JP3240768B2 - ロジン変性フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ロジン変性フェノール樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオフセット印刷におい
て、優れたインキ性能と印刷作業性を有する印刷インキ
用樹脂製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オフセット印刷インキに用いる溶
剤は従来の溶剤の芳香族成分を水添し非芳香族成分とし
たソルベントが主体となってきた。その主たる理由は大
気汚染の危険が少なく、臭気が少ない良好な印刷環境が
得られる事が挙げられる。ところが、このアロマフリー
(以下AFという)ソルベントは溶解性が従来のインキ
溶剤と比較して乏しいという欠点がある。ロジン変性フ
ェノール樹脂のAF溶剤に対する溶解性測定の目安とし
て、AF6号ソルベント(日本石油化学株式会社商品
名)に対する溶解性がある。測定方法としては、たとえ
ば25℃において溶液が白濁した時の溶液中の樹脂%で
表す。この樹脂%が低いほどロジン変性フェノール樹脂
のAF溶剤に対する溶解性が良好になる。実施例でこの
AF6号ソルベント溶解性を具体的に述べる。
【0003】AFソルベントと組み合わせられる樹脂
は、溶剤に対する溶解性が良好なものしか使用できな
い。従来の溶解性が良好なるロジン変性フェノール樹脂
は、使用するレゾール型フェノール樹脂の配合比率を多
くして、レゾール型フェノール樹脂の縮合核体数を大き
くしているものが主体であった。このような組成のロジ
ン変性フェノール樹脂は酸価が高くなり、オフセットイ
ンキにした場合乳化量が多くウォーターマークが発生し
やすくなる。またAFソルベントを使用してインキ化し
た場合、従来の溶剤を使用したインキとセットは同等で
も、紙上乾燥が極端に長くなるという問題点が新たに発
生した。
【0004】AFソルベント使用インキで溶解性が乏し
い従来のロジン変性フェノール樹脂を併用すれば上記問
題は改善できる。ところが、インキ中にこのような低溶
解性の成分を入れると高級アルコールや乾性油を多量に
用いてインキの安定性を保持させなければならない。こ
れらの高級アルコールや乾性油を多量に用いるとやはり
乾燥性が遅くなる。乾燥性が遅くなると枚葉インキでは
棒積み量の不足、オフ輪インキでは加熱乾燥時の乾燥不
良につながり、高速印刷適性が著しく劣ったインキしか
得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
のロジン変性フェノール樹脂を用いて、AFソルベント
を使用してインキを設計するかぎりは光沢が出ても乾燥
性で満足がいく性能が得られない。また安定性が劣り経
時でインキがしまったり、温度依存性が強く機上で状態
が変化しやすいようなインキになってしまう。かかる実
状に鑑みて、本発明者らは、AFソルベントを使用して
従来のロジン変性フェノール樹脂では得られない、光沢
と乾燥性のバランスが良く、インキの安定性が特に優れ
た、新規なインキ用樹脂を求めて鋭意検討し、本発明に
到達したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロジン類
(a)50重量部に対してレゾール型もしくはノボラッ
化後レゾール化したフェノール樹脂(b)30〜80
重量部、及び多価アルコール(c)をロジン類(a)中
のカルボン酸に対して1モル当量以下で反応せしめ
いで反応生成物中に酸価40以下で残存しているフェノ
ール性OH基を酸触媒を使用してテレピン油とフリーデ
ルクラフツ反応せしめることを特徴とする改良されたロ
ジン変性フェノール樹脂の製造方法に関する。
【0007】本発明では、ロジン変性フェノール樹脂、
特にレゾール型フェノール樹脂成分がロジン類50重量
部に対して30〜80重量部を含むフェノール樹脂にお
いて、ロジンとクロマン環の生成に関与していない未反
応のフェノール性OH基を酸触媒の存在下で、フリーデ
ルクラフツ反応させテルペンフェノールエーテルにする
ことによって、フェノール性OH基の構造を改質するも
