JP6408879B2 - フレキソ印刷物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキソ印刷物の製造方法に関する。より詳しくは、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物が印刷されたときの白色度及び隠蔽性に優れるフレキソ印刷物の製造方法に関する。
段ボールを中心とした包装容器の分野では、内容物に対して高級なイメージ等を持たせるために、鮮明な印刷物が求められるようになっている。そして、段ボール印刷の分野ではフレキソ印刷方式が主流であるが、鮮明な印刷物を得るためには、より鮮やかな発色や高い光沢を有するインキを忠実に印刷することが必要となり、最近では、グラビア印刷方式やオフセット印刷方式と競合できるように、特に細線再現性に優れ、印刷むらの少ないプレプリント印刷方式がより注目されるようになっている。
プレプリント印刷方式とは、表ライナーへ印刷インキを印刷した後、高温の熱板の間を通して中芯および裏紙を貼り合わせるもので、一般的な段ボールの凹凸のある表面に印刷するよりも、高い印刷再現性を得ることができるものである。
しかしながら、プレプリント印刷方式でも印刷版としては柔軟なフレキソ凸版を利用することから、印刷中に圧力がかかると印刷版の表面がつぶれ、図柄が太るという問題が懸念される。この問題はインキを印刷版に多く転移させればさせるほど顕著となるため、印刷版への転移量を極力少なくして印刷することが必要となる。そして、この様な少ない印刷版へのインキ転移量で印刷すると、紙面に転移する量も少なくなるため、プレプリント印刷方式では、より薄膜の印刷皮膜で良好な印刷物が得られることが最近の要求になっている。
ところが、段ボール印刷では、下地となるライナー原紙の茶色が印刷品質の低下の原因となりやすく、特に印刷部分で下地の紙の色が出ると、くすんで見え、印刷物の見栄えを著しく損なう結果となる。そして、前述のプレプリント印刷方式における印刷皮膜の薄膜化は、この問題をますます助長させることになる。
そこで、プレプリント印刷用途で利用されるフレキソ印刷用水性白色インキ組成物においては、まず、高い白色度と隠蔽性を基本性能として持ち合わせていなければならない。しかし、ライナー原紙又は段ボールに、印刷被膜が薄膜となるようにフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷した場合は、白色度、隠蔽性が十分でなく、下地となるライナー原紙の茶色が出てくるという問題を有している。
この問題を解決するために、(1)フレキソ印刷用水性白色インキ組成物中の白色顔料濃度を高くする方法、(2)ライナー原紙又は段ボールに、カチオン性樹脂を含有する水性組成物を塗布し、乾燥させ、次いでフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷させる印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法(例えば、特許文献1参照)、(3)ライナー原紙又は段ボールに、炭酸カルシウムを含有する水性組成物を塗布し、乾燥させ、次いでフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷させる印刷ライナーまたは印刷段ボールの製造方法、が提案されている。
しかしながら、(1)の方法では、白色顔料が沈降する問題やコストが高くなる問題や、(2)の製造方法では、白色度、隠蔽性はある程度改善されるが、まだ要求されるレベルに達していない問題を有している。(3)の方法では、(2)の方法以上に白色度、隠蔽性が改善されるが、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷させる工程において、バックトラッピング(先に印刷した印刷物塗膜が後の印刷版に付着する現象)が発生しやすい問題を有している。
特開2007−321307号公報
そこで本発明の課題は、ライナー原紙又は段ボールにフレキソ印刷用水性白色インキ組成物が印刷されたときの白色度及び隠蔽性に優れ、バックトラッピングが抑制された、フレキソ印刷物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ライナー原紙又は段ボールに、予め平均粒子径が0.03〜6μmの炭酸カルシウムを含有するアンカーコート剤を、固形分塗布量が0.1〜2g/mの範囲で塗布しておくことにより、上記の課題を全て解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フレキソ印刷機により印刷されたフレキソ印刷物の製造方法であって、平均粒子径が0.03〜6μmの炭酸カルシウム、分散剤、バインダー樹脂、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに、固形分塗布量が0.1.6g/mの範囲で塗布する工程、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程、並びに、乾燥させた上記アンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程を有することを特徴とするフレキソ印刷物の製造方法である。
