JP2002080234A - 硬質脆性板のスクライブ装置 - Google Patents
硬質脆性板のスクライブ装置Info
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Abstract
装置に関し、刃体の押接力を正確に制御して一定したば
らつきのないスクライブ溝を刻設可能にする。 【解決手段】 走行台に硬質脆性板の面直角方向に昇降
する昇降ブラケットが装着され、この昇降ブラケットに
下端が開放されたシリンダ孔を備えたシリンダブロック
が装着され、このシリンダ孔にわずかな遊隙を持って嵌
挿されたラムの下端に付圧ブラケットが装着され、この
付圧ブラケットに刃体が装着されている。前記シリンダ
孔の上部に刃体を硬質脆性板に向けて付勢する付圧空気
を供給すると共に、前記シリンダ孔の内周面にラムをシ
リンダ孔内で浮遊させる静圧空気を供給する。
Description
イやプラズマディスプレイなどのガラスセルやこれらの
ディスプレイ及びハードディスク記録装置の基板に用い
られるガラス板を主とする硬質脆性板を分断する際に、
その分断線に沿って硬質脆性板の表面に引っ掻き傷(ス
クライブ溝)を設ける装置に関するもので、特にスクラ
イブ溝を設けるための刃体(尖針や回転刃)を分断しよ
うとする硬質脆性板に押付ける部分の構造に特徴がある
上記装置に関するものである。
ダイヤモンドの尖針で引っ掻き傷(スクライブ溝)を付
け、その後このスクライブ溝を設けた部分に機械的な衝
撃力や曲げ応力を加えることによってガラス板を分断す
る方法は古くから用いられている。
パネルの分断においても、上記方法を機械化した装置に
よって上記方法と略同一の方法を用いて分断することが
広く行われている。近時においては、硬質脆性板の分断
線に沿ってレーザビームなどの加熱ビームを照射して、
局部的な熱応力による割れを進行させることによって分
断する方法が種々提唱されているが、このような局部的
な熱応力による分断方法を採用する場合においても、予
め分断線に沿ってスクライブ溝を設けておくことによ
り、分断精度や分断速度を向上させることができる。
用いるスクライブ装置は、硬質脆性板を載置するテーブ
ルと、このテーブルの上部にテーブル面と平行に設けた
走行ガイドと、この走行ガイドに沿って走行する走行台
と、この走行台にテーブル上の硬質脆性板に向けて付勢
された刃体(尖針ないし回転刃)とを備えており、テー
ブル上に負圧空気などによって固定された硬質脆性板に
向けて刃体を付勢しながら、走行台を走行ガイドに沿っ
て走行させることにより、硬質脆性板の表面にスクライ
ブ溝を形成する。
は、付圧力が比較的小さいことと、付圧力の調整が必要
なことから空気シリンダが用いられており、摩擦抵抗を
小さくして応答性を高めるために、ダイヤフラム(ベロ
ーと呼ばれることもある)型の空気圧シリンダが用いら
れている。
用のディスプレイパネルは、1枚の(正確には表裏2枚
の)ガラス板にマトリックス状に複数枚分の表示要素を
形成して、これを縦横に分断することによって1個のデ
ィスプレイパネルを得るようにしている。近時のディス
プレイの大面積化と生産性を高めるために、1枚のガラ
ス板に配置されるパネル数の増大によりガラス基板が大
面積化すると共に、軽量化と表示品質の向上のために、
より薄いガラス板が用いられるようになっている。
断には、より繊細な技術が必要になってきており、スク
ライブ溝を刻設する際の刃体の押接力のばらつきが、分
断不良による不良品の発生を増大させる傾向にある。
質脆性板の表面に刃体を押接して、硬質脆性板表面に沿
って走行させることにより、硬質脆性板の表面にスクラ
イブ溝を刻設するスクライブ装置において、硬質脆性板
に対する刃体の押接力を、より正確に制御することがで
き、従って、より一定したばらつきのないスクライブ溝
を刻設することを可能にして、分断不良による不良品の
発生を可及的に減少させることを課題としている。
孔10の内周面との間の隙間に流入する空気の静圧によ
り、外周面を浮遊状態で案内されたラム14の端面に作
用する空気圧により、尖針や回転カッタなどの刃体を硬
質脆性板2の表面に向けて付勢することにより、上記課
題を解決している。
は、分断しようとする硬質脆性板2の表面に平行に走行
する走行台3に尖針や回転カッタ1などの刃体を、当該
刃体を硬質脆性板2に向けて付勢する付勢装置を介して
装着した硬質脆性板のスクライブ装置において、走行台
3に硬質脆性板の面直角方向に昇降する昇降ブラケット
7が装着され、この昇降ブラケットに下端が開放された
シリンダ孔10を備えたシリンダブロック9が装着さ
れ、このシリンダ孔にわずかな遊隙を持って嵌挿された
ラム14の下端に付圧ブラケット15が装着され、この
付圧ブラケットに刃体1が装着されている構造を備え、
前記シリンダ孔の上部に刃体1を硬質脆性板に向けて付
勢する付圧空気を供給すると共に、前記シリンダ孔の内
周面にラム14をシリンダ孔10内で浮遊させる静圧空
気を供給するものである。
設けて、当該2本のラムにより付圧ブラケットを付勢す
るのが好ましい。また、刃体1は、付圧ブラケット15
に硬質脆性板の面直角方向の軸回りに、所定角度自由回
転する旋回軸17の下端にトレーリング方向にわずかに
偏心させた位置に装着する構造がより好ましい。
性板2の表面の高さにならって昇降するときの摩擦抵抗
を零にすることができ、摺動案内や回転案内を採用した
