JP5010898B2 - プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法 - Google Patents

プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法 Download PDF

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Description

本発明は、新聞用紙などに高品質なプロセス印刷を実現するためのプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法に関する。
近年、広告などの増加により新聞用紙、更紙などに多色刷り印刷(以下、プロセス印刷という)が増加してきている。
このプロセス印刷に使用されるインキ組成物としては、浸透乾燥型の印刷インキ組成物が使用されている。そして、例えば、新聞用途で使用されるプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物は、主として、各種顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油成分、非芳香系石油溶剤から構成されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上記の様なインキ組成物を使用して新聞用紙にオフセット輪転機でプロセス印刷したものは、新聞用紙が更紙であるため高品質な画像を得るには限界があった。
近年、新聞広告の掲載を依頼する会社から、さらに販売商品に近い高品質な印刷物が要求されるようになってきている。
高品質な印刷物を得る方法としては、印刷用紙の地の色に起因してぼやけることがなく、目にも鮮明に写るように、高濃度の印刷を行う方法が考えられるが、従来のプロセス用浸透乾燥型印刷インキ組成物で高濃度に印刷しようとすると、どうしてもインキが厚盛りとなり、印刷物に汚れおよびドットゲインの増大が発生し、要求を満足できるだけの高品質な印刷物を得ることができないという問題を有していた。
色材協会誌、70巻、第3号、205−213頁(1997年発行)
本発明の課題は、上記現状に鑑みて、インキ中の顔料濃度を高く設定して、より薄膜で十分な色濃度を維持させることにより、高濃度印刷を行っても、印刷物に汚れが発生せず、かつ印刷物のドットゲインの増大もない高品質な印刷物を得ることができるプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、イエロー印刷インキ組成物、シアン印刷インキ組成物、マゼンタ印刷インキ組成物、およびブラック印刷インキ組成物の4色からなるプロセス用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットにおいて、顔料濃度を従来のインキよりも高くし、粘度を従来のインキと同じレベルに維持する配合処方とし、各色インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が所定の範囲となるように調整してプロセス印刷を行うことにより、印刷物に汚れが発生せず、かつ印刷物のドットゲインの増大もない高品質な印刷物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明はつぎのプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法を提供する。
(1)オフセット輪転機を使用して浸透性印刷用紙にプロセス印刷するための浸透乾燥型印刷インキセットであって、イエロー顔料9〜18質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sのイエロー印刷インキ組成物と、シアン顔料13〜27質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sのシアン印刷インキ組成物と、マゼンタ顔料13〜27質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sのマゼンタ印刷インキ組成物と、ブラック顔料22〜30質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が1.5〜20Pa・sのブラック印刷インキ組成物とからなることを特徴とするプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
(2)前記各色印刷インキ組成物のバインダー樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものである前記(1)項記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
(3)前記イエロー印刷インキ組成物、シアン印刷インキ組成物およびマゼンタ印刷インキ組成物のバインダー樹脂として、石油樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジンエステル樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とアルキッド樹脂から選択される少なくとも1種とを含有するものであり、前記ブラック印刷インキ組成物のバインダー樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とアルキッド樹脂およびギルソナイトよりなる群から選択される少なくとも1種とを含有するものである前記(1)項に記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
(4)前記各色印刷インキ組成物の植物油成分が、植物油および/または植物油由来の脂肪酸エステルである前記(1)〜(3)項のいずれかに記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