上記アンカーコート剤は、平均粒子径が0.03〜6μmの炭酸カルシウム、分散剤、水性媒体を混合して炭酸カルシウムのスラリーを得る工程、上記スラリーにバインダー樹脂及び水性樹脂を混合し、撹拌する工程により製造されることが好ましい。
上記炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.03〜0.3μmであることが好ましい。
上記アンカーコート剤は、平均粒子径が0.03〜0.3μmの炭酸カルシウム、分散剤、水性媒体を混合して炭酸カルシウムのスラリーを得る工程、上記スラリーにバインダー樹脂及び水性樹脂を混合し、撹拌する工程により製造されることが好ましい。
以下、本発明のフレキソ印刷物の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法は、平均粒子径が0.03〜6μmの炭酸カルシウム、分散剤、バインダー樹脂、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤をライナー原紙又は段ボールに、固形分塗布量が0.1〜2g/mの範囲で塗布する工程を有する。
上記炭酸カルシウムは、平均粒子径が0.03〜6μmである。上記炭酸カルシウムの平均粒子径が0.03μm未満であると、得られるフレキソ印刷物の白色度、隠蔽性等が低下する。一方、上記炭酸カルシウムの平均粒子径が6μmを超えると、アンカーコート剤が不透明となるので好ましくない。
上記炭酸カルシウムの平均粒子径の好ましい下限は0.05μm、より好ましい下限は0.1μmであり、好ましい上限は4μm、アンカーコート剤の固形分の沈降を防止する点から、より好ましい上限は0.3μmである。

なお、上記平均粒子径は、粒度分布計を用いて測定した、体積平均粒子径を意味する。
なお、上記炭酸カルシウムは、重炭酸カルシウム(炭酸水素カルシウム)であってもよい。
上記炭酸カルシウムの形状としては特に限定されず、例えば、立方体状、米粒状、紡錘状、球状等が挙げられる。
上記炭酸カルシウムは、単粒子であっても、単粒子が凝集した凝集体があってもよい。上記炭酸カルシウムは、単粒子であっても、凝集体であっても、上記平均粒子径が0.03〜6μmであることが好ましい。
上記炭酸カルシウムは、アンカーコート剤全量100質量部に対して10〜60質量部含有されていることが好ましく、30〜60質量部含有されていることがより好ましく、40〜60質量部含有されていることが更に好ましい。上記炭酸カルシウムの含有量が10質量部未満であると、白色度、隠蔽性等が低下することがある。一方、上記炭酸カルシウムの含有量が60質量部を超えると、フレキソ印刷物の耐摩擦性が不良となることがある。
上記炭酸カルシウムとして、重炭酸カルシウムを用いる場合、重炭酸カルシウムは、アンカーコート剤全量100質量部に対して、10〜60質量部含有されていることが好ましく、40〜60質量部含有されていることがより好ましい。
上記分散剤としては、従来から使用されている炭酸カルシウムを分散させることができる分散剤が使用できる。具体的には、ポリカルボン酸、酸価50〜250mgKOH/gのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、及び、スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂等の水溶性樹脂が使用できる。
必要に応じて、上記分散剤を中和するアルカリ剤として、アンモニア水、アルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ、有機アミン等の有機アルカリを使用することができる。
具体的には、アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用でき、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等が使用できる。
上記分散剤は、上記炭酸カルシウム100質量部に対して5〜100質量部含有されていることが好ましい。上記分散剤の含有量が5質量部未満であると、分散不良となることがある。一方、上記分散剤の含有量が100質量部を超えると、耐水性不良となることがある。上記分散剤は、上記炭酸カルシウム100質量部に対して10〜75質量部含有されていることがより好ましい。
上記バインダー樹脂としては、具体的には、酸価5〜250mgKOH/gのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及び、ポリエステル樹脂等を上記アルカリ剤で中和された水性バインダー樹脂が使用できる。
上記バインダー樹脂は、アンカーコート剤全量に対して5〜50質量部含有されていることが好ましい。上記バインダー樹脂の含有量が5質量部未満であると、耐摩不良となることがある。一方、上記バインダー樹脂の含有量が50質量部を超えると、フレキソ印刷物の白色度、隠蔽性等が低下する。上記バインダー樹脂は、アンカーコート剤全量に対して5〜30質量部含有されていることがより好ましい。
上記水性媒体としては、水又は水と水混和性溶剤との混合物が挙げられる。水混和性溶剤としては、例えば、低級アルコール類、多価アルコール類、及び、それらのアルキルエーテルまたはアルキルエステル類等が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、及び、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
