JP6416613B2 - アンカーコート剤及びフレキソ印刷物の製造方法 - Google Patents

アンカーコート剤及びフレキソ印刷物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられることにより、白色度及び隠蔽性に優れた印刷物を得ることができるアンカーコート剤及び該アンカーコート剤を用いたフレキソ印刷物の製造方法に関する。
段ボールを中心とした包装容器の分野では、内容物に対して高級なイメージ等を持たせるために、鮮明な印刷物が求められるようになっている。そして、段ボール印刷の分野ではフレキソ印刷方式が主流であるが、鮮明な印刷物を得るためには、より鮮やかな発色や高い光沢を有するインキを忠実に印刷することが必要となり、最近では、グラビア印刷方式やオフセット印刷方式と競合できるように、特に細線再現性に優れ、印刷むらの少ないプレプリント印刷方式がより注目されるようになっている。
プレプリント印刷方式とは、表ライナーへ印刷インキを印刷した後、高温の熱板の間を通して中芯および裏紙を貼り合わせるもので、一般的な段ボールの凹凸のある表面に印刷するよりも、高い印刷再現性を得ることができるものである。
しかしながら、プレプリント印刷方式でも印刷版としては柔軟なフレキソ凸版を利用することから、印刷中に圧力がかかると印刷版の表面がつぶれ、図柄が太るという問題が懸念される。この問題はインキを印刷版に多く転移させればさせるほど顕著となるため、印刷版への転移量を極力少なくして印刷することが必要となる。そして、この様な少ない印刷版へのインキ転移量で印刷すると、紙面に転移する量も少なくなるため、プレプリント印刷方式では、より薄膜の印刷皮膜で良好な印刷物が得られることが最近の要求になっている。
ところが、段ボール印刷では、下地となるライナー原紙の茶色が印刷品質の低下の原因となりやすく、特に印刷部分で下地の紙の色が出ると、くすんで見え、印刷物の見栄えを著しく損なう結果となる。そして、前述のプレプリント印刷方式における印刷皮膜の薄膜化は、この問題をますます助長させることになる。
そこで、プレプリント印刷用途で利用されるフレキソ印刷用水性白色インキ組成物においては、まず、高い白色度と隠蔽性を基本性能として持ち合わせていなければならない。しかし、ライナー原紙又は段ボールに、印刷被膜が薄膜となるようにフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷した場合は、白色度、隠蔽性が十分でなく、下地となるライナー原紙の茶色が出てくるという問題を有している。
この問題を解決するために、(1)フレキソ印刷用水性白色インキ組成物中の白色顔料濃度を高くする方法、(2)ライナー原紙又は段ボールに、ノニオン性水性樹脂と解離性多価金属塩を含有する水性塗工剤を塗工又は印刷した後、酸基含有樹脂をバインダーとする水性印刷インキ組成物を印刷させる方法(例えば、特許文献1参照)、(3)ライナー原紙又は段ボールに、炭酸カルシウムを含有する水性組成物を塗布し、乾燥させ、次いでフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷させる方法、が提案されている。
しかしながら、(1)の方法では、白色顔料が沈降する問題やコストが高くなる問題を有している。また、(2)の方法では、白色度、隠蔽性が改善されるが、近年更に高まっている印刷品質の要求レベルに達していない。(3)の方法では、(2)の方法以上に白色度、隠蔽性が改善されるが、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷させる工程において、バックトラッピング(先に印刷した印刷物塗膜が後の印刷版に付着する現象)が発生しやすい問題を有している。
特開2008−31579号公報
そこで本発明の課題は、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられることにより、白色度及び隠蔽性に優れた印刷物を得ることができるアンカーコート剤及び該アンカーコート剤を用いたフレキソ印刷物の製造方法に関する。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ライナー原紙又は段ボールに、解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を塗布してフレキソ印刷をすることにより、上記の課題を全て解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられるアンカーコート剤であって、解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有し、上記解離性多価金属塩は、塩化カルシウム、又は、硝酸カルシウムであり、上記エマルションの含有量が、アンカーコート剤中に固形分で5〜65質量%であることを特徴とするアンカーコート剤に関する。
た、上記解離性多価金属塩の含有量が、アンカーコート剤中に0.1〜40質量%であることが好ましい。
また、上記エマルションの酸価が、40mgKOH/g未満であることが好ましい
また、本発明は、フレキソ印刷機により印刷されたフレキソ印刷物の製造方法であって、解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに塗布する工程、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程、及び、乾燥させた上記アンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程を有し、上記解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに塗布する工程において、上記解離性多価金属塩は、塩化カルシウム、又は、硝酸カルシウムであり、上記エマルションの含有量が、アンカーコート剤中に固形分で5〜65質量%であることを特徴とするフレキソ印刷物の製造方法でもある。
