JP6030902B2 - 印刷インキ組成物の製造方法および印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ組成物の製造方法および印刷インキ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オフセット印刷インキに関する。
オフセット印刷では、印刷品質の向上を目的として、高光沢な印刷物が得られ、かつコスト削減や環境問題から少しでもインキ使用量の削減を目的として、着色濃度が高いオフセット印刷インキの要望がある。従来から印刷物の光沢向上を目的とする方法としては、インキを低粘度にし、印刷紙面上へ平滑に載せようとする試みがされてきた。
しかし、インキの粘度を低くする処方は、溶剤成分を増量させる必要があり、その分インキ中の樹脂成分を減少させる傾向にあるため、インキ性状のバランスが崩れ、他の印刷適性を阻害する要因となっていた。
また、近年の印刷インキ市場は、印刷会社の印刷コストの低減に伴い、それに使用する印刷インキ自体のコストも下げざるを得ず、製造コストの削減や安価な原材料への転換や一部置換などを余儀なくされている。そのなかで、原材料のひとつである顔料については、顔料製造工程の簡素化、表面処理剤の変更や一部置換、処理量の減量、処理条件の変更などにより、コストを下げることがある。しかし、このような顔料は、印刷インキ製造において、印刷インキ用ワニス(以下、単にワニスともいう)との親和性が劣る傾向にあり、光沢や着色濃度の低下、分散性の低下が懸念される。
特許文献1には、長鎖アルコールのエチレンオキサイド付加物を使用することで、高光沢で鮮明な色彩を有し、優れた印刷効果が得られるオフセット印刷インキが開示されているが、添加量が多くないと効果がない。また、紅顔料であるブリリアントカーミン6Bに限定したものである。
特許文献2には、オフセットにおける乳化適性が改善され、印刷紙面の汚れのない印刷物を得るためのオフセット印刷インキ組成物が開示されている。そこでは、特にキーレスオフセット輪転印刷機を用いて印刷する方法において、乳化適性がさらに向上することを目的として、ソルビタン脂肪酸エステル類を使用するのみであって、光沢や着色濃度について記載も示唆もない。
特許文献3には、特定の脂肪酸エステルを使用することで、印刷適性を損なわず高光沢な印刷物が得られる印刷インキが開示されているが、樹脂との溶解性が非常に高く、使用量も多いため、インキが低粘度になり、溶剤の離脱性も悪く、セット性が劣る恐れがある。また、これらの脂肪酸エステルは沸点が高いため、印刷時の乾燥条件によっては印刷面にべたつきが残る恐れがある。
特開平10−287838号公報 特開2000−1643号公報 特開2007−169574号公報
従って、本発明は、印刷インキとしての基本的な性能は満足させたうえで、高光沢で、着色濃度が高く、分散が良好となる印刷インキ組成物の製造方法、印刷インキ組成物及び当該印刷インキ組成物を用いて作製された印刷物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、印刷インキ組成物の製造方法において、印刷インキ用ワニス、顔料、溶剤、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤とを含む混練物を混練する工程(A)と、該工程(A)で得られた混練物と溶剤とを含む混合物を混合する工程(B)とを含む印刷インキ組成物の製造方法とすることで課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]ヒートセット印刷インキ組成物の製造方法であって、
ロジン変性フェノール樹脂と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
キレート剤とを、
混合過熱溶解してヒートセット印刷インキ用ワニスを準備する工程(A1)と、
該工程(A1)で得られたヒートセット印刷インキ用ワニスと、
顔料と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤とを、
分散混練して混練物を製造する工程(A)と、
該工程(A2)で得られた混練物と、
石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤とを、
添加、混合してヒートセット印刷インキ組成物を製造する工程(B)とからなり、
前記ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤のHLBが10以下であり、
ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤がヒートセット印刷インキ組成物中に0.3〜2重量%であることを特徴とするヒートセット印刷インキ組成物の製造方法、
である。


本発明によると、印刷インキとしての基本的な性能は満足させたうえで、高光沢で、着色濃度が高く、分散が良好となる印刷インキ組成物の製造方法、当該製造方法により製造される印刷インキ組成物及び当該印刷インキ組成物を用いて作製された印刷物を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明は、印刷インキ組成物の製造方法であって、印刷インキ用ワニスと、顔料と、溶剤と、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤とを含み、さらに多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤のHLBが10以下であり、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤が印刷インキ組成物中に0.3〜2重量%である混練物を製造する工程(A)と、上記混練物と、溶剤とを含む印刷インキ組成物を製造する工程(B)とを、含むことを特徴とする印刷インキ組成物の製造方法である。
例えば、ロジン変性フェノール樹脂、溶剤、キレート剤及びその他の添加物を混合過熱溶解してワニスを得、このワニスに、顔料、溶剤、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤を3本ロール、ビーズミルなどで分散混練する(工程A)ことで、多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤の効果により、ワニスと顔料との親和性が向上する。特に、ワニスとの親和性が劣る顔料を使用したときに、優れた効果を発揮する。
さらに添加剤、溶剤などを添加(工程B)して製造される。このことにより、光沢、着色濃度が高く、分散が良好となる印刷インキ組成物が得られる。
