JPH0925134A - スクライブ溝の形成方法および装置 - Google Patents
スクライブ溝の形成方法および装置Info
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Abstract
に切断することを目的とする。 【構成】 ホイルカッタを脆性材料表面に押圧しながら
走行させて脆性材料表面にスクライブ溝を形成する方法
において、ホイルカッタのホイル部が、脆性材料に対し
て相対的に、ホイル部の回転軸方向に対して垂直の成分
を有する方向に振動するように、外部からホイル部また
は脆性材料に繰返し衝撃荷重を付与することを特徴とす
るスクライブ溝を形成する方法である。
Description
等の脆性材料の板に切断用のスクライブを刻む方法、特
にホイルカッタを脆性材料の板に押し当てながら走行さ
せて、脆性材料の板にスクライブ溝を形成する方法およ
びそのための装置に関する。
イルカッタ切断装置では、ホイルカッタを脆性材料表面
に押し当てながら、一般的には数十cm毎秒あるいはそ
れ以上の速度でホイルカッタないし脆性材料を移動させ
て、脆性材料板を容易に切断できるような深いスクライ
ブ溝を形成している。しかし、ホイルカッタの移動速度
が数十cm毎秒を下回るとスクライブ溝の深さは大幅に
低下し易く、脆性材料板の切断は難しくなる傾向があ
る。複雑な曲線切断などを実施する際には、切断装置の
機構上、ホイルカッタないし脆性材料の移動速度を数十
cm毎秒以下に落とさざるを得ないので、ホイルカッタ
を脆性材料表面に押し当てる圧力を高くしてスクライブ
溝を深くすることができる。
性材料表面のスクライブ溝周辺に発生する微小な割れ欠
けが大幅に増大して、脆性材料の切断面の品質が低下す
るのが現状である。従って、脆性材料を複雑な曲線に沿
って正確かつ容易に切断することは困難であった。
克服して、脆性材料を複雑な曲線に沿って正確かつ容易
に切断することを目的とする。
脆性材料表面に押圧しながら走行させて脆性材料表面に
スクライブ溝を形成する方法において、ホイルカッタの
ホイル部が、脆性材料に対して相対的に、ホイル部の回
転軸方向に対して垂直の成分を有する方向に振動するよ
うに、外部からホイル部または脆性材料に繰返し衝撃荷
重を付与することを特徴とするスクライブ溝を形成する
方法である。
ルカッタを脆性材料表面に押圧するための押圧手段を有
する、ホイルカッタを脆性材料表面に押圧しながら走行
させて脆性材料表面にスクライブ溝を形成する装置にお
いて、前記ホイルカッタと前記押圧手段との間に機械振
動を発生する手段を設けることを特徴とするスクライブ
溝の形成装置である。
成する場合、ホイルカッタは低速走行の場合に比べ、走
行方向の前後と上下方向に激しく振動している点が異な
り、これが深いスクライブ溝形成に寄与していると考え
られる。ホイルカッタを直線部に沿って走行移動させる
場合はその速度を高速にすることが可能であり、その
際、カッタホイル(ホイル部)は高速回転移動のため上
下前後左右に激しく振動し、ガラス表面に強い衝撃を与
え続けていると考えられる。従って、ホイルカッタを脆
性材料表面に押圧する静圧力が大きくなくても、深いス
クライブ溝が形成される。
部では、ホイルカッタの移動速度は直線部における高速
度を維持することができず、移動速度は数十cm毎秒を
下回っており、カッタホイルは回転軸ピンに対し振動を
伴わずに回転するので、スクライブ溝は衝撃が伝わらな
いため溝の深さは進展しない。
脆性材料に繰返し衝撃荷重が付与されるので、ホイルカ
ッタの移動により形成される小さなスクライブ溝が、ホ
イル部刃先に加えられた振動の衝撃を受けて、クライブ
溝先端部にせん断力を作用させられることにより更に深
くなる。
ラスホイルカッタ装置の構成を示す。エアーシリンダ1
の外筒2は支持部3に固定されており、エアーシリンダ
内筒4は、重り5を介して圧電アクチュエータ6の一端
に連結している。エアーシリンダの代わりに、例えばバ
ネを利用した加圧手段などの、ホイルカッタを脆性材料
表面に押圧するための押圧手段を用いることができる。
ッタ軸9,カッタホイル(ホイル部)10からなり、圧
電アクチュエータ6の他端はカッタ保持部8に連結され
ている。カッタ保持部8は、エアーシリンダ内筒4の移
動方向に移動可能なように、スライダ機構11を介して
支持部3に取り付けられている。カッタ軸9はスラスト
ベアリング12を介してカッタ保持部8の内側に回転自