(5)前記各色印刷インキ組成物の植物油が大豆油であり、植物油由来の脂肪酸エステルが大豆油由来の脂肪酸エステルである前記(4)項記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
(6)前記(1)〜(5)項のいずれかに記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットを用いて浸透性印刷用紙にオフセット輪転機でプロセス印刷する方法であって、イエロー印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、シアン印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、マゼンタ印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、ブラク印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が1.25〜1.55となるように調整してプロセス印刷を行うことを特徴とするプロセス印刷方法。
イエロー印刷インキ組成物、シアン印刷インキ組成物、マゼンタ印刷インキ組成物、およびブラック印刷インキ組成物の4色からなるプロセス用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットにおいて、顔料濃度を従来のインキよりも高くし、粘度を従来のインキと同じレベルに維持する配合処方とし、各色インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が所定の範囲となるように調整してプロセス印刷を行うことにより、印刷物に汚れが発生せず、かつ印刷物のドットゲインの増大もない高品質な印刷物を得ることができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットについて説明する。
まず、本発明においてプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を構成する顔料としては、従来からこのタイプのインキ組成物に使用されている有機、無機顔料が使用できる。例えば、イエロー顔料としては、ジスアゾイエロー(ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー1)、ハンザイエローなどが、マゼンタ顔料としては、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッドなどが、シアン顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルーなどが、ブラック顔料としては、ファーネスカーボンブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、アニリンブラックなどが挙げられる。
なお、イエロー顔料を使用してイエロー印刷インキ組成物を、マゼンタ顔料を使用してマゼンタ印刷インキ組成物を、シアン顔料を使用してシアン印刷インキ組成物を、ブラック顔料を使用してブラック印刷インキ組成物を得る場合は、補色顔料として他の顔料を併用することも可能である。
また、顔料固形分の増加、増粘および水幅調整のため、上記顔料以外に、必用に応じて、着色力のないクレー、タルク、カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、ベントナイト、酸化チタンなどの体質顔料を併用してもよい。
次に、本発明のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を構成するバインダー樹脂としては、従来からこのタイプの印刷インキ組成物に使用されているバインダー樹脂が使用できる。例えば、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジンエステル樹脂、石油樹脂変性フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂(アルキッド樹脂としては、植物油変性アルキッド樹脂も含む)、ギルソナイト樹脂(ギルソナイト樹脂としては、ギルソナイトつまり天然アスファルタムから抽出された軟化点120〜125℃の炭化水素樹脂も含む)などが挙げられる。
本発明のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットを得るための好ましいバインダー樹脂としては、(1)ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種(重量平均分子量1万〜20万の、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種)の使用(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのいずれの印刷インキ組成物にも適用可能)、または、(2)イエロー印刷インキ組成物、シアン印刷インキ組成物およびマゼンタ印刷インキ組成物を得るためのバインダー樹脂として、石油樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジンエステル樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種(重量平均分子量1万〜20万の、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、石油樹脂、ロジンエステル樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種)とアルキッド樹脂から選択される少なくとも1種との併用、ならびに、ブラック印刷インキ組成物を得るためのバインダー樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種(重量平均分子量1万〜20万の、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群からなる少なくとも1種)とアルキド樹脂およびギルソナイト樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種との併用が挙げられる。
