JP2017197700A - オフセット印刷インキおよび印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、カーボンブラック濃度を高めることなく、十分に着色濃度が高く、機上安定性、乳化適性および乳化流動性が良好で、インキのしまりが抑制されたオフセット印刷インキを提供することを目的とする。
【解決手段】次の(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、顔料、溶剤を含有することを特徴とするオフセット印刷インキ。
(a)酸価が10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満、OH/COOHが0.3以上、0.8以下、重量平均分子量が40,000以上、100,000未満のロジン変性フェノール樹脂
(b)酸価が3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下、OH/COOHが0.5以上、1以下、重量平均分子量が30,000以上、50,000以下の石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂
【選択図】なし
【解決手段】次の(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、顔料、溶剤を含有することを特徴とするオフセット印刷インキ。
(a)酸価が10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満、OH/COOHが0.3以上、0.8以下、重量平均分子量が40,000以上、100,000未満のロジン変性フェノール樹脂
(b)酸価が3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下、OH/COOHが0.5以上、1以下、重量平均分子量が30,000以上、50,000以下の石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂
【選択図】なし
Description
本発明は、オフセット印刷インキ、特に、浸透乾燥により乾燥皮膜が形成される浸透乾燥型オフセット印刷インキに関する。
オフセット印刷インキは、一般的に、印刷インキに含まれる溶剤や植物油、顔料や樹脂のうち、溶剤や植物油などが、毛細管現象で紙の繊維部分に浸透する一方、顔料や樹脂などの一部の固形物が紙の表面で固着し、皮膜を形成させるという乾燥機構をとる。また、浸透乾燥型オフセット印刷インキは、ヒートセット印刷インキと言われる加熱オーブン(ドライヤー)を通過させてインキ中の溶剤を蒸発、乾燥させて、皮膜を形成させるという乾燥機構と区別することから、コールドセット印刷インキともいう。
浸透乾燥型オフセット印刷インキを主に使用する近年の新聞印刷業界においては、生産性向上の動きに対応して印刷機の高速化と高濃度化が進んでいる。それに伴い、印刷インキに対しても、機上安定性、ミスチング抑制、セット性、着肉性などの高速印刷適性や高濃度化によるドライダウン抑制、裏抜け軽減等の薄膜印刷適性の向上が求められている。
浸透乾燥型オフセット印刷インキを主に使用する近年の新聞印刷業界においては、生産性向上の動きに対応して印刷機の高速化と高濃度化が進んでいる。それに伴い、印刷インキに対しても、機上安定性、ミスチング抑制、セット性、着肉性などの高速印刷適性や高濃度化によるドライダウン抑制、裏抜け軽減等の薄膜印刷適性の向上が求められている。
機上安定性の向上には、使用溶剤との相溶性の高い樹脂(高溶解樹脂)を使用する方法や溶解力の高いエステル溶剤を使用する方法がある。しかし、高溶解樹脂は分子量が小さく、樹脂粘度が低くなりやすいため、印刷後のローラー洗浄性には優れるものの、浸透乾燥の際には用紙に溶剤や植物油などの浸透と同時に低粘度樹脂も浸透し、セットが早くなってしまう。浸透乾燥方式の印刷においては、これらの浸透を遅くし、セットを遅らせることが有用である。特に、高濃度印刷においては、網点が小さく、かつインキ膜厚も薄いため、よりセットが早く、パイリングが発生しやすくなる。一方、エステル溶剤の使用は、ローラー洗浄性には優れるが、溶解力が高いゆえに流動性が大きくなり、ミスチングの増加や機上安定性の低下などの原因となる。
機上安定性とは、印刷時における印刷機上での粘着性の安定性をいう。例えばインキ中の溶剤分の蒸発速度が速いと、インキの粘着性が徐々に高まり、紙むけしやすくなるため、このようなインキは機上安定性が悪いインキといわれる。機上安定性が良いインキとは、粘着性の変動が少ないインキといえ、機上安定性の良いインキが必要となっている。
このため、比較的粘度の高い植物油やマシン油などを併用することが行われるが、植物油などを増やすと、乾燥性(セット性)が低下してくる。一方、マシン油は有限の石油資源からなる石油系溶剤であり、これに含まれる芳香族成分は、人体に悪影響を及ぼす物質として知られている。これらが印刷工程や、あるいは印刷物のインキ塗膜から放出されることで、印刷作業環境や大気汚染などの環境負荷の要因となっている。
このため、比較的粘度の高い植物油やマシン油などを併用することが行われるが、植物油などを増やすと、乾燥性(セット性)が低下してくる。一方、マシン油は有限の石油資源からなる石油系溶剤であり、これに含まれる芳香族成分は、人体に悪影響を及ぼす物質として知られている。これらが印刷工程や、あるいは印刷物のインキ塗膜から放出されることで、印刷作業環境や大気汚染などの環境負荷の要因となっている。
また、インキの低粘着化のために、インキ溶剤を増加させると、ミスチング増加や機上安定性の低下などが起き、これらの対策のために、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、有機ベントナイトなどの、いわゆる体質顔料を添加することも行われるが、一方でチキソトロピー性が強くなり、流動性が著しく低下する場合もあり、適度な流動性を保つことが困難である。
特に、最近の新聞印刷業界においては、生産性向上、印刷機の高速化や省人化などにより、印刷インキの自動供給システムが一般的になり、別に設けたインキ室などに設置された大容量のインキタンクから一旦、一時供給タンクなどにインキを受け、そこから高圧ポンプを介して、印刷機ユニットのインキ供給部(インキレールなど)まで配管を設置することにより、印刷インキを供給している。一般的にこのシステムは、一時供給タンクなどからインキを高圧で印刷機ユニット近傍まで圧送する送り配管を設置しているが、高圧のままでは印刷機ユニットのインキ供給ポンプに負荷がかかるため、減圧弁を設置し、そのポンプに見合う圧力に減圧している。さらに使用しない印刷機ユニットあるいは印刷画像などが小さいなど印刷に使用しないインキがあるときには、これらを一時供給タンクに戻す必要があるため、さらに減圧し低圧の戻り配管を設置している。このことによって、一時供給タンクと印刷機ユニット間を送り配管と戻り配管を介してインキを循環させている。
ここで、このような自動供給システムにおいて、例えば印刷をしない時間(例えば8〜10時間)や印刷機のメンテナンスなどがある場合、インキの循環を止める場合がある。この場合、配管内ではインキの流動が止まってしまう。このような状態においては、インキ特有の「しまり」が生じる。インキは、いわゆる非ニュートン流体であり、インキの流動が止まると、チキソトロピーまたは可塑性により、インキの見掛け粘度が急上昇し、再度流動させようとしても、すぐに流動しない場合があり、このような場合印刷機ユニットへのインキ供給が困難となり、再印刷時のインキ供給不足による濃度低下などの印刷トラブルが発生する。このようなインキの流動が止まった場合においても、流動性不足による印刷トラブルを生じさせないような性質を持ったインキ、特に十分な流動性を持ち、かつ「しまり」が抑制されたインキが必要である。
また、カーボンブラックを使用する墨インキでは、カーボンブラックの表面だけをワニスなどで濡らすだけでは、経時でカーボンブラックが凝集しやすく、しかも微小な力ではその凝集を崩すことが困難であり、配管内でのインキ流動が劣り(インキが「しまり」やすく)、印刷機ユニットへの安定したインキ供給が困難となるため、表面だけではなく、カーボンブラックに多数有する細孔内へのワニス中の油脂、溶剤、樹脂成分の湿潤あるいは浸透が必要となる。さらに、高濃度化により、カーボンブラックの含有量が高くなるため、分散性が困難となったり、あるいは「しまり」現象が顕著に現れる傾向があり、経時でのインキ安定性が低下したり、インキの流動性が低下する原因となり、上記自動供給システムにおいて、特に再始動時にインキの流動性が不安定となり、転移性や着肉性が著しく低下するといった問題が生じている。
特許文献1には、トール油脂肪酸の3価アルコールエステルを含有する印刷インキ用ワニスおよび印刷インキ用ワニスに顔料を含有した印刷インキが開示されており、従来の大豆油と遜色ない乾燥性を持たせたものであるが、このエステルを使用したワニスは粘度が下がり、流動性が過剰となってしまう。
特許文献2には、水酸基価が100〜200mgKOH/gであるロジン変性フェノール樹脂を含有する印刷インキ組成物が開示されており、パイリングを抑制できるものであるが、湿し水との親和性が高く、乳化前後のタックがほぼ変動がないことから乳化しても流動性が出てしまうおそれがある。
特許文献3には、カーボンブラックを25%を超えて40%以下含有し、酸価が1.5〜5mgKOH/gか、水酸基価が5〜15mgKOH/gであるアルキッド樹脂を含有する薄膜印刷用印刷インキ組成物が開示されており、カーボンブラックの含有量が高くても、流動性の低下、ドットゲイン不足、着肉不良を解決するものであるが、カーボンブラックが高濃度で含有されているため、固形分が多く、製造時の分散が困難であり、インキのしまりが高くなり、配管内でインキの再流動が劣るおそれがある。
