JP5977001B2 - 印刷インキ用ワニスおよび印刷インキ組成物 - Google Patents

印刷インキ用ワニスおよび印刷インキ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オフセット印刷インキ、特に、熱風により乾燥皮膜が形成されるヒートセット印刷インキに関する。
オフセット印刷では、インキがインキ壷から複数のローラーを経由して版面に供給され、版面からブランケットを介して用紙に転移し、画像が再現される。オフセット印刷の中でもヒートセット印刷の場合、ドライヤーを通過する際に150〜230℃程度の熱風を受けて溶剤が蒸発する事により乾燥し、ガイドローラー、ターンバー、三角板等を経て、折り機にて折られ、結束されるのが一般的である。
以前からヒートセット印刷においては、印刷の生産性を犠牲にすることなく、省エネルギーやCO2削減のためドライヤーの温度を低くしたいという要望がある。また、ドライヤーの温度を下げて印刷物の紙面温度が下がることによって、乾燥により発生する皺である火皺、ブリスターとよばれる印刷部分の膨れ、折り機で折られるときに印刷部分にひびが入るワレといった印刷物の品質を低下させる現象の低減にもつながることが期待されている。
しかしながら、ドライヤーの温度を下げると、乾燥が不十分となり、ブロッキング、擦れ、汚れ、裏移り等の問題が起きる。また、乾燥性を早めるために溶剤離脱性を向上させるインキ処方とすると、機上での安定性が低下し、ブランパイリング(ブランケット上のインキ堆積)、着肉不良等の問題が起き印刷品質、生産性の低下を招くため、これまで、紙面温度70〜75℃といった低温で乾燥可能で実用的なヒートセット印刷インキは開発されていない。
特許文献1には、乾燥時の紙面温度を低下させることによって火皺を低減させることのできるヒートセット印刷用インキ組成物が開示されている。そこでは、確かに、実施例の評価によると火皺及びインキ余りは比較例に比べ改善されているが、インキとしての他の評価が十分なされていないので、インキとして使用可能なものかどうかは不明である。
特開2010−229301号公報
従って、本発明は、印刷インキとしての基本的な性能は満足させたうえで、低温で乾燥可能なヒートセット印刷インキ組成物、当該ヒートセット印刷インキ組成物に用いるワニス及び当該ヒートセット印刷インキ組成物を用いて作製された印刷物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ワニスを製造する際に特定の重合ロジンエステルを用いることで課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)軟化点170〜180℃で酸価9〜20mgKOH/gの重合ロジンエステル、植物油類およびキレート剤を含有する混合物からなることを特徴とするヒートセット印刷インキ用ワニス、
(2)前記重合ロジンエステルの含有量がワニス全量に対して1〜60重量%であることを特徴とする(1)記載のヒートセット印刷インキ用ワニス、
(3)軟化点150〜220℃で重量平均分子量が120,000〜300,000のロジン変性フェノール樹脂をさらに含有することを特徴とする(1)または(2)記載のヒートセット印刷インキ用ワニス、
(4)軟化点170〜180℃で酸価9〜20mgKOH/gの重合ロジンエステル、植物油類およびキレート剤を含有する混合物を加熱して製造されることを特徴とするヒートセット印刷インキ用ワニスの製造方法、
(5)(1)から(3)のいずれかに記載のヒートセット印刷インキ用ワニスと、顔料とを含むことを特徴とするヒートセット印刷インキ組成物、
(6)基材である紙に、(5)記載のヒートセット印刷インキ組成物を印刷して得られる印刷物、
である。
本発明によると、インキとしての基本的な性能は満足させたうえで、低温で乾燥可能なヒートセット印刷インキ組成物、当該ヒートセット印刷インキ組成物に用いるワニス及び当該ヒートセット印刷インキ組成物を用いて作製した印刷物を提供できる。さらに、乾燥機の設定温度150℃以下、紙面温度70〜75℃という低温で乾燥できるため、当該印刷物は火皺、ブリスター及びワレが殆ど見られないという優れた特徴を有する。
なお、現行の実機では、70℃未満の紙面温度は、乾燥機の設計上コントロールが難しいとされているが、手動で微調整することにより紙面温度65℃でも問題なく印刷できることを確認している。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
本発明のヒートセット印刷インキ組成物は、本発明のヒートセット印刷インキ用ワニスに植物油類、溶剤、顔料等を混練含有させて製造される。また、前記ヒートセット印刷インキ用ワニスは、重合ロジンエステル、ロジン変性フェノール樹脂、植物油類、キレート剤等を混合加熱して製造される。