在に装着されており、カッタ軸9の下端には、前記軸9
の中心軸より偏心した位置に設けた回転軸ピン13に、
カッタホイル10が回転自在に保持されている。
ーシリンダ1に空気圧を作用させて加圧状態にすると、
内筒4の下降によりホイルカッタ部7が下降してガラス
板14の表面に接触する。そして、エアシリンダ1の圧
力による荷重に重り5の荷重が加わった静荷重約10k
gは、ガラス板14表面に直接カッタホイル10を押し
当てる力となる。
を印加することにより、図の矢印の方向に変位しうるも
のであり、例えば最大変位量15μm、最大発生力35
0kgのものを使用される。周期的に変化する脈流直流
電圧を印加することにより、圧電アクチュエータはその
電圧に応じて周期的に上下に伸縮し、機械的振動を発生
する。この振動は、重り5の重量(約5kg)の作用に
より、エアーシリンダ1の方向には伝わって逃げること
なくホイルカッタ部7に効率よく伝わる。
リンダの方向の物体の全重量(エアーシリンダ内筒等)
とエアーシリンダ圧による荷重との合計(A)が、圧電
アクチュエータから見て、ホイルカッタ部側の全重量
(B)よりも非常に小さいときには、圧電アクチュエー
タから発生する振動がホイルカッタ部に効率的に伝わら
なくなるので、重りを設けて(A)を増加させるが、重
りを設けなくても(A)が(B)に比べてそれほど小さ
くないときには、重りは必須ではない。通常は(A)の
値を約10kg、(B)の値を約200gにすることが
でき、この場合には重りは不要である。
ッタ装置を用いて、フロート法によって製造された厚み
3mm、70cm×120cmのソーダ石灰ガラス板1
5の切断すべき形状の閉曲線16に沿って移動させてい
る状態を示した例である。被切断ガラス板としては、2
〜20mm厚みのものが切断することができる。支持部
3が、ガイド機構(図示せず)によって、閉曲線16に
沿って移動すると、カッタホイルの回転軸ピンはカッタ
軸の回転軸心に対して偏心しているため、カッタ軸の回
動に伴ってカッタホイルの刃は閉曲線16に沿いながら
進行して、ガラス表面に閉曲線16に一致したある深さ
のスクライブ溝を形成する。
とえば曲率半径が約10cm以上)17に沿って移動さ
せているときは移動速度を高速、例えば100〜200
cm/秒にすることが可能であるが、曲線部(たとえば
曲率半径が約10cm未満、特に5cm未満)18では
移動方向が急激に変化するため、装置の機構上、ホイル
カッタ部の移動速度は前記直線部17における高速を維
持することができず、移動速度を50cm/秒以下にす
る。この曲線部18の箇所では、ピーク電圧が80V,
最低電圧ゼロボルトの500Hzの直流脈流電圧を印加
したアクチュエータ6によって、ホイルカッタ部7に5
00Hzの強制振動を加えた。この条件でアクチュエー
タの変位特性(発生力と変位との関係)は、最大発生力
(変位がゼロのとき)280kg、最大変位(発生力が
ゼロのとき)12μmであった。その結果、曲線部18
におけるスクライブ溝の深さは、アクチュエータを作動
させなかったときの約400μmに比べて、約700μ
mであり、前記直線部17での深さとほぼ同じ値であっ
た。
も、アクチュエータを作動させて閉曲線全体に沿ってス
クライブ溝を形成させ、閉曲線16の外側のガラス部分
22にわずかの熱応力を与えたところ、スクライブ溝が
ガラス板の厚み方向全体に進行して、内側の曲線形状ガ
ラス板23が切断分離された。そしてスクライブ溝の周
りのガラス表面には微小な割れ欠けの発生は殆ど生じ
ず、得られた曲線形状ガラス板のコバ面には微小な欠け
が観察されなかった。なおエアーシリンダの圧力は、ホ
イルカッタ部がガラス板に約10kgの静荷重を負荷す
るように調節した。
線部を移動させるときには、エアーシリンダの圧力をさ
らに高くしてガラス板への静荷重を約15kgに高める
ことにより、この曲線部のスクライブ溝深さを約700
μmにすることができるものの、スクライブ溝の周りの
ガラス表面には微小な割れ欠けが非常に多く発生し、得
られた曲線形状ガラス板のコバ面には微小な欠けが見ら
れた。
切断を繰り返したところ、カッタホイルを取り替えるこ
となく約100枚のガラス板を切断することができた
が、アクチュエータを作動させないで曲線部を移動させ
るときに、エアーシリンダの圧力をガラス板への静荷重
を約15kgに高める方法では、約50枚のガラス板の
切断でカッタホイルの痛みが激しく取り替えが必要であ
った。
チュエータとしては、20Hz〜100kHzの範囲、
