JP6183397B2 - 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

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本発明は、印刷インキに関し、更に詳しくは、新聞、チラシ等の印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関し、更に詳しくは、従来よりも印刷機ローラー上へのインキ固着を抑えることにより、ローラーの洗浄性向上、ヒッキーの抑制が可能となる浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関する。
浸透乾燥型オフセット印刷用インキの乾燥メカニズムは、印刷インキを構成している溶剤や植物油などが、毛細管現象で紙の繊維部分に浸透し、顔料や樹脂の一部の固形物が紙の表面に固形皮膜の画像を形成させるという乾燥方式をとっている。
この浸透乾燥型オフセット印刷用インキは、ヒートセット印刷用インキの様な加熱オーブン(ドライヤー)を用いてインキ中の溶剤を乾燥させ、固体皮膜を形成させる方式と区別するため、コールドセット印刷用インキとも呼ばれている。
浸透乾燥型オフセット印刷、特に新聞印刷におけるインキ供給方式には壷方式、レール方式、キーレス方式が挙げられるが、近年の印刷機高速化及び、紙面品質の向上に伴い、壷方式、レール方式が増加傾向にある。
その中で、重要な物理的性状として流動性があり、流動性が付与しすぎると壷垂れ、 レールスリットからの自然吐出、ミスト、汚れなどの原因となるため、流動性のコントロールは必要不可欠となる。
その手段としては、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化珪素、有機ベントナイト系体質顔料などの添加によって行なわれているが、これらは粉末、固形状であり、これらがインキ中に多く含まれるとインキ中のビヒクル分が減量されることから乾燥が早くなりローラー上にインキが固着し易くなる。
近年、インキ使用量削減を目的に、絵柄を構成する網点を小さくする高精細化も進んでいる。そのため、画線部上に供給されるインキ量が減少することから乾燥性は更に高まり、以前よりもこれらの現象が発生しやすい印刷環境となっている。
更には、インキ使用量削減を目的に、インキ中の顔料含有量を高めた所謂高濃度インキの使用が進んでいる。高濃度インキは、顔料含有量が高い故、顔料を分散するビヒクル分が相対的に減少し、分散不良、顔料の濡れ不良によるトラブルを起こしやすくなる。
オフセット印刷は、水と油の反発を利用して印刷する印刷方式であり、印刷中インキは乳化状態となる。乳化状態になると分散不良、濡れ不良のインキは顔料の再凝集が起こり易く、インキ性状として粘着性が高まりローラーに固着し易くなる。そのため、酷い場合には洗浄性が劣化し、固着したインキが洗浄残りすることによりヒッキーが発生する。
これまで分散性を高めるための手法として樹脂、顔料からのアプローチが施されてきたが、これらは流動性の付与による壺垂れ、レールからの自然吐出を引き起こしてきた。また、インキの弾性が下がることからインキ元ローラーとダイヤ目ローラー間がギャップ転移となる印刷機においては転移が不安定となり濃度変動を引き起こし易くなった。
つまり、印刷適性を維持しながらローラー洗浄性の向上、ヒッキーを抑制するには顔料分散性を維持しながら流動性をコントロールできる手法が必要となっている。
顔料の分散性向上として特許文献1には石油樹脂とヨウ素価130以下の植物油を含むO/Wエマルジョンで顔料表面を処理する手法、特許文献2にはロジン変性アルキッド樹脂を使用する手法、特許文献3にはロジン変性フェノール樹脂としてメタ位にアルキル基を有するアルキルフェノールを使用する手法、特許文献4にはノボラック樹脂、グラフト共重合体を顔料分散剤として、特許文献5には長鎖アルコールのエチレンオキサイド付加物を顔料分散剤として用いる手法による先行技術文献があるが、いずれも分散性が向上することにより流動性が付与し壺垂れ、レールからの自然吐出を引き起こしてしまう。
特許文献6にはゲル状トール油グリセリドを使用による手法が記載されているが、ゲル状トール油グリセリドの過剰添加はローラーストリッピングを引き起こしやすくなることから添加量に注意が必要である。
特許文献7には硬化油を使用することによりインキの流動性を抑制する手法が記載されているが、硬化油は通常常温で固体であり、インキ中で使用する際には硬化油自体を分散させる必要がある。また、分散が不十分であるとヒッキーや着肉不良による紙面劣化を引き起こすため注意が必要である。
特開2001-261994号公報 特開2007-63497号公報 特許第3277520号公報 特許第3396585号公報 特開平10−287838号公報 特開2013−213112号公報 特開2003−105243号公報
本発明は、印刷インキに関し、更に詳しくは、新聞、チラシ等の印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関し、更に詳しくは、従来よりも印刷機ローラー上へのインキの固着を抑えることにより、ローラーの洗浄性向上、ヒッキーの抑制が可能となる浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関する。
