測定したLから計算式(2)を用いてΔEを求め、以下の評価基準により 評価を行った。
ΔEが小さいほど地汚れ耐性が優れていることの示す。
計算式(2)
Figure 2011144295
(評価基準)
○:1.0未満
△:1.0以上、3未満
×:3以上
<着肉性の測定法方法>
<時汚れの測定方法>で得た印刷物のベタ部の状態を目視評価で確認した。5段階評価にて評点をつけた。点数が大きいほど着肉性に優れていることを示す。
(評価基準)
○:4または5
△:3
×:1または2
表3の結果から、実施例インキは比較例インキより特に機上乾燥性、経時安定性が優れており、その他の評価項目においてもバランスが良く優れていた。

Claims (4)

  1. バインダー樹脂、植物油および顔料を含有する水なし平版印刷用インキ組成物において、植物油が、植物油全体に対して、60〜100重量%の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする水なし平版印刷用インキ組成物。
    一般式(1)
    Figure 2011144295
  2. バインダー樹脂が、重量平均分子量100000〜300000およびコーンプレート型回転式粘度計により測定した樹脂粘度20〜60Pa・Sであるロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の水なし平版印刷用インキ組成物。
  3. さらに、溶剤成分として、炭素数6〜30のα−オレフィンをインキ全体に対して0.5〜20重量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水なし平版印刷用インキ組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の水なし平版印刷用インキ組成物を基材上に印刷してなる印刷物。
JP2010007419A 2010-01-15 2010-01-15 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物 Pending JP2011144295A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010007419A JP2011144295A (ja) 2010-01-15 2010-01-15 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010007419A JP2011144295A (ja) 2010-01-15 2010-01-15 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011144295A true JP2011144295A (ja) 2011-07-28
JP2011144295A5 JP2011144295A5 (ja) 2013-02-28

Family

ID=44459434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010007419A Pending JP2011144295A (ja) 2010-01-15 2010-01-15 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011144295A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019203263A1 (ja) 2018-04-19 2019-10-24 東レ株式会社 印刷版、印刷版の製造方法、およびそれを用いた印刷物の製造方法
JP2020172615A (ja) * 2019-04-15 2020-10-22 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物および印刷物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62127368A (ja) * 1985-11-28 1987-06-09 Dainippon Ink & Chem Inc 乾式平版印刷用インキ
JPH1180644A (ja) * 1997-09-16 1999-03-26 Sakata Corp 水無し平版印刷用インキ組成物
JP2005330317A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ用ワニスおよびそれを含有する印刷インキ
JP2008179691A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水なし平版印刷インキ組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62127368A (ja) * 1985-11-28 1987-06-09 Dainippon Ink & Chem Inc 乾式平版印刷用インキ
JPH1180644A (ja) * 1997-09-16 1999-03-26 Sakata Corp 水無し平版印刷用インキ組成物
JP2005330317A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ用ワニスおよびそれを含有する印刷インキ
JP2008179691A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水なし平版印刷インキ組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019203263A1 (ja) 2018-04-19 2019-10-24 東レ株式会社 印刷版、印刷版の製造方法、およびそれを用いた印刷物の製造方法
JP2020172615A (ja) * 2019-04-15 2020-10-22 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物および印刷物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011144315A (ja) オフセットインキ組成物および印刷物
JP2013144765A (ja) オフセット印刷インキ組成物
JP2015227432A (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2008179691A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2011144295A (ja) 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物
JP2011074112A (ja) オフセット印刷用墨インキ
JP2013100394A (ja) 印刷インキ用ワニスおよび印刷インキ組成物
JP2011068863A (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP5201154B2 (ja) 平版印刷用インキ組成物および印刷物
JP5467556B2 (ja) 平版印刷用インキおよびそれを用いて印刷した印刷物
JP5564797B2 (ja) ヒートセットオフ輪インキ組成物
JP2010059333A (ja) 水性平版印刷インキならびに印刷物
JP2009013344A (ja) 水性平版印刷インキおよび印刷物
JP6226502B2 (ja) オフセット印刷インキ用ゲルワニス、オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2011074172A (ja) 水性平版印刷インキならびに印刷物
JP4923577B2 (ja) 水性平版印刷インキならびに印刷物
JP2008184600A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2007112965A (ja) 水性平版印刷インキならびに印刷物
JP2004244519A (ja) 印刷インキ組成物
JP6241354B2 (ja) 平版印刷インキ組成物
JP2004204202A (ja) 印刷インキ組成物
JP2007224154A (ja) 水性平版印刷インキならびに印刷物
JP6063232B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP2004204203A (ja) 印刷インキ組成物
JP6183396B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130111

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140617