JP7229744B2 - 水性フレキソ印刷インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水性フレキソ印刷インキ組成物及びそれを用いたフレキソ印刷方法に関する。
生活用品や産業資材等の段ボールを中心とした包装容器の印刷分野においては、水性フレキソ凸版印刷が行われている。近年、環境に対する取り組みが活発化しており、包装業界においても、植物性由来及び動物性由来の原料等の化石燃料に由来しない原材料を使用して、二酸化炭素の排出量を削減(カーボンニュートラル)可能なインキを実現することが、要求されるようになってきている。本出願人は、この要求より前に、バインダー樹脂として、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーの存在下で、ポリ乳酸樹脂を水性媒体中に分散させてなるポリ乳酸樹脂水性分散液を使用することを提案している(例えば、特許文献1参照)が、印刷適性、塗膜物性が不十分であるという問題を有していた。また、カーボンニュートラル可能な原材料を多く使用すると、従来のインキ塗膜物性、印刷適性が低下するという問題を有していた。
さらに例えば紙製食品用容器への印刷を行う際には、紙製食品用容器が使用される環境、つまり、水や油が付着する環境では、上記の性質の他に耐結露性、耐ヘキサン性を必要とするが、その性質を備えた印刷インキ組成物は存在しなかった。
特開2008-013657号公報
本発明の課題は、カーボンニュートラル可能な原材料を多く使用した水性フレキソ印刷インキ組成物であっても、塗膜物性、再溶解性、耐結露性、耐ヘキサン性等の物性に優れるフレキソ印刷インキ組成物を提供することである。
本発明者らは、下記の水性フレキソ印刷インキ組成物を使用することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち、本発明は、
1.顔料、顔料分散用樹脂、酸価が80~350mgKOH/gのロジン系樹脂エマルジョン及び/又は酸価が80~350mgKOH/gのロジン系樹脂の揮発性塩基性化合物による中和物、ガラス転移温度が-30~60℃で酸価が30~80mgKOH/gのスチレン-アクリル系樹脂エマルジョン、水を含有する溶剤を含有する水性フレキソ印刷インキ組成物。
2.顔料分散用樹脂がアルカリ可溶型水溶性樹脂を含有する1記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
3.顔料分散用樹脂が(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーを含有する1又は2に記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
4.カーボンニュートラル可能な原材料成分が水性フレキソ印刷インキ組成物中10質量%以上であり、且つロジン系樹脂とスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンとの固形分比率が、1:0.8~1:3.5の範囲である1~3のいずれかに記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
5.平均粒子径が1~10μmのワックス樹脂微粒子分散体を含有する1~4のいずれかに記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
6.1~5のいずれかに記載の水性フレキソ印刷インキ組成物を使用して、フレキソ印刷することを特徴とする印刷方法。
以下、本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物について詳細に説明する。
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物は、カーボンニュートラル可能な原材料成分を含むものであり、好ましくは、カーボンニュートラル可能な原材料成分を水性フレキソ印刷インキ組成物の固形分中に10質量%以上含有させることが好ましい。
(顔料)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物に使用される顔料としては、従来から水性フレキソ印刷インキで使用されているものを使用できる。具体的には、無機顔料として、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料を挙げることができる。また、有機顔料として、油溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。上記顔料は、1種でも2種以上でも用いることができる。
上記顔料の水性フレキソ印刷インキ組成物中での濃度は5~60質量%であり、通常有機顔料の場合は、6~35質量%、無機顔料の場合は、30~60質量%である。
(顔料分散用樹脂)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物で使用する顔料分散用樹脂としては、アルカリ可溶型水溶性樹脂であり、さらに、(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーを併用することが好ましい。
