JP2011144294A - 平版印刷用インキ組成物および印刷物 - Google Patents

平版印刷用インキ組成物および印刷物 Download PDF

Info

Publication number
JP2011144294A
JP2011144294A JP2010007418A JP2010007418A JP2011144294A JP 2011144294 A JP2011144294 A JP 2011144294A JP 2010007418 A JP2010007418 A JP 2010007418A JP 2010007418 A JP2010007418 A JP 2010007418A JP 2011144294 A JP2011144294 A JP 2011144294A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
weight
ink
vegetable oil
lithographic printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010007418A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5201154B2 (ja
JP2011144294A5 (ja
Inventor
Nao Imura
奈生 惟村
Yoshie Ochiai
可江 落合
Keiichi Sato
馨一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2010007418A priority Critical patent/JP5201154B2/ja
Publication of JP2011144294A publication Critical patent/JP2011144294A/ja
Publication of JP2011144294A5 publication Critical patent/JP2011144294A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5201154B2 publication Critical patent/JP5201154B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】地球環境に配慮しつつ、インキの流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れた平版印刷用インキ組成物およびそれを用いた印刷物の提供。
【解決手段】バインダー樹脂、植物油および顔料を含有する平版印刷用インキ組成物において、植物油全体に対して50〜100重量%の特定の植物油を含有する平版印刷用インキ組成物。前記特定の植物油とは、脂肪酸が炭素数14−18の飽和炭化水素基或いは三重結合を有さない炭素数14−18の飽和炭化水素基であり、ただし脂肪酸の全量に対して、二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基のモル比率が30−40%であって、かつ、二重結合を3つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基のモル比率が1.5%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、書籍、書籍、チラシ、カタログ等の印刷に使用される平版印刷用インキ組成物に関し、さらに詳しくは、従来よりもインキの流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れた環境負荷の少ない平版印刷用インキ組成物に関する。
従来、平版印刷用インキは、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂などの合成樹脂と、アマニ油、桐油、大豆油などの植物油、鉱物油、合成油、必要に応じてインキの乾燥被膜に可撓性や柔軟性を付与するために可塑剤やワックスコンパンドなどの添加剤と、顔料や染料の着色剤および溶剤からなっており、これらのインキに使用される溶剤は、上記成分の溶解分散性や印刷適性から主に芳香族系溶剤が使用されていた(特許文献1、2)。
しかしながら、近年、上記の鉱物油などの油類や芳香族系溶剤を主体としたインキは、その製造や印刷時、および印刷物において残留溶剤などの揮発蒸気の臭気が強いという問題がある。従って、作業環境や大気汚染などの環境衛生面から、揮発蒸気の臭気が極めて低く、また、作業環境や大気汚染などの環境負荷が少ない植物油や非芳香族系溶剤を主体としたインキに置き換わっている(特許文献1、2)。
すなわち、特許文献3と特許文献4にロジン変性フェノール樹脂と植物油エステルを溶剤主成分とし、従来のインキに比べて大幅にVOC成分を削減し、かつ高速セット性を備えた印刷インキ組成物が提案されているが、乾燥性に関しては不十分である。
特許文献5では、ロジン変性フェノール樹脂、米ぬか油と脂肪酸モノエステルを主原料
とし、従来のインキに比べ大幅にVOC成分を削減し臭気が少なくゴム部材の変質又は劣
化が少なく、かつ良好な機上安定性を備えた印刷インキが提案されているが、これも乾燥性に関しては不十分である。
特許文献6では、ヨウ素価を100以上に調整した米ぬか油を用いたオフセットインキ
について提案されているが、乾燥性・機上安定性が不十分である。
さらに、近年、大豆油などの農作物がバイオエタノール原料に転用される様になり、大豆油の価格の高騰や、安定した供給量の確保が懸念されている。一方、世界規模でのCO排出量削減の急激な動きで、脱石化素材・VOCのインキ成分からの排除を目的とした考え方が普及しつつあった。しかも、輸送燃料に対しても同様の考え方が適用される。
輸送マイレージ、即ち原料や製品などの生産・製造地と消費地との距離を短縮すること
でCO排出量を削減していくという観点では、インキ製造地から近いところでインキの
原料を調達することで、CO排出量の削減に貢献できる。
しかしながら、植物油成分として用いられている大豆油は北米・南米で収穫された大豆を海外で搾油したものが輸入されているのが主であり、輸送マイレージが悪く環境に好ましくない。
特開2006−249385号公報 特開2005−290084号公報 特開2002−69354号公報 特開2002−155227号公報 特開2005−330317号公報 特開2003−96375号公報
本発明は、地球環境に配慮しつつ、インキの流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れた平版印刷用インキ組成物およびそれを用いた印刷物を提供することである。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、バインダー樹脂、植物油および顔料を含
有する平版印刷用インキ組成物において、特定の植物油を含有する平版印刷用インキ組成物が、流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れ
ていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、バインダー樹脂、植物油および顔料を含有する水平版印刷用インキ組成物において、植物油が、植物油全体に対して、50〜100重量%の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする平版印刷用インキ組成物に関するものである。
一般式(1)
Figure 2011144294
