JP6183397B2 - 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents
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この浸透乾燥型オフセット印刷用インキは、ヒートセット印刷用インキの様な加熱オーブン(ドライヤー)を用いてインキ中の溶剤を乾燥させ、固体皮膜を形成させる方式と区別するため、コールドセット印刷用インキとも呼ばれている。
バインダー樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂を含み、
重合植物油が、ヨウ素価100〜140(mg/100mg)の大豆油および再生植物油から選ばれる植物油原料から得られたものであり、かつ、インキ全量に対し1〜15重量%含有され、
重合植物油の粘度が、5.0〜50.0Pa・Sであることを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキに関するものである。
また、本発明は、石油系溶剤のアニリン点が65〜110℃であることを特徴とする上記のオフセット印刷用インキに関するものである。
重量平均分子量が10000未満ではインキの粘弾性が低下し、300000超えるとインキの流動性、光沢が劣る。また、トレランスが20重量%未満ではインキのセット性が低下し、さらにセットオフ汚れ、ミスチング性能の劣化を招く。トレランスが49重量%を超えると、印刷機上での溶剤離脱の促進によるインキの増粘、流動性の低下、タック上昇による印刷適性の劣化を招き、さらに光沢が低下するため好ましくない。
本発明において、使用される植物油エステルとしては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油、菜種油等の植物油由来の脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、モノアルキルエステル化合物が挙げられ、モノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基が例示できる。これら脂肪酸モノエステルは、単独で、または2種以上を組合わせて使用でき、本発明においては、植物油成分として、植物油、脂肪酸エステルをそれぞれ単独で用いてもよく、両者を併用しても良い。溶剤の添加量としては、インキ中10〜50重量%が好ましい。
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに植物油100部を仕込み、エアーポンプの先に中空のガラス管を接続し、液面上部に空気を送りながら120℃において加熱・撹拌し重合植物油を得た。尚、使用した植物油、反応時間、生成した重合油の分子量、粘度は表1に纏める。
平均分子量200000、酸価 21.0、軟化点165℃であるロジン変性フェノール樹脂 38部、大豆油30部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2度)31部を仕込み、180℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み190℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニス1を得た。
平均分子量20000、酸価 21.6、軟化点170℃であるロジン変性フェノール樹脂 44.0部、大豆油29部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2度)26部を仕込み、190℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み190℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニス2を得た。
Pigment RED57:1(トーヨーカラー(株)製)20部、樹脂ワニス35部を用いてフラッシングを行い、ペースト顔料中の水分を十分に取り除いた後、フュームドシリカ、ベントナイト系体質顔料、炭酸カルシウム、大豆白絞油、溶剤(AFソルベント6号(新日本石油株式会社製))、樹脂ワニス、重合植物油を表1、表2の配合で三本ロールおよびミキサーを用いて混練混合し、インキ粘度を10.0Pa・s、100重量部となるよう調整。実施例(表2)および比較例(表3)のインキを作成した。
Pigment Blue15:3(トーヨーカラー(株)製)20部、樹脂ワニス、フュームドシリカ、ベントナイト系体質顔料、炭酸カルシウム、大豆白絞油、溶剤(AFソルベント6号(新日本石油株式会社製))、重合植物油を表5、6の配合で三本ロールおよびミキサーを用いて混練混合し、インキ粘度を10.0Pa・s、重量部が100となるよう調整。実施例(表4)および比較例(表5)のインキを作成した。
重合植物油を直径3cm、円筒状のアルミ製の缶に30g取り60℃で保温した際の24時間後の表面状態を指で接触し乾燥状態を比較した。乾燥しにくいものほど品質が長く保持され良好であることを示す。
○:表面がベタ着いており、乾燥していない
×:指紋の後が残る程度若しくは、完全に固まって乾燥しておりベタ着きを感じない
上記実施例1〜12及び比較例1〜12の浸透乾燥型オフセット印刷用インキにおける、流動性、紙剥け性、印刷適性、ローラー洗浄性について評価を実施し、結果を表6〜9に示した。
インキ2.1ccを半球状の容器にセット後、直ちに60°に傾けた傾斜板の上にインキを垂らし、10分間で流れた長さを測定する。壺垂れ耐性、レールからの吐出性能から60mm以下が印刷適性上最適であることを示す。
(評価基準)
〇:60mm以下
△:60mm以上、100mm未満
×:100mm以上
尚、〇及び△は印刷可能な範囲。×は印刷上支障をきたす範囲を示す。
インキ2.5ccをRIテスター(株式会社明製作所製)にて新聞用更紙(20×25cm)に50rpmで展色したときの、インキの着肉及び紙向け状態を目視評価する。着肉性が良く、紙剥けがないものが優れている。
(評価基準)
○:紙剥けによる着肉不良なし。
△:紙剥けが僅かに確認され、着肉がやや劣る。
×:紙剥けが目立ち着肉が悪い。
尚、〇及び△は印刷可能な範囲。×は印刷上支障をきたす範囲を示す。
下記印刷条件の下、一定のインキキー、水量値にて単色ベタと網点(1〜100%の10%きざみ)の印刷を行ない、汚れ度合を目視にて確認、印刷濃度を測定した。
〇:汚れがなく、印刷濃度が0.92以上で印刷が可能
△:若干の汚れ、印刷濃度が0.88±0.03の一方若しくは双方が見られるが印刷 可能
×:汚れが酷い、印刷濃度が0.84以下の一方若しくは双方が見られ、印刷不可能
尚、〇及び△は印刷可能な範囲。×は印刷上支障をきたす範囲を示す。
印刷機 :東浜精機製
用 紙 :新聞用紙更紙:超軽量紙(42g/m2)(日本製紙(株))
(測色値:L*:83、a*:−0.25、b*:5.5)
湿し水 :NEWSKING ALKY(東洋インキ(株))0.5%水道水溶液
印刷速度:10万部/時
版 :CTP版(富士フィルム(株))
印刷部数:5万部
グレタグマクベス社製分光光度計SpectroEye(D50、2度視野、Status T、絶対白色基準)
上記印刷後にインキ着けローラー、水着けローラーを版に付けた状態で洗浄液(ニッカ株式会社製 ブラクリンG3)3CCをインキ着けローラー上に滴下し、3分間ローラー上で伸ばした後、洗浄用ブレードで3分間掻き取りを行い水着けローラー、水練りローラーのインキの洗浄具合を目視にて確認した。
(評価基準)
○:インキの洗浄残りはなく良好。
△:若干のインキの洗浄残りが見られたがインキの固着状態は見られなかった。
×:インキの洗浄残りが多いまたは、インキの固着状態が見られた。
Claims (5)
- アゾ系もしくはフタロシアニン系有機顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油および重合植物油を含んでなる浸透乾燥型オフセット印刷用インキであって、
バインダー樹脂が、ロジン変性フェノール樹脂を含み、
重合植物油が、ヨウ素価100〜140(mg/100mg)の大豆油および再生植物油から選ばれる植物油原料から得られたものであり、かつ、インキ全量に対し1〜15重量%含有され、
重合植物油の粘度が、5.0〜50.0Pa・Sであることを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。 - ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることを特徴とする請求項1記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
- さらに、石油系溶剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
- 石油系溶剤のアニリン点が、65〜110℃であることを特徴とする請求項3記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキ。
- 請求項1〜4何れか記載の浸透乾燥型オフセット印刷用カラーインキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物。
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