本発明で用いられる重合ロジンエステルは、ワニスに対して1〜60重量%添加するのが好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%である。1重量%を下回る添加量では乾燥性が低下し、紙面温度を下げることができない、60重量%を超過する添加量ではインキ流動性が過剰となり凝集力が低下し、ミスチング、過剰乳化、絡み汚れなどが発生し易くなる。
本発明で用いられる重合ロジンエステルの環球法による軟化点は160〜180℃が好ましく、さらに好ましくは、170〜180℃である。160℃未満ではセットが遅くなるうえにミスチングしやすくなり、180℃超のものは製造が困難なため殆ど入手できない。
使用する重合ロジンエステルの軟化点はできるだけ高い方が、炉内出口でのインキ皮膜の軟調化を防ぐことができ、且つ紙面上のインキ乾燥性が向上するため、クーリングローラー、ガイドローラ等での擦れ汚れが低減される。
また、本発明で用いられる重合ロジンエステルの酸価は9〜20mgKOH/gであることが望ましい。9mgKOH/g未満であるとインキ中で顔料を十分に分散することが困難になり、20mgKOH/gより大きいとインキの乳化適性に影響を及ぼす恐れがある。なお、酸価はJIS K5601による測定値である。
本発明で用いられるロジン変性フェノール樹脂は、軟化点が150〜220℃の範囲内で、重量平均分子量が120,000〜300,000の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは軟化点が180〜200℃の範囲内で、重量平均分子量が140,000〜180,000の範囲内である。特に、軟化点が150℃未満では印刷時の乾燥機中でのインキ皮膜が軟調になりやすく表面強度が弱くなり、擦れ汚れが起こりやすくなる。重量平均分子量が300,000を超えると溶解性が低下するため、溶剤離脱性が早くなることにより、機上安定性が劣り、紙剥けが発生しやすくなる。また高い弾性を有するため、顔料分散性の低下、紙面への着肉低下や、レベリング性、流動性低下による光沢低下が起こりやすくなる。軟化点が高いほど、皮膜強度を付与することができるが、高くなればなるほど、高分子量となるため、220℃以下が好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPC法(ポリスチレン換算)による測定値である。
また、前記ロジン変性フェノール樹脂の酸価は、0〜30mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは18mgKOH/g以下である。樹脂によっては酸価を測定できないものもあるが、本明細書において、このような樹脂は、酸価が0mgKOH/gであるとみなすものとする。30mgKOH/gを超えると乾燥性が低下し、擦れ汚れの原因となったり、乳化しやすくなる。
前記ロジン変性フェノール樹脂の含有量は、ヒートセット印刷インキ全量中に20〜35重量%の範囲内であることが好ましい。20重量%未満では固形分が少ないため、低粘度となって流動性が過剰となり所望のインキを得ることが困難となり、35重量%を超えると光沢が低下しやすくなるため好ましくない。
本発明で用いられる植物油類としては、主に大豆油または大豆油由来の脂肪酸エステルが用いられる。その他の植物油としては、例えばアマニ油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、桐油などおよびこれらを再生処理したものが挙げられる。また、その他の植物油由来の脂肪酸エステルとしては、例えば綿実油、アマニ油、サフラワー油、向日葵油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、菜種油、胡麻油などの乾性油または半乾性油を由来とした脂肪酸モノアルキルエステルが例示できる。脂肪酸モノアルキルエステルを構成するアルコール由来のアルキル基の炭素数は5〜12のものが好ましく、具体例としてペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、3−メチル−1−ブチル、2,4−ジメチル−3−ペンチル、2−エチル−1−ヘキシル、3,5,5−トリメチル−1−ヘキシル、4−デシル、2−イソプロピル−5−メチル−1−ヘキシル、2−ブチル−1−オクチルなどである。なかでも特に好ましいのは2−エチル−1−ヘキシル、オクチルなどである。上記植物油類は、樹脂に対する溶解性が上がり、印刷物の光沢向上に優れた効果がある。
本発明のヒートセット印刷インキ組成物の全量に対し植物油類は、7〜30重量%の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは10〜25重量%の範囲内である。7重量%未満では光沢が低下する。30重量%を超える量を添加しても光沢の向上効果は得られず、溶解性が高くなり、タックの経時での上昇が大きくなるため、ブランケット上に堆積したインキの粘着性が高まり、アフタータックが残り、紙剥けしやすくなる。