のである。すなわち、ロジン変性フェノール樹脂中のフ
ェノール部分の構造は、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール等と類似しており、酸化防止剤の効果
が知られているように、フェノール性OHのOとHの結
合が弱いフェノール化合物はビヒクルが乾燥する過程に
おいて最初に生成する過酸化物ラジカルと反応してしま
うため乾燥工程のラジカル重合が阻害される。この乾燥
工程の阻害成分であるフェノール性OH基をテルペンフ
ェノールエーテル化するのである。
【0008】ロジン(a)としてはガムロジン、ウッ
ドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、不均斉化ロジ
ンなどが挙げられる。ロジン(a)に少なくとも3核
化以上のレゾール型もしくはノボラック化後レゾール化
したフェノール樹脂(b)と、多価アルコール(c)を
添加し少なくとも220℃以上、好ましくは240〜2
75℃でエステル反応することによりAFソルベントに
対する溶解性が良好なロジン変性フェノール樹脂を製造
することができる。この製造方法は特開昭58−652
33号公報に述べられているような特別な方法をとる必
要はなく既知の方法で充分製造可能である。
【0009】ロジン(a)と多価アルコール(c)を
エステル化するときには、触媒としてアルカリ性物質を
用いることができない。好ましくは無触媒または酸性雰
囲気中で反応する。なぜならば後述する残存フェノール
性OH基とテレピン油のフリーデルクラフツ反応におい
て、アルカリ触媒が存在すると酸触媒が中和されテルペ
ンフェノールエーテルの生成が著しく阻害され、また両
触媒の中和生成物のため製品が濁ることがあるためであ
る。
【0010】本発明で使用するフェノール樹脂(b)
は、レゾール化もしくはノボラック化した後レゾール化
して少なくとも3核体以上の核数を持つフェノール樹脂
でなければならない。1核体もしくは2核体のフェノー
ル樹脂の場合、フェノール性OH基がほとんどロジン
(a)とのクロマン環生成に消費されてしまっている可
能性がある。未反応のフェノール性OH基が系内になけ
ればテレピン油成分が反応せず反応系外へ蒸発してしま
い酸触媒による装置の腐食、樹脂の着色が激しくなる。
ェノール樹脂(b)に使用されるフェノール類として
は、パラ位にC4〜C12の置換基を持つアルキルフェノ
ールが最も好ましい。アルデヒド成分としては、パラホ
ルムアルデヒドおよびホルマリン水溶液を使用する。上
記成分をアルカリ触媒を使用して、上記ロジン類(a)
反応させるェノール樹脂(b)を合成する。アルカ
リ触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ア
ンモニア水溶液などがあげられる。レゾールの反応に使
用したアルカリ触媒も、テレピン油と残存フェノール性
OH基のフリデルクラフツ反応における酸触媒の効果
を阻害しないよう充分中和洗浄しておく必要がある。こ
の中和洗浄が不充分であれば酸触媒が中和されテルペン
フェノールエーテルの生成が著しく阻害され、また両触
媒の中和生成物のため製品が濁ることがあるためであ
る。
【0011】本発明で使用する多価アルコール(c)と
して、たとえばグリセリン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトールなどがあげら
れる。かかる多価アルコール(c)の使用量は得られる
ロジン変性フェノール樹脂の溶解性と密接に関係するた
め、ある程度制限され、通常はロジン(a)のカルボ
ン酸に対し1モル当量以下、好ましくは0.6〜0.8
5モル当量を添加する。それ以上の量を添加すると樹脂
の溶解性が低下するため好ましくない。過剰のアルコー
ル性OH基はインキの乳化量を多くし印刷時にウォータ
ーマークが発生しやすくなる弊害がある。
【0012】本発明でロジン変性フェノール樹脂のフェ
ノール性OH基と反応させるテレピン油成分として、生
テレピン油、精製テレピン油が挙げられる。好ましくは
α−ピネン含有量が80重量%以上の精製テレピン油の
使用が反応性において有効である。テレピン油成分の投
