JP5515359B2 - 平版印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、書籍、チラシ、カタログ、ポスター等を印刷するオフセット印刷に使用される平版印刷インキ組成物(以下、「インキ」と略す。)に関するものであり、特に、添加剤によって乳化適性を向上されたインキに関するものであり、更に詳しくは水有り印刷において発生する湿し水に係る印刷トラブルを低減して印刷紙面の品質を改善し、印刷の作業効率を向上させ、印刷作業環境を向上させる為のインキに関するものである。
オフセット水有り印刷では、インキがインキ壷から複数のローラーを経由して版面に供給され、湿し水が水舟から複数のローラーを経由して版面に供給される。版面の画線部は親油性であるのでインキが受理され、版面の非画線部は親水性であるので湿し水で被覆される事により、紙面に画像が形成される。供給されるインキ量と供給される湿し水量が不均衡な場合、印刷トラブルが発生する事がある。例を挙げると、版面の非画線部において湿し水が不足すると非画線残りと一般的に称するパイリング現象が発生する。また、湿し水が過剰に供給されると、水棒絡み、水目、濃度変動、フライング、ローラー余り、ローラー剥げ等の深刻な印刷トラブルが誘発される。これらの印刷トラブルを防止し、優れた印刷紙面を再現する為には、印刷機上でのインキと湿し水の乳化状態を制御し、水幅(印刷機あるいは紙面に対して湿し水に起因するトラブルが発生しない水上がり量の幅)を拡大する印刷インキの処方設計が必要である。近年、オフセット印刷機の性能向上に伴う高速印刷化が益々進行すると共に、印刷用紙の古紙利用比率が上昇しているので、インキと湿し水の需給バランスが変化し、最適かつ安定した乳化状態を保持する事が困難になっている。
特に、絵柄が少ない印刷では、インキ供給量に対して湿し水供給量が過剰になり易く、インキが内部に湿し水を多量に受容しないと、内部に受容できなかった湿し水が表面水としてインキの表面に表出し、インキの円滑なローラー間の転移を阻害する。このような場合、湿し水を多く受容できるインキの設計が必要であり、ロジン変性フェノール樹脂の樹脂恒数の選択や界面活性剤の使用によって、その目標とするインキの乳化率を達成するのが常であるが、樹脂面で乳化率が高いインキを作成すると版非画線部において地汚れが誘発され、一般的に低表面張力であるカチオン界面活性剤・アニオン界面活性剤・両性界面活性剤・ノニオン界面活性剤を使用すると、インキ表面張力が著しく低下し、インキが湿し水に散りやすくなる為、散り汚れや調量絡み等のトラブルを誘発してしまう(特許文献1〜3)。
特開2007−31477号公報 特開2007−169465号公報 特開平11−349880
本発明は、このような従来の技術における問題点を解決する為になされたものであり、その課題とするところは、湿し水が過剰に供給される印刷条件でも安定した印刷作業性、濃度安定性を提供すると共に、水目やローラー剥げなどを伴わない、優れた印刷インキを提供するものである。
本発明者は、現状の課題を解決する事を目指し検討を進めた結果、下記一般式(1)及び(2)を添加したインキが、湿し水が過剰に供給される印刷条件においても、水目やローラー剥げといった印刷トラブルを大幅に低減させる共に、優れた印刷作業性、濃度安定性を実現することを見出した。
一般式(1)
Figure 0005515359


一般式(2)
Figure 0005515359
すなわち、第1の発明は、バインダー樹脂、界面活性剤、植物油類、石油系溶剤および顔料を含有する平版印刷インキ組成物において、前記界面活性剤が、上記一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤であって、平版印刷インキ組成物中に0.05〜5重量%添加されていることを特徴とする平版印刷インキ組成物に関するものである。
また、第2の発明は、一般式(1)または(2)において、n、mまたはpが、それぞれ独立に、10〜40であることを特徴とする平版印刷インキ組成物に関するものである。
さらに、第3の発明は、非イオン界面活性剤が、表面張力35〜55mN/mであることを特徴とする平版印刷インキ組成物に関するものである。
また、第4の発明は、非イオン界面活性剤が、流動点−50〜25℃であることを特徴とする平版印刷インキ組成物に関するものである。
さらに、第5の発明は、第1〜4の発明いずれか記載の平版印刷インキ組成物を基材に印刷してなることを特徴とする印刷物に関するものである。
本発明のインキ組成物により、湿し水が過剰に供給される印刷条件においても、水目やローラー剥げといった印刷トラブルを大幅に軽減すると共に、優れた印刷作業性、濃度安定性を実現するインキ組成物を提供することができる。更に、本発明により提供されるインキ組成物は、インキ表面張力の低下が殆ど無い為、湿し水への散り汚れや調量絡みといった印刷トラブルを低減することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて具体的に説明する。
本発明において一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤は、平版印刷インキ組成物中に0.05〜5重量%添加され、0.05〜3重量%添加するのがより好ましい。5重量%を超える添加量では、乳化インキがO/W型エマルジョンで安定化するため、ローラー間のインキ転移性が無くなり安定な印刷作業性が確保できない為好ましくない。0.05重量%未満の添加量では、過剰に湿し水が供給された状態で安定した印刷作業性及び濃度安定性の効果を得ることができない。