(アルカリ可溶型水溶性樹脂)
顔料分散用樹脂であるアルカリ可溶型水溶性樹脂としては、通常の水性フレキソ印刷インキ組成物で使用される不飽和二重結合を有するモノマーを重合させて得られる樹脂や、官能基同士の反応によって得られる樹脂等であれば特に制限なく使用できる。
具体的には、アクリル酸あるいはメタクリル酸とそのアルキルエステル、あるいはスチレン等を主なモノマー成分として共重合した水溶性アクリル系樹脂、水溶性スチレン-アクリル系樹脂、水溶性スチレン-マレイン酸系樹脂、水溶性スチレン-アクリル-マレイン酸系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂等の各種バインダー樹脂が好適な例として例示できる。
これらのアルカリ可溶型水溶性樹脂は、通常、塩基性化合物の存在下で水中に溶解させて水溶性樹脂ワニスとして使用される。上記アルカリ可溶型水溶性樹脂を水中に溶解するために使用する塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、有機アミン、アルカリ金属水酸化物等を挙げられる。具体的には、上記有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。上記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。その中でも乾燥性、耐結露性、耐ヘキサン性向上の点から沸点が低く揮発性が高いアミンが好ましく、沸点が150℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは、50℃以下、特に好ましくはアンモニア等の0℃以下のものである。
このような樹脂として、BASF社製、ジョンクリルHPD-671等を使用することができる。
顔料に対するアルカリ可溶型水溶性樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して10~30質量部で、好ましくは12~28質量部である。
(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマー
顔料分散用樹脂として(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーは、2以上のブロックを含み、それぞれのブロックは、ポリエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドで構成される。
(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーは、公知の方法で合成することができる。例えば、ポリエチレンオキサイドポリマーがプロピレンオキサイドと反応し、ポリ(プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーを形成でき、別の方法として、ポリプロピレンオキサイドポリマーがエチレンオキサイドと反応し、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイド)ブロックポリマーを形成することができる。
なお、本発明で使用できる(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーは、重量平均分子量が5,000~100,000の範囲のものであり、市販品として、ADEKA社製、アデカプルロニックシリーズ等が挙げられる。
また、水を含有する溶剤の安定性の面から、(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーのHLB値は8~20であることが好ましい。
ここで、HLB値とは、界面活性剤の分野で利用されている、分子の親水性部分と親油性部分とのバランス(Hydrophile-Lipophile Balance)を表すものであり、上記HLB値は、下記に示すグリフィン式(一定の油に対する乳化効率の測定から求めた実験値と親水部の重量分率に基づく式)を適用して求めることができる。
〔グリフィン式〕HLB=(100/5)×親水基重量/(親水基重量+疎水性重量)
顔料に対する(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーの使用量は、顔料100質量部に対して0.5~10質量部、好ましくは0.5~8.0質量部である。
顔料に対してのアルカリ可溶型水溶性樹脂+(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーの合計使用量は、顔料100質量部に対して10~30質量部であることが好ましい。
(ロジン系樹脂)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物に配合される酸価が80~350mgKOH/gのロジン樹脂としては、エマルジョン及び揮発性塩基性化合物による水溶性の何れでもよい。
酸価が80~350mgKOH/gのロジン系樹脂エマルジョンとしては、植物から抽出する等して得られた材料からなる、ロジンエステル等のロジン誘導体や、ロジンを、低分子乳化剤やアクリル系共重合体からなる高分子乳化剤の存在下で、微細な粒子として水に分散させてなるものが利用できる。具体的には、ハリマ化成社製、ハリエスターSK370N等が例示できる。
