JP2008007684A - 水性平版印刷インキならびに印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷後は水で洗浄が可能であり、地球環境、作業環境の改善が図ることができ、さらには高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性、光沢に優れた水性平版印刷インキを提供する。
【解決手段】顔料、水溶性樹脂または水分散性樹脂、ロジンまたは酸変性ロジンまたはエステル変性ロジン、水を含有することを特徴とする水性平版印刷インキ。また、水溶性樹脂または水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする上記印刷インキ。さらに、上記印刷インキを印刷してなる印刷物。
【選択図】なし

Description

本発明は新規にして有用なる水性平版印刷インキならびに印刷物に関する。さらに詳しくは、水無し平版印刷に好適に用いられる印刷インキならびに印刷物に関する。
平版印刷は、高速、大量、安価に印刷物を供給するシステムとして広範に用いられている。平版印刷は非画線部に湿し水を供給し、湿し水とインキ反発性を利用し画像部と非画像部を形成してなるシステムである。
近年、湿し水に関わる作業、環境上の問題を解決する方法として、水なし平版印刷法が提案され、特に湿し水に代わってインキ反発性を示すことを目的として非画線部にシリコーンゴムを設けて印刷する水無し印刷方法が実用化されている。
一般に平版インキは、顔料、インキ用樹脂、石油系溶剤および植物油を主成分として形成されている。石油系溶剤においても地球環境保全、労働環境保全の観点から、脱芳香族化が行われている。さらに昨今では、より一層環境保全を配慮した、揮発性の石油系溶剤を一切含有しないVOCフリータイプのインキへのニーズが高まっている。VOCとは、常温で揮発する化合物のことである。米国環境保護庁はVOC測定方法として、110℃1時間の加熱による加熱残分測定を提示しており、実使用に即した測定方法として用いられている。
上記VOCフリータイプのインキとしては、金属ドライヤーを添加して酸化重合することにより印刷皮膜を形成する枚葉印刷インキではすでに実用化されているが、熱風乾燥機中で溶剤を蒸発することにより印刷皮膜を形成するオフ輪印刷インキでは、まだ実用化されていない。
さらに、印刷後の平版インキの洗浄剤としては揮発性溶剤を含む洗浄剤を使用することが一般的である。洗浄剤においても環境的な観点から揮発性有機成分を含まないことが望ましい。特許文献1〜4には、水を媒体とし、水洗浄可能な水性印刷インキを使用した水性平版印刷について開示されており、水性印刷インキとして使用されているのはフレキソインキもしくはそれに類似した構成、物性のインキである。しかしながら、フレキソインキの物性では、高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性、耐水性、耐摩擦性において不十分なものがあった。
特開平7−232485号公報 特開平8−310101号公報 特開平8−169188号公報 特開2001−117218号公報
本発明は、上記問題を解決し、高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性に優れた水性平版印刷インキならびに光沢に優れた印刷物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性に優れ、さらに水洗浄可能な水性平版印刷インキを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)顔料、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂、(c)ロジン、酸変性ロジンまたはエステル変性ロジン、(d)水を含有することを特徴とする水性平版印刷インキである。
また本発明は、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、αオレフィンマレイン酸樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする上記印刷インキである。
また本発明は、(e)植物油または植物油由来脂肪酸エステルをさらに含有することを特徴とする印刷インキである。
また本発明は、(e)植物油または植物油由来脂肪酸エステルが、ヨウ素価130以上の植物油または植物油由来脂肪酸エステルであることを特徴とする印刷インキである。
また本発明は、110℃1時間での加熱有機化合物揮発分が1%以下である上記印刷インキである。
また本発明は、基材上に上記印刷インキを印刷してなる印刷物である。
本発明に係る、水性平版印刷インキは、水を媒体とし、さらには揮発性溶剤を含有しない印刷インキとして優れた印刷適性を提供することができる。印刷後は水で洗浄が可能であり、地球環境、作業環境の改善が図られるものである。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明で用いられる(a)顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉等が、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料が使用可能である。