また一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤の親水基であるエチレンオキサイドのl、oまたはqが、それぞれ独立に、1〜100であることが好ましく、2〜90であることがより好ましい。親水基であるエチレンオキサイドのl、oまたはqが100を超える場合、乳化インキがO/W型エマルジョンで安定化するため、ローラー間のインキ転移性が劣化し安定な印刷作業性が確保できない為好ましくない。
l、oまたはqが1未満の付加量では、プロピオンオキサイド単独となり、過剰に湿し水が供給された状態で安定した印刷作業性及び濃度安定性を得ることが出来ないと共に、インキ表面張力が著しく低下するため湿し水への散り汚れや調量絡みといった印刷トラブルを招くこととなるため好ましくない。
さらに一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤の疎水基であるプロピレンオキサイドのn、mまたはpが、10〜40であることが好ましい。疎水基であるプロピレンオキサイドのn、mまたはpが、40を超える場合、インキ表面張力の低下が著しくなり湿し水への散り汚れや調量絡みといった印刷トラブルを招く為好ましくない。n、mまたはpが1未満の付加量では、エチレンオキサイド単独となり、乳化インキがO/W型エマルジョンで安定化するため、ローラー間のインキ転移性が劣化し安定な印刷作業性が確保できない為好ましくない。
また一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤の表面張力が35〜55mN/mであることが好ましい。表面張力が55mN/mを超える場合、版非画線部への親和性が向上し地汚れが発生する為好ましくない。表面張力が35mN/m未満の場合、インキの表面張力を著しく低下させるため、湿し水中への散り汚れや調量絡みといった印刷トラブルを招く為好ましくない。またこの表面張力の測定方法は、一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤の0.1重量%水溶液を20℃においてWilhelmy法(協和界面化学(株)社製、CBVP−Z全自動表面張力計を使用し測定)にて測定した値である。
更に一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤の流動点が−50〜20℃であることが好ましい。流動点が25℃を超える場合、残渣としてインキ組成中に存在する為、安定した乳化状態が得られず、またヒッキーを誘発し印刷紙面品質の低下に繋がる為好ましくない。尚ここにおける流動点とは、日本工業規格JIS K 2269に記載される測定法にて測定された値である。
尚本発明における、一般式(1)または(2)に該当する市販されている商品名として東邦化学工業株式会社製、ペポールB−181、ペポールB−182、ペポールB−184、ペポールB−188、ペポールA−0638、ペポールA−0858、ペポールD−301A、ペポールD−304、ペポールAS−053X、ペポールAS−054C、ペポールBS−184、ペポールBS−201、ペグノール D−202、ペグノール D−206Y、ペグノール D−210Y、ペグノール D−9、ペグノール DA−5、ムシュール T−401などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
本発明における平版印刷インキ組成物には、顔料、バインダー樹脂、植物油類、石油系溶剤、ドライヤー、酸化防止剤、補助剤などを使用することができる。
顔料としては、一般的な無機顔料及び有機顔料を使用することが出来る。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、などを示すことができる。有機顔料としては、アゾ系として、C系(βナフトール系)、2B系及び6B系(βオキシナフトエ系)などの溶性アゾ顔料、βナフトール系、βオキシナフトエ酸アニリド系、モノアゾイエロー系、ジスアゾイエロー系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、アセト酢酸アリリド系などの縮合アゾ顔料、フタロシアニン系として、銅フタロシアニン(αブルー、βブルー、εブルー)、塩素、臭素などのハロゲン化銅フタロシアニン、金属フリーのフタロシアニン顔料、多環顔料としてペリレン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系顔料を挙げることができる。
バインダー樹脂としては、例えばフェノール系樹脂(フェノール系樹脂、ロジン、硬化ロジン、重合ロジンなどのロジン類を用いたロジン変性フェノール系樹脂など)、マレイン酸系樹脂(ロジン変性マレイン酸系樹脂、ロジンエステル系樹脂など)、アルキド樹脂又は変性アルキド樹脂、石油樹脂などが挙げられ、それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明におけるロジン変性フェノール樹脂は、樹脂酸であるロジン、アルキルフェノールとホルマリンの縮合体であるレゾール並びに多価アルコールを反応する事によって得られ、必要に応じてマレイン酸等の第3成分が添加される事もある。ロジンとレゾールの配合比率は樹脂の物性を制御する重要な要因の一つである。本発明に関するロジン変性フェノール樹脂のロジンの配合比率は60重量%以上かつ70重量%以下が望ましく、好ましくは62重量%以上かつ67重量%以下である。60重量%を下回る比率ではレゾールのアルキル基が過多になる結果、樹脂の溶剤に対する溶解性が過剰になり目的であるインキの高粘度を達成するのが困難になり、70重量%を超える比率では、レゾールのアルキル基が少なくなり、樹脂の溶剤に対する溶解性が悪すぎるので、インキから溶剤が分離する虞が生じる。