また、上記アンカーコート剤の塗布量が、0.1〜10g/mであることが好ましい。
また、上記アンカーコート剤の塗布量が、0.1〜2g/mであることがより好ましい。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明のアンカーコート剤は、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられるものであり、解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有する。
上記解離性多価金属塩は、カルシウムやマグネシウム等の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等の無機塩類あるいは酢酸塩、ギ酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ギ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、及び、硫酸マグネシウム等が例示でき、これらは単独又は2種以上併用して利用できる。
上記解離性多価金属塩としては、水性媒体への溶解性が良好であることから、塩化カルシウム又は硝酸カルシウムが好ましい。
上記解離性多価金属塩は、アンカーコート剤中に0.1〜40質量%用いることが好ましい。上記解離性多価金属塩の含有量が0.1質量%未満であると、フレキソ印刷物の白色度、隠蔽性等が低下する傾向がある。一方、上記解離性多価金属塩の含有量が40質量%を超えると、アンカーコート剤の流動性が低下する傾向がある。
上記解離性多価金属塩は、アンカーコート剤中に0.1〜30質量%用いることがより好ましい。
上記エマルションとしては、低分子の乳化剤を用いて各種ポリマーを水性媒体中に乳化した物、高分子の乳化剤を用いて各種ポリマーを水性媒体中に乳化した物、自己乳化によって各種ポリマーを水性媒体に乳化した物等が挙げられる。
上記エマルションとしては、解離性多価金属塩との混和性に優れることから、低分子の乳化剤を用いて各種ポリマーを水性媒体中に乳化した物が好ましい。
これらエマルションは単独又は2種以上併用して利用できる。
上記エマルションに用いられる各種ポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂等が挙げられる。なかでも、アンカーコート剤の塗膜として凝集力に優れることから、アクリル系樹脂が好ましい。
上記低分子の乳化剤としては、単糖又は多糖の脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン、アルキルピリジニウム塩、アルキルベタイン、及び、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
上記エマルションの酸価は、40mgKOH/g未満であることが好ましい。酸価が40mgKOH/g以上であると、アンカーコート剤中の解離性多価金属塩とエマルションの間に相互作用が発生し、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷した際に、白色インキと多価金属塩の相互作用による塩析効果が低下する傾向がある。上記エマルションの酸価は、20mgKOH/g以下であることがより好ましい。
上記エマルションは、アンカーコート剤中に固形分で5〜65質量%含有されていることが好ましい。上記エマルションの含有量が5質量%未満であると、アンカーコート剤の塗膜の凝集力が低下する傾向がある。一方、上記エマルションの含有量が65質量%を超えると、アンカーコート剤調製時に混合ショックが発生する傾向がある。
上記エマルションは、アンカーコート剤中に固形分で5〜40質量%含有されていることがより好ましい。
上記水性媒体としては、水又は水と水混和性溶剤との混合物が挙げられる。水混和性溶剤としては、例えば、低級アルコール類、多価アルコール類、及び、それらのアルキルエーテルまたはアルキルエステル類等が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、及び、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
上記水性媒体は、アンカーコート剤中に30〜90質量%含有されていることが好ましい。上記水性媒体の含有量が30質量%未満であると、流動性が低下する傾向がある。
一方、上記水性媒体の含有量が90質量%を超えると、耐摩擦性が不十分となる傾向がある。
上記水性媒体は、アンカーコート剤中に30〜80質量%含有されていることがより好ましい。
本発明のアンカーコート剤には、上記に示した成分以外に、必要に応じて、湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤等種々の添加剤を適宜選択して使用することができる。
これら各種材料を使用して、本発明のアンカーコート剤を製造する方法としては、解離性多価金属塩、エマルション及び水性媒体を混合した後、更に水性媒体、必要に応じてエマルション、添加剤等を添加、混合する方法が挙げられる。