さらに、本発明は、バインダー樹脂が、重量平均分子量10000〜100000およびトレランス20〜30重量%であるロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする上記の平版印刷用インキ組成物に関するものである。
また、さらに、石油系溶剤を含有することを特徴とする上記の平版印刷用インキ組成物に関するものである。
さらに、本発明は、石油系溶剤が、アニリン点75〜95℃および沸点範囲260〜350℃であり、インキ全量の5〜20重量%含有することを特徴とする上記の平版印刷用インキ組成物に関するものである。
また、本発明は、上記いずれかに記載の平版印刷用インキ組成物を基材上に印刷してなる印刷物に関するものである。
本発明が、提供する平版印刷用インキ組成物は、書籍、書籍、チラシ、カタログ等の印刷において、インキの流動性および経時安定性ならびに印刷時の乾燥性および印刷機上での安定性に優れ、しかも、環境負荷が少ない。
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、(R1+R2+R3)の全量に対して、二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基のモル比率が30〜40%が良く、好ましくは32〜38%が良い。さらに、二重結合を3つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基のモル比率が1.5%以下がより好ましく、1.0%以下が良く、さらに好ましくは、0.5%以下であることが望ましく、できれば含まれない方が良い。すなわち、一般式(1)で表される化合物は、二重結合の割合が特定のものが好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物の含有量は、植物油全体に対して、50〜100重量%が良く、さらに好ましくは70〜100重量%が良く、80〜100重量%が良い。さらに、平版印刷用インキ組成物全量に対しては、10〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは20〜30重量%含有されていることが望ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が、平版印刷用インキ組成物全量に対して10重量%よりも少ないと、印刷機上でのインキの安定性が劣り、インキの増粘、流動性の低下を招く。一般式(1)で表される化合物の含有量が、平版印刷用インキ組成物全量に対して50重量%よりも多いと、乾燥性が劣り、印刷機上での擦れや印刷紙面結束後ブロッキング等を招き、印刷物としての品質が劣る結果となる。
また、二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基の比率が30%以下であるとインキ乾燥後の印刷物の耐摩擦性や光沢が劣り、40%以上であると、保存容器内でのインキの経時安定性が劣るため好ましくない。また、三重結合を1つ有する炭素数18の不飽和炭化水素基が存在すると保存容器内でのインキの経時安定性が著しく劣るためなるべく少なくした方が好ましくない(好適なのは、含有量0重量%である。)。
また、本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物は、輸送マイレージ短縮によるCO排出量削減という観点から80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは100重量%以上国内で原料生産及び搾油されていることが望ましい。国内で生産した原料を調達することで、海外で収穫及び搾油された大豆油に代表される植物油と比べ、大幅に輸送燃料を削減し、CO排出量を削減することができるため、環境負荷をより小さくすることが可能となる。この点からも工業的にかなりのメリットがある。本発明において、本発明で用いられる一般式(1)で表される化合物を典型的に入手する方法は、国内で生産及び搾油された米ぬか油として入手すればよいが、他の植物油等を精製して、一般式(1)になるように加工しても良い。
本発明では、必要に応じて例えば大豆油、再生大豆油、菜種油、ヤシ油、綿実油、落花
生油、パーム油、コーン油、オリーブ油、亜麻仁油、大豆油、サフラワー油等の植物油由
来のものや、それらの熱重合油及び酸素吹き込み重合油等を併用することもでき、これら
を単独あるいは2種類以上組み合わせて併用して用いることもできるが、好ましくは平版印刷用インキ組成物全量に対して20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下の含有率にすることが望ましい。10重量%以上併用させると、保存容器内でのインキの経時安定性が劣るため好ましくない。
本発明におけるトレランスとは、試験管中に樹脂2.50gとAFソルベント5号(新
日本石油(株)製)を5g入れ、適時攪拌しながら5分間で180℃に昇温し、溶解した
ものを25.0℃まで冷却し、攪拌しつつ0号ソルベント(新日本石油(株)製)で少量
ずつ希釈していき、微濁状態を終点とした時の0号ソルベントの量から以下の計算式(1)によりトレランスの値を求める。
計算式(1)
Figure 2011144294
本発明で用いられるバインダー樹脂としては、重量平均分子量10000〜10000
0、好ましくは20000〜80000、かつトレランスが20〜30重量%好ましくは
22〜28重量%であるロジン変性フェノール樹脂であることが望ましい。
重量平均分子量が10000以下ではインキの粘弾性が低下し、1000000以上ではインキの流動性、光沢が劣る。また、トレランスが20重量%以下ではインキのセット性が低下し、さらにセットオフ汚れ、ミスチング性能の劣化を招く。トレランスが30重量%以上では、印刷機上での溶剤離脱の促進によるインキの増粘、流動性の低下、タック上昇による印刷適性の劣化を招き、さらに光沢が低下するため好ましくない。
また、本発明に用いられる石油系溶剤は必要に応じて、沸点が260〜350℃、好ま
しくは280℃〜340℃の範囲にある石油系溶剤を併用することができる。併用する石
油系溶剤の沸点が260℃未満の場合には、印刷機上でのインキの溶剤蒸発が多くなり、
インキの流動性の劣化により、インキがローラー、ブランケット、版等への転移性が悪く
なり好ましくない。また、併用する石油系溶剤の沸点が350℃を越える場合には、イン
キの乾燥性が劣るため好ましくない。本発明に用いられる石油系溶剤は必要に応じて、インキ全量の5〜20重量%、好ましくは7〜18重量%含有するのが望ましい。
また、本発明に用いられる顔料としては、任意の無機及び有機顔料が使用できる。無機
顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜
鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイ
ト、アルミニウム粉などがあげられ、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キ
ナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系など平版印刷用インキに用いられる顔
料が相当する。有機顔料に関しては、例えば、銅フタロシアニン系顔料(C.I.Pig