上記水性媒体は、アンカーコート剤全量に対して30〜70質量部含有されていることが好ましい。上記分散剤の含有量が30質量部未満であると、流動性が低下する傾向となる。一方、上記分散剤の含有量が70質量部を超えると、炭酸カルシウムが沈降する傾向となる。上記水性媒体は、アンカーコート剤全量に対して40〜70質量部含有されていることがより好ましい。
アンカーコート剤には、上記に示した成分以外に、必要に応じて、湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤等種々の添加剤を適宜選択して使用することができる。
これら各種材料を使用して、アンカーコート剤を製造する方法としては、炭酸カルシウム、分散剤、水性媒体を混合して炭酸カルシウムのスラリーを得る工程、上記スラリーにバインダー樹脂及び水性樹脂を混合し、撹拌する工程により製造されることが好ましい。
上記アンカーコート剤の塗布量としては、固形分で0.1〜2g/mである。上記アンカーコート剤の塗布量が0.1g/m未満であると、本発明の効果が得られない。一方、上記アンカーコート剤の塗布量が2g/mを超えると、バックトラッピングが発生する。また、耐摩擦性が不良となる。上記固形分は、0.2〜2g/mとすることが好ましく、0.2〜0.8g/mとすることがより好ましい。
上記ライナー原紙としては、特に限定されず、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等の一種、又は、二種以上を適宜混合されて得られるライナー原紙が挙げられる。更に、二層以上のパルプ層を抄き合わせて多層構成になる原紙を使用することもできる。また、本発明のフレキソ印刷物の製造方法で使用される段ボールについては、上記のライナー原紙を使用した段ボールが使用される。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法は、アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程を有する。
上記乾燥させる工程を行う方法としては、この分野で使用されている一般的な乾燥機、例えば、熱風乾燥機が挙げられる。なお、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面は、完全に乾燥された状態であっても、半乾燥状態であってもよい。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法は、乾燥させたアンカーコート剤が塗布された塗布面にフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程を有する。
上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物としては、特に制限なく、従来から使用されているフレキソ印刷用水性白色インキ組成物が使用できる。
具体例としては、白色顔料、バインダー樹脂、水性媒体を含有する水性白色インキ組成物が挙げられる。
上記白色顔料としては、ルチル型、アナターゼ型等の各種の酸化チタンが好ましい。なかでも、酸化チタンの表面をアルミナで被覆処理したものがより好ましく、より高い白色度が得られる点から、アルミナとシリカとで被覆処理した酸化チタンが更に好ましい。その他、酸化アルミニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色顔料も併用可能である。
また、マイレージを向上させるために、粒径が300〜500nmのスチレン系水性樹脂エマルションを上記白色顔料と併用することが好ましい。300〜500nmのスチレン系水性樹脂エマルションは、界面活性剤及び/又はアルカリ可溶性樹脂である高分子乳化剤の存在下、ラジカル重合可能なスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン類等のビニルモノマーを、スチレン類の含有量が水性樹脂エマルション中に80質量%以上となるように重合することにより得ることができる。上記スチレン類の含有量が水性樹脂エマルション中に80質量%以上とは、原料モノマー中、スチレン類モノマーの含有量が80質量%以上であることを意味する。
上記スチレン系水性樹脂エマルションは、水性白色印刷インキの耐性の点からアルカリ可溶性樹脂である高分子乳化剤の存在下で重合して得られる酸価が10〜40mgKOH/gとなる範囲であるスチレン系水性樹脂エマルションを用いることが好ましい。上記酸化チタンと上記スチレン系水性樹脂エマルションとの質量比[酸化チタン/スチレン系水性樹脂エマルション]は65/35〜96/4の範囲であることが好ましい。
上記白色顔料とスチレン系水性樹脂エマルション(固形分)の合計含有量は、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物中に、20〜70質量%であることが好ましい。上記合計含有量が20質量%より小さいと白色度及び隠蔽性が低下する。一方、上記合計含有量が70質量%より大きい場合は、粘度が上昇するので好ましくない。