そこで、本発明は、カーボンブラック濃度を高めることなく、十分に着色濃度が高く、機上安定性、乳化適性および乳化流動性が良好で、インキのしまりが抑制されたオフセット印刷インキを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルを含有することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)次の(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、顔料、溶剤を含有することを特徴とするオフセット印刷インキ、
(a)酸価が10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満、OH/COOHが0.3以上、0.8以下、重量平均分子量が40,000以上、100,000未満のロジン変性フェノール樹脂
(b)酸価が3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下、OH/COOHが0.5以上、1以下、重量平均分子量が30,000以上、50,000以下の石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂
(2)前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルが、オフセット印刷インキ中に0.5〜3.5質量%含有することを特徴とする(1)に記載のオフセット印刷インキ、
(3)前記顔料がカーボンブラックであり、オフセット印刷インキ中に15質量%以上、25質量%以下含有することを特徴とする(1)または(2)に記載のオフセット印刷インキ、
(4)さらに、酸価が1.5mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、アルコールナンバーが25ml以上、50ml以下であるアルキッド樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のオフセット印刷インキ、
(5)前記アルキッド樹脂が、オフセット印刷インキ中に0.5質量%以上、5質量%以下含有することを特徴とする(4)に記載のオフセット印刷インキ、
(6)前記アルキッド樹脂が、アミン変性アルキッド樹脂であることを特徴とする(4)または(5)に記載のオフセット印刷インキ、
(7)前記アミン変性アルキッド樹脂のアミン率が15〜20%であり、第1級アミンおよび/または第3級アミンによるアミン変性アルキッド樹脂であることを特徴とする(6)に記載のオフセット印刷インキ、
(8)せん断速度30sec−1のせん断粘度(η[30sec−1]、Pa・s)と、せん断速度1sec−1のせん断粘度(η[1sec−1]、Pa・s)の差(η[1sec−1]−η[30sec−1])が、80〜200Pa・sで、かつ、低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)が、600〜8,000Pa・sであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のオフセット印刷インキ、
(ここで、せん断粘度ηの差(η[1sec−1]−η[30sec−1])とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値であり、
低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、30℃において、ひずみ10%、せん断速度0.001〜1000sec−1の範囲で、15分間、測定したときに、せん断速度0.001〜1sec−1の低せん断速度領域におけるせん断粘度の最大値ηである。)
(9)基材である紙に、(1)〜(8)のいずれかに記載のオフセット印刷インキを用いて形成されたことを特徴とする印刷物、
である。
(1)次の(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、顔料、溶剤を含有することを特徴とするオフセット印刷インキ、
(a)酸価が10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満、OH/COOHが0.3以上、0.8以下、重量平均分子量が40,000以上、100,000未満のロジン変性フェノール樹脂
(b)酸価が3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下、OH/COOHが0.5以上、1以下、重量平均分子量が30,000以上、50,000以下の石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂
(2)前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルが、オフセット印刷インキ中に0.5〜3.5質量%含有することを特徴とする(1)に記載のオフセット印刷インキ、
(3)前記顔料がカーボンブラックであり、オフセット印刷インキ中に15質量%以上、25質量%以下含有することを特徴とする(1)または(2)に記載のオフセット印刷インキ、
(4)さらに、酸価が1.5mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、アルコールナンバーが25ml以上、50ml以下であるアルキッド樹脂を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のオフセット印刷インキ、
(5)前記アルキッド樹脂が、オフセット印刷インキ中に0.5質量%以上、5質量%以下含有することを特徴とする(4)に記載のオフセット印刷インキ、
(6)前記アルキッド樹脂が、アミン変性アルキッド樹脂であることを特徴とする(4)または(5)に記載のオフセット印刷インキ、
(7)前記アミン変性アルキッド樹脂のアミン率が15〜20%であり、第1級アミンおよび/または第3級アミンによるアミン変性アルキッド樹脂であることを特徴とする(6)に記載のオフセット印刷インキ、
(8)せん断速度30sec−1のせん断粘度(η[30sec−1]、Pa・s)と、せん断速度1sec−1のせん断粘度(η[1sec−1]、Pa・s)の差(η[1sec−1]−η[30sec−1])が、80〜200Pa・sで、かつ、低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)が、600〜8,000Pa・sであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のオフセット印刷インキ、
(ここで、せん断粘度ηの差(η[1sec−1]−η[30sec−1])とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値であり、
低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、30℃において、ひずみ10%、せん断速度0.001〜1000sec−1の範囲で、15分間、測定したときに、せん断速度0.001〜1sec−1の低せん断速度領域におけるせん断粘度の最大値ηである。)
(9)基材である紙に、(1)〜(8)のいずれかに記載のオフセット印刷インキを用いて形成されたことを特徴とする印刷物、
である。
本発明によれば、カーボンブラック濃度を高めることなく、十分に着色濃度が高く、機上安定性、乳化適性および乳化流動性が良好で、しまりが抑制されたオフセット印刷インキを提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明のオフセット印刷インキ(以下、インキともいう)は、(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、顔料、溶剤を含有することが好ましい。
(a)のロジン変性フェノール樹脂としては、酸価が10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下で、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満で、OH/COOHが0.3以上、0.8以下で、重量平均分子量が40,000以上、100,000未満であることが好ましい。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂の酸価は、10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下であることが好ましく、13mgKOH/g以上、25mgKOH/g以下であることがより好ましい。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂の水酸基価は、30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満であることが好ましく、40mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満であることがより好ましい。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂のOH/COOHは、0.3以上、0.8以下であることが好ましく、0.5以上、0.7以下であることがより好ましい。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、40,000以上、100,000未満が好ましく、60,000以上、90,000以下であることがより好ましい。酸価、水酸基価、OH/COOH、重量平均分子量が、前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性、乳化適性および流動性、インキのしまりのバランスに優れる印刷インキが得られる。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂の水酸基価は、30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満であることが好ましく、40mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満であることがより好ましい。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂のOH/COOHは、0.3以上、0.8以下であることが好ましく、0.5以上、0.7以下であることがより好ましい。
