JP2013189528A - 浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、新聞、チラシ、フリーペーパー、コミック等を印刷するオフセット印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物(以下、「インキ」と略す。)に関するものであり、特に、印刷品質の向上と印刷作業性の向上に関するものであり、さらには、着肉性、裏付き性に優れ、ガイドローラー残り並びにパイリングを低減できるインキの提供。
【解決手段】顔料、バインダー樹脂、ワックス、石油系溶剤および植物油類を含有する浸透乾燥型印刷インキ組成物において、一定範囲の融点を有する石油ワックスまたは一定範囲の重量分子量を有志かつ特定範囲のアニリン点を有する液状ポリエチレンワックスを一定量含有させることにより、着肉性、裏付き性、ブロッキング性に優れ、ガイドローラー残りを低減できる事を特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、新聞、チラシ、フリーペーパー、コミック等を印刷するオフセット印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物(以下、「インキ」と略す。)に関するものであり、特に、印刷品質の向上と印刷作業性の向上に関するものであり、さらには、着肉性、裏付き性に優れ、ガイドローラー残りおよびパイリングを低減できるインキに関するものである。
新聞印刷に代表される浸透乾燥型オフセット印刷インキを用いたオフセット印刷は、紙に転写されたインキにおいて、インキ中の溶剤および植物油類が紙に浸透することで固体皮膜を形成させることが特徴である。またインキ中の溶剤の一部は高速印刷時に蒸発する。
浸透乾燥型オフセット印刷用インキの乾燥メカニズムは、印刷インキを構成している溶剤や植物油類などが、毛細管現象で紙の繊維部分に浸透し、顔料や樹脂の一部の固形物が紙の表面に固形皮膜の画像を形成させるという乾燥方式をとっている。
一方、同様のオフセット輪転機を用いたインキとして、ヒートセット型オフセット印刷が挙げられ、これは加熱オーブン(ドライヤー)を用いてインキ中の溶剤を乾燥させ、固体皮膜を形成させる方式を取るため、浸透乾燥型オフセット印刷インキと区別され、利用分野も使用される印刷用紙も異なるのが一般的であった。
近年、オフセットインキ業界は地球環境や作業環境の改善にも取り組んできており、ヒートセット型オフセット印刷の利用分野においてもより印刷作業環境および自然環境に有利な浸透乾燥型オフセット印刷へ移行しつつあるため、浸透乾燥型でより広い紙幅への対応が求められている。
しかしながら、浸透乾燥型オフセット印刷インキは、従来は主に新聞紙に代表される低級紙で使用されており、近年の印刷機の高速化や用紙セット性の速さから、インキへの植物油類や高沸点石油系溶剤の添加により、機上安定性の長化およびセット性を遅延させることで紙剥けおよびガイド残りの低減を図っているため乾燥性の遅延を招き、印刷直後の印刷物の裏付き性、ブロッキング性が劣る。一方、乾燥性を速めると、ガイドローラー残りが懸念されるため、乾燥性とガイドローラー残り解消を同時に満たすのは困難であった。
さらに、品質要求が高まる中、新聞、チラシ、フリーペーパー、コミックを印刷するための低級紙の紙質の劣化が益々進み、紙剥けや着肉性の劣化が生じやすい環境になってきており、印刷中のインキタック値を上げず、流動性と粘度をいかに維持するかが処方設計上肝要となる。
過去、紙剥け性、着肉性、裏付き性向上のために多くの検討がなされてきた。特許文献1には、特定の重合性モノマーおよび/またはオリゴマー、光重合開始剤の添加やバインダー樹脂として特定のイソシアネート化合物を添加し、紫外線照射による乾燥性(硬化)と浸透乾燥性、および必要に応じて酸価重合を兼ね備えたハイブリッド型印刷インキ組成物および印刷方法について示されているが、これらは、その他の構成成分として用いられている植物油類およびロジン変性樹脂との相溶性が劣るため、乳化適性の劣化、流動性の劣化並びにインキの保存安定性に劣り、また、紫外線照射設備の導入にコストがかかるため望ましくない。
特許文献2には、印刷機上のインキタック値の上昇を抑えることでインキタック値を安定させ、紙剥け性への対策を行うため、特定のアニリン点を有した沸点300℃以上の高沸点溶剤を添加する方法が示されているが、この方法は、紙剥性の向上には一定の効果があるものの、高沸点溶剤を使用しているため、裏付き性やブロッキング性に劣るため好ましくない。
特許文献3には、特定の脂肪酸モノエステルとオルガノポリシロキサンを添加する方法が示されているが、この方法は、インキの粘度を維持したまま低タック化に効果があるものの、著しい流動性の劣化と乳化適性の劣化を招き、着肉性が劣化するため好ましくない。
