JP6368548B2 - オフセット印刷インキおよび印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、オフセット印刷インキに関する。
オフセット印刷では、インキがインキ壷から複数のローラーを経由して版面に供給され、版面からブランケットを介して用紙に転移し、画像が再現される。特にオフセット輪転印刷においては、ガイドローラー、ターンバー、三角板などを経て、折り機にて折られ、結束されるのが一般的である。
以前より上述したような工程の過程で、擦れ、汚れ、裏移り、ブロッキングなどの問題が起きる。特に、擦れを抑制するために、ワックスを処方することが行なわれているが、添加量が多いほど、光沢が低下する傾向があり、トレードオフの関係にある。
従来、オフセット印刷用インキのバインダーとしては、印刷インキのさまざまな印刷適性を付与させる目的で、ロジン変性フェノール樹脂が用いられる。しかし、上述したような擦れを抑制する目的では、その光沢と耐摩擦性の両方について満足するものがないのが実情である。
特許文献1には、GPC法によるポリスチレン換算値の重量平均分子量が300以下の成分の含有量が3%以下であるロジン変性フェノール樹脂を含有する印刷インキ用樹脂組成物が開示されている。そこでは、当該樹脂中の重量平均分子量が300以下の低分子成分を3%以下とすることで、光沢を損なうことなく、ミスチングは低減できると記載されている。特許文献2には、スラッシュ松に由来するロジン類を含有するロジン類を含有したロジン変性フェノール樹脂が開示されている。そこでは、前記特許文献2と同様に、ミスチングを低減させつつ、さらに流動性が良好で、光沢、乾燥性、耐乳化性も優れる印刷インキを製造可能であると記載されている。特許文献3には、炭酸カルシウム存在下で合成樹脂を合成し、該合成樹脂を含有する平版印刷インキ組成物が開示されている。そこでは、流動性を損なうことなく粘弾性を高めることができ、ミスチングを低減できると記載されている。特許文献4には、特定の炭酸カルシウムを含有する平版印刷インキ組成物が開示されている。そこでは、着肉性、光沢に優れ、ミスチングを低減できると記載されている。
しかし、特許文献1のロジン変性フェノール樹脂を含有したインキは光沢を損なうことはないものの耐摩擦性について記載も示唆もない。特許文献2のロジン変性フェノール樹脂は、当該樹脂を含有したインキは光沢に優れるものの耐摩擦性について記載も示唆もない。特許文献3の合成樹脂を合成する段階で炭酸カルシウムを存在させ、当該合成樹脂を含有したインキ組成物は光沢が優れるものの耐摩擦性について記載も示唆もない。さらに、炭酸カルシウムをインキ作成時に添加したインキの光沢は極端に悪いことが明らかである(比較例3)。特許文献4の特定の炭酸カルシウムを含有したインキにおいては、光沢は優れるものの耐摩擦性について記載も示唆もなく、しかも流動性が劣るものである。したがって、特許文献1〜4のいずれも光沢とトレードオフの関係にある耐摩擦性については記載も示唆もない。
特開2007−238795号公報 特開2012−1714号公報 特開2010−195910号公報 特開2013−139551号公報
従って、本発明は、セット性が良好で、かつ耐摩擦性、光沢のバランスに優れ、夏場など高温雰囲気下でも優れた印刷物を与えることのできる(高温雰囲気耐性)オフセット印刷インキおよび当該オフセット印刷インキを用いて作製された印刷物を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、オフセット印刷インキにおいて、特定の炭酸カルシウムを使用し、かつ動的粘弾性を調整したゲルワニスを含有することにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)ロジン酸処理され、平均粒子径が0.02〜0.05μmで、かつBET法による比表面積が20〜35m/gである炭酸カルシウムを、インキ組成物中に、0.1〜10重量%と、
25℃、1Hzにおける直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して測定した動的粘弾性tanδが3以下、ヘプタントレランスが50〜200%であるオフセット印刷インキ用ゲルワニスを含むことを特徴とするオフセット印刷インキ、
(ただし、
着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、下記成分(A)及び成分(B)の両方と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物
成分(A) 変性ノボラック樹脂
成分(B) 下記一般式(1)又は(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種
Figure 0006368548
(上記一般式(1)及び(2)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは、1〜3の整数である。)、および、
着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物であって、
リソトリニック乳化試験機を用いた乳化試験において、前記オフセット印刷用インキ組成物の乳化率が20%となる質量の水を一度に添加した際の水の取り込み速度が4秒以下であり、滴下により水を添加した際の乳化限度率が40〜50%であるオフセット印刷用インキ組成物を含む場合を除く)
(2)ロジン酸処理され、平均粒子径が0.02〜0.05μmで、かつBET法による比表面積が20〜35m/gである炭酸カルシウムを、インキ組成物中に、0.1〜10重量%と、
ロジン変性フェノール樹脂を含有し、ヘプタントレランスが30〜150%で、アルコールナンバーが25〜32mlであるオフセット印刷インキ用ワニスを含有することを特徴とするオフセット印刷インキ、
(ただし、
着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、下記成分(A)及び成分(B)の両方と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物
成分(A) 変性ノボラック樹脂
成分(B) 下記一般式(1)又は(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種
Figure 0006368548
(上記一般式(1)及び(2)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは、1〜3の整数である。)、および、
着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物であって、
リソトリニック乳化試験機を用いた乳化試験において、前記オフセット印刷用インキ組成物の乳化率が20%となる質量の水を一度に添加した際の水の取り込み速度が4秒以下であり、滴下により水を添加した際の乳化限度率が40〜50%であるオフセット印刷用インキ組成物を含む場合を除く)
(3)前記オフセット印刷インキ用ワニスに含まれるロジン変性フェノール樹脂が、重量平均分子量80,000〜300,000であることを特徴とする(2)に記載のオフセット印刷インキ、に関するものである。

本発明において、BET法による比表面積とは、試料への窒素ガスの吸着量からBET式にしたがって、単分子層吸着量を求め、ここから吸着分子数を求め、さらに分子占有断面積とを掛けることにより、試料の表面積を求め、試料量で割って求めた値である。