前記(a)のロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、40,000以上、100,000未満が好ましく、60,000以上、90,000以下であることがより好ましい。酸価、水酸基価、OH/COOH、重量平均分子量が、前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性、乳化適性および流動性、インキのしまりのバランスに優れる印刷インキが得られる。
(b)のロジン変性フェノール樹脂としては、石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂であって、酸価が3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下で、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下で、OH/COOHが0.5以上、1以下で、重量平均分子量が30,000以上、50,000以下であることが好ましい。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂の酸価は、3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上、8mgKOH/g以下であることがより好ましい。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂の水酸基価は、30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下であることが好ましく、40mgKOH/g以上、60mgKOH/g以下であることがより好ましい。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂のOH/COOHは、0.5以上、1以下であることが好ましく、0.5以上、0.8以下であることがより好ましい。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、30,000以上、50,000以下が好ましく、40,000以上、50,000以下であることがより好ましい。酸価、水酸基価、OH/COOH、重量平均分子量が、前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性、乳化適性および流動性、インキのしまりのバランスに優れる印刷インキが得られる。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂の水酸基価は、30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下であることが好ましく、40mgKOH/g以上、60mgKOH/g以下であることがより好ましい。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂のOH/COOHは、0.5以上、1以下であることが好ましく、0.5以上、0.8以下であることがより好ましい。
前記(b)のロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、30,000以上、50,000以下が好ましく、40,000以上、50,000以下であることがより好ましい。酸価、水酸基価、OH/COOH、重量平均分子量が、前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性、乳化適性および流動性、インキのしまりのバランスに優れる印刷インキが得られる。
石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂は、例えば特開2007−138068号公報や特開2007−161836号公報などによる公知の方法により得られるものであればよい。
前記(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂の酸価、水酸基価、OH/COOH、重量平均分子量が、それぞれ前記範囲内であることにより、インキのしまりが抑えられ、配管内での流動も確保される。また、転移性が向上することにより、着色濃度が高く維持でき、パイリングも抑制され、乳化時の流動性も適度に抑制される。また、顔料としてカーボンブラックを使用したものは、転移性が向上したことによりカーボンブラック濃度を高めることなく、黒色度が高く維持されるとともに、インキがしまりにくく、再流動しやすくなる。
(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂は、合計でインキ中に10質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂の含有割合は、(a)/(b)=20/80〜80/20の範囲であることが好ましく、40/60〜60/40の範囲がより好ましい。
酸価は、樹脂1g中に含まれるCOOH基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJIS K5601に準じて行われる。
水酸基価は、ロジン変性フェノール樹脂1g中に含まれるOH基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数である。無水酢酸を用いて試料中のOH基をアセチル化し、生成した酢酸を水酸化カリウム溶液で滴定することによって求められる。このとき、ロジン変性フェノール樹脂に含まれるCOOH基も水酸化カリウムにより滴定されてしまうため、上記滴定結果からロジン変性フェノール樹脂の酸価を減じることによって水酸基価が求められる。
OH/COOHは、ロジン類と、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合体であるレゾール型フェノール樹脂と、ポリオールとを、反応させてロジン変性フェノール樹脂を合成するときに、ポリオールの全ヒドロキシル基当量数(OH)とロジン類の全カルボキシル基当量数(COOH)との比のことである。通常は、0.5〜1.5の範囲であるが、本発明は1以下と低いことにより、耐水性に優れ、過乳化によるインキ余り、調量ローラーへのからみが軽減できる。
重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルは、トール油脂肪酸、ダイマー酸ならびにグリセリンとを、従来公知の方法により脱水反応させることにより得られる。ダイマー酸としては、ヨウ素価120〜145のトール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸および米糠油脂肪酸などを公知の方法により分子間重合反応させることにより得られるものが好ましく、特にオレイン酸含有量が比較的多いトール油脂肪酸、米糠油脂肪酸がより好ましい。市販品としては、ハリダイマーシリーズ(ハリマ化成(株)製)として入手できる。上記市販品のトール油脂肪酸を二量化したものでもよい。ただし、このダイマー酸の構造は単一ではなく、非環、単環および多環の混合物の場合もある。また、市販品のダイマー酸にも、少量のモノマー酸、トリマー酸などが含まれる場合もある。上記反応成分全体を100質量%としたとき、その一つである前記ダイマー酸を5〜40質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましい。ダイマー酸が5質量%より少ないと、重量平均分子量が低くなり、流動性が過剰になるとともに、溶解性が高くなるため、インキの凝集力が低下し、汚れたり、ミスチングが増加しやすくなる。ダイマー酸が40質量%を超えると、重量平均分子量が高くなり、流動性が低下し、さらに良好なチキソトロピック性を有することが困難となるため、印刷時において壷上がりやローラー間でのインキ転移性、紙面へのインキ着肉性が低下しやすくなる。前記範囲内であることにより、機上安定性および流動性のバランスに優れる印刷インキが得られる。また、溶解力は維持されているので、ローラー洗浄性に優れる印刷インキが得られる。
前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルの酸価は、4mgKOH/g以下であることが好ましく、2mgKOH/g以下であることがより好ましく、1mgKOH/g以上、2mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が4mgKOH/gより大きいと、極性が高くなるため、乳化しやすくなり、凝集力が低下することによる汚れの発生や網点再現性の低下が生じる。なお、酸価は上述したJIS K5601による測定値である。
前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルの水酸基価は、20mgKOH/g以上、80mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基価が20mgKOH/gより小さいと、インキが乳化したときに凝集力が低下し、流動性が過剰となるため、汚れたり、網点再現性が低下する。80mgKOH/gを超えると、乳化率が高くなり、乳化したインキの凝集力も高くなるため、流動性が不足する。過度の乳化により、流動性が低下すると、ローラー上でインキが余り易く、汚れたり、ミスチング、色抜け、濃度変動などの要因となる。なお、水酸基価は、上述した測定方法と同様の方法による測定値である。
