JP2011074277A - オフセット印刷インキ組成物及び印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヤシ油由来の脂肪酸エステルに代わる天然物質を見出し、ヤシ油由来の脂肪酸エステル系溶剤に代えて当該天然物質を含む溶剤を用い、印刷適性・印刷効果は従来の脂肪酸エステル系溶剤使用のオフセット印刷インキと遜色無い環境対応型インキを提供する。
【解決手段】天然物質であるひまし油に由来するセバシン酸のジエステルを溶剤として用いる。セバシン酸エステルとしては、以下の一般式(1)で表されるものを用いる。
OCO(CHCOOR・・・(1)
[式(1)中R及びRは、それぞれ分岐を有してもよく不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、R及びRの炭素原子数の和は4から18である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、セバシン酸ジエステルを含むオフセット印刷インキ組成物に関する。
従来より、オフセット印刷インキ用の溶剤として、石油留分から得られる石油系溶剤が用いられている。しかし、以前から、石油系溶剤は、石油資源を枯渇させることや作業環境を悪化させること等が指摘されていた。
オフセット印刷インキ業界は、これまでも地球環境や作業環境の改善に取り組んできた。従来のインキ溶剤にはその構成成分として芳香族系炭化水素が含まれていたが、現在ではパラフィン、ナフテンを主成分とした芳香族成分が1%以下のAF(アロマフリー)溶剤の使用が一般的である。AF溶剤は低臭気,低皮膚刺激性,生分解性に優れているが、原料は従来の溶剤と同じ石油であることに変わりはない。
そこで、オフセット印刷インキにおいて、当該インキの溶剤である石油系溶剤の一部又は全部を、特定の組成構造を有する特定の脂肪酸エステル及び/又は脂肪族エーテルに置き換えることにより、従来型のオフセットインキと同等の乾燥性、印刷適性、印刷効果を有するオフセットインキが得られることが開示されている(例えば特許文献1又は2参照)。上記のように天然由来の成分を溶剤として用いることで、印刷物に残留する溶剤は皮膚刺激性が低く、化学物質過敏症の人に対しても不快感を与えないとされている。
特開2004−204202号公報 特開2004−204203号公報
ところで、上記の特許文献では、脂肪酸エステルの中でも、ヤシ油又はパーム核油に由来する脂肪酸エステルを好ましいものとして使用している。しかし、ヤシ油やパーム核油の原料となるヤシの栽培においては、近年、原生林を伐採して開墾された土地で、プランテーションによる栽培が行われており、環境破壊が問題となっている。
また、溶剤として脂肪族エーテルが含まれるものを用いた場合には、その脂肪族エーテル由来の不快な匂いが作業環境を悪化させることや、印刷物にわずかに臭気が残存することも問題となる。
以上のように、オフセット印刷インキに使用する溶剤の成分として、ヤシ油やパーム核油に由来する脂肪酸のエステルや、脂肪族エーテル溶剤に代わる天然物質に由来する溶剤成分が求められている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ヤシ油等に由来の脂肪酸のエステルや、脂肪族エーテル溶剤に代わる、天然物質に由来する溶剤成分を用い、印刷適性・印刷効果に優れる環境対応型のオフセット印刷インキ組成物及び環境対応型のオフセット印刷インキ組成物を用いた印刷物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ヤシ油等に由来する脂肪酸エステルの代わりに、荒地や乾燥地でも育成可能で原生林の伐採の問題等の少ない作物であるトウゴマに由来するひまし油のアルカリ開裂反応によって得られるセバシン酸のジエステルを溶剤成分として用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。より具体的には本願発明は以下のものを提供する。
請求項1に記載のオフセット印刷インキ組成物は、下記一般式(1)で表わされるセバシン酸ジエステルを10から60質量%含むことを特徴とする。
OCO(CHCOOR・・・(1)
[式(1)中R及びRは、それぞれ分岐を有してもよく不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、R及びRの炭素原子数の和は4から18である。]
請求項2に記載のオフセット印刷インキ組成物は、前記一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルが、セバシン酸ジ2−エチルヘキシルであることを特徴とする。
請求項3に記載のオフセット印刷インキ組成物は、前記一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルを20から55質量%含むものであることを特徴とする。
請求項4に記載のオフセット印刷インキ組成物は、溶剤成分として、前記一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステル及び植物油以外の溶剤を含まないことを特徴とする。