本発明で用いられる多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤としては、ソルビタン系、ソルビトール系、グリセリン系、グリコール系、カルビトール系などの脂肪酸エステル界面活性剤が挙げられ、ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤が好ましい。さらに、HLBが10以下であることが好ましく、HLBが1〜9であることがより好ましい。HLBが10より大きいと、親水性が強くなり、印刷インキ用溶剤と相溶性が悪くなる。また、下記に詳述するフラッシング法による含水顔料とワニスの混合において、含水顔料中の水と乳化することにより、フラッシング適性が劣る場合がある。
また、エチレンオキサイドが付加していないものがより好ましい。エチレンオキサイドが付加していると、着色濃度の向上効果が低下してしまう。
HLBとは、非イオン界面活性剤の物性を表わす代表的な指標のひとつであり、親水性と疎水性の強さのバランスを表わしたものである。親水基をまったく持たないものはHLB=0、親水基のみを持つものはHLB=20となる。したがって、 このHLBの値が大きいほど親水性が強く、小さいほど疎水性が強いことを示す。
具体例としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエートなどが挙げられる。特にこれらの中でも、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエートなどがより好ましい。
市販品としては、レオドールSP−L10、レオドールスーパーSP−L10、レオドールSP−O10V、レオドールSP−O30V、レオドールAO−10V、レオドールAO−15V、エマゾールL−10V、エマゾールO−10V、エマゾールO−30V(以上、花王(株)製)、リケマールL−250A、リケマールOR−85、ポエムO−80V(以上、理研ビタミン(株)製)、ニューコール80、ニューコール3−80(以上、日本乳化剤(株)製)、ソルゲン20V、ソルゲン30V、ソルゲン30、ソルゲン40V、ソルゲン40、S−39−H、S−49−H(以上、第一製薬工業(株)製)などを用いることができる。
前記多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤は、印刷インキ組成物中に0.3〜2重量%になるように添加することが好ましく、0.5〜1重量%になるように添加することがより好ましい。0.3重量%より少ないと、光沢や着色濃度の向上に対する効果が小さくなる。また、2重量%より多くても支障はないが、上記範囲内で光沢や着色濃度に対して十分な効果が得られる。
前記印刷インキ用ワニスは、従来公知の方法により製造されたものでよく、ロジン変性フェノール樹脂、溶剤、キレート剤等を加熱混合して製造される。
前記ロジン変性フェノール樹脂は、重量平均分子量が40,000〜300,000の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは、重量平均分子量が90,000〜170,000の範囲内である。重量平均分子量が300,000を超えると溶解性が低下するため、溶剤離脱性が早くなることにより、機上安定性が劣り、紙剥けが発生しやすくなる。また高い弾性を有するため、顔料分散性の低下、紙面への着肉低下や、レベリング性、流動性低下による光沢低下が起こりやすくなる。
ここで、重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
前記ロジン変性フェノール樹脂の含有量は、印刷インキ全量中に20〜35重量%の範囲内であることが好ましい。20重量%未満では固形分が少ないため、低粘度となって流動性が過剰となり所望のインキを得ることが困難となり、35重量%を超えると光沢が低下しやすくなるため好ましくない。
本発明で用いられる溶剤としては、流動性付与などの目的で、AF溶剤、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、マシン油、シリンダー油などに代表される石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンなどを適宜選択して用いることができる。
本発明で用いられる植物油類としては、主に大豆油または大豆油由来の脂肪酸エステルが用いられる。その他の植物油としては、例えばアマニ油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、桐油などおよびこれらを再生処理したものが挙げられる。また、その他の植物油由来の脂肪酸エステルとしては、例えば綿実油、アマニ油、サフラワー油、向日葵油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、菜種油、胡麻油などの乾性油または半乾性油を由来とした脂肪酸モノアルキルエステルが例示できる。脂肪酸モノアルキルエステルを構成するアルコール由来のアルキル基の炭素数は1〜12のものが好ましく、具体例としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、3−メチル−1−ブチル、2,2−ビス(ヒドロキメチル)ブチル、2,4−ジメチル−3−ペンチル、2−エチル−1−ブチル、2−エチル−1−ヘキシル、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル、4−デシル、2−イソプロピル−5−メチル−1−ヘキシル、2−ブチル−1−オクチルなどである。なかでも特に好ましいのはメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,2−ビス(ヒドロキメチル)ブチルなどである。上記植物油類は、樹脂に対する溶解性が上がり、印刷物の光沢向上に優れた効果がある。
本発明の印刷インキ組成物の全量に対し植物油類は、7〜30重量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは10〜25重量%の範囲内である。7重量%未満では光沢が低下する。30重量%を超える量を添加しても光沢の向上効果は得られず、溶解性が高くなり、タックの経時での上昇が大きくなるため、ブランケット上に堆積したインキの粘着性が高まり、アフタータックが残り、紙剥けしやすくなる。
大豆油と大豆油由来の脂肪酸エステルの比率は、重量比で100/0〜30/70の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは90/10〜50/50の範囲内である。大豆油と大豆油由来の脂肪酸エステルの比率において、大豆油由来の脂肪酸エステルが、重量比で70重量%を超えるとタックが高くなり、紙剥けしやすくなる。
本発明で用いられるキレート剤はゲル化剤として働くものであるが、金属キレート、特に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート化合物が好ましく用いられる。