特許文献4には、一定範囲の重量平均分子量および曇点を有したロジン変性フェノール樹脂とロジンエステル樹脂に特定の脂肪酸エステルを添加することで、浸透乾燥型オフセットインキの塗膜硬化速度を向上する方法が示されており、これはその塗膜硬化速度の向上による裏付き性やブロッキング性の向上には効果があるものの、機上安定性の劣化から機上でのインキタックの上昇し、着肉性の劣化を招き、また、耐摩擦性自体の向上に効果が無いため望ましくない。
特許文献5には、植物油類として、特定のトリグリセリドを含有させ、機上安定性を良化させることで紙剥け性や着肉性を向上させる方法について示されているが、この方法は紙剥け性や着肉性の向上に一定の効果はあるものの、裏付き性やブロッキング性について効果が十分でなく望ましくない。
特開2002−285060 特開2002−338892 特開2002−097398 特開2009−73953 特開2011−225753
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、特に、印刷品質の向上と印刷作業性の向上に関するものであり、さらには着肉性、裏付き性に優れ、ガイドローラー残り、パイリングを低減できるインキに関するものである。
顔料、バインダー樹脂、ワックス、石油系溶剤および植物油類を含有する浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物において、一定範囲の融点を有する石油ワックスまたは一定範囲の重量分子量を有志かつ特定範囲のアニリン点を有する液状ポリエチレンワックスを一定量含有させることにより、着肉性、裏付き性、ブロッキング性に優れ、ガイドローラー残りを低減できる事を特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物を発明するに至った。
すなわち本発明は、顔料、バインダー樹脂、ワックス、石油系溶剤および植物油類を含有する浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物であって、
ワックスが、溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスであることを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物に関するものである。。
(ただし、
溶融型の石油ワックスは、融点30〜70℃の、常温(25℃)で固体のワックス
であり、
ポリエチレンワックスは、常温(25℃)で、B型粘度計で測定したときに、5Pa・s以下の液状であり、重量平均分子量400〜3000およびアニリン点110〜160℃の液状のワックス
である。)
さらに、本発明は、前記溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスが、全インキ組成物中0.5〜6重量%含有されていることを特徴とする上記の浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物に関するものである。
また、本発明は、上記の浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物を基材に印刷してなる印刷物に関するものである。
従来では、浸透乾燥型オフセット印刷インキは、主に低級紙で使用されており、近年の印刷機の高速化やセット性の速さの要求に対して、インキへ植物油類や高沸点溶剤の添加を行うと、長時間の機上安定性は、得られるが、セット性は、遅延し、紙剥けおよびガイド残りの低減は、図られるものの乾燥性の遅延を招き、印刷直後の印刷物の裏付き性が生じる。一方、乾燥性を速めると、機上でのタックアップが紙剥けを誘発する原因となったり、ガイドローラー残りが懸念されるため、長時間の機上安定性の確保とガイドローラー残り解消を同時に満たすのは困難であった。
本発明によって、紙剥けによる着肉性の劣化やガイド残りによる紙面の汚れを招くことなく、印刷物の裏付き性を向上させ、パイリングを向上させることで、高速印刷時の印刷作業性を損なうことなく、印刷品質を向上させることができるインキを提供することが可能となった。
本発明において使用される顔料としては、一般的な無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、などを示すことができる。有機顔料としては、アゾ系として、C系(βナフトール系)、2B系および6B系(βオキシナフトエ系)などの溶性アゾ顔料、βナフトール系、βオキシナフトエ酸アニリド系、モノアゾイエロー系、ジスアゾイエロー系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、アセト酢酸アリリド系などの縮合アゾ顔料、フタロシアニン系として、銅フタロシアニン(αブルー、βブルー、εブルー)、塩素、臭素などのハロゲン化銅フタロシアン、金属フリーのフタロシアニン顔料、多環顔料としてペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系顔料を挙げることができる。顔料の添加量は、印刷インキ組成物の全量に対して5〜30重量%である。
