JP5822036B1 - 平版印刷インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】【0008】本願発明はこのような従来の技術における印刷適性上及び印刷品質上、さらにはインキ製造中や印刷現場での作業効率を大幅に向上することを目的としている。すなわち、ドットが小さい事に由来する印刷トラブルを低減してロングランでの連続印刷を可能とし、乾燥性が良好なインキを提供する。更には、インキ製造中の作業性を高め、添加量を調整することで容易にセット性を調整できるインキを提供することを目的とする。【発明の効果】【0014】従来では、インキのセット性を遅延するためには樹脂自体の高溶解化、ワニス用溶剤の高溶解化が行われてきた。しかし、ともにインキの粘弾性の大幅な変化などの問題をはらんでいた。本願発明によって、インキ製造中、印刷現場においてインキの粘弾性を損なわずに一定条件の炭化水素基を有するアミンを少量の添加により容易にインキのセット性を操作することが可能となった。【選択図】なし

Description

本願発明は、書籍、チラシ、カタログ、ポスター等を印刷する平版印刷に使用される平版印刷インキ組成物(以下、「インキ」と略す。)に関するものであり、特に、印刷品質の向上と印刷作業性の向上に関するものであり、更には、耐摩擦性、光沢、着肉性に優れ、パイリングを低減できるインキに関するものである。
近年印刷業界では、印刷時の省人、省力化、自動化、高速化の要求が高まってきている事に合わせて、様々な印刷条件下に於いてトラブルレスで長時間安定して高品位な印刷物が得られる印刷用インキが望まれており、インキメーカーでは種々の改良を実施してきている。
特にドットの小さいFMスクリーン、また印刷物の精細さの向上、および印刷メーカー自体のインキ使用量削減の観点からAMスクリーンの高精細化が急速に普及している。そのため、先刷りインキである墨・藍インキが後刷り用のブランケットに付着して徐々に堆積していく後胴残りなどインキのセット性に依存する印刷トラブルへのインキ面からの対応が求められている。
また、セット性が速く、ガイドローラーに付着・堆積し、印刷物への汚れの発生するガイド残り、引きずり汚れといったセット性に依存する印刷トラブルがある。
こうした後胴残り・ガイド残りなどの問題に対してはインキのセット性を遅くすることが、対応策の一つとなっている。セット性を遅くするためには、植物油などに代表される溶解性の高い素材を用いて、樹脂との相溶性を上げることが有用な方法の一つとして挙げられる。しかし、特にヒートセットオフセット印刷では、ドライヤー部での短時間の通過での蒸発乾燥性が要求されるが、揮発性の低い植物油が多く添加されると乾燥性が不利になる。そのため、お互いトレードオフの関係にあるセット性と乾燥性のバランスを考慮し、植物油量も大幅に上げられないのが現状である。
特許文献1では、植物油脂由来の脂肪族アルコールから誘導される220〜310℃を沸点にもつジアルキルエーテルをワニス中の溶剤として使用している。しかし、このような高溶解溶剤をワニス中に用いた場合、樹脂の溶解性が大幅に向上し、プリンティングタックが大幅に上昇し、高速印刷時での紙剥けやミスチングといった印刷トラブルにつながる恐れがある。
また、セット性を遅くする方法としては一般的には樹脂の溶解性を上げる方法がある。オフセット印刷用に一般的に用いられるロジンフェノール樹脂ではアルキルフェノールの配合比を調整し樹脂自体の溶解性を上げることでセット性を遅くすることが可能である。しかし、インキの粘弾性はロジンフェノール樹脂の分子量、溶解性の設計に大きく依存するため、目的のセット性、インキの粘弾性を達成できる樹脂設計は容易ではない。
特開2005−60693号公報
本願発明はこのような従来の技術における印刷適性上及び印刷品質上、さらにはインキ製造中や印刷現場での作業効率を大幅に向上することを目的としている。すなわち、ドットが小さい事に由来する印刷トラブルを低減してロングランでの連続印刷を可能とし、乾燥性が良好なインキを提供する。更には、インキ製造中の作業性を高め、添加量を調整することで容易にセット性を調整できるインキを提供することを目的とする。
本発明は、カーボンブラック、アミン、バインダー樹脂、植物油類を含有することを特徴とする平版印刷インキ組成物であって、
前記アミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、かつ、合計12以上の炭素原子を有するアミンである平版印刷インキ組成物に関する。
また、本発明は、平版印刷インキ組成物全量中、アミンを0.01〜0.5重量%含有することを特徴とする上記平版印刷インキ組成物に関する。
また、上記平版印刷インキ組成物を、基材に印刷してなる印刷物に関する。