大豆油と大豆油由来の脂肪酸エステルの比率は、重量比で100/0〜30/70の範囲内であることが好ましい。なかでも、特に好ましいのは90/10〜50/50の範囲内である。大豆油と大豆油由来の脂肪酸エステルの比率において、大豆油由来の脂肪酸エステルが、重量比で70重量%を超えるとタックが高くなり、紙剥けしやすくなる。
本発明で用いられるキレート剤はゲル化剤として働くものであるが、金属キレート、特に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートなどのアルミニウムキレート化合物が好ましく用いられる。
本発明のヒートセット印刷インキ組成物には、ビニリデンオレフィン、ロジン変性フェノール樹脂および植物油類の他に、従来、公知の平版印刷用インキに用いられる顔料、添加剤、溶剤などを使用することができる。
本発明で用いられる顔料としては、有機顔料または無機顔料であり、例えばジスアゾイエロー、カーミン6B、フタロシアニンブルーなどに代表される有機顔料、およびカーボンブラック、炭酸カルシウムなどに代表される無機顔料などであり、特に限定されない。
本発明で用いられる溶剤としては、流動性付与などの目的で、AF溶剤、ノルマルパラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、マシン油、シリンダー油などに代表される石油系溶剤を適宜選択して用いることができる。
本発明では、他に印刷インキとしての機能向上を目的として、適宜、顔料分散剤、乳化剤、乾燥防止剤、乾燥促進剤、整面剤、滑剤などの添加剤を用いることができる。
例えば、耐摩擦性、ブロッキング防止剤、滑り剤としては、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、シリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
本発明のヒートセット印刷インキ組成物は、従来公知の方法により製造できる。例えば、重合ロジンエステル、ロジン変性フェノール樹脂、植物油類、アルミキレート剤及びその他の添加物を混合過熱溶解してワニスを得、このワニスに顔料を3本ロール、ビーズミルなどで分散させた混合物に、植物油類、添加剤、溶剤などを添加して製造される。
本発明の印刷物は、基材となる紙に、通常のヒートセット印刷により製作出来るが、乾燥機の設定温度を150℃以下に設定し、紙面温度70〜75℃で乾燥することが可能である。なお、現行の実機ではコントロールが難しいといわれているが、乾燥機の設定温度100℃以下として、手動で調整することにより、紙面温度65℃でも問題なく印刷可能である。
本発明の印刷物に用いる基材としては、通常のヒートセット印刷が可能な用紙であれば使用できるが、特に、平版印刷に適する更紙(非塗工紙)、微塗工紙、コート紙、アート紙などが好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を示す。
[重合ロジンエステルの製造]
製造例1(重合ロジンエステルA)
撹拌機、分水器付還流冷却器、温度計、窒素導入管および減圧 装置を備えた反応容器に、ガムロジン1000部、キシレン1000部および重合触媒として塩化亜鉛50部を入れ、窒素気流下130℃にて6時間反応を行った。反応終了後、キシレンを追加し、水洗によって触媒を除去した後に、さらに減圧蒸留をすることによってキシレン留去を行い、次いで得られた生成物を冷却することにより重合ロジンの固形樹脂を得た。同反応容器内にこの重合ロジン500部とペンタエリスリトール60部を入れ、窒素気流下250℃にて2時間反応させ、さらに270℃で10時間撹拌して反応させたあと、冷却することにより重合ロジンエステルAの固形樹脂を得た。重合ロジンエステルAは重量平均分子量4,000、軟化点172℃、酸価19mgKOH/gを有する。
製造例2(重合ロジンエステルB)
製造例1で得られた冷却する前の重合ロジンエステルAを、さらに減圧蒸留し、低分子量の不純物を除去したあと、冷却することにより重合ロジンエステルBの固形樹脂を得た。重合ロジンエステルBは重量平均分子量4,500、軟化点179℃、酸価9.3mgKOH/gを有する。
製造例3(重合ロジンエステルC)
製造例1と同様の反応容器内に製造例1で得られた重合ロジンエステルA500部、グリセリン46部を入れ、窒素気流下250℃にて2時間反応させ、さらに270℃で10時間撹拌して反応させたあと、冷却することにより重合ロジンエステルCの固形樹脂を得た。重合ロジンエステルCは重量平均分子量1,800、軟化点123℃、酸価14.3mgKOH/gを有する。
製造例4(重合ロジンエステルD)
製造例1と同様の反応容器内に製造例1で得られた重合ロジン500部、ペンタエリスリトール60部を入れ、窒素気流下250℃にて2時間反応させ、さらに270℃で4時間撹拌して反応させたあと、冷却することにより重合ロジンエステルDの固形樹脂を得た。重合ロジンエステルDは重量平均分子量2,200、軟化点159℃、酸価13.7mgKOH/gを有する。