本発明で使用されるバインダー樹脂とはロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂および石油樹脂等を示し、それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用でき、好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用することが望ましい。
バインダー樹脂であるロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、20000〜200000の範囲が望ましく、より好ましくは25000〜160000、さらに好ましくは30000〜120000の範囲であることが望ましい。20000未満では弾性が低くなりミスチングを増大させる懸念があり、200000を超える重量平均分子量では流動性や着肉性を劣化させる懸念がある。
本発明に関するロジン変性フェノール樹脂は、ノルマルパラフィン白濁温度が40〜160℃の範囲が望ましく、さらに好ましくは50〜130℃の範囲である。本発明において、ノルマルパラフィン白濁温度とは、樹脂10重量%と14〜16の炭素数を有するノルマルパラフィン90重量%を加熱混合した際に、白濁する下限の温度をいう(それ以上の温度では白濁が観察されない。)。40℃未満では樹脂の溶解性が高すぎるのでインキのタックが高くなり、160℃を超える白濁温度では樹脂の溶解性が低すぎるので溶剤が離脱し易く機上でインキが締まり易くなる。
一般的に、ワックスは、天然ワックスおよび合成ワックスに分類され、天然ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスに分類される。本発明の石油ワックスは、石油ワックスに分類されるパラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスが挙げられる。本発明の溶融型の石油ワックスの製造工程の一例は、原油を原料として、常圧蒸留、減圧蒸留、溶剤精製、水素化精製、脱ろう、脱油を行った後、水素化精製または白土処理工程を経て得られるが、この限りではない。一方、粉砕型の石油ワックスは、いったんワックスを適度な大きさで製造し、それを所望通りに、粉砕を行うものである。
また、合成ワックスは、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックスに分けられ、本発明で好ましく使用されるものとしてポリエチレンワックスが挙げられ、ポエチレンワックスは、フィッシャー・トロプシュワックスと共に合成炭化水素に分類される。
ポリエチレンワックスは、製造工程後、液状、板状、ペレット状、塊状で取り出され、本発明のポリエチレンワックスは、液状であることが望ましい。すなわち、本発明において、ワックスが液状とは、常温(25℃)において、B型粘度計で測定したときに、5Pa・s以下である液体のことを示す。
本発明に関する溶融型の石油ワックスは、融点が30℃以上70℃以下である固体のワックスであることが望ましく、より好ましくは68℃以下、さらに好ましくは65℃以下であることが望ましい。融点が70℃を超えると、印刷時、紙面上のインキ表面に浮いてくる速度が遅いため、裏移り性並びにブロッキング性の向上およびガイドローラー残りを低減させる効果が弱く好ましくない。
また、融点が、30℃未満では、印刷後のブロッキング等に問題を起こす可能性がある。
本発明に関する溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスは、全インキ組成中の0.5〜6重量%であることが好ましく、より好ましくは0.8〜5重量%、さらに好ましくは1.0〜4重量%の範囲であることが望ましい。0.2重量%未満では、耐摩擦性を向上させる効果が乏しく、6重量%を超えると光沢の劣化や乾燥性の劣化を招く懸念があるため好ましくない。
本発明に関するポリエチレンワックスは、重量平均分子量が400〜3000の範囲であることが望ましく、より好ましくは500〜3000、さらに好ましくは600〜2000の範囲であることが望ましい。重量平均分子量が400未満では耐摩擦性を向上させる効果が乏しく、4000を超えると、着肉性が劣化する懸念があるため好ましくない。
本発明に関するポリエチレンワックスは、アニリン点が110〜160℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは120〜160℃であるであることが望ましい。アニリン点が110℃未満であると、溶解性が良好過ぎるため、インキタック値を低減させる効果に乏しいため着肉性が劣化する懸念があるため好ましくなく、アニリン点が160℃を超えると、溶解性が悪くなり、着肉性の劣化や光沢値の劣化を招く懸念があるため好ましくない。
