JP6589583B2 - 平版印刷インキ - Google Patents

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Description

本願発明は、平版印刷インキに関する。
従来から平版印刷は、様々な印刷条件下でもトラブルが無く長時間安定して高品位な印刷物が得られるに使用する平版印刷インキ(以下、「インキ」ともいう。)が求められている。
長時間の印刷を実現するためにインキの弾性を調整することが広く行われていた。弾性の調整手法として、例えばロジンフェノール樹脂のアルキルフェノールの配合比の調整、触媒を適宜選択する手法が挙げられる。しかし、アルキルフェノールであるt−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノールは樹脂の溶解性にも影響し、セット性にも大きく影響を及ぼす。また、前記触媒の選択は、金属触媒の場合、インキが乳化し易くなるため、地汚れの発生などを誘発する可能性があった。
インキの他の弾性の調整手法として、体質顔料を用いた手法が挙げられる。例えばモンモリロナイト、有機ベントナイトは、インキへのチキソトロピー性の向上、またはインキの弾性を高めるために使用されていた。しかし、モンモリロナイトや有機ベントナイト等の体質顔料はインキ中に分散し難いので、印刷物の光沢低下、および耐摩擦性の低下が発生しやすい問題があった。
例えば、特許文献1では、有機ベントナイトを湿潤剤と共に撹拌等することで分散性の改善する手法が開示されている。
WO2011/111335号
しかし、従来の手法では、印刷物の光沢低下、および耐摩擦性の低下の問題を解決するには至らなかった。
本発明は、インキの弾性の調整が容易であり、光沢が高く、耐摩擦性が良好な印刷物が得られる平版印刷インキの提供を目的とする。
本発明の平版印刷インキは、カーボンブラック、アミン、バインダー樹脂、植物油を含み、
前記アミンは、平版印刷インキ全量に対して0.01質量%以上0.1質量%未満を含み、
前記アミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、
前記アミンの置換基の合計炭素数が12以上であり、
前記アミンが、第2級または第3級アミンである。


上記の本発明によれば、特定のアミンを少量使用することでインキの弾性の調整が容易になるため、長時間の連続印刷が可能になり生産性が大幅に向上することに加え、印刷物の光沢および耐摩擦性が向上する。
本発明によりインキの弾性の調整が容易であり、光沢が高く、耐摩擦性が良好な印刷物が得られる平版印刷インキおよび印刷物を提供できる。
本発明の平版印刷インキは、カーボンブラック、アミン、バインダー樹脂、植物油を含有し、
前記アミンは、平版印刷インキ全量に対して0.03質量%以上0.1質量%未満を含み、
前記アミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、かつ、合計12以上の炭素原子を有する第2級または第3級アミンである。
本発明で使用するバインダー樹脂は、平版印刷インキで使用されている公知の樹脂を使用できる。バインダー樹脂は、例えばロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル、および石油樹脂等が好ましい。これらの中でもロジン変性フェノール樹脂がより好ましい。
ロジン変性フェノール樹脂は、質量平均分子量20,000〜200,000が好ましく、25,000〜160,000がより好ましく、30,000〜120,000がさらに好ましい。質量平均分子量が20,000以上になると弾性を適切に調整し易くなる。また、質量平均分子量が200,000以下になると流動性や着肉性がより向上する。なお、着肉性とは、基材に対するインキの密着性をいう。
また、ロジン変性フェノール樹脂は、ノルマルパラフィン白濁温度40〜160℃が好ましく、50〜130℃がより好ましい。ノルマルパラフィン白濁温度が40℃以上になることで、インキのタックを抑制し易くなるのでブロッキングを防止し易くなる。また、ノルマルパラフィン白濁温度が160℃以下になることでインキから溶剤が分離し難くなるのでインキの経時粘度安定性が向上する。なお、ノルマルパラフィン白濁温度は、25℃で樹脂10質量%と炭素数14〜16のノルマルパラフィン90質量%とを混合した白濁溶液を加熱し、前記溶液の白濁が消失する温度をいう。
バインダー樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
バインダー樹脂は、インキ中に18〜40質量%含むことが好ましく、20〜30質量%がより好ましい。18質量%以上になることでインキの経時粘度安定性や流動性がより向上する。40質量%以下にすることでタックの大幅な増大による紙剥けなどトラブルを抑制できる。