上記課題を解決するために誠意研究した結果、アゾ系またはフタロシアニン系の有機顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油および溶剤、ヨウ素価100〜140(mg/100mg)の植物油及び再生植物油を原料とした重合植物油をインキ全量に対し1〜15%含有することを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用カラ―インキ組成物において優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、アゾ系もしくはフタロシアニン系有機顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油および重合植物油を含んでなる浸透乾燥型オフセット印刷用インキであって、
バインダー樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂を含み、
重合植物油が、ヨウ素価100〜140(mg/100mg)の大豆油および再生植物油から選ばれる植物油原料から得られたものであり、かつ、インキ全量に対し1〜15重量%含有され、
重合植物油の粘度が、5.0〜50.0Pa・Sであることを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関するものである。
さらに、本発明は、ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラ―インキに関するものである。
さらに、本発明は、さらに、石油系溶剤を含むことを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラ―インキに関するものである。
さらに、本発明は、石油系溶剤のアニリン点が、65〜110℃であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラ―インキに関するものである。
さらに、本発明は、上記浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物に関するものである。
さらに、本発明は、使用する重合植物油の粘度が5.0Pa・S〜50.0Pa・Sであることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、樹脂がロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂およびアルキッド樹脂から選ばれる一種類以上であることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が10,000〜300,000であることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、溶剤が、石油系溶剤および植物油類から選ばれる一種類以上であることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
また、本発明は、石油系溶剤のアニリン点が65〜110℃であることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、浸透乾燥型であることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
また、上記のオフセット印刷用インキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物に関するものである。
本発明は、印刷インキに関し、更に詳しくは、新聞、チラシ等の印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関し、更に詳しくは、従来よりも印刷機ローラー上へのインキの固着を抑えることにより、ローラーの洗浄性向上、ヒッキーの抑制が可能となる。
本発明で使用される重合植物油は、好ましくは、ヨウ素価が100〜140(mg/100mg)の植物油及び再生植物油に酸素を吹き込みながら加熱、撹拌することで得られる。ただし、重合反応は熱重合でもよいが、酸価重合であることが好ましい。植物油原料は100〜140(mg/100mg)である菜種油、ごま油、大豆油などの半乾性油、またはその範囲内にある再生植物油とすることで、重合反応も円滑に進行し、生成した重合植物油のヨウ素価は100(mg/100mg)以下となり、空気中での酸化進行による増粘や皮張りの発生が抑制され、経時での物性変化が少なく安定である。尚、この際、反応を円滑に進める上でヨウ素価が140(mg/100mg)以上ある亜麻仁油や桐油を全植物油原料中の1〜30重量%加えるのも有効である。
植物油を重合させる場合、ヨウ素価が140(mg/100mg)を超える亜麻仁油や桐油、紅花油などの乾性油を酸価重合、熱重合させることが一般的であるが、重合後も多くの不飽和結合が残存し、酸化しやすく、皮張りが起こりやすい。一方でヨウ素価が100(mg/100mg)未満であるオリーブ油、落花生油などの不乾性油を原料とした場合、不飽和結合の数が少なく重合反応の進行が遅い。