本発明で用いられる顔料としては、有機顔料または無機顔料であり、例えばジスアゾイエロー、カーミン6B、フタロシアニンブルーなどに代表される有機顔料、およびカーボンブラック、炭酸カルシウムなどに代表される無機顔料などであり、特に限定されない。
前記有機顔料の多くは、水系で合成されることが多いため、処理されたうえで、ある程度まで水分を絞ったペースト状で使用され、ワニスと、ニーダーや押出機、連続式混練機などの混練機で混練されて、印刷インキ組成物に使用される。さらに詳しくは、有機顔料ペーストとワニスとを混練機で混練し、有機顔料をワニスに移行させ、水を分離、除去した後、残存する水を減圧することにより除去(フラッシング法という)し、有機顔料とワニスの混合物とする。
本発明では、他に印刷インキとしての機能向上を目的として、適宜、顔料分散剤、乳化剤、乾燥防止剤、乾燥促進剤、整面剤、滑剤などの添加剤を用いることができる。
例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止剤、滑り剤としては、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、シリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
本発明の印刷物は、基材となる紙に、通常のオフセット印刷により製作出来る。
本発明の印刷物に用いる基材としては、通常のオフセット印刷が可能な用紙であれば使用できるが、特に、オフセット印刷に適する更紙(非塗工紙)、微塗工紙、コート紙、アート紙などが好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
[ワニスの調製]
製造例1
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業(株)製)25部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)15部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)49.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。
実施例1
工程(A)
表1に示したように、製造例1で得られたワニスV1を200部、乾燥固形分170部相当の紅顔料ペースト(Brilliant Carmin6B、大同化成工業(株)製)を、1Lテストニーダーに投入し、温度60℃で撹拌混合し、フラッシングを行った。さらに、ワニスV1を430部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)10部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)15部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物M1を作製した。
工程(B)
工程(A)により得られた混練物M1を75部、ワニスV1を13.5部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)1.5部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)10部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例1の印刷インキ組成物を得た。
実施例2
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例2の混練物M2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
比較例1
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例1の混練物M3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
比較例2
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートについて、工程(A)での添加ではなく、工程(B)に変更し、添加量を0.2重量%にて実施し、比較例2のL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
比較例3
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートについて、工程(A)での添加ではなく、工程(B)に変更し、添加量を1.0重量%にて実施し、比較例3のL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
比較例4
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートに代えて、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(EO=4)(ファインサーフFO−40−90、HLB=7.7、青木油脂工業(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例4の混練物M4およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
比較例5
前記実施例1と同様に、実施例1のソルビタンモノラウレートに代えて、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(EO=16)(ファインサーフFO−160、HLB=14.4、青木油脂工業(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例5の混練物M5およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表1に示した。
Figure 0006030902
表1(実施例1〜2および比較例1〜5)の印刷インキ組成物について、下記のテーブルテストを行った。その結果を表2に示した。
[光沢]
実施例1〜2および比較例1〜5の各印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、光沢度計PG−1(日本電色工業(株)社製、60°)による測定値を評価した。光沢値が高いほど優れる。
光沢値について、○:55.0以上、△:48.0以上、55.0未満(実用上問題ない)、×:48.0未満(光沢が低く、実用できない)、の3段階で評価した。
[着色濃度]