(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂としては、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、水溶性または水分散性の樹脂であれば特に限定されるものではない。市販の樹脂も好適に使用することができる。顔料分散性、インキ保存安定性の点からアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂が望ましい。
アクリル樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから選ばれる1種以上の単量体を付加重合して得られる樹脂である。水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を分子中に含有する共単量体を用いることもできる。さらに酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル単量体を一部共重合することも可能である。水溶性または水分散性の樹脂を得るためには、アクリル酸、メタクリル酸等の酸基含有単量体を共重合した後に、塩基性化合物で中和することが必要である。酸価は30〜350がインキ保存安定性の点で好ましい。また、分子内にポリエチレンオキサイド基を含有する単量体の共重合により水溶化または水分散化することも可能である。重量平均分子量は5000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
スチレンアクリル樹脂とは、上記アクリル樹脂においてスチレンを単量体成分として含有する樹脂である。アクリル樹脂と同様に、水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を分子中に含有する共単量体を用いることもできる。さらに酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル単量体を一部共重合することも可能である。水溶性または水分散性の樹脂を得るためには、アクリル酸、メタクリル酸等の酸基含有単量体を共重合した後に、塩基性化合物で酸の一部または全部を中和すことが必要である。酸価は30〜350がインキ保存安定性の点で好ましい。また、分子内にポリエチレンオキサイド基を含有する単量体の共重合により水溶化または水分散化することも可能である。重量平均分子量は5000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
スチレンマレイン酸樹脂とは、スチレンと無水マレイン酸を共重合して得られる樹脂である。他の単量体を一部共重合することもできる。さらに、水酸基含有化合物やアミノ基含有化合物で一部変性しても構わない。酸無水物基または変性後の酸基の一部または全部を塩基性化合物で中和することにより水溶性または水分散性樹脂を得ることができる。酸価は30〜450がインキ保存安定性の点で好ましい。重量分子量は5000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
α−オレフィンマレイン酸樹脂とは、α−オレフィンと無水マレイン酸を共重合して得られる樹脂である。他の単量体を一部共重合することもできる。さらに、水酸基含有化合物やアミノ基含有化合物で一部変性しても構わない。酸無水物基または変性後の酸基の一部または全部を塩基性化合物で中和すことにより水溶性または水分散性樹脂を得ることができる。酸価は30〜450がインキ保存安定性の点で好ましい。重量平均分子量は5000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
さらに、上記アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂は界面活性剤の存在下、乳化重合で得ることもできる。
本発明の水性平版印刷インキは、水洗浄可能な水性インキであるが、(c)ロジン、酸変性ロジンまたはエステル変性ロジンを含有することにより、油性インキ並みの光沢を有する印刷物を得ることができる。詳細は不明であるが、ロジンの二重結合を有する環状構造に起因するものと推定される。
(c)ロジン、酸変性ロジンまたはエステル変性ロジンについて説明する。ロジンとは、松脂から抽出されるアビエチン酸を主成分とする天然樹脂であり、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、さらにその誘導体である不均化ロジン、水添ロジン、重合ロジン等が挙げられる。
酸変性ロジンとは、上記ロジンを不飽和カルボン酸またはその酸無水物により変性したものである。不飽和カルボン酸またはその酸無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビック酸)等が例示できる。これら不飽和カルボン酸またはその酸無水物の変性量としては、樹脂酸100g当たり好ましくは0.01〜0.5モル、特に好ましくは0.02〜0.3モルである。変性温度は、150℃〜250℃の範囲が好適に用いられる。これら不飽和カルボン酸およびまたはその酸無水物の残存がないように変性量および変性温度を調整することが望ましい。これら不飽和カルボン酸およびまたはその酸無水物は、単独または任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能である。