又、植物油類としては、植物油並びに植物油由来の化合物があげられるが、化合物として例えばグリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリドと、それらのトリグリセリドから飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステル、あるいは植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類が挙げられる。
植物油として代表的なものは、アサ実油、亜麻仁油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、桐油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。
又、石油系溶剤としては、芳香族炭化水素の含有量が1重量%以下の原油由来の溶剤(石油系溶剤)である。この石油系溶剤は、アニリン点が70℃〜120℃、沸点が230℃以上の石油溶剤が適当である。アニリン点が70℃未満の場合には、樹脂を溶解させる能力が高すぎる為インキ粘度が低くなりすぎ、地汚れ耐性が充分でなくなる。またアニリン点が120℃を超える場合には、樹脂を溶解させる能力が低すぎる為、インキ粘度が高くなりすぎ、インキ流動性も乏しくなり、ローラー、版、ブランケットへのインキの堆積が起こりやすくなる為、好ましく無い。
又、ドライヤーとしては、酸化重合を促進する酸化重合触媒であり、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸
、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルヘキサ
ノイック酸、3,5,5,−トリメチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸、などの有機カルボン酸の金属塩、例えばカルシウム、コバルト、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、ジルコニウム、塩などの公知公用の化合物が使用可能であり、印刷インキ表面及び内部硬化を促進するために、これらの複数を適宜併用して使用することもできる。
又、酸化防止剤としては、酸化重合反応に対して阻害効果を有する重合禁止剤であり、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン等に代表されるハイドロキノン誘導体、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン等に代表されるフェノール誘導体、アスコルビン酸、トコフェロール等に代表される抗酸化作用を有するビタミン化合物類などを示し、それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
又、補助剤としては、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、顔料分散剤、カルナバワックス、木ろう、ラノリンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプシュ合成ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフロオロエチレンワックス、ポリアミドワックスなどの合成ワックス、シリコーン添加剤、レベリング剤などを適宜しようすることができる。
平版印刷インキ組成物において、各成分の割合は、顔料が1〜25重量%、バインダー樹脂が20〜50重量%、植物油が30〜50重量%、高沸点石油系溶剤が0〜30重量%、ドライヤーが0〜3重量%、酸化防止剤が0〜4重量%、その他添加剤が0〜10重量%であり、総量が100重量%となることが好ましい。
平版印刷インキ組成物は、コーンプレート粘度計で25℃、シェアレート100/sにおける粘度が100.0Pa・s以下が好ましく、1.0Pa・s〜90.0Pa・sが更に好ましい。粘度が上記数値より大きくなると、流動性、転移性が低下するためローラーに供給されるインキの安定性が乏しくなり印刷作業性に障害が出てくると共に、紙に転写されたインキのレベリング性が低下するため光沢劣化等の品質障害が出る為好ましくない。また粘度と共にインキのタック値も上昇するため、紙剥け、紙離れ不良などが発生しやすくなり、紙粉がブランケットに堆積することによって転写不良など安定した印刷作業性が確保できない為好ましくない。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りがない限り、本発明における「部」は、「重量部」を表わし、「%」は、「重量%」を表す。
(ロジン変性フェノール樹脂Aの製造例)
[製造例1]
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにp−tert−ブチルフェノール700部、p−オクチルフェノール300部、35%ホルマリン850部、93%水酸化ナトリウム60部、トルエン1000部を加えて、80−90℃で6時間反応させた。その後6N塩酸125部、水道水1000部の塩酸水溶液を添加し、撹拌、静置し、上層部を取り出し、不揮発分49%のレゾールタイプフェノール樹脂のトルエン溶液2000部を得て、これをレゾール液Aとした。
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン1000部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解し、上記で製造したレゾール液A1800部を添加し、トルエンを除去しながら230℃で4時間反応させた後、グリセリン110部を仕込み、250℃で10時間反応させ、酸化20以下として、重量平均分子量40000、新日本石油化学(株)社製AFソルベント6号での白濁温度80℃、樹脂粘度10.0Pa・sのロジン変性フェノール樹脂Aを得た。