入量は残存フェノール性OH基を含むフェノール核と当
モル量投入する。投入量が多ければ分子量が成長せずミ
スチングが多くなりセット不良になる。少なければ残存
フェノール性OH基の改質が不充分で乾燥性が改良でき
ない。
【0013】酸価40以下での残存フェノール性OH基
とテレピン油とのフリーデルクラフツ反応において酸触
媒の使用は必要不可欠の成分である。酸触媒の使用量は
通常添加前のロジン変性フェノール樹脂の重量に対し、
0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5
重量%を投入する。投入量が上記規定量より少ない場合
は反応が不充分になり、上記設定量よりも多い場合は異
常発熱等危険であり装置の腐食が激しくなる。酸触媒と
しては、たとえば三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウ
ム、塩酸、硫酸、リン酸類、パラトルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸どが挙げられる。中でもテレピン油がフ
ェノール性OH基の酸素原子を介して結合したテルペン
フェノールエーテル構造が、テレピン油がフェノール核
に直接結合したテルペンフェノール構造よりも優先的に
得られ、上述したロジン変性フェノール樹脂の製造温度
で投入できるパラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、
濃硫酸等の硫酸化合物が好ましい。三フッ化ホウ素、無
水塩化アルミニウムを使用するときには反応系を30℃
以下に保たないと異常発熱爆発の危険がある。当触媒は
ロジン変性フェノール樹脂をワニス化して液状となして
使用した場合に効果がある。
【0014】また、さらには本発明のロジン変性フェノ
ール樹脂はロジン類(a)の不飽和二塩基酸変性、石油
樹脂変性、アクリル変性、ウレタン変性や、従来から印
刷インキ用に用いられているロジン変性フェノール樹
脂、アルキッド樹脂、石油樹脂と併用することも可能で
ある。
【0015】本発明の樹脂を用いて印刷インキ用ワニス
とするには、本発明の樹脂100重量部に対して溶剤お
よびまたは乾性油(または重合油、乾性油アルキッド樹
脂等の乾性油変性体)を50〜150重量部使用して
解する。実際の使用にあたっては、オクチル酸アルミニ
ウム、オクチル酸ジルコニウム、アルミニウムトリイソ
ブロポキサイド、アルミニウムジプロポキサイドモノア
セチルアセトナートなどによるゲル化剤を利用してゲル
ワニスとし、黄色、紅色、藍色または墨色などの顔料を
分散し、必要に応じて耐摩擦性向上剤、インキドライヤ
ー、乾燥抑制剤などのコンパウンドを添加し、適切な粘
度になるよう調整することで枚葉インキ、オフ輪インキ
などの湿し水を使用するオフセットインキあるいは水な
しオフセットインキとなる。
【0016】また新聞インキや凸版インキとしても使用
できる。さらに本発明の樹脂を用いてグラビアまたはフ
レキソインキ用ワニスとするには、本発明の樹脂100
部に対し、常圧における沸点が140℃以下の脂肪族お
よび脂環族炭化水素を100〜200重量部で溶解すれ
ばよい。次に具体例により本発明を説明する。「部」
「%」とは、重量部、重量%を表す。
【0017】
【実施例】
製造例 1(レゾール型反応物の製造) 攪拌器、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコ中に、
p−t−アミルフェノール1640部と92%パラホル
ムアルデヒド652部とトルエン1260部を仕込み、
60℃まで加熱し溶解した後、水酸化カルシウム8.2
部を投入する。90℃に加熱し4時間反応し平均核体数
2核体のレゾールを調整後、さらに110℃まで昇温し
平均核体数4〜6核体のレゾール型フェノール樹脂にな
るまで同温度で脱水を行った。この樹脂を酸で中和した
後洗浄水のpHが6〜7になるまで水洗して、ロジンと
の反応に使用する。
【0018】製造例 2 攪拌器、還流冷却器、温度計付き4つ口フラスコ中に、
p−t−アミルフェノール1640部と92%パラホル
ムアルデヒド326部とトルエン1260部と蓚酸8.