従来では、インキのセット性を遅延するためには樹脂自体の高溶解化、ワニス用溶剤の高溶解化が行われてきた。しかし、ともにインキの粘弾性の大幅な変化などの問題をはらんでいた。本願発明によって、インキ製造中、印刷現場においてインキの粘弾性を損なわずに一定条件の炭化水素基を有するアミンを少量の添加により容易にインキのセット性を操作することが可能となった。
本願発明で使用されるバインダー樹脂とはロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂および石油樹脂等を示し、それらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用でき、好ましくは、ロジン変性フェノール樹脂を使用することが望ましい。
バインダー樹脂であるロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量は、20000〜200000の範囲が望ましく、より好ましくは25000〜160000、さらに好ましくは30000〜120000の範囲であることが望ましい。20000未満では弾性が低くなりミスチングを増大させる懸念があり、200000を超える重量平均分子量では流動性や着肉性を劣化させる懸念がある。
本願発明に関するロジン変性フェノール樹脂は、ノルマルパラフィン白濁温度が40〜160℃の範囲が望ましく、さらに好ましくは50〜130℃の範囲である。本願発明において、ノルマルパラフィン白濁温度とは、樹脂10重量%と14〜16の炭素数を有するノルマルパラフィン90重量%を加熱混合した際に、白濁する下限の温度をいう(それ以上の温度では白濁が観察されない。)。40℃未満では樹脂の溶解性が高すぎるのでインキのタックが高くなり、160℃を超える白濁温度では樹脂の溶解性が低すぎるので溶剤が離脱し易く機上でインキが締まり易くなる。
本願発明におけるアミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、かつ、合計12以上の炭素原子を有する第1級、2級、3級アミンである。炭素数が合計12未満である場合、乳化率が大幅に上昇し、顕著な地汚れトラブルが起こる。
炭素数8〜22の炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、当該アルキル基はさらにアルコキシ基などで置換されていてもよい。
また、アミンはジアミン、トリアミンなどの多価アミンでもよく、前述のモノアミンに限られるものではない。ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミンなどのアルキレンジアミンのN−アルキル置換体が挙げられる。トリアミンとしては、ジエチレントリアミンのN−アルキル置換体などがある。
多価アミンの場合、炭素数8〜22の炭化水素基は、N−アルキル基であっても、窒素原子と窒素原子とを結合するアルキレン基が、直鎖もしくは分岐の炭素数8〜22のアルキレン基であってもよい。例えば、ドデシレンジアミンなどが挙げられる。
本願発明におけるアミンはカルボン酸やスルホン酸などに中和された塩の状態でも構わない。
本願発明では使用する前述のアミンのインキへの添加量としては、インキ組成物全量に対して、0.01〜0.5重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜0.3重量%の範囲内である。0.01重量%未満ではセット遅延性の効果が乏しく、0.5重量%を超える範囲内では乳化率がアップし、顕著な地汚れが発生し、水ダイヤルが大幅に上昇し、乾燥性などのトラブルも発生することがある。
本願発明では使用するアミンは単一である必要はなく、複数種組み合わせて使用してもよい。
本願発明では使用するアミンは、分散工程前のプレミックス段階、または分散後の調整段階で添加してもどちらでも構わない。
本願発明では使用するアミンは、液体・固体の形状がある。固体の場合は予め微細に粉砕するか、もしくは植物油やワニスを用いて予めコンパウンド化して添加する方法どちらでも構わない。
本願発明における植物油類とは植物油および植物油由来の化合物であり、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセリドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセリドと、それらのトリグリセリドから飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステル、あるいは植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類が挙げられる。また、本願発明では必要に応じて油としてそれ以外の動植物油、合成油を併用しても良い。