上記、バインダー樹脂は必要に応じて植物油類、石油系溶剤、ゲル化剤を加えて加熱溶解させて平版印刷インキ用ゲルワニスを製造することができる。
前記ゲル化剤としては、例えば、オクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムジプロポキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムジブトキシドモノアセチルアセテート、アルミニウムトリアセチルアセテートなどの各種公知な物を使用できる。
本発明で使用するアミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、かつ、合計12以上の炭素原子を有する。アミンは、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンがある中で第2級アミンおよび第3級アミンのうち少なくてもいずれか一方を使用する。アミンは、その炭素数を合計12以上にすることでインキが乳化し難くなり、地汚れが発生し難くなる。なお、地汚れとは、平版印刷版の非画線部にインキが移行して、印刷物のインキ層以外の部分を汚染することをいう。
炭素数8〜22の炭化水素基としては、直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、当該アルキル基は、さらにアルコキシ基等の置換基を有しても良い。
本発明のアミンは、第2級アミンや第3級アミンに加えて第1級アミンを併用してもよい。
アミン全体を説明すると、モノアミン、ならびにジアミンおよびトリアミンなどの多価アミンがある。
モノアミンは、例えばヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等の1級アミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン等の第2級アミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジデシルメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミン、トリオクチルアミン等の第3級アミンが挙げられる。
ジアミンは、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン等のアルキレンジアミンのN−アルキル置換体が挙げられる。
トリアミンは、例えばジエチレントリアミンのN−アルキル置換体等が挙げられる。
多価アミンの場合、その炭素数8〜22の炭化水素基は、N−アルキル基、および窒素原子と窒素原子とを結合するアルキル基ないしアルキレン基が好ましく、直鎖もしくは分岐の炭素数8〜22のアルキル基ないしアルキレン基が好ましい。このような多価アミンは、例えばドデシレンジアミン等が挙げられる。本発明のインキは、多価アミンを使用するとインキのチキソトロピー性が向上し、弾性がより向上する。
また、アミンは、カルボン酸やスルホン酸などで中和された塩の状態でもよい。
アミンは、単独または2種類以上を併用できる
アミンの使用量は、インキ中に0.01質量%以上0.1質量%未満を含み、0.03〜0.09質量%がより好ましい。0.01質量%以上0.1質量%未満になることで光沢および耐摩擦性がより向上する。
本発明で使用する植物油は、植物油そのもの、および植物油を原料とした化合物(変性植物油)を包含する。
植物油は、例えば大豆油、再生大豆油、菜種油、ヤシ油、オリーブ油、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油、ヤトロファ油等が挙げられる。これら植物油を熱重合した油および植物油に酸素を吹き込み重合した油(これらを重合植物油という)等も挙げられるが、これらは変性植物油になる。
一般的に植物油は、グリセリンと脂肪酸のトリエステルをいう。この植物油にモノアルコールを加え、エステル交換反応により得られた脂肪酸モノエステルも変性植物油に含める。また、脂肪酸とモノアルコールをエステル反応させた脂肪酸モノエステル、植物油の脂肪酸を出発原料とし、エーテルに変換したジアルキルエーテルも変性植物油に含める。
モノアルコールは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール,sec−ブタノール、tert−ブタノール、ヘプチノール、2−エチルヘキサノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール等の飽和アルコール;
オレイルアルコール、ドデセノール、フイセテリアルコール、ゾンマリルアルコール、ガドレイルアルコール、11−イコセノール、11−ドコセノール、15−テトラコセノール等の不飽和アルコールが挙げられる。