本発明の溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスの浸透乾燥型オフセットインキ組成物への添加方法は、顔料、ビヒクル、石油系溶剤および植物油類等を混合した後、3本ロールを使用して分散する方法や、ビヒクル、石油系溶剤および植物油類中に溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスを添加し、一定の温度まで上昇させた後撹拌することでビヒクル中に分散し、分散工程後に添加する方法等が挙げられるがこの限りではない。また、本発明の溶融型石油ワックスは、通常、一般的な印刷時の印刷機の温度、およびインキの保管時の温度範囲において固体状である。一般的に使用されている溶融型石油ワックスは、2.0〜6.0μm程度の粒子径であり、印刷紙面のインキ膜厚は通常1〜3μm程度で印刷されるため、粒子化した溶融型石油ワックスがインキ膜厚より上に突起することで、耐摩擦性を向上させるものの、粒子径が大きすぎると印刷機のブランケット胴に残り易くなるため、パイリングを誘発し易くなり、印刷作業性の劣化を招く。
本発明に関するポリエチレンワックスは、一般的な印刷時の印刷機の温度、およびインキ保管時の温度範囲で液状であることが望ましく、−10℃〜50℃で液状であることが望ましい。
また、浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物中への、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができ、必要に応じて、レベリング剤、界面活性剤、消泡剤、等を添加してもよいが、パイリングを誘発する懸念があるため、全インキ組成中の6%未満であることが望ましい。
本発明では、芳香族炭化水素の含有率が1%以下で、アニリン点が60〜130℃、好ましくは80〜100℃および沸点が240〜400℃好ましくは280〜310℃である石油系溶剤を0〜30%、好ましくは5〜15%含有するのが望ましい。石油系溶剤のアニリン点が60℃未満の場合には、樹脂を溶解させる能力が高すぎる為、インキのセット性が遅くなり好ましくなく、また130℃を越える場合には樹脂の溶解性が乏しい為、光沢、着肉等が悪くなり好ましくない。このような非芳香族系石油溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー株式会社製 AFソルベント5号、AFソルベント6号等がある。
本発明における植物油類とは植物油および植物油由来の化合物であり、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリドと、それらのトリグリセリドから飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステル、あるいは植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類が挙げられる。また、本発明では必要に応じて油としてそれ以外の動植物油、合成油を併用しても良い。
植物油としては、大豆油、再生大豆油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油、ヤトロファ油等の植物油由来のものや、それらの熱重合油および酸素吹き込み重合油等を併用することもできる。動物油としては、牛脂、豚脂等がある。
本発明において、好適な植物油を挙げるとすれば、そのヨウ素価が50〜130(mg/100mg)である植物油が好ましく、さらにヨウ素価が60〜100(mg/100mg)の植物油がより好ましい。ヨウ素価130(mg/100mg)より高くなると、保存容器内でのインキの増粘や流動性の劣化を招きやすい。
脂肪酸モノエステルは上記植物油とモノアルコールとをエステル交換したものや植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステルである。モノアルコールの代表的なものは、メタノール、エタノール、n−またはiso−プロパノール、n,secまたはte t−ブタノール、ヘプチノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等の飽和アルコール、オレイルアルコール、ドデセノール、フイセテリアルコール、ゾンマリルアルコール、ガドレイルアルコール、11−イコセノール、11−ドコセノール、15−テトラコセノール等の不飽和脂肪族系アルコールが挙げられる。
エーテル類として代表的なものは、ジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジへプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジデシルエーテル、ノニルへキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテル等が挙げられる。