[ワニスの調製]
実施例1
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量140,000、軟化点187℃、酸価16mgKOH/g)35部、製造例1で得られた重合ロジンエステルA(重量平均分子量4,000 、軟化点172℃、酸価19mgKOH/g)10部、大豆油20部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.3部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV1を得た。
実施例2
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量140,000、軟化点187℃、酸価16mgKOH/g)35部、製造例2で得られた重合ロジンエステルB(重量平均分子量4,500 、軟化点179℃、酸価9.3mgKOH/g)10部、大豆油20部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)35部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.3部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV2を得た。
実施例3
重合ロジンエステルA(重量平均分子量4,000、軟化点172℃、酸価19mgKOH/g)60部、大豆油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)26.5部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)3.5部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV3を得た。
実施例4
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量140,000、軟化点187℃、酸価16mgKOH/g)20部、重合ロジンエステルA30部、大豆油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)40部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.3部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV4を得た。
実施例5
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量140,000、軟化点187℃、酸価16mgKOH/g)10部、重合ロジンエステルA50部、大豆油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)28部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)2部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV5を得た。
実施例6
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量140,000、軟化点187℃、酸価16mgKOH/g)35部、重合ロジンエステルA5部、大豆油15部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)45部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.3部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスV6を得た。
比較例1
製造例3で得られた重合ロジンエステルC(重量平均分子量1,800 、軟化点123℃、酸価14.3mgKOH/g)60部、大豆油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)26.5部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)3.5部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスS1を得た。
比較例2
製造例4で得られた重合ロジンエステルD(重量平均分子量2,200 、軟化点159℃、酸価13.7mgKOH/g)60部、大豆油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)26.5部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)3.5部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスS2を得た。