エーテルは、例えばジ−n−オクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジへプチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジデシルエーテル、ノニルへキシルエーテル、ノニルヘプチルエーテル、ノニルオクチルエーテル等が挙げられる。
植物油は、インキ中に7〜30質量%含むことが好ましく、10〜20質量%がより好ましい。7質量%以上になることでセット性および着肉性がより向上する。また、30質量%以下になることで乾燥性がより向上する。特にヒートセット印刷方式では10〜20%の範囲にするのが好ましい。
本発明で使用するカーボンブラックは、通常、インキに使用する公知のカーボンブラックを使用できる。カーボンブラックは、例えばチャンネル法、オイルファーネス法、ガスファーネス法、アセチレン法等、公知の製造方法で作製できる。カーボンブラックは、基材の種類により適宜種類を変えて使用できる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、60〜150m2/gが好ましい。なお、窒素吸着比表面積は、カーボン年鑑に記載された評価方法である。
また、カーボンブラックの平均一次粒子径は、10〜100nmが好ましい。
また、カーボンブラックのDBP吸油量は150cm3/100g以下が好ましい。
カーボンブラックは、インキ中に5〜30質量%含むことが好ましく、15〜25質量%がより好ましい。5質量%以上になることで印刷物の網点再現性がより向上する。また30質量%以下になることで流動性や着肉性がより向上する。
カーボンブラックは、単独または2種類以上を併用できる。
本発明のインキは、カーボンブラックと共に他の無機顔料、および補色のための有機顔料を併用できる。
無機顔料は、例えば黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、グラファイト、アルミニウム粉等が挙げられる。
有機顔料は、例えばアゾ系顔料として、C系(βナフトール系)、2B系および6B系(βオキシナフトエ系)などの溶性アゾ顔料、βナフトール系、βオキシナフトエ酸アニリド系、モノアゾイエロー系、ジスアゾイエロー系、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、アセト酢酸アリリド系などの縮合アゾ顔料;
フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニン(αブルー、βブルー、εブルー)、塩素、臭素などのハロゲン化銅フタロシアン、金属フリーのフタロシアニン顔料;
多環顔料として、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系顔料等が挙げられる。
無機顔料および有機顔料は、インキ中に0.01〜10質量%使用できる。
本発明のインキは、さらに石油系溶剤を含むことができる。石油系溶剤は、芳香族炭化水素の含有率が1質量%以下が好ましい。また、石油系溶剤は、アニリン点60〜130℃、かつ沸点230〜400℃であることが好ましく、アニリン点80〜100℃、かつ沸点240〜310℃がより好ましい。アニリン点が60〜130℃になるとバインダー樹脂に対する溶解度がより向上するためインキのセット性および着肉性がより向上し、印刷物の光沢がより向上するため好ましい。
石油系溶剤は、市販品でいうと例えばJX日鉱日石エネルギー社製のAFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、およびAFソルベント7号等が挙げられる。
石油系溶剤は、インキ中に0.1〜45質量%含むことが好ましく、特にヒートセット印刷方式のインキでは30〜45質量%の石油系溶剤を添加するのがより好ましい。45質量%以下の割合で含む場合、を環境対応インキとして認証されやすくなる。
本発明のインキは、さらにワックスを含むことができる。ワックスは、天然ワックスおよび合成ワックスに分類できる。
天然ワックスは、例えば植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックスが好ましい。
石油系ワックスは、例えばパラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
合成ワックスは、例えば合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックスが好ましい。
合成炭化水素は、エチレンワックス、フィッシャートロップスワックス等が挙げられる。これらの中でもポリエチレンワックスが好ましい。