本発明における重合植物油の含有量は、インキ全量に対して、1〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%含有されていることが望ましい。含有率がインキ全量に対して1重量%よりも少ないと、本発明の効果が得られない。一方、インキ全量に対して15重量%よりも多いとそれ以上の効果が見られないことに加え、インキ中の樹脂分の比率が極端に少なくなり印刷機上での転移不良を引き起こすため好ましくない。
本発明に用いられる顔料としては、任意の有機顔料が使用できる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系などオフセットインキに用いられる顔料が相当する。例えば、銅フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、C.I.Pigment Green 7、36)、モノアゾ系顔料(C.I.Pigment Red 3、4、5、23、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、53:1、57:1)、ジスアゾ系顔料(C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、83)が挙げられる。
本発明で使用される体質顔料は、炭酸カルシウム、有機ベントナイト、モンモリロナイト、硫酸バリウム、二酸化ケイ素のうち一種類若しくは複数種を併用して用いることができる。
本発明で用いられるバインダー樹脂としては、重量平均分子量10000〜300000、好ましくは20000〜100000、且つトレランスが20〜49重量%好ましくは22〜30重量%であるロジン変性フェノール樹脂であることが望ましい。
重量平均分子量が10000未満ではインキの粘弾性が低下し、300000超えるとインキの流動性、光沢が劣る。また、トレランスが20重量%未満ではインキのセット性が低下し、さらにセットオフ汚れ、ミスチング性能の劣化を招く。トレランスが49重量%を超えると、印刷機上での溶剤離脱の促進によるインキの増粘、流動性の低下、タック上昇による印刷適性の劣化を招き、さらに光沢が低下するため好ましくない。
本発明におけるトレランスとは、試験管中に樹脂2.50gとAFソルベント5号(新日本石油(株)製)を5g入れ、適時攪拌しながら5分間で180℃に昇温し、溶解したものを25.0℃まで冷却し、攪拌しつつ0号ソルベント(新日本石油(株)製)で少量ずつ希釈していき、微濁状態を終点とした時の0号ソルベントの量から以下の式によりトレランスの値を求める。
Figure 0006183397
尚、本発明で使用されるバインダー樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂以外に、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂及び石油樹脂等は任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。
更に、上記樹脂(ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキッド及び石油樹脂等)は石油系溶剤、植物油類から選ばれる少なくとも一種である溶剤と、場合によってはアルミニウムキレート化合物のようなゲル化剤を添加して、190℃程度で溶解してワニス化したものとして使用される。樹脂の添加量は印刷インキの全量に対して20%〜50重量%である。
本発明における植物油類は、植物油並びに植物油由来の化合物であり、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセライドと、それらのトリグリセライドから飽和または不飽和アルコールとのエステル化反応からなる脂肪酸モノエステルが挙げられる。
植物油として代表的ものは、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。特に大豆油、ヤシ油、アマニ油、菜種油が好ましい。
本発明において、使用される植物油エステルとしては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油、菜種油等の植物油由来の脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、モノアルキルエステル化合物が挙げられ、モノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基が例示できる。これら脂肪酸モノエステルは、単独で、または2種以上を組合わせて使用でき、本発明においては、植物油成分として、植物油、脂肪酸エステルをそれぞれ単独で用いてもよく、両者を併用しても良い。溶剤の添加量としては、インキ中10〜50重量%が好ましい。