動的粘弾性tanδは、損失弾性率と貯蔵弾性率との比で示され、損失弾性率は柔軟性、貯蔵弾性率は硬さを表している。前者は粘性成分であり、後者は弾性成分ともいえる。
オフセット印刷インキでは、夏場など気温が上昇すると、用いているインキの粘度が下がるため、網点が太り易く、網点再現性が劣ったり、印刷機の湿し水を版胴に送り込むローラー(ダンプニングローラー)にインキが絡み出し、湿し水の供給が不安定となり、結果として印刷物の汚れを引き起こす。
印刷雰囲気温度の上昇による印刷インキの粘度低下は避けられないが、温度変化に対して動的粘弾性tanδを一定に保つか、または弾性を付与することによって網点太りや汚れを防ぐことができると考え、印刷インキに弾性を付与することを目的としてゲルワニスを検討した結果、特定の物性を有するワニスにゲルワニスを併用することによりオフセット印刷インキの動的粘弾性tanδを所望の範囲に調整でき、それにより、低温乾燥性に優れるばかりでなく高温雰囲気下でも印刷物の汚れを防ぐことができることを見出した。
なお、本発明において、オフセット印刷インキ用ゲルワニスの動的粘弾性tanδは25℃、1Hzにおける直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して測定した値である。
ヘプタントレランスは、100mlビーカーにワニス5gを秤量し、トルエン45gに溶解後、20℃で撹拌しながらn−ヘプタンを滴下していったとき、溶液が白濁しビーカー下の新聞紙活字(10ポイント)が判定出来なくなるまでのn−ヘプタン滴下量(g)から次式で算出される数値である。
ヘプタントレランス(%)=100×(n−ヘプタン滴下量g)/(ワニス量g)
アルコールナンバーは、100mlビーカーにワニス5gを秤量し、トルエン45gに溶解後、20℃で撹拌しながらメタノールを滴下していったとき、溶液が白濁しビーカー下の新聞紙活字(10ポイント)が判定出来なくなるまでのメタノール滴下量(ml)である。
本発明によると、セット性が良好で、かつ耐摩擦性、光沢が良好で、夏場など高温雰囲気下でもインキダレしない優れた印刷物を与えることのできるオフセット印刷インキおよび当該オフセット印刷インキを用いて作製した印刷物を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明のオフセット印刷インキ(以下、単に「インキ」ともいう)は、特定の炭酸カルシウム、オフセット印刷インキ用ゲルワニス、溶剤、植物油類、顔料などを混練含有させて製造される。
本発明で使用する炭酸カルシウムは、ロジン酸によって表面処理されているものが好ましい。ロジン酸によって表面処理をすることによって、インキ中のロジン変性フェノール樹脂などと親和性が良好であるため、非常に分散しやすく、安定する。
本発明で使用する炭酸カルシウムは、平均粒子径が0.02〜0.05μmであることが好ましく、0.03〜0.04μmであることがより好ましい。平均粒子径が0.02μmより小さいと比表面積が非常に大きくなるため、流動性が劣ってくる。0.05μmより大きいと光沢が低下する。
本発明で使用する炭酸カルシウムは、BET法による比表面積が20〜35m/gである。20m/gより小さいと分散が困難になってくる。35m/gより大きいと流動性が劣る。
市販品としては、ネオライトSA−300、ネオライトSA−100、ネオライトGP−20(竹原化学工業(株)製)、白艶華DD(白石カルシウム(株)製)、ミクローン300A((株)ニューライム製)などを用いることができる。
本発明で使用する炭酸カルシウムは、インキ組成物中に、0.1〜10重量%含有することが好ましく、1〜8重量%であることがより好ましく、2〜6重量%がさらに好ましい。含有量が0.1重量%より少ないと、耐摩擦性を向上させる効果が少なく、10重量%を超えると分散が困難になってくる。
本発明のオフセット印刷インキ用ゲルワニス(以下、単に「ゲルワニス」ともいう)は、ロジン類、全炭素数が10〜40の脂肪酸類、炭素数が4〜9のアルキル基を有するアルキルフェノール、ホルムアルデヒドおよびポリオールとを、反応させてなるロジン変性フェノール樹脂と、ゲル化剤を含有するものであることが好ましく、より好ましくは二塩基酸がロジン類に対して1〜10重量%であるダイマー酸を含有するロジン変性フェノール樹脂と前記ゲル化剤が、ゲルワニス中に0.7重量%以下含有するものである。
本発明で使用するロジン類としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、重合ロジンなどの各種ロジンが挙げられる。
本発明で使用する全炭素数が10〜40の脂肪酸類としては、不飽和ジカルボン酸類、ダイマー酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸類としては、例えば、フマル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。ダイマー酸としては、植物由来脂肪酸を二量化したものが好ましく、前記植物由来脂肪酸としては、例えば、ヨウ素価120〜145のトール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸及び米糠油脂肪酸などが好ましく、トール油脂肪酸、米糠油脂肪酸がより好ましい。市販品としては、ハリダイマーシリーズ(ハリマ化成(株)製)として入手できる。
本発明で使用する炭素数が4〜9のアルキル基を有するアルキルフェノールとしては、例えば、パラターシャリーブチルフェノール、パラセカンダリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラノニルフェノールなどで、またこれらの混合物が挙げられる。なかでも、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノールおよびその混合物がより好ましい。
本発明で使用するポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリト−ル、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。なかでも、グリセリン、ペンタエリスリト−ルがより好ましい。なお、ホルムアルデヒドは、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
本発明のロジン変性フェノール樹脂は、公知の製造方法によって得られる。すなわち、前記ロジン類と、前記脂肪酸類をディールスアルダー反応させて得られる反応生成物と、前記炭素数が4〜9のアルキル基を有するアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドをアルカリ触媒を用いて縮合反応させて得られる反応生成物(以下、「レゾール樹脂」という)と、前記ポリオールとを反応させて得られる樹脂である。
より詳しくは、例えば、前記反応生成物、前記レゾール樹脂および前記ポリオールを所定量ずつ反応装置に仕込み、必要に応じて各種公知の酸性または塩基性触媒の存在下、100〜300℃程度の温度範囲にて、1〜20時間程度反応させればよい。前記触媒としては、塩酸、硫酸などの鉱酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどの金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの酢酸塩が挙げられる。また、前記反応生成物と前記レゾール樹脂とを反応させた後に、前記ポリオールを加えて反応させる方法、前記反応生成物と前記ポリオールとを反応させた後に、前記レゾール樹脂を加えて反応させる方法でも製造することができる。