エステル変性ロジンとは、上記ロジンまたは酸変性ロジンをアルコール化合物によりエステル変性したものである。アルコール化合物としては、水酸基含有化合物であれば特に限定されるものではないが、2価以上の多価アルコールが望ましい。
アルコール化合物としては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等が、分岐状アルキレン2価アルコールである2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ジメチルペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が、環状アルキレン2価アルコールである1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、ジグリセリン、ジトリメチロ−ルプロパン、ジペンタエリスリト−ル、ソルビトール、イノシトール、トリペンタエリスリトール等が例示される。
エステル変性ロジンは、ロジンを不飽和カルボン酸またはその無水物で変性し、次いでアルコール化合物によりエステル変性することにより得られる。インキの経時安定性の点で、酸価100以上、重量平均分子量5000以下が好ましい。
また、エステル変性反応は、常法に従って行うことができる。通常150℃から300℃の範囲で行われるが、使用する化合物の沸点および反応性を考慮して決定することができる。また、これらの反応においては、必要に応じて触媒を用いることが可能である。触媒としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、硫酸、塩酸等の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル酢酸等が例示できる。さらに、テトラブチルジルコネート、テトライソブチルチタネート等の金属錯体、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等の金属塩触媒等も使用可能である。これら触媒は、全樹脂中0.01〜5重量%の範囲で通常使用される。触媒使用による樹脂の着色を抑制するために、次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスフィン等を併用することもある。
植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油等が例示できる。また、植物油由来脂肪酸エステルとして、上記植物油由来の脂肪酸、すなわち、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等炭素数15〜20程度のアルキル主鎖を有する脂肪酸の、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等の炭素数1〜10程度の脂肪酸エステルが例示できる。
これら植物油または植物油由来脂肪酸エステルは水性樹脂との相溶性が良くないため、版面との接触によりインキ中から拡散するものと思われる。すなわちWFBLモデルにより、地汚れ耐性が格段に向上するものと考える。また植物油または植物油由来脂肪酸エステルはインキ中1〜30重量%含有されることが好ましい。この範囲以下ではその効果が認められにくく、これ以上であると、印刷機上での安定性を損ないやすく好ましくない。
さらに、使用する植物油または植物油由来脂肪酸エステルはヨウ素価が130以上の乾性油に分類されるものが好ましい。乾性油はその不飽和脂肪酸基の酸化重合による、硬化皮膜形成速度が速く、その皮膜強度も高い。そのため、インキ皮膜の耐水性、耐摩擦性を向上させることができる。ヨウ素価130以上の植物油としてはアマニ油、サフラワー油、桐油、脱水ヒマシ油等が例示でき、植物油由来脂肪酸エステルとしては、これら植物油由来の脂肪酸エステルが例示できる。
さらに、使用する植物油または植物油由来脂肪酸エステルは、その脂肪酸基として共役二重結合を有するリノレン酸、エレオステアリン酸等を30%以上含む場合が最も好適である。このような植物油または植物油由来脂肪酸エステルは、硬化皮膜形成速度、皮膜強度が特に高く好ましい。脂肪酸基として共役二重結合を有するリノレン酸、エレオステアリン酸等を30%以上含む植物油としては、アマニ油、桐油等が例示でき、植物油由来脂肪酸エステルとしては、これら植物油由来の脂肪酸エステルが例示できる。
次に、本発明における印刷インキとしての使用形態について説明する。本発明における印刷インキは、通常平版印刷インキ、例えば枚葉インキ、ヒートセット輪転インキ、コールドセット輪転インキ等の形態において使用される。一般的には、
(a)顔料 5〜30重量%
(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂 10〜40重量%
(c)ロジン、酸変性ロジンまたはエステル変性ロジン 1〜20重量%
(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステル 1〜30重量%
(e)水 10〜50重量%
(f)溶剤 0〜40重量%
(g)その他添加剤 0〜40重量%