水溶性ロジン系樹脂エマルジョンの中でも、好ましくは酸価が100~300mgKOH/gであり、さらに好ましくは酸価が120~270mgKOH/gであり、より好ましくは150~250mgKOH/gである。
酸価が80~350mgKOH/gの水溶性ロジン系樹脂としては、具体的には、ハリマ化成社製、ハリマックT-80、AS-5、ハリエスターMSR-4、テスポール1150、1154、1158、荒川化学工業社製、マルキード31、32、33等を例示できる。
但しこの水溶性ロジン系樹脂は、塩基性化合物で中和されている必要があり、塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、有機アミン等を挙げられる。具体的には、上記有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。尚、ここで揮発性が高いアミンの沸点は、耐結露性、耐ヘキサン性の点から低い程好ましく、沸点が150℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは50℃以下、特に好ましくは0℃以下のものである。
水溶性ロジン系樹脂の中でも、好ましくは酸価が100~300mgKOH/gであり、さらに好ましくは酸価が120~270mgKOH/gであり、より好ましくは150~250mgKOH/gである。
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物中の、酸価が80~350mgKOH/gのロジン系樹脂の含有量は、カーボンニュートラル可能な原材料成分を水性フレキソ印刷インキ組成物の固形分中に10質量%以上となるように含有させることが好ましい。なお、カーボンニュートラル可能な原材料成分とは、植物性の材料に由来して得た原材料成分を示す。
(スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物には、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョンを配合することができる。そのようなスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンとしては、公知の方法で製造される酸価30~80mgKOH/g、ガラス転移温度-30~60℃のスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンが使用できる。ガラス転移温度の温度範囲の下限としては、好ましくは-20℃、さらに好ましくは-10℃であり、上限としては40℃さらに好ましくは20℃である。
このようなスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンのうち、水溶性アクリル系樹脂を高分子乳化剤として用いて、スチレン系モノマー、必要に応じて(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを共重合して得られ、かつ常温で造膜するものが好適である。
スチレン-アクリル系樹脂エマルジョンにおいても、塩基性化合物が使用されている場合は、塩基性化合物として例えば、アンモニア、有機アミン等を挙げられる。具体的には、上記有機アミンとしては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等を挙げることができる。中でも、耐結露性、耐ヘキサン性の点から沸点が低く揮発性が高いアミンが好ましく、沸点が150℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは、50℃以下、特に好ましくはアンモニア等の0℃以下のものである。
このような樹脂として、BASF社製、ジョンクリル309(ガラス転移温度2℃、固形分46%)等を使用することができる。
スチレン-アクリル系樹脂エマルジョンを配合する際の使用量は、カーボンニュートラル可能な原材料成分を水性フレキソ印刷インキ組成物の固形分中に10質量%以上含有させる場合は、ロジン系樹脂とスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンとの固形分比率が、1:0.8~1:3.5の範囲であることが好ましい。
(ワックス樹脂微粒子分散体)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物には、塗膜の耐摩擦性を向上させる目的で市販のコールターカウンター法による平均粒子径1~10μm、好ましくは2~5μmのワックス微粒子分散体を使用する事ができる。ワックス樹脂微粒子分散体としては、好ましくは、ポリエチレンワックスで、具体的には、例えば、三井化学社製、ケミパールW100、W200、W300、W310、W306、W400、W410、W500、W800等が挙げられる。ワックス樹脂微粒子分散体の添加量は、塗膜物性における耐摩擦性向上と色相への悪影響のバランスを考慮して、水性フレキソ印刷インキ組成物100重量%中、固形分換算で1~7質量%程度とすることが好ましい。