2部と17%硫酸4.1部を仕込み、110℃で平均核
体数4〜6核体のノボラック型フェノール樹脂になるま
で同温度で脱水を行った。フェノール核体確認後60℃
まで冷却し洗浄水のpHが6〜7になるまで水洗した。
ついで同温度で92%パラホルムアルデヒド326部と
水酸化カルシウム8.2部を投入したのち90℃に加熱
し2時間反応しフェノール核体にメチロール基を付加さ
せた。この樹脂を酸で中和した後洗浄水のpHが6〜7
になるまで水洗して、ロジンとの反応に使用する。
【0019】実施例 1(ロジン変性フェノール樹脂の
製造) 攪拌器、水分離器付き還流冷却器、温度計付き4つ口フ
ラスコに、ガムロジン660部を仕込み、窒素ガスを吹
き込みながら加熱し、200℃以下で溶融攪拌し製造例
1で製造したレゾール型フェノール樹脂670部(固形
分65%)とグリセリン57部を投入した後、系内の様
子を逐次観察しながら昇温し265℃となす。この際、
トルエンと水(エステル化による反応脱水)を水分離器
付き還流冷却器で回収し、同温で6時間反応して、酸価
36になった時点で、テレピン油を126部とパラトル
エンスルホン酸0.8部を投入した後、265℃で4時
間反応して製品とした。得られた製品は酸価16、軟化
点178℃、AF6号ソルベント溶解性17%、MW7
万であった。
【0020】実施例 2 実施例1で使用したガムロジンの1部をガムロジン/ト
ール油ロジン=50/50に置き換えた他は実施例1と
同様に操作した。260℃で6時間反応して酸価39に
なった時点でテレピン油を126部とパラトルエンスル
ホン酸0.8部を投入した後265℃で8時間反応して
製品とした。得られた製品は酸価20、軟化点172
℃、AF6号ソルベント溶解性7%、MW4万であっ
た。
【0021】実施例 3 実施例1で使用したレゾール型フェノール樹脂を製造例
2のノボラック化した後レゾール化したフェノール樹脂
に置き換えた他は実施例1と同様に操作した。260℃
6時間反応して酸価39になった時点で、テレピン油を
189部とパラトルエンスルホン酸0.8部を投入した
後265℃で8時間反応して製品とした。得られた製品
は酸価21、軟化点174℃、AF6号ソルベント溶解
性10%、MW5万であった。 実施例4 実施例1で使用したグリセリン57部をペンタエリスリ
トール45部に置き換えた他は実施例1と同様に操作し
た。270℃9時間反応して酸価39になった時点で、
テレピン油を126部とパラトルエンスルホン酸0.8
部を投入した後265℃で8時間反応して製品とした。
得られた製品は酸価17、軟化点182℃、AF6号ソ
ルベント溶解性12%、MW7万であった。
【0022】実施例 5 実施例1で酸価36の時点でキシレン900部を投入し
反応温度30℃まで冷却した後三フッ化ホウ素フェノー
ルコンプレックスを0.4部投入し、テレピン油126
部を反応温度30℃以下に保持したまま滴下した。樹脂
固形分の酸価が25以下になったところから昇温を開始
しキシレンと反応水を水分離器付き還流冷却器で回収
し、260℃まで昇温しその後同温で2時間保温し製品
とした他は実施例と同様に操作した。得られた製品は酸
価8、軟化点169℃、AF6号ソルベント溶解性7
%、MW5万であった。
【0023】比較例 1 実施例1で酸価36の時点でテレピン油を添加せずパラ
トルエンスルホン酸0.8部を投入して反応した他は実
施例1と同様に操作した。260℃で14時間反応し
て、得られた製品は酸価29、軟化点168℃、AF6
号ソルベント溶解性22%、MW5万であった。
【0024】比較例 2 比較例1と同様の組成で樹脂が265℃に昇温した時点
でエステル化触媒として酢酸亜鉛を0.8部使用して,
酸価40以下でパラトルエンスルホン酸を添加しなかっ
た他は比較例1と同様に操作した。260℃で10時間
反応して、得られた製品は酸価30、軟化点172℃、
AF6号ソルベント溶解性25%、MW6万であった。 比較例 3 比較例1で使用したレゾール型フェノール樹脂を製造例
2のノボラック化した後レゾール化したフェノール樹脂
に置き換えた他は比較例1と同様に操作した。260℃
で18時間反応して、得られた製品は酸価33、軟化点
169℃、AF6号ソルベント溶解性12%、MW4万
であった。
【0025】次に実施例および比較例で得られた樹脂の
インキ評価結果を示す。
【0026】a.インキの作成 実施例1〜5および比較例13で得られた各々の樹脂