実施例1〜2および比較例1〜5の各印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を100℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片の展色面を、グレタグマクベススペクトロアイ(GretagMacbeth社製)にて、濃度値を測定した。比較例1の印刷インキ組成物の展色面の濃度値を100%としたときの、各印刷インキ組成物の展色面の濃度値(%)を示した。なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でヒートセット印刷インキの評価に広く用いられている。
[分散性]
実施例1〜2および比較例1〜5の各印刷インキ組成物を調製した直後のL型粘度計(25℃)による粘度値と、調製後、1週間後の粘度値の変化の有無を比較した。調製した直後と1週間後の粘度値の変化率が小さいほど、顔料の分散が良く、インキが安定していることを示す。変化率について、○:5%未満、×:5%以上の2段階で評価した。
Figure 0006030902
製造例2
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業((株)製)19部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)15部、ロジン変性フェノール樹脂R3(重量平均分子量120,000、荒川化学工業(株)製)11部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)44.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV2を得た。
実施例3
工程(A)
表3に示したように、製造例2で得られたワニスV2を220部、乾燥固形分100部相当の黄顔料ペースト(LIONOL YELLOW1245−P、東洋インキ製造(株)製 )を、1Lテストニーダーに投入し、温度60℃で撹拌混合し、フラッシングを行った。さらに、ワニスV2を512.2部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)15.8部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)55部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物Y1を作製した。
工程(B)
工程(A)により得られた混練物Y1を57部、ワニスV2を29部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)4部、エクソールD110(アロマフリー溶剤、エクソンモービルケミカル社製)10部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例3の印刷インキ組成物を得た。
実施例4
前記実施例3と同様に、実施例3のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例4の混練物Y2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表3に示した。
比較例6
前記実施例3と同様に、実施例3のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例6の混練物Y3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表3に示した。
Figure 0006030902
表3(実施例3〜4および比較例6)の印刷インキ組成物について、上記と同様にしてテーブルテストを行った。[着色濃度]については、比較例6の印刷インキ組成物の展色面の濃度値を100%としたときの、各印刷インキ組成物の展色面の濃度値を示した。その結果を表4に示した。
Figure 0006030902
製造例3
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業((株)製)26部、ロジン変性フェノール樹脂R2(重量平均分子量100,000、荒川化学工業(株)製)18部、大豆白絞油12部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)37.35部、TOSOLOV−LO(ラウリン酸オクチルエステル、東新油脂(株)製)6部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV3を得た。
実施例5
工程(A)
表5に示したように、製造例1で得られたワニスV1を49部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)1部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)1部、シアニンブルー(GBK19SD、DIC(株)製)15部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)3部、大豆白絞油2部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物C1を作製した。
工程(B)
工程(A)により得られた混練物C1を71部、ワニスV1を25部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)1部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)3部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例5の印刷インキ組成物を得た。
実施例6
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例6の混練物C2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
実施例7
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートの量を0.3部に変えた以外は、すべて同様に実施し、実施例7の混練物C3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
実施例8
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートの量を2.0部に変えた以外は、すべて同様に実施し、実施例8の混練物C4およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
比較例7
前記実施例5と同様に、実施例5のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例7の混練物C5およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
比較例8