本発明で使用される石油系溶剤としては、パラフィン系、ナフテン系、及びこれらの混合溶剤であり、溶剤中の芳香族炭化水素の含有量が1重量%以下が好ましい。溶剤のアニリン点は65〜110℃が好ましい。アニリン点が110℃より高い溶剤を使用すると、インキ組成中の使用樹脂との溶解性が乏しいため、インキの流動性が不十分となり、レベリング不良から光沢のない印刷物しか得られない。また、65℃より低いアニリン点の溶剤を使用したインキでは、乾燥時のインキ皮膜からの溶剤の離脱性が悪く乾燥劣化を起こしてしまう場合がある。このような非芳香族系石油溶剤としては、新日本石油(株)製AF5、AF6等がある。
本発明で使用する他の助剤としては、分散剤、ゲル化剤、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦剤(ワックス)等の添加剤を適宜用いることができる
本発明において、印刷する基材は、浸透乾燥型である本発明のオフセット印刷用インキの目的に合致すれば何でもよいが(溶剤が浸透するような基材)、紙、特に非塗工紙または微塗工紙、あるいは更紙のような浸透乾燥するような基材が、本発明の印刷する基材としては適している。
重量平均分子量測定には、東ソー(株)製ゲルパーメーションクロマトグラフィー(商品名 HLC−8020)および東ソー(株)製カラム(商品名 TSK−GEL)を用いた(以下、重量平均分子量は同様の方法で測定した値である)。
さらに、本発明の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物には、必要に応じてゲル化剤、顔料分散剤、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イオン系界面活性剤、多価アルコールなどの添加剤を適宜使用することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例に何等限定されるものではない。なお、本発明において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」「重量%」を意味する。
重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィー(HLC−8020)にて測定した。検量線はポリスチレンサンプルにより作成し、溶離液はTHF、カラムはTSKgelSuperHM−M(東ソー(株)製)を用いた。本発明において「分子量」とは重量平均分子量を示す。
粘度は、重合植物油、ワニスについてはHAAKE製 RheoStress600を使用し25℃にて測定した。また、インキについてはLA型粘度計(日本レオロジー機器(株)製)を使用し25℃にて測定した。
[重合植物油]
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに植物油100部を仕込み、エアーポンプの先に中空のガラス管を接続し、液面上部に空気を送りながら120℃において加熱・撹拌し重合植物油を得た。尚、使用した植物油、反応時間、生成した重合油の分子量、粘度は表1に纏める。
[ロジン変性フェノール樹脂ワニス1製造例]
平均分子量200000、酸価 21.0、軟化点165℃であるロジン変性フェノール樹脂 38部、大豆油30部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2度)31部を仕込み、180℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み190℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニス1を得た。
[ロジン変性フェノール樹脂ワニス2製造例]
平均分子量20000、酸価 21.6、軟化点170℃であるロジン変性フェノール樹脂 44.0部、大豆油29部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2度)26部を仕込み、190℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み190℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニス2を得た。
[インキ製造例1]
Pigment RED57:1(トーヨーカラー(株)製)20部、樹脂ワニス35部を用いてフラッシングを行い、ペースト顔料中の水分を十分に取り除いた後、フュームドシリカ、ベントナイト系体質顔料、炭酸カルシウム、大豆白絞油、溶剤(AFソルベント6号(新日本石油株式会社製))、樹脂ワニス、重合植物油を表1、表2の配合で三本ロールおよびミキサーを用いて混練混合し、インキ粘度を10.0Pa・s、100重量部となるよう調整。実施例(表2)および比較例(表3)のインキを作成した。
[インキ製造例2]
Pigment Blue15:3(トーヨーカラー(株)製)20部、樹脂ワニス、フュームドシリカ、ベントナイト系体質顔料、炭酸カルシウム、大豆白絞油、溶剤(AFソルベント6号(新日本石油株式会社製))、重合植物油を表5、6の配合で三本ロールおよびミキサーを用いて混練混合し、インキ粘度を10.0Pa・s、重量部が100となるよう調整。実施例(表4)および比較例(表5)のインキを作成した。
Figure 0006183397
<重合植物油乾燥性の品質安定性>