本発明の印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の方法で実施する事が出来る。一例としてバインダー樹脂、石油系溶剤、植物油類、必要に応じてゲル化剤を加えて、190℃1時間のクッキング条件でワニスを製造する。次いで、例えば、前記のワニスに顔料、石油系溶剤、植物油類、顔料分散剤または顔料分散樹脂を加え、ビーズミルや3本ロール等で分散する事により印刷インキ用ベースを得る事が出来る。次いで、石油系溶剤、植物油類、その他の添加剤を加え、所定粘度に調整し印刷インキ組成物を得る事が出来る。インキの種類としては、オフセット輪転印刷機用インキ、新聞印刷機用インキ、枚葉印刷機用インキが主なものであるが、これに限定されるものではない。
本発明の浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物の組成の一例としては、
・顔料 5〜30重量%
・バインダー樹脂 18〜40重量%
・石油系溶剤 0〜30重量%
・植物油類 7〜30重量%
・ワックス 0.5〜6重量%
・その他添加剤 1〜5重量%
などが好ましい組成として挙げられる。
本発明に使用される基材としては新聞紙、上質紙、中級紙、低級紙等に代表される一般的な非塗工紙が印刷用紙として挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、特に断らない限り、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
(ロジン変性フェノール樹脂製造例)
反応容器中でガムロジン1500部に、予めキシレン溶媒中でターシャリーブチルフェノール600部と92重量%のパラホルムアルデヒド210部を水酸化ナトリウム触媒下で100℃で4時間反応させ、水分除去したフェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。さらに、ペンタエリスリトール160部を添加し、触媒として酸化カルシウム1.5部を使用して250℃で12時間反応させた。反応の過程で順次取り出す事により、表1の樹脂を得た。
Figure 2013189528

(浸透乾燥型オフセット印刷インキ用ゲルワニスの製造)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに樹脂A(重量平均分子量31000、ノルマルパラフィン白濁温度64℃)44重量部、大豆油35重量部、AFソルベント5号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、アニリン点88℃、沸点範囲279〜307℃)20重量部を仕込み、190℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1重量部(川研ファインケミカル株式会社製ALCH、以下ALCHと称す)を仕込み、190℃で30分間攪拌して浸透乾燥型オフセット印刷インキ用ゲルワニス1(以下ワニス1と称す)を得た。
さらに、表2の組成に基づいて、上記と同等のゲルワニス製造方法により、ゲルワニス2〜3(以下ワニス2〜3と称す)を得た。
Figure 2013189528
購入した溶融型の石油ワックスA〜FおよびポリエチレンワックスG〜Mについて、石油ワックスについては融点を、−10℃〜50℃で液状のポリエチレンワックスについては、分子量およびアニリン点を、−10〜50℃で固体のポリエチレンワックスについては粒子径について測定を行い表3を得た。平均粒子径については、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA−920;LY−208乾式測定ユニット仕様)を用いて測定した
Figure 2013189528

(浸透乾燥型オフセット印刷インキ用石油ワックス添加剤)
上記石油ワックスAを50部、大豆油を50部仕込み、130℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、25℃に設定の3本ロール上に滴下して急冷し、低速回転で3分間冷却した後、素通しすることで、添加剤Aを得た。
さらに、表4の組成に基づいて、上記と同等の石油ワックス添加剤の製造方法により、石油ワックス添加剤B〜F(以下添加剤B〜Fと称す)を得た。
Figure 2013189528

(浸透乾燥型オフセット印刷インキ用ポリエチレンワックス添加剤)
上記ポリエチレンワックスLを50部、大豆油を50部仕込み、190℃に昇温、同温で30分間撹拌することでポリエチレンワックス添加剤L(以下添加剤L)を得た。
上記ポリエチレンワックスMを50部、大豆油を50部仕込み、190℃に昇温、同温で30分間撹拌することでポリエチレンワックス添加剤L(以下添加剤M)を得た。
[浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物実施例1]
カーボンブラック(キャボットジャパン株式会社製、DBP吸油量102ml/100g、BET比表面積75m2/g)を17重量部、ワニス1を60重量部、添加剤Aを3重量部(ワックス分1.5重量部)、石油系溶剤(AFソルベント5号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製))15部、大豆油5重量部を仕込み、常法に従い三本ロールを用いて浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物の実施例1を得た。