請求項5に記載の印刷物は、請求項1から4のいずれかに記載のオフセット印刷インキ組成物を用いて得られることを特徴とする。
本発明によれば、天然の油脂であるひまし油のアルカリ開裂反応によって得られるセバシン酸のジエステルを、オフセット印刷インキ組成物の溶剤成分として用いることで、印刷適性・印刷効果は従来の脂肪酸エステル及び/又は脂肪族エーテルを溶剤に使用するオフセット印刷インキと遜色無い環境対応型インキを得ることができる。
また、セバシン酸のジエステルを溶剤成分として含むオフセット印刷インキ組成物を用いることにより、印刷機のゴム材質からなるインキローラーやブランケットを膨潤させにくく、安定した印刷物を得ることができる。
本発明では、脂肪族エーテルを実質的に含まない天然物質に由来する溶剤成分を含む溶剤を使用するため、インキの製造現場においても溶剤の不快な臭いが低減され、作業環境が改善される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
<オフセット印刷インキ>
本発明のオフセット印刷インキは、ワニス用樹脂と溶剤とを含有する。
[ワニス用樹脂]
本発明に使用するワニス用樹脂としては、ロジンエステル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン酸変性ロジンエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、ギルソナイト樹脂等が好ましく、より好ましくはロジンエステル樹脂及び/又はロジン変性フェノール樹脂が挙げられる。なお、本発明のインキ中の上記のワニス用樹脂の含有量は、好ましくは15から50質量%、より好ましくは20から40質量%、最も好ましくは25から35質量%である。
上記の好ましいロジンエステル樹脂は、樹脂の軟化点H(℃)が120℃≦H≦210℃、重量平均分子量Mwが20,000≦Mw≦300,000、好ましくは軟化点が140℃≦H≦200℃、重量平均分子量Mwが50,000≦Mw≦200,000のものが挙げられる。上記のロジンエステル樹脂は、重合ロジンの導入や無水マレイン酸、フマル酸等の多塩基酸にて変性した変性ロジンエステル樹脂が好ましく使用される。
上記のロジンエステル樹脂の軟化点Hが上記の範囲であると、インキ塗膜の硬化性及びインキワニスを調製する際の作業性がより向上する。また、上記のロジンエステル樹脂の重量平均分子量Mwが、上記範囲内であるとインキの流動性及び粘弾性がより優れたものとなる。
また、ロジン変性フェノール樹脂は、重量平均分子量Mwが10,000≦Mw≦300,000、好ましくは重量平均分子量Mwが30,000≦Mw≦200,000のものが使用される。上記のロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量Mwが上記範囲であると、インキの流動性及び粘弾性がより優れたものとなる。
本発明のインキに使用するインキワニスは、上記のワニス用樹脂と溶剤に、必要に応じてゲル化剤等を配合して調製する。インキワニスの調製方法としては、例えば、上記のワニス用樹脂と、溶剤と、植物油とを窒素等の不活性ガス雰囲気下で200℃にて30分間加熱攪拌して、その後150℃に冷却後、ゲル化剤を配合して、さらに200℃にて60分間加熱攪拌して調製する方法等が挙げられる
上記のインキワニス中におけるワニス用樹脂の含有量としては、好ましくは20から60質量%、より好ましくは30から55質量%である。
[溶剤]
本発明のオフセット印刷インキ組成物は、溶剤成分として下記一般式(1)で表わされるセバシン酸ジエステルを含むものである。
OCO(CHCOOR・・・(1)
[式(1)中R及びRは、それぞれ分岐を有してもよく不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、R及びRの炭素原子数の和は4から18である。]
一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルは、ひまし油のアルカリ開裂反応等によって得られたセバシン酸と、一般式(1)における基R及び基Rに対応するアルコール(R−OH及びR−OH)とを、エステル化触媒の存在下に反応させる等の常法に従って調製することができる。
本発明において、一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルとしては、分岐を有してもよく不飽和結合を有してもよい炭化水素基である基R及び基Rを有し、基R及び基Rの炭素原子数の和が4から18であるものを用いる。このような基R及び基Rのうち好適な基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1−メチルヘプチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の飽和炭化水素基や、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ヘキセニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、5−オクテニル基、7−オクテニル基、2,4−オクタジエニル基、2,5−オクタジエニル基、2,7−オクタジエニル基、5,7−オクタジエニル基等の不飽和炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基の中では、保存時の品質の安定性に優れることから、炭素原子数2から10の飽和炭化水素基がより好ましい。