脂肪酸モノエステルは上記植物油とモノアルコールとをエステル交換したものや植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステルである。モノアルコールの代表的なものは、メタノール、エタノール、n−またはiso−プロパノール、n,secまたはtert−ブタノール、ヘプチノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等の飽和アルコール、オレイルアルコール、ドデセノール、フイセテリアルコール、ゾンマリルアルコール、ガドレイルアルコール、11−イコセノール、11−ドコセノール、15−テトラコセノール等の不飽和脂肪族系アルコールが挙げられる。
エーテル類として代表的なものは、ジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジへプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジデシルエーテル、ノニルへキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテル等が挙げられる。
なお、一般的な植物油としては、大豆油、再生大豆油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油、ヤトロファ油等の植物油由来のものや、それらの熱重合油および酸素吹き込み重合油等を例示することができる。
本願発明においてカーボンブラックは、公知のものが使用でき、化石資源由来カーボンブラックが挙げられ、その製造方法としては、チャンネル法、オイルファーネス法、ガスファーネス法、アセチレン法等が挙げられる。
カーボンブラックの特性として、粒子径、窒素吸着比表面積、着色力、DBP吸油量、揮発分、pH値、PVC黒度などの物理化学的性質が挙げられるが、一般的なカーボンブラックの特徴として、窒素吸着比表面積が大きく、つまり粒子径が小さく、また、DBP吸油量が小さいカーボンブラックほど、高濃度且つ高光沢のインキが得られるとされており、アート紙、コート紙などの塗工紙用のインキに用いられることが多い。逆に、粒子径が大きく、DBP吸油量が大きいカーボンは、表面平滑性の低い低級紙や新聞用紙において高い印刷濃度を再現できるが、アート紙、コート紙などの塗工紙などでは、光沢の劣化が著しい。
通常の平版印刷インキに使用するカーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積が60m2/g以上、粒子径が約10〜100nm、DBP吸油量が150cm3/100g以下のカーボンを使用しているが、本願発明においてはこれらに限るものではない。
また本願発明では、カーボンブラックと併用して、一般的な無機顔料、および補色のために有機顔料を使用することができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、などを示すことができる。有機顔料としては、アゾ系として、C系(βナフトール系)、2B系および6B系(βオキシナフトエ系)などの溶性アゾ顔料、βナフトール系、βオキシナフトエ酸アニリド系、モノアゾイエロー系、ジスアゾイエロー系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、アセト酢酸アリリド系などの縮合アゾ顔料、フタロシアニン系として、銅フタロシアニン(αブルー、βブルー、εブルー)、塩素、臭素などのハロゲン化銅フタロシアン、金属フリーのフタロシアニン顔料、多環顔料としてペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系顔料を挙げることができる。これらの無機顔料、有機顔料の添加量は、印刷インキ組成物の全量に対して0.01〜10重量%である。
本願発明においては必要に応じて石油系溶剤も用いることができ、芳香族炭化水素の含有率が1重量%以下で、アニリン点が60〜130℃、沸点が230〜400℃の石油系溶剤であり、好ましくはアニリン点が80〜100℃、沸点が240〜310℃である。平版印刷インキ全量中、石油系溶剤を0〜30重量%含有するのが好ましく、5〜15重量%含有するのがさらに好ましい。石油系溶剤のアニリン点が60〜130℃の場合には、樹脂を溶解させる能力が好適であり、インキのセット性、光沢、着肉等の点で好ましい。このような非芳香族系石油溶剤としては、JX日鉱日石エネルギー株式会社製AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号等がある。
本願発明においては必要に応じてワックスを使用することが出来る。
ワックスは、天然ワックスおよび合成ワックスに分類され、天然ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油ワックスに分類される。本願発明の石油ワックスは、石油ワックスに分類されるパラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスが挙げられる。本願発明の溶融型の石油ワックスの製造工程の一例は、原油を原料として、常圧蒸留、減圧蒸留、溶剤精製、水素化精製、脱ろう、脱油を行った後、水素化精製または白土処理工程を経て得られるが、この限りではない。一方、粉砕型の石油ワックスは、いったんワックスを適度な大きさで製造し、それを所望通りに、粉砕を行うものである。