前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルの重量平均分子量は、1,500以上、6,000以下であることが好ましく、2,000以上、6,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量が1,500より小さいと、印刷インキの粘度、降伏値(凝集力)が低下し、流動性が過剰になる。また、インキの粘度が低すぎると、裏抜けしやすくなる。6,000を超えると、インキが高粘度で、凝集力が高くなりすぎて、流動性が不足したり、浸透乾燥性が遅くなる。なお、重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
市販品としては、ハリマ化成(株)より、ダイマー酸30質量%含有、酸価1.8、水酸基価30、重量平均分子量5,300のものなどが入手できる。
前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルは、オフセット印刷インキ中に0.5〜3.5質量%含有することが好ましく、0.7〜3質量%含有することがより好ましく、0.9〜2.5質量%含有することがさらに好ましい。
前記顔料は、有機顔料または無機顔料であり、例えばジスアゾイエロー、カーミン6B、フタロシアニンブルーなどに代表される有機顔料、およびカーボンブラック、炭酸カルシウムなどに代表される無機顔料などであり、特に限定されない。オフセット印刷インキ中に5質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。特に、顔料がカーボンブラックであり、オフセット印刷インキ中に15質量%以上、25質量%以下であることが好ましく、18質量%以上、23質量%以下であることがより好ましい。
溶剤としては、流動性付与などの目的で、AF溶剤、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、マシン油、シリンダー油などに代表される石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンなどを適宜選択して用いることができる。
本発明で用いられる植物油類としては、主に大豆油または大豆油由来の脂肪酸エステルが用いられる。その他の植物油としては、例えばアマニ油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、桐油などおよびこれらを再生処理したものが挙げられる。また、その他の植物油由来の脂肪酸エステルとしては、例えば綿実油、アマニ油、サフラワー油、向日葵油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、菜種油、胡麻油などの乾性油または半乾性油を由来とした脂肪酸モノアルキルエステルが例示できる。脂肪酸モノアルキルエステルを構成するアルコール由来のアルキル基の炭素数は1〜12のものが好ましく、具体例としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、3−メチル−1−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキメチル)ブチル、2,4−ジメチル−3−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、2−エチル−1−ヘキシル、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル、4−デシル、2−イソプロピル−5−メチル−1−ヘキシル、2−ブチル−1−オクチルなどである。なかでも特に好ましいのはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキメチル)ブチルなどである。上記植物油類は、樹脂に対する溶解性が上がり、印刷物の光沢向上に優れた効果がある。ただし、本発明のトール油脂肪酸エステルを使用すれば、大豆油由来の脂肪酸エステル、またはその他の植物油由来の脂肪酸エステルは使用しないことが好ましい。
オフセット印刷インキ中に植物油類は、30〜50質量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは35〜45質量%の範囲内である。30質量%未満では光沢が低下する。50質量%を超える量を添加しても光沢の向上効果は得られず、溶解性が高くなり、パイリングしやすくなったり、タックの経時での上昇が大きくなるため、ブランケット上に堆積したインキの粘着性が高まり、アフタータックが残り、紙剥けしやすくなる。
本発明で用いられる植物油類としては、主に大豆油または大豆油由来の脂肪酸エステルが用いられる。その他の植物油としては、例えばアマニ油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、桐油などおよびこれらを再生処理したものが挙げられる。また、その他の植物油由来の脂肪酸エステルとしては、例えば綿実油、アマニ油、サフラワー油、向日葵油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、菜種油、胡麻油などの乾性油または半乾性油を由来とした脂肪酸モノアルキルエステルが例示できる。脂肪酸モノアルキルエステルを構成するアルコール由来のアルキル基の炭素数は1〜12のものが好ましく、具体例としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、3−メチル−1−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキメチル)ブチル、2,4−ジメチル−3−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、2−エチル−1−ヘキシル、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル、4−デシル、2−イソプロピル−5−メチル−1−ヘキシル、2−ブチル−1−オクチルなどである。なかでも特に好ましいのはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキメチル)ブチルなどである。上記植物油類は、樹脂に対する溶解性が上がり、印刷物の光沢向上に優れた効果がある。ただし、本発明のトール油脂肪酸エステルを使用すれば、大豆油由来の脂肪酸エステル、またはその他の植物油由来の脂肪酸エステルは使用しないことが好ましい。
オフセット印刷インキ中に植物油類は、30〜50質量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは35〜45質量%の範囲内である。30質量%未満では光沢が低下する。50質量%を超える量を添加しても光沢の向上効果は得られず、溶解性が高くなり、パイリングしやすくなったり、タックの経時での上昇が大きくなるため、ブランケット上に堆積したインキの粘着性が高まり、アフタータックが残り、紙剥けしやすくなる。
さらに、本発明のオフセット印刷インキは、酸価が1.5mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、アルコールナンバーが25ml以上、50ml以下であるアルキッド樹脂を含有することが好ましい。
前記アルキッド樹脂の酸価は、1.5mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下であることが好ましく、4mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下であることがより好ましい。なお、酸価は上述したJIS K5601による測定値である。
前記アルキッド樹脂のアルコールナンバーは、25ml以上、50ml以下であることが好ましく、30ml以上、40ml以下であることがより好ましい。
なお、アルコールナンバーは、アルキッド樹脂中の水酸基の割合を間接的に表す指標で、50mlより大きいと水を取り込みやすくなるため、過乳化しやすくなり、調量ローラーのインキ絡みや汚れが発生しやすくなる。また、25mlより小さいと水を取り込みにくくなるため、乳化しにくくなり、ローラー剥げしやすく、濃度ムラ、色抜けなどインキ転移性を阻害する。前記酸価およびアルコールナンバーが、それぞれ前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性が向上する。
前記アルキッド樹脂のアルコールナンバーは、25ml以上、50ml以下であることが好ましく、30ml以上、40ml以下であることがより好ましい。
なお、アルコールナンバーは、アルキッド樹脂中の水酸基の割合を間接的に表す指標で、50mlより大きいと水を取り込みやすくなるため、過乳化しやすくなり、調量ローラーのインキ絡みや汚れが発生しやすくなる。また、25mlより小さいと水を取り込みにくくなるため、乳化しにくくなり、ローラー剥げしやすく、濃度ムラ、色抜けなどインキ転移性を阻害する。前記酸価およびアルコールナンバーが、それぞれ前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性が向上する。
前記アルキッド樹脂の含有率は、オフセット印刷インキ中に0.5質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以上、2.5質量%以下であることがより好ましい。前記含有率が、前記範囲内であることにより、着肉性、機上安定性が向上する。