からなる組成にて使用される。
VOC(揮発性有機化合物)フリータイプのインキとして使用する際には、上記組成において、VOC成分を0重量%とすればよい。VOCとは、常温で揮発する有機化合物のことである。米国環境保護庁はVOC測定方法として、110℃1時間の加熱による加熱残分測定を提示しており、実使用に即した測定方法として広く用いられている。オフ輪印刷機乾燥機中での紙面温度にも適応しており、合理的な判定方法と考えられる。
樹脂は、必要に応じて塩基性化合物を添加して水に溶解または分散させた樹脂ワニスの形態で使用するのが取り扱い上簡便であって好ましい。
溶剤としては、一般的な水性インキ、水性塗料等で使用される溶剤を使用することができる。
本発明の印刷インキは、5℃から100℃の間で、顔料、樹脂またはワニス等の印刷インキ成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー、ペイントシェーカー等の練肉、混合、調整機を用いて製造される。
印刷インキの粘度は、コーンプレート型回転式粘度計により測定された25℃、ずり速度120s−1の粘度が10Pa・s以上であることが好ましい。上記範囲以外では高速印刷適性、着肉性の面で不十分になり易く好ましくない。
さらに、本発明の印刷インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ロウ、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
[実施例]
次に具体例をもって、本発明を詳細に説明する。尚、例中「部」とは重量部を示す。インキの粘度はハーケ(HAAKE)社製コーンプレート回転型粘度計ロトビスコ1(RotoVisco1)にて25℃、ずり速度120s−1での値を測定した。
(樹脂製造例1)
イソプロピルアルコール200部を、攪拌機、還流冷却管、温度計付きフラスコに仕込み、窒素ガスを吹き込みながら90℃に昇温加熱し、アクリル酸90部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部、シクロヘキシルメタクリレート180部、パーブチルO(日本油脂(株)製過酸化物、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)9部を3時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃2時間反応させ、パーブチルO 1.5部を添加し、さらに90℃2時間反応させた。反応終了後、N−モノエタノールアミン76部、イオン交換水481部を添加し、イソプロピルアルコールを留去後、樹脂分が35%になるようにイオン交換水で調整し、水溶性樹脂(A1)を得た。
(樹脂製造例2)
樹脂製造例1と同様の装置に、イソプロピルアルコール200部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら90℃に昇温加熱し、アクリル酸30部、n−ブチルアクリレート60部、スチレン210部、パーブチルO 9部を3時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃2時間反応させ、パーブチルO 1.5部を添加し、さらに90℃2時間反応させた。反応終了後、トリエタノールアミン62部、イオン交換水342部を添加し、イソプロピルアルコールを留去後、樹脂分が45%になるようにイオン交換水で調整し、水分散性樹脂(A2)を得た。
(樹脂製造例3)
樹脂製造例1と同様の装置に、イソプロピルアルコール200部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら90℃に昇温加熱し、無水マレイン酸90部、スチレン210部、パーブチルO 9部を3時間かけて添加した。添加終了後、90℃2時間反応させ、パーブチルO 1.5部を添加し、さらに90℃2時間反応させた。反応終了後、N−モノエタノールアミン112部、イオン交換水445部を添加し、イソプロピルアルコールを留去後、樹脂分が35%になるようにイオン交換水で調整し、水溶性樹脂(A3)を得た。
(樹脂製造例4)
樹脂製造例1と同様の装置に、ダイアレン168(三菱化学(株)製α−オレフィン)211部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら150℃に昇温加熱し、無水マレイン酸89部、パーブチルD(日本油脂(株)製過酸化物、ジt−ブチルパーオキサイド)6部を3時間かけて添加した。添加終了後、180℃に昇温し、2時間反応させ、パーブチルD 3部を添加し、さらに180℃2時間反応させた。さらにジエチレングリコールモノエチル72部を添加し、180℃6時間反応させた。反応終了後、N−モノエタノールアミン78部、イオン交換水613部を添加し、樹脂分35%の水溶性樹脂(A4)を得た。
(ロジン製造例1)
樹脂製造例1と同様の装置に、中国ガムロジン140(荒川化学工業(株)製)200部、N−モノエタノールアミン40部、水10部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら3時間かけて80℃に昇温加熱し、さらに80℃2時間加熱溶解し、水性化ロジン(B1)を得た。
(ロジン製造例2)