上記バインダー樹脂としては、通常の水性印刷インキ組成物で使用される不飽和二重結合を有するモノマーを重合させて得られる樹脂や、官能基同士の反応によって得られる樹脂等であれば、特に制限なく使用できる。具体的には、アクリル酸あるいはメタクリル酸とそのアルキルエステル、あるいはスチレン等を主なモノマー成分として共重合した水溶性アクリル系樹脂、水溶性スチレン−アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性スチレン−アクリル−マレイン酸樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等の各種バインダー樹脂が好適な例として例示できる。バインダー樹脂の含有量はフレキソ印刷用水性白色インキ組成物中1〜20質量%が適当である。
上記水性媒体としては、水又は水と水混和性溶剤との混合物があげられる。水混和性溶剤としては、例えば、低級アルコール類、多価アルコール類、およびそれらのアルキルエーテルまたはアルキルエステル類等が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
上記に示した成分以外に、必要に応じて造膜剤、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、湿潤剤、粘度調整剤、pH調整剤、消泡剤、一般の界面活性剤等種々の添加剤を適宜選択して使用することができる。
これら各種材料を使用して、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を製造する方法としては、酸化チタン、バインダー樹脂、水、必要に応じて水混和性溶剤、顔料分散剤、酸化チタン以外の白色顔料をホモミキサー、ラボミキサー等の高速攪拌機や、3本ロールミルやビーズミル等の分散機にて混合、分散し、さらに所定の材料の残り、必要に応じて水混和性溶剤、添加剤、スチレン系水性エマルションを添加、混合する方法が一般的である。
印刷の際に用いる上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物の量としては、固形分で1〜10g/mとすることが好ましい。上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物が1g/m未満であると、白色度が低下する傾向がある。一方、上記フレキソ印刷用水性白色インキ組成物が10g/mを超えると、耐摩擦性の低下、ブロッキングが低下する傾向がある。
本発明の製造方法で使用されるフレキソ印刷機は、印刷ユニットの並び方により、スタック型、ライン型、セントラルインプレッション型の3タイプに分けられるが、いずれのタイプも本発明の製造方法に使用できる。複数ある印刷ユニットのうち、アンカーコート剤を塗布する工程の印刷ユニットは、フレキソ印刷用白色インキ組成物を印刷する工程の前、すなわちライナー原紙又は段ボールに最初に塗布する場所に設置するのが好ましい。
本発明のフレキソ印刷物の製造方法としては、最初の印刷ユニットで、ライナー原紙又は段ボールに塗布量が0.1〜2g/m(固形分)となるようにアンカーコート剤を塗布し、その後乾燥工程を通過させ、次の印刷ユニットで、乾燥工程を通過させたライナー原紙又は段ボールのアンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を塗布量が1〜10g/m(固形分)となるように印刷を行うことにより得ることができる。また、必要に応じて、他の印刷ユニットで、フレキソ印刷用水性色インキ組成物を印刷し、その後乾燥工程を通過させることによりフレキソ印刷物を得ることもできる。また、必要に応じて、上記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程の後、上記アンカーコート剤が塗布されたライナー原紙又は段ボールを一旦取り出した後、同一又は別の印刷機を用いて、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷してもよい。
本発明によれば、ライナー原紙又は段ボールにフレキソ印刷用水性白色インキ組成物が印刷されたときの白色度及び隠蔽性に優れ、バックトラッピングが抑制された、フレキソ印刷物の製造方法を提供できる。
以下、実施例によって、本発明のフレキソ印刷物の製造方法をさらに詳細に説明するが、本発明はその趣旨と適用範囲に逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。なお、以下の記述において「部」は質量部を示す。
[アンカーコート剤]
アンカーコート剤1
平均粒子径0.1μmの重炭酸カルシウムを、ポリカルボン酸を用いて水中に分散させた重炭酸カルシウムの75%スラリー(商品名:セタカーブED、備化粉化社製)70質量部、酸価170mgKOH/gのスチレン−マレイン酸樹脂のアンモニア中和物(固形分25%)25質量部、水5質量部を混合撹拌し、アンカーコート剤1を得た。
アンカーコート剤2
平均粒子径0.05μmの炭酸カルシウム45質量部、酸価170mgKOH/gのスチレンマレイン酸樹脂のアンモニア中和物(固形分25%)25質量部、水の40質量部をビーズミルで分散させ炭酸カルシウムの45%スラリーを得た。炭酸カルシウムの45%スラリーの80質量部、酸価170mgKOH/gのスチレン−マレイン酸樹脂のアンモニア中和物(固形分25%)20質量部を混合撹拌し、アンカーコート剤2を得た。
アンカーコート剤3