なかでも、顔料分散性、良好な印刷品質、長期間の安定な印刷の点から、イエロー印刷インキ組成物、シアン印刷インキ組成物、マゼンタ印刷インキ組成物の場合は、重量平均分子量1万〜15万の、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とアルキッド樹脂から選択される少なくとも1種とを併用(使用割合はロジン変性フェノール樹脂とロジン変性マレイン酸樹脂との合計100質量部に対してアルキッド樹脂3〜10質量部が好ましい)することが好ましく、ブラック印刷インキ組成物の場合は、重量平均分子量1万〜15万の、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とアルキッド樹脂およびギルソナイト樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とを併用(使用割合はロジン変性フェノール樹脂とロジン変性マレイン酸樹脂との合計100質量部に対してアルキッド樹脂とギルソナイト樹脂の合計3〜10質量部が好ましい)することが好ましい。
次に、本発明においてプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を構成する植物油成分としては、植物油および/または植物油由来の脂肪酸エステルが好適である。植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油などの乾性油または半乾性油が例示でき、また、植物油由来の脂肪酸エステル化合物としては、上記植物油由来の脂肪酸のモノアルキルエステル化合物が挙げられる。
上記脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸などが例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシルなどのアルキル基が例示できる。
これら植物油や植物油由来の脂肪酸エステルからなる植物油成分は、要求される溶解性や性能に応じて、単独で、または、2種以上を組み合わせて使用できる。好ましい植物油成分は、大豆油および/または大豆油脂肪酸エステルである。
次に、本発明のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物には、上記構成成分以外に、必要に応じて、鉱物油、界面活性剤、リン酸塩などの整面助剤、ポリエチレン系ワックス、オレフィン系ワックス、フィッシャートロプシュワックスなどのワックス類、アルコール類、酸化防止剤などの添加剤を使用することができる。さらに、ゲル化剤を使用して、バインダー樹脂の全部または一部をゲル化して使用してもよい。
上記鉱物油としては、水と相溶しない沸点160℃以上、好ましくは沸点200℃以上の非芳香族系石油溶剤が使用できる。非芳香族系石油溶剤の具体例としては、0号ソルベント、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号(以上、いずれも新日本石油(株)製)などが挙げられる。
各色の印刷インキ組成物を得るための上記構成材料の配合割合としては、次のものが好ましい。
イエロー印刷インキ組成物の場合は、イエロー顔料9〜18質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%、体質顔料0〜35質量%、鉱物油0〜40質量%、好ましくは、イエロー顔料12〜15質量%、体質顔料5〜15質量%、バインダー樹脂15〜30質量%、植物油成分25〜45質量%、鉱物油10〜20質量%; シアン印刷インキ組成物の場合は、シアン顔料13〜27質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%、体質顔料0〜35質量%、鉱物油0〜40質量%、好ましくは、シアン顔料18〜22質量%、体質顔料5〜15質量%、バインダー樹脂15〜30質量%、植物油成分25〜45質量%、鉱物油10〜20質量%; マゼンタ印刷インキ組成物の場合は、マゼンタ顔料13〜27質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%、体質顔料0〜35質量%、鉱物油0〜40質量%、好ましくは、マゼンタ顔料18〜22質量%、体質顔料5〜15質量%、バインダー樹脂15〜30質量%、植物油成分25〜45質量%、鉱物油10〜20質量%であり、ラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sとなるように配合する。
また、ブラック印刷インキ組成物の場合は、ブラック顔料22〜30質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%、体質顔料0〜15質量%、鉱物油0〜40質量%、好ましくは、ブラック顔料23〜25質量%、バインダー樹脂15〜30質量%、植物油成分25〜45質量%、鉱物油10〜20質量%であり、ラレー粘度(25℃)が1.5〜20Pa・sとなるように配合する。
顔料が上記の割合より少ないと高濃度化が困難になり、高品質な印刷物が得られず、一方上記の割合より多いと流動性が小さくなり、印刷機械へのインキの供給ができなくなるという問題が発生する。また、バインダー樹脂が上記の割合より少ないと流動性が小さくなり、印刷機械へのインキの供給ができなくなるという問題が発生し、一方上記の割合より多いと高品質な印刷物が得られないという問題が発生する。さらにラレー粘度が上記の範囲より小さいと印刷機械へのインキの供給ができなくなり、一方上記の範囲より大きいと高品質な印刷物が得られないという問題が発生する。
一般に、インキ中の顔料の含有量が増加するにつれて、印刷物の色濃度を高くすることができるが、インキ粘度が上昇して版面への供給量や印刷用紙への転移量の制御が困難となり、良好な印刷物が得られにくいという問題が発生する。従来では、顔料の増量による粘度上昇分をバインダー樹脂の配合量で調整しようとしていたが、バインダー樹脂の減量は流動性の低下につながり、調整の幅は小さなものであった。