前記アルキッド樹脂は、変性されたものであってもよい。例えば、アミン変性アルキッド樹脂、ウレタン変性アルキッド樹脂、ロジン酸変性アルキッド樹脂、油変性アルキッド樹脂などが挙げられる。市販されているものとしては、ハリフタール410、ハリフタール3004、ハリフタール3005(以上、ハリマ化成(株)製)、EXM−716(東新油脂(株)製)、アラキード7502X、アラキード7506(以上、荒川化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記アミン変性アルキッド樹脂のアミン率は、15〜20%であることが好ましく、16〜19%であることがより好ましい。また、第1級アミンおよび/または第3級アミンによるアミン変性アルキッド樹脂であることが好ましく、第1級アミンおよび第3級アミンによるアミン変性アルキッド樹脂であることがより好ましい。アミン率が前記範囲内であることにより、顔料の分散性、インキの粘弾性、乳化適性が向上する。
インキのしまりを評価するために、せん断速度30sec−1のせん断粘度(η[30sec−1]、Pa・s)と、せん断速度1sec−1のせん断粘度(η[1sec−1]、Pa・s)の差(η[1sec−1]−η[30sec−1])を測定することが有用である。この数値を測定することにより、配管内で流動(せん断速度30sec−1の状態)していたインキが印刷停止やメンテナンスなどで配管内を流動しなくなった場合(せん断速度1sec−1の状態)において、インキ自身のチキソトロピー性により、せん断粘度が急上昇し、このせん断粘度の差(以下、構造粘性という。)が大きいほど、インキがしまりやすいと判断できる。
本発明のオフセット印刷インキのせん断粘度の差(η[1sec−1]−η[30sec−1])の値が、80〜200Pa・sであることが好ましく、100〜180Pa・sであることがより好ましい。
この差が80Pa・sより低いと、インキのしまりが劣り、流動性が過剰となり、特に新聞印刷機でのインキ垂れの原因となる。具体的には、ダイヤ目ローラーとインキ元ローラーの間隙からインキが垂れる壷垂れや、インキレールのスリットから過剰にインキが吐出され、インキレールのペン先からインキが垂れるインキレール垂れの原因となる。200Pa・sを超えると、インキ元ローラーからのインキ転移不良や、インキ供給ローラー間のオシレーション(ローラー幅方向の振幅)によっても、インキ供給ローラーの幅方向へインキが十分に伸張しにくくなる為、濃度ムラや色抜けといった不良が発生したり、インキレールのスリットからの吐出不良、あるいは配管内での再流動が劣る原因となる。
本発明のオフセット印刷インキのせん断粘度の差(η[1sec−1]−η[30sec−1])の値が、80〜200Pa・sであることが好ましく、100〜180Pa・sであることがより好ましい。
この差が80Pa・sより低いと、インキのしまりが劣り、流動性が過剰となり、特に新聞印刷機でのインキ垂れの原因となる。具体的には、ダイヤ目ローラーとインキ元ローラーの間隙からインキが垂れる壷垂れや、インキレールのスリットから過剰にインキが吐出され、インキレールのペン先からインキが垂れるインキレール垂れの原因となる。200Pa・sを超えると、インキ元ローラーからのインキ転移不良や、インキ供給ローラー間のオシレーション(ローラー幅方向の振幅)によっても、インキ供給ローラーの幅方向へインキが十分に伸張しにくくなる為、濃度ムラや色抜けといった不良が発生したり、インキレールのスリットからの吐出不良、あるいは配管内での再流動が劣る原因となる。
前記せん断粘度は、Physica MCR301粘弾性測定装置(Anton Paar社製)などの粘弾性測定装置にて、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、測定することができる。
せん断粘度ηの差(η[1sec−1]−η[30sec−1])とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値である。
せん断粘度ηの差(η[1sec−1]−η[30sec−1])とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値である。
さらに、インキの再流動を評価するために、低せん断速度領域での最大粘度を測定することが有用である。この数値を測定することにより、上記のように流動がなくなり、せん断粘度が上昇したインキがどの位の粘度であれば、再度流動させることができるか判断できる。
本発明のオフセット印刷インキの低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)が、600〜8,000Pa・sであることが好ましく、1,000〜7,000Pa・sがより好ましい。
低せん断速度領域の最大粘度が600Pa・sより低いと、インキの流動性が過剰となり、特に新聞印刷機でのインキ垂れの原因となる。具体的には、ダイヤ目ローラーとインキ元ローラーの間隙からインキが垂れる壷垂れや、インキレールのスリットから過剰にインキが吐出され、インキレールのペン先からインキが垂れるインキレール垂れの原因となる。8,000Pa・sを超えると、インキ元ローラーからのインキ転移不良や、インキ供給ローラー間のオシレーション(ローラー幅方向の振幅)によっても、インキ供給ローラーの幅方向へインキが十分に伸張しにくくなる為、濃度ムラ、色抜けといった不良が発生したり、インキレールのスリットからの吐出不良、あるいは配管内での再流動が劣る原因となる。
本発明のオフセット印刷インキの低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)が、600〜8,000Pa・sであることが好ましく、1,000〜7,000Pa・sがより好ましい。
低せん断速度領域の最大粘度が600Pa・sより低いと、インキの流動性が過剰となり、特に新聞印刷機でのインキ垂れの原因となる。具体的には、ダイヤ目ローラーとインキ元ローラーの間隙からインキが垂れる壷垂れや、インキレールのスリットから過剰にインキが吐出され、インキレールのペン先からインキが垂れるインキレール垂れの原因となる。8,000Pa・sを超えると、インキ元ローラーからのインキ転移不良や、インキ供給ローラー間のオシレーション(ローラー幅方向の振幅)によっても、インキ供給ローラーの幅方向へインキが十分に伸張しにくくなる為、濃度ムラ、色抜けといった不良が発生したり、インキレールのスリットからの吐出不良、あるいは配管内での再流動が劣る原因となる。
低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)は、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、30℃において、ひずみ10%、せん断速度0.001〜1000sec−1の範囲で、15分間、測定したときに、せん断速度0.001〜1sec−1の低せん断速度領域におけるせん断粘度の最大値ηとして、測定することができる。
前記構造粘性および前記低せん断速度領域の最大粘度が、それぞれ前記範囲内であれば、流動が止まった状態になっても、インキがしまりにくく、例えインキがしまっても再度流動しやすいインキとなる。
本発明のオフセット印刷インキは、その他の樹脂として、前記ロジン変性フェノール樹脂と異なるロジン変性フェノール樹脂、前記アルキッド樹脂と異なるアルキッド樹脂や石油樹脂を含んでもよい。その他の樹脂は、オフセット印刷インキ中に0.5質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。
石油樹脂としては、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルブテン、イソプレン、ペンテン、シクロペンテン、ペンタジエンなどを成分とする二重結合を有する石油樹脂が例示できる。二重結合を有する石油樹脂としては、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンを原料とするDCPD系石油樹脂、ペンテン、ペンタジエン、イソプレンなどのC5系石油樹脂、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレンなどを原料とするC9系石油樹脂、前記DCPD系とC5系原料からなる共重合石油樹脂、前記DCPD系とC9系原料からなる共重合石油樹脂、前記C5系とC9系原料からなる共重合石油樹脂、前記DCPD系とC5系とC9系原料からなる共重合石油樹脂などがあげられ、無触媒あるいはフリーデルクラフツ型触媒(カチオン重合)などを用いて製造される。特に、極性基付与が容易であり、所望の軟化点に調整し易いため、DCPD系石油樹脂、DCPC系とC5系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系とC9系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系とC5系とC9系原料からなる共重合石油樹脂が好ましい。
本発明のオフセット印刷インキは、前記(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルを含有する印刷インキ用ワニス(以下、単にワニスともいう)、顔料、溶剤などを含むものである。
前記印刷インキ用ワニスは、従来公知の方法により製造されたものでよく、前記(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、溶剤、キレート剤などを加熱混合して製造される。
本発明で用いられるキレート剤はゲル化剤として働くものであるが、金属キレート、特に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート化合物が好ましく用いられる。
本発明では、他にインキとしての機能向上を目的として、適宜、顔料分散剤、乳化剤、乾燥防止剤、乾燥促進剤、整面剤、滑剤、アルコール類などの添加剤を用いることができる。
例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止剤、滑り剤としては、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、シリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
本発明の印刷物は、基材である紙に、本発明のオフセット印刷インキを用いて形成される。