をアマニ油とAF6号ソルベントに溶解し、各々の樹脂
に合わせた量(0.3〜1.5部)のAlCH(川研フ
ァインケミカル(株)社製ゲル化剤)を添加してゲルワ
ニスを作成した。得られた各々のゲルワニス60部とカ
ーミン6B(東洋インキ製造(株)社製紅顔料)18部
を三本ロールミルを用いて分散し、AF6号ソルベント
とゲルワニスを総量100部となるように添加して、つ
いで6%ナフテン酸マンガン溶液(ハリマ化成(株)社
製ドライヤー)を0.5部添加して、25℃のタックが
8.5〜10.0、フローが17.0〜18.0になる
ように調整して枚葉インキを得た。
【0027】c.印刷試験評価 光沢:インキ.15ccをRIテスター((株)明製作
所製)全面ロールでアート紙に展色したのち、24時間
後の光沢値を60゜−60゜光沢計で測定した。セッ
ト:インキ.15ccをRIテスター((株)明製作所
製)4カットロールで展色したのち、展色物を切りそれ
を別のアート紙に貼り合わせ、RIテスターのロールを
用いて、インキがアート紙に付着しなくなるまでの時間
(分)を測定した。 紙上乾燥性:インキ0.2ccをRIテスター4カットロ
ールで硫酸紙に展色したのち、硫酸紙を重ね合わせ、朝
陽会式乾燥試験機にセットし0.1rpmの条件で乾燥
時間を比較した。機上乾燥性:インキを75μmのアプ
リケーターでガラス板上に展色したのち、25℃湿度6
5%の条件下で30分ごとに指触乾燥時間を調査し
た。
【0028】試験の結果を表−1に示す。 表−1 ─────────────────────────── 光沢 セット 紙乾燥 機上乾燥 実施例1 68 12分 9時間 4時間 実施例2 75 15分 10時間 6時間 実施例3 68 12分 10時間 5時間 実施例4 67 6分 7時間 3時間 実施例5 67 9分 10時間 6時間 比較例1 70 15分 15時間 9時間 比較例2 64 9分 12時間 7時間 比較例3 68 15分 18時間 10時間 ───────────────────────────
【0029】評価 表−1からも明らかなようにAFソルベントを使用した
インキ系において、本発明により得られたロジン変性フ
ェノール樹脂は、印刷インキ用樹脂として比較例のもの
に比べ光沢とセットのバランスを調整したさい、乾燥性
の向上に著しい改善が見られる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法に従って得
られる、ロジン(a)とレゾール型もしくはノボラッ
ク化後レゾール化したレゾール型フェノール樹脂(b)
と多価アルコールを反応させたロジン変性フェノール樹
脂の、残存するフェノール性OHをテレピン油で酸触媒
の存在下でテルペンフェノールエーテルにして改質した
樹脂は、インキ用として、とりわけAFソルベントを使
用した無臭・無公害型平版印刷インキ用として用いると
きは、光沢とセットのバランスがよく、乾燥が良好なイ
ンキが得られる。枚葉インキでは棒積み量が増えオフ輪
インキではより印刷機速度を上げられることから、格
別、高速印刷適性を備えた、極めて実用的効果を有する
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 8/00 - 8/38 C09D 11/10 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジン類(a)50重量部に対してレゾ
    ール型もしくはノボラック化後レゾール化したフェノー
    ル樹脂(b)30〜80重量部、及び多価アルコール
    (c)をロジン類(a)中のカルボン酸に対して1モル
    当量以下で反応せしめ次いで、反応生成物中に酸価4
    0以下で残存しているフェノール性OH基を酸触媒を使
    用してテレピン油とフリーデルクラフツ反応せしめる
    とを特徴とする改良されたロジン変性フェノール樹脂
    製造方法
  2. 【請求項2】 レゾール型もしくはノボラック化後レゾ
    ール化したフェノール樹脂(b)の縮合している核体数
    が3以上である請求項1記載のロジン変性フェノール樹
    の製造方法
  3. 【請求項3】 テレピン油との反応により酸価25以
    とする請求項1記載のロジン変性フェノール樹脂の製
    造方法
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