それぞれの使用量は、特に限定されないが、インキ性能のバランスを考慮すると、全成分を100重量%とした場合、ロジン類と脂肪酸類を反応させた反応生成物は41〜88重量%程度、レゾール樹脂(固形分換算)は9〜50重量%程度、ポリオールは3〜9重量%程度である。
さらに、前記脂肪酸類のうちダイマー酸は、前記ロジン類に対して1〜10重量%の割合で反応させることが好ましい。ダイマー酸の割合が1重量%未満では、重量平均分子量が小さく、架橋密度が不十分となるため、蒸発乾燥後のインキ皮膜が弱く、印刷機中のターンバーやガイドローラー、三角板など高いずり応力のかかる部分で擦れやすくなる。また、架橋密度が不十分であると、温度依存性が劣る傾向がある。10重量%を超えると、インキの弾性が高くなり、温度依存性は優れ、ゲル化剤量が減量できるなどのメリットはあるものの、ヘプタントレランスが上がり、乾燥性が劣る傾向がある。一方で、弾性が強すぎるため、ゲルワニスの製造時において、撹拌翼の軸への巻き上がり(ワイゼンベルグ効果)により、物性のコントロールが困難となる。また、インキが高弾性になり過ぎると、印刷網点が細る傾向があり、網点再現性、ひいては印刷品質にも影響する。
また、前記ロジン類に対して、前記炭素数が4〜9のアルキル基を有するアルキルフェノールは、60/40〜70/30の割合で使用することが好ましい。
また、前記ロジン類に対して、前記ポリオールは、90/10〜95/5の割合で使用することが好ましい。
前記ロジン変性フェノール樹脂は、重量平均分子量が40,000〜200,000の範囲内であることが好ましく、50,000〜180,000の範囲内であることがより好ましい。なかでも、特に好ましいのは、重量平均分子量が50,000〜100,000の範囲内である。重量平均分子量が200,000を超えると溶解性が低下するため、溶剤離脱性が早くなることにより、機上安定性が劣り、紙剥けが発生しやすくなる。また高い弾性を有するため、顔料分散性の低下、紙面への着肉低下や、レベリング性、流動性低下による光沢低下が起こりやすくなる。
ここで、重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
前記ロジン変性フェノール樹脂は、ゲルワニス中に、30〜60重量%であるものが好ましく、35〜50重量%であるものがより好ましい。
本発明のオフセット印刷インキ用ゲルワニスは、前記ロジン変性フェノール樹脂と、ゲルワニス中に、ゲル化剤が0.7重量%以下であるものが好ましく、0.3重量%以下であるものがより好ましい。また、ゲル化剤を含有しなくても好適に使用できる。さらに、前記ゲルワニスに植物油類、溶剤を含有してもよい。ゲルワニス中に、ゲル化剤が0.7重量%を超えると、ゲルワニスの粘度が高く、凝集力が大きくなるため、インキのミスチング、ドットゲインなどが抑制できるというメリットはあるものの、一方で、印刷機のインキ壷内でその凝集が崩れにくくなるため、インキ壷からのインキ供給やインキローラー間の転移性が低下してしまう。
本発明のオフセット印刷インキ用ゲルワニスは、前記ロジン変性フェノール樹脂に植物油類、溶剤、ゲル化剤(キレート剤)などを混合加熱して製造されるが、25℃、1Hzにおける直径25mmでコーン角1°のコーンプレートを使用して測定した動的粘弾性tanδが、3以下が好ましい。3を超えると、ワニスの凝集力が不十分となり、特に機械周辺温度、版面およびブランケットの温度が高くなる場合、汚れなどが発生しやすくなる傾向を示す。
本発明のオフセット印刷インキ用ゲルワニスは、ヘプタントレランスが、50〜200%が好ましい。50%未満では、相溶性が低下し乾燥性は向上するが、経時安定性が低下し、インキ着肉が低下する。200%を超えると、紙面温度設定が低い場合、紙面に付着したインキの乾燥性が悪くなる。
本発明のオフセット印刷インキ用ゲルワニスは、25℃、1Hzにおける直径25mmでコーン角1°のコーンプレートを使用して測定した動的粘弾性tanδと、ヘプタントレランスが、前記範囲内であることが好ましい。前記範囲内であれば、ゲル化剤を使用しなくてもよい。
オフセット印刷インキ用ゲルワニスの動的粘弾性tanδ、ヘプタントレランスおよび水酸基価は、殆ど用いるロジン変性フェノール樹脂の物性に依存する。
すなわち、ゲルワニスの動的粘弾性tanδは、ゲルワニスの組成からゲル化剤を除いた配合の動的粘弾性tanδを通常(10〜20)より低めの4〜10未満になるようにロジン変性フェノール樹脂の動的粘弾性tanδを調整し、その配合にゲル化剤を適宜添加するかまたはゲル化剤の添加なしで、容易に3以下にコントロールできる。なお、ゲルワニスの組成からゲル化剤を除いた配合の動的粘弾性tanδが4〜10未満の範囲を外れると、ゲル化剤によって動的粘弾性tanδを3.0以下にすることができたとしても、得られたゲルワニスの安定性に問題があるなど、使用できるようなものとはならない。
本発明のオフセット印刷インキ用ゲルワニスのヘプタントレランスは、それに用いるロジン変性フェノール樹脂の非極性溶媒との親和性の指標である5ソルトレランスから推測できる。
すなわち、当該ゲルワニスに用いるロジン変性フェノール樹脂の5ソルトレランス(複数のロジン変性フェノール樹脂を混合して用いる場合はその加重平均値)を5〜15程度とすることにより、当該ゲルワニスのヘプタントレランスを50〜200%に調整できる。
また、水酸基価は、用いるロジン変性フェノール樹脂の水酸基価とほぼ同等の数値となる。
前記ロジン変性フェノール樹脂の5ソルトレランスは、10g/g以下であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは8g/g以下である。10g/gより大きいと樹脂と溶剤との相溶性が高くなるため、溶剤が離脱し難くなり、乾燥が悪くなる。前述したように、複数のロジン変性フェノール樹脂を混合して用いる場合は、その加重平均値がゲルワニスのヘプタントレランスと相関があるので、場合によっては5ソルトレランス10g/gを超えるものも使うことができる。
なお、5ソルトレランスはロジン変性フェノール樹脂とインキ溶剤との相溶性の目安であり、試料1gと混じり合うインキ溶剤5号ソルベントのg数で示される。具体的には、樹脂を5号ソルベントで加熱溶解し、25℃で撹拌しながら5号ソルベントを滴下して加えていき、溶液が白濁した時を終点とする。ロジン変性フェノール樹脂の種類によっては5ソルトレランスが測定できないものもあるが、本明細書において、このような樹脂は、5ソルトレランスが2より小さいものとした。
前記ロジン変性フェノール樹脂の酸価は、0〜30mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは19mgKOH/g以下である。樹脂によっては酸価を測定できないものもあるが、本明細書において、このような樹脂は、酸価が0mgKOH/gであるとみなすものとする。30mgKOH/gを超えると乾燥性が低下し、擦れ汚れの原因となったり、乳化しやすくなる。
なお、酸価はJIS K5601による測定値である。
前記ロジン変性フェノール樹脂の水酸基価は、50〜120mgKOH/gが好ましい。50mgKOH/g未満では、親水性が低すぎてインキの乳化限度率が低くなり、水を取り込み難くなるため、ローラー剥げなどの印刷トラブルが発生しやすい。120mgKOH/g超では、乳化限度率が高過ぎて、過剰乳化により乳化したインキの凝集力が高くなり過ぎるためインキ転移を阻害し、ローラー上にインキが余り易く、汚れなどが発生しやすくなる。