ワックスは、インキ中に0.1〜6質量%含むことが好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。0.1質量%以上になることで耐摩擦性がより向上する。また、6質量%以下になることで高光沢を維持した印刷物が得られる。
本発明のインキは、他の任意成分として乾燥抑制剤、金属ドライヤーや地汚れ防止剤等を配合できる。これらの任意成分は、多量に配合するとインキ物性に悪影響を与える恐れがあるため、インキ中に合計6質量%未満の範囲で好ましい。なお本発明のインキは、課題を解決できる範囲内であれば、体質顔料を併用しても良い。
本発明のインキは、公知の製造法で作製できる。製造法の1例を説明するとカーボンブラック、アミン、バインダー樹脂、植物油を加えて190℃で1時間程度撹拌することでワニスを作製する。次いでワニスに顔料、石油系溶剤、植物油、分散剤を加え分散処理を行いインキ用ベースを作製する。前記分散処理は、ビーズミル、3本ロール等が好ましい。得られたインキ用ベースに石油系溶剤、植物油、他添加剤を加えて、所定粘度に調整しインキが得られる。インキの用途は、グラビア印刷、平版印刷、シルクスクリーン印刷等に適用できるところ、平版印刷が好ましい。平版印刷は、例えばオフセット輪転印刷機用インキ、新聞印刷機用インキ、枚葉印刷機用インキ等が挙げられる。輪転印刷機には、乾燥方式としてチラシや雑誌などを主に印刷するヒートセット方式(蒸発乾燥)のインキが好ましい。
なお、インキの製造法におけるアミンの使用方法は、インキの作製の適当なタイミングで配合できるところ、ワニスの作製前に配合するとインキの粘性をチキソ性よりに調整し易くいなる。また、アミンは、液体や固形の形状があるため、固体のアミンを使用する場合は、予め微細の分散処理する、または予め植物油等を用いて分散処理するとインキの製造時にインキ中にアミンを分散し易くなる。
本発明の印刷物は、基材と、インキから形成されたインキ層とを備えている。
基材は、印刷物用の公知の基材が使用できる。基材は、紙基材、フィルム基材等が挙げられる。本発明は、紙基材が好ましい。紙基材は、例えば塗工紙、微塗工紙、非塗工紙、更紙等が挙げられる。
紙基材は、一般的に塗工紙で60〜200g/m2、微塗工紙・非塗工紙で30〜80g/m2、更紙で30〜50g/m2程度である。
インキ層の形成は、公知の平版印刷機を使用する。
インキ層の厚さは、通常0.1〜5μm程度である。
印刷物の用途は、ポスター、チラシ、雑誌、コミック、書籍、新聞等が挙げられる。
以下、実施例により本願発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本願発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例において「部」は、「質量部」を表し、「%」は、「質量%」を表す。また、表中の配合量は、質量部である。
<質量平均分子量>
質量平均分子量は、ゲルパーミネイションクロマトグラフィ(HLC−8020 東ソー社製)で測定した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgelSuperHM−M(東ソー社製)を3本を用いた。測定は、流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。なお、さらに、質量平均分子量は、単に「分子量」ということがある。
<粘度>
粘度は、25℃でレオストレスRS6000 (ドイツ・ハーケ社製)を用いて、ローターC20/0.5°TiL(チタン製、ロング)の条件で静置状態から毎秒2回転の割合でローターの回転数を増やし1分間で120rpmに到達したときの数値を粘度とした。
(レゾール型フェノール樹脂の合成例)
撹拌機、冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコにオクチルフェノール1000部、純度92%のパラホルムアルデヒド480部、純度98%の水酸化カルシウム10部、キシレン530部を加えて、90℃で5時間反応させる。その後フラスコにキシレン430部、水250部を加え、撹拌しながら濃度98%の硫酸を10部滴下した。撹拌終了後、静置した。次いで溶液の上層部(水)を除去し、下層部の溶液を不揮発分60%のレゾール型フェノール樹脂溶液(以下、樹脂溶液A)として得た。
(ロジン変性フェノール樹脂の合成例)
撹拌機、水分分離器付き冷却器、温度計をつけた4つ口フラスコに、ガムロジン440部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら200℃で溶解した。次いでフラスコに、得られた樹脂溶液A 870部を200℃で2時間かけて滴下した。その後、キシレンを除去しながら内温を250℃に昇温し、250℃でグリセリン40部、p−トルエンスルホン酸0.22部を仕込み14時間反応させた。反応終了後、冷却を行い重量平均分子量(Mw)60,000、酸価26のロジン変性フェノール樹脂を得た。