本発明の印刷物に用いる基材としては、通常のオフセット印刷が可能な用紙であれば使用できるが、特に、オフセット印刷に適する更紙(非塗工紙)、微塗工紙、コート紙、アート紙などが好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を示す。
[オフセット印刷インキ用ワニスの調整]
製造例1
ロジン変性フェノール樹脂R1(酸価13.7mgKOH/g、水酸基価60mgKOH/g、OH/COOH 0.5、重量平均分子量84,000、荒川化学工業(株)製)16部、ロジン変性フェノール樹脂R2(酸価23mgKOH/g、水酸基価54mgKOH/g、OH/COOH 0.7、重量平均分子量69,000、荒川化学工業(株)製)22部、大豆白絞油55部、AFソルベント6(JX日鉱日石エネルギー(株)製)6部およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.9部、2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。
製造例1
ロジン変性フェノール樹脂R1(酸価13.7mgKOH/g、水酸基価60mgKOH/g、OH/COOH 0.5、重量平均分子量84,000、荒川化学工業(株)製)16部、ロジン変性フェノール樹脂R2(酸価23mgKOH/g、水酸基価54mgKOH/g、OH/COOH 0.7、重量平均分子量69,000、荒川化学工業(株)製)22部、大豆白絞油55部、AFソルベント6(JX日鉱日石エネルギー(株)製)6部およびアルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.9部、2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。
製造例2
石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂R3(酸価8mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/g、OH/COOH 0.8、重量平均分子量44,000、ハリマ化成(株)製)36.7部、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル(ダイマー酸含有率30%、酸価1.8、水酸基価30、重量平均分子量5,300、ハリマ化成(株)製)12部、大豆白絞油40.5部、AFソルベント6(JX日鉱日石エネルギー(株)製)10部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.7部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV2を得た。
石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂R3(酸価8mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/g、OH/COOH 0.8、重量平均分子量44,000、ハリマ化成(株)製)36.7部、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル(ダイマー酸含有率30%、酸価1.8、水酸基価30、重量平均分子量5,300、ハリマ化成(株)製)12部、大豆白絞油40.5部、AFソルベント6(JX日鉱日石エネルギー(株)製)10部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.7部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV2を得た。
製造例3
石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂R3(酸価8mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/g、OH/COOH 0.8、重量平均分子量44,000、ハリマ化成(株)製)36.7部、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル(ダイマー酸含有率30%、酸価1.8、水酸基価30、重量平均分子量5,300、ハリマ化成(株)製)5部、大豆白絞油48.6部、AFソルベント6(JX日鉱日石エネルギー(株)製)9部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.6部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV3を得た。
石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂R3(酸価8mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/g、OH/COOH 0.8、重量平均分子量44,000、ハリマ化成(株)製)36.7部、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル(ダイマー酸含有率30%、酸価1.8、水酸基価30、重量平均分子量5,300、ハリマ化成(株)製)5部、大豆白絞油48.6部、AFソルベント6(JX日鉱日石エネルギー(株)製)9部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.6部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV3を得た。
製造例4
ロジン変性フェノール樹脂R4(酸価19.1mgKOH/g、水酸基価63mgKOH/g、OH/COOH 0.5、重量平均分子量126,000、荒川化学工業(株)製)35.9部、大豆白絞油35部、ナフテン系溶剤(SNH−8、三共油化工業(株)製)28部、アルミキレート剤(8%オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV4を得た。
ロジン変性フェノール樹脂R4(酸価19.1mgKOH/g、水酸基価63mgKOH/g、OH/COOH 0.5、重量平均分子量126,000、荒川化学工業(株)製)35.9部、大豆白絞油35部、ナフテン系溶剤(SNH−8、三共油化工業(株)製)28部、アルミキレート剤(8%オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV4を得た。
製造例5
ロジン変性フェノール樹脂R5(酸価21.6mgKOH/g、水酸基価90mgKOH/g、OH/COOH 1.0、重量平均分子量44,000、荒川化学工業(株)製)38.9部、大豆白絞油41.5部、ナフテン系溶剤(SNH−8、三共油化工業(株)製)18.5部、アルミキレート剤(8%オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV5を得た。
ロジン変性フェノール樹脂R5(酸価21.6mgKOH/g、水酸基価90mgKOH/g、OH/COOH 1.0、重量平均分子量44,000、荒川化学工業(株)製)38.9部、大豆白絞油41.5部、ナフテン系溶剤(SNH−8、三共油化工業(株)製)18.5部、アルミキレート剤(8%オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV5を得た。
製造例6
ロジン変性フェノール樹脂R6(酸価26.7mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、OH/COOH 1.0、重量平均分子量88,000、荒川化学工業(株)製)29.9部、大豆白絞油69部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV6を得た。
ロジン変性フェノール樹脂R6(酸価26.7mgKOH/g、水酸基価120mgKOH/g、OH/COOH 1.0、重量平均分子量88,000、荒川化学工業(株)製)29.9部、大豆白絞油69部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV6を得た。
製造例7
ロジン変性フェノール樹脂R7(酸価15.3mgKOH/g、水酸基価70〜80mgKOH/g、OH/COOH 0.8、重量平均分子量50,000、ハリマ化成(株)製)38.9部、トール油脂肪酸グリセリンエステル(ハートールGL、酸価>1、ハリマ化成(株)製)30部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV7を得た。
ロジン変性フェノール樹脂R7(酸価15.3mgKOH/g、水酸基価70〜80mgKOH/g、OH/COOH 0.8、重量平均分子量50,000、ハリマ化成(株)製)38.9部、トール油脂肪酸グリセリンエステル(ハートールGL、酸価>1、ハリマ化成(株)製)30部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)1部および2,6−ジターシャリーブチル−4−クレゾール(H−BHT、本州化学工業(株)製)0.1部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV7を得た。
[オフセット印刷インキの調製]
表1および表2の配合でワニス、アルキッド樹脂、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ギルソナイト樹脂ワニスおよび大豆白絞油などを配合し、3本ロールミルで練肉し、AFソルベント6などを添加、混合し粘度7〜8Pa・sの実施例1〜11および比較例1〜6のオフセット印刷インキを得た。
表1および表2の配合でワニス、アルキッド樹脂、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ギルソナイト樹脂ワニスおよび大豆白絞油などを配合し、3本ロールミルで練肉し、AFソルベント6などを添加、混合し粘度7〜8Pa・sの実施例1〜11および比較例1〜6のオフセット印刷インキを得た。