比較例3
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量140,000、軟化点187℃、酸価16mgKOH/g)45部、大豆油10部、AFソルベント7(新日本石油(株)製)45部、アルミキレート剤(ALCH、川研ファインケミカル(株)製)0.3部を反応容器中に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら185℃に昇温し、60分撹拌混合して、ワニスS3を得た。
[ヒートセット印刷インキ組成物の調製]
実施例7〜12及び比較例4〜8
表1及び表2の配合でワニス、フタロシアニンブルー(Fastgen
Blue GBK−19SD、DIC(株)製)を配合し、3本ロールミルで練肉して、インキベースを得、さらにワニス、ワックス(シャムロック社製、フロロスパース153DM)、AFソルベント7(新日本石油(株)製)を添加、混合し粘度20〜25Pa・sの実施例7〜12及び比較例4〜8のヒートセット印刷インキ組成物を得た。
表1(実施例7〜9及び比較例4〜6)のヒートセット印刷インキ組成物について、下記のテーブルテストを行った。その結果を表3に示す。
[セット性]
実施例7〜9及び比較例4〜6の各ヒートセット印刷インキ組成物をRIテスター((株)明製作所製)でコート紙および微塗工紙に展色し、すぐに自動インキセット試験機((株)東洋精機製作所製)を用いて、展色面に重ねた上質紙へのヒートセット印刷インキ組成物の付着度を目視により確認し、付着が認められなくなるまでに要した時間を測定した。この時間が短いほど、セット性が優れる。
[乾燥性]
実施例7〜9及び比較例4〜6の各ヒートセット印刷インキ組成物をプリューフバウ印刷適性試験機(MZ−II、プリューフバウ(株)社製)を用い、印圧400N、印刷速度10m/秒の条件で、ヒートセット印刷インキ組成物0.2ccをコート紙に展色し、紙面乾燥温度を75℃になるように調節して、試料片を乾燥させた。乾燥させた試料片をすぐに取り出し、指触にて試料片のべた付き具合を評価した。べた付きがないほど、乾燥性が優れる。
べた付きの程度について、○:べた付きがないもの、△:ややべた付きがあるもの(実用上問題ない程度)、×:べた付きがあり、実用できない、の3段階で評価した。
なお、プリューフバウ印刷適性試験機はドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発された試験機でヒートセット印刷インキ組成物の評価に広く用いられている。
[ミスチング]
実施例7〜9及び比較例4〜6の各ヒートセット印刷インキ組成物をインコメーター(東洋精機(株)製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数2000rpmの条件下で、白紙へのインキの微小滴の1分後の飛び散り具合を観察した。飛び散り具合の程度について、○:非常に少ないもの、△:やや多いもの(実用上問題ない程度)、×:非常に多く、実用できない、の3段階で評価した。
実施例7、8、10〜12及び比較例7、8のヒートセット印刷インキ組成物について、上記セット性及び乾燥性の評価に加え、下記の評価を行った。その結果を表4に示す。
[タック]
実施例7〜12及び比較例7、8の各ヒートセット印刷インキ組成物をインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数400rpmの条件下で1分後の数値(タック値)を測定した。タック値が低いほど、紙剥けしにくくなり、優れる。
[流動性]
実施例7〜12及び比較例7、8の各ヒートセット印刷インキ組成物をスプレッドメーター((株)東洋精機製作所製)によってインキの広がり(直径;mm)1分値を測定、評価した。広がり直径について、○:39.0mm以上41.0mm未満(実用上最適)、△:38.0mm以上39.0mm未満又は41.0mm以上42.0mm未満(実用上問題ない)、×:38.0mm未満または42.0mm以上(流動性不足または流動性過多により、実用できない)
[光沢]
実施例7〜12及び比較例7、8の各ヒートセット印刷インキ組成物を光沢度計PG−1(日本電色工業(株)社製、60°)による測定値を評価した。光沢値が高いほど優れる。
光沢値について、○:50.0以上、△:48.0以上、50.0未満(実用上問題ない)、×:48.0未満(光沢が低く、実用できない)、の3段階で評価した。
[機上安定性]
実施例7〜12及び比較例7、8の各ヒートセット印刷インキ組成物をインコメーター((株)東洋精機製作所製)を使用し、インキ量1.31cc、室温25℃、ローラー温度30℃、回転数1200rpmの条件下で0分のタック値と10分後のタック値の差(タック変化)を測定し、評価した。タック変化がより少ないものほど、機上安定性が優れる。
タック変化について、○:4.0未満(機上安定性最良)、△:4.0以上7.0未満(機上安定性良好、実用上問題ない)、×:7.0以上(機上安定性が劣り、実用できない)、の3段階で評価した。