本発明においては、顔料とバインダー樹脂の量ばかりでなく、バインダー樹脂の分子量、バインダー樹脂を溶解する植物油成分や鉱物油の種類などのインキ粘度に影響を及ぼす各種の要因を総合的に考慮して、上記の組成と粘度を維持することにより、良好な印刷適性を有し、高濃度でありながら汚れやドットゲインの増大のない印刷物を得ることができるプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットを提供できる。
上記構成材料を用いて、本発明のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の方法が使用できる。例えば、顔料、バインダー樹脂、溶剤、必用に応じて体質顔料を、ビーズミルや3本ロールミルなどで練肉分散させた後、必用に応じて溶剤、添加剤(酸化防止剤、アルコール類、ワックス類など)などを加えて、ラレー粘度(25℃)3.0〜20Pa・s(イエロー、シアン、マゼンタ印刷インキ組成物)、1.5〜20Pa・s(ブラック印刷インキ組成物)、好ましくはラレー粘度(25℃)8〜15Pa・s(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック印刷インキ組成物)に調整することにより製造する方法などが挙げられる。
次に本発明のプロセス印刷方法について説明する。
本発明のプロセス印刷方法としては、従来から使用されているオフ輪印刷機で、上記イエロー印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、好ましくは1.05〜1.25、上記シアン印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、好ましくは、1.05〜1.25、マゼンタ印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、好ましくは、1.05〜1.25、ブラック印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が1.25〜1.55、好ましくは、1.30〜1.40となるように調整したインキ膜厚にて各色インキを重ね合わせて、新聞用紙などの浸透性印刷用紙にプロセス印刷する方法が例示できる。
ここで、ベタ部を印刷した場合の紙面濃度とは、各色のインキ組成物で印刷用紙上に直接ベタ印刷した部分の濃度をいう。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は質量部を意味する。
<プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を得るためのベースインキ用のオフセットワニス>
コンデンサー、温度計および攪拌機を装着した4つ口フラスコに、重量平均分子量10万のロジン変性フェノール樹脂、大豆油、石油系溶剤(新日本石油(株)製AFソルベント7号)を下記配合比率となるように仕込み、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、エチルアセテートアルミニウムジイソプロポキシド((株)川研ファインケミル製ALCH)を下記の配合比率となるように仕込み、170℃で60分間加熱保持しオフセットワニスを得た。
(配合比率)
ロジン変性フェノール樹脂:35部、大豆油:20部、石油系溶剤:44.5部、ALCH:0.5部(合計:100部)
<プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を得るためのベースインキ組成物>
(イエローベースインキ組成物)
フラッシャー内に上記オフセットワニス45部を投入し、ピグメントイエロー12のプレスケーキ(顔料純分20%)を顔料乾燥固形分として20部加え、温度50℃で混練、フラッシュ排水を分離し、さらに減圧下75℃で水を除去後、上記オフセットワニス25部および大豆油15部を投入し、イエローベースインキ組成物を得た。
(マゼンタベースインキ組成物)
フラッシャー内に上記オフセットワニス35部を投入し、ブリリアントカーミン6Bのプレスケーキ(顔料純分25%)を顔料乾燥固形分として30部加え、温度50℃で混練、フラッシュ排水を分離し、さらに減圧下110℃で水を除去後、上記オフセットワニス20部および大豆油15部を投入し、マゼンタベースインキ組成物を得た。
(シアンベースインキ組成物)
シアニンブルー30部、上記オフセットワニス60部、大豆油10部を3本ロールミルを用いて練肉し、シアンベースインキ組成物を得た。
(ブラックベースインキ組成物)
カーボンブラック30部、上記オフセットワニス60部、ギルソナイト5部、大豆油10部を3本ロールミルを用いて練肉し、ブラックベースインキ組成物を得た。
(体質ベース組成物)
炭酸カルシウム50部、上記オフセットワニス40部、大豆油10部を3本ロールミルを用いて練肉し、体質ベース組成物を得た。
<プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物>
上記各色ベースインキ組成物、体質ベース組成物およびその他の成分を表1〜4に示す配合割合で混合して各色の印刷インキ組成物を得た。表1〜4における各成分の配合割合は質量%である。得られた印刷インキ組成物のラレー粘度(Pa・s/25℃)を測定した。ラレー粘度計は、(株)ケンウッド ティー・エム・アイ製のTE851を使用した。結果を表1〜4に示す。
Figure 0005010898
Figure 0005010898
Figure 0005010898
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<印刷試験評価>