なお、水酸基価は、試料1g中に含まれるOH基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数である。無水酢酸を用いて試料中のOH基をアセチル化し、生成した酢酸を水酸化カリウム溶液で滴定することによって求められる。
本発明で用いられるキレート剤はゲル化剤として働くものであるが、金属キレート、特に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート化合物が好ましく用いられる。
前記ロジン変性フェノール樹脂の含有量は、オフセット印刷インキ全量中に2〜30重量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは、5〜10重量%の範囲内である。2重量%未満では樹脂固形分が少なく、顔料の分散が困難になり、得られるインキを所定の粘度に合わせようとすると降伏価が高く、流動性が低下するため、ローラー転移性が損なわれ、光沢や着肉性低下、乳化適性不良などの印刷適性を損なう、30重量%を超えるとインキのタックが高くなり、流動性も過剰となってしまうため、ミスチングの発生や低級紙への印刷や高速印刷においては、紙剥けしやすくなるため好ましくない。
本発明のオフセット印刷インキ中に、ゲルワニスが5〜75重量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、8〜50重量%の範囲内であることがより好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましい。5重量%未満であると、インキへの弾性付与が不十分となるため、温度依存性が劣り、夏場など高温雰囲気下でインキダレが起こりやすくなり、それによるインキ余り、からみ汚れ、ミスチングが発生し易くなる。75重量%を超えると、インキのタックが高くなり、流動性も過剰となってしまうため、ミスチングの発生や低級紙への印刷や高速印刷においては、紙剥けしやすくなるため好ましくない。
さらに、本発明のオフセット印刷インキは、前記ゲルワニスの他にオフセット印刷インキ用ワニス(以下、単に「ワニス」ともいう)を含有することが好ましい。
前記オフセット印刷インキ用ワニスは、本発明のロジン変性フェノール樹脂および/または当該樹脂以外のロジン変性フェノール樹脂、植物油類、ゲル化剤(キレート剤)などを混合加熱して製造され、そのヘプタントレランスが30%以上で、アルコールナンバーが22〜32mlが好ましい。一般的に使用されるオフセット印刷インキ用ワニスは、ヘプタントレランスが200%以上、アルコールナンバー22〜25mlとなっているが、特にヘプタントレランスが30〜150%で、アルコールナンバーが25〜32mlであることで、高温雰囲気耐性を付与する効果が顕著になる。
ヘプタントレランスは、ワニス中の樹脂に対する溶剤の親和性の指標で、150%より大きいと印刷機上での安定性は良好となるが、印刷したとき溶剤の抜けが悪くなりセットが遅く(乾燥しにくく)なる。一方、30%より小さいと印刷機上でのインキ状態は不安定となり、流動性が低下し、ローラー間転移性、紙面への着肉が低下するため、品質のよい印刷物を安定して生産できなくなる。なお、ヘプタントレランスは前記オフセット印刷インキ用ゲルワニスと同様にコントロールできる。
アルコールナンバーは、ワニス中の水酸基の割合を間接的に表す指標で、32mlより大きいと水を取り込みやすくなるため、過乳化しやすくなり、調量ローラーのインキ絡みや汚れが発生しやすくなる。また、22mlより小さいと水を取り込みにくくなるため、乳化しにくくなり、ローラー剥げしやすく、インキ転移性を阻害する。また、ワニスのアルコールナンバーは、用いるロジン変性フェノール樹脂の酸価を14〜17程度とし、水酸基価を60〜78程度とすることにより25〜32mlに調整可能である。この場合も複数のロジン変性フェノール樹脂を用いる場合は夫々の加重平均値を用いる。
前記ワニスに使用されるロジン変性フェノール樹脂は、重量平均分子量が80,000〜300,000の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは、重量平均分子量が80,000〜220,000の範囲内である。重量平均分子量が300,000を超えると溶解性が低下するため、溶剤離脱性が早くなることにより、機上安定性が劣り、紙剥けが発生しやすくなる。また高い弾性を有するため、顔料分散性の低下、紙面への着肉低下や、レベリング性、流動性低下による光沢低下が起こりやすくなる。
前記ワニスに使用されるロジン変性フェノール樹脂の酸価は、0〜30mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは19mgKOH/g以下である。樹脂によっては酸価を測定できないものもあるが、本明細書において、このような樹脂は、酸価が0mgKOH/gであるとみなすものとする。30mgKOH/gを超えると乾燥性が低下し、擦れ汚れの原因となったり、乳化しやすくなる。
前記ワニスに使用されるロジン変性フェノール樹脂の水酸基価は、20〜150mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは45〜100mgKOH/gの範囲内である。20mgKOH/gより小さいと印刷機上において適正なエマルションを形成し難く且つ乳化し難くなるため、ローラー剥げなどが発生し、転移不良などの印刷適性や画像品質に影響を及ぼす。150mgKOH/gを超えると過剰に水を取り込み易くなり、ローラー上にインキが余りやすく、調量ローラーのインキ絡みが発生しやすくなる。
前記ワニスに使用されるロジン変性フェノール樹脂の5ソルトレランスは、10g/g以下であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは8g/g以下である。10g/gより大きいと樹脂と溶剤との相溶性が高くなるため、溶剤が離脱し難くなり、乾燥が悪くなる。後述するように、複数のロジン変性フェノール樹脂を混合して用いる場合は、その加重平均値がワニスのヘプタントレランスと相関があるので、場合によっては5ソルトレランス10g/gを超えるものも使うことができる。
前記ゲルワニスと前記ワニスは、インキ製造の最初に混合してもよいが、先にワニスと植物油類、溶剤、顔料などを混練した後にゲルワニスを添加するなど、添加順はインキ製造設備に応じて選択できる。
本発明のゲルワニスのロジン変性フェノール樹脂と前記ワニスのロジン変性フェノール樹脂以外のバインダー樹脂を使用することもできる。例えば、重合ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂および石油樹脂などが挙げられ、それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用することが出来る。
バインダー樹脂全体の含有量は、オフセット印刷インキ全量中に20〜35重量%の範囲内であることが好ましい。20重量%未満では固形分が少ないため、低粘度となって流動性が過剰となり所望のインキを得ることが困難となり、35重量%を超えると光沢が低下しやすくなるため好ましくない。
本発明のオフセット印刷インキは、温度範囲25〜60℃、ひずみ40%、角周波数10sec−1で、パラレルプレート25mmの治具を用いて測定した温度依存性動的粘弾性tanδの最大値と最小値の差が1.5以下である。
測定温度を25〜60℃と変化させたとき、温度依存性動的粘弾性tanδの最大値と最小値の差を1.5以下と小さくすることによって、夏場など高温雰囲気下でも優れた印刷物を与えることのできる(高温雰囲気耐性)オフセット印刷インキとなる。高温時にはインキの粘性は下がり、そのため高温時ではインキダレが起きやすくなり印刷物の汚れやドットゲインによる網点再現性の低下に繋がるが、温度変化に対する動的粘弾性変化を小さくすることによって粘性低下をカバーできると考えられる。すなわち、インキに弾性を付与すれば、ドットゲイン抑制、粘度低下によるインキのタレといった悪影響を相殺できると考えられる。