前記実施例5と同様に、実施例5のワニスV1に替えて、ワニスV3を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例8の混練物C6およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表5に示した。
Figure 0006030902
表5(実施例5〜8および比較例7〜8)の印刷インキ組成物について、上記と同様にしてテーブルテストを行った。[着色濃度]については、比較例7の印刷インキ組成物の展色面の濃度値を100%としたときの、印刷インキ組成物の展色面の濃度値を示した。また加えて、[流動性]、[セット性]、[乾燥性]について評価した。その結果を表6に示した。
[流動性]
実施例5〜8および比較例7〜8の各印刷インキ組成物をスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。広がり直径について、○:39.0mm以上41.0mm未満(実用上最適)、△:38.0mm以上39.0mm未満又は41.0mm以上42.0mm未満(実用上問題ない)、×:38.0mm未満または42.0mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)。
[セット性]
実施例5〜8および比較例7〜8の各印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)で上質紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙への印刷インキ組成物の付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間(分)を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
[乾燥性]
実施例5〜8および比較例7〜8の各印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
Figure 0006030902
製造例4
ロジン変性フェノール樹脂R1(重量平均分子量150,000、荒川化学工業(株)製)10部、ロジン変性フェノール樹脂R4(重量平均分子量50,000、ハリマ化成(株)製)24部、ロジン変性フェノール樹脂R5(重量平均分子量20,000、荒川化学工業(株)製)15部、大豆白絞油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)40.35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.65部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV4を得た。
実施例9
工程(A)
表7に示したように、製造例4で得られたワニスV4を59部、ソルビタンモノラウレート(レオドールSP−L10、HLB=8.6、花王(株)製)1部、炭酸カルシウム(白艶華O、白石カルシウム(株)製)1部、カーボンブラック(♯52、三菱化学(株)製)20部、ギルソナイトワニス(ER−125、アメリカンギルソナイト社製)3部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)3部、大豆白絞油7部を添加して混合し、さらに、3本ロールミルで練肉して、混練物K1を作製した。
工程(B)
工程(A)により得られた混練物K1を94部、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)1部、変性アルキッド樹脂(EXM−716、東新油脂(株)製)1部、AFソルベント7(アロマフリー溶剤、新日本石油(株)製)4部を添加、混合し、L型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの実施例9の印刷インキ組成物を得た。
実施例10
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタントリオレエート(レオドールSP−O30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例10の混練物K2およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
実施例11
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンモノオレエート(レオドールSP−O10V、HLB=4.3、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例11の混練物K3およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
実施例12
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、ソルビタンセスキオレエート(レオドールAO−15V、HLB=3.7、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例12の混練物K4およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
実施例13
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、別グレードのソルビタンモノラウレート(エマゾールL−10V、HLB=8.6、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例13の混練物K5およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
実施例14
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、別グレードのソルビタントリオレエート(エマゾールO−30V、HLB=1.8、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例14の混練物K6およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
実施例15
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートに代えて、別グレードのソルビタンモノオレエート(レオドールAO−10V、HLB=4.3、花王(株)製)を用い、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、実施例15の混練物K7およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
比較例9
前記実施例9と同様に、実施例9のソルビタンモノラウレートを除き、それ以外の操作、配合はすべて同様に実施し、比較例9の混練物K8およびL型粘度計(25℃)による粘度値が23.0Pa・sの印刷インキ組成物を得た。配合は、表7に示した。