[実機印刷試験]
実施例7〜12及び比較例7、8の各ヒートセット印刷インキ組成物を、4色オフセット輪転機を使用して印刷試験を行ない、擦れ汚れが発生しない紙面温度を調べた。なお、擦れ汚れが発生しない紙面温度とは、ある紙面温度において、印刷機折機から排出された印刷直後の印刷物を適当部数抜き取り、すぐにベタ画像部を指で擦り、その擦れ具合を目視にて判定し、擦れ汚れが発生しなかった場合、乾燥機の設定温度を下げ、同様の作業を擦れ汚れが発生するまで繰り返し行い、擦れ汚れが発生しなかったときの最低の紙面温度とした。
印刷機:(株)小森コーポレーション製 4色オフセット輪転機
印刷回転数:600rpm
印刷版:CTP版
用紙:上質紙
紙面温度は、放射温度計IT−540(堀場製作所(株)製)を使用し、乾燥機出口を通過直後の紙面上の温度を測定した。また、同時にその時の乾燥機の設定温度も記録した。
実施例1〜3のヒートセット印刷インキ用ワニスは、当該ワニスを使用してヒートセット印刷インキを調製すると、表3に示す通りセット性及び乾燥性に優れ、ミスチングが低減されるため、低温でかつ高速でのオフセット輪転印刷が可能となる。
比較例1のヒートセット印刷インキ用ワニスは、特許文献1に類似したものであるが、同様にヒートセット印刷インキを調製すると、セット性がかなり劣り、乾燥性が悪いため、低温でオフセット輪転印刷を実施した際に、擦れ汚れが発生する恐れがある。またミスチングも非常に多いため、印刷速度の低下を余儀なくされ、周囲に飛び散ったインキミストの清掃作業等の機械メンテナンス作業を行なう頻度が増加する恐れがある(比較例4)。
比較例2のヒートセット印刷インキ用ワニスは、軟化点が160℃未満の重合ロジンエステルを使用したものの例であるが、同様にヒートセット印刷インキを調整すると、セット性および乾燥性が劣るため、低温でオフセット輪転印刷を実施した際に、擦れ汚れが発生する恐れがある。またミスチングも非常に多いため、印刷速度の低下を余儀なくされ、周囲に飛び散ったインキミストの清掃作業等の機械メンテナンス作業を行なう頻度が増加する恐れがある(比較例5)。
また、比較例3の従来型のヒートセット印刷インキ用ワニスは、同様にヒートセット印刷インキを調製した際に、セット性または乾燥性がやや劣り、若干ミスチングが多い(比較例6)。
表4に示す通り、実施例7、8、10〜12のヒートセット印刷インキ組成物は、セット性及び乾燥性に優れ、機上安定性も十分であるため、印刷速度を低下することなく、低温でオフセット輪転印刷ができるうえ、適度な流動性を維持し、紙剥け適性も有し、光沢の低下もないことから、印刷適性上まったく支障がなく使用でき、画像品質の高い印刷物を提供できる。さらに、実機印刷試験においても、比較例6の従来型のヒートセット印刷インキ組成物よりも乾燥設定温度を低くし、紙面温度が低くても乾燥不良による擦れ汚れは発生しないことが分かる。
表4によると、比較例7のヒートセット印刷インキ組成物は、軟化点が160℃未満の重合ロジンエステルを使用したものの例であるが、擦れ汚れの発生の恐れがあり、印刷速度の低下を余儀なくされることに加え、タック値も高く、機上安定性も劣ることから、紙剥け適性が劣り、流動性も過多であるのでミスチングはもとより、過剰乳化、絡み汚れが発生しやすくなり、印刷適性および画像品質の劣化が起きる恐れがある。
比較例8の従来型のヒートセット印刷インキ組成物は、セット性及び乾燥性がやや劣り、紙剥け適性も劣る。実機印刷試験の結果においても、比較例7および8のヒートセット印刷インキ組成物は、従来の乾燥設定温度および紙面温度でなければ、擦れ汚れが発生する。

Claims (6)

  1. 軟化点170〜180℃で酸価9〜20mgKOH/gの重合ロジンエステル、植物油類およびキレート剤を含有する混合物からなることを特徴とするヒートセット印刷インキ用ワニス。
  2. 前記重合ロジンエステルの含有量が前記ワニス全量に対して1〜60重量%であることを特徴とする請求項1記載のヒートセット印刷インキ用ワニス。
  3. 軟化点150〜220℃で重量平均分子量が120,000〜300,000のロジン変性フェノール樹脂をさらに含有することを特徴とする請求項1または2記載のヒートセット印刷インキ用ワニス。
  4. 軟化点170〜180℃で酸価9〜20mgKOH/gの重合ロジンエステル、植物油類およびキレート剤を含有する混合物を加熱して製造されることを特徴とするヒートセット印刷インキ用ワニスの製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のヒートセット印刷インキ用ワニスと、顔料とを含むことを特徴とするヒートセット印刷インキ組成物。
  6. 基材である紙に、請求項5記載のヒートセット印刷インキ組成物を印刷して得られる印刷物。
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