これらの一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルの中では、得られるオフセット印刷インキ組成物が、乾燥性、印刷適性、印刷効果等がバランスよく優れることから、基Rが炭素原子数8の飽和炭化水素基であるものがより好ましく、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルを用いるのが最も好ましい。
また、一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルは、1種又は複数種を組み合わせて用いることができる。
一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルを溶剤として用いることで、石油由来の溶剤を用いた場合と比較して皮膚刺激性が低く、従来のヤシ油由来の溶剤と同じ程度に化学物質過敏症の人に対して不快感を与えないオフセット印刷インキを調製できる。
通常のオフセット印刷の印刷機に使用されるインキローラーやブランケットはゴム材質である。例えばABS樹脂等が挙げられる。このようなゴム材質は溶剤を吸収し膨潤しやすいものである。従来、使用されているヤシ油等の天然の油脂に由来する脂肪酸のエステルの中でも比較的分子量の小さいものは、前記のゴム材質の部品を膨潤させやすい傾向があり、一般式(1)で表されるセバシン酸のジエステルについても、例えばセバシン酸ジメチルエステル等、エステルを構成する基R及び基Rの炭素原子数の和が2から3と短い場合には、ゴム材質の部品を膨潤させやすい問題がある。
しかし、一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルを溶剤に用いることで、ヤシ油等の天然の油脂に由来する脂肪酸のエステルと比較してゴム材質が膨潤せず、結果として印刷適性・印刷効果は従来の脂肪酸エステル及び/又は脂肪族エーテルを溶剤に使用するオフセット印刷インキと遜色無い、環境対応型インキを得ることができる。
本発明のオフセット印刷インキ組成物は、一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルを10から60質量%含むものであり、より好ましくは20から55質量%含むものであり、最も好ましくは20から50質量%含むものである。一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルの含有量が多すぎる場合には、オフセット印刷インキ組成物の機上安定性や乾燥性が劣る傾向がある。
本発明の、オフセット印刷インキ組成物は、溶剤としてさらに植物油を含むものであってもよい。
上記の植物油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油等の不乾性油、大豆油、綿実油、菜種油、ゴマ油、コーン油等の半乾性油、及びアマニ油、エノ油、キリ油等の乾性油等、好ましくは半乾性油及び/又は乾性油が挙げられる。これらの中でも大豆油、アマニ油が特に好ましい。
溶剤成分として植物油を用いる場合、オフセット印刷インキ中の植物油の含有量は、40質量%以下であるのが好ましく、35から5質量%であるのがより好ましく、30から10質量%であるのが最も好ましい。
ワニスの調製に用いる溶剤は、オフセット印刷インキ組成物中の一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルの含有量が所定の量を満たすものであれば、本発明の目的を損なわない範囲で、セバシン酸ジエステルの他の溶剤を用いることもできる。セバシン酸ジエステルの他の溶剤の例としては、例えば、脂肪酸エステルや脂肪族エーテルが挙げられる。
一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルとともに用いることができる脂肪酸エステルの具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸の、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル等が挙げられ、脂肪族エーテルの具体例としては、ジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ノニルヘキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記のゴム材質の膨潤の問題や、臭気の問題等から、本発明のオフセット印刷インキ組成物は一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステル及び植物油以外の溶剤を含まないものであるのが特に好ましい。
[その他の成分]
本発明のオフセット印刷インキに使用するインキワニスは、上記のワニス用樹脂と溶剤に必要に応じてゲル化剤を配合して調製する。