また、合成ワックスは、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックスに分けられ、本願発明で好ましく使用されるものとしてポリエチレンワックスが挙げられ、ポエチレンワックスは、フィッシャートロップスワックスと共に合成炭化水素に分類される。
また、オフセット印刷インキ組成物中への、その他添加剤として、耐摩擦、ブロッキング防止、スベリ、スリキズ防止を目的とする各種添加剤を使用することができるが、パイリングを誘発する懸念があるため、全インキ組成物全量中の6重量%未満であることが望ましい。
本願発明の印刷インキ組成物を製造するには、従来公知の方法で実施する事が出来る。一例としてバインダー樹脂、石油系溶剤、植物油類、必要に応じてゲル化剤を加えて、190℃1時間のクッキング条件でワニスを製造する。次いで、例えば、前記のワニスに顔料、石油系溶剤、植物油類、顔料分散剤または顔料分散樹脂を加え、ビーズミルや3本ロール等で分散する事により印刷インキ用ベースを得る事が出来る。次いで、石油系溶剤、植物油類、その他の添加剤を加え、所定粘度に調整し印刷インキ組成物を得る事が出来る。インキの種類としては、オフセット輪転印刷機用インキ、新聞印刷機用インキ、枚葉印刷機用インキが主なものであるが、これに限定されるものではない。
本願発明の印刷インキ組成物の組成の一例としては、
・顔料5〜30重量%
・アミン0.01〜0.5重量%
・バインダー樹脂18〜40重量%
・植物油類7〜30重量%
・石油系溶剤0〜45重量%
・ワックス0.1〜6重量%
・重合植物油1〜10%
・その他添加剤1〜5重量%
などが好ましい組成として挙げられる。
本願発明に使用される基材としては塗工紙、微塗工紙、非塗工紙、更紙が印刷用紙として挙げられる。
以下に、実施例により本願発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本願発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、本願発明において、特に断らない限り、「部」は、「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
本願発明において、重量平均分子量は、東ソー(株)製ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC−8020)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgelSuperHM−M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本願発明において、特に断らない限り、「分子量」とは、重量平均分子量を示す。
本願発明においてそれぞれの粘度は25℃でLA型粘度計(日本レオロジー機器株式会社製)を用いて測定した。
(ロジン変性フェノール樹脂製造例)
反応容器中でガムロジン1500部に、予めキシレン溶媒中でターシャリーブチルフェノール600部と92重量%のパラホルムアルデヒド210部を水酸化ナトリウム触媒下、100℃で4時間反応させ、水分除去したフェノール樹脂を150℃で滴下し2時間反応させた。さらに、ペンタエリスリトール160部を添加し、触媒として酸化カルシウム1.5部を使用して250℃で12時間反応させた。反応の過程で順次取り出す事により、ロジン変性フェノール樹脂a(重量平均分子量70000)を得た。
(ヒートセット型オフセット印刷インキ用ゲルワニスの製造)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに樹脂a(重量平均分子量70000)44重量部、大豆油35重量部、AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)20重量部を仕込み、190℃に昇温、同温で30分間攪拌した後、放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1重量部(川研ファインケミカル株式会社製ALCH、以下ALCHと称す)を仕込み、190℃で30分間攪拌してオフセット印刷インキ用ゲルワニス(以下ゲルワニスと称す)を得た。
本発明において用いたアミンは以下の通りである。
○1級アミン
・ヘキシルアミン(東京化成工業株式会社)
・ドデシルアミン(東京化成工業株式会社)
・ヘキサデシルアミン(東京化成工業株式会社)
・ベヘニルアミン(ニッサンアミンVB、日油株式会社)
○2級アミン
・ジオクチルアミン(東京化成工業株式会社)
・ジデシルアミン(シグマアルドリッチ)
○3級アミン