樹脂製造例1と同様の装置に、重合ロジン(ハリマ化成(株)製、2量体60%含有)200部、N−モノエタノールアミン40部、水10部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら3時間かけて80℃に昇温加熱し、さらに80℃2時間加熱溶解し、水性化ロジン(B2)を得た。
(ロジン製造例3)
樹脂製造例1と同様の装置に、中国ガムロジン140(荒川化学工業(株)製)200部、無水マレイン酸32部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら昇温加熱し、180℃で3時間反応させ、酸変性ロジンを得た。熱時取り出し、冷却固化させた酸変性ロジン200部、N−モノエタノールアミン69部、水17部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら3時間かけて80℃に昇温加熱し、さらに80℃2時間加熱溶解し、水性化酸変性ロジン(B3)を得た。
(ロジン製造例4)
樹脂製造例1と同様の装置に、中国ガムロジン140(荒川化学工業(株)製)200部、無水マレイン酸32部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら昇温加熱し、180℃で3時間反応させ、酸変性ロジンを得た。次いで、ペンタエリスリトール11部を添加し、200℃で4時間反応させ、酸価が230、Mw1200のエステル変性樹脂酸を得た。熱時取り出し、冷却固化させたエステル変性ロジン200部、N−モノエタノールアミン50部、水17部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら3時間かけて80℃に昇温加熱し、さらに80℃2時間加熱溶解し、水性化エステル変性ロジン(B4)を得た。
実施例1
リオノールブルーFG7330(東洋インキ製造(株)製)20部、樹脂製造例1で得られた水溶性樹脂(A1)42部、ロジン製造例1で得られた水性化ロジン(B1)3部、大豆油10部、ジエチレングリコール20部、イオン交換水4.9部およびシリコーン消泡剤0.1部の混合物をレッドデビル型ペイントコンディショナーで30分間混練し、粘度20Pa・sの印刷インキを作成した。
実施例2〜4、比較例1〜2
表1に示した配合比率にて、実施例1と同様に印刷インキを作成した。実施例2、4および比較例2のインキは110℃1時間での揮発VOC成分を0重量%とした。
Figure 2008007684
枚葉印刷試験評価
実施例1〜4および比較例1〜2のインキを、三菱ダイヤI−4枚葉印刷機(三菱重工(株)製)にて5,000枚/時で用紙をSKコート 4/6 90kg(日本製紙(株)製)、版面温度27〜30℃、印刷版HG−2(東レ(株)製)として各インキ5千枚の印刷試験を行い、印刷物のベタ着肉状態、地汚れ、耐水性、光沢を比較した。結果を表2に示した。
Figure 2008007684
(注1):含水綿棒で3回擦った後の印刷物表面を目視で5段階評価した。擦った跡が塗膜上に全く残らないものを5点とし、擦った部分の塗膜が全て脱落するものを1点とした。
(注2):(株)村上色彩技術研究所製光沢計グロスメーターモデルGM−26にて60°光沢を測定した。
オフ輪印刷試験評価
実施例1〜5および比較例1〜2のインキを、三菱BT2−800NEOオフ輪印刷機(三菱重工(株)製)にて300rpmで用紙をNPIコート紙66.5kg(日本製紙(株)製)、印刷版TAP(東レ(株)製)として各インキ1万枚の印刷試験を行い、印刷物のベタ着肉状態、地汚れ、耐水性、光沢を比較した。結果を表3に示した。
Figure 2008007684
(注1):含水綿棒で3回擦った後の印刷物表面を目視で5段階評価した。擦った跡が塗膜上に全く残らないものを5点とし、擦った部分の塗膜が全て脱落するものを1点とした。
(注2):(株)村上色彩技術研究所製光沢計グロスメーターモデルGM−26にて60°光沢を測定した。
本発明に係わる、水性平版印刷インキは、水を媒体とし、さらには揮発性溶剤を含有しない印刷インキとして優れた印刷適性を提供することができる。印刷後は水で洗浄が可能であり、地球環境、作業環境の改善が図られるものである。


Claims (6)

  1. (a)顔料、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂、(c)ロジン、酸変性ロジンまたはエステル変性ロジン、(d)水を含有することを特徴とする水性平版印刷インキ。
  2. (b)水溶性樹脂または水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1記載の印刷インキ。
  3. (e)植物油または植物油由来脂肪酸エステルをさらに含有することを特徴とする請求項1または2記載の印刷インキ。
  4. (e)植物油または植物油由来脂肪酸エステルが、ヨウ素価130以上の植物油または植物油由来脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の印刷インキ。
  5. 110℃1時間での加熱による有機化合物揮発分が1%以下である請求項1ないし4いずれか記載の印刷インキ。
  6. 基材上に請求項1ないし5いずれか記載の印刷インキを印刷してなる印刷物。
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