使用した材料は、次のものである。
ハリフタール410:アルキッド樹脂(酸価4、アルコールナンバー35.6ml、ハリマ化成(株)製)
EXM−716:ウレタン変性アルキッド樹脂(酸価10以下、アルコールナンバー30.6ml、東新油脂(株)製)
アミン変性アルキッド樹脂1(酸価5.4、アルコールナンバー28.7ml、アミン率18〜19%、トール油ベース、東新油脂(株)製)
アミン変性アルキッド樹脂2(酸価5.4、アルコールナンバー36.3ml、アミン率18〜19%、大豆油ベース、東新油脂(株)製)
アミン変性アルキッド樹脂3(酸価5.9、アルコールナンバー30.2ml、アミン率16〜17%、大豆油ベース、東新油脂(株)製)
シンキッド50E:アルキッド樹脂(酸価20、アルコールナンバー31.1ml、ローターインターナショナル社製)
リーガル99R:カーボンブラック(キャボット社製)
ネオライトSA−300:炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製)
ER−125(ギルソナイト樹脂ワニス、アメリカンギルソナイト社製)
ネオドール45(C14〜C15の高級アルコール、シェルケミカルズジャパン(株)製)
ハリフタール410:アルキッド樹脂(酸価4、アルコールナンバー35.6ml、ハリマ化成(株)製)
EXM−716:ウレタン変性アルキッド樹脂(酸価10以下、アルコールナンバー30.6ml、東新油脂(株)製)
アミン変性アルキッド樹脂1(酸価5.4、アルコールナンバー28.7ml、アミン率18〜19%、トール油ベース、東新油脂(株)製)
アミン変性アルキッド樹脂2(酸価5.4、アルコールナンバー36.3ml、アミン率18〜19%、大豆油ベース、東新油脂(株)製)
アミン変性アルキッド樹脂3(酸価5.9、アルコールナンバー30.2ml、アミン率16〜17%、大豆油ベース、東新油脂(株)製)
シンキッド50E:アルキッド樹脂(酸価20、アルコールナンバー31.1ml、ローターインターナショナル社製)
リーガル99R:カーボンブラック(キャボット社製)
ネオライトSA−300:炭酸カルシウム(竹原化学工業(株)製)
ER−125(ギルソナイト樹脂ワニス、アメリカンギルソナイト社製)
ネオドール45(C14〜C15の高級アルコール、シェルケミカルズジャパン(株)製)
表1および表2のオフセット印刷インキについて、下記のテーブルテストを行った。その結果を表1および表2に示した。
[着色濃度]
各オフセット印刷インキをプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、オフセット印刷インキ0.2ccを新聞用紙に展色し、一昼夜放置し、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片の展色面を、グレタグマクベススペクトロアイ(GretagMacbeth社製)にて、濃度値を測定した。なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でオフセット印刷インキの評価に広く用いられている。
各オフセット印刷インキをプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、オフセット印刷インキ0.2ccを新聞用紙に展色し、一昼夜放置し、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片の展色面を、グレタグマクベススペクトロアイ(GretagMacbeth社製)にて、濃度値を測定した。なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でオフセット印刷インキの評価に広く用いられている。
[セット性]
各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)で新聞用紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙へのオフセット印刷インキの付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。セット性が24分以上(28分以上は本試験機の限界値)を良好とし、24分未満、を不良とした。
24分以上であれば、機上での乾燥を抑制(後胴残り(セカンダリーパイリング)を軽減)する効果がある。
各オフセット印刷インキをRIテスター((株)明製作所製)で新聞用紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙へのオフセット印刷インキの付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。セット性が24分以上(28分以上は本試験機の限界値)を良好とし、24分未満、を不良とした。
24分以上であれば、機上での乾燥を抑制(後胴残り(セカンダリーパイリング)を軽減)する効果がある。
[乳化限度率]
各オフセット印刷インキについて、リソトロニック乳化試験機(NOVOCONTROL社製)を使用し、インキ25gを40℃において回転数1200rpmで、インキ25gに対して、2ml/分の速度で水を添加していき、インキが飽和した時点の水分量を測定し、インキ25gに対する質量%とし、評価した。
乳化限度率(%)=100×(飽和時点の水分量g)/(インキ量g)
乳化限度率は、印刷機による印刷試験において、概ね25〜35%の範囲であることが好ましい効果が得られることが確認されており、前記範囲内のものを良好とし、前記範囲外のもの、を不良とした。
各オフセット印刷インキについて、リソトロニック乳化試験機(NOVOCONTROL社製)を使用し、インキ25gを40℃において回転数1200rpmで、インキ25gに対して、2ml/分の速度で水を添加していき、インキが飽和した時点の水分量を測定し、インキ25gに対する質量%とし、評価した。
乳化限度率(%)=100×(飽和時点の水分量g)/(インキ量g)
乳化限度率は、印刷機による印刷試験において、概ね25〜35%の範囲であることが好ましい効果が得られることが確認されており、前記範囲内のものを良好とし、前記範囲外のもの、を不良とした。
[乳化流動性]
各オフセット印刷インキについて、前記乳化試験による乳化インキの乳化流動性を「新聞オフセット輪転インキの試験方法 団体規格:2000(新聞インキ協会発行)」の4.1.4(ガラス板流度計による流動性の試験方法)に従い、乳化流動性を評価した。この試験方法は、表面が平滑なガラス板を垂直に立て、一定量のインキ試料が自重によって一定時間内にガラス板上を流れた長さを測定することにより、乳化インキの流動性を評価できる。
流れた長さが、65mm以上、120mm未満を良好とし、65mm未満か120mm以上、を不良とした。
各オフセット印刷インキについて、前記乳化試験による乳化インキの乳化流動性を「新聞オフセット輪転インキの試験方法 団体規格:2000(新聞インキ協会発行)」の4.1.4(ガラス板流度計による流動性の試験方法)に従い、乳化流動性を評価した。この試験方法は、表面が平滑なガラス板を垂直に立て、一定量のインキ試料が自重によって一定時間内にガラス板上を流れた長さを測定することにより、乳化インキの流動性を評価できる。
流れた長さが、65mm以上、120mm未満を良好とし、65mm未満か120mm以上、を不良とした。
[構造粘性]
各オフセット印刷インキについて、インキのしまりを評価するために、次のように構造粘性を測定した。
Physica MCR301粘弾性測定装置(Anton Paar社製)の粘弾性測定装置にて、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])を測定し、前記から前記せん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値を構造粘性の数値とした。
構造粘性の値が、80〜200Pa・sであるものを良好とし、80Pa・s未満か200Pa・sより大きいもの、を不良とした。
各オフセット印刷インキについて、インキのしまりを評価するために、次のように構造粘性を測定した。
Physica MCR301粘弾性測定装置(Anton Paar社製)の粘弾性測定装置にて、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])を測定し、前記から前記せん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値を構造粘性の数値とした。
構造粘性の値が、80〜200Pa・sであるものを良好とし、80Pa・s未満か200Pa・sより大きいもの、を不良とした。
[低せん断速度領域の最大粘度]
さらに、各オフセット印刷インキについて、インキ再流動を評価するために、次のように低せん断速度領域の最大粘度を測定した。
Physica MCR301粘弾性測定装置(Anton Paar社製)の粘弾性測定装置にて、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、30℃において、ひずみ10%、せん断速度0.001〜1000sec−1の範囲で、15分間、測定したときに、せん断速度0.001〜1sec−1の低せん断速度領域におけるせん断粘度の最大値ηを低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)とした。
低せん断速度領域の最大粘度が、600〜8,000Pa・sであるものを良好とし、600Pa・s未満か、8,000Pa・sより大きいもの、を不良とした。
さらに、各オフセット印刷インキについて、インキ再流動を評価するために、次のように低せん断速度領域の最大粘度を測定した。