(ワニスA製造例)
[製造例2]
ロジン変性フェノール樹脂A 42部、大豆油 35部、AFソルベント6号(新日本石油化学(株)製溶剤)22部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)、1.0部を190℃で1時間加熱撹拌して、ワニスAを得た。
尚、白濁温度は新日本石油化学(株)製AFソルベント6の10%希釈状態のものをNOVOCONTROL社製、CHEMOTORONICにて測定。樹脂粘度は、樹脂/亜麻仁油=1/2の重量比の混合物を180−200℃で加熱撹拌して得たワニスのコーンプレート粘度計による25℃での粘度値である。
(ベースインキA製造例)
[製造例3]
LIONOL BLUE FG7330(東洋インキ製造(株)社製、藍顔料) 25部、ワニスA 60部、大豆油(日清オイリオグループ(株)社製) 15部を3本ロールミル、温度条件60℃にて、分散粒子径測定器(グラインドメーター)で粒子径が7.5ミクロン以下になるまで練肉し、ベースインキAを得た。
(藍インキA製造例)
[製造例4]
ベースインキA 70部、ワニスA 20部、マンガンドライヤー(日本化学産業(株)社製) 1部、大豆油(日清オイリオグループ(株)社製) 5部、ニュー耐摩擦コンパウンド(東洋インキ製造(株)社製) 1部を3本ロールミル、温度条件25℃にて混合し、粘度70Pa・sの藍インキAを得た。
[実施例1]
実施例1〜7及び比較例1〜3までの平版印刷インキを、表1の配合比で、3本ロールミル、温度条件25℃にて混合し作成した。尚ここで用いた一般式(1)または(2)の非イオン界面活性剤の性状を表2および表3で示す。

Figure 0005515359
Figure 0005515359
Figure 0005515359
実施例1〜7、比較例1〜3で得られたインキを用いて、オフセット枚葉印刷機にて印刷テストを実施し、湿し水供給量10〜60%の間を10%ずつ変化させ、各湿し水供給量の時の印刷濃度をGretagMacbeth SpectroEyeにて測色した。尚湿し水供給量は、水元ローラーの回転数(%)を表し、印刷機上で表示される値(セット値)を記載した。次に印刷条件を示す。
[印刷条件]
印刷機 :LITHRONE426 ((株)小森コーポレーション製)
版 :HP−F (富士フイルムグラフィックシステムズ(株)製)
湿し水 :アクワユニティC 2.0%水溶液 (東洋インキ製造(株)製)
用紙 :特菱アート両面N 127.9g/m Y目(三菱製紙(株)製)
速度 :12000sheet/hour
印刷濃度:1.60
測色条件:濃度基準=DIN、白色基準=白紙、フィルター無し(X−rite社 製)
本発明のインキ組成物により、これまで課題となっていた湿し水が過剰に供給される印刷条件においても印刷濃度が安定であることを評価する為に、各湿し水供給量における濃度の低下率を調査し、以下基準で判断した。
[濃度の低下率]
濃度の低下は計算式(1)により求めた。
計算式(1)
Figure 0005515359
尚、評価は以下のようにした。
濃度の低下率0%以上5%未満 :◎
濃度の低下率5%以上10%未満 :○
濃度の低下率10%以上15%未満 :△
濃度の低下率15%以上 :×
尚、濃度低下率15%以上の場合において、印刷機に供給されるインキ量を最大値(インキ元回転数100%)にしても元の印刷濃度1.60まで回復しないことを確認した。
[水目]
また湿し水過剰の状態で発生する水目についても目視評価を実施し、以下基準で判断した。
目視により水目を確認できない :◎
目視により水目を僅かに確認できる :○
目視により水目がはっきり確認できる :×
上記判断基準によって評価された結果を表4に示す。
Figure 0005515359
表4に示すように、実施例1〜7においては、湿し水が過剰に供給された状態においても印刷濃度の安定性が高く、水目も僅かに確認することできる程度であった。一方比較例1〜3においては、いずれにおいても印刷濃度の安定性が悪く、水目もはっきりと確認することができた。

Claims (5)

  1. バインダー樹脂、界面活性剤、植物油類、石油系溶剤および顔料を含有する平版印刷インキ組成物において、
    前記界面活性剤が、下記一般式(1)または(2)で表される非イオン界面活性剤であって、平版印刷インキ組成物中に0.05〜5重量%添加されていることを特徴とする平版印刷インキ組成物。
    一般式(1)
    Figure 0005515359


    一般式(2)
    Figure 0005515359

  2. 一般式(1)または(2)において、n、mまたはpが、それぞれ独立に、10〜40であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ組成物。
  3. 非イオン界面活性剤が、表面張力35〜55mN/mであることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷インキ組成物。
  4. 非イオン界面活性剤が、流動点−50〜25℃であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の平版印刷インキ組成物。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の平版印刷インキ組成物を基材に印刷してなることを特徴とする印刷物。
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