本発明のアンカーコート剤は、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられる。
上記ライナー原紙としては、特に限定されず、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等の一種、又は、二種以上を適宜混合されて得られるライナー原紙が挙げられる。更に、二層以上のパルプ層を抄き合わせて多層構成になる原紙を使用することもできる。また、本発明の製造方法で使用される段ボールについては、上記のライナー原紙を使用した段ボールが使用できる。
本発明のアンカーコート剤を上記ライナー原紙又は段ボールに塗布することにより、ライナー原紙又は段ボール表面に、解離性多価金属塩を含むエマルション樹脂皮膜が形成され、次いで、フレキソ印刷機によりフレキソ印刷用水性白色インキ組成物をフレキソ印刷する際に、原紙表面の解離性多価金属塩による塩析作用が働くことによって、インキに含まれる顔料やバインダー樹脂等の成分が原紙に浸透しにくくなり、原紙表面に留まることで、白色度及び隠蔽性に優れた印刷物を得ることができる。
本発明は、フレキソ印刷機により印刷されたフレキソ印刷物の製造方法であって、解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに塗布する工程、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程、及び、乾燥させた上記アンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程を有することを特徴とするフレキソ印刷物の製造方法でもある。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法は、上記アンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに塗布する工程を有する。
上記アンカーコート剤としては、上述した本発明のアンカーコート剤と同様のものが挙げられる。
また、上記ライナー原紙又は段ボールとしては、上述したライナー原紙又は段ボールが挙げられる。
上記アンカーコート剤の塗布量としては、固形分で0.1〜10g/mとすることが好ましく、耐摩擦性において有利であることから、固形分で0.1〜2g/mとすることがより好ましい。上記アンカーコート剤の塗布量が0.1g/m未満であると、本発明の効果が得られないことがあり、上記アンカーコート剤の塗布量が10g/mを超えると、バックトラッピングが発生しやすく、更に、耐摩擦性が不良となることもある。また、フレキソ印刷物の白色度が低下することもある。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法は、アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程を有する。
上記乾燥させる工程を行う方法としては、この分野で使用されている一般的な乾燥機、例えば、熱風乾燥機が挙げられる。なお、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面は、完全に乾燥された状態であっても、半乾燥状態であってもよい。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法は、乾燥させたアンカーコート剤が塗布された塗布面にフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程を有する。
上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物としては、特に制限なく、従来から使用されているフレキソ印刷用水性白色インキ組成物が使用できる。
具体例としては、白色顔料、バインダー樹脂、水性媒体を含有する水性白色インキ組成物が挙げられる。
上記白色顔料としては、ルチル型、アナターゼ型等の各種の酸化チタンが好ましい。なかでも、酸化チタンの表面をアルミナで被覆処理したものがより好ましく、より高い白色度が得られる点から、アルミナとシリカとで被覆処理した酸化チタンが更に好ましい。その他、酸化アルミニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色顔料も併用可能である。
また、マイレージを向上させるために、粒径が300〜500nmのスチレン系水性樹脂エマルションを上記白色顔料と併用することが好ましい。300〜500nmのスチレン系水性樹脂エマルションは、界面活性剤及び/又はアルカリ可溶性樹脂である高分子乳化剤の存在下、ラジカル重合可能なスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類等のビニルモノマーを、スチレン類の含有量が水性樹脂エマルション中に80質量%となるように重合することにより得ることができる。
上記スチレン系水性樹脂エマルションは、水性白色印刷インキの耐性の点からアルカリ可溶性樹脂である高分子乳化剤の存在下で重合して得られる酸価が10〜40mgKOH/gとなる範囲であるスチレン系水性樹脂エマルションを用いることが好ましい。上記酸化チタンと上記スチレン系水性樹脂エマルションとの質量比[酸化チタン/スチレン系水性樹脂エマルション]は70/30〜96/4の範囲であることが好ましい。
上記白色顔料とスチレン系水性樹脂エマルション(固形分)の合計含有量は、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物中に、20〜70質量%であることが好ましい。上記合計含有量が20質量%より小さいと白色度及び隠蔽性が低下することがあり、上記合計含有量が70質量%より大きい場合は、粘度が上昇するので好ましくない。