上記のゲル化剤としては、公知の物を使用することができ、例えば、アルミニウムエチルアセテートジイソプロピレート、アルミニウムイソプロピレート、ステアリン酸アルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロポキサイト、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド等、及びそれらの混合物が挙げられ、好ましくはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシドが好ましく使用され、川研ファインケミカル(株)からALCHの商品名で入手して本発明で使用することができる。
前記ゲル化剤の使用量は、インキワニス中の含有量として0.1から5質量%が好ましく、0.5から3質量%であるのがより好ましい。
本発明のインキは、上記のインキワニスに着色剤を含有しないオーバープリントワニスタイプのものでもよいが、着色剤を含有するタイプのものでもよい。本発明に使用する上記の着色剤としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、磁性酸化鉄等の無機顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料等の有機顔料、カーボンブラック及び染料が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。上記の着色剤のインキ中の含有量は、好ましくは5から40質量%、より好ましくは10から30質量%、最も好ましくは15から25質量%である。
<インキの製造方法>
本発明のインキの製造方法としては、例えば、前記のインキワニスと、着色剤をミキサーでプレミキシングし、次に、3本ロールミルで均一に混練して、前記のインキワニスの調製に使用した溶剤及び/又は該ワニスを追加配合する等して、インキのタックを調製する。必要に応じてパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス等の耐摩擦剤及び可塑剤等の添加剤を本発明の目的を妨げない範囲で均一に混練配合して調製する。なお、本発明のインキ中のインキワニス含有量は、好ましくは50から90質量%、より好ましくは55から85質量%、最も好ましくは60から80質量%である。
以上のようにして得られる本発明のオフセット印刷インキ組成物は、印刷適性・印刷効果に優れる環境対応型インキであり、輪転オフセット、枚葉オフセット等オフセット印刷に好適に使用され、臭気等の問題のない良好な印刷物を与える。
[実施例1から3、比較例1、比較例2、及び参考例]
本発明で使用するセバシン酸ジエステルであるセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、比較例で使用するジオクチルエーテルとカプリル酸2−エチルヘキシルの混合溶剤及びセバシン酸ジメチル、並びに参考例として使用する石油系溶剤を使用した、ワニスa1からa6の調製例と、これらのワニスを使用したインキb1からb6について、実施例、比較例、及び参考例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、文中の「部」又は「%」とあるものは、特に断りのない限り質量基準である。以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
以下、実施例、比較例、参考例において使用した溶剤について説明する。
・セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(伊藤製油株式会社製、DOS)
・セバシン酸ジメチル(伊藤製油株式会社製、DMS−C)
・ジオクチルエーテル(試薬)
・カプリル酸2−エチルヘキシル(試薬)
・石油系溶剤(試薬)
(ワニスの調製例a1)
ワニス用樹脂として重量平均分子量が60,000のロジン変性フェノール樹脂を用い、溶剤としてセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルを用い、表1に記載の量のワニス用樹脂、大豆油、及び溶剤を窒素気流雰囲気下で200℃にて30分間加熱攪拌し、その後150℃に冷却し、その後、ゲル化剤(ALCH)を配合して、さらに200℃にて60分間均一に加熱攪拌してワニスa1を調製した。
(ワニスの調製例a2)
前記のワニスの調製例a1において使用する溶剤の量を変える以外は、ワニス調製例a1と同様にしてワニスa2を調製した。
(ワニスの調製例a3)
前記のワニスの調製例a1において使用する溶剤の量を変える以外は、ワニス調製例a1と同様にしてワニスa3を調製した。
(ワニスの調製例a4)
前記のワニスの調製例a1において使用する溶剤を表1に記載のジオクチルエーテルとヤシ由来の溶剤であるカプリル酸−2−エチルヘキシルの混合溶剤に変える以外は、ワニス調製例a1と同様にしてワニスa4を調製した。
(ワニスの調製例a5)
前記のワニスの調製例a1において使用する溶剤をセバシン酸ジメチルに変える以外は、ワニス調製例a1と同様にしてワニスa5を調製した。
(ワニスの調製例a6)
