JP6030902B2 - 印刷インキ組成物の製造方法および印刷インキ組成物 - Google Patents
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[1]ヒートセット印刷インキ組成物の製造方法であって、
ロジン変性フェノール樹脂と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
キレート剤とを、
混合過熱溶解してヒートセット印刷インキ用ワニスを準備する工程(A1)と、
該工程(A1)で得られたヒートセット印刷インキ用ワニスと、
顔料と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤とを、
分散混練して混練物を製造する工程(A2)と、
該工程(A2)で得られた混練物と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤とを、
添加、混合してヒートセット印刷インキ組成物を製造する工程(B)とからなり、
前記ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤のHLBが10以下であり、
ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤がヒートセット印刷インキ組成物中に0.3〜2重量%であることを特徴とするヒートセット印刷インキ組成物の製造方法、
である。
例えば、ロジン変性フェノール樹脂、溶剤、キレート剤及びその他の添加物を混合過熱溶解してワニスを得、このワニスに、顔料、溶剤、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤を3本ロール、ビーズミルなどで分散混練する(工程A)ことで、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤の効果により、ワニスと顔料との親和性が向上する。特に、ワニスとの親和性が劣る顔料を使用したときに、優れた効果を発揮する。
また、エチレンオキサイドが付加していないものがより好ましい。エチレンオキサイドが付加していると、着色濃度の向上効果が低下してしまう。
ここで、重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
製造例1
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業(株)製)25部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)15部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)49.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。
工程(A)
表1に示したように、製造例1で得られたワニスV1を200部、乾燥固形分170部相当の紅顔料ペースト(Brilliant Carmin6B、大同化成工業(株)製)を、1Lテストニーダーに投入し、温度60℃で撹拌混合し、フラッシングを行った。さらに、ワニスV1を430部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)10部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)15部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物M1を作製した。
工程(A)により得られた混練物M1を75部、ワニスV1を13.5部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)1.5部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)10部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例1の印刷インキ組成物を得た。
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例2の混練物M2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例1の混練物M3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートについて、工程(A)での添加ではなく、工程(B)に変更し、添加量を0.2重量%にて実施し、比較例2のL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートについて、工程(A)での添加ではなく、工程(B)に変更し、添加量を1.0重量%にて実施し、比較例3のL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートに代えて、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(EO=4)(ファインサーフFO−40−90、HLB=7.7、青木油脂工業(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例4の混練物M4およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートに代えて、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(EO=16)(ファインサーフFO−160、HLB=14.4、青木油脂工業(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例5の混練物M5およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
実施例1〜2および比較例1〜5の各印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、光沢度計PG−1(日本電色工業(株)社製、60°)による測定値を評価した。光沢値が高いほど優れる。
光沢値について、○:55.0以上、△:48.0以上、55.0未満(実用上問題ない)、×:48.0未満(光沢が低く、実用できない)、の3段階で評価した。
実施例1〜2および比較例1〜5の各印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を100℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片の展色面を、グレタグマクベススペクトロアイ(GretagMacbeth社製)にて、濃度値を測定した。比較例1の印刷インキ組成物の展色面の濃度値を100%としたときの、各印刷インキ組成物の展色面の濃度値(%)を示した。なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でヒートセット印刷インキの評価に広く用いられている。
実施例1〜2および比較例1〜5の各印刷インキ組成物を調製した直後のL型粘度計(25℃)による粘度値と、調製後、1週間後の粘度値の変化の有無を比較した。調製した直後と1週間後の粘度値の変化率が小さいほど、顔料の分散が良く、インキが安定していることを示す。変化率について、○:5%未満、×:5%以上の2段階で評価した。
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業((株)製)19部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)15部、ロジン変性フェノール樹脂R3(重量平均分子量120,000、荒川化学工業(株)製)11部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)44.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV2を得た。
工程(A)
表3に示したように、製造例2で得られたワニスV2を220部、乾燥固形分100部相当の黄顔料ペースト(LIONOL YELLOW1245−P、東洋インキ製造(株)製 )を、1Lテストニーダーに投入し、温度60℃で撹拌混合し、フラッシングを行った。さらに、ワニスV2を512.2部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)15.8部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)55部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物Y1を作製した。
工程(A)により得られた混練物Y1を57部、ワニスV2を29部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)4部、エクソールD110(アロマフリー溶剤、エクソンモービルケミカル社製)10部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例3の印刷インキ組成物を得た。
前記実施例3と同様に、実施例3のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例4の混練物Y2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表3に示した。
前記実施例3と同様に、実施例3のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例6の混練物Y3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表3に示した。
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業((株)製)26部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)18部、大豆白絞油12部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)37.35部、TOSOLOV−LO(ラウリン酸オクチルエステル、東新油脂(株)製)6部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV3を得た。