さらに、表5の組成に基づいて、常法に従い三本ロールを用いて浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物の実施例2〜7並びに比較例1〜7を得た。
Figure 2013189528
<性能評価試験(1) 着肉性の評価>
着肉性評価試験は、浸透乾燥型オフセット印刷機としてLITHOPIA BT2−800 NEO(三菱重工株式会社)にて、一般的な絵柄、濃度にて以下の印刷条件にて実施し、得られた印刷物のベタ部について、目視にて、表6の評価基準に基いて5段階の相対評価を実施した。
用 紙 :非塗工紙(46.5g/m)(日本製紙株式会社)
(測色値:L:91.5、a:−1.75、b:4.85)
印刷速度:600rpm
版 :CTP版(富士フィルム(株))
印刷部数:2万部
Figure 2013189528
<性能評価試験(2) 裏付き性の評価>
上記印刷試験で得られた印刷物について、白紙(非塗工紙(46.5g/m)(日本製紙株式会社))を印刷面上に当て、印刷後3分後から1分間2kg/cmの圧力をかけた時の白紙へのインキの取られ度合いを観測し、目視により表7の評価基準に基いて5段階の相対評価を実施した。
Figure 2013189528
<性能評価試験(3) ガイドローラー残りの評価>
上記印刷時に2万部印刷後の印刷機のガイドローラー上のインキ付着量について、目視にて表8の評価基準に基いて5段階評価の相対評価を実施した。
Figure 2013189528
(性能評価試験(4) パイリングの評価)
上記印刷時に2万部印刷後の印刷機のブランケット上のインキ付着量について、目視にて表9の評価基準に基いて5段階評価の相対評価を実施した。
Figure 2013189528

測定した性能評価試験結果を表10に示す。各評価とも「4」および「5」が実用レベルである。
Figure 2013189528

実施例1〜7は着肉性、裏付き性の評価結果が良好であり、ガイドローラー残り、パイリングも極めて少ない。石油ワックスの融点が高い比較例1〜2は、裏付き性およびガイドローラー残りの改善が見られない。ポリエチレンワックスの重量平均分子量が小さく、アニリン点が低く、添加量が多い比較例3は、着肉性が劣り、裏付き性の改善が見られない。ポリエチレンワックスの重量平均分子量が大きく、アニリン点が高い比較例4は着肉性が劣り、ガイドローラー残りの改善効果が弱い。固体のポリエチレンワックスを用いた比較例5〜6は、着肉性、ガイドローラー残り、パイリングが劣り、印刷作業性の観点から好ましくない。ワックスを使用していない比較例7は、着肉性、パイリングは良好なものの、裏付き性、ガイドローラー残りが劣り望ましくない。

Claims (3)

  1. 顔料、バインダー樹脂、ワックス、石油系溶剤および植物油類を含有する浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物であって、
    ワックスが、溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスであることを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物。
    (ただし、
    溶融型の石油ワックスは、融点30〜70℃の、常温(25℃)で固体のワックス
    であり、
    ポリエチレンワックスは、常温(25℃)で、B型粘度計で測定したときに、5Pa・s以下の液状であり、重量平均分子量400〜3000およびアニリン点110〜160℃の液状のワックス
    である。)
  2. 前記溶融型の石油ワックスおよび/またはポリエチレンワックスが、全インキ組成物中0.5〜6重量%含有されていることを特徴とする請求項1記載の浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物。
  3. 請求項1また2記載の浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物を基材に印刷してなる印刷物。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160917A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 東洋インキScホールディングス株式会社 平版印刷インキ組成物
JP2016104831A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 Dicグラフィックス株式会社 活性エネルギー線硬化型組成物

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