前記のワニスの調製例a1において使用する溶剤を石油系溶剤に変える以外は、ワニス調製例a1と同様にしてワニスa6を調製した。
Figure 2011074277
上記表1中の数値は部数を表わす。
(インキ調製)
上記のようにして調製されたa1からa6のワニス各65部と、フタロシアニンブルー18部とを配合し、次に、インキのタックがインコメーター測定値で10から11になるように、さらに、上記a1からa6のワニス及び各溶剤を追加配合し、均一に混練してインキb1からb6を調製した。なお、上記のタック値は、得られたインキ1.3mlを東洋精機(株)製インコメーターのロール上に塗布し、ロール温度32℃、回転スピード1,200rpmで回転させ、1分後の測定値である。
なお、実施例1から3で得られたインキのセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルの含有量は、インキb1で30質量%であり、インキb2で40質量%であり、インキb3で50質量%であった。また、実施例1〜3で得られたインキの大豆油の含有量は、b1、b2、b3いずれも15質量%であった。
<評価例>
上記、実施例、比較例、及び参考例で得られた各々のインキについて、印刷機上でのインキの蒸発乾燥性と、機上安定性及び膨潤性に関して下記の測定方法により評価した。
[蒸発乾燥性]
各々のインキ0.125mlを、石川島産業(株)製のRIテスター2分割ロールを用いてトップコート紙に展色して、印刷試料片を作製する。次に、温度調整可能なオーブンを用いて、上記の印刷資料片を加熱し、紙面温度を操作してインキ塗膜を乾燥固化させる。加熱後、印刷試料片を1分間放冷し、放冷した印刷試料片のインキ面を学振型耐磨耗性試験機にて表面を白紙で擦り、色落ちしない時の紙面乾燥温度を測定した。評価結果を表2に示す。
[機上安定性]
上記の各々のインキ0.5mlを東洋精機(株)製インコメーターに塗布し、ロール温度32℃、回転スピード1,200rpmに設定してロールを回転させ、測定初期のタック値と、その1分後のタック値を読み取り、タック値の経時的な変動(初期値との差ΔT)を測定した。評価結果を表2に示す。
[膨潤性]
上記の各々のインキをゴムブランケット片(ディインターナショナル社製、ディブラン3000−4)の表面にヘラで適量塗布し、常温にて24時間放置後、インキを拭き取りブランケット表面の膨潤の状況を下記の基準により評価した。評価結果を表2に示す。
○:ブランケット表面に膨れや軟化現象は認められない。
△:ブランケット表面に膨れや軟化現象がわずかに認められる。
×:ブランケット表面の全面又は部分的に膨れや軟化現象が認められる。
[臭いの評価]
実施例及び比較例の印刷物を、評価するメンバー10人に無作為に渡し、異臭の有無を評価した。評価は、異臭無し、若干異臭有り、異臭有りの三段階評価とした。最も多い評価を表2に示した。ここで、「異臭なし」は、印刷物を嗅いだときに臭いに全く違和感が無かった場合の評価であり、「若干異臭有り」は、印刷物の嗅いだときに臭いに若干違和感があった場合の評価であり、「異臭あり」は、印刷物を嗅いだときに、耐えられないほどの異臭を感じた場合の評価である。
Figure 2011074277
表2から分かるように、実施例1から3の本発明のインキは、比較例1の従来の脂肪酸エステルとエーテル系溶剤の混合溶剤を用いたインキと比較し、印刷適性・印刷効果(乾燥性、機上安定性)について遜色ないものであり、ゴム膨潤が少なく、印刷物の臭気もないものであることが確認された。
また、実施例1から3で用いたセバシン酸2−ジエチルヘキシルとは異なり、セバシン酸の短鎖アルキルエステルであるセバシン酸ジメチルを溶剤に用いた比較例2のインキについては、適度な乾燥性を有さず、また機上安定性、ゴム膨潤性、及び印刷物の臭気に劣るものであることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表わされるセバシン酸ジエステルを10から60質量%含むことを特徴とするオフセット印刷インキ組成物。
    OCO(CHCOOR・・・(1)
    [式(1)中R及びRは、それぞれ分岐を有してもよく不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、R及びRの炭素原子数の和は4から18である。]
  2. 前記一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルが、セバシン酸ジ2−エチルヘキシルである、請求項1に記載のオフセット印刷インキ組成物。
  3. 前記一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステルを20〜55質量%含むものである、請求項1又は2に記載のオフセット印刷インキ組成物。
  4. 溶剤成分として、前記一般式(1)で表されるセバシン酸ジエステル及び植物油以外の溶剤を含まない、請求項1から3のいずれかに記載のオフセット印刷インキ組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のオフセット印刷インキ組成物を用いて得られる印刷物。
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