工程(A)
表5に示したように、製造例1で得られたワニスV1を49部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)1部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)1部、シアニンブルー(GBK19SD、DIC(株)製)15部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)3部、大豆白絞油2部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物C1を作製した。
工程(A)により得られた混練物C1を71部、ワニスV1を25部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)1部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)3部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例5の印刷インキ組成物を得た。
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例6の混練物C2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートの量を0.3部に変えた以外は、すべて同様に実施し、実施例7の混練物C3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートの量を2.0部に変えた以外は、すべて同様に実施し、実施例8の混練物C4およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例7の混練物C5およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
前記実施例5と同様に、実施例5のワニスV1に替えて、ワニスV3を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例8の混練物C6およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
実施例5〜8および比較例7〜8の各印刷インキ組成物をスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。広がり直径について、○:39.0mm以上41.0mm未満(実用上最適)、△:38.0mm以上39.0mm未満又は41.0mm以上42.0mm未満(実用上問題ない)、×:38.0mm未満または42.0mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)。
実施例5〜8および比較例7〜8の各印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)で上質紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙への印刷インキ組成物の付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間(分)を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
実施例5〜8および比較例7〜8の各印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業(株)製)10部、ロジン変性フェノール樹脂R4(重量平均分子量50,000、ハリマ化成(株)製)24部、ロジン変性フェノール樹脂R5(重量平均分子量20,000、荒川化学工業(株)製)15部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)40.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV4を得た。
工程(A)
表7に示したように、製造例4で得られたワニスV4を59部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)1部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)1部、カーボンブラック(♯52、三菱化学(株)製)20部、ギルソナイトワニス(ER−125、アメリカンギルソナイト社製)3部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)3部、大豆白絞油7部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物K1を作製した。
工程(A)により得られた混練物K1を94部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)1部、変性アルキッド樹脂(EXM−716、東新油脂(株)製)1部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)4部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例9の印刷インキ組成物を得た。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例10の混練物K2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンモノオレエート(レオドールSP−O10V、HLB=4.3、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例11の混練物K3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンセスキオレエート(レオドールAO−15V、HLB=3.7、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例12の混練物K4およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、別グレードのソルビタンモノラウレート(エマゾールL−10V、HLB=8.6、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例13の混練物K5およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、別グレードのソルビタントリオレエート(エマゾールO−30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例14の混練物K6およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、別グレードのソルビタンモノオレエート(レオドールAO−10V、HLB=4.3、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例15の混練物K7およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例9の混練物K8およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙への印刷インキ組成物の付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でヒートセット印刷インキ組成物の評価に広く用いられている。
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数400rpmの条件下で1分後の数値(タック値)を測定した。タック値が低いほど、紙剥けしにくくなり、優れる。
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。広がり直径について、○:39.0mm以上41.0mm未満(実用上最適)、△:38.0mm以上39.0mm未満又は41.0mm以上42.0mm未満(実用上問題ない)、×:38.0mm未満または42.0mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)。
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数1200rpmの条件下で0分のタック値と10分後のタック値の差(タック変化)を測定し、評価した。タック変化がより少ないものほど、機上安定性が優れる。
タック変化について、○:4.0未満(機上安定性最良)、△:4.0以上7.0未満(機上安定性良好、実用上問題ない)、×:7.0以上(機上安定性が劣り、実用できない)、の3段階で評価した。
紅顔料を使用した実施例1〜2の印刷インキ組成物は、従来型の印刷インキ組成物の比較例1と同等の印刷適性を有する。
黄顔料を使用した実施例3〜4の印刷インキ組成物は、従来型の印刷インキ組成物の比較例6と同等の印刷適性を有する。
Claims (1)
- ヒートセット印刷インキ組成物の製造方法であって、
ロジン変性フェノール樹脂と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
キレート剤とを、
混合過熱溶解してヒートセット印刷インキ用ワニスを準備する工程(A1)と、
該工程(A1)で得られたヒートセット印刷インキ用ワニスと、
顔料と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤とを、
分散混練して混練物を製造する工程(A2)と、
該工程(A2)で得られた混練物と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤とを、
添加、混合してヒートセット印刷インキ組成物を製造する工程(B)とからなり、
前記ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤のHLBが10以下であり、
ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤がヒートセット印刷インキ組成物中に0.3〜2重量%であることを特徴とするヒートセット印刷インキ組成物の製造方法。
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