実施例1〜19および比較例1〜4のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を用いてN−750型印刷実験機(東浜精機(株)製)にて、印刷速度12万部/時、新聞用更紙を使用して、下記のベタ紙面濃度で印刷を行った。各インキ2万部の印刷を行い、得られた印刷物のベタ着肉状態、地汚れ、ドットゲインを下記の方法で評価した。湿し水としては、水道水を用いて、水幅の下限付近での印刷状態の比較を行うために、水幅の下限値よりもSSD−12(サカタインクス(株)製)ダイヤルを2ポイント上げ、印刷を行った。結果を表5および表6に示す。
(ベタ紙面濃度)
<高濃度印刷1>
黄1.20、 紅1.20、 藍1.20、墨1.35
<高濃度印刷2>
黄1.45、 紅1.45、 藍1.45、墨1.55
(評価方法)
1:ベタ着肉、地汚れは、印刷物を目視にて評価して行った。
2:ドットゲインについては、Gretag Macbeth社製SpectroEyeを用いて、網点50%印刷部のドットゲインの測定を行った。
濃度測定条件:
分光光度計: Gretag Macbeth 社製 Spectro Eye、45/0、D50、2度視野
バッキング: Substrate Backing (用紙7枚重ね)
濃度測定条件: Status T
なお、ドットゲインの標準の範囲は、黄、紅、藍については15〜20%程度、墨について20〜25%程度である。
Figure 0005010898
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本発明によって得られるプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物は、高濃度印刷において、ベタの着肉状態、地汚れ性、ドットゲインが良好となり、そのプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物を使用して、プロセス印刷をした場合、従来のイプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物では、印刷できなかった販売商品に近い高品質な印刷物を提供することが可能となった。

Claims (6)

  1. オフセット輪転機を使用して浸透性印刷用紙にプロセス印刷するための浸透乾燥型印刷インキセットであって、イエロー顔料9〜18質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sのイエロー印刷インキ組成物と、シアン顔料13〜27質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sのシアン印刷インキ組成物と、マゼンタ顔料13〜27質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が3.0〜20Pa・sのマゼンタ印刷インキ組成物と、ブラック顔料22〜30質量%、バインダー樹脂10〜35質量%、植物油成分20〜60質量%を含有するラレー粘度(25℃)が1.5〜20Pa・sのブラック印刷インキ組成物とからなることを特徴とするプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
  2. 前記各色印刷インキ組成物のバインダー樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものである請求項1記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
  3. 前記イエロー印刷インキ組成物、シアン印刷インキ組成物およびマゼンタ印刷インキ組成物のバインダー樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、石油樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジンエステル樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とアルキッド樹脂から選択される少なくとも1種とを含有するものであり、前記ブラック印刷インキ組成物のバインダー樹脂として、ロジン変性フェノール樹脂およびロジン変性マレイン酸樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種とアルキッド樹脂およびギルソナイトよりなる群から選択される少なくとも1種とを含有するものである請求項1記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
  4. 前記各色印刷インキ組成物の植物油成分が、植物油および/または植物油由来の脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
  5. 前記各色印刷インキ組成物の植物油が大豆油であり、植物油由来の脂肪酸エステルが大豆油由来の脂肪酸エステルである請求項4記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セット。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットを用いて浸透性印刷用紙にオフセット輪転機でプロセス印刷する方法であって、イエロー印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、シアン印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、マゼンタ印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が0.95〜1.50、ブラック印刷インキ組成物でベタ部を印刷した場合の紙面濃度が1.25〜1.55となるように調整してプロセス印刷を行うことを特徴とするプロセス印刷方法。
JP2006306836A 2005-11-14 2006-11-13 プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法 Active JP5010898B2 (ja)

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