Physica MCR301粘弾性測定装置(Anton Paar社製)の粘弾性測定装置にて、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、30℃において、ひずみ10%、せん断速度0.001〜1000sec−1の範囲で、15分間、測定したときに、せん断速度0.001〜1sec−1の低せん断速度領域におけるせん断粘度の最大値ηを低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)とした。
低せん断速度領域の最大粘度が、600〜8,000Pa・sであるものを良好とし、600Pa・s未満か、8,000Pa・sより大きいもの、を不良とした。
表1および表2より、実施例1〜11は、顔料濃度が従来品(比較例3)と同程度であるにも係らず、着色濃度が高い。セット性が良好で、機上での乾燥を抑制する効果が高い(機上安定性が良好)。乳化適性も良好である。構造粘性および低せん断速度領域の最大粘度も良好であるためインキがしまりにくく、微小な圧力で容易にインキの構造が崩れ、再流動しやすい。
一方、石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂を含有しない比較例1は、低せん断速度領域の最大粘度が低いため、インキのしまりがなく、流動性が過剰となり、壷垂れ(ダイヤ目ローラーとインキ元ローラーの間隙からインキが垂れる)、インキレール垂れ(インキレールのスリットから過剰にインキが吐出され、インキレールのペン先からインキが垂れる)や、印刷インキを印刷機ユニットにインキを供給するインキ供給ポンプのポンプストロークが不安定になる原因となる。石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂のみを含有する比較例2は、乳化限度率が著しく上昇し、乳化流動性が劣る。従来例である比較例3は、着色濃度が上がらず、セット性がやや劣り、機上での乾燥抑制効果が低い(機上安定性が劣る)。また、特許文献3の例である比較例4は、石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂を含有せずに、酸価が4mgKOH/gのアルキッド樹脂を多量(10%)に併用することによって、カーボンブラック含有率を高めたものであるが、着色濃度は十分であるものの、カーボンブラック含有率が高いため構造粘性が高く(インキがしまりやすく)、配管内での流動が劣り、またインキ転移が劣るため、濃度ムラや色抜けといった不良が発生したり、インキレールのスリットからの吐出不良が起こるおそれがある。特許文献2の例である比較例5は、水酸基価が高い(120mgKOH/g)ロジン変性フェノール樹脂のみを使用していることから、親水性が高く、乳化しても流動性が過剰となってしまい、インキ余り、濃度ムラ、色抜けといった不良の原因となり、また低せん断速度領域の最大粘度が低いため、壷垂れ、インキレール垂れの原因となる。特許文献1の例である比較例6は、トール油脂肪酸グリセリンエステルを使用しており、セット性は従来の大豆油を使用したもの(例えば、従来例である比較例3)と遜色ないセット性(機上安定性)を有するが、乳化しても流動性が過剰となるため、壷垂れやインキレール垂れの原因となる。
一方、石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂を含有しない比較例1は、低せん断速度領域の最大粘度が低いため、インキのしまりがなく、流動性が過剰となり、壷垂れ(ダイヤ目ローラーとインキ元ローラーの間隙からインキが垂れる)、インキレール垂れ(インキレールのスリットから過剰にインキが吐出され、インキレールのペン先からインキが垂れる)や、印刷インキを印刷機ユニットにインキを供給するインキ供給ポンプのポンプストロークが不安定になる原因となる。石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂のみを含有する比較例2は、乳化限度率が著しく上昇し、乳化流動性が劣る。従来例である比較例3は、着色濃度が上がらず、セット性がやや劣り、機上での乾燥抑制効果が低い(機上安定性が劣る)。また、特許文献3の例である比較例4は、石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂を含有せずに、酸価が4mgKOH/gのアルキッド樹脂を多量(10%)に併用することによって、カーボンブラック含有率を高めたものであるが、着色濃度は十分であるものの、カーボンブラック含有率が高いため構造粘性が高く(インキがしまりやすく)、配管内での流動が劣り、またインキ転移が劣るため、濃度ムラや色抜けといった不良が発生したり、インキレールのスリットからの吐出不良が起こるおそれがある。特許文献2の例である比較例5は、水酸基価が高い(120mgKOH/g)ロジン変性フェノール樹脂のみを使用していることから、親水性が高く、乳化しても流動性が過剰となってしまい、インキ余り、濃度ムラ、色抜けといった不良の原因となり、また低せん断速度領域の最大粘度が低いため、壷垂れ、インキレール垂れの原因となる。特許文献1の例である比較例6は、トール油脂肪酸グリセリンエステルを使用しており、セット性は従来の大豆油を使用したもの(例えば、従来例である比較例3)と遜色ないセット性(機上安定性)を有するが、乳化しても流動性が過剰となるため、壷垂れやインキレール垂れの原因となる。
Claims (9)
- 次の(a)および(b)のロジン変性フェノール樹脂、ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステル、顔料、溶剤を含有することを特徴とするオフセット印刷インキ。
(a)酸価が10mgKOH/g以上、30mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g未満、OH/COOHが0.3以上、0.8以下、重量平均分子量が40,000以上、100,000未満のロジン変性フェノール樹脂
(b)酸価が3mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、水酸基価が30mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下、OH/COOHが0.5以上、1以下、重量平均分子量が30,000以上、50,000以下の石油樹脂含有ロジン変性フェノール樹脂 - 前記ダイマー酸含有トール油脂肪酸グリセリンエステルが、オフセット印刷インキ中に0.5〜3.5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷インキ。
- 前記顔料がカーボンブラックであり、オフセット印刷インキ中に15質量%以上、25質量%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット印刷インキ。
- さらに、酸価が1.5mgKOH/g以上、10mgKOH/g以下、アルコールナンバーが25ml以上、50ml以下であるアルキッド樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷インキ。
- 前記アルキッド樹脂が、オフセット印刷インキ中に0.5質量%以上、5質量%以下含有することを特徴とする請求項4に記載のオフセット印刷インキ。
- 前記アルキッド樹脂が、アミン変性アルキッド樹脂であることを特徴とする請求項4または5に記載のオフセット印刷インキ。
- 前記アミン変性アルキッド樹脂のアミン率が15〜20%であり、第1級アミンおよび/または第3級アミンによるアミン変性アルキッド樹脂であることを特徴とする請求項6に記載のオフセット印刷インキ。
- せん断速度30sec−1のせん断粘度(η[30sec−1]、Pa・s)と、せん断速度1sec−1のせん断粘度(η[1sec−1]、Pa・s)の差(η[1sec−1]−η[30sec−1])が、80〜200Pa・sで、かつ、低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)が、600〜8,000Pa・sであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のオフセット印刷インキ。
(ここで、せん断粘度ηの差(η[1sec−1]−η[30sec−1])とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、25℃において、3分間、ひずみ10%、せん断速度30sec−1の条件下にて、インキの構造を崩したときのせん断粘度η(η[30sec−1])を測定し、引き続き、ひずみ10%、せん断速度1sec−1の条件下にて、15分間、せん断粘度η(η[1sec−1])を測定したときのせん断速度1sec−1のせん断粘度η(η[1sec−1])から前記せん断速度30sec−1のせん断粘度η(η[30sec−1])を引いた値であり、
低せん断速度領域の最大粘度(lowηmax)とは、直径25mm、コーン角1°のコーンプレートを使用して、30℃において、ひずみ10%、せん断速度0.001〜1000sec−1の範囲で、15分間、測定したときに、せん断速度0.001〜1sec−1の低せん断速度領域におけるせん断粘度の最大値ηである。) - 基材である紙に、請求項1〜8のいずれかに記載のオフセット印刷インキを用いて形成されたことを特徴とする印刷物。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019119749A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | オフセット印刷インキ組成物、及び印刷物 |
CN112384576A (zh) * | 2018-07-11 | 2021-02-19 | 阪田油墨株式会社 | 活性能量射线固化型胶版印刷用油墨组合物、以及使用了该油墨组合物的印刷物的制造方法 |
-
2016
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