本発明のオフセット印刷インキは、前記炭酸カルシウム、前記ゲルワニス、前記ワニス、溶剤、植物油類、添加剤、顔料などを混練含有させて製造される。
本発明で用いられる植物油類としては、主に大豆油または大豆油由来の脂肪酸エステルが用いられる。その他の植物油としては、例えばアマニ油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、桐油などおよびこれらを再生処理したものが挙げられる。また、その他の植物油由来の脂肪酸エステルとしては、例えば綿実油、アマニ油、サフラワー油、向日葵油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、菜種油、胡麻油などの乾性油または半乾性油を由来とした脂肪酸モノアルキルエステルが例示できる。脂肪酸モノアルキルエステルを構成するアルコール由来のアルキル基の炭素数は5〜12のものが好ましく、具体例としてペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、3−メチル−1−ブチル、2,4−ジメチル−3−ペンチル、2−エチル−1−ヘキシル、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル、4−デシル、2−イソプロピル−5−メチル−1−ヘキシル、2−ブチル−1−オクチルなどである。なかでも特に好ましいのは2−エチル−1−ヘキシル、オクチルなどである。上記植物油類は、樹脂に対する溶解性が上がり、印刷物の光沢向上に効果がある。
本発明のオフセット印刷インキの全量に対し植物油類は、7〜30重量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは10〜25重量%の範囲内である。7重量%未満では光沢が低下する。30重量%を超える量を添加しても光沢の向上効果は得られず、溶解性が高くなり、タックの経時での上昇が大きくなるため、ブランケット上に堆積したインキの粘着性が高まり、アフタータックが残り、紙剥けしやすくなる。
大豆油と大豆油由来の脂肪酸エステルの比率は、重量比で100/0〜30/70の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは90/10〜50/50の範囲内である。大豆油と大豆油由来の脂肪酸エステルの比率において、大豆油由来の脂肪酸エステルが、重量比で70重量%を超えるとタックが高くなり、紙剥けしやすくなる。
本発明で用いられる顔料としては、有機顔料または無機顔料であり、例えばジスアゾイエロー、カーミン6B、フタロシアニンブルーなどに代表される有機顔料、およびカーボンブラック、炭酸カルシウムなどに代表される無機顔料などであり、特に限定されない。
本発明で用いられる溶剤としては、流動性付与などの目的で、AF溶剤、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、マシン油、シリンダー油、ビニリデンオレフィンなどに代表される石油系溶剤を適宜選択して用いることができる。
本発明では、他に印刷インキとしての機能向上を目的として、適宜、顔料分散剤、乳化剤、乾燥防止剤、乾燥促進剤、整面剤、滑剤などの添加剤を用いることができる。例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止剤、滑り剤としては、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、シリコーン化合物などの合成ワックスを例示することができる。
本発明のオフセット印刷インキは、従来公知の方法により製造できる。例えば、ロジン変性フェノール樹脂、植物油類、アルミキレート剤およびその他の添加物を混合過熱溶解してゲルワニスまたはワニスを得、このゲルワニスまたはワニスあるいは両方に炭酸カルシウム、顔料などを添加し、3本ロール、ビーズミルなどで分散させた混合物(インキベースともいう)に、溶剤、植物油類、添加剤などを添加して製造される。または、ゲルワニスまたはワニスあるいは両方に炭酸カルシウム、溶剤、植物油類などを添加し、3本ロール、ビーズミルなどで分散させた炭酸カルシウム分散物を予め製造しておき、該分散物と別途用意したインキベースとを混合し、さらに溶剤、植物油類、添加剤などを添加して製造される。
本発明の印刷物は、基材となる紙に、通常のオフセット印刷により製作出来る。
本発明の印刷物に用いる基材としては、通常のオフセット印刷が可能な用紙であれば使用できるが、特に、平版印刷に適する更紙(非塗工紙)、微塗工紙、コート紙、アート紙などが好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
[ゲルワニスの調製]
製造例1
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器中に、p−t−ブチルフェノール500部、オクチルフェノール500部、92%パラホルムアルデヒド434部、キシレン529部および水500部をしこみ、撹拌しながら50℃まで昇温した。次に、同反応容器中に45%水酸化ナトリウム水溶液89部をしこみ、90℃まで昇温後、2時間保温し、更に硫酸を滴下して中和させた。その後、ホルムアルデヒドなどを含んだ水層部を抽出し、レゾール樹脂A(キシレン70%溶液)を得た。
さらに、撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器中に、ガムロジン1,000部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、200℃に昇温し、加熱溶融させ、無水マレイン酸40部を添加し、前記レゾール樹脂A942部(固形分660部)を5時間かけて滴下した。滴下後、グリセリン93部およびパラトルエンスルホン酸1部を添加し、230〜280℃で酸価が25mgKOH/g以下となるまで反応させ、ロジン変性フェノール樹脂A(重量平均分子量181,000、5ソルトレランス7.3、酸価15.8mgKOH/g、水酸基価84mgKOH/g)を得た。
前記ロジン変性フェノール樹脂A39部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)40.3部、大豆白絞油20部およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.7部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ゲルワニスGV1を得た。このゲルワニスの物性は、表1に示した。
製造例2
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器中に、ガムロジン1,000部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら、200℃に昇温し、加熱溶融させ、ダイマー酸(ハリダイマー200、ハリマ化成(株)製)40部を添加し、前記レゾール樹脂A942部(固形分660部)を5時間かけて滴下した。滴下後、グリセリン93部およびパラトルエンスルホン酸1部を添加し、230〜280℃で酸価が25mgKOH/g以下となるまで反応させ、ロジン変性フェノール樹脂B(重量平均分子量100,000、5ソルトレランス7.3、酸価23.8mgKOH/g、水酸基価74mgKOH/g)を得た。