・ジメチルヘキシルアミン(シグマアルドリッチ)
・ジメチルオクチルアミン(シグマアルドリッチ)
・ジデシルメチルアミン(東京化成工業株式会社)
・ジオクタデシルメチルアミン(シグマアルドリッチ)
・トリオクチルアミン(東京化成工業株式会社)
○ジアミン
・N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン(デュオミンT、ライオン株式会社)

常温で固体のヘキサデシルアミン、ベヘニルアミン、ジデシルアミン、ジオクタデシルアミンは下記の方法でコンパウンド化した。
(アミンコンパウンドの作成例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに購入したヘキサデシルアミン100重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を200重量部仕込み、100℃に昇温、同温で10分間攪拌した後、攪拌しながら自然冷却を行い、アミンコンパウンドAを得た。その他、ベヘニルアミン、ジデシルアミン、ジオクタデシルアミンについても同様にアミンコンパウンドB、C、Dを得た。
(ヒートセット型オフセット印刷インキ組成物実施例1)
カーボンブラック(三菱化学株式会社製、DBP吸油量72ml/100g、BET比表面積99m2/g) を20重量部、ゲルワニス1を73重量部、石油系溶剤(AFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー株式会社 製))6.7重量部、ドデシルアミン(東京化成工業株式会社)を0.1重量部、再生大豆油(ヨウ素価117)を0.2重量部仕込み、常法に従い三本ロールを用いてヒートセット型オフセット印刷インキ組成物の実施例1を得た。
さらに、表1の組成に基づいて、常法に従い三本ロールを用いてヒートセットオフセット印刷インキ組成物の実施例1〜33並びに比較例1〜4を得た。
(性能評価試験(1)後胴残り適性試験)
後胴残り適性試験は、ヒートセット型オフセット印刷機としてLITHOPIABT2−800NEO(三菱重工株式会社)にて、FMの網点チャート(20ミクロン)、ベタチャートを含む絵柄、一般的な濃度にて以下の印刷条件にて実施し、先刷りインキの黄のブランケットへの付着の程度を、以下の評価基準に基いて5段階の相対評価を実施した。
用紙:パールコートN(765×1100, 〈66.5〉, 三菱製紙株式会社)
(測色値:L*:97.43、a*:0.07、b*:-2.14)
印刷速度:600rpm
ドライヤー通過後紙面温度:105℃
版:CTP版(富士フィルム(株))
印刷部数:2万部
湿し水:アクワユニティWKK20KGGN(東洋インキ株式会社)
1:黄胴への墨インキの固着が極めて多い
2:黄胴への墨インキの固着が多い
3:黄胴への墨インキの固着が通常程度である(実用範囲である)
4:黄胴への墨インキの固着があまりない
5:黄胴への墨インキの固着が極めて少ない
「3」以上が実用レベルである。
(性能評価試験(2)汚れの回復)
紙面の汚れが完全にとれる水ダイヤルが比較例1に対して+10ポイント以内が実用範囲内である。+10ポイント以上の場合、水上がり量が多く、乾燥性などへも支障をきたすレベルとなる。
表1に示すインキの組成で、後胴残り適性試験と、汚れの回復する水ダイヤル値を評価した結果を表1に示す。なお、本願明細書において実施例1〜3、10、11、16、17、22、23、28〜31は、参考例である。
Figure 0005822036
Figure 0005822036
Figure 0005822036
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実施例1〜33は後胴残り、汚れの回復ともに良好である。汚れの回復ポイントはアミンの炭素数の減少、または添加量の増加によって増加する傾向にある。一方で、比較例2〜4は、後胴残りはアミン未添加の比較例1に対して良好であるが、炭素数が極端に少ないため、水との親和性が増し、汚れの回復が+11ポイント以上となった。

Claims (3)

  1. カーボンブラック、アミン、バインダー樹脂、植物油類を含有することを特徴とする平版印刷インキ組成物であって、
    前記アミンは、平版印刷インキ組成物全量に対して0.1〜0.8重量%含み、
    前記アミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、かつ、合計12以上の炭素原子を有する第2級または第3級アミンである平版印刷インキ組成物。
  2. 平版印刷インキ組成物全量中、アミンを0.1〜0.5重量%含有することを特徴とする請求項1記載の平版印刷インキ組成物。
  3. 請求項1または2記載の平版印刷インキ組成物を、基材に印刷してなる印刷物。

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