(水を含有する溶剤)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物で使用する溶剤としては、水に加えて、本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物の性能低下をきたさない範囲で、水溶性有機溶剤を使用する。
水溶性有機溶剤としては、アルコールおよび多価アルコール系溶剤で、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジピロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジブチルグリコール、グリセリン等を添加することができる。
(添加剤)
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物には、必要に応じて各種添加剤を使用することができる。
具体的には、乾燥性を向上させるために、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク等の体質顔料、防滑性を付与するために無機系微粒子及び粘着性樹脂(アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂)、レベリング性を向上させるためにレベリング剤、消泡性を付与するために消泡剤(サンノプコ社製、SNデフォーマー777#C)、再溶解性を付与するために苛性ソーダ等の塩基性化合物、造膜エマルジョン等の各種添加剤を挙げることができる。
次に、本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物及び印刷物の製造方法について説明する。
本発明の水性フレキソ印刷インキ組成物を従来法で製造する方法としては、顔料と、顔料分散用樹脂と、水を含有する溶剤とを混合した後、各種練肉機、例えば、ビーズミル、パールミル、サンドミル、ボールミル、アトライター、ロールミル等を利用して練肉し、さらに、ロジン系樹脂エマルジョン、スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン等の所定の材料及び必要に応じて添加剤を混合する。
次いで、印刷時に希釈が必要な場合は、さらに水を含有する溶剤を加え水性フレキソ印刷インキ組成物を得る。この水性フレキソ印刷インキ組成物を用いた印刷物の製造方法としては、紙や樹脂の表面への印刷、特に、段ボールカートン、紙コップ、紙皿等の紙製容器等の紙器、又は表面が樹脂層で被覆された紙製容器、又はそれらの材料に、上記水性フレキソ印刷インキ組成物を用いてフレキソ印刷機で印刷する方法が例示できる。
このとき、被印刷物としては、表面にラミネートによる樹脂層を有する紙製容器、表面に樹脂コート層等の樹脂層を有する紙製容器、及び表面に樹脂層を有しない未コートの紙製容器の何れでも良い。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。また、表中の各材料の分量の数字についても「質量部」である。酸価の単位はmgKOH/gである。
(水性フレキソ印刷インキ組成物)
顔料(フタロシアニンブルー、C.I.ピグメントブルー15:3)、アルカリ可溶型水性アクリル樹脂(ジョンクリルHPD-671、BASF社製、固形分25%)、ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマー((EO/PO)ブロックポリマー、HLB値14、Mw16000)、ジブチルグリコール、水の混合物をビーズミルで混練分散後、ロジン系樹脂エマルジョン、アクリルエマルジョン(スチレン-アクリル系樹脂エマルジョン)、ポリエチレンワックス、消泡剤を表1の割合となるように加え混合して、水性フレキソ印刷インキ組成物を得た。
基材として、紙層表面をポリエチレン層によりラミネートしてなるポリラミ紙に対して印刷した結果を表2に示し、紙層表面に樹脂層をラミネートせず、また樹脂をコーティングしない未コート紙に対して印刷した結果を表3に示す。
(再溶解性)
水性フレキソ印刷インキ組成物を0.10mmメヤバーを用いて基材上に展色し、乾燥後、塗膜に同一のインキ組成物を滴下して拭き取り、乾燥塗膜の同一のインキ組成物への溶解性を評価した。
◎ :拭き取り後、版材及び基材に塗膜が全く残らない。
◎○:拭き取り後、版材及び基材に塗膜が極わずかに残る。
○ :拭き取り後、版材及び基材に塗膜がわずかに残る。
○△:拭き取り後、版材及び基材に塗膜が半分ほど残る。
△ :版材及び基材から、塗膜がわずかに拭き取れる。
× :版材及び基材から、塗膜が全く拭き取れない。
(耐ヘキサン性)
原紙に200線ハンドプルーファーにて展色し、ノルマルヘキサン槽に室温で2時間浸漬した。浸漬後、インキによるノルマルヘキサンへの着色、インキ塗膜の脱落、白化度合を評価した。
◎ :着色、脱落、白化なし
◎○:着色、脱落、白化の少なくともいずれか一部わずかあり
〇 :着色、脱落はなく、塗膜の一部が白化
〇△:着色、脱落はなく、塗膜の大部分が白化
△ :着色はなく、塗膜の一部が脱落、塗膜の大部分が白化
× :着色し、塗膜の大部分が脱落
(耐水耐摩性)