前記ロジン変性フェノール樹脂B41部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)38.7部、大豆白絞油20部およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.3部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ゲルワニスGV2を得た。このゲルワニスの物性は、表1に示した。
製造例3
撹拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器中に、ガムロジン1,000部をしこみ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、200℃に昇温し、加熱溶融させ、ダイマー酸(ハリダイマー200、ハリマ化成(株)製)100部を添加し、製造例2で得たレゾール樹脂A614部(固形分430部)を5時間かけて滴下した。滴下後、グリセリン93部およびパラトルエンスルホン酸1部を添加し、230〜280℃で酸価が25mgKOH/g以下となるまで反応させ、ロジン変性フェノール樹脂C(重量平均分子量80,000、5ソルトレランス7.3、酸価23.2mgKOH/g、水酸基価59mgKOH/g)を得た。
ロジン変性フェノール樹脂C46.5部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)37.5部および大豆白絞油16部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ゲルワニスGV3を得た。このゲルワニスの物性は、表1に示した。
製造例4
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量174,000、5ソルトレランス10.7、酸価13mgKOH/g、水酸基価63mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)10部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量88,000、33%0ソルトレランス1.3>、酸価26.7mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)30部、大豆油15部、エクソールD110(エクソンモービルケミカル社製)44.4部、およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.5部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ゲルワニスGV4を得た。このゲルワニスの物性は、表1に示した。
Figure 0006368548
[ワニスの調製]
製造例5
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量174,000、5ソルトレランス10.7、酸価13mgKOH/g、水酸基価63mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)12部、ロジン変性フェノール樹脂R3(重量平均分子量114,000、5ソルトレランス5.5、酸価16.7mgKOH/g、水酸基価47mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)14部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量88,000、33%0ソルトレランス1.3>、酸価26.7mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)16部、大豆油23部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)22部、エクソールD110(エクソンモービルケミカル社製)12.4部、およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.5部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。このワニスのヘプタントレランスは148%、アルコールナンバーは25.9mlであった。
製造例6
ロジン変性フェノール樹脂R4(重量平均分子量167,000、5ソルトレランス2>、酸価14.1mgKOH/g、水酸基価92mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)16部、ロジン変性フェノール樹脂R5(重量平均分子量94,000、5ソルトレランス4.9、酸価16.6mgKOH/g、水酸基価47mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)26部、大豆油20部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)37.6部およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.4部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV2を得た。このワニスのヘプタントレランスは75.0%、アルコールナンバーは29.0mlであった。
製造例7
ロジン変性フェノール樹脂R6(重量平均分子量213,000、33%0ソルトレランス3.2、酸価14.6mgKOH/g、水酸基価63mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)26部、ロジン変性フェノール樹脂R7(重量平均分子量115,000、0ソルトレランス2.4、酸価19.4mgKOH/g、水酸基価78mgKOH/g、荒川化学工業(株)製)18部、大豆油11部、AFソルベント7(JX日鉱日石エネルギー(株)製)44.3部、およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル社製)0.7部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV3を得た。このワニスのヘプタントレランスは400%、アルコールナンバーは24.5mlであった。
[オフセット印刷インキの調製]
実施例1〜8および比較例1〜5
表2の配合でワニス、炭酸カルシウム、ゲルワニス、黄顔料(Lionol Yellow 1245P、東洋インキ製造(株)製)およびエクソールD110(エクソンモービルケミカル社製)を配合し、3本ロールミルで練肉して、インキベースを得、ワックス(S−395、シャムロック社製)およびエクソールD110(エクソンモービルケミカル社製)などを添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20〜25Pa・sの実施例1〜7および比較例1〜4のオフセット印刷インキを得た。
また、炭酸カルシウムを含まないインキベースと、炭酸カルシウム分散物を別々に得た後、それらと、ワックス、AFソルベント7を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20〜25Pa・sの実施例8および比較例5のオフセット印刷インキを得た。
Figure 0006368548
実施例9〜12および比較例6〜7