上記バインダー樹脂としては、通常の水性印刷インキ組成物で使用される不飽和二重結合を有するモノマーを重合させて得られる樹脂や、官能基同士の反応によって得られる樹脂等であれば、特に制限なく使用できる。具体的には、アクリル酸あるいはメタクリル酸とそのアルキルエステル、あるいはスチレン等を主なモノマー成分として共重合した水溶性アクリル系樹脂、水溶性スチレン−アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性スチレン−アクリル−マレイン酸樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等の各種バインダー樹脂が好適な例として例示できる。バインダー樹脂の含有量はフレキソ印刷用水性白色インキ組成物中1〜20質量%が適当である。
上記水性媒体としては、水又は水と水混和性溶剤との混合物があげられる。水混和性溶剤としては、例えば、低級アルコール類、多価アルコール類、およびそれらのアルキルエーテルまたはアルキルエステル類等が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
上記に示した成分以外に、必要に応じて造膜剤、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤、一般の界面活性剤等種々の添加剤を適宜選択して使用することができる。
これら各種材料を使用して、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を製造する方法としては、酸化チタン、バインダー樹脂、水、必要に応じて水混和性溶剤、顔料分散剤、酸化チタン以外の白色顔料をホモミキサー、ラボミキサー等の高速攪拌機や、3本ロールミルやビーズミル等の分散機にて混合、分散し、更に所定の材料の残り、必要に応じて水混和性溶剤、添加剤、スチレン系水性樹脂エマルションを添加、混合する方法が一般的である。
印刷の際に用いる上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物の量としては、固形分で1〜10g/mとすることが好ましい。上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物が1g/m未満であると、白色度が低下する傾向となる。一方、上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物が10g/mを超えると、耐摩擦性の低下、ブロッキングが低下する傾向となる。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法で使用されるフレキソ印刷機は、印刷ユニットの並び方により、スタック型、ライン型、セントラルインプレッション型の3タイプに分けられるが、いずれのタイプも本発明の製造方法に使用できる。複数ある印刷ユニットのうち、アンカーコート剤を塗布する工程の印刷ユニットは、フレキソ印刷用白色インキ組成物を印刷する工程の前、すなわちライナー原紙又は段ボールに最初に塗布する場所に設置するのが好ましい。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法としては、最初の印刷ユニットで、ライナー原紙又は段ボールに塗布量が0.1〜10g/m(固形分)となるようにアンカーコート剤を塗布し、その後乾燥工程を通過させ、次の印刷ユニットで、乾燥工程を通過させたライナー原紙又は段ボールのアンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を塗布量が1〜10g/m(固形分)となるように印刷を行うことにより得ることができる。また、必要に応じて、他の印刷ユニットで、フレキソ印刷用水性色インキ組成物を印刷し、その後乾燥工程を通過させることによりフレキソ印刷物を得ることもできる。また、必要に応じて、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程の後、上記アンカーコート剤が塗布されたライナー原紙又は段ボールを一旦取り出した後、同一又は別の印刷機を用いて、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷してもよい。
本発明によれば、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられることにより、白色度及び隠蔽性に優れた印刷物を得ることができるアンカーコート剤及び該アンカーコート剤を用いたフレキソ印刷物の製造方法を提供できる。
以下、実施例によって、本発明のフレキソ印刷物の製造方法を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨と適用範囲に逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。
表1の配合に従ってアンカーコート剤1〜8を調製した。
なお、表中の各材料の分量の数字は、「質量部」を表す。
Figure 0006416613
[フレキソ印刷用水性白色インキ組成物]
酸化チタン及びバインダー樹脂を撹拌混合し、ビーズミルを使用して常法に従い混練後、下記のインキ組成(部数で示す)に従って各種インキ材料を添加し、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物1、2を得た。