原紙に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×2回、当紙:カナキン布に水を5滴滴下したもの
◎ :塗膜取られなし。
○ :当紙にわずかにインキが付着。展色物のインキがわずかに取れているもの。
○△:当紙全面にインキ薄く付着。展色物のインキがわずかに取れているもの。
△ :当紙全面にインキ薄く付着。展色物のインキが取れ、一部原紙が見える。
× :当紙全面にインキ濃く付着。展色物についてもインキが取れ、原紙の大部分が見える。
(耐摩性)
原紙に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×100回、当紙:カナキン布
◎ :塗膜取られなし。
◎○:当紙に極わずかにインキが付着。展色物のインキが極わずかに取れている。
〇 :当紙にわずかにインキが付着。展色物のインキがわずかに取れている。
〇△:当紙全面にインキが薄く付着。展色物のインキがわずかに取れている。
△ :当紙全面にインキが付着。展色物のインキが取れ、一部原紙が見える。
× :当紙全面にインキが濃く付着。展色物についてもインキが取られ、原紙の大部分が見える。
(耐油耐摩性)
原紙に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×2回、当紙:カナキン布にサラダ油を5滴滴下したもの
◎ :塗膜取られなし。
◎○:当紙に極わずかにインキが付着。展色物のインキが極わずかに取れている。
〇 :当紙にわずかにインキが付着。展色物のインキがわずかに取れている。
〇△:当紙全面にインキが薄く付着。展色物のインキがわずかに取れている。
△ :当紙全面にインキが付着。展色物のインキが取れ、一部原紙が見える。
× :当紙全面にインキが濃く付着。展色物についてもインキが取られ、原紙の大部分が見える。
(耐アルコール耐摩性)
原紙に200線ハンドプルーファーにて展色し、その展色物を、学振型摩擦堅牢度試験機を用いて評価した。
評価条件:200g×2回、当紙:カナキン布に80%エタノールを5滴滴下したもの
アルカリ可溶性水性アクリル樹脂(固形分25質量%)ジョンクリルHPD-671、BASF社製
ポリ(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマー
:HLB値14、Mw16000
ロジンエマルジョン(固形分50質量%、軟化点100℃、ノニオン性界面活性剤含有)ハリエスターSK218NS、ハリマ化成社製
ポリエチレンワックス(固形分35質量%)ケミパールW-100、三井化学社製
消泡剤SNデフォーマー777♯C サンノプコ社製
Figure 0007229744000001
Figure 0007229744000002
Figure 0007229744000003
本発明に沿った例である実施例1~10によれば、再溶解性、耐ヘキサン性、耐水耐摩性、耐摩性、耐油耐摩性及び耐アルコール耐摩性に優れたインキ組成物、つまり紙コップ、紙皿等の紙製食器等への印刷用途を得ることができた。
これに対して、酸価が低いロジン系樹脂を使用した比較例1では耐ヘキサン性に劣り、揮発性ではない塩基性化合物により中和されたロジン系樹脂を使用した比較例2及び3によれば皮膜が耐水耐摩性に劣り、ガラス転移温度が高すぎるスチレン-アクリルエマルジョンを使用した比較例4及び5によれば、耐水耐摩性や耐アルコール耐摩性に劣る結果となった。

Claims (6)

  1. 顔料、顔料分散用樹脂、酸価が80~350mgKOH/gのロジン系樹脂エマルジョン及び/又は酸価が80~350mgKOH/gのロジン系樹脂の揮発性塩基性化合物による中和物、ガラス転移温度が-30~60℃で酸価が30~80mgKOH/gのスチレン-アクリル系樹脂エマルジョン、水を含有する溶剤を含有する水性フレキソ印刷インキ組成物。
  2. 顔料分散用樹脂がアルカリ可溶型水溶性樹脂を含有する請求項1記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
  3. 顔料分散用樹脂が(エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド)ブロックポリマーを含有する請求項1又は2に記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
  4. カーボンニュートラル可能な原材料成分が水性フレキソ印刷インキ組成物中10質量%以上であり、且つロジン系樹脂とスチレン-アクリル系樹脂エマルジョンとの固形分比率が、1:0.8~1:3.5の範囲である請求項1~3のいずれかに記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
  5. 平均粒子径が1~10μmのワックス樹脂微粒子分散体を含有する請求項1~4のいずれかに記載の水性フレキソ印刷インキ組成物。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の水性フレキソ印刷インキ組成物を使用して、フレキソ印刷することを特徴とする印刷方法。
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