表3の配合でワニス、ゲルワニス、墨顔料(エルフテックス415、Cabot社製)、ギルソナイトワニス(ER−125、アメリカンギルソナイト社製)、炭酸カルシウム、アルキッド樹脂(EXM−716、東新油脂(株)製)およびAFソルベント7を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、インキベースを得、さらに、ワックス(S−395、シャムロック社製)、AFソルベント7などを添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20〜25Pa・sの実施例9〜12および比較例6〜7のオフセット印刷インキを得た。
Figure 0006368548
実施例13〜17および比較例8〜9
表4の配合でワニス、ゲルワニス、紅顔料(ブリリアントカーミン6B、大同化成工業(株)製)、炭酸カルシウムおよびAFソルベント7を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、インキベースを得、さらに、ワックス(S−395、シャムロック社製)、AFソルベント7などを添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20〜25Pa・sの実施例13〜17および比較例8〜9のオフセット印刷インキを得た。
Figure 0006368548
実施例18〜21および比較例10〜11
表5の配合でワニス、ゲルワニス、藍顔料(Fastgen Blue GBK−19SD、DIC(株)製)、炭酸カルシウムおよびAFソルベント7を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、インキベースを得、さらに、ワックス(S−395、シャムロック社製)、AFソルベント7などを添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が20〜25Pa・sの実施例18〜21および比較例10〜11のオフセット印刷インキを得た。
Figure 0006368548
使用した炭酸カルシウムは、ネオライトSA−300(ロジン酸処理、平均粒子径:0.04μm、比表面積:21.7m/g、竹原化学工業(株)製)、ネオライトGP−20(ロジン酸処理、平均粒子径:0.03μm、比表面積:33.4m/g、竹原化学工業(株)製)、ネオライトSA−100(ロジン酸処理、平均粒子径:0.04μm、比表面積:22.2m/g、竹原化学工業(株)製)、ネオライトSA−200(ロジン酸処理、平均粒子径:0.08μm、比表面積:18.7m/g、竹原化学工業(株)製)、白艶華O(ロジン酸処理、平均粒子径:0.03μm、比表面積:51.0m/g、白石カルシウム(株)製)、白艶華T−DD(ロジン酸処理、平均粒子径:0.08μm、比表面積:17.9m/g、白石カルシウム(株)製)である。
表2〜5のオフセット印刷インキについて、下記のテーブルテストを行った。その結果を表6〜9に示した。
[セット性]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙へのオフセット印刷インキの付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
[乾燥性]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、オフセット印刷インキ0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でオフセット印刷インキの評価に広く用いられている。
[耐摩擦性]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、すぐに温度調整可能なオーブンを用いて、120℃、10秒間、試料片を加熱し、乾燥させた。加熱後、試料片を1分間放冷し、放冷した試料片のインキ面を学振型耐摩擦性試験機にて白紙で擦り、色落ちの程度を目視にて評価した。色落ちが少ないものほど、耐摩擦性が優れる。色落ちの程度について、◎:非常に少ないもの、○:少ないもの、△:やや多いもの(実用上問題ない程度)、×:多いもの(実用できない)、の4段階で評価した。
[光沢]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、光沢度計PG−1(日本電色工業(株)社製、60°)による測定値を評価した。光沢値が高いほど優れる。また、色ごとに数値範囲が異なる。
黄の光沢値について、◎:55.0以上、○:50.0以上、55.0未満、△:45.0以上、50.0未満(実用上問題ない)、×:45.0未満(光沢が低く、実用できない)、の4段階で評価した。
墨の光沢値について、◎:75.0以上、○:70.0以上、75.0未満、△:65.0以上、70.0未満(実用上問題ない)、×:65.0未満(光沢が低く、実用できない)、の4段階で評価した。
紅の光沢値について、◎:80.0以上、○:75.0以上、80.0未満、△:70.0以上、75.0未満(実用上問題ない)、×:70.0未満(光沢が低く、実用できない)、の4段階で評価した。
藍の光沢値について、◎:60.0以上、○:55.0以上、60.0未満、△:50.0以上、55.0未満(実用上問題ない)、×:50.0未満(光沢が低く、実用できない)、の4段階で評価した。
[タック]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数400rpmの条件下で1分後の数値(タック値)を測定した。タック値が低いほど、紙剥けしにくくなる。
[機上安定性]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数1200rpmの条件下で0分のタック値と10分後のタック値の差(タック変化)を測定し、評価した。タック変化がより少ないものほど、機上安定性が優れる。
タック変化について、○:4.0未満(機上安定性最良)、△:4.0以上7.0未満(機上安定性良好、実用上問題ない)、×:7.0以上(機上安定性が劣り、実用できない)、の3段階で評価した。
[乳化試験]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキについてリソトロニック乳化試験機(NOVOCONTROL社製)を使用し、インキ25gを40℃において回転数1200rpmで、インキ25gに対して、2ml/分の速度で水を添加していき、インキが飽和した時点の水分量を測定し、インキ25gに対する重量%とし、評価した。
乳化率(%)=100×(飽和時点の水分量g)/(インキ量g)
乳化率は、印刷機による印刷試験において、概ね30〜50%の範囲であることが好ましい効果が得られることが確認されている。
[流動性]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキをスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。また、色ごとに数値範囲が異なる。
黄インキの広がり直径について、○:38.5mm以上39.5mm未満(実用上最適)、△:37.5mm以上38.5mm未満又は39.5mm以上40.5mm未満(実用上問題ない)、×:37.5mm未満または40.5mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)、の3段階で評価した。
墨インキの広がり直径について、○:38.0mm以上38.5mm未満(実用上最適)、△:37.0mm以上38.0mm未満又は38.5mm以上39.5mm未満(実用上問題ない)、×:37.mm未満または39.5mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)、の3段階で評価した。