(ゲルワニスの製造例)
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計付4つ口フラスコに得られたロジン変性フェノール樹脂 44部、大豆油35部、石油系溶剤としてAFソルベント7号(JX日鉱日石エネルギー社製)20部、ゲル化剤としてALCH(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド 川研ファインケミカル社製)1部を仕込み、内温を190℃に昇温した。190℃で60分間攪拌を行った後、冷却することでゲルワニス1を得た。
実施例で用いた原料は以下の通りである。
<アミン>
○モノアミン
・ジオクチルアミン 第2級(東京化成工業社製)
・ジオクタデシルメチルアミン 第3級(シグマアルドリッチ社製)
○ジアミン(第2級)
・N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン(リポミンDT−T、ライオン社製)
〇トリアミン(第2級)
・ドデシルジプロピレントリアミン(トリアミンY12D、ライオン社製)
<体質顔料>
〇有機ベントナイト(ビスコゲルSD Bentec S.P.A社製)
(実施例1)
カーボンブラック(三菱化学社製、DBP吸油量72ml/100g、BET比表面積99m2/g) を20部、得られたゲルワニス1を68部、AFソルベント7号を5部、ジオクチルアミン0.03部、再生大豆油(ヨウ素価117)1部を仕込み、常法に従い三本ロールを用いてヒートセット型墨ベースインキを得た。得られた墨ベースインキをAFソルベント7号 3.5部、ゲルワニスを2.47部混合して、粘度を20Pa・sに調整することでヒートセット型のインキを得た。
実施例1の原料および配合量を表1に記載された通りに変更した以外は、実施例1と同様に行うことで、それぞれ実施例1〜12および比較例1〜3のインキを得た。なお比較例1は、下記評価の標準品(基準)として使用した。
<フロー値>
得られたヒートセット型インキについて、弾性をスプレッドメーター(東洋精機製作所社製)を使用したスプレッドメーター法(JIS 5101−6−1)にて流動性を試験した。試験は、水平に置いた2枚の平行板の間に挟まれたヒートセット型インキが、荷重板の自重によって、同心円状に広がったインキについおいて60秒後のインキの直径でフロー値を測定した。直径の大きさに反比例してインキの弾性が高い。なお試験は、3回の平均値であり。アミンを配合していない比較例1を基準として評価を行った。結果が負の数値の場合、比較例1に対してフローが少ないためインキの弾性が高いと評価する。
<印刷物の作成>
得られたインキをプリューフバウ多目的印刷適性試験機MZ−II(アィジィーティ・テスティングシステムズ社製)を用いて塗工紙のパールコートN〈68〉(三菱製紙社製)に転写し、印刷物を作成した。印刷濃度はグレタグマクベスD196(エックスライト社製)を用いて濃度1.90±0.3に調整した。
<光沢>
得られた印刷物について、グロスメーターGM−26D(村上色彩技術研究所社製)を用いて60度鏡面光沢度を測定した。なお、評価は、光沢値は、基準からプラスマイナス2を超えると相違が視認できるとして判定した。
<耐摩擦性>
得 られた印刷物について、染色堅ろう度摩擦試験機(東洋精機製作所社製)を用いて当て紙をパールコートN〈68〉(三菱製紙社製)とし、500g荷重・5回往復の条件で耐摩擦性を評価した。なお評価基準は以下の通りである。
4.標準品より耐摩擦性が良好。
3.標準品と同等の耐摩擦性。実用域。
2.標準品より耐摩擦性がやや劣る。実用不可
1.標準品より耐摩擦性が非常に劣る。実用不可
Figure 0006589583
表1に示す通り、実施例1〜12は、アミンを少量使用することで体質顔料がインキ物性に与える悪影響を抑制し、弾性・光沢・耐摩擦性を備えたインキが得られることがわかる。
一方、比較例2および3は、弾性・光沢・耐摩擦性を全て満たすことはできなかった。

Claims (2)

  1. カーボンブラック、アミン、バインダー樹脂、植物油を含有する平版印刷インキであって、
    前記アミンは、平版印刷インキ全量に対して0.01質量%以上0.1質量%未満を含み、
    前記アミンは、少なくとも一つの炭素数8〜22の炭化水素基を有し、
    前記アミンの置換基の合計炭素数が12以上であり、
    前記アミンが、第2級または第3級アミンである、平版印刷インキ。
  2. 基材と、請求項1記載の平版印刷インキから形成されたインキ層とを備えた、印刷物。
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