フレキソ印刷用水性白色インキ組成物1
酸化チタン(シリカアルミナ処理):57質量部
ジョンクリル682(ジョンソンポリマー社製、固形分25%):14.5質量部
消泡剤:アクアレン1448(サンノプコ社製):0.5質量部
溶剤:イソプロピルアルコ−ル:3質量部
水:25質量部
フレキソ印刷用水性白色インキ組成物2
酸化チタン(シリカアルミナ処理):47.5質量部
水性樹脂エマルション(粒径400nm、酸価15mgKOH/g、スチレン含有量90質量%、固形分50質量%):19質量部
ジョンクリル682(ジョンソンポリマー社製、固形分25%):14.5質量部
消泡剤:アクアレン1448(サンノプコ社製):0.5質量部
溶剤:イソプロピルアルコ−ル:3質量部
水:15.5質量部
[印刷物の性能評価]
上記で調整したアンカーコート剤1〜8を、スタック型フレキソ印刷機(印刷速度:80m/min、東谷鉄工社製)を用いて原紙(Kライナー、坪量140g/m)に塗布を行った。次いで、アンカーコート剤塗布面の乾燥を、熱風乾燥により行った。
その後、上記で調整したフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を用いて、表2の塗布量となるように、上記スタック型フレキソ印刷機(印刷速度:60m/min)で印刷を行い、乾燥させ実施例1〜14、比較例1〜2、参照例1〜2のフレキソ印刷物を得た。
Figure 0006416613
(白色度)
実施例1〜14、比較例1〜2、参照例1〜2の各印刷物について白色度をハンター白色度計で測定し、表3に記載した。
(隠蔽性)
実施例1〜14、比較例1〜2、参照例1〜2の各印刷物の隠蔽性を、現行インキである参照例1を基準として目視で評価し、表3に記載した。
(評価基準)
○:参照例1と比べて同等のもの
△:参照例1と比べて少し悪いもの
×:参照例1と比べて悪いもの
(バックトラッピング)
実施例1〜14、比較例1〜2、参照例1〜2の各印刷物のバックトラッピングを、現行インキである参照例1を基準として目視で評価し、表3に記載した。
(評価基準)
○:参照例1と比べて同等のもの
△:参照例1と比べて少し悪いもの
×:参照例1と比べて悪いもの
(マイレージ)
マイレージは、各フレキソ印刷用水性白色インキ組成物の比重(比重ビンにより測定)により評価した(比重が小さいほどマイレージは良好となる)。
フレキソ印刷用水性白色インキ組成物1の比重は2.00、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物2の比重は1.85であった。
Figure 0006416613
表3に示すように、実施例1〜14のフレキソ印刷物は、白色度と隠蔽性において優れていた。また、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物2を用いた実施例6では、白色顔料の比重が1.85であり、マイレージにも優れていた。
一方、比較例のフレキソ印刷物では、白色度や隠蔽性において劣っていた。また、参照例のフレキソ印刷物では、隠蔽性においては優れていたが、白色度は実施例よりも劣ったものとなっていた。
本発明によれば、ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられることにより、白色度及び隠蔽性に優れた印刷物を得ることができるアンカーコート剤及び該アンカーコート剤を用いたフレキソ印刷物の製造方法を提供できる。

Claims (6)

  1. ライナー原紙又は段ボールに塗布され、フレキソ印刷に用いられるアンカーコート剤であって、
    解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有し、
    前記解離性多価金属塩は、塩化カルシウム、又は、硝酸カルシウムであり、
    前記エマルションの含有量が、アンカーコート剤中に固形分で5〜65質量%である
    ことを特徴とするアンカーコート剤。
  2. 解離性多価金属塩の含有量が、アンカーコート剤中に0.1〜40質量%である請求項記載のアンカーコート剤。
  3. エマルションの酸価が、40mgKOH/g未満である請求項1又は2記載のアンカーコート剤。
  4. フレキソ印刷機により印刷されたフレキソ印刷物の製造方法であって、
    解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに塗布する工程、
    前記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程、及び、
    乾燥させた前記アンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程を有し、
    前記解離性多価金属塩、エマルション、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに塗布する工程において、前記解離性多価金属塩は、塩化カルシウム、又は、硝酸カルシウムであり、前記エマルションの含有量が、アンカーコート剤中に固形分で5〜65質量%である
    ことを特徴とするフレキソ印刷物の製造方法。
  5. アンカーコート剤の塗布量が、0.1〜10g/mである請求項記載のフレキソ印刷物の製造方法。
  6. アンカーコート剤の塗布量が、0.1〜2g/mである請求項記載のフレキソ印刷物の製造方法。
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