紅インキの広がり直径について、○:38.5mm以上39.5mm未満(実用上最適)、△:37.5mm以上38.5mm未満又は39.5mm以上40.5mm未満(実用上問題ない)、×:37.5mm未満または40.5mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)、の3段階で評価した。
藍インキの広がり直径について、○:38.5mm以上39.5mm未満(実用上最適)、△:37.5mm以上38.5mm未満又は39.5mm以上40.5mm未満(実用上問題ない)、×:37.5mm未満または40.5mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)、の3段階で評価した。
[動的粘弾性tanδ]
製造例1〜4の各ゲルワニスについて、Physica MCR301粘弾性測定装置(Anton Paar社製)にて、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃、1Hzの時の動的粘弾性tanδ値を測定した。
[温度依存性動的粘弾性tanδ]
実施例1〜21および比較例1〜11の各オフセット印刷インキについて、Physica MCR301粘弾性測定装置にて、直径25mmのパラレルプレートを用いて、ひずみ40%、角周波数10sec−1の条件下にて、測定温度25、40および60℃の動的粘弾性tanδ値を測定した。
Figure 0006368548
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Figure 0006368548
表6から、黄インキの場合、実施例1〜6は比較例1〜3と比較し、耐摩擦性、光沢のバランスに優れ、さらに流動性が良好で、その他印刷適性のバランスも良好であることが明らかである。実施例7は、高温雰囲気耐性を付与する効果が小さいワニスの使用であり、かつゲルワニスを使用しない例であるが、比較例4と比較すると、耐摩擦性と光沢のバランスが良好で、さらに流動性も良好であることが明らかである。実施例8と比較例5は、炭酸カルシウムを予めワニス、ゲルワニスなどに分散し、炭酸カルシウム分散物としたものと、ワニス、顔料などを分散したインキベースとを混合した例であるが、実施例8は耐摩擦性と光沢のバランスが良好で、さらに流動性も良好であることが明らかである。
表7から、墨インキの場合、実施例9〜11は比較例7と比較し、耐摩擦性、光沢のバランスに優れ、さらに流動性が良好で、その他印刷適性のバランスが良好であることが明らかである。実施例12と比較例6は、ゲルワニスを使用しない例であるが、実施例12は耐摩擦性と光沢のバランスが良好で、さらに流動性が良好であることが明らかである。また、比較例6および7は、特許文献4に類似する例であるが、どちらも流動性が劣るものである。
表8から、紅インキの場合、実施例13〜17は比較例8〜9と比較し、耐摩擦性、光沢のバランスに優れ、さらに流動性が良好で、その他印刷適性のバランスが良好であることが明らかである。
表9から、藍インキの場合、実施例18〜21は比較例10〜11と比較し、耐摩擦性、光沢のバランスに優れ、さらに流動性が良好で、その他印刷適性のバランスが良好であることが明らかである。
すなわち、実施例1〜21のオフセット印刷インキはどれもセット性が良好で、トレードオフの関係にある耐摩擦性と光沢のバランスに優れ、流動性が良好であり、さらに本発明のゲルワニスを併用することで、高温雰囲気耐性が付与できるため、高温環境下でもインキダレが抑制できることにより、網点の太りが抑えられるので、鮮明な印刷物を与えることができる。

Claims (3)

  1. ロジン酸処理され、平均粒子径が0.02〜0.05μmで、かつBET法による比表面積が20〜35m/gである炭酸カルシウムを、インキ組成物中に、0.1〜10重量%と、
    25℃、1Hzにおける直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して測定した動的粘弾性tanδが3以下、ヘプタントレランスが50〜200%であるオフセット印刷インキ用ゲルワニスを含むことを特徴とするオフセット印刷インキ。
    (ただし、
    着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、下記成分(A)及び成分(B)の両方と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物
    成分(A) 変性ノボラック樹脂
    成分(B) 下記一般式(1)又は(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種
    Figure 0006368548
    (上記一般式(1)及び(2)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは、1〜3の整数である。)、および、
    着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物であって、
    リソトリニック乳化試験機を用いた乳化試験において、前記オフセット印刷用インキ組成物の乳化率が20%となる質量の水を一度に添加した際の水の取り込み速度が4秒以下であり、滴下により水を添加した際の乳化限度率が40〜50%であるオフセット印刷用インキ組成物を含む場合を除く)
  2. ロジン酸処理され、平均粒子径が0.02〜0.05μmで、かつBET法による比表面積が20〜35m/gである炭酸カルシウムを、インキ組成物中に、0.1〜10重量%と、
    ロジン変性フェノール樹脂を含有し、ヘプタントレランスが30〜150%で、アルコールナンバーが25〜32mlであるオフセット印刷インキ用ワニスを含有することを特徴とするオフセット印刷インキ。
    (ただし、
    着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、下記成分(A)及び成分(B)の両方と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物
    成分(A) 変性ノボラック樹脂
    成分(B) 下記一般式(1)又は(2)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種
    Figure 0006368548
    (上記一般式(1)及び(2)中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、nは、1〜3の整数である。)、および、
    着色顔料と、バインダー樹脂と、油成分と、を含んでなるオフセット印刷用インキ組成物であって、
    リソトリニック乳化試験機を用いた乳化試験において、前記オフセット印刷用インキ組成物の乳化率が20%となる質量の水を一度に添加した際の水の取り込み速度が4秒以下であり、滴下により水を添加した際の乳化限度率が40〜50%であるオフセット印刷用インキ組成物を含む場合を除く)
  3. 前記オフセット印刷インキ用ワニスに含まれるロジン変性フェノール樹脂が、重量平均分子量80,000〜300,000であることを特徴とする請求項に記載のオフセット印刷インキ。
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