Figure 0006030902
表7(実施例9〜15および比較例9)の印刷インキ組成物について、上記と同様にしてテーブルテストを行った。[着色濃度]については、比較例9の印刷インキ組成物の展色面の濃度値を100%としたときの、各印刷インキ組成物の展色面の濃度値を示した。その結果を表8に示した。
Figure 0006030902
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物について、その他の印刷適性について、下記のテーブルテストを行った。その結果を表9に示した。
[セット性]
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)でコート紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙への印刷インキ組成物の付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
[乾燥性]
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でヒートセット印刷インキ組成物の評価に広く用いられている。
[タック]
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数400rpmの条件下で1分後の数値(タック値)を測定した。タック値が低いほど、紙剥けしにくくなり、優れる。
[流動性]
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。広がり直径について、○:39.0mm以上41.0mm未満(実用上最適)、△:38.0mm以上39.0mm未満又は41.0mm以上42.0mm未満(実用上問題ない)、×:38.0mm未満または42.0mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)。
[機上安定性]
紅顔料の実施例1〜2および比較例1、黄顔料の実施例3〜4および比較例6の各印刷インキ組成物をインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数1200rpmの条件下で0分のタック値と10分後のタック値の差(タック変化)を測定し、評価した。タック変化がより少ないものほど、機上安定性が優れる。
タック変化について、○:4.0未満(機上安定性最良)、△:4.0以上7.0未満(機上安定性良好、実用上問題ない)、×:7.0以上(機上安定性が劣り、実用できない)、の3段階で評価した。
Figure 0006030902
表2によると、紅顔料を使用した実施例1〜2の印刷インキ組成物は、高光沢で着色濃度が高く、分散性が良好であるため、安定したインキの供給ができ、かつ画像品質の高い印刷物を提供できる。比較例1の従来型の印刷インキ組成物は、光沢、着色濃度については実用レベルであるが、分散性が劣るため、長期保存には難がある。また、本発明の多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤を工程(A)ではなく、工程(B)にて添加、混合した比較例2および比較例3は、特許文献2に類似したものであるが、光沢や着色濃度の向上が認められない。さらに、長鎖アルコールのエチレンオキサイド付加物を使用した比較例4および比較例5は、特許文献1に類似したものであるが、同様に光沢や着色濃度の向上が認められない。
表4によると、黄顔料を使用した実施例3〜4の印刷インキ組成物は、高光沢で着色濃度が高く、分散性が良好であるため、安定したインキの供給ができ、かつ画像品質の高い印刷物を提供できる。比較例6の従来型の印刷インキ組成物は、光沢、着色濃度については実用レベルであるが、分散性が劣るため、長期保存には難がある。
表6によると、藍顔料を使用した実施例5の印刷インキ組成物は、高光沢で着色濃度が高く、分散性が良好であるため、安定したインキの供給ができ、かつ画像品質の高い印刷物を提供できる。また、本発明の多価アルコール脂肪酸エステル界面活性剤の量を変更した実施例7および8の印刷インキ組成物においても、高光沢で着色濃度が高く、分散性が良好である。比較例7の従来型の印刷インキ組成物は、光沢、着色濃度については実用レベルであるが、分散性が劣るため、長期保存は困難である。また、ラウリン酸オクチルエステルを使用した比較例8は、特許文献3に類似したものであるが、光沢、着色濃度、分散性、流動性の向上に効果は認められるが、セット性、乾燥性が非常に劣る。
表8によると、墨顔料を使用した実施例9〜15の印刷インキ組成物は、高光沢で着色濃度が高く、分散性が良好であるため、安定したインキの供給ができ、かつ画像品質の高い印刷物を提供できる。比較例9の従来型の印刷インキ組成物は、光沢、着色濃度については実用レベルであるが、分散性が劣るため、長期保存には難がある。
表9はその他の印刷適性について評価した結果である。
紅顔料を使用した実施例1〜2の印刷インキ組成物は、従来型の印刷インキ組成物の比較例1と同等の印刷適性を有する。
黄顔料を使用した実施例3〜4の印刷インキ組成物は、従来型の印刷インキ組成物の比較例6と同等の印刷適性を有する。

Claims (1)

  1. ヒートセット印刷インキ組成物の製造方法であって、
    ロジン変性フェノール樹脂と、
    石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
    キレート剤とを、
    混合過熱溶解してヒートセット印刷インキ用ワニスを準備する工程(A1)と、
    該工程(A1)で得られたヒートセット印刷インキ用ワニスと、
    顔料と、
    石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤と、
    ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤とを、
    分散混練して混練物を製造する工程(A)と、
    該工程(A2)で得られた混練物と、
    石油系溶剤、植物油類、ビニリデンオレフィンから選ばれる1種以上の溶剤とを、
    添加、混合してヒートセット印刷インキ組成物を製造する工程(B)とからなり、
    前記ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤のHLBが10以下であり、
    ソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤がヒートセット印刷インキ組成物中に0.3〜2重量%であることを特徴とするヒートセット印刷インキ組成物の製造方法。
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