ment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、C.I.Pigment Green 7、36)、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 3、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、53:1、57:1)、ジスアゾ系顔料(C.I.Pigment Yellow12、13、14、17、83)、アントラキノン系顔料(C.I.Pigment Red 177)、キナクリドン系顔料(C.I.Pigment Red 122、C.I.PigmentViolet 19)、ジオキサジン系顔料(C.I.Pigment Violet 23)などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
さらに、本発明の平版印刷用インキ組成物には、必要に応じて ゲル化剤、顔料分散剤、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イ
オン系海面活性剤、多価アルコール等の添加剤を便宜使用することができる。
また、本発明の平版印刷用インキ組成物の組成としては、
バインダー樹脂 20〜50重量%
植物油 20〜50重量%
石油系溶剤 0〜20重量%
顔料 5〜30重量%
を含有する平版印刷用インキ組成物が例示される。
本発明では、平版印刷とは、湿し水を使用した平版印刷を指す。すなわち、本発明の平版印刷用インキ組成物は、湿し水を使用した平版印刷用である。
本発明の平版印刷用インキ組成物は、オフセット印刷に用いられるが、その思想を逸脱しない範囲で、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗工方法、またはグラビア印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方法にも適用可能である。
なお、本発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC−8020。以下GPCと称す。)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。
さらに、本発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。
次に具体例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、本発明において「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。
(フェノール樹脂製造例1)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにP−オクチルフェノール1000部、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、トルエン1000部を加えて、90℃で6時間反応させたる。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸溶液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分49%のレゾールタイプフェノール樹脂のトルエン溶液2000部を得て、これをレゾール液Yとした。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例1)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Y1360部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン110部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量30000、トレランス22重量%のロジン変性フェノール樹脂A(以下、樹脂Aと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例2)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Y1500部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン115部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量70000、トレランス25重量%のロジン変性フェノール樹脂B(以下、樹脂Bと称す)を得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の製造例3)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、レゾール液Y1800部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン130部を仕込み、250〜260℃で酸化20以下になるまでエステル化して、重量平均分子量150000、トレランス33重量%のロジン変性フェノール樹脂C(以下、樹脂Cと称す)を得た。
(ワニス製造例1)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに樹脂A(重量平均分子量30000、トレランス22重量%)42部、植物油D(一般式(1)で表される化合物の割合が98重量%、一般式(1)で表される化合物中の(R1+R2+R3)の全量に対して二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素のモル比率が30〜40%、一般式(1)で表される化合物中の(R1+R2+R3)の全量に対して二重結合を3つ有する炭素数18の不飽和炭化水素のモル比率が1.5%以下)38部、AFソルベント5号(新日本石油(株)製)19部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)1部を仕込み、190℃に昇温、同温で1時間攪拌した後放冷してワニス1を得た。
(ワニス製造例2〜9)
表1の組成に基づいて、ワニス製造例1と同等のワニス製造方法により、ワニス2〜9を得た。また、表1中のC14〜C18は、一般式(1)で表される化合物の含有割合を示す。また、C18:2は、一般式(1)で表される化合物中の(R1+R2+R3)の全量に対して二重結合を2つ有する炭素数18の不飽和炭化水素のモル比率を示し、C18:3は、二重結合を3つ有する炭素数18の不飽和炭化水素のモル比率を示す。
Figure 2011144294
(ベースインキおよびインキの製造)
LIONOL BLUE FG7330(東洋インキ製造(株)製)を17部、ワニス1を69部、計86部を3本ロール上に仕込み、60℃の3本ロールで2回練肉したところ、顔料粒子は7.5μm以下に分散され、ベースインキ1を得た。
次いでベースインキ1に対して、AFソルベント5号4部、ワックスコンパウンド(東洋インキ製造(株)製 ニュー耐摩擦コンパウンド)7.5部、金属ドライヤー(東洋インキ製造(株)製MKドライヤー)1.5部、乾燥抑制剤(東洋インキ製造(株)製 乾燥抑制剤CP)1部を添加し、実施例1のインキを約100重量部得た。
上記と同等のベースインキ作製方法にて、表2に示す配合にてベースインキを作製し、同等にAFソルベント5号、大豆油、植物油D、ワックスコンパウンド、金属ドライヤー、乾燥抑制剤を添加して実施例2〜6、比較例1〜3のインキを約100部得た。
Figure 2011144294
(評価結果)
上記実施例1〜6及び比較例1〜3の枚葉インキにおける、流動性、乾燥性、機上安定性、経時安定性について評価を実施し、結果を表3に示した。