場合に生ずる静摩擦と動摩擦の差に起因するスティック
スリップ現象などによる刃体1の追従動作の不安定さを
完全に解消でき、たとえ硬質脆性板の表面に凹凸があっ
ても、安定した力で刃体1を硬質脆性板表面に付圧し
て、一定の深さのスクライブ溝を形成することができ、
これにより、機械的応力ないし局部熱応力によるブレー
ク時における分断不良の発生を可及的に回避できるので
ある。
施例を示した図である。この実施例の装置では、刃体と
して外周に鋭利な切刃を形成した回転カッタを用いてい
る。この回転カッタ1は、硬質脆性板2の表面を転動し
て、その表面にスクライブ溝を刻設する。
の表面と平行に設けたガイドレールに沿って、図示され
ていない走行装置により、一定速度で走行する。この部
分の構造は、従来装置と特に異なるところがないので、
図示及び説明を省略する。
ブル面と直交する方向(以下、「面直角方向」という)
の2本のガイドレール4と、ボールねじ5と、このボー
ルねじを回転駆動するサーボモータ6とを備えている。
ガイドレール4には昇降ブラケット7が案内されてお
り、この昇降ブラケットに設けたボールナット8がボー
ルねじ5に螺合して、サーボモータ6の正逆転により昇
降ブラケット7が昇降する。
9が固定されている。このシリンダブロック(図3参
照)は、面直角方向の平行な2本のシリンダ孔10を備
えており、このシリンダ孔の下端は開口している。シリ
ンダ孔10の上端には、図示しない空気圧源に連通され
た付圧空気孔11が開口している。また、シリンダ孔1
0の内周には、複数個の円周溝12が設けられ、この円
周溝に前記空気圧源に連通された静圧空気孔13が開口
している。
ム14が挿入されている。このラム14の外周は、シリ
ンダ孔10の内周面との間にミクロン代の隙間を形成す
る嵌め合い交差で嵌挿されている。2本のラム14は、
付圧ブラケット15に一体的に立設されており、この付
圧ブラケットと昇降ブラケット7との間に付圧ブラケッ
トを懸吊する引張りコイルばね16が装架されている。
このようなばねを設ける代りに、付圧ブラケット15の
下方への脱落を防止するストッパを昇降ブラケット7に
設けてもよい。
回軸17がボールベアリング18で軸支され、この旋回
軸の下端に固定したホルダ19の一端に立設した回り止
めピン20が軸受ホルダの下端に設けた回り止め孔21
に遊嵌しており、その遊隙に相当する角度だけ旋回軸1
7が回動可能である。この回動角は数度程度である。回
転カッタ1はホルダ19の下面に旋回軸17の軸心から
走行台3の走行方向後方(トレーリング方向)に数ミリ
メートル偏心Hさせて自由回転可能に軸着されている。
イブ溝を刻設するときは、硬質脆性板2の厚さに応じ
て、サーボモータ6で昇降ブラケット7の高さを設定
し、付圧空気孔11及び静圧空気孔13に圧力空気を供
給した状態で走行台3を走行させる。回転カッタ1は走
行台3の走行に従って硬質脆性板2の表面を転動して、
その外周の切刃により硬質脆性板の表面にスクライブ溝
を刻設する。このとき、硬質脆性板2の厚さのわずかな
相違によって、回転カッタ1が上動したり下動したりす
るとき、ラム14は静圧空気によってシリンダ孔10の
周面から浮遊した状態を保持しているため、この上下動
に対する摩擦付加が全く生じず、ミクロン代の上下動作
であっても、その付圧力に変動を生じさせることがない
から、深さの一定したスクライブ溝を刻設できる。ま
た、刻設されるスクライブ溝の深さは、付圧空気孔から
供給される空気の圧力を制御することによって制御でき
るが、この付圧力が力の把握が困難でかつ不安定な摩擦
力による影響を受けないので、スクライブ溝の深さ制御
を正確に行なうことが可能になる。
し、その一本のラムを旋回軸として、当該ラムの下端に
刃体を装着する構造とすることも可能である。また、シ
リンダ孔に積極的に静圧を供給しなくても、シリンダの
奥端からシリンダの内周面とラムの外周面との間に漏出
する空気でラムを浮上させることもできるが、積極的に
静圧を供給する上記実施例の構造がより安定である。
Claims (3)
- 【請求項1】 シリンダ孔(10)の内周面との間の隙間に
流入する空気の静圧により外周面を浮遊状態で案内され
たラム(14)を備え、このラムの奥端面に作用する空気圧
により刃体(1)を硬質脆性板(2)の表面に向けて付勢する
ことを特徴とする、スクライブ装置。 - 【請求項2】 硬質脆性板(2)を載置するテーブルの面
と平行に走行する走行台(3)に付勢装置を介して刃体(1)
を装着した硬質脆性板のスクライブ装置において、走行
台(3)に装着されてテーブルの面直角方向に昇降する昇
降ブラケット(7)と、この昇降ブラケットに装着された
シリンダブロック(9)と、このシリンダブロック(9)に設
けられた下端が開放されたシリンダ孔(10)と、このシリ
ンダ孔にわずかな遊隙を持って嵌挿されたラム(14)とを
備え、前記刃体はラム(14)の下端に装着され、前記シリ
ンダ孔の上部に刃体(1)を付勢する付圧空気が供給され
ることを特徴とする、スクライブ装置。 - 【請求項3】 テーブルの面直角方向の軸回りに所定角
度自由回転する旋回軸(17)の下端に、刃体(1)がトレー
リング方向にわずかに偏心させて装着されている、請求
項1又は2記載のスクライブ装置。
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