より好ましくは50Hz〜50kHzの範囲の中のいず
れかの振動数で正弦波〜矩形波の波形の繰返し衝撃荷重
を発生しうるものが使用することができ、上述のピエゾ
素子などの圧電素子の他に、例えば数十Hz〜数十kH
zの周波数の音波帯域でよく用いられる電磁スピーカ型
や、数十kHz以上の帯域で超音波洗浄器などでよく用
いられる磁歪形変換器(振動子)などを用いることがで
きる。振動が加えられるものであれば、上記のような電
力を利用する方式に限らず、例えば円柱状物体をその中
心軸から偏心した位置を回転軸として回転させる方式で
もよく、繰返し衝撃荷重を発生できるものであればその
方式は問わない。
チュエータとしては、最大変位量が2〜100μm、よ
り好ましくは5〜50μm、最大発生力は50〜800
kg、より好ましくは100〜400kgのものが使用
される。最大変位量または最大発生力が小さすぎると、
スクライブ溝が深くなるという効果が得られず、逆に大
きすぎると、スクライブ溝の周りのガラス表面の微小な
割れ欠けが多くなる。
えたが、カッタホイルがスクライブ溝を形成している近
傍で脆性材料自身に与えても良く、その方向も脆性材料
の表面、裏面あるいはホイルカッタ部移動方向に対しそ
の前後方向、上下方向のいずれであっても良く、言い換
えればカッタホイルの回転軸方向に対して垂直の成分を
有する方向に振動させれば効果が得られる。また図2で
はホイルカッタ部の支持部を移動させて曲線のスクライ
ブ溝を形成したが、ホイルカッタ部自体は固定させてお
いて脆性材料自身を移動しても良い。
角部の曲線部を切断すべく走行速度を低減して走行する
期間のみに繰返し衝撃荷重付与したが、ホイルカッタ部
または脆性材料に付与する繰返し衝撃荷重はホイルカッ
タの全走行期間中常に付与してもよい。
よって更に深くなるので、ホイルカッタ部を脆性材料表
面へ押し当てる圧力そのものは低くしても振動がない場
合のスクライブ溝と同等あるいはそれ以上の深さの溝が
形成できる。このため、脆性材料表面のスクライブ溝周
辺に発生し易い微小な割れ、欠けが抑制されて曲線部の
切断部でも良質なスクライブ溝の形成上特に有効であ
る。また、ホイルカッタ部の押し当て荷重を下げること
でカッタホイル自体の傷みも少なく済み、長期使用が可
能である。
側面図。
視図。
Claims (2)
- 【請求項1】 ホイルカッタを脆性材料表面に押圧しな
がら走行させて脆性材料表面にスクライブ溝を形成する
方法において、ホイルカッタのホイル部が、脆性材料に
対して相対的に、ホイル部の回転軸方向に対して垂直の
成分を有する方向に振動するように、外部からホイル部
または脆性材料に繰返し衝撃荷重を付与することを特徴
とするスクライブ溝を形成する方法。 - 【請求項2】 ホイルカッタおよび前記ホイルカッタを
脆性材料表面に押圧するための押圧手段を有する、ホイ
ルカッタを脆性材料表面に押圧しながら走行させて脆性
材料表面にスクライブ溝を形成する装置において、前記
ホイルカッタと前記押圧手段との間に機械振動を発生す
る手段を設けることを特徴とするスクライブ溝の形成装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174922A JPH0925134A (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | スクライブ溝の形成方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7174922A JPH0925134A (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | スクライブ溝の形成方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0925134A true JPH0925134A (ja) | 1997-01-28 |
Family
ID=15987068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7174922A Ceased JPH0925134A (ja) | 1995-07-11 | 1995-07-11 | スクライブ溝の形成方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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