平均粒子径6.0μmの炭酸カルシウム45質量部、酸価170mgKOH/gのスチレンマレイン酸樹脂のアンモニア中和物(固形分25%)25質量部、水の40質量部をビーズミルで分散させ炭酸カルシウムの45%スラリーを得た。炭酸カルシウムの45%スラリーの80質量部、酸価170mgKOH/gのスチレン−マレイン酸樹脂のアンモニア中和物(固形分25%)20質量部を混合撹拌し、アンカーコート剤3を得た。
[フレキソ印刷用水性白色インキ組成物]
酸化チタン及びバインダー樹脂を撹拌混合し、ビーズミルを使用して常法に従い混練後、下記のインキ組成(部数で示す)に従って各種インキ材料を添加し、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物1、2を得た。
フレキソ印刷用水性白色インキ組成物1
酸化チタン(シリカアルミナ処理):57質量部
ジョンクリル682(ジョンソンポリマー社製、固形分25%):14.5質量部
消泡剤:アクアレン1448(サンノプコ社製):0.5質量部
溶剤:イソプロピルアルコ−ル:3質量部
水:25質量部
フレキソ印刷用水性白色インキ組成物2
酸化チタン(シリカアルミナ処理):47.5質量部
水性樹脂エマルション(粒径400nm、酸価15mgKOH/g、スチレン含有量90質量%、固形分50質量%):19質量部
ジョンクリル682(ジョンソンポリマー社製、固形分25%):14.5質量部
消泡剤:アクアレン1448(サンノプコ社製):0.5質量部
溶剤:イソプロピルアルコ−ル:3質量部
水:15.5質量部
[印刷物の性能評価]
上記で調整したアンカーコート剤を、表1の塗布量となるように、スタック型フレキソ印刷機(印刷速度:80m/min、東谷鉄工社製)を用いて原紙(Kライナー、坪量140g/m)に塗布を行った。次いで、アンカーコート剤塗布面の乾燥を、熱風乾燥により間行った。
その後、上記で調製したフレキソ印刷用水性白色インキ組成物を用いて、表1の塗布量となるように、上記スタック型フレキソ印刷機(印刷速度:60m/min)で印刷を行い、乾燥させ実施例1〜10、比較例1〜6、参照例1のフレキソ印刷物を得た。
Figure 0006408879
(白色度)
実施例1〜10、比較例1〜6、参照例1の各印刷物について白色度をハンター白色度計で測定し、表2に記載した。
(隠蔽性)
実施例1〜10、比較例1〜6、参照例1の各印刷物の隠蔽性を、現行インキである参照例1を基準として目視で評価し、表2に記載した。
(評価基準)
○:参照例1と比べて同等のもの
△:参照例1と比べて少し悪いもの
×:参照例1と比べて悪いもの
(バックトラッピング)
実施例1〜10、比較例1〜6、参照例1の各印刷物のバックトラッピングを、現行インキである参照例1を基準として目視で評価し、表2に記載した。
(評価基準)
○:参照例1と比べて同等のもの
△:参照例1と比べて少し悪いもの
×:参照例1と比べて悪いもの
(マイレージ)
マイレージは、各フレキソ印刷用水性白色インキ組成物の比重(比重ビンにより測定)により評価した(比重が小さいほどマイレージは良好となる)。
フレキソ印刷用水性白色インキ組成物1の比重は2.00、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物2の比重は1.85であった。
Figure 0006408879
表2に示すように、実施例1〜10のフレキソ印刷物は、いずれも白色度、隠蔽性において優れていた。一方、比較例1〜6に係るフレキソ印刷物は、白色度、隠蔽性、バックトラッピングを満足するものはなかった。また、フレキソ印刷用水性白色インキ1を用いた実施例1〜4、6〜10では、白色顔料の比重が2.00であったのに対し、フレキソ印刷用水性白色インキ2を用いた実施例5では、白色顔料の比重が1.85であり、マイレージにも優れたものであった。
本発明によれば、ライナー原紙又は段ボールにフレキソ印刷用水性白色インキ組成物が印刷されたときの白色度及び隠蔽性に優れ、バックトラッピングが抑制された、フレキソ印刷物の製造方法を提供できる。

Claims (4)

  1. フレキソ印刷機により印刷されたフレキソ印刷物の製造方法であって、
    平均粒子径が0.03〜6μmの炭酸カルシウム、分散剤、バインダー樹脂、及び、水性媒体を含有するアンカーコート剤を、ライナー原紙又は段ボールに、固形分塗布量が0.1.6g/mの範囲で塗布する工程、
    前記アンカーコート剤が塗布された塗布面を乾燥させる工程、並びに、
    乾燥させた前記アンカーコート剤が塗布された塗布面に、フレキソ印刷用水性白色インキ組成物を印刷する工程
    を有することを特徴とするフレキソ印刷物の製造方法。
  2. アンカーコート剤は、平均粒子径が0.03〜6μmの炭酸カルシウム、分散剤、水性媒体を混合して炭酸カルシウムのスラリーを得る工程、前記スラリーにバインダー樹脂及び水性樹脂を混合し、撹拌する工程により製造される請求項1記載のフレキソ印刷物の製造方法。
  3. 炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.03〜0.3μmである請求項1記載のフレキソ印刷物の製造方法。
  4. アンカーコート剤は、平均粒子径が0.03〜0.3μmの炭酸カルシウム、分散剤、水性媒体を混合して炭酸カルシウムのスラリーを得る工程、前記スラリーにバインダー樹脂及び水性樹脂を混合し、撹拌する工程により製造される請求項3記載のフレキソ印刷物の製造方法。
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