重合植物油を直径3cm、円筒状のアルミ製の缶に30g取り60℃で保温した際の24時間後の表面状態を指で接触し乾燥状態を比較した。乾燥しにくいものほど品質が長く保持され良好であることを示す。
○:表面がベタ着いており、乾燥していない
×:指紋の後が残る程度若しくは、完全に固まって乾燥しておりベタ着きを感じない
Figure 0006183397
Figure 0006183397
Figure 0006183397
Figure 0006183397
(評価結果)
上記実施例1〜12及び比較例1〜12の浸透乾燥型オフセット印刷用インキにおける、流動性、紙剥け性、印刷適性、ローラー洗浄性について評価を実施し、結果を表6〜9に示した。
Figure 0006183397
Figure 0006183397
Figure 0006183397
Figure 0006183397
<流動性の測定方法>
インキ2.1ccを半球状の容器にセット後、直ちに60°に傾けた傾斜板の上にインキを垂らし、10分間で流れた長さを測定する。壺垂れ耐性、レールからの吐出性能から60mm以下が印刷適性上最適であることを示す。
(評価基準)
〇:60mm以下
△:60mm以上、100mm未満
×:100mm以上
尚、〇及び△は印刷可能な範囲。×は印刷上支障をきたす範囲を示す。
<紙剥け性の測定方法>
インキ2.5ccをRIテスター(株式会社明製作所製)にて新聞用更紙(20×25cm)に50rpmで展色したときの、インキの着肉及び紙向け状態を目視評価する。着肉性が良く、紙剥けがないものが優れている。
(評価基準)
○:紙剥けによる着肉不良なし。
△:紙剥けが僅かに確認され、着肉がやや劣る。
×:紙剥けが目立ち着肉が悪い。
尚、〇及び△は印刷可能な範囲。×は印刷上支障をきたす範囲を示す。
<印刷適性試験>
下記印刷条件の下、一定のインキキー、水量値にて単色ベタと網点(1〜100%の10%きざみ)の印刷を行ない、汚れ度合を目視にて確認、印刷濃度を測定した。
〇:汚れがなく、印刷濃度が0.92以上で印刷が可能
△:若干の汚れ、印刷濃度が0.88±0.03の一方若しくは双方が見られるが印刷 可能
×:汚れが酷い、印刷濃度が0.84以下の一方若しくは双方が見られ、印刷不可能
尚、〇及び△は印刷可能な範囲。×は印刷上支障をきたす範囲を示す。
[印刷条件]
印刷機 :東浜精機製
用 紙 :新聞用紙更紙:超軽量紙(42g/m2)(日本製紙(株))
(測色値:L*:83、a*:−0.25、b*:5.5)
湿し水 :NEWSKING ALKY(東洋インキ(株))0.5%水道水溶液
印刷速度:10万部/時
版 :CTP版(富士フィルム(株))
印刷部数:5万部
[印刷濃度測定条件]
グレタグマクベス社製分光光度計SpectroEye(D50、2度視野、Status T、絶対白色基準)
<ローラー洗浄性評価方法>
上記印刷後にインキ着けローラー、水着けローラーを版に付けた状態で洗浄液(ニッカ株式会社製 ブラクリンG3)3CCをインキ着けローラー上に滴下し、3分間ローラー上で伸ばした後、洗浄用ブレードで3分間掻き取りを行い水着けローラー、水練りローラーのインキの洗浄具合を目視にて確認した。
(評価基準)
○:インキの洗浄残りはなく良好。
△:若干のインキの洗浄残りが見られたがインキの固着状態は見られなかった。
×:インキの洗浄残りが多いまたは、インキの固着状態が見られた。
表3〜6の結果より、流動性、紙面品質、印刷適性について全てのバランス良く、優れているのは実施例であることが分かった。

Claims (5)

  1. アゾ系もしくはフタロシアニン系有機顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油および重合植物油を含んでなる浸透乾燥型オフセット印刷用インキであって、
    バインダー樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂を含み、
    重合植物油が、ヨウ素価100〜140(mg/100mg)の大豆油および再生植物油から選ばれる植物油原料から得られたものであり、かつ、インキ全量に対し1〜15重量%含有され、
    重合植物油の粘度が、5.0〜50.0Pa・Sであることを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  2. ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることを特徴とする請求項記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  3. さらに、石油系溶剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  4. 石油系溶剤のアニリン点が、65〜110℃であることを特徴とする請求項記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
  5. 請求項1〜4何れか記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物。
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