Figure 2011144294
<流動性の測定方法>
インキ2.1ccを半球状の容器にセットし、40℃で1時間間静置させた後、60°に傾けた傾斜板の上にインキを垂らし、10分間で流れた長さを測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:80mm以上
△:50mm以上、80mm未満
×:50mm未満
<乾燥性の測定方法>
インキをRIテスター(株式会社明製作所製)にてコート紙に展色し、展色面に硫酸紙を重ね、朝陽乾燥試験機にて乾燥時間を測定した。乾燥時間は硫酸紙にインキが付着しなくなった時間とし、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:6時間未満
△:6時間以上、10時間未満
×:10時間以上
<機上安定性の測定方法>
インキを75μmのアプリケーターでガラス板上に展色したのち、40℃湿度52%の条件下で30分ごとに指触で乾燥時間を調査した。乾燥時間は指にインキが付着しなくなった時間とし、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:12時間以上
△:6時間以上、12時間未満
×:6時間未満
<経時安定性の測定方法>
HAAKE Rheostress600(Thermo ELECTRON CORPORATION社製)により、25℃、シェアレート117/sでのインキ粘度(Pa・s)を測定した。その後、密閉容器に入れて窒素パージし蓋を閉め、90℃のオーブンで1週間保管した。1週間後にオーブンから取り出し、再度インキ粘度を測定した。オーブン保管前後のインキ粘度差を求め、以下の評価基準に基づいて評価を行った。粘度変化量が少ない程、経時安定性に優れていることを示す。
(評価基準)
○:10Pa・s未満
△:10Pa・s以上、20Pa・s未満
×:20Pa・s以上
表3の結果より、流動性、乾燥性、機 123上安定性、経時安定性の全てがバランス良く、優れているものは、実施例であることが分かった。
またリスロン426枚葉印刷機(株式会社小森コーポレーション製)を用いて以下の条件で実施例の平版印刷用用インキ組成物の印刷テストを行った結果、問題なく印刷でき、良好な印刷物が得られた。
(印刷条件)
版:平版用CTP版 HP−F(富士フィルムグラフィックシステムズ株式会社製)
用紙:コート紙
湿し水:アクワユニティC 2.0%(東洋インキ製造株式会社製)
用紙:アート紙
印刷速度:8000枚/時

Claims (5)

  1. バインダー樹脂、植物油および顔料を含有する水平版印刷用インキ組成物において、植物油が、植物油全体に対して、50〜100重量%の一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする平版印刷用インキ組成物。
    一般式(1)
    Figure 2011144294
  2. バインダー樹脂が、重量平均分子量10000〜100000およびトレランス20〜30重量%であるロジン変性フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷用インキ組成物。
  3. さらに、石油系溶剤を含有することを特徴とする請求項1また2に記載の平版印刷用インキ組成物。
  4. 石油系溶剤が、アニリン点75〜95℃および沸点範囲260〜350℃であり、インキ全量の5〜20重量%含有することを特徴とする請求項3記載の平版印刷用インキ組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の平版印刷用インキ組成物を基材上に印刷してなる印刷物。
JP2010007418A 2010-01-15 2010-01-15 平版印刷用インキ組成物および印刷物 Active JP5201154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010007418A JP5201154B2 (ja) 2010-01-15 2010-01-15 平版印刷用インキ組成物および印刷物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010007418A JP5201154B2 (ja) 2010-01-15 2010-01-15 平版印刷用インキ組成物および印刷物

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011144294A true JP2011144294A (ja) 2011-07-28
JP2011144294A5 JP2011144294A5 (ja) 2012-06-14
JP5201154B2 JP5201154B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=44459433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010007418A Active JP5201154B2 (ja) 2010-01-15 2010-01-15 平版印刷用インキ組成物および印刷物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5201154B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014145026A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 平版印刷用インキ
JP2015199777A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096375A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Toppan Printing Co Ltd 米ぬか油インキおよびそれを用いた印刷物
JP2004217840A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ
JP2005330317A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ用ワニスおよびそれを含有する印刷インキ
JP2006219571A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ
JP2006282774A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷用インキおよびそれを用いた印刷物
JP2008163063A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2011068863A (ja) * 2009-08-28 2011-04-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096375A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Toppan Printing Co Ltd 米ぬか油インキおよびそれを用いた印刷物
JP2004217840A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ
JP2005330317A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Dainippon Ink & Chem Inc 印刷インキ用ワニスおよびそれを含有する印刷インキ
JP2006219571A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ
JP2006282774A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷用インキおよびそれを用いた印刷物
JP2008163063A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Toyo Ink Mfg Co Ltd 印刷インキ組成物
JP2011068863A (ja) * 2009-08-28 2011-04-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014145026A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 平版印刷用インキ
JP2015199777A (ja) * 2014-04-04 2015-11-12 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5201154B2 (ja) 2013-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6243248B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP2011144315A (ja) オフセットインキ組成物および印刷物
JP2013144765A (ja) オフセット印刷インキ組成物
JP5201154B2 (ja) 平版印刷用インキ組成物および印刷物
JP2016017171A (ja) 平版印刷インキ用組成物
JP5564797B2 (ja) ヒートセットオフ輪インキ組成物
JP2014181313A (ja) 平版印刷インキおよび印刷物
JP2011068863A (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP2016155907A (ja) ロジン変性フェノール樹脂の製造方法
JP5467556B2 (ja) 平版印刷用インキおよびそれを用いて印刷した印刷物
JP6226502B2 (ja) オフセット印刷インキ用ゲルワニス、オフセット印刷インキおよび印刷物
JP4352714B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP6214495B2 (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2011144295A (ja) 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物
JP6241354B2 (ja) 平版印刷インキ組成物
JP4225073B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP2011074172A (ja) 水性平版印刷インキならびに印刷物
JP4352713B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP7030267B2 (ja) オフセット印刷インキ組成物、及び印刷物
JP5714238B2 (ja) 平版印刷インキ組成物
JP6183396B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP2017149877A (ja) 平版印刷インキ
JP2008184600A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2014145026A (ja) 平版印刷用インキ
JP2014055260A (ja) オフセット印刷インキおよびオフセット印刷インキ用ワニス

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120427

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120427

